JP3707419B2 - 画像圧縮装置、画像圧縮方法、画像展開装置、プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
多値の画像データを圧縮するための画像圧縮装置等に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、情報のデジタル化が進み、ユーザへの情報提供の手段として、画像情報を取り扱う機会が増大している。画像情報は即時理解性に富む反面、データ量が膨大であるため圧縮技術を用いて、データを圧縮する必要がある。またスケーラビリティを持たせて、データを扱いやすくすることが必要である。
【0003】
図5はスケーラビリティを持つ従来の圧縮方法である。元画像をサイズ変更によって例えば縦横1/2のサイズに縮小する。サイズ変更した画像は元画像より小さいためにそのまま差分値を生成することはできないので、0次ホールド法や線形補間法などによりサイズを縦横2倍にする。そして、このサイズ調整した画像と元画像との差分値をとると、元画像とサイズ調整後の画像とはほとんど似た画像であるため、その差分データは0付近に集まる。つまり、偏りの大きいデータとなり、エントロピー符号化を用いることで効率的に圧縮できる。したがって、サイズを1/2にした画像と圧縮した差分データとを保存すれば、これらのデータから元画像を完全に復元することができる。しかしながら、この方法ではスケーラビリティはサイズ方向に限られている。
【0004】
そこで本発明は、多値の画像に対してスケーラビリティを持つ、効率的な画像圧縮装置等を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上述した問題点を解決するためになされた請求項1に記載の画像圧縮装置によれば、元画像を減色した画像である変換画像と、元画像と変換画像との差分データを圧縮した圧縮後の差分データとを含む圧縮画像データが得られる。
【0006】
したがって、この圧縮画像データからは直接的に変換画像を得ることができ、また請求項17に示すように請求項1の逆変換、すなわち例えば圧縮手段の逆変換である圧縮後の差分データの展開を行う展開手段と、展開手段によって展開された差分データを変換画像に加算する元画像復元手段とにより、元画像を得ることができる。このように多値の画像に対してスケーラビリティをもつ圧縮・展開が可能となる。なお、減色には色数の減少だけでなく例えばグレースケール画像の輝度値の減少等を行う場合も含む。
【0007】
例えば24ビットフルカラー(いわゆるフルカラー)の元画像を8ビットカラー(256色)に減色すれば、変換画像のサイズは元画像の1/3になる。また、変換画像と元画像とはほとんど似た画像となり、両者の差分値は0付近に集まる。したがって、差分データはエントロピー符号化等により大幅に圧縮することができる。よって、変換画像と圧縮後の差分データからなる圧縮画像データは、元画像のデータサイズよりも小さくなる可能性が高い。また復元(展開)時には、変換画像を圧縮画像データからすぐに得ることができるとともに、差分データを用いて元画像を復元して得ることもできる。すなわち色数の方向にスケーラビリティを持つ可逆圧縮を行うことができる。なお、変換画像も請求項2に示すように圧縮することで、さらに圧縮画像データの元画像に対する圧縮率を高めることができる。
【0008】
また、元画像と変換画像が直接的に比較可能なデータ形式でない場合には、請求項3に示すように、変換画像を元画像との差分を取ることが可能な形式に調整して、調整後の変換画像と元画像を比較して差分データを生成すればよい。
また、画像の減色によって変換画像を得るだけでなく、請求項4のように元画像に対してサイズ変更を行った変換画像を生成し、その変換画像を元画像のサイズに調整して調整後の変換画像を得て、例えば、その調整後の変換画像を元画像とを比較して差分データを得てその差分データを圧縮するとよい。このサイズの変更は、例えば請求項5に示すようにデータを間引くことによって画像を縮小して行うことができる。また、調整は請求項6に示すようにサイズが小さい方の画像を補間によって拡大して行う。
【0009】
例えば、元画像に対して、縦横ともに1/2にサイズを縮小した変換画像を得る。そして補間により、その変換画像のサイズを縦横ともに2倍に拡大して調整後の変換画像を得て、元画像と差分をとって差分データを得る。調整後の変換画像と元画像とはほとんど似た画像となり、両者の差分値は0付近に集まる。したがって、差分データはエントロピー符号化等により大幅に圧縮することができる。よって、調整前の変換画像と圧縮後の差分データからなる圧縮画像データは、元画像のデータサイズよりも小さくなる可能性が高い。また復元時には、変換画像であるサイズが1/2の画像をそのまま得ることができるとともに、差分データを用いて元画像を得ることもできる。すなわち色数方向のスケーラビリティに加え、サイズ方向にもスケーラビリティを持つ可逆圧縮を行うことができる。さらにサイズ変更後の変換画像も圧縮することで圧縮率を高めることができる。
