JP2003293017A - 鋼製樋床構造躯体およびその築造方法 - Google Patents

鋼製樋床構造躯体およびその築造方法

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JP2003293017A
JP2003293017A JP2002104711A JP2002104711A JP2003293017A JP 2003293017 A JP2003293017 A JP 2003293017A JP 2002104711 A JP2002104711 A JP 2002104711A JP 2002104711 A JP2002104711 A JP 2002104711A JP 2003293017 A JP2003293017 A JP 2003293017A
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trough
floor
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thermal expansion
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Takashi Okuya
恭士 奥谷
Yoshihiro Takano
良広 高野
Shinji Yorimitsu
伸治 寄光
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のコンクリート構造と比べ、熱劣化対策・
熱膨張対策・安価・短工期な溶銑や溶滓等の高温流動体
が流動する鋼製樋床構造を提供する。 【解決手段】樋床支持梁6の支持面に、樋流れ直角方向
に伸長する複数の樋床用角型鋼管2からなる樋床ユニッ
ト4を、各ユニット間で熱膨張吸収用間隙8をあけて載
置すると共に、熱膨張吸収可能な固定手段7で固定す
る。固定手段7は、樋床ユニット4の樋流れ直角方向の
移動を制限する第1と第2の樋流れ直角方向ずれ止め部
材18、19を有すると共に、樋流れ方向ストッパー1
7を有する。第1と第2のずれ止め部材18、19は、
樋床用角型鋼管2の下面に、樋床支持梁6との間に間隔
を有して係合可能に固着し、ずれ止め部材18、19の
一方は樋流れ方向ストッパー17の間に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉からの溶銑や
溶滓等の高温流動体が流動する樋の底面・側面に構成さ
れる鋼製樋壁・樋床構造躯体およびその築造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】高炉設備にあっては、高炉から流出する
溶銑や溶滓等の高温流動体を導く大樋、溶銑樋、溶滓樋
等の樋が構築されているが、従来の樋構造の多くは樋壁
が鉄筋コンクリート(RC)で構成されたコンクリート
製樋が中心である。
【0003】鉄筋コンクリート製樋壁構造は、耐熱性と
施工性の面で、次の問題点が指摘されている。
【0004】高炉設備の稼動中は、高温環境下に曝さ
れるため、長時間の使用により、樋壁を構成するコンク
リート中の水分が蒸発して、強度低下・弾性係数低下・
中性化進行などを誘発する。
【0005】樋壁が熱膨張する時に、コンクリートに
内部応力が発生し、変形拘束部にひび割れが生じ、強度
が低下する。また、高炉設備の稼動状況により、溶銑や
溶滓等の流動・停止が繰り返し行われるため、コンクリ
ート中の内部応力の発生が繰り返され、ひび割れによる
強度低下を促進する。
【0006】前記、の対策として、耐熱コンクリ
ートの採用・樋壁内部の耐火物の仕様高度化、厚さ増加
などが提案されているが、通常の鉄筋コンクリート構造
と比べて数倍ものコストを要する。
【0007】鉄筋コンクリートの施工にあたっては、
鉄筋→型枠→コンクリート打設→養生→型枠外しなど、
現場作業を中心に多工程かつ多能工を必要とするため、
工期・費用が多大となる。
【0008】前記の問題点については、コンクリート
の特性上回避できないものであり、コスト節減化や設備
の更なる長寿命化が求められている状況下では、致命的
な問題となる。
【0009】また、問題点については、熱膨張を拘束
しないような接合部の工夫や、内部応力に耐えうるコン
クリート断面の設定などにより対応しているが限界があ
り、より大きな変形に対しては効果がなく、コスト増加
にもつながる。
【0010】また、問題点については、短工期での高
炉改修(建設)を達成する上でのクリティカルとなって
いる。
【0011】従来のコンクリート製樋壁構造の問題点を
解消するために、鉄骨と鋼製壁板で構築された鋼製樋壁
構造を有するものがある。すなわち、支柱、胴縁及び鋼
製壁板の各構成部材を上下または左右に可動自在に接合
して、樋壁を構築することにより、各構成部材の熱膨張
による座屈変形を防止する先行技術につき、本出願人が
提案している(特願平10−92287、特開平11−
269517)。
【0012】前記の先行例では、鋼製樋壁により鉄筋コ
ンクリート樋壁の欠点が改良されていると共に、該鋼製
樋壁は熱膨張を吸収可能に取付けられている。しかし、
前記の構造では、ボルト・ナット等による鋼製樋壁の内
外両側からの面倒な施工作業や、鋼製樋壁への胴縁用接
合金物(図示省略)の溶接作業にも労力を要するという
ことがあり、これらにより鋼製樋壁を構築するにあたっ
て、壁板の加工手間、施工のコスト、歩掛りなどの点
で、さらに改良の余地が残されていた。
【0013】また、前記の鋼製樋壁構造にあっては、樋
本体の構造および、樋本体の支持構造(樋床構造)に関
しては依然として従来構造のままであり、樋床構造を断
熱性に優れた構造とすることで樋本体自体の構造を簡略
