JP3706073B2 - 相対移動自動復帰装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、地震の揺れが構造物等の免震対象に伝わるのを防ぐ免震装置として用いるのに好適であって、上台と下台との間の相対的な横方向の移動を許容すると同時に、上記横動を自動的に減衰させて上記上台と下台を初期安定位置に復帰させることができる相対移動自動復帰装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
免震装置としては、従来、図14に示すような積層ゴムアイソレータと呼ばれるものがある。この積層ゴムアイソレータは、薄いゴムシート201と中間鋼板202と交互に積層されており、この積層体の周囲が被覆ゴム206で被覆されており、上下にフランジ203,205を有するものである。この積層ゴムアイソレータは、たとえば、上記フランジ205が地盤に固定され、フランジ203が建物に固定される。この積層ゴムアイソレータは、鉛直方向の大きい剛性と水平方向の小さい剛性とを有している。
【0003】
この積層ゴムアイソレータは、地震がないときには、鉛直方向の大きな剛性で地盤に対して建物を支持し、地震時には、水平方向に速やかに変位して揺れが建物に伝わるのを防ぐ。
【0004】
しかし、上記積層ゴムアイソレータは、大規模の建築物,構築物には適するが、中,小規模の建築物,構築物に対しては水平剛性が十分に小さくなく地震の揺れが建物に伝わるのを十分に防ぐことができないという問題がある。
【0005】
また、上記相対移動自動復帰装置のもう1つの応用例として半導体のラッピング装置等に使用できる揺動可能な機械加工装置がある。従来、半導体のラッピング装置を構成する機械加工装置としては、図15に示すものがある。この機械加工装置は、下台301と上台302の間に複数の玉303を備えている。そして、上台302の下面302Aは略球面になっており、上記下台301の上面301Aは略球面になっている。これにより、上記上台302は、上記球面の中心305を中心として任意の横方向に揺動でき、また回転できる。上記上台302の上面302Bに半導体ウェハを搭載して、上記ウェハとラッピング工具を相対回転させながら、ウェハ表面を研磨する。
【0006】
しかし、このラッピング装置は、上台302の下面302Aや下台301の上面301Aを球面仕上げする必要があるから、製造コストが高いという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明の目的は、中,小規模の建築物,構築物に適用しても、水平方向に速やかに変位して、地震の揺れが建物に伝わるのを確実に防ぐことができる免震装置を構成することができる相対移動自動復帰装置を提供することにある。
また、この発明の今1つの目的は、製造コストが安いラッピング装置としての揺動可能な機械加工装置を構成できる相対移動自動復帰装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、一参考例の相対移動自動復帰装置は、上台と、下台と、中間台とを備え、上記上台と中間台との間に第1転動体が配置され、
上記中間台と下台との間に第2転動体が配置されていて、上記上台の下面または上記中間台の上面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第1転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第1軌道面と、上記中間台の下面または上記下台の上面の少なくとも一方に形成されており、上記第1軌道面と交差する方向に延びており、安定点とこの安定点から上記第2転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第2軌道面とを備え、
上記第1軌道面と第2軌道面とは互いに直交する方向に延びている。
【0009】
この一参考例によれば、たとえば、免震装置に用いる場合、上記下台は地盤に固定され、上記上台は構築物に固定される。そして、地震がないときには、上記第1転動体は上記第1軌道面の安定点に静止しており、上記第2転動体は上記第2軌道面の安定点に静止している。この状態で、上記構築物の重量は、上台、第1転動体、中間台、第2転動体、下台の順に鉛直下方に伝わり、鉛直方向の大荷重を支持できる。
【0010】
一方、地震時には、この地震で地盤が水平方向に揺れ、地盤と一緒に下台が水平方向に移動する。すると、上記第2転動体が上記第2軌道面に沿って走行し、第1転動体が第1軌道面に沿って走行し、これにより、上記地盤の水平方向の揺れが上記構築物に伝わらなくなる。
【0011】
