JP3706978B2 - 気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等の内燃機関にCNG(圧縮天然ガス)又は水素等の気体燃料を噴射供給する気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置は、図9に示すように、バッテリBATから燃料噴射弁(正確には燃料噴射弁の電磁石のコイル)INJへの電力供給路の途中にスイッチング素子Q1 を設けると共にこのスイッチング素子Q1 と並列に他のスイッチング素子Q2 と電流制限用抵抗R1 の直列回路を設け、さらに、各スイッチング素子Q1 、Q2 のスイッチング動作を制御する電流制御回路等を有する電子制御回路ECUを備えて構成される。
【0003】
ここで、電流制御回路は、燃料噴射弁INJの開弁開始時には、電流制限用抵抗R1 に直列接続されていないスイッチング素子Q1 をオンさせることでコイルINJに比較的大きな電流(ピーク電流)I1 を流し、これにより燃料噴射弁INJを速やかに開弁させ、さらに、開弁後の一定時間、上記電流制限用抵抗R1 に直列接続されていないスイッチング素子Q1 をオフにスイッチングさせると共に電流制限用抵抗R1 に直列接続されたスイッチング素子Q2 をオンさせることでコイルINJに電流制限用抵抗R1 を介して開弁状態を保持できるに足る比較的小さな電流(保持電流)I2 を流し、これにより燃料噴射弁INJの発熱を抑制すると共に消費電力の節約を図っている。すなわち、電流制御回路は、図10に示すように、任意の噴射期間Tに対し、この噴射期間Tの前半部分即ち開始時点t0 から一定時間(ピーク電流期間)T1 、スイッチング素子Q1 にオン指令信号(Hiレベル信号)S1 を出力すると共に、噴射期間Tの開始時点t0 から噴射期間Tの終了時点t3 までの期間T2a又はピーク電流期間T1 内の任意の時点t1 から噴射期間Tの終了時点t3 までの期間T2b又はピーク電流期間T1 の終了時点t2 から噴射期間Tの終了時点t3 までの期間T2c、他のスイッチング素子Q2 にオン指令信号(Hiレベル信号)S2 を出力する。なお、スイッチング素子Q1 がオン状態にあるときにはスイッチング素子Q2 がオン状態であっても電流制限用抵抗R1 には電流が流れないため、図10に示すように、コイルINJに実際に保持電流I2 が流れている保持電流期間は、噴射期間Tの後半部分即ちスイッチング素子Q1 がオフにスイッチングした時点(ピーク電流期間T1 の終了時点t2 )から噴射期間Tの終了時点t3 までの期間T2 となる。このような電流制御回路の出力S1 、S2 により、ピーク電流期間T1 においてはスイッチング素子Q1 がオン状態に維持されコイルINJに図10に示す波形のピーク電流I1 が流れて燃料噴射弁INJは開弁し、保持電流期間T2 においてはスイッチング素子Q1 がオフ状態、他のスイッチング素子Q2 がオン状態にそれぞれ維持されコイルINJに図10に示す波形の保持電流I2 が流れて燃料噴射弁INJは開弁状態を保持する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の駆動制御装置によると、ピーク電流期間T1 を一定時間に設定しているため、図11に示すようにバッテリBATの電圧値14V、12V、10V、8V、6Vに応じてピーク電流I1 の最大値が変動し、内燃機関の始動時例えば低温始動時等バッテリ電圧VB が6V程度に低下したときに、図12に示すようにピーク電流I1 が減少し燃料噴射弁INJを開弁動作させるに足る電流値ILまで増大せず燃料噴射弁INJが閉弁状態のままとなり内燃機関を始動できないという問題があった。
【0005】
このような問題に対する対応策の一例として、内燃機関の低温始動時における低いバッテリ電圧VB でも燃料噴射弁INJを開弁動作できるようにピーク電流期間T1 を増大させることが考えられるが、このようにピーク電流期間T1 を増大させると、通常運転時において燃料噴射弁INJが開弁した時点から保持電流期間T2 が開始する時点までの期間が長くなり、この間コイルINJにピーク電流I1 が流れ続けるため燃料噴射弁INJの発熱及び消費電力の増大を招くという新たな問題が生じる。特に、気体燃料用電磁式燃料噴射弁はガソリン等液体燃料用電磁式燃料噴射弁に比べ使用燃料圧が高くしかも弁部の開口面積が大きいことから燃料噴射弁INJを開弁動作させるために必要とするピーク電流I1 を高めに設定しなければならず、上記のようなピーク電流期間T1 の増大は、燃料噴射弁INJのより一層の発熱及び消費電力のより一層の増大を招くことになる。
【0006】