【0010】
こうした色方向若しくはサイズ方向、または色方向及びサイズ方向の変換は、変換画像を再度元画像として処理を行うとよい。例えば、複数回の色方向の変換と複数回のサイズ方向の変換とを行って、色方向とサイズ方向に複数のスケーラビリティを持つ圧縮画像データを得ることができる。すなわち、最後の変換処理によって変換された変換画像と、各々の差分データ生成処理によって得られる差分データの圧縮後の差分データとを含む圧縮画像データを得ることができる。
【0011】
そして、このような減色またはサイズ変換は請求項7に示すようにして、複数のパターンで行い、最も圧縮率の高くなる組み合わせの圧縮画像データを得るようにするとよい。例えば予め定められた複数のパターンで圧縮画像データを生成し、最も圧縮率の高い圧縮画像データのみを残すようにしたり、変換中に最も圧縮率の高い画像データのみを残しながら全てのパターンで処理を行うことで最終的に最も圧縮率の高い圧縮画像データのみが残るようにすればよい。
【0012】
また、このような減色やサイズ変更は、請求項8に示すようにユーザから指定された色数あるいはサイズの少なくともいずれか一方を含むとよい。例えば、ユーザに対して必要な色数とサイズの組み合わせの入力を促し、入力された色数及びサイズの組み合わせを含むように変換画像を生成して差分データを得て圧縮する。このようにすることで、復元時には容易にユーザの入力した色数及びサイズの画像を得ることができ、ユーザの意図に沿ったスケーラビリティを得ることができる。
【0013】
なお、減色を行う場合には、ダイレクトカラーからダイレクトカラーへの減色と、請求項9に示すように、ダイレクトカラーからカラーパレットへの減色、カラーパレットからカラーパレットへの減色などのパターンが考えられる。
カラーパレットへの減色を行う場合には、例えば請求項10に示すように、元画像の中央値分割で初期値を算出し、その初期値を用いてK平均法でカラーパレットを作成し、作成した作成したカラーパレットのアドレスを最近似色順に割り当てて行うことができる。このように最近似色順に割り当てを行うと、元画像との差分値が0付近に集まるため、圧縮率が高くなる。
【0014】
また、請求項11に示すように、N色の画像をM色(N>M)の画像に減色するとき、M色は全てN色中の色を割り当てるとよい。このようにすれば、M色の変換画像とN色の元画像との差分を取った場合に、M色の色の部分の差分値は0となる。したがって、差分値が0付近に集まる画素が多くなり、エントロピー符号化等により効率良く圧縮できる。さらに、請求項12に示すように、差分データの各々の値の符号がすべて同じになるようにこのM色のカラーパレット中にN色のアドレスを割り当てるとよい。すなわち、例えば、M色→N色と減色を行う場合には、N色中で使用するカラーパレットのアドレスをM色中で使用するカラーパレットのアドレスと同じにしておくとよい。このようにすると、M色中のカラーパレットの上位N色部分のカラーパレットの値は、N色の場合のカラーパレットと一致するため、M色の減色画像とN色の減色画像との差分を取ると上位N色は0になり、また下位M−N色については各々の値が正または負のいずれか一方に集まる。すなわち差分の取り方がM色画像−N色画像の場合には正となり、N色画像−M色画像の場合は負となる。したがって、ばらつきが抑えられエントロピー符号化等で効率的に圧縮することができる。
【0015】
また、請求項13に示すように差分データのエントロピーが最も小さくなるようにカラーパレットのアドレスを生成するとよい。つまり、カラーパレットの生成後にそのアドレスの割り当てを変化させてそれぞれのエントロピーを求め最もエントロピーの小さくなるアドレスに各カラーを割り当てる。このようにすることで圧縮率を高めることができる。
【0016】
なお、差分データは請求項14のようにして算出することができる。そして、圧縮は、請求項15に示すようにして行うとよい。
なお、請求項16に示すように、請求項1〜15のいずれかに記載の画像圧縮装置によって得られた圧縮画像データを、当該請求項に記載の画像圧縮装置における処理の逆変換を行って展開し、元画像または変換画像を得る画像展開装置を構成することができる。このようにして色方向にスケーラビリティをもつ画像の展開を行うことができる。
【0017】
請求項1〜15に記載の画像圧縮装置において実行される画像処理方法によって各請求項に記載の効果を得ることができる。例えば、請求項16に示すような画像の可逆圧縮方法によって、圧縮画像データを得ることができる。また、請求項16に記載の画像展開装置において実行される画像展開方法によって請求項16と同様の効果を得ることができる。
【0018】