化し、或いは、樋本体をコンパクト化し、占有スペース
を可及的に小さくする等についての改良は従来提案され
ていない。
【0014】すなわち、従来構造の樋本体にあっては、
樋溝を流れる高温流動体の床下方向への熱遮断を確実に
するため、レンガ・バラスなど樋壁を多重の層とし厚く
積層して構築しているが、この樋本体の構造では占有ス
ペースが大きく必要となると共に、現場作業を中心に多
工程かつ多能工を必要とし、工期・費用が多大となるこ
とがある。
【0015】本出願人は、鋼製樋壁に関して、さらに特
願2001−68244、特願2001−73570
(いずれも、未公開)を提案している。この2つの先行
技術は、溶銑や溶滓等の高温流動体により熱膨張する樋
壁に過大な荷重が作用したとき、その荷重が樋壁の壁面
に付着した荷重吸収機能によって吸収しコントロールさ
れるため、従前のような樋壁を構築する各構成部材の座
屈変形による破壊を防止し、壁板の加工手間、施工コス
ト、歩掛りなどの点を改良するものであるが、樋床構造
に関しては依然従来構造のままであると共に、樋壁に関
しても、なお一層の構造簡略化の余地が残されていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の樋構造におい
て、樋本体の構造自体および、樋本体の樋床下方への熱
伝達を効果的に遮断できる支持構造(樋床構造)につい
ては、改良がなされておらず、したがって、樋本体は、
煉瓦・バラス等を多重の層に積層して構築しているた
め、樋本体は大型になると共に、現場作業を中心に多工
程かつ多能工を必要とし、工期・費用が多大となるとい
う問題がある。
【0017】本発明は、前記従来の欠点を改良すべく、
角型鋼管を用いて鋼製樋床を構築するという新規な発想
の下に提案するものであり、従来の樋床・樋壁構造と比
べ、熱劣化対策・熱膨張対策・安価・短工期を実現する
鋼製樋床を提案することを目的とする。
【0018】特に、前記の場合、樋床用角型鋼管と樋壁
用角型鋼管で構成される樋溝を約1500℃の溶銑や溶
滓等の高炉からの湯(高温流動体)が流れた場合、樋床
の底も湯の放射熱によって200〜300℃の高温にな
るので、樋床用角型鋼管は大きく熱膨張し変形するおそ
れがある。この場合、各樋床用角型鋼管が固定的に接合
されていると、各部材の熱膨張による変形が拘束され、
各構成部材に非常に大きな応力が働いて、それにより樋
床が座屈変形し、破壊しやすいという問題が生じる。
【0019】本発明では、このような高温流動体からの
入熱に伴う鋼製樋床の変形対策として、樋床用角型鋼管
の樋流れ方向のジョイント部に伸び吸収しろ(熱膨張吸
収用間隙)を形成すると共に、樋床用角型鋼管を熱膨張
吸収可能な固定手段で固定部側へ固定することで、樋床
の熱膨張に対して円滑な対策を施した点に特徴を有する
鋼製樋床構造躯体とその築造方法を提供するものであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、次のように構成する。
【0021】第1の発明は、高炉の鋳床上に設置され、
溶銑や溶滓等の高温流動体が流動する樋の樋床構造躯体
であって、樋流れ方向に伸長しており、かつ樋流れ直角
方向に間隔をあけて配設されている形鋼製の樋床支持梁
の支持面に、樋流れ直角方向に伸長する複数の角型鋼管
を予め接合してなる複数の樋床ユニットを、各ユニット
間で熱膨張吸収用間隙をあけて載置したうえ、熱膨張吸
収可能な固定手段を用いて固定し、前記熱膨張吸収可能
な固定手段を次の構成とする、すなわち、前記樋床ユニ
ットを構成する角型鋼管の下面に、前記樋床支持梁に間
隔を有して係合可能に固着し、その係合により前記樋床
ユニットの樋流れ直角方向の移動を制限する第1と第2
の樋流れ直角方向ずれ止め部材と、第1と第2の樋流れ
直角方向ずれ止め部材の何れかを支持すると共に、前記
樋床支持梁に固着された樋流れ方向ストッパーからなる
ことを特徴とする。
【0022】第2の発明は、第1の発明において、樋流
れ方向ストッパーは、樋流れ方向に長径が向く長孔を有
する鋼板製の本体ストッパーに前記ずれ止め部材の支持
部材を設けてなり、前記本体ストッパーを形鋼製の樋床
支持梁のウェブに当てがい、前記長孔にボルトを挿通し
て固着し、第1の樋流れ直角方向ずれ止め部材は、樋流
れ直角方向に長径が向く長孔を有し、該長孔にボルトを
挿通して角型鋼管の下面に固着すると共に、前記樋流れ
方向ストッパーに設けた支持部材に固着し、第2の樋流
れ直角方向ずれ止め部材は、樋流れ直角方向に長径が向
く長孔を有し、該長孔にボルトを挿通して角型鋼管の下
面に固着したことを特徴とする。
【0023】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記熱膨張吸収可能な固定手段は、前記樋床支持
梁の両側に対をなして設けられていることを特徴とす
る。
【0024】第4の発明は、高炉の鋳床上に設置され、
溶銑や溶滓等の高温流動体が流動する樋の樋床構造躯体
であって、樋流れ方向に伸長するとともに、樋流れ直角
方向に間隔をあけて配設されている樋床支持梁又はコン
クリートの支持面に、樋流れ直角方向に伸長する複数の
角型鋼管を予め接合してなる複数の樋床ユニットを、各
ユニット間で熱膨張吸収用間隙をあけて載置したうえ、
熱膨張吸収可能な固定手段を用いて固定し、前記熱膨張
吸収可能な固定手段を次の構成とする、すなわち、隣合
う一方の樋床ユニットの角型鋼管底面には、当該角型鋼
管が樋流れ方向及び樋流れ直角方向に熱膨張可能な孔を
開口すると共に、前記孔と同心的にボルト孔を有するず
れ止めプレートを固着し、前記孔とボルト孔に前記支持
面に立設したボルトを挿通したうえナットで締結し、隣
合う他方の樋床ユニットの角型鋼管底面には、当該角型
鋼管がボルト挿通用の孔を開口すると共に、前記孔と同