なお、特開平4−153541号公報には、バッテリ電圧VB が変動してもピーク電流I1 を予め定めた目標値(バッテリBATが放電終期電圧のときのピーク電流値)に沿って変化させるようフィードバック制御をする駆動制御装置が開示されているが、内燃機関の低温始動時等バッテリ電圧VB が放電終期電圧以下まで低下した場合には燃料噴射弁INJを開弁動作させることができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決し、気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置において、燃料噴射弁の発熱及び消費電力の増大を抑制すると共に、内燃機関の低温始動時等バッテリ電圧が低下した場合であっても内燃機関を始動させることができる気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置は、バッテリから気体燃料用電磁式燃料噴射弁への電力供給路の途中に設けられ、前記燃料噴射弁を駆動する駆動回路と、該駆動回路に制御信号を出力する制御回路とを備え、噴射期間の前半部分でピーク電流を前記燃料噴射弁に流して該燃料噴射弁を開弁動作させ、前記噴射期間の後半部分で保持電流を前記燃料噴射弁に流して該燃料噴射弁の開弁状態を保持する気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置において、前記制御回路は、前記バッテリの電圧に応じて前記ピーク電流を流すピーク電流期間を可変制御し、前記バッテリ電圧が高いときには、前記ピーク電流期間を、バッテリ電圧が高いほどピーク電流期間の減少割合が低くなるように減少させることを特徴とする。
【0009】
請求項2の気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置は、バッテリから気体燃料用電磁式燃料噴射弁への電力供給路の途中に設けられた第1スイッチング素子と、第2スイッチング素子と電流制限用抵抗との直列回路であって前記第1スイッチング素子に並列接続された直列回路と、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子の各スイッチング動作を制御する制御回路とを備え、噴射期間の前半部分で前記第1スイッチング素子をオン状態に維持して前記燃料噴射弁にピーク電流を流し、後半部分で前記第1スイッチング素子をオフ状態、前記第2スイッチング素子をオン状態にそれぞれ維持して前記燃料噴射弁に保持電流を流す気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置において、前記制御回路は、前記バッテリの電圧に応じて前記第1スイッチング素子をオン状態に維持するピーク電流期間を可変制御し、前記バッテリ電圧が高いときには、前記ピーク電流期間を、バッテリ電圧が高いほどピーク電流期間の減少割合が低くなるように減少させることを特徴とする。
【0010】
請求項3の気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置は、請求項1又は2の気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置において、前記制御回路は、前記バッテリ電圧が所定値以下に低下したとき、前記ピーク電流期間を、バッテリ電圧が低いほどピーク電流期間の増大割合が高くなるように増大させることを特徴とする。
【0011】
【発明の作用効果】
請求項1又は2の気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置によると、バッテリの電圧に応じて、燃料噴射弁にピーク電流を流すピーク電流期間を可変制御するようにしたため、バッテリ電圧が高いときにはピーク電流期間を減少させることにより燃料噴射弁の発熱及び消費電力の増大を抑制しつつ燃料噴射弁を開弁動作させることができ、また、バッテリ電圧が低下したときにはピーク電流期間を増大させることによりピーク電流の最大値を燃料噴射弁を開弁動作させるに足る電流値まで増大させ燃料噴射弁を開弁動作させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は一実施例による気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置の構成図を示す。
【0014】
図1において、気体燃料用電磁式燃料噴射弁INJは、車両等の内燃機関にCNG(圧縮天然ガス)又は水素等の気体燃料を噴射供給するものであり、弁部(図示せず)と電磁石(図示せず)とを備え、電磁石のコイルへの通電により弁部が開弁して気体燃料を内燃機関に噴射供給するものである。
【0015】
燃料噴射弁(コイル)INJは、イグニッションスイッチIGを介してバッテリBATに接続され、イグニッションスイッチIGがオンされるとバッテリBATから直接電力の供給を受けられるよう構成されている。
【0016】
