JP3707432B2 - 電子機器筐体の結露対策構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器筐体の結露対策構造に関し、特に筐体に収納するプリント基板に実装された発熱体の発熱を利用して結露による水滴を蒸発させる結露対策構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子機器などの密閉筐体において、内部圧力調整用に四フッ化エチレン系のメンブレンフィルターが広く使用されでいるが、課題は環境条件の変化の際に発生する筐体内部の結露現象である。
【0003】
すなわち、屋外に設置された筐体が、例えば真夏の高温下において、急に降雨があった場合、筐体内部の温度と共に圧力が下がり、外気に含まれる高湿度の蒸気が上記フィルタから筐体内部に入るため、その水蒸気を含んだ空気は降雨で冷却された筐体内部との温度差により筐体内部に結露して水滴となる。シーズンを問わず、温度差がある限り発生する結露現象により、信頼性特に、筐体内部の腐食や、電子回路の放電や短絡等の損傷が発生する危険があり、その対策が要望されていた。
【0004】
この種の結露防止対策として、電子機器収納筐体の一部(前面部、天井部等)に配設した所定の開口部と、開口部を防水、断熱用のパッキンを介在して外側から塞ぐ高熱伝導性部材からなる結露発生部材と、筐体内部に配設し結露発生部材の裏面に発生する結露水を受ける皿状の底面下部にヒータを有する蒸発部材と、結露発生部材の裏面下部から蒸発部材に向かって傾斜する結露水誘導部材とから構成し、外気温が低下し筐体が冷却されると結露発生部材裏面に結露水が発生し、結露水の発生により筐体内の温度および飽和温度を下げると共に、結露水を結露誘導部材により蒸発部材に集め、蒸発部材下部のヒータにより発生した水蒸気が筐体内を循環し匡体内部の湿度を高くし、水蒸気がパッキンから筐体外へ徐々に放出され内部湿度と外部湿度との差を圧縮することにより、筐体の内部、外部の湿度差をなくす電子機器収納筐体が特開平10−313182号公報に開示されている(第1の従来技術)。
【0005】
また、電子回路を内装する箱型筐体の一面の開口部を四角環状のパッキンを介在して蓋体で密閉した筐体の、天板部外面にシール部材(リング状のパッキン)を介在して内部の電子回路と接続するためのコネクタを配設すると共に、パッキン下部から天板部を貫通する微細孔を形成し、天板部の裏面(筐体内部側)は蓋体を含む4つの側板部に向かって低く傾斜する四角錐面を形成すると共に、微細孔の貫通端と一端が接続し他端がいずれか1つの側板部に延びる微細溝を刻設し、底板部(筐体内部側)は天板部と逆に4つの側面に向かって高く傾斜する逆四角錐面を形成し、逆四角錐面の中央集合部に水センサを配設して構成し、リング状パッキンの劣化により天板部表面に染み込んだ水は毛細管現象により微細孔から筐体内部に導き、更に微細溝により毛細管現象を利用して側板部へ導き、四角状パッキンやリング状パッキンの劣化により筐体内部に染み込んだ水や水蒸気により天板部に発生する結露は、四角推形面の傾斜を伝わり側板部へ導き、側板部に導かれた水や結露した水は側板部に沿って底板部へ導かれ、逆四角推形面に沿って中央の集合部に導かれ、これを水センサで検出し内装する電子回路で検出信号に変換されコネクタを介して外部に異常報知する屋外設置用筐体および移動通信用屋外基地局が、特開平10−242902号公報に開示されている(第2の従来技術)。
【0006】
また、ケースの外部に実装された浸水防止用の充填材を充填した電子制御ユニットをシール部材を介在してカバーで水密的に覆い、電子制御ユニットとカバー内壁との間に間隙を設け空気流路を形成し、電子制御ユニットの下部とカバーの下壁部分との間に結露水を一時的に溜めるための空間部を設け、更に空間部の下部に加熱装置を備え、電子制御ユニットと対向するカバー内面の上下方向に水誘導溝を形成し、電子制御ユニット上部のケース上壁部分の先端面がカバーの内壁に向け下方に傾斜し延長され水誘導溝に達する結露水誘導路を形成し、カバー上部の結露水誘導路の近傍に撥水性と通気性を備えた膜体に覆われた空気の呼吸穴を設けて構成し、ケース上壁部分の上面に結露した水を重力を利用して結露水誘導路の中央に集め、結露水誘導部の端部から水誘導溝に流し込み、水誘導溝を伝わり空間部に達し溜まった水は蒸発して水蒸気化