JP3707976B2 - 柱状体 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、地すべり杭や、支持杭、構造体の柱等に使われる柱状体に関し、詳しくは、一方の柱状体端部に筒部を設けると共に、他方の柱状体端部に軸部を設けて、柱状体軸芯方向で隣り合う柱状体の前記筒部と前記軸部とを互いに抜け止め状態で接続自在に構成し、前記筒部の筒部内周面部を柱状体端側ほど大径のテーパー面で形成すると共に、前記軸部の軸部外周面部を柱状体端側ほど小径のテーパー面で形成して、前記隣り合う柱状体の前記筒部と前記軸部とを嵌合自在に構成し、前記筒部内周面部に、周方向に沿う内向き溝部を形成すると共に、前記軸部外周面部に周方向に沿う外向き溝部を、その軸部外周面部に嵌合した前記筒部内周面部の前記内向き溝部に対向するように形成し、前記外向き溝部もしくは前記内向き溝部内に進退自在に取り付けたキー部材を、前記筒部と前記軸部との嵌合操作に伴って、前記内向き溝部と前記外向き溝部とに跨る状態に嵌入係合して、互いに嵌合した隣り合う柱状体の前記筒部と前記軸部とを抜け止め状態で接続自在に構成してある柱状体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の柱状体としては、柱状体軸芯方向で隣り合う柱状体の筒部と軸部との嵌合面をテーパー面で形成し、軸部と筒部との嵌合操作に伴って、外向き溝部もしくは内向き溝部に進退自在に取り付けたキー部材が、前記外向き溝部と前記内向き溝部とに跨る状態に嵌入係合し、隣り合う柱状体どうしを互いに抜け止め状態で接続できるようにしたものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の柱状体によれば、キー部材が単一のものであれば、軸部と筒部との嵌合操作に伴って、問題なくキー部材を外向き溝部と内向き溝部とに跨る状態に嵌入係合させることができるのであるが、例えば、キー部材による軸圧縮力及び引き抜き力の耐力を向上させるために、筒部内周面部に形成のテーパー面に複数の内向き溝部を軸芯方向に並べて形成すると共に、軸部外周面部に形成のテーパー面に複数の外向き溝部を軸芯方向に並べて形成し、前記テーパー面の内の何れか一方側のテーパ面に形成の前記複数の溝部内の夫々に、キー部材の複数を進退自在に取り付けて、軸部と筒部との嵌合操作に伴って前記各キー部材が夫々の外向き溝部と内向き溝部とに跨る状態に嵌入係合する複数段のキー連結構造をとった場合、図9に示すように、厚みが同じキー部材を使用すると、筒部に軸部を嵌合する際に、キー部材の軸芯ズレを生じてキー部材が一方側に偏っていたり、筒部に対して軸部の軸芯がズレたまま嵌合操作を行った場合等において、キー部材が所定の位置の溝部に入るまでに他の溝部内に嵌入してしまって、それ以上挿入操作が行えなくなり、挿入操作に支障を生じ易く、嵌合連結作業の作業性が悪くなる場合がある。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、筒部と軸部の嵌合操作に伴って、キー部材が嵌入する所定位置の溝部以外への嵌入を防止して、柱状体同士を嵌合連結する際の接続操作の作業性を向上させることができる柱状体を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
請求項1の発明の特徴構成は図1〜3に例示するごとく、一方の柱状体端部に筒部21を設けると共に、他方の柱状体端部に軸部11を設けて、柱状体軸芯X方向で隣り合う柱状体Aの前記筒部21と前記軸部11とを互いに抜け止め状態で接続自在に構成し、前記筒部21の筒部内周面部23を柱状体端側ほど大径のテーパー面23Tで形成すると共に、前記軸部11の軸部外周面部13を柱状体端側ほど小径のテーパー面13Tで形成して、前記隣り合う柱状体Aの前記筒部21と前記軸部11とを嵌合自在に構成し、前記筒部内周面部23に、周方向に沿う内向き溝部22を形成すると共に、前記軸部外周面部13に周方向に沿う外向き溝部12を、その軸部外周面部13に嵌合した前記筒部内周面部23の前記内向き溝部22に対向するように形成し、前記外向き溝部12もしくは前記内向き溝部22内に進退自在に取り付けたキー部材3を、前記筒部