この一参考例によれば、上記第1転動体の第1軌道面に対する走行および第2転動体の第2軌道面に対する走行でもって、下台に対して上台が、水平方向の任意の方向に相対移動できる。したがって、地盤の水平方向の揺れを略完全に吸収して構築物に揺れを伝えない。
【0012】
また、軌道面上の転動体の走行で下台と上台とを相対的にスライドさせるから、アイソレータとしての水平剛性を十分に柔らかくすることができ、絶対免震に近づけることができる。したがって、中,小規模の建築物,構築物に適用しても、地震の揺れが建物に伝わるのを十分に防ぐことができる。
【0013】
また、上記地震が止んだ後は、上記第1転動体は第1軌道面の安定点の両側の部分を往復しながら上記安定点に戻るから、上記上台は上記下台に対する静止時の位置に復帰し、構築物を地盤に対する静止時の位置に復帰させることができる。
【0014】
また、この一参考例の相対移動自動復帰装置で半導体のラッピング装置としての揺動可能な機械加工装置を構成すれば、各軌道面が1次元的にカーブしていればよいことから従来のような軌道面の球面仕上げ加工が不要になり、製造コストが安くなる。
【0015】
また、この一参考例によれば、上記第1軌道面と第2軌道面とが直交していない場合に比べて、水平方向の全方向に亘って上台と下台との相対スライドを円滑にすることができる。
【0016】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置は、上記第1軌道面と第2軌道面は上記転動体の走行方向に湾曲した曲面である。
【0017】
この一参考例によれば、上記曲面の曲率設定でもって、水平剛性を所望値に設定することができる。
【0018】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置は、
上記安定点の一方の側の軌道面の部分が上記安定点よりも他方の側に片寄った曲率中心を有する曲率半径の曲面であり、上記安定点の他方の側の軌道面の部分が上記安定点よりも一方の側に片寄った曲率中心を有する曲率半径の曲面であり、かつ、上記一方の軌道面の部分と他方の軌道面の部分とは上記安定点の近傍で上記転動体の回転半径よりも大きな曲率半径の曲面でつなげられている。
【0019】
この一参考例によれば、上記安定点の鉛直線上に曲率中心を有する曲率半径の曲面で軌道面を構成する場合に比べて、軌道面の傾斜を急にすることができるから、転動体を安定点に速く戻すことができる。また、一方の軌道面の部分と他方の軌道面の部分とは上記安定点の近傍で上記転動体の回転半径よりも大きな曲率半径の曲面でつなげられているから、転動体は上記安定点をスムーズに通過できる。
【0020】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置は、
上記安定点の一方の側の軌道面の部分が上記安定点から所定の角度で直線状に立ち上がっている平面であり、上記安定点の他方の側の軌道面の部分が上記安定点から所定の角度で直線状に立ち上がっている平面であり、上記一方の軌道面の部分と他方の軌道面の部分とは上記安定点の近傍で上記転動体の回転半径よりも大きな曲率半径の曲面でつなげられている。
【0021】
この一参考例によれば、上記軌道面の部分の角度の設定だけで復元力を所望の値に設定することができる。また、上記安定点の両側の軌道面の部分が上記曲面でつなげられているから、上記転動体は上記安定点を滑らかに通過できる。
【0022】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置は、
上記第1軌道面もしくは第2軌道面の少なくとも一方は、水平方向に複数配列されていて互いに平行になっている。
【0023】
この一参考例によれば、軌道面が単列の場合に比べて、少ない軌道面スペースで、鉛直方向の支持安定性を向上できる上に、上台,下台の相対スライドを安定かつ円滑にできる。また、軌道面1つ当たりの幅を小さくして転動体の小型化を図れる。
【0024】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置は、上記第1もしくは第2軌道面は深溝であり、上記第1もしくは第2転動体が深溝の側壁に案内されていることを特徴としている。
【0025】
この一参考例によれば、上記深溝の第1もしくは第2軌道面の側壁に沿って転動体を軌道から外れないように案内できる。
【0026】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置では、上記上台と下台とは同一形状の部品からなり、上記中間台は非軌道側背面同士が結合された2つの上記部品で構成されている。
【0027】