し、空気流路を上昇し呼吸穴から膜体を通過して外部流出させる防水性電子制御ユニットハウジングが特開平8−236953号公報に開示されている(第3の従来技術)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように第1の従来技術の電子機器収納筐体は、電子機器収納筐体の配設した開口部を防水、断熱用のパッキンを介在して外側から高熱伝導性の結露発生部材により塞ぎ、結露発生部材の裏面に発生する結露水を集めるための、底面下部にヒータを有する受皿と、結露発生部材の裏面下部から受皿に向かって傾斜する結露水誘導部材とを筐体内部に備え、外気温が低下し筐体が冷却されたとき結露発生部材裏面に発生する結露水により筐体内の温度および飽和温度を下げ、且つ結露水を結露誘導部材により受皿に集め、下部のヒータにより結露水を水蒸気化し筐体内を循環し筐体内部の湿度を高くし、水蒸気がパッキンから筐体外へ徐々に放出され内部湿度と外部湿度との差を圧縮することにより、筐体の内部と外部の湿度差をなくすものであり、受皿、ヒータおよび結露水誘導部材を取り付けるスペースが筐体内部に必要となり、限られた筐体内部のスペースを有効に使用することができない。
【0008】
また、ヒータ作動のための電源が必要で、余計な電力を消費する。
【0009】
また、受皿、ヒータおよび結露水誘導部材等の構成部品による製品コストが上がる。
【0010】
また、第2の従来技術の屋外設置用筐体および移動通信用屋外基地局は、箱型筐体の一面の開口部を四角環状のパッキンを介在して蓋体で密閉すると共に、天板部外面にリング状のパッキンを介在して内部の電子回路と接続するためのコネクタを配設し、パッキン下部から天板部を貫通する微細孔と、天板部裏面が四方の側板部に向かって低く傾斜する四角錐面を形成し、その四角錐面に一端が微細孔と接続し他端が側板部に延びる微細溝を刻設し、筐体内部の底板部を四方の側面に向かって高く傾斜する逆四角錐面を天板部に対向して形成し、その逆四角錐面の中央集合部に水センサを配設して、リング状パッキンの劣化により天板部表面に染み込んだ水を毛細管現象により微細孔から筐体内部に導き、更に毛細管現象により微細溝から側板部へ導き、また四角状パッキンやリング状パッキンの劣化により筐体内部に染み込んだ水や水蒸気により天板部に発生する結露は、四角推形面の傾斜を伝わり側板部へ導き、側板部に導かれた水や結露した水は側板部に沿って底板部の逆四角推形面に沿って中央の集合部に導かれ、これを水センサで検出しコネクタを介して外部に異常報知するものであり、筐体内底板部の逆四角推形面中央の集合部に集められた水の処理については何ら開示されていない。
【0011】
また、内部に湿気があると筐体内部、電子部品、プリント基板に腐食が発生する。
【0012】
また、第3の従来技術の防水性電子制御ユニットハウジングは、ケースの外部に実装された浸水防止用の充填材を充填した電子制御ユニットをシール部材を介在してカバーで水密的に覆い、電子制御ユニットとカバー内壁との間に間隙を設け空気流路を形成し、電子制御ユニットの下部とカバーの下壁部分との間に結露水を一時的に溜めるための空間部を設け、電子制御ユニットと対向するカバー内面の上下方向に水誘導溝と、電子制御ユニット上部のケース上壁部分の先端面がカバーの内壁に向け下方に傾斜し延長され水誘導溝に達する結露水誘導路と、カバー上部の結露水誘導路の近傍に撥水性と通気性を備えた膜体に覆われた空気の呼吸穴とを設け、ケース上壁部分の上面に結露した水を重力を利用して結露水誘導路の中央に集め、結露水誘導部から水誘導溝に流し込み、水誘導溝を伝わり空間部に達して溜まった水は筐体内部の温度により自然蒸発して水蒸気化しカバーの呼吸穴から膜体を通過して外部流出させることにより、あるいは空間部の下部に加熱装置を備え、空間部に溜まった水を加熱装置により強制的に蒸発させ水蒸気化しカバーの呼吸穴から膜体を通過して外部流出させることにより、電子制御ユニットの結露水による障害を防止ものであり、空間部に達して溜まった水を筐体内部の温度により自然蒸発させるためには長時間を要し、また強制蒸発させるためには加熱装置が必要となり、製品コストが高くなる。
【0013】
本発明の目的は、筐体内部のプリント基板に実装された発熱体の発熱を放熱するための高熱伝導部材の熱を利用して筐体内部に発生する結露(水滴)を蒸発させ且つ気化熱で高熱伝導部材を冷却する電子機器の結露対策構造を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