バッテリBATから燃料噴射弁INJへの電力供給路の途中には燃料噴射弁INJを駆動する駆動回路DVが設けられている。駆動回路DVは、バッテリBATから燃料噴射弁INJへの電力供給路の途中に設けられた第1スイッチング素子Q1 と、この第1スイッチング素子Q1 に並列接続された直列回路であって第2スイッチング素子Q2 と電流制限用抵抗R1 とからなる直列回路とから構成され、第1スイッチング素子Q1 がオン状態のときには、燃料噴射弁INJに比較的大きなピーク電流I1 を供給して燃料噴射弁INJを開弁開始させ、第1スイッチング素子Q1 がオフ状態にあり且つ第2スイッチング素子Q2 がオン状態のときには、燃料噴射弁INJに電流制限用抵抗R1 により制限された比較的小さな保持電流I2 を供給して燃料噴射弁INJの開弁状態を保持させ、第1スイッチング素子Q1 及び第2スイッチング素子Q2 が共にオフ状態のときには、燃料噴射弁INJに電流を供給せず燃料噴射弁INJを瞬時に閉弁させ又は閉弁状態を保持させる。
【0017】
駆動回路DVの第1スイッチング素子Q1 及び第2スイッチング素子Q2 の各制御入力部には、バッテリ電圧VB を入力信号として所定の処理を行なう電子制御回路ECUの電流制御回路1が接続され、上記のような第1スイッチング素子Q1 及び第2スイッチング素子Q2 の各スイッチング動作は、電流制御回路1から第1スイッチング素子Q1 及び第2スイッチング素子Q2 に対してそれぞれ出力される制御信号S1 及び制御信号S2 によって制御される。
【0018】
電流制御回路1は、マイクロコンピュータ(図示せず)を中枢部とする電子制御回路ECUの一部を構成しており、マイクロコンピュータが行なう各種処理の中で図2にフローチャートで示すようなT1 算出ルーチンを所定周期で繰り返し行なう。
【0019】
図2において、電流制御回路1は、ステップ101でバッテリ電圧VB の読み込みを行なう。なお、バッテリ電圧VB は、バッテリ電圧検出手段(図示せず)からのアナログ信号がA/Dコンバータ(図示せず)によりA/D変換されたデジタル値である。次に、ステップ102で、予め設定されたピーク電流時間マップにより、更に必要に応じて行なわれる補間演算により、上記読み込まれたバッテリ電圧VB に応じたピーク電流時間T1 を算出する。ここで、ピーク電流時間マップは、ピーク電流時間T1 をバッテリ電圧VB に対応付けて作成したマップであり、図3のグラフで示すように、バッテリ電圧VB が6(V)、8(V)、14(V)のときピーク電流時間T1 をそれぞれT0 (T0 は従来装置による一定値に決定されたピーク電流時間である)×1.3(msec)、T0 ×0.8(msec)、T0 ×0.6(msec)に設定する。なお、図3のグラフは、弁部の弁座径がφ4〜φ6である燃料噴射弁INJに対する実験結果であり、横軸はバッテリ電圧VB 、縦軸はピーク電流I1 を少なくとも燃料噴射弁INJを開弁動作させるに足る電流値ILまで増大させることができるピーク電流時間T1 を表している。
【0020】
さらに、電流制御回路1は、上記算出されたピーク電流時間T1 に基づいて、噴射期間Tの開始時点からピーク電流時間T1 が経過するまでのピーク電流期間T1 、第1スイッチング素子Q1 にオン指令信号(Hiレベルの制御信号S1 )を出力し続ける。第1スイッチング素子Q1 は、このピーク電流期間T1 オン状態に維持され、燃料噴射弁INJには、比較的大きなピーク電流I1 が流れ、このピーク電流I1 は燃料噴射弁INJを開弁動作させるに足る電流値ILまで増大し、燃料噴射弁INJは開弁動作をする。その後、ピーク電流期間T1 が終了した時点で、電流制御回路1は第1スイッチング素子Q1 に今度はオフ指令信号(Loレベルの制御信号S1 )を出力すると共に、遅くとも当該時点から噴射期間Tの終了時点までの保持電流期間T2 、第2スイッチング素子Q2 にオン指令信号(Hiレベルの制御信号S2 )を出力し続ける。第1スイッチング素子Q1 はこのオフ指令信号を入力するとオフにスイッチング動作し、また、第2スイッチング素子Q2 は保持電流期間T2 オン状態に維持され、燃料噴射弁INJには、比較的小さな保持電流I2 が流れ、開弁状態が保持される。
【0021】
ここで、燃料噴射弁INJに流れる電流波形は、バッテリ電圧VB の大きさによって図4〜図6に示すような変化を示す。すなわち、図4及び図5に示すように、内燃機関の始動時には、スタータモータ(図示せず)に駆動電流が供給されるためバッテリ電圧VB が一時的に低下し、ピーク電流期間T1 においてINJ電流(ピーク電流I1 )は緩やかに立ち上がり開弁動作可能な電流値ILに上昇するまでに比較的長時間を必要とするが、バッテリ電圧VB が小さいときには上記の説明から明らかなようにピーク電流時間T1 が大きな値に設定されるため、ピーク電流期間T1 の終了直前付近でINJ電流(ピーク電流I1 )は電流値ILまで上昇し、燃料噴射弁INJは開弁動作することができる。一方、図4及び図6に示すように、内燃機関の通常運転時には、バッテリ電圧VB が比較的大きいため、ピーク電流期間T1 においてINJ電流(ピーク電流I1 )は急速に立ち上がり短時間で電流値ILまで上昇するが、バッテリ電圧VB が大きいときには上記の説明から明らかなようにピーク電流時間T1 が小さな値に設定されるため燃料噴射弁INJの開弁直後に比較的小さな保持電流I2 に切り替わり、このため、燃料噴射弁INJの電磁石のコイルの発熱を抑制できると共に消費電力を節約することができる。
【0022】
図7は、上述した電流制御回路1が行なうT1 算出ルーチンの他の例を示している。