心的に樋流れ直角方向に長径が向くボルト用長孔を有す
るずれ止めプレートを固着し、前記孔と長孔に前記樋床
支持梁に立設したボルトを挿通したうえナットで締結す
ることを特徴とする。
【0025】第5の発明は、高炉の鋳床上に設置され、
溶銑や溶滓等の高温流動体が流動する樋の樋床構造躯体
であって、樋流れ方向に伸長するとともに、樋流れ直角
方向に間隔をあけて配設されている樋床支持梁又はコン
クリートの支持面に、樋流れ直角方向に伸長する複数の
角型鋼管を予め接合してなる複数の樋床ユニットを、各
ユニット間で熱膨張吸収用間隙をあけて載置したうえ、
熱膨張吸収可能な固定手段を用いて固定し、前記熱膨張
吸収可能な固定手段を次の構成とする、すなわち、前記
各樋床ユニットの樋流れ方向上流側と下流側の何れか一
方に位置する角型鋼管底面には、当該角型鋼管が樋流れ
方向及び樋流れ直角方向に熱膨張可能な孔を開口すると
共に、前記孔と同心的にボルト孔を有するずれ止めプレ
ートを固着し、前記孔とボルト孔に前記支持面に立設し
たボルトを挿通したうえナットで締結し、前記上流側と
下流側の何れか他方に位置する角型鋼管底面には、当該
角型鋼管がボルト挿通用の孔を開口すると共に、前記孔
と同心的に樋流れ直角方向に長径が向くボルト用長孔を
有するずれ止めプレートを固着し、前記孔と長孔に前記
樋床支持梁に立設したボルトを挿通したうえナットで締
結することを特徴とする。
【0026】第6の発明は、高炉の鋳床上に設置され、
溶銑や溶滓等の高温流動体が流動する樋の樋床構造躯体
であって、樋流れ方向に伸長するとともに、樋流れ直角
方向に間隔をあけて配設されている樋床支持梁又はコン
クリートの支持面に、樋流れ直角方向に伸長する複数の
樋床用角型鋼管を、各1本毎の樋床用角型鋼管の間、ま
たは、複数本の樋床用角型鋼管の間で熱膨張吸収用間隙
をあけて載置したうえ、熱膨張吸収可能な固定手段を用
いて固定し、前記熱膨張吸収可能な固定手段を次の構成
とする、すなわち、各角型鋼管底面には、当該角型鋼管
が樋流れ方向及び樋流れ直角方向に熱膨張可能な孔を開
口すると共に、前記孔と同心的にボルト孔を有するずれ
止めプレートを固着し、前記孔とボルト孔に前記支持面
に立設したボルトを挿通したうえナットで締結すること
を特徴とする。
【0027】第7の発明は、第1〜第6の何れかの発明
において、前記ボルト位置の上方における角型鋼管の上
側面には、ハンドホールが開設されると共に、このハン
ドホールが塞ぎプレートで閉塞されていることを特徴と
する。
【0028】第8の発明は、第1〜第6の何れかの発明
における樋床ユニットで樋床を構築するに際し、該樋床
ユニットを所定数の前記角型鋼管を事前に組立て、現場
にてユニット単位で鋳床上に設置することを特徴とす
る。
【0029】第9の発明は、第1〜第8の何れかの発明
において、樋床を構成する角型鋼管の端部にそれぞれ樋
壁用角型鋼管を整列立設することを特徴とする。
【0030】第10の発明は、第9の発明において、樋
床用角型鋼管と樋壁用角型鋼管を、事前に組み合わせて
なる樋床・樋壁ユニットとして構成することを特徴とす
る。
【0031】
【作用】本発明によると、高炉の鋳床に設置される溶銑
や溶滓等の高温流動体の流動用の樋において、樋床を複
数本の角型鋼管を平行に配設して構成するので、角型鋼
管の切断・接合のみで構成でき、工場での加工・製作・
プレファブ化が容易であると共に、施工現場では設置の
みでよく、したがって、鉄骨工事が大部分を占めるた
め、多工程かつ多能工が不要であり、工期 費用の増大
を抑制可能である。
【0032】また、樋床用角型鋼管の切断・接合のみに
よる工場での加工・製作・プレファブ化が容易なことを
利用して、当該角型鋼管を数本単位で接合する、ユニッ
ト化での施工が可能であり、現場作業の省力化が一層可
能である。さらに、樋床・樋壁として角型鋼管の適用に
よる許容温度条件の緩和・熱伝達効率向上などがある。
【0033】特に本発明によると、樋床ユニットなどの
樋床用角型鋼管は、樋流れ方向および樋流れ直角方向に
熱膨張可能な態様で、かつ簡潔な構成で樋床支持梁やコ
ンクリートの支持面に対して固定されているので、樋床
用角型鋼管が高温流動体の熱で膨張しても、その膨張を
円滑に吸収できて、樋床用角型鋼管に無理な応力が作用
することがない。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図を参
照して説明する。
【0035】図1は、本発明の鋼製樋床・樋壁構造の基
本概要図で、図2(A)は鋼製樋床・樋壁構造の全体正
面図、(B)は、図(A)の平面図、図3は、図2
(A)側面図である。
【0036】図1〜図3によって概要を説明する。図1
に示す鋼製樋床・樋壁構造1において、樋流れ方向
(イ)と直角方向に伸長する複数の樋床用角型鋼管2
を、それぞれの側面が互いに接するように樋底設置予定
部に整列配置して樋床2aが構成されている。また、樋
床用角型鋼管2の両端部の上側面に複数の樋壁用角型鋼
管3を、それぞれの側面が互いに接するように整列配置
して立設し、固定して樋壁3aが構成されている。樋床
と樋壁を構成する各角型鋼管2、3の寸法と断面形状は
適宜に構成してよい。図示例では、正方形の樋壁用角型
鋼管3の一辺の長さが、同じく正方形の樋床用角型鋼管
2の一辺の長さの2倍に設けてあって、1本の樋壁用角
型鋼管3が2本の樋床用角型鋼管2の上側面に跨った状
態で立設されている。
【0037】図1においては、複数本の樋床用角型鋼管
2が事前に一体接合されてた樋床ユニット4として構成
されていて、この樋床ユニット4を1単位として、樋床
設置予定場所に配置され、その両端部の上面に樋壁用角
型鋼管3が立設される。こうして構成された樋床・樋壁
構造1の内側の樋溝5内を高炉からの溶銑や溶滓等の高