電子部品を実装したプリント基板を収納する筐体において、前記筐体は第1の筐体と第2の筐体とをパッキンを介在して固着して組み立てられ、組み立てられた前記筐体下部の任意の位置に前記筐体内部に貫通する開口部と、前記開口部を外部から覆う膜体と、前記筐体内部に一面が前記開口部に当接し対向する他面に複数の穴を有する乾燥室を備え、前記筐体内部に縦位置に収納された1つまたは複数の前記プリント基板に実装された1つまたは複数の発熱体に一端が密着状態に当接して熱的結合し、他端が前記乾燥室まで延在する帯状の高熱伝導性部材を有し、前記高熱伝導性部材により前記乾燥室に伝達される前記発熱体の熱で前記膜体から前記開口部を介して前記乾燥室に浸入する高湿度の空気を乾燥させた後、前記筐体内部に取り込むことを特徴とする。
【0017】
また、前記乾燥室は、前記プリント基板に実装された発熱体に一端が密着状態に当接して熱的結合し、他端が前記乾燥室まで延在する帯状の高熱伝導性部材を螺旋状に所定の隙間を保持して高密度に巻回した状態で収納することを特徴とする。
【0019】
また、前記発熱体は前記高熱伝導性部材を介在して前記筐体の内壁に密着状態に当接していることを特徴とする。
【0020】
また、前記膜体は前記筐体内部の圧力調整用のフィルタであることを特徴とする。
【0021】
また、前記高熱伝導性部材は可撓性シートであることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は本発明の電子機器筐体の外観を示す斜視図、図2は本発明の第1の実施の形態の筐体内部の主要構成を示す図1のB−B断面図、図2は本発明の第2の実施の形態の筐体内部の主要構成を示す図1のB−B側面図、図3は本発明の第2の実施の形態の筐体内部の主要構成を示す図1のA−A断面図である。
【0024】
次に図1を参照して第1の実施の形態について説明する。
本発明の電子機器筐体は、図1に示すようにフィン2を有する本体部1と、蓋部3とが周囲のフランジ部でパッキン(図示せず)を介在して複数のネジ5により固着され密閉筐体を形成している。
【0025】
また、筐体内部は図2に示すように、本体1の底部および蓋部3の底部の内壁は所定の角度で連続して傾斜し、筐体内部の結露水を1個所に集めるための窪み8を形成し、蓋部3の底部には空気穴6を形成し、空気穴6は筐体内の温度変化による圧力を調整するための圧力調整フィルタ7により覆われている。
【0026】
なお、本体部1側底部の勾配は蓋部3側底部の水滴が自重で円滑に移動するように連続的な勾配を形成することにより窪み8は成型上アンダーカットになっている。
【0027】
筐体内部には、整流回路、電源安定化回路、電力増幅回路等の第1の発熱体9が実装されている第1のプリント基板10と、第2の発熱体11が実装された第2のプリント基板12が縦位置に対向して収納され、第1の発熱体9は高熱伝導率を有する第1の可撓性シート13の一端を介在して本体部1の内壁に密着して固着され、第2の発熱体11は高熱伝導率を有する第2の可撓性シート14の一端に所定の方法で密着して固着され、それぞれ熱的結合されている。
【0028】
第1の可撓性シート13は本体1の内壁に密着した状態で低部の窪み8まで延在し、第2の可撓性シート14は第2のプリン基板12上の空間を通って蓋部3の底部および本体部1の底部に密着し窪み8まで延在している。
【0029】
なお、窪み8における第1の可撓性シート13と、第2の可撓性シート14の端部は互いに端面が接触してもよく、また所定の間隔離反していても良い。
【0030】
第1の可撓性シート13と、第2の可撓性シート14を一体化せずに個別に設けることにより、筐体の組み立て、保守が容易になる。
【0031】
また、第1の可撓性シート13、第2の可撓性シート14の外に、プリント基板自体の熱を移動放熱するように、プリント基板の裏面(半田面)に可撓性シートを熱的結合することも可能である。
【0032】
次に第1の実施の形態の動作について図2を参照して説明する。
実運転状態において、第1のプリント基板10に実装された第1の発熱体9の発熱は、第1の可撓性シート13に伝導し、本体1に吸熱され外部のフィン2に伝導され外気と熱交換して放熱される。