この一参考例によれば、上台,下台,中間台のそれぞれを1種類の部品だけから構成することができるから、コストダウンを図ることができる。
【0028】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置では、上記転動体を保持する保持器を備える。
【0029】
この一参考例によれば、上記保持器でもって上記転動体を保持して走行を安定化できる。
【0030】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置は、上記軌道面は、レール軌道の上面で構成されており、上記転動体は上記レール軌道の両側面を挟む鍔部を有する。
【0031】
この一参考例によれば、上記レール軌道の高さを高くすることで上下寸法を設定することができる。また、上記転動体の鍔部でもって転動体がレール軌道からはずれることを防止できる。
【0032】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置は、
上記転動体は、2つの円錐を底面で結合させたソロバン玉形状であり、
上記軌道面は、断面略V字型の溝からなる。
【0033】
この一参考例によれば、転動体が軌道面からはずれにくくなり、かつ、上下寸法の縮小を図れる。
【0034】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置では、上記軌道面は上記上台の下面または上記中間台の上面の一方に形成されており、上記上台の下面または上記中間台の上面の他方にラックが形成されており、上記第1転動体は上記ラックに噛合する歯車を有している。
【0035】
この一参考例によれば、上記歯車と上記ラックとの噛合によって、上記第1転動体は上記上台または中間台に対してスリップすることがなくなるから、上台と中間台との静止時の相対位置のズレを防止できる。
【0036】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置では、上記第1または第2軌道面のすくなくとも一方は、軌道端で垂直方向に延在しているストッパー面を有している。
【0037】
この一参考例によれば、転動体が軌道端まで走行したときに上記ストッパー面に当接して止まるから、転動体が軌道端を乗り越えて軌道から逸脱することを防止できる。
【0038】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置では、上記第1転動体は、上記上台または中間台の一方に軸支されており、上記上台または中間台の他方に走行可能かつ上下動が規制されるように結合されており、上記第2転動体は、上記中間台または下台の一方に軸支されており、上記中間台または下台の他方に走行可能かつ上下動が規制されるように結合されている。
【0039】
この一参考例によれば、上記上台と中間台とは上記第1転動体を介して上下動が規制され、上記中間台と下台とは上記第2転動体を介して上下動が規制される。したがって、たとえば、本発明を高層建物の免振装置に適用した場合に、風圧によって発生する引張力が上台に加わったときに、上台、下台、中間台、第1,第2転動体が分解してしまうことを防止できる。
【0040】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置では、上記上台に固定されており、上記第1転動体を上記上台に対して空回りさせるように軸支する第1軸支手段または、上記中間台に固定されており、上記第2転動体を上記中間台に対して空回りさせるように軸支する第2軸支手段のうちの少なくとも一方を備えている。
【0041】
この一参考例によれば、上記第1軸支手段を備える場合には、上記第1転動体が上台と中間台の両方に接触して走行する場合に比べて、中間台の横移動量に対する中間台と上台との相対移動量を2分の1に減少させることができる。また、上記第2軸支手段を備える場合には、上記第2転動体が中間台と下台との両方に接触して走行する場合に比べて、下台の横移動量に対する下台と中間台との相対移動量を2分の1に減少させることができる。したがって、免震能力の向上を図れる。
【0042】