温流動体が流動する。
【0038】樋流れ直角方向に伸長する複数の樋床用角
型鋼管2からなる樋床ユニット4は、図2、図3に示す
ように、樋流れ方向に伸長する形鋼製の樋床支持梁6の
上面で支持されている。この樋床支持梁6は、樋流れ直
角方向に間隔をあけて複数本配設されている。前記樋床
ユニット4を構成する複数の樋床用角型鋼管2は、樋溝
内を流れる溶銑や溶滓等の高温流動体により熱膨張し、
それにより、樋が変形、屈曲するなどの不具合を生じる
恐れがあるので、この不具合を無くすためにその樋床ユ
ニット4は、前記の熱膨張を吸収可能に樋床支持梁6に
固定する必要がある。
【0039】本発明の主要素は、前記の問題を解決する
ことにあり、樋床用角型鋼管2と樋床支持梁6との熱膨
張吸収可能な固定手段に特長がある。図2(B)にその
熱膨張吸収可能な固定手段7の第1例の配置の概略を示
す。この固定手段7により樋床用角型鋼管2は、樋流れ
方向と樋流れ直角方向に熱膨張可能で、しかも、固定手
段7は、樋床用角型鋼管2の樋流れ方向と樋流れ直角方
向の動きを所定範囲内に制限したずれ止め機能を具備し
ており、それにより、樋床用角型鋼管2を確実に樋床支
持梁6に固着できる。
【0040】熱膨張吸収可能な固定手段7の具体的構造
は数例ある。また、この固定手段7は、樋床用角型鋼管
2を図2のように樋床支持梁6に固着する場合と、コン
クリートの基礎面に固着する場合の何れにも適用できる
(後述する)。
【0041】図4、図5によって、樋床用角型鋼管2と
樋壁用角型鋼管3の熱膨張に対する対策の概要を説明す
る。
【0042】図4、図5において、複数の樋床用角型鋼
管2が一体化された樋床ユニット4が樋床支持梁6の上
面に載置され、隣合う樋床ユニット4間には、角型鋼管
の樋流れ方向の熱膨張吸収しろとして、所定幅の熱膨張
吸収用間隙(伸び吸収しろ)8が形成されている。この
間隙幅は、樋壁に用いる材料と使用温度で決まる熱膨張
変化に対応できる隙間であればよい。この熱膨張吸収用
間隙8を閉塞する手段としては、例えば図のように、隣
合う一方の(図右側)樋床ユニット4の端部の樋床用角
型鋼管2の上側面に、樋流れ方向に伸長して間隙の閉塞
板10を固着している。閉塞板10は、前記間隙8を閉
じ、隣合う他方(図左側)の樋床ユニット4の端部の樋
床用角型鋼管2の上側面と摺動自在に接している。
【0043】樋床ユニット4間の熱膨張吸収用間隙8
は、閉塞板10で閉じられていて、バラス・耐火物など
の異物が間隙8から樋床下部に流出しない。また、樋床
ユニット4が樋流れ方向に熱膨張するときは、閉塞板1
0が他方の樋床用角型鋼管2の上側面と接して摺動自在
することで、各樋床用角型鋼管2に無理な応力が作用す
ることがない。さらに、この熱膨張吸収用間隙8の範囲
で樋床用角型鋼管2の樋流れ方向の熱膨張を許容しつ
つ、一定の範囲にその動きを制限して樋床支持梁6に固
定するために、前述の固定手段7(図2示す)が設けら
れる。
【0044】樋床用角型鋼管2は、樋床支持梁6に対し
て樋流れ直角方向にも熱膨張を許容しつつ支持されてお
り、しかもその動きを一定の範囲に制限すべく前述の固
定手段7が設けられる。図4(B)には、固定手段7の
1つの構成部材である樋流れ直角方向ずれ止め部材12
が、樋床用角型鋼管2の下面に固着された例を概略的に
示している。ずれ止め部材12と樋床支持梁6の間に
は、熱膨張吸収用間隔13が設けてあって、樋床用角型
鋼管2は、間隔13の範囲で樋流れ直角方向に熱膨張で
きると共に、ずれ止め部材12が間隔13を介して樋床
支持梁6に係合する範囲に樋床用角型鋼管2の樋流れ直
角方向の動きを制限できる。
【0045】図5(B)に示すように、樋床用角型鋼管
2の両端部に立設する樋壁用角型鋼管3を樋壁ユニット
14で構成する場合にも、隣合う樋壁ユニット14間に
は、角型鋼管の熱膨張吸収しろとして、熱膨張吸収用間
隙(伸び吸収しろ)15が形成されている。この場合、
間隙15を閉塞する手段として、例えば、図のように、
隣合う一方(右側)の樋壁ユニット14の端部の樋壁用
角型鋼管3の樋内側の側面に、樋壁上下方向に伸長して
間隙の閉塞板16を固着する。閉塞板16は、樋壁の間
隙15を閉じ、隣合う他方(左側)の樋壁ユニット14
の端部の樋壁用角型鋼管3の樋内側面と摺動自在に接し
ている。
【0046】樋壁ユニット14間の間隙15は閉塞板1
6で閉じているから、この間隙15からバラス・耐火物
等の異物が樋壁外側に流出しない。また、樋壁用角型鋼
管3が樋流れ方向に熱膨張するときは、閉塞板16が他
方の樋壁用角型鋼管3の樋内側面と接して摺動自在する
ことで、各樋壁用角型鋼管3に無理な応力が作用するこ
とがない。
【0047】次に、図6〜図9を参照して本発明の主要
素の1つである、樋床用角型鋼管2と樋床支持梁6との
熱膨張吸収可能な固定手段7の第1実施形態を説明す
る。
【0048】第1実施形態では、熱膨張吸収可能な固定
手段7は、図6〜図9に示す樋流れ方向ストッパー17
と、この樋流れ方向ストッパー17に支持される第1の
樋流れ直角方向ずれ止め部材18と、図9に示す第2の
樋流れ直角方向ずれ止め部材19とからなる。
【0049】樋流れ方向ストッパー17は、樋流れ方向
に長径が向く長孔20を有する鋼板製からなる本体スト
ッパー17aと、その側面にH形鋼を短尺に切断してな
る2つの支持部材17bの端部を固着して構成される。
2つの支持部材17bは樋流れ方向に所定の間隔をあけ
て設けられ、かつ、両フランジが縦になるよう配設され
る。前記本体ストッパー17aは、形鋼製の樋床支持梁
6のウェブ6aに当てがい、ウェブに開設のボルト孔2
1と長孔20にボルト(図示省略)を挿通してナットを
締結する。前記ボルト挿通孔である長孔20は、現場で
の作業性の向上のために長孔とされている。