そして、請求項18に示すように請求項1〜15のいずれかに記載の画像圧縮装置をコンピュータシステムにて実現する場合や、請求項19に示すように請求項16に記載の画像展開装置をコンピュータシステムにて実現する場合には、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができ、また、ネットワークを介してロードして起動することにより用いることもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0020】
本実施例の画像圧縮装置1は、CPU,ROM,RAM,I/O等を備える一般的なパーソナルコンピュータから構成されており、ハードディスク等の外部記憶装置やネットワーク上のコンピュータなどに記憶された画像処理プログラムをRAMにロードし、ロードした画像処理プログラムをCPUが実行することで画像圧縮処理を行う。
【0021】
この画像圧縮処理は、例えばネットワークや記録媒体等からメモリ上にロードされ記憶された画像データである元画像から圧縮画像データを得る処理であり、この圧縮画像データは、図1に示すように、元画像に対して減色またはサイズ変更を行って変換画像を得る変換画像生成手段と、変換画像生成手段によって生成された変換画像と元画像との差分を得る差分データ生成手段と、差分データ生成手段によって生成された差分データを圧縮する差分データ圧縮手段によって生成される。これら各手段はCPU、RAM(メモリ)、画像処理プログラムによって実現される。以下にCPUが画像処理プログラムを実行することで、各手段としての処理を実現する様子を説明する。
【0022】
CPUは、まずメモリ上に記憶された元画像に対して予め設定された変換ルールに従って、減色またはサイズ変更を行う。この変換ルールは予め画像処理プログラム等で設定しておいてもよいし、ユーザが入力するようにしてもよい。変換ルールは、例えば、▲1▼ダイレクトカラーのフルカラー(2の24乗色)から256色パレットカラーへ変換するといった色方向の命令や、▲2▼縦横それぞれのサイズを1/2にするといったサイズ方向の命令や、これら▲1▼▲2▼の組み合わせの命令列とする。例えば、こうした命令は減色かサイズ変更かを示す命令部と、減色の場合には減色する色数及びダイレクトカラーかカラーパレットかの指定、サイズ変更の場合にはサイズ変更の倍率などのパラメータ部とのセットで構成し、処理順に定義しておく。
【0023】
そして変換画像生成手段は、この変換ルールに従って元画像の減色(図2の横方向の変換)やサイズ変更(図2の縦方向の変換)を行う。例えば、変換ルールが元画像のダイレクトカラー24ビットからカラーパレット8ビットへの減色命令の場合には、元画像をカラーパレット8ビットで示されるように減色する。このように減色すると、変換後の画像である変換画像は元画像の1/3のデータ量となる。一方、例えば変換ルールが縦横1/2のサイズ変更命令の場合には、この倍率となるように縦横の画素を間引いて(この場合1ドットおきに間引く)変換後の画像である変換画像を得る。このように変換すると、変換後の画像である変換画像は元画像の1/2のサイズになる。
【0024】
そして、差分データ生成手段は、変換画像生成手段によって生成された変換画像と元画像の差分を取る。このとき変換画像と元画像が直接差分を取ることができない形式の場合には、差分が取れるように、変換画像のデータ形式を元画像のデータ形式に調整してから差分を取る。例えば、元画像がダイレクトカラーで変換画像がカラーパレットの場合には、カラーパレットの変換画像をダイレクトカラーに変換する調整を行って調整後の変換画像を得た後、元画像とダイレクトカラー同士で差分を取る。また色数の異なるカラーパレット同士の差分値を取る場合にも変換画像の色数を元画像のカラーパレットの色数に調整して差分を取る。そして、変換画像がサイズ変更を行った画像の場合には、元画像のサイズに変換画像を拡大する調整を行って調整後の変換画像を得て、調整後の変換画像と元画像の差分を取る。この拡大は例えば0次ホールド法や線形補間法を用いて行うとよい。なお、例えば24ビットのダイレクトカラーから8ビットのダイレクトカラーへの変換のように元画像と変換画像が直接差分を取ることが可能な場合は例えば各画素毎に直接差分を取って差分データを得てもよい。また各画素毎調整して調整後の画素と元画像の対応する画素との差分を取ってもよい。
【0025】
次に圧縮手段は、この差分データをエントロピー符号化により圧縮する。圧縮前の差分データは元画像と変換画像の差であるので元画像と同じデータ量となるが、変換画像(調整した場合には調整後の変換画像)と元画像は、ほとんど似た画像となるため、差分データの値は0付近に集まる。したがってエントロピー符号化により圧縮後の差分データは元画像のデータ量に比べ大幅に小さくなる。
【0026】