21と前記軸部11との嵌合操作に伴って、前記内向き溝部22と前記外向き溝部12とに跨る状態に嵌入係合して、互いに嵌合した隣り合う柱状体Aの前記筒部21と前記軸部11とを抜け止め状態で接続自在に構成してある柱状体であって、前記筒部内周面部23に形成のテーパー面23Tに前記内向き溝部22を軸芯X方向に並べて複数形成すると共に、前記軸部外周面部13に形成のテーパー面13Tに前記外向き溝部12を軸芯X方向に並べて複数形成し、前記テーパー面23T、13Tの内の何れか一方側のテーパー面に形成の複数の溝部内に前記キー部材3の複数を、その柱状体端部の先端側から基端側に向けて前記キー部材3の厚みが段階的に小さくなるような配列で前記溝部内に進退自在に取り付けた配列部を形成して取り付けてあるところにある。
【0006】
請求項2の発明の特徴構成は図5に例示するごとく、前記筒部内周面部23もしくは前記軸部外周面部13に形成のテーパー面23T、13Tの内の何れか一方側のテーパー面における柱状体端部先端側から基端側に向けて、前記配列部の複数を交互に配置して形成してあるところにある。
【0007】
請求項3の発明の特徴構成は図4に例示するごとく、前記キー部材3を前記外向き溝部12内に進退自在に取り付けたときに、前記内向き溝部22における溝側壁22Aとテーパー面23Tとで形成される角部の内、前記筒部先端側に位置する先端側テーパー面角部Sの径に比して、前記筒部基端側に位置する基端側テーパー面角部Kの径を同等もしくは大きくなるように設定してあるところにある。
【0008】
請求項4の発明の特徴構成は、前記キー部材3を前記内向き溝部22内に進退自在に取り付けたときに、前記外向き溝部12における溝側壁12Aとテーパー面13Tとで形成される角部の内、前記軸部先端側に位置する先端側テーパー面角部Sの径に比して、前記軸部基端側に位置する基端側テーパー面角部Kの径を同等もしくは小さくなるように設定してあるところにある。
【0009】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【0010】
〔作用及び効果〕
請求項1の発明によれば、前記筒部内周面部に形成のテーパー面に前記内向き溝部を軸芯方向に並べて複数形成すると共に、前記軸部外周面部に形成のテーパー面に前記外向き溝部を軸芯方向に並べて複数形成し、前記テーパー面の内の何れか一方側のテーパー面に形成の複数の溝部内に前記キー部材の複数を、その柱状体端部の先端側から基端側に向けて前記キー部材の厚みが段階的に小さくなるような配列で前記溝部内に進退自在に取り付けた配列部を形成して取り付けてあるから、筒部と軸部の嵌合操作に伴って、キー部材が嵌入する所定位置の溝部以外への嵌入を防止することができる。
つまり、例えば、前記軸部外周面部に形成のテーパー面における柱状体端部先端側から基端側に向けてキー部材の厚みが大・中・小と段階的に小さくなるような軸芯方向に並べた配列でキー部材を取り付けた場合、前記筒部内周面部に形成のテーパー面には、前記軸部外周面部とは逆に、テーパー面における柱状体端部先端側から基端側に向けて大きさが小・中・大と段階的に大きくなるように溝部が形成されることになり、前記筒部に前記軸部を嵌合操作していくと、まず、大のキー部材が小の大きさの溝部に位置するが、大きさが異なるので嵌入することなく通過し、次の中の大きさの溝部に位置しても、上記と同様、互いの大きさが異なるので嵌入することなく通過することができる。そして、大の溝部に位置したときに初めて前記大のキー部材が嵌入して係合連結がなされることになる。
次に、中の大きさのキー部材は、最初に、小の大きさの溝部に位置するが、大きさが異なるので嵌入することなく通過し、次の中の大きさの溝部に位置したときに嵌入して係合連結がなされる。
小の大きさのキー部材は、最初から小の大きさの溝部以外の溝部位置に位置することはなく、小溝部に位置したときに嵌入して係合連結がなされる。
その結果、キー部材夫々に対する所定位置の溝部にだけ各キー部材が嵌入して係合連結することができるので、各キー部材が、所定位置の溝部に入るまでに他の溝部に嵌入して引っかかりを生じたりすることにより嵌合連結の際の挿入操作に支障が生じるのを防止できるから、柱状体同士を嵌合連結する際の接続操作の作業性を向上させることができる。