【0050】それにより、樋流れ方向ストッパー17は
樋床支持梁6に対して固着される。第1の樋流れ直角方
向ずれ止め部材18は、天板18aと、該天板18aに
固着のH形鋼を短寸に切断してなる脚部材18bからな
る。天板18aを樋床用角型鋼管2の底面に当てがい、
天板18aに開設した樋流れ直角方向に長径が向く長孔
22と、樋床用角型鋼管2の底面に開設のボルト孔23
にボルト(図示省略)を挿通することで、天板18aを
樋床用角型鋼管2の下面に固着する。また、第1のずれ
止め部材18の脚部材18bは、樋流れ方向ストッパー
17の2つの支持部材17b間に配置し摺動自在に設け
られる。このとき、脚部材18bは樋床支持梁6の上部
フランジから外側に外れた位置にあり、該上部フランジ
からにぶつからない。
【0051】天板18aと樋床支持梁6の上部支持面は
同じ高さに設けてあり、かつ、両部材間には、熱膨張吸
収用間隔24(図8Bに示す)が設けてあって、樋床用
角型鋼管2は、間隔24の範囲で樋流れ直角方向に熱膨
張することにより熱応力を回避でき、しかも、天板18
aが間隔24を介して樋床支持梁6に係合する範囲に樋
床用角型鋼管2の樋流れ直角方向の動きを制限できる。
【0052】図9に示すように、第2の樋流れ直角方向
ずれ止め部材19は、アングル材を短寸に切断して構成
され、切断端縁を樋床支持梁6に向けると共に、その水
平片19aを樋床用角型鋼管2の底面に当てがい、水平
片19aに開設した樋流れ直角方向に長径が向く長孔2
5と、樋床用角型鋼管2の底面に開設のボルト孔23に
ボルト(図示省略)を挿通することで、第2のずれ止め
部材19を樋床用角型鋼管2の下面に固着する。
【0053】水平片19aと樋床支持梁6の上部支持面
は同じ高さに設けてあり、かつ、両部材間には、熱膨張
吸収用間隔24が設けてあって、樋床用角型鋼管2は、
間隔24の範囲で樋流れ直角方向に熱膨張することによ
り熱応力を回避でき、しかも、第2のずれ止め部材19
の垂直片19bが間隔24を介して樋床支持梁6に係合
する範囲に樋床用角型鋼管2の樋流れ直角方向の動きを
制限できる。
【0054】なお、第1、第2のずれ止め部材18、1
9の固定用ボルトが設けられる部位の角型鋼管の上面に
開設したハンドホール27(図6、図7(A)に点線で
示す)を介してナットが締結される。また、樋流れ方向
ストッパー17と、第1、第2の樋流れ直角方向のずれ
止め部材18、19からなる固定手段7は、樋床支持梁
6の両側に一対をなして設けられる。
【0055】第1実施形態の作用をまとめると、樋床ユ
ニット4(つまり、複数の樋床用角型鋼管2)は高温流
動体からの入熱によって膨張するとき、樋流れ方向スト
ッパー17と、第1、第2の樋流れ直角方向のずれ止め
部材18、19における熱膨張吸収用間隔8、15、2
4の範囲で、樋流れ方向と樋流れ直角方向に膨張できて
円滑に吸収され、しかも、樋床ユニット4は、樋流れ方
向と樋流れ直角方向に動きが一定範囲に制限されて、樋
床支持梁6に確実に固定され、構成は簡潔である。
【0056】次に、図10〜図12を参照して、樋床用
角型鋼管2と樋床支持梁6の固定手段7の第2実施形態
を説明する。
【0057】第2実施形態では、樋流れ直角方向に伸長
する複数(4本)の樋壁用角型鋼管2を予め接合してな
る樋床ユニット4を、隣合うユニット間に熱膨張吸収用
間隙8をあけて樋床支持梁6の支持面に載置し、かつ、
熱膨張吸収可能な固定手段7により樋床ユニット4間で
角型鋼管の熱膨張を吸収可能に樋床支持梁6へ固定す
る。間隙8は閉塞板10で閉塞される。
【0058】熱膨張吸収可能な固定手段7として、形鋼
製の樋床支持梁6の支持面である上フランジの上面に
は、各樋床ユニット4に対応してボルト36を立設し、
隣合う各樋床ユニット4における、1つの樋床用角型鋼
管2の底面には、当該樋床用角型鋼管2が樋流れ方向及
び樋流れ直角方向に熱膨張可能な大径の孔26を開口す
ると共に、孔26の上方の角型鋼管の上面にはハンドホ
ール27を開設し、塞ぎプレート38で閉塞する。
【0059】さらに、隣合う一方の樋床ユニット4の角
型鋼管底面には、角型鋼管が樋流れ方向及び樋流れ直角
方向に熱膨張可能な大径のボルト孔28を有するずれ止
めプレート29を溶接にて固着し、ずれ止めプレート2
9の上に座金30を配置する。そして、前記大径の孔2
6と大径のボルト孔28に樋床支持梁6の支持面から立
設するボルト36を挿通し、座金30を介してずれ止め
プレート29の上からナットを締結することで、一方の
樋床ユニット4(図11で左側)を、樋流れ方向と樋流
れ直角方向の何れにも熱膨張可能に樋床支持梁6に固定
する。
【0060】また、隣合う他方の樋床ユニット20の角
型鋼管の底面には、樋流れ直角方向に長径が向く長孔3
1を有するずれ止めプレート32を固着し、このずれ止
めプレート32の上には座金33を配置する。そして、
前記大径の孔26と長孔31に樋床支持梁6の支持面か
ら立設するボルト36を挿通し、座金33を介してずれ
止めプレート32の上からナットを締結することで、他
方の樋床ユニット4(図11で右側)を樋流れ直角方向
にのみ熱膨張を許容して樋床支持梁6に固定する。
【0061】第2実施形態の固定手段7によると、樋流
れ方向に隣合って配置される樋床ユニット4のうち、一
方の樋床ユニット4は、樋床支持梁6の支持面から立設
するボルト36により、樋流れ方向と、樋流れ直角方向
の何れにも熱膨張可能に樋床支持梁6に固定され、他方
の樋床ユニット4は、樋流れ直角方向のみの移動と熱膨
張を許容して樋床支持梁6に固定されている。
【0062】したがって、高温流動体の入熱により各樋
床ユニット4が膨張するとき、固定手段7が異なる2種
の樋床ユニット4が交互に樋流れ方向に連続して配設さ