また、一参考例は、上台と、下台と、中間台とを備え、上記上台は、軌道の略中央の安定点とこの安定点から軌道の両方向に向かって徐々に立ち下がっているかもしくは立ち上がっていて、水平方向に窪んだ第1,第2軌道溝を水平方向の両側面に有し、上記下台は、上記第1,第2軌道溝と交差する方向に延びており、軌道の略中央の安定点とこの安定点から軌道の両方向に向かって徐々に立ち上がっていて、水平方向に窪んだ第3,第4軌道溝を水平方向の両側面に有し、上記中間台は、水平方向の両側面に、軌道の略中央の安定点とこの安定点から軌道の両方向に向かって徐々に立ち上がっていて、上記第1,第2軌道溝に水平方向に対向する第5,第6軌道溝と、軌道の略中央の安定点とこの安定点から軌道の両方向に向かって徐々に立ち下がっているかもしくは立ち上がっていて、上記第3,第4軌道溝に水平方向に対向する第7,第8軌道溝とを有し、上記第1,第3,第6,第8軌道溝は、鉛直方向に対して斜め方向を向いている第1支持面と、鉛直方向に関して上記斜め方向と逆の斜め方向を向いている第2支持面とで構成され、上記第2,第4,第5,第7軌道溝は、上記第1支持面に斜め方向に対向する第3支持面と、上記第2支持面に逆斜め方向に対向する第4支持面とで構成され、上記第1軌道溝と第5軌道溝との間に第1転動体が配置され、上記第2軌道溝と第6軌道溝との間に第2転動体が配置され、上記第3軌道溝と第7軌道溝との間に第3転動体が配置され、上記第4軌道溝と第8軌道溝との間に第4転動体が配置されている。
【0043】
この一参考例によれば、たとえば、免震装置に用いる場合、上記下台は地盤に固定され、上記上台は構築物に固定される。そして、地震がないときには、上記第1転動体は、上記上台の第1軌道溝の安定点と上記中間台の第5軌道溝の安定点とに両横から挟まれて、上記安定点に静止している。同様に、上記第2転動体は、上記上台の第2軌道溝の安定点と上記中間台の第6軌道溝の安定点とに両横から挟まれて、上記安定点に静止している。また、上記第3転動体は、上記中間台の第7軌道溝の安定点と下台の第3軌道溝の安定点とに両横から挟まれて、上記安定点に静止している。また、上記第4転動体は、上記中間台の第8軌道溝の安定点と下台の第4軌道溝の安定点とに両横から挟まれて、上記安定点に静止している。
【0044】
この状態で、上記構築物の重量は、上台の第1,第2軌道溝の第1,第4支持面、第1,第2転動体、中間台の第5,第6軌道溝の第3,第2支持面、の順に上台から中間台に伝わり、中間台の第7,第8軌道溝の第4,第1支持面、下台の第3,第4軌道溝の第2,第3支持面、の順に中間台から下台に伝わり、鉛直方向の大荷重を支持できる。
【0045】
一方、地震時には、この地震で地盤が水平方向に揺れ、地盤と一緒に下台が水平方向に移動する。すると、上記第3転動体が上記第7軌道溝と第3軌道溝に沿って略水平方向に走行し、上記第4転動体が上記第8軌道溝と第4軌道溝に沿って略水平方向に走行し、上記第1転動体が上記第1軌道溝と第5軌道溝に沿って略水平方向に走行し、上記第2転動体が上記第6軌道溝と第2軌道溝に沿って略水平方向に走行する。これにより、上記地盤の水平方向の揺れが上記構築物に伝わらなくなる。
【0046】
この一参考例によれば、上記第1転動体の第1,第5軌道溝に対する走行および第2転動体の第2,第6軌道溝に対する走行と、上記第3転動体の第3,第7軌道溝に対する走行および上記第4転動体の第4,第8軌道溝に対する走行とで、下台に対して上台が、水平方向の任意の方向に相対移動できる。したがって、地盤の水平方向の揺れを略完全に吸収して構築物に揺れを伝えない。
【0047】
また、各軌道溝における各転動体の走行で下台と上台とを相対的にスライドさせるから、アイソレータとしての水平剛性を十分に柔らかくすることができ、絶対免震に近づけることができる。したがって、中,小規模の建築物,構築物に適用しても、地震の揺れが建物に伝わるのを十分に防ぐことができる。
【0048】
また、上記地震が止んだ後は、上記各転動体は上記各軌道溝の安定点の両側の部分を往復しながら上記安定点に戻るから、上記上台は上記下台に対する静止時の位置に復帰し、構築物を地盤に対する静止時の位置に復帰させることができる。
【0049】
さらには、高層の構築物に風が当たって、この構築物から上台に引張力が働いた場合には、この引張力は、上記上台の第1,第2軌道溝の第2,第3支持面、第1,第2転動体、中間台の第5,第6軌道溝の第4,第1支持面、の順に上台から中間台に伝わり、中間台の第7,第8軌道溝の第3,第2支持面、第3,第4転動体、下台の第3,第4軌道溝の第1,第4支持面、の順に中間台から下台に伝わる。このようにして、上記上台からの引張力を中間台を経由して上記下台に伝えることができ、上記引っ張りに対する抵抗力を有することができる。
【0050】
また、請求項の発明は、上台と、下台と、中間台とを備え、
上記中間台は、上スライド部と下スライド部を有し、
上記上台は、上記上スライド部に上方から対向する上対向部と上記上スライド部に下方から対向する下対向部とを有し、
上記下台は、上記下スライド部に下方から対向する下対向部と上記下スライド部に上方から対向する上対向部とを有し、