【0033】
同時に発熱体9の発熱は、第1の可撓性シート13を伝導し窪み8に到達する。また、第2のプリント基板12に実装された第2の発熱体11発熱は、第2の可撓性シート14を伝導し、窪み8に到達する。
【0034】
例えば、急な降雨により、高温下の屋外に設置された筐体が濡れると、筐体内部の温度と共に圧力が低下し、外気に含まれる高湿度の蒸気が圧力調整用フィルタ7から筐体内部に浸入する。
【0035】
筐体内部に浸入した水蒸気を含んだ空気は、筐体が降雨で急激に冷却されることにより内部温度と筐体温度に差が生じて結露現象が起き、量が多くなると水滴となる。
【0036】
この水滴は筐体の内壁を伝わり低部の傾斜面により窪み8に集まり、第1の可撓性シート13および第2の可撓性シート14の端部の熱により、緩やかに気化され、同時に第1の可撓性シート13および第2の可撓性シート14の端部が気化熱で冷却される。
【0037】
したがって、結露水による筐体内部の腐食、プリント基板の短絡、障害を防止することができる。更に、放熱効果が向上する。
【0038】
また、可撓性シートを使用するだけであるため、筐体内部のスペースを有効に使用することができ、更に製品コストを安価に抑えることができる。
【0039】
また、構造が簡単であるため、筐体の組み立て、保守が容易である。
【0040】
なお、上記説明では筐体内部に発生した結露水を筐体内部の窪み8に集める具体的な構造については記述していないが、窪み8に結露水が集まりさえすればよく、その構造を限定するものではない。
【0041】
次に図3、図4を参照して第2の実施の形態について説明する。
本発明の電子機器筐体は、図3に示すように、外部に放熱用のフィン2を有する本体部1と蓋部3とをパッキン4を介在してネジ5により固着され、密閉筐体を形成している。
【0042】
また、本体1の底部に空気穴15を形成し、本体部1の内部の底部には、一面が空気穴15に当接し、対向する他面に複数の貫通穴17を形成する乾燥室16を備え、空気穴15は筐体内の温度変化による圧力を調整するための圧力調整フィルタ7により密閉するように覆われている。
【0043】
筐体内部には、整流回路、電源安定化回路、電力増幅回路等の第1の発熱体9が実装されている第1のプリント基板10と、第2の発熱体11が実装された第2のプリント基板12が縦位置に対向して収納され、第1の発熱体9は高熱伝導率を有する第1の可撓性シート13の一端を介在して本体部1の内壁に密着して固着され、第2の発熱体11は高熱伝導率を有する第2の可撓性シート14の一端に所定の方法で固着され、それぞれ熱的結合されている。
【0044】
第1の可撓性シート13は本体1の内壁に密着した状態で低部の乾燥室16の内部まで延在し、第2の可撓性シート14は第2のプリン基板12上の空間を通って本体部1の底部に密着し乾燥室16の内部まで延在している。
【0045】
乾燥室16は、圧力調整用フィルタ7を通過して筐体内部に浸入する水蒸気を乾燥させるために配設するものであり、図4に示すように、一端が第1の発熱体9と熱結合された第1の可撓性シート13の他端を取り込み、水蒸気が通過することができる隙間を有して螺旋状に高密度に巻回した状態で乾燥室内部に収納されている。
【0046】
一方、一端が第2の発熱体11と熱結合された第2の可撓性シート14の他端は、螺旋状に高密度に巻き込まれている第1の可撓性シート13の外周面に当接している。
【0047】
したがって乾燥室16の内部は、第1の発熱体9および第2の発熱体11の発熱を集めることにより暖められる。
【0048】
次に第2の実施の形態の動作について図3、図4を参照して説明する。
実運転状態において、第1のプリント基板10に実装された第1の発熱体9の発熱は、第1の可撓性シート13に伝導し、本体1に吸熱され外部のフィン2に伝導され外気と熱交換して放熱される。
【0049】
同時に発熱体9の発熱は、第1の可撓性シート13を伝導し乾燥室16に到達する。また、第2のプリント基板12に実装された第2の発熱体11発熱は、第2の可撓性シート14を伝導し乾燥室16に到達する。
【0050】
例えば、急な降雨により、高温下の屋外に設置された筐体が濡れると、筐体内部の温度と共に圧力が低下し、外気に含まれる高湿度の蒸気が圧力調整用フィルタ7から筐体内部に浸入する。
【0051】