れるので、樋床ユニット4の2種の異なる固定構造の相
互作用により、各樋床ユニット4を、樋流れ方向と樋流
れ直角方向の熱膨張を許容した状態で固定できる。この
ように、前記固定構造により、簡潔な構造により、しか
も、樋流れ方向と樋流れ直角方向の何れにも円滑に対応
でき、樋床ユニット4に無理な応力が作用する不具合が
ない。
【0063】次に、図13〜図15を参照して、樋床用
角型鋼管2と樋床支持梁6との固定手段7の第3実施形
態を説明する。
【0064】第3実施形態では、樋流れ直角方向に伸長
する複数(6本)の樋壁用角型鋼管2を予め接合してな
る樋床ユニット4を、隣合うユニット間に熱膨張吸収用
間隙8をあけてコンクリートの床面35に高さ調整用モ
ルタル38を介して載置し、かつ熱膨張吸収可能な固定
手段7により固定する。間隙8は閉塞板10で閉塞され
る。
【0065】第3実施形態の固定手段7として、コンク
リートの床面35には、所定の間隔をあけてアンカーボ
ルト37を立設し、アンカーボルト37によって高さ調
整用モルタル34の上面に樋床ユニット4が設置され
る。また、複数本の角型鋼管からなる1単位の樋床ユニ
ット4において、樋流れの上流側に位置する1本の角型
鋼管と下流側に位置する2本の角型鋼管の底面には、そ
れぞれ樋流れ方向と、樋流れ直角方向の何れにも熱膨張
移動可能に大径の孔26を開口すると共に、孔26の上
方の角型鋼管の上側面にはハンドホール27を開設し、
閉塞プレート38で閉塞する。
【0066】前記樋床ユニット4の上流側の樋床用角型
鋼管2の底面には、大径の孔26と同心的に、樋流れ直
角方向に長径が向くボルト用の長孔31を有するずれ止
めプレート29を固着し、このずれ止めプレート32の
上には座金33を配置する。そして、前記大径の孔26
と長孔31にコンクリートの床面35の支持面から立設
するアンカーボルト37を挿通し、座金33を介してず
れ止めプレート32の上からナットを締結することで、
樋床ユニット4の上流側を樋流れ直角方向にのみ熱膨張
を許容してコンクリートの床面35に固定する。
【0067】前記樋床ユニット4の下流側の樋床用角型
鋼管2の底面には、大径の孔26と同心的に、樋流れ方
向と樋流れ直角方向の何れにも熱膨張可能な大径のボル
ト孔28を有するずれ止めプレート29を固着し、ずれ
止めプレート29の上には座金33を配置する。そし
て、前記大径の孔26と大径のボルト孔28にコンクリ
ートの床面35の支持面から立設するアンカーボルト3
7を挿通し、座金33を介してずれ止めプレート29の
上からナットを締結することで、この樋床ユニット4の
下流側を樋流れ方向と樋流れ直角方向の何れにも熱膨張
を許容してコンクリートの床面35に固定する。
【0068】したがって、第3実施形態において、高温
流動体の入熱により樋床ユニット4が膨張するとき、上
流側と下流側で異なる2種の固定構造の相互作用によ
り、この樋床ユニット4を、樋流れ方向と樋流れ直角方
向の何れにも安定した状態で樋床支持梁6に固定でき
る。しかも、前記固定構造により、樋流れ方向と樋流れ
直角方向の熱膨張を許容でき、簡潔な構造により、樋流
れ方向と樋流れ直角方向の何れにも円滑に対応でき、樋
床ユニット4に無理な応力が作用する不具合がない。
【0069】次に、図16を参照して、樋床用角型鋼管
2と樋床支持梁6との固定手段7の第4実施形態を説明
する。
【0070】第4実施形態では、複数の樋床用角型鋼管
2の相互間は接合されていない。そして、各1本の樋床
用角型鋼管2毎に熱膨張吸収可能な固定手段7で熱膨張
を吸収可能に樋床支持梁6の支持面に固着される。この
樋床用角型鋼管2は、各1本毎に熱膨張吸収用間隙をあ
けて設置されるか、又は、図16のように複数本の樋床
用角型鋼管2毎に隙間をあけて配設され、隙間は閉塞板
10で閉塞される。
【0071】熱膨張吸収可能な固定手段7は、図12
(A)、(B)に示す固定手段と同じである。形鋼製の
樋床支持梁6の支持面から各樋床用角型鋼管2に対応し
てボルト36を立設し、樋床用角型鋼管2の底面には、
当該樋床用角型鋼管2が樋流れ方向及び樋流れ直角方向
に熱膨張可能な大径の孔26を開設すると共に、孔26
の上方位置の樋床用角型鋼管2の上側面にはハンドホー
ル27を開設し、前記樋床用角型鋼管2の底面には、該
角型鋼管を樋流れ方向及び樋流れ直角方向に熱膨張可能
な大径のボルト孔28を有するずれ止めプレート29を
固着し、ずれ止めプレート29の上には座金30を配置
し、座金30の上からナットを締結する。前記ハンドホ
ール27は、塞ぎプレート38で閉塞する。
【0072】第4実施形態の固定手段7によると、高温
流動体の入熱により各樋床用角型鋼管2が膨張すると
き、樋流れ方向と樋流れ直角方向の何れにも安定した状
態で熱膨張を許容して樋床支持梁6に固定でき、各樋床
用角型鋼管2に無理な応力が作用する不具合がなく、構
造は簡潔である。
【0073】第4実施形態において、各樋床用角型鋼管
2を樋床支持梁6にボルト36で固定するのに代えて、
第3実施形態(図13〜図115)で示したコンクリー
トの床面35に高さ調整用モルタル34を介してにアン
カーボルト37で固定する場合にも同様に適用できる。
【0074】本発明において、第1〜第4実施形態に示
した熱膨張吸収可能な固定手段7の構成を必要に応じて
設計変更して実施することは構わない。
【0075】
【発明の効果】本発明によると、高炉の鋳床に設置され
る溶銑や溶滓等の高温流動体の流動用の樋において、樋
床を複数本の角型鋼管を平行に配設して構成するので、
角型鋼管の切断・接合のみで構成でき、工場での加工・
製作・プレファブ化が容易であると共に、施工現場では
設置のみでよく、したがって、鉄骨工事が大部分を占め
るため、多工程かつ多能工が不要であり、工期 費用の
増大を抑制可能である。