その結果、元画像を変換した変換画像と圧縮後の差分データとからなる圧縮画像データのデータ量は、元画像よりも小さくなる可能性が高い。
ここで変換ルールを参照し、次の変換命令がある場合には変換画像生成手段での処理に戻り、変換画像を元画像として変換を行う。以下最初の場合と同様に、2回目の変換画像を得て、差分データ生成手段で1回目の変換画像(現在の元画像)と1回目の変換画像との差分を得て、圧縮手段で圧縮する。変換命令に従いこうした処理を繰り返すことで、最終的に変換された変換画像と、各変換における圧縮された差分データを得ることができる。
【0027】
一方、圧縮手段で差分データの圧縮の後、変換ルールの次の命令がない場合には、圧縮手段は最終的に得られた変換画像も圧縮する。こうして圧縮された差分データと圧縮された変換画像とからなる圧縮画像データを得る。繰り返し処理を行った場合には、図2に示すように各処理における差分データと最終的に得られた変換画像とをそれぞれ圧縮した圧縮画像データが得られる。
【0028】
例えば、変換ルールがフルカラーの元画像から256色カラーパレットへの変換の後、さらに16色カラーパレットへの変換を行う構成の場合、図2の下段に示すように、フルカラーの元画像を256色カラーパレットの変換画像に変換し、元画像と調整後の変換画像との差分であるRGB差分データを得た後、さらにその256色カラーパレットの変換画像を元画像として16色カラーパレットの変換画像に変換してパレット差分データを得る。こうして得られたRGB差分データとパレット差分データと16色カラーパレットの変換画像のそれぞれを圧縮したデータが圧縮画像データとなる。
【0029】
このようにして色方向及びサイズ方向にスケーラビリティを持つ圧縮画像データを得ることができる。特にユーザが変換ルールを入力した場合にはユーザの意図に沿った色数等でスケーラビリティを実現できる。なお、圧縮画像データは上述した処理の逆の処理(逆変換)を行うことで展開することができる。展開の際には、途中の変換画像を容易に出力することもでき、また元画像を出力することもできる。したがって色方向にスケーラビリティを持つ展開ができる。
【0030】
なお、圧縮手段におけるエントロピー符号化としては、単純にハフマンコーディングを適用してもよいし、0が続くことを仮定して、ランレングスを適用し、さらにハフマンコーディングを適用しても良い。
減色手段における減色の方法としては、ダイレクトカラー方式からダイレクトカラー方式へ変換する場合には色の成分(例えばR,G,B)のそれぞれについて差分データを生成する。また、ダイレクトカラー方式からカラーパレット方式へ変換する場合には、カラーパレットの方式の画像をダイレクトカラーに調整して差分データを得る。またカラーパレット同士の場合には、カラーパレットのアドレスで差分データを生成する。カラーパレット方式では、アドレスでデータが示されているため、カラーパレット方式の画像をサイズ変更する場合には差分データは0次ホールド法で拡大した変換画像と元画像との差分をとって生成する。
【0031】
また、カラーパレットの場合には、アドレスと色との間に相関はなく、自由に決定することができる。よってカラーパレット同士の画像の差分値を作成する場合には、最も圧縮効率が良くなるように色のアドレスを設定することができる。例えば、16色のカラーパレットなどでは、色とアドレスのすべての組み合わせで圧縮率を求め最も効率のよい組み合わせを採用すればよい。
【0032】
また、例えば256色と16色に減色した画像を用いる場合、その16色は256色に含まれる色を使い、同じアドレスでその色を示すこととすれば、その色の箇所は差分値が必ず0となり、偏りを大きくすることができる。また図3に示すように、その16色を256色のカラーパレットのアドレスの下位のアドレスに設定しておけば、(256色のアドレス)−(16色のアドレス)は必ずプラスとなり、データの偏りを大きくすることができる。したがってエントロピー符号化によって、さらに効率的に圧縮することが可能となる。
【0033】
減色のアルゴリズムやカラーパレットの作成方法としては種々のものが提案されており、それらいずれを用いてもよい。例えばカラーパレットの作成は、色空間の各軸(例えばR,G,B)の最大値−最小値が最大の軸の中央値で256色まで分割する方法や、分散が最大の軸で分割する方法などがある。さらに、K平均化法を用いることで効率のよいカラーパレットを作成することが可能である。また、カラーパレットを元画像に割り当てて変換画像を生成する方法としては、最近似色を用いる方法や誤差拡散法などがある。誤差拡散法では画像のグラデーション部などを比較的きれいに再現することができるが、本方式では元画像との差分値が0付近に集まることを期待するため最近似色を用いる。
【0034】