(また逆に、例えば筒部内周面部に形成のテーパー面における柱状体端部先端側から基端側に向けてキー部材の厚みが大・中・小と段階的に小さくなるような配列で取り付けた場合における作用効果も、上記の軸部外周面部にキー部材を配列したものと同様である。)
【0011】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記筒部内周面部もしくは前記軸部外周面部に形成のテーパー面の内の何れか一方側のテーパー面における柱状体端部先端側から基端側に向けて、前記配列部の複数を交互に配置して形成してあるから、キー部材夫々が対応する所定位置の溝部にのみ嵌入して係合連結することができると共に、テーパー面における柱状体端部先端側から基端側に向けてキー部材の厚みが小さくなるものに比して、少ない数のキー部材で引き抜き剪断力に対抗することができるようになる。
つまり、引き抜き剪断力に対抗するのに必要なキー部材の厚みの総量を確保しようとした場合、例えば、図8に示す比較例のように、テーパー面における柱状体端部先端側から基端側に向けて段階的にキー部材3の厚みが小さくなるものだと、必要になるキー部材3の数が多くなり易い。それに比べて、図5に示すように、テーパー面における柱状体端部先端側から基端側に向けてキー部材3の厚みが小さくなる配列部の複数を交互に配置してあるものだと、キー部材3の厚みの平均値を大きくできるから、引き抜き剪断力に対抗するのに必要なキー部材3の厚みの総量を確保できながらキー部材3の数を減らすことができる。
その結果、溝部の数も減らすことができるので、キー部材、及び、溝部製作の手間を減らすことができるようになり、製作コストを下げることが可能となった。
【0012】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2に記載の作用効果を叶えることができるのに加えて、前記キー部材を前記外向き溝部内に進退自在に取り付けたときに、前記内向き溝部における溝側壁とテーパー面とで形成される角部の内、前記筒部先端側に位置する先端側テーパー面角部の径に比して、前記筒部基端側に位置する基端側テーパー面角部の径を同等もしくは大きくなるように設定してあるから、キー部材が内向き溝部における前記基端側テーパー面角部に引っかかることなくスムーズに柱状体の嵌合操作が行える。
つまり、筒部と軸部の嵌合操作に伴って、キー部材は対向するテーパー面との接当により縮径誘導され、所定の溝部に位置したときに嵌入して係合連結するのであるが、その所定位置の溝部に至るまでに他の溝部が存在した場合、例えば、図10に示すように軸部11の外向き溝部12内にキー部材3を取り付けた場合、テーパー面23Tに設けた内向き溝部22における溝側壁22Aと前記テーパー面23Tとで形成される角部の内、前記テーパー面23Tの柱状体端部先端側に位置する先端側角部Sの径に比して柱状体端部基端側に位置する基端側角部Kの径が小さいものだと、キー部材3が内向き溝部22の基端側角部Kに引っかかり易くなって、柱状体の嵌合連結操作に支障をきたし易いものとなるが、本件のものだと、前記先端側テーパー面角部の径に比して前記基端側テーパー面角部の径を、同等もしくは大きくなるように形成してあるので、所定のキー部材3以外のものが他の内向き溝部22に位置したとしても、前記基端側テーパー面角部に引っかかることなく次のテーパー面によって案内されるようになる。
その結果、柱状体同士の連結作業の作業性を向上させることができるようになった。
【0013】
請求項4の発明によれば、請求項1又は2に記載の作用効果を叶えることができるのに加えて、前記キー部材を前記内向き溝部内に進退自在に取り付けたときに、前記外向き溝部における溝側壁とテーパー面とで形成される角部の内、前記軸部先端側に位置する先端側テーパー面角部の径に比して、前記軸部基端側に位置する基端側テーパー面角部の径を同等もしくは小さくなるように設定してあるから、キー部材が外向き溝部における前記基端側テーパー面角部に引っかかることなくスムーズに柱状体の嵌合操作が行える。