【0023】
図7において、電流制御回路1は、ステップ201で、内燃機関が始動時であるか否かを判断する。この判断は、例えば内燃機関のスタータモータ(図示せず)を駆動する際にオンされるスタータスイッチ(図示せず)からの信号に基づいて行なわれる。ステップ201において「YES」の判断がされた場合、次にステップ202を実行し、一方「NO」の判断がされた場合、次にステップ203を実行する。ステップ202においては、バッテリ電圧VB が所定電圧(例えば、定格電圧が12(V)のバッテリの場合、8(V))よりも小さいか否かを判断する。ステップ202において「YES」の判断がされた場合、次にステップ204を実行する。ステップ203においては、ピーク電流時間T1 としてT1bを設定する。ここで、T1bは内燃機関の通常運転時に適したピーク電流時間であり、例えば、T0 ×0.8(msec)に設定され、ROMに予め記憶されている。一方、ステップ204においては、ピーク電流時間T1 としてT1aを設定する。ここで、T1aは内燃機関の始動時に適したピーク電流時間であり、例えば、T0 ×1.3(msec)に設定され、T1bと同様、ROMに予め記憶されている。
【0024】
そして、電流制御回路1は、上述した図2のT1 算出ルーチンの実行後と同様、上記のように設定したピーク電流時間T1 に基づいて第1スイッチング素子Q1 及び第2スイッチング素子Q2 にそれぞれ制御信号S1 及び制御信号S2 を出力する。
【0025】
なお、図8は、図7のT1 算出ルーチンを実行した場合における燃料噴射弁INJに流れる電流波形の例を示している。
【0026】
以上説明したように、本実施例による気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置によると、バッテリBATの電圧VB に応じて、燃料噴射弁INJにピーク電流I1 を流すピーク電流期間T1 を可変制御するようにしたため、バッテリ電圧VB が高いときにはピーク電流期間T1 を減少させることにより燃料噴射弁INJの発熱及び消費電力の増大を抑制しつつ燃料噴射弁INJを開弁動作させることができ、また、バッテリ電圧VB が低下したときにはピーク電流期間T1 を増大させることによりピーク電流I1 の最大値を燃料噴射弁INJを開弁動作させるに足る電流値まで増大させ燃料噴射弁INJを開弁動作させることができる。なお、本発明は、ガソリン燃料に対しても実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例による気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置の構成図
【図2】本実施例によるT1 算出ルーチンの内容を示すフローチャート
【図3】本実施例によるバッテリ電圧とピーク電流時間との関係を示すグラフ
【図4】本実施例による始動時と通常時のINJ電流波形図
【図5】本実施例による始動時のINJ電流波形図
【図6】本実施例による通常時のINJ電流波形図
【図7】他の実施例によるT1 算出ルーチンの内容を示すフローチャート
【図8】他の実施例による始動時と通常時のINJ電流波形図
【図9】従来装置の構成図
【図10】従来装置による始動時と通常時のINJ電流波形図
【図11】従来装置によるバッテリ電圧とINJ電流との関係を示すINJ電流波形図
【図12】従来装置による始動時と通常時のINJ電流波形図
【符号の説明】
BAT バッテリ
VB バッテリ電圧
INJ 燃料噴射弁
DV 駆動回路
ECU 電子制御回路(制御回路)
Q1 第1スイッチング素子
Q2 第2スイッチング素子
R1 電流制限用抵抗
T 噴射期間
T1 ピーク電流期間
T2 保持電流期間
I1 ピーク電流
I2 保持電流
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等の内燃機関にCNG(圧縮天然ガス)又は水素等の気体燃料を噴射供給する気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置は、図9に示すように、バッテリBATから燃料噴射弁(正確には燃料噴射弁の電磁石のコイル)INJへの電力供給路の途中にスイッチング素子Q1 を設けると共にこのスイッチング素子Q1 と並列に他のスイッチング素子Q2 と電流制限用抵抗R1 の直列回路を設け、さらに、各スイッチング素子Q1 、Q2 のスイッチング動作を制御する電流制御回路等を有する電子制御回路ECUを備えて構成される。
【0003】