ところで、変換ルールは1パターンだけ設けてもよいし、複数のパターンを設け、それらのパターンによる圧縮の結果、最も圧縮率の高いパターンの圧縮結果を圧縮画像データとするようにしてもよい。図4は、800×400画素(RGB各1バイト)=1152000バイトのダイレクトカラーのフルカラー(使用色数は35838色)の元画像を19パターンの変換ルールによって圧縮した際の圧縮率を示す図である。図4の左の欄には展開の過程(変換ルールの逆)を示しており、「16」は16色カラーパレット、「256」は256色カラーパレット、「F」はフルカラーダイレクトカラーを示す。また「org」は元画像のサイズ、「half」は元画像の縦横それぞれ1/2のサイズ、「quat」は元画像の縦横1/4のサイズを示す。例えば、最上段の「16_quat→16_half→16_org→256_org→F_org」は、「元画像→カラーパレット256色→カラーパレット16色→縦横1/2→縦横さらに1/2」という変換ルールによって圧縮された場合を示す。そして、その右側の欄にはハフマンコーディングを行った場合の圧縮画像データのサイズと圧縮率、またさらにその右側には2値・多値RLE+ハフマンコーディングを行った場合の圧縮画像データのサイズと圧縮率を示す。
【0035】
このように複数の変換ルールのパターンで圧縮を行い、圧縮手段は、最も圧縮率の高い変換ルールによる圧縮画像データを出力する。図4の場合には、ハフマンコーディングであれば圧縮率63.4%のパターンの圧縮画像データを出力し、2値・RLE+ハフマンコーディングであれば圧縮率45.3%のパターンの圧縮画像データを出力する。このようにして、色方向にスケーラビリティを持ちかつ最も圧縮率の高い圧縮画像データを得ることができる。
【0036】
上記実施例では、図1に示すように差分データを得た直後に圧縮手段でその得られた差分データを圧縮することとしたが、複数の差分データを得た後に圧縮しても構わない。
上記実施例では、図2に示すように変換画像生成手段は、変換ルールに従い減色またはサイズ変更のいずれかを行うこととしたが、双方を1度に行って変換画像を得てもよい。例えば、ダイレクトカラー24ビットからカラーパレット8ビットへの減色と縦横1/2のサイズ変更とを同時に行うように変換ルールに定義されていれば、ダイレクトカラー24ビットからカラーパレット8ビットへの減色と縦横1/2のサイズ変更とを行った変換画像を得る。このようにすれば、この変換画像は元画像の1/6のデータ量になる。
【0037】
上記実施例では、圧縮画像データは、圧縮された差分データ群と最終的な変換画像を圧縮したもので構成されるとしたが、圧縮画像データにカラーパレットのデータを含めてもよいし、変換ルールを含めてもよい。このようにすれば、圧縮画像データを展開する画像展開装置において、カラーパレットのデータ及び変換ルールを圧縮画像データから取り出して、変換ルールを逆に適用して、途中の変換画像や最終的な元画像を得ることができる。このようにサイズ方向及び色方向にスケーラビリティのある画像の展開を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の画像圧縮装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例の画像圧縮方法のパターンを示す図である。
【図3】カラーパレット方式でのカラーパレットの共通化の一例を示す説明図である。
【図4】パターンと圧縮率の例を示す説明図である。
【図5】従来のサイズ方向のスケーラビリティを持つ画像圧縮方法の例を示す説明図ある。
【符号の説明】
1…画像圧縮装置
Claims (19)
- 記憶された元画像に対して減色を行った変換画像を生成する変換画像生成手段と、
前記変換画像生成手段によって生成された変換画像と、前記元画像との差分を生成する差分データ生成手段と、
前記差分データ生成手段によって生成された差分データを圧縮する圧縮手段とを備え、
前記変換画像生成手段によって最後に生成された変換画像を再び前記元画像として、前記変換画像生成手段によって更なる変換画像を得た上、前記差分データ生成手段によって更なる差分データを得る処理を1回以上繰り返し行い、
前記変換画像生成手段によって生成された最後の変換画像と、前記差分データ生成手段によって生成された各々の差分データに基づく圧縮後の差分データとを含む圧縮画像データを得ること
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項1に記載の画像圧縮装置において、
前記圧縮手段は、前記変換画像を圧縮し、
前記圧縮後の変換画像と前記圧縮後の差分データとからなる圧縮画像データを得ること
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項1または2に記載の画像圧縮装置において、
前記差分データ生成手段は、前記変換画像を前記元画像との差分を取ることが可能な形式に調整して、調整後の変換画像と前記元画像とから差分データを生成すること