つまり、筒部と軸部の嵌合操作に伴って、キー部材が対向するテーパー面との接当により拡径誘導され、所定の溝部に位置したときに嵌入して係合連結するのであるが、前記基端側テーパー面角部の径に比して、前記基端側テーパー面角部の径が小さいと前記キー部材が前記基端側テーパー面角部に引っかかり易くなって、柱状体の嵌合連結操作に支障をきたし易いものとなる。ところが、本件のものだと、前記先端側角部の径に比して前記基端側角部の径を、同等もしくは大きくなるように形成してあるので、所定のキー部材以外のものが他の内向き溝部に位置したとしても、基端側角部に引っかかることなく次のテーパー面によって案内されるようになる。
その結果、柱状体同士の連結作業の作業性を向上させることができるようになった。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係わる柱状体の一種である地すべり抑止用の杭の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、一方の杭端部に円筒状の筒部21を設けると共に、他方の杭端部に小径円筒状の軸部11を設けて、杭軸芯X方向で隣り合う杭Aの筒部21と軸部11とを互いに抜け止め状態で接続自在に構成してある地滑り抑止用の杭Aを示し、この杭Aをクレーン等で吊り下げて、必要数の杭Aどうしを接続しながら、地盤に予め掘削した縦孔に挿入し、中空部E及び杭外周部にコンクリート等の充填材を充填して、地盤を補強できるようにしてある。
【0015】
図1に示すように、本発明の杭Aは、遠心鋳造法で鋳造した円筒状の鋳鋼管1の一方の端部に、筒部21を備えた第一鋳鋼管ボックス継手4を溶接接続すると共に、鋳鋼管1の他方の端部に、軸部11を備えた第二鋳鋼管ボックス継手5を溶接接続して、全長に亘って略一定の外径を備えた円筒状に形成してあり、第1鋳鋼管ボックス継手4を上側に向けて地中に埋設するように構成し、前記軸部11の外周面に複数(本実施例では3段)の環状の外向き溝部12を設けると共に、前記筒部21の内周面に複数(本実施例では3段)の環状の内向き溝部22を設け、夫々の前記外向き溝部内に進退自在に取り付けた複数(本実施例では3つ)のキー部材を、前記筒部21と前記軸部11との嵌合操作に伴って、前記内向き溝部22と前記外向き溝部12とに跨る状態に嵌入し、互いに嵌合した隣り合う杭Aの前記筒部22と前記軸部11とを抜け止め状態で接続自在に構成してある。
【0016】
また、前記第一、第二鋳鋼管ボックス継手4,5を構成する鋼は、いずれも鋳鋼管1を形成する鋼よりも高強度に構成してある。
【0017】
尚、本発明にいうキー部材3の「巾」とは、そのキー部材3を径方向に縦断したときの径方向の長さであり、また、「厚さ」は、キー部材3の軸心方向の長さを指す。また、各溝部12,22の「巾」とは、各杭Aの軸心方向における入り口が開口している距離であり、「深さ」とは、各杭Aに対して径方向に引退する距離を指すものとする。
【0018】
以下に実施形態の一例を図2〜4に示す手順に従って説明する。
予め、図2(イ)に示すように、杭Aの第二鋳鋼管ボックス継手5に備えられた前記軸部11の軸部外周面部13に環状の外向き溝部12を設けると共に、他の杭Aの第一鋳鋼管ボックス継手4に備えられた前記筒部21の筒部内周面部23に環状の内向き溝部22を設け、自然状態で内径が前記外向き溝部12の入り口の径よりも小さく、かつ、外径が前記内向き溝部22の入り口の径よりも大きな、バネ材からなるCリング形状の弾性リングキー31(キー部材3の一例)の各々を夫々の前記外向き溝部12内に嵌入して取り付ける。
尚、前記の各外向き溝部12の深さは、前記弾性リングキー31の巾よりも大に形成しておくと共に、前記内向き溝部22の深さは、前記弾性リングキー31の巾よりも小に形成しておく。
【0019】
前記弾性リングキー31は、前記軸部11の軸部外周面部13に形成の外向き溝部12のテーパー面13Tにおける杭端部先端側から基端側に向けて前記弾性リングキー31の厚みが大・中・小の3段に段階的に小さくなるような配列で前記外向き溝部12内に進退自在に取り付けると共に、筒部21の筒部内周面部23に形成の環状の内向き溝部22を、テーパー面23Tにおける杭端部先端側から基端側に向けて溝部の大きさが大きくなるように形成してある。