ここで、電流制御回路は、燃料噴射弁INJの開弁開始時には、電流制限用抵抗R1 に直列接続されていないスイッチング素子Q1 をオンさせることでコイルINJに比較的大きな電流(ピーク電流)I1 を流し、これにより燃料噴射弁INJを速やかに開弁させ、さらに、開弁後の一定時間、上記電流制限用抵抗R1 に直列接続されていないスイッチング素子Q1 をオフにスイッチングさせると共に電流制限用抵抗R1 に直列接続されたスイッチング素子Q2 をオンさせることでコイルINJに電流制限用抵抗R1 を介して開弁状態を保持できるに足る比較的小さな電流(保持電流)I2 を流し、これにより燃料噴射弁INJの発熱を抑制すると共に消費電力の節約を図っている。すなわち、電流制御回路は、図10に示すように、任意の噴射期間Tに対し、この噴射期間Tの前半部分即ち開始時点t0 から一定時間(ピーク電流期間)T1 、スイッチング素子Q1 にオン指令信号(Hiレベル信号)S1 を出力すると共に、噴射期間Tの開始時点t0 から噴射期間Tの終了時点t3 までの期間T2a又はピーク電流期間T1 内の任意の時点t1 から噴射期間Tの終了時点t3 までの期間T2b又はピーク電流期間T1 の終了時点t2 から噴射期間Tの終了時点t3 までの期間T2c、他のスイッチング素子Q2 にオン指令信号(Hiレベル信号)S2 を出力する。なお、スイッチング素子Q1 がオン状態にあるときにはスイッチング素子Q2 がオン状態であっても電流制限用抵抗R1 には電流が流れないため、図10に示すように、コイルINJに実際に保持電流I2 が流れている保持電流期間は、噴射期間Tの後半部分即ちスイッチング素子Q1 がオフにスイッチングした時点(ピーク電流期間T1 の終了時点t2 )から噴射期間Tの終了時点t3 までの期間T2 となる。このような電流制御回路の出力S1 、S2 により、ピーク電流期間T1 においてはスイッチング素子Q1 がオン状態に維持されコイルINJに図10に示す波形のピーク電流I1 が流れて燃料噴射弁INJは開弁し、保持電流期間T2 においてはスイッチング素子Q1 がオフ状態、他のスイッチング素子Q2 がオン状態にそれぞれ維持されコイルINJに図10に示す波形の保持電流I2 が流れて燃料噴射弁INJは開弁状態を保持する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の駆動制御装置によると、ピーク電流期間T1 を一定時間に設定しているため、図11に示すようにバッテリBATの電圧値14V、12V、10V、8V、6Vに応じてピーク電流I1 の最大値が変動し、内燃機関の始動時例えば低温始動時等バッテリ電圧VB が6V程度に低下したときに、図12に示すようにピーク電流I1 が減少し燃料噴射弁INJを開弁動作させるに足る電流値ILまで増大せず燃料噴射弁INJが閉弁状態のままとなり内燃機関を始動できないという問題があった。
【0005】
このような問題に対する対応策の一例として、内燃機関の低温始動時における低いバッテリ電圧VB でも燃料噴射弁INJを開弁動作できるようにピーク電流期間T1 を増大させることが考えられるが、このようにピーク電流期間T1 を増大させると、通常運転時において燃料噴射弁INJが開弁した時点から保持電流期間T2 が開始する時点までの期間が長くなり、この間コイルINJにピーク電流I1 が流れ続けるため燃料噴射弁INJの発熱及び消費電力の増大を招くという新たな問題が生じる。特に、気体燃料用電磁式燃料噴射弁はガソリン等液体燃料用電磁式燃料噴射弁に比べ使用燃料圧が高くしかも弁部の開口面積が大きいことから燃料噴射弁INJを開弁動作させるために必要とするピーク電流I1 を高めに設定しなければならず、上記のようなピーク電流期間T1 の増大は、燃料噴射弁INJのより一層の発熱及び消費電力のより一層の増大を招くことになる。
【0006】
なお、特開平4−153541号公報には、バッテリ電圧VB が変動してもピーク電流I1 を予め定めた目標値(バッテリBATが放電終期電圧のときのピーク電流値)に沿って変化させるようフィードバック制御をする駆動制御装置が開示されているが、内燃機関の低温始動時等バッテリ電圧VB が放電終期電圧以下まで低下した場合には燃料噴射弁INJを開弁動作させることができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決し、気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置において、燃料噴射弁の発熱及び消費電力の増大を抑制すると共に、内燃機関の低温始動時等バッテリ電圧が低下した場合であっても内燃機関を始動させることができる気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置は、バッテリから気体燃料用電磁式燃料噴射弁への電力供給路の途中に設けられ、前記燃料噴射弁を駆動する駆動回路と、該駆動回路に制御信号を出力する制御回路とを備え、噴射期間の前半部分でピーク電流を前記燃料噴射弁に流して該燃料噴射弁を開弁動作させ、前記噴射期間の後半部分で保持電流を前記燃料噴射弁に流して該燃料噴射弁の開弁状態を保持する気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置において、前記制御回路は、前記バッテリの電圧に応じて前記ピーク電流を流すピーク電流期間を可変制御し、前記バッテリ電圧が高いときには、前記ピーク電流期間を、バッテリ電圧が高いほどピーク電流期間の減少割合が低くなるように減少させることを特徴とする。
【0009】