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項3に記載の画像圧縮装置において、
前記変換画像生成手段は、前記元画像に対してサイズ変更を行った変換画像を生成し、
前記差分データ生成手段は、前記変換画像を前記元画像のサイズに調整して前記調整後の変換画像を得ること
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項4に記載の画像圧縮装置において、
前記サイズ変更は、データを間引くことにより画像を縮小すること
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項4または5に記載の画像圧縮装置において、
前記調整は、サイズが小さい画像を補間により拡大して行うこと
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の画像圧縮装置において、
前記減色または前記サイズ変更を複数のパターンで行い、最も圧縮率が高くなる組み合わせで前記圧縮画像データを得ること
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の画像圧縮装置において、
前記減色または前記サイズ変更を、ユーザから指定された色数またはサイズの少なくともいずれか一方を含むパターンで行うこと
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の画像圧縮装置において、
前記減色はカラーパレットを用いた方式で行うこと
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項9に記載の画像圧縮装置において、
前記減色は、元画像の中央値分割で初期値を出力し、その初期値を用いてK平均法でカラーパレットを作成し、作成したカラーパレットのアドレスを最近似色順に割り当てて行うこと
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項9または10に記載の画像圧縮装置において、
前記減色は、N色の画像をM色(N>M)の画像に減色するとき、M色は全てN色中の色を割り当てること
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項11に記載の画像圧縮装置において、
前記減色は、前記差分データの各々の値の符号がすべて同じになるように、前記M色のカラーパレット中に前記N色のアドレスを割り当てること
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項9〜12のいずれかに記載の画像圧縮装置において、
前記減色は、前記差分データのエントロピーが最も小さくなるように、前記カラーパレットのアドレスを生成すること
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項1〜14のいずれかに記載の画像圧縮装置において、
前記差分データ生成手段は、前記元画像と前記変換画像が共にダイレクトカラー方式の画像であればRGB成分のそれぞれについて差分を算出して前記差分データを生成し、前記元画像と前記変換画像がダイレクトカラー方式とカラーパレット方式の場合には、カラーパレット方式の方の画像をRGB成分の画像に変換して差分を算出して前記差分データを生成すること
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項1〜14のいずれかに記載の画像圧縮装置において、
前記圧縮手段は、ハフマンコーディング、2値RLE若しくは多値RLEのいずれか1、またはこれらの組み合わせを適用して圧縮すること
を特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項1〜15のいずれかに記載の画像圧縮装置によって得られた圧縮画像データを、当該請求項に記載の画像圧縮装置における処理の逆変換を行って展開し、前記元画像または前記変換画像を得る画像展開装置。
- 入力された元画像に対して複数のサイズ変更または減色を行い、そのサイズ変更または減色によって得られた画像と、そのサイズ変更前または減色前の画像との差分を圧縮し、最も圧縮率が高くなる組み合わせにより圧縮する画像圧縮方法。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の画像圧縮装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
- 請求項16に記載の画像展開装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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