そして、図2(ロ),図3(イ)に示すように、杭A同士の嵌合操作に伴って、前記軸部11の前記外向き溝部12内に取り付けた前記弾性リングキー31が、テーパー面23Tに形成してある筒部内周面部23との接当によって縮径誘導されて前記外向き溝部12内に押し込まれ、図2の(ハ),図3(ロ)に示すように、前記内向き溝部22が対向する所定の外向き溝部12の位置にきたときに前記外向き溝部12と前記内向き溝部22とに跨る状態に前記弾性リングキー31が嵌入して、前記筒部21と前記軸部11とが互いに係合連結された状態になる。このとき、前記弾性リングキー31の厚みはテーパー面13Tにおける先端側から基端側に向けて段階的に小さくなるように夫々異ならせてあるから、図2(ロ)に示すように、前記弾性リングキー31が所定の位置以外の他の内向き溝部22の対向位置に位置したとしても、溝に係合することなく乗り越えることになるため、所定の内向き溝部22に対向する位置に位置しない限り所定の大きさの前記弾性リングキー31が嵌入することはない。
【0020】
さらに、前記溝部の形状を、図4に示すように、弾性リングキー31を取り付けた外向き溝部12に対向する側の内向き溝部22における溝側壁22Aとテーパー面23Tとで形成される角部の内、前記テーパー面23Tにおける杭端部先端側に位置する先端側角部Sの径に比して、杭端部基端側に位置する基端側角部Kの径を、同等もしくは大きくなるように形成すると、所定の弾性リングキー31以外のものが内向き溝部22に位置したとしても基端側角部Kに引っかかることなく次のテーパー面23Tによって案内されるようになるのでスムーズに杭の嵌合操作が行える。
〔別実施形態〕
以下に他の実施形態を説明する。
〈1〉内向き溝部及び外向き溝部は先の実施形態で説明した3段のものに限るものではなく、共に2段以上のものに本発明は適用可能である。
〈2〉弾性リングキーの数は先の実施形態で説明したに3つのものに限るものではなく、前記両溝部と同じく2つ以上のものに本発明は適用可能である。
例えば、図5に示すように、弾性リングキー31の厚みが段階的に小さくなる第1弾性リングキー31a・第2弾性リングキー31b・第3弾性リングキー31cの3種類のものを形成し、軸部11のテーパ面における杭端部先端側から基端側に向けて前記第1弾性リングキー31a、第2弾性リングキー31b、第3弾性リングキー31cの順に配列した3段の配列部の複数を繰り返して弾性リングキー31を6段に形成し、前記軸部11と前記筒部21とを互いに接続したときに前記弾性リングキーの夫々が嵌入して連結するように、前記弾性リングキーに対抗する筒部内周面部23のテーパ面23Tにおける杭端部先端側から基端側に向けた箇所に、第3内向き溝部22c、第2内向き溝部22b、第1内向き溝部22aの順に配列した3段の配列部の複数を繰り返して6段の内向き溝部を形成したものでも良い。これだと、同じ大きさの溝部巾及び弾性リングキー厚さが複数(本実施形態では2つ)存在することになるが、段階的に小さくなる配列を繰り返して形成してあるから、例えば、軸部11に取り付けたテーパー面13Tにおける先端側の第1弾性リングキー31aが、筒部内周面部23のテーパー面23Tにおける先端側の第1内向き溝部22aに嵌入することはない。つまり、厚みが同じ弾性リングキー、例えば、軸部11の先端側に配設した第1弾性リングキー31aと、前記第1弾性リングキー31aよりも前記軸部11の基端側に配設した第1弾性リングキー31aであっても、前記テーパー面13Tに沿って間隔を開けて配設してあるので、そのリング径が大きく異なったものとなるから、所定の第1内向き溝部22a以外に嵌入することはない。
〈3〉前記キー部材は先の実施形態で説明したCリング形状のものに限るものではなく、複数の分割キー部材によるものでも良い。
例えば、図6(イ)(ロ)に示すように、各分割キー部材32は、横断面形状が矩形の鋼製の長尺体を円弧状に湾曲させて、前記外向き溝部12内と前記分割キー部材32とをバネ材33(板バネ等でも良い)で連結して前記外向き溝部12内に進退自在に取り付けたものでも良い。
〈4〉また、前記キー部材の取り付け場所は、外向き溝部内に限るものではなく、内向き溝部内に取り付けたものでも良い。