【0076】また、樋床用角型鋼管の切断・接合のみに
よる工場での加工・製作・プレファブ化が容易なことを
利用して、当該角型鋼管を数本単位で接合する、ユニッ
ト化での施工が可能であり、現場作業の省力化が一層可
能である。さらに、樋床・樋壁として角型鋼管の適用に
よる許容温度条件の緩和・熱伝達効率向上などがある。
【0077】特に本発明によると、樋床ユニットなどの
樋床用角型鋼管は、樋流れ方向および樋流れ直角方向に
熱膨張可能な態様で、かつ簡潔な構成で樋床支持梁やコ
ンクリートの支持面に対して固定されているので、樋床
用角型鋼管が高温流動体の熱で膨張しても、その膨張を
円滑に吸収できて、樋床用角型鋼管に無理な応力が作用
することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋼製樋床・樋壁構造の基本概要図であ
る。
【図2】(A)は鋼製樋床・樋壁構造の全体正面図、
(B)は、図(A)の平面図である。
【図3】図2(A)の側面図である。
【図4】図(A)は、樋床ユニットの樋流れ方向の熱膨
張の状況を示す概要側面図、(B)は、図(A)の側面
図で、樋床ユニットの樋流れ直角方向のずれ止め部材の
概要を示す図である。
【図5】(A)、(B)は、角型鋼管製の樋床ユニット
及び樋壁ユニット間のそれぞれの熱膨張吸収間隙の閉塞
板の概要を示す平面図と側面図である。
【図6】角型鋼管製の樋床ユニットと樋床支持梁の熱膨
張吸収可能な固定手段の第1実施形態を示す側面図であ
る。
【図7】(A)は、図6において、樋床支持梁から分離
した角型鋼管製の樋床ユニットに第1樋流れ直角方向の
ずれ止め部材を固着した側面図、(B)は、前記ずれ止
め部材の底面図、(C)は、前記ずれ止め部材を取り外
し、樋流れ方向ストッパーを取付けた樋床支持梁の側面
図である。
【図8】(A)は、図6のa−a断面図、(B)は、図
6のb−b断面図である。
【図9】(A)は、第2樋流れ直角方向のずれ止め部材
の平面説明図、(B)は、同図(A)のc−c断面図で
ある。
【図10】角型鋼管製の樋床ユニットと樋床支持梁の熱
膨張吸収可能な固定手段の第2実施形態を示す平面図で
ある。
【図11】図10のd−d断面図である。
【図12】(A)は、図11のe−e断面図、(B)
は、図11のf−f断面図、(C)は、図11のg−g
断面図、(D)は、図11のh−h断面図である。
【図13】角型鋼管製の樋床ユニットと樋床支持梁の熱
膨張吸収可能な固定手段の第3実施形態を示す平面図で
ある。
【図14】図13のj−j断面図である。
【図15】(A)は、図14のk−k断面図、(B)
は、図14のl−l断面図、(C)は、図14のm−m
面図、(D)は、図14のn−n断面図である。
【図16】(A)は、固定手段の第4実施形態を示す縦
断面図、(B)は、同図(A)のo−o断面図、(C)
は、同図(A)のp−p断面図である。
【符号の説明】
1 鋼製樋床・樋壁構造 2 樋床用角型鋼管 3 樋壁用角型鋼管 4 樋床ユニット 5 樋溝 6 樋床支持梁 7 熱膨張吸収可能な固定手段 8 熱膨張吸収用間隙 10 間隙の閉塞板 12 樋流れ直角方向ずれ止め部材 13 熱膨張吸収用間隙 14 樋壁ユニット 15 熱膨張吸収用間隙 16 間隙の閉塞板 17 樋流れ方向ストッパー 17a 本体部材 17b 支持部材 18 第1の樋流れ直角方向ずれ止め部材 18a 天板 18b 脚部材 19 第2の樋流れ直角方向ずれ止め部材 19a 水平片 19b 垂直片 20 長孔 21 ボルト孔 22 長孔 23 ボルト孔 24 熱膨張吸収用間隙 25 長孔 26 大径の孔 27 ハンドホール 28 大径のボルト孔 29 ずれ止めプレート 30 座金 31 長孔 32 ずれ止めプレート 33 座金 34 高さ調整用モルタル 35 コンクリートの床面 36 ボルト 37 アンカーボルト 38 塞ぎプレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寄光 伸治 東海市東海町5−3 新日本製鐵株式会社 名古屋製鐵所内 Fターム(参考) 4K015 EC01 EC10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉の鋳床上に設置され、溶銑や溶滓等
    の高温流動体が流動する樋の樋床構造躯体であって、樋
    流れ方向に伸長しており、かつ樋流れ直角方向に間隔を
    あけて配設されている形鋼製の樋床支持梁の支持面に、
    樋流れ直角方向に伸長する複数の角型鋼管を予め接合し
    てなる複数の樋床ユニットを、各ユニット間で熱膨張吸
    収用間隙をあけて載置したうえ、熱膨張吸収可能な固定
    手段を用いて固定し、前記熱膨張吸収可能な固定手段を
    次の構成とする、すなわち、前記樋床ユニットを構成す
    る角型鋼管の下面に、前記樋床支持梁に間隔を有して係
    合可能に固着し、その係合により前記樋床ユニットの樋
    流れ直角方向の移動を制限する第1と第2の樋流れ直角
    方向ずれ止め部材と、第1と第2の樋流れ直角方向ずれ
    止め部材の何れかを支持すると共に、前記樋床支持梁に
    固着された樋流れ方向ストッパーとからなる鋼製樋床構
    造躯体。
  2. 【請求項2】樋流れ方向ストッパーは、樋流れ方向に長
    径が向く長孔を有する鋼板製の本体ストッパーに前記ず
    れ止め部材の支持部材を設けてなり、前記本体ストッパ
    ーを形鋼製の樋床支持梁のウェブに当てがい、前記長孔
    にボルトを挿通して固着し、第1の樋流れ直角方向ずれ
    止め部材は、樋流れ直角方向に長径が向く長孔を有し、
    該長孔にボルトを挿通して角型鋼管の下面に固着すると
    共に、前記樋流れ方向ストッパーに設けた支持部材に固