請求項2の気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置は、バッテリから気体燃料用電磁式燃料噴射弁への電力供給路の途中に設けられた第1スイッチング素子と、第2スイッチング素子と電流制限用抵抗との直列回路であって前記第1スイッチング素子に並列接続された直列回路と、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子の各スイッチング動作を制御する制御回路とを備え、噴射期間の前半部分で前記第1スイッチング素子をオン状態に維持して前記燃料噴射弁にピーク電流を流し、後半部分で前記第1スイッチング素子をオフ状態、前記第2スイッチング素子をオン状態にそれぞれ維持して前記燃料噴射弁に保持電流を流す気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置において、前記制御回路は、前記バッテリの電圧に応じて前記第1スイッチング素子をオン状態に維持するピーク電流期間を可変制御し、前記バッテリ電圧が高いときには、前記ピーク電流期間を、バッテリ電圧が高いほどピーク電流期間の減少割合が低くなるように減少させることを特徴とする。
【0010】
請求項3の気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置は、請求項1又は2の気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置において、前記制御回路は、前記バッテリ電圧が所定値以下に低下したとき、前記ピーク電流期間を、バッテリ電圧が低いほどピーク電流期間の増大割合が高くなるように増大させることを特徴とする。
【0011】
【発明の作用効果】
請求項1又は2の気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置によると、バッテリの電圧に応じて、燃料噴射弁にピーク電流を流すピーク電流期間を可変制御するようにしたため、バッテリ電圧が高いときにはピーク電流期間を減少させることにより燃料噴射弁の発熱及び消費電力の増大を抑制しつつ燃料噴射弁を開弁動作させることができ、また、バッテリ電圧が低下したときにはピーク電流期間を増大させることによりピーク電流の最大値を燃料噴射弁を開弁動作させるに足る電流値まで増大させ燃料噴射弁を開弁動作させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は一実施例による気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置の構成図を示す。
【0014】
図1において、気体燃料用電磁式燃料噴射弁INJは、車両等の内燃機関にCNG(圧縮天然ガス)又は水素等の気体燃料を噴射供給するものであり、弁部(図示せず)と電磁石(図示せず)とを備え、電磁石のコイルへの通電により弁部が開弁して気体燃料を内燃機関に噴射供給するものである。
【0015】
燃料噴射弁(コイル)INJは、イグニッションスイッチIGを介してバッテリBATに接続され、イグニッションスイッチIGがオンされるとバッテリBATから直接電力の供給を受けられるよう構成されている。
【0016】
バッテリBATから燃料噴射弁INJへの電力供給路の途中には燃料噴射弁INJを駆動する駆動回路DVが設けられている。駆動回路DVは、バッテリBATから燃料噴射弁INJへの電力供給路の途中に設けられた第1スイッチング素子Q1 と、この第1スイッチング素子Q1 に並列接続された直列回路であって第2スイッチング素子Q2 と電流制限用抵抗R1 とからなる直列回路とから構成され、第1スイッチング素子Q1 がオン状態のときには、燃料噴射弁INJに比較的大きなピーク電流I1 を供給して燃料噴射弁INJを開弁開始させ、第1スイッチング素子Q1 がオフ状態にあり且つ第2スイッチング素子Q2 がオン状態のときには、燃料噴射弁INJに電流制限用抵抗R1 により制限された比較的小さな保持電流I2 を供給して燃料噴射弁INJの開弁状態を保持させ、第1スイッチング素子Q1 及び第2スイッチング素子Q2 が共にオフ状態のときには、燃料噴射弁INJに電流を供給せず燃料噴射弁INJを瞬時に閉弁させ又は閉弁状態を保持させる。
【0017】
駆動回路DVの第1スイッチング素子Q1 及び第2スイッチング素子Q2 の各制御入力部には、バッテリ電圧VB を入力信号として所定の処理を行なう電子制御回路ECUの電流制御回路1が接続され、上記のような第1スイッチング素子Q1 及び第2スイッチング素子Q2 の各スイッチング動作は、電流制御回路1から第1スイッチング素子Q1 及び第2スイッチング素子Q2 に対してそれぞれ出力される制御信号S1 及び制御信号S2 によって制御される。
【0018】
電流制御回路1は、マイクロコンピュータ(図示せず)を中枢部とする電子制御回路ECUの一部を構成しており、マイクロコンピュータが行なう各種処理の中で図2にフローチャートで示すようなT1 算出ルーチンを所定周期で繰り返し行なう。
【0019】