〈5〉尚、本件におけるテーパー面とは、図1〜5に示すような母線の異なる複数のテーパー面を段階的に並べて形成されたものの他、図7(イ),(ロ)に示すように、軸部11の軸部外周面13と筒部21の筒部内周面23とが、杭軸芯X方向に沿った面13M,23Mとテーパー面13T,23Tとを交互に配設して形成されたもの、又は、軸部外周面13と筒部内周面23とが、母線を同じにした一連のテーパー面で形成されてあるものでも良い。但し、この際には、キー部材を取り付けた溝部に対向する溝部における杭端部の基端側テーパー面角部が、杭端部の先端側テーパー面角部よりも飛び出すため、前記基端側テーパー面角部に対するキー部材の角部を面取りする等して、前記基端側テーパー面角部に引っかかることなく乗り越えて、所定の溝部にキー部材が嵌入するように構成する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による杭の一部断面側面図
【図2】本発明の一実施形態による杭の接続作用を説明する縦断面図
【図3】本発明の一実施形態による杭の接続作用を説明するキー部材の横断面図
【図4】本発明の一実施形態による杭の接続作用を説明する要部拡大縦断面図
【図5】別実施形態による杭の接続作用を説明する縦断面図
【図6】別実施形態による杭の接続作用を説明するキー部材の要部断面図
【図7】別実施形態のテーパー面を示す要部断面図
【図8】比較例による杭のキー配列を示す縦断面図
【図9】比較例による杭の接続作用を説明する要部拡大縦断面図
【図10】比較例による杭の接続作用を説明する要部断面図
【符号の説明】
3 キー部材
11 軸部
12 外向き溝部
13 軸部外周面部
21 筒部
22 内向き溝部
23 筒部内周面部
31 弾性リングキー
22A 溝側壁
A 杭
S 先端側角部
K 基端側角部

Claims (4)

  1. 一方の柱状体端部に筒部を設けると共に、他方の柱状体端部に軸部を設けて、柱状体軸芯方向で隣り合う柱状体の前記筒部と前記軸部とを互いに抜け止め状態で接続自在に構成し、前記筒部の筒部内周面部を柱状体端側ほど大径のテーパー面で形成すると共に、前記軸部の軸部外周面部を柱状体端側ほど小径のテーパー面で形成して、前記隣り合う柱状体の前記筒部と前記軸部とを嵌合自在に構成し、前記筒部内周面部に、周方向に沿う内向き溝部を形成すると共に、前記軸部外周面部に周方向に沿う外向き溝部を、その軸部外周面部に嵌合した前記筒部内周面部の前記内向き溝部に対向するように形成し、前記外向き溝部もしくは前記内向き溝部内に進退自在に取り付けたキー部材を、前記筒部と前記軸部との嵌合操作に伴って、前記内向き溝部と前記外向き溝部とに跨る状態に嵌入係合して、互いに嵌合した隣り合う柱状体の前記筒部と前記軸部とを抜け止め状態で接続自在に構成してある柱状体であって、前記筒部内周面部に形成のテーパー面に前記内向き溝部を軸芯方向に並べて複数形成すると共に、前記軸部外周面部に形成のテーパー面に前記外向き溝部を軸芯方向に並べて複数形成し、前記テーパー面の内の何れか一方側のテーパー面に形成の複数の溝部内に前記キー部材の複数を、その柱状体端部の先端側から基端側に向けて前記キー部材の厚みが段階的に小さくなるような配列で前記溝部内に進退自在に取り付けた配列部を形成して取り付けてある柱状体。
  2. 前記筒部内周面部もしくは前記軸部外周面部に形成のテーパー面の内の何れか一方側のテーパー面における柱状体端部先端側から基端側に向けて、前記配列部の複数を交互に配置して形成してある請求項1に記載の柱状体。
  3. 前記キー部材を前記外向き溝部内に進退自在に取り付けたときに、前記内向き溝部における溝側壁とテーパー面とで形成される角部の内、前記筒部先端側に位置する先端側テーパー面角部の径に比して、前記筒部基端側に位置する基端側テーパー面角部の径を同等もしくは大きくなるように設定してある請求項1〜2に記載の柱状体。
  4. 前記キー部材を前記内向き溝部内に進退自在に取り付けたときに、前記外向き溝部における溝側壁とテーパー面とで形成される角部の内、前記軸部先端側に位置する先端側テーパー面角部の径に比して、前記軸部基端側に位置する基端側テーパー面角部の径を同等もしくは小さくなるように設定してある請求項1〜2に記載の柱状体。
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