    着し、第2の樋流れ直角方向ずれ止め部材は、樋流れ直
    角方向に長径が向く長孔を有し、該長孔にボルトを挿通
    して角型鋼管の下面に固着した請求項1記載の鋼製樋床
    構造躯体。
  3. 【請求項3】前記熱膨張吸収可能な固定手段は、前記樋
    床支持梁の両側に対をなして設けられている請求項1ま
    たは2記載の鋼製樋床構造躯体。
  4. 【請求項4】 高炉の鋳床上に設置され、溶銑や溶滓等
    の高温流動体が流動する樋の樋床構造躯体であって、樋
    流れ方向に伸長するとともに、樋流れ直角方向に間隔を
    あけて配設されている樋床支持梁又はコンクリートの支
    持面に、樋流れ直角方向に伸長する複数の角型鋼管を予
    め接合してなる複数の樋床ユニットを、各ユニット間で
    熱膨張吸収用間隙をあけて載置したうえ、熱膨張吸収可
    能な固定手段を用いて固定し、前記熱膨張吸収可能な固
    定手段を次の構成とする、すなわち、隣合う一方の樋床
    ユニットの角型鋼管底面には、当該角型鋼管が樋流れ方
    向及び樋流れ直角方向に熱膨張可能な孔を開口すると共
    に、前記孔と同心的にボルト孔を有するずれ止めプレー
    トを固着し、前記孔とボルト孔に前記支持面に立設した
    ボルトを挿通したうえナットで締結し、隣合う他方の樋
    床ユニットの角型鋼管底面には、当該角型鋼管がボルト
    挿通用の孔を開口すると共に、前記孔と同心的に樋流れ
    直角方向に長径が向くボルト用長孔を有するずれ止めプ
    レートを固着し、前記孔と長孔に前記樋床支持梁に立設
    したボルトを挿通したうえナットで締結することを特徴
    とする鋼製樋床構造躯体。
  5. 【請求項5】 高炉の鋳床上に設置され、溶銑や溶滓等
    の高温流動体が流動する樋の樋床構造躯体であって、樋
    流れ方向に伸長するとともに、樋流れ直角方向に間隔を
    あけて配設されている樋床支持梁又はコンクリートの支
    持面に、樋流れ直角方向に伸長する複数の角型鋼管を予
    め接合してなる複数の樋床ユニットを、各ユニット間で
    熱膨張吸収用間隙をあけて載置したうえ、熱膨張吸収可
    能な固定手段を用いて固定し、前記熱膨張吸収可能な固
    定手段を次の構成とする、すなわち、前記各樋床ユニッ
    トの樋流れ方向上流側と下流側の何れか一方に位置する
    角型鋼管底面には、当該角型鋼管が樋流れ方向及び樋流
    れ直角方向に熱膨張可能な孔を開口すると共に、前記孔
    と同心的にボルト孔を有するずれ止めプレートを固着
    し、前記孔とボルト孔に前記支持面に立設したボルトを
    挿通したうえナットで締結し、前記上流側と下流側の何
    れか他方に位置する角型鋼管底面には、当該角型鋼管が
    ボルト挿通用の孔を開口すると共に、前記孔と同心的に
    樋流れ直角方向に長径が向くボルト用長孔を有するずれ
    止めプレートを固着し、前記孔と長孔に前記樋床支持梁
    に立設したボルトを挿通したうえナットで締結すること
    を特徴とする鋼製樋床構造躯体。
  6. 【請求項6】高炉の鋳床上に設置され、溶銑や溶滓等の
    高温流動体が流動する樋の樋床構造躯体であって、樋流
    れ方向に伸長するとともに、樋流れ直角方向に間隔をあ
    けて配設されている樋床支持梁又はコンクリートの支持
    面に、樋流れ直角方向に伸長する複数の樋床用角型鋼管
    を、各1本毎の樋床用角型鋼管の間、または、複数本の
    樋床用角型鋼管の間で熱膨張吸収用間隙をあけて載置し
    たうえ、熱膨張吸収可能な固定手段を用いて固定し、前
    記熱膨張吸収可能な固定手段を次の構成とする、すなわ
    ち、各角型鋼管底面には、当該角型鋼管が樋流れ方向及
    び樋流れ直角方向に熱膨張可能な孔を開口すると共に、
    前記孔と同心的にボルト孔を有するずれ止めプレートを
    固着し、前記孔とボルト孔に前記支持面に立設したボル
    トを挿通したうえナットで締結することを特徴とする鋼
    製樋床構造躯体。
  7. 【請求項7】前記ボルト位置の上方における角型鋼管の
    上側面には、ハンドホールが開設されると共に、このハ
    ンドホールが塞ぎプレートで閉塞されていることを特徴
    とする請求項1〜6の何れか1項記載の鋼製樋床構造躯
    体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れか1項記載の樋床ユ
    ニットで樋床を構築するに際し、該樋床ユニットを所定
    数の前記角型鋼管を事前に組立て、現場にてユニット単
    位で鋳床上に設置することを特徴とする樋床築造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか1項記載におい
    て、樋床を構成する角型鋼管の端部にそれぞれ樋壁用角
    型鋼管を整列立設することを特徴とする樋床築造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載において、樋床用角型鋼
    管と樋壁用角型鋼管を、事前に組み合わせてなる樋床・
    樋壁ユニットとして構成することを特徴とする樋床築造
    方法。
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WO2008081929A1 (ja) 2007-01-04 2008-07-10 Nippon Steel Corporation 床構造
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