図2において、電流制御回路1は、ステップ101でバッテリ電圧VB の読み込みを行なう。なお、バッテリ電圧VB は、バッテリ電圧検出手段(図示せず)からのアナログ信号がA/Dコンバータ(図示せず)によりA/D変換されたデジタル値である。次に、ステップ102で、予め設定されたピーク電流時間マップにより、更に必要に応じて行なわれる補間演算により、上記読み込まれたバッテリ電圧VB に応じたピーク電流時間T1 を算出する。ここで、ピーク電流時間マップは、ピーク電流時間T1 をバッテリ電圧VB に対応付けて作成したマップであり、図3のグラフで示すように、バッテリ電圧VB が6(V)、8(V)、14(V)のときピーク電流時間T1 をそれぞれT0 (T0 は従来装置による一定値に決定されたピーク電流時間である)×1.3(msec)、T0 ×0.8(msec)、T0 ×0.6(msec)に設定する。なお、図3のグラフは、弁部の弁座径がφ4〜φ6である燃料噴射弁INJに対する実験結果であり、横軸はバッテリ電圧VB 、縦軸はピーク電流I1 を少なくとも燃料噴射弁INJを開弁動作させるに足る電流値ILまで増大させることができるピーク電流時間T1 を表している。
【0020】
さらに、電流制御回路1は、上記算出されたピーク電流時間T1 に基づいて、噴射期間Tの開始時点からピーク電流時間T1 が経過するまでのピーク電流期間T1 、第1スイッチング素子Q1 にオン指令信号(Hiレベルの制御信号S1 )を出力し続ける。第1スイッチング素子Q1 は、このピーク電流期間T1 オン状態に維持され、燃料噴射弁INJには、比較的大きなピーク電流I1 が流れ、このピーク電流I1 は燃料噴射弁INJを開弁動作させるに足る電流値ILまで増大し、燃料噴射弁INJは開弁動作をする。その後、ピーク電流期間T1 が終了した時点で、電流制御回路1は第1スイッチング素子Q1 に今度はオフ指令信号(Loレベルの制御信号S1 )を出力すると共に、遅くとも当該時点から噴射期間Tの終了時点までの保持電流期間T2 、第2スイッチング素子Q2 にオン指令信号(Hiレベルの制御信号S2 )を出力し続ける。第1スイッチング素子Q1 はこのオフ指令信号を入力するとオフにスイッチング動作し、また、第2スイッチング素子Q2 は保持電流期間T2 オン状態に維持され、燃料噴射弁INJには、比較的小さな保持電流I2 が流れ、開弁状態が保持される。
【0021】
ここで、燃料噴射弁INJに流れる電流波形は、バッテリ電圧VB の大きさによって図4〜図6に示すような変化を示す。すなわち、図4及び図5に示すように、内燃機関の始動時には、スタータモータ(図示せず)に駆動電流が供給されるためバッテリ電圧VB が一時的に低下し、ピーク電流期間T1 においてINJ電流(ピーク電流I1 )は緩やかに立ち上がり開弁動作可能な電流値ILに上昇するまでに比較的長時間を必要とするが、バッテリ電圧VB が小さいときには上記の説明から明らかなようにピーク電流時間T1 が大きな値に設定されるため、ピーク電流期間T1 の終了直前付近でINJ電流(ピーク電流I1 )は電流値ILまで上昇し、燃料噴射弁INJは開弁動作することができる。一方、図4及び図6に示すように、内燃機関の通常運転時には、バッテリ電圧VB が比較的大きいため、ピーク電流期間T1 においてINJ電流(ピーク電流I1 )は急速に立ち上がり短時間で電流値ILまで上昇するが、バッテリ電圧VB が大きいときには上記の説明から明らかなようにピーク電流時間T1 が小さな値に設定されるため燃料噴射弁INJの開弁直後に比較的小さな保持電流I2 に切り替わり、このため、燃料噴射弁INJの電磁石のコイルの発熱を抑制できると共に消費電力を節約することができる。
【0022】
図7は、上述した電流制御回路1が行なうT1 算出ルーチンの他の例を示している。
【0023】
図7において、電流制御回路1は、ステップ201で、内燃機関が始動時であるか否かを判断する。この判断は、例えば内燃機関のスタータモータ(図示せず)を駆動する際にオンされるスタータスイッチ(図示せず)からの信号に基づいて行なわれる。ステップ201において「YES」の判断がされた場合、次にステップ202を実行し、一方「NO」の判断がされた場合、次にステップ203を実行する。ステップ202においては、バッテリ電圧VB が所定電圧(例えば、定格電圧が12(V)のバッテリの場合、8(V))よりも小さいか否かを判断する。ステップ202において「YES」の判断がされた場合、次にステップ204を実行する。ステップ203においては、ピーク電流時間T1 としてT1bを設定する。ここで、T1bは内燃機関の通常運転時に適したピーク電流時間であり、例えば、T0 ×0.8(msec)に設定され、ROMに予め記憶されている。一方、ステップ204においては、ピーク電流時間T1 としてT1aを設定する。ここで、T1aは内燃機関の始動時に適したピーク電流時間であり、例えば、T0 ×1.3(msec)に設定され、T1bと同様、ROMに予め記憶されている。
【0024】