筐体内部に浸入した水蒸気を含んだ空気は、乾燥室16に導かれ第1の可撓性シート13および第2の可撓性シート14に伝導され乾燥室に集められた発熱体9、11の熱により乾燥される。
【0052】
このように、筐体の外部環境、特に周囲温度が急激に低下した場合、あるいは降雨等により筐体内部の圧力が低下し外部の水蒸気を含んだ空気が浸入した場合でも、乾燥室に集められた発熱体の熱で乾燥させ、湿度が除去された空気が穴17から筐体内部へ浸入することにより、筐体内部の結露の発生を防止することができる。
【0053】
したがって、結露水による筐体内部の腐食、プリント基板の短絡、障害の心配がない。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の第1の実施の形態によれば、筐体内部で結露した水滴をパッケージ等の発熱体に熱的結合したシートで蒸発させるので、水滴による電子回路の放電や短絡を防止できると共に筐体内の腐食も防止することできる。更に、シート他端が気化熱で冷却され、パッケージ等の発熱体の冷却に効果がある。
【0055】
また第2の実施の形態によれば、フィルタから筐体内部に入る高湿度の空気(水蒸気)を乾燥室内に持ち来されているパッケージ等の発熱体からの熱で乾燥させるように構成したので、筐体の外部環境(温度)変化による筐体内部の結露現象を防止し、電子回路の放電や、短絡による損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器筐体の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の筐体内部の主要構成を示す図1のB−B断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の筐体内部の主要構成を示す図1のB−B断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の筐体内部の主要構成を示す図1のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 本体部
2 フィン
3 蓋部
4 パッキン
5 ネジ
6 空気穴
7 圧力調整用フィルタ
8 窪み
9 第1の発熱体
10 第1のプリント基板
11 第2の発熱体
12 第2のプリント基板
13 第1の可撓性シート
14 第2の可撓性シート
15 空気穴
16 乾燥室
Claims (5)
- 電子部品を実装したプリント基板を収納する筐体において、前記筐体は第1の筐体と第2の筐体とをパッキンを介在して固着して組み立てられ、組み立てられた前記筐体下部の任意の位置に前記筐体内部に貫通する開口部と、前記開口部を外部から覆う膜体と、前記筐体内部に一面が前記開口部に当接し対向する他面に複数の穴を有する乾燥室を備え、前記筐体内部に縦位置に収納された1つまたは複数の前記プリント基板に実装された1つまたは複数の発熱体に一端が密着状態に当接して熱的結合し、他端が前記乾燥室まで延在する帯状の高熱伝導性部材を有し、前記高熱伝導性部材により前記乾燥室に伝達される前記発熱体の熱で前記膜体から前記開口部を介して前記乾燥室に浸入する高湿度の空気を乾燥させた後、前記筐体内部に取り込むことを特徴とする電子機器筐体の結露対策構造。
- 前記乾燥室は、前記プリント基板に実装された発熱体に一端が密着状態に当接して熱的結合し、他端が前記乾燥室まで延在する帯状の高熱伝導性部材を螺旋状に所定の隙間を保持して高密度に巻回した状態で収納することを特徴とする請求項1記載の電子機器筐体の結露対策構造。
- 前記発熱体は前記高熱伝導性部材を介在して前記筐体の内壁に密着状態に当接していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器筐体の結露対策構造。
- 前記膜体は前記筐体内部の圧力調整用のフィルタであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の電子機器筐体の結露対策構造。
- 前記高熱伝導性部材は可撓性シートであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の電子機器筐体の結露対策構造。
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