そして、電流制御回路1は、上述した図2のT1 算出ルーチンの実行後と同様、上記のように設定したピーク電流時間T1 に基づいて第1スイッチング素子Q1 及び第2スイッチング素子Q2 にそれぞれ制御信号S1 及び制御信号S2 を出力する。
【0025】
なお、図8は、図7のT1 算出ルーチンを実行した場合における燃料噴射弁INJに流れる電流波形の例を示している。
【0026】
以上説明したように、本実施例による気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置によると、バッテリBATの電圧VB に応じて、燃料噴射弁INJにピーク電流I1 を流すピーク電流期間T1 を可変制御するようにしたため、バッテリ電圧VB が高いときにはピーク電流期間T1 を減少させることにより燃料噴射弁INJの発熱及び消費電力の増大を抑制しつつ燃料噴射弁INJを開弁動作させることができ、また、バッテリ電圧VB が低下したときにはピーク電流期間T1 を増大させることによりピーク電流I1 の最大値を燃料噴射弁INJを開弁動作させるに足る電流値まで増大させ燃料噴射弁INJを開弁動作させることができる。なお、本発明は、ガソリン燃料に対しても実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例による気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置の構成図
【図2】本実施例によるT1 算出ルーチンの内容を示すフローチャート
【図3】本実施例によるバッテリ電圧とピーク電流時間との関係を示すグラフ
【図4】本実施例による始動時と通常時のINJ電流波形図
【図5】本実施例による始動時のINJ電流波形図
【図6】本実施例による通常時のINJ電流波形図
【図7】他の実施例によるT1 算出ルーチンの内容を示すフローチャート
【図8】他の実施例による始動時と通常時のINJ電流波形図
【図9】従来装置の構成図
【図10】従来装置による始動時と通常時のINJ電流波形図
【図11】従来装置によるバッテリ電圧とINJ電流との関係を示すINJ電流波形図
【図12】従来装置による始動時と通常時のINJ電流波形図
【符号の説明】
BAT バッテリ
VB バッテリ電圧
INJ 燃料噴射弁
DV 駆動回路
ECU 電子制御回路(制御回路)
Q1 第1スイッチング素子
Q2 第2スイッチング素子
R1 電流制限用抵抗
T 噴射期間
T1 ピーク電流期間
T2 保持電流期間
I1 ピーク電流
I2 保持電流
Claims (3)
- バッテリから気体燃料用電磁式燃料噴射弁への電力供給路の途中に設けられ、前記燃料噴射弁を駆動する駆動回路と、該駆動回路に制御信号を出力する制御回路とを備え、
噴射期間の前半部分でピーク電流を前記燃料噴射弁に流して該燃料噴射弁を開弁動作させ、前記噴射期間の後半部分で保持電流を前記燃料噴射弁に流して該燃料噴射弁の開弁状態を保持する気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置において、
前記制御回路は、前記バッテリの電圧に応じて前記ピーク電流を流すピーク電流期間を可変制御し、前記バッテリ電圧が高いときには、前記ピーク電流期間を、バッテリ電圧が高いほどピーク電流期間の減少割合が低くなるように減少させることを特徴とする気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置。 - バッテリから気体燃料用電磁式燃料噴射弁への電力供給路の途中に設けられた第1スイッチング素子と、第2スイッチング素子と電流制限用抵抗との直列回路であって前記第1スイッチング素子に並列接続された直列回路と、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子の各スイッチング動作を制御する制御回路とを備え、
噴射期間の前半部分で前記第1スイッチング素子をオン状態に維持して前記燃料噴射弁にピーク電流を流し、後半部分で前記第1スイッチング素子をオフ状態、前記第2スイッチング素子をオン状態にそれぞれ維持して前記燃料噴射弁に保持電流を流す気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置において、
前記制御回路は、前記バッテリの電圧に応じて前記第1スイッチング素子をオン状態に維持するピーク電流期間を可変制御し、前記バッテリ電圧が高いときには、前記ピーク電流期間を、バッテリ電圧が高いほどピーク電流期間の減少割合が低くなるように減少させることを特徴とする気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置。 - 前記制御回路は、前記バッテリ電圧が所定値以下に低下したとき、前記ピーク電流期間を、バッテリ電圧が低いほどピーク電流期間の増大割合が高くなるように増大させることを特徴とする請求項1又は2に記載の気体燃料用電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置。
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