上記中間台の上スライド部と上記上台の上対向部との間に第1転動体が配置され、上記中間台の上スライド部と上記上台の下対向部との間に第2転動体が配置され、上記中間台の下スライド部と上記下台の上対向部との間に第3転動体が配置され、上記中間台の下スライド部と上記下台の下対向部との間に第4転動体が配置されていて、
上記上台の上対向部の下面または上記中間台の上スライド部の上面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第1転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第1軌道面と、
上記上台の下対向部の上面または上記中間台の上スライド部の下面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第2転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第2軌道面と、
上記下台の上対向部の下面または上記中間台の下スライド部の上面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第3転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第3軌道面と、
上記下台の下対向部の上面または上記中間代の下スライド部の下面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第4転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第4軌道面とを備え、上記第1,第2軌道面は上記第3,第4軌道面と交差する方向に延びていることを特徴としている。
【0051】
この請求項の発明によれば、たとえば、免震装置に用いる場合、上記下台は地盤に固定され、上記上台は構築物に固定される。そして、地震がないときには、上記第1,第2,第3,第4転動体は上記第1,第2,第3,第4軌道面の安定点に静止している。この状態で、上記構築物の重量は、上台、中間台の上スライド部、中間台の下スライド部、下台の順に鉛直下方に伝わり、鉛直方向の大荷重を支持できる。
【0052】
一方、地震時には、この地震で地盤が水平方向に揺れ、地盤と一緒に下台が水平方向に移動する。すると、上記第3,第4転動体が第3,第4軌道面に沿って走行し、第1,第2転動体が第1,第2軌道面に沿って走行する。これにより、上記地盤の水平方向の揺れが上記構築物に伝わらなくなる。
【0053】
また、この発明によれば、上記第1,第2転動体の第1,第2軌道面に対する走行および第3,第4転動体の第3,第4軌道面に対する走行でもって、下台に対して上台が、水平方向の任意の方向に相対移動できる。したがって、地盤の水平方向の揺れを略完全に吸収して構築物に揺れを伝えない。
【0054】
また、軌道面上の転動体の走行で下台と上台とを相対的にスライドさせるから、アイソレータとしての水平剛性を十分に柔らかくすることができ、絶対免震に近づけることができる。したがって、中,小規模の建築物,構築物に適用しても、地震の揺れが建物に伝わるのを十分に防ぐことができる。
【0055】
また、上記地震が止んだ後は、上記第1,第2,第3,第4転動体は第1,第2,第3,第4軌道面の安定点の両側の部分を往復しながら上記安定点に戻るから、上記上台は上記下台に対する静止時の位置に復帰し、構築物を地盤に対する静止時の位置に復帰させることができる。
【0056】
さらには、高層の構築物に風が当たって、この構築物から上台に引張力が働いた場合には、この引張力は、上記上台の下対向部から中間台の上スライド部に伝わり、この上スライド部から下スライド部に伝わり、この下スライド部から下台に伝わる。このようにして、上記上台からの引張力を中間台を経由して上記下台に伝えることができ、上記引っ張りに対する抵抗力を有することができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0058】
〔第1の参考例〕
図1に、この発明の相対移動自動復帰装置の第1の参考例としての免震装置を示す。図1(A)に示すように、この免震装置は、上台1と中間台2と下台3を備える。また、図1(B),(C)に示すように、上記上台1と中間台2との間に第1転動体としての円柱形の4つのころ5が配置されている。また、図1(C),(D)に示すように、上記中間台2と下台3との間に第2転動体としての円柱形の4つのころ6が配置されている。
【0059】
そして、図1(B)に示すように、上記上台1は、平坦な上面7に4つの取り付け用のネジ穴8が形成されている。この上台1の下面10には、第1軌道面としての平行な4つのX方向軌道面11,12,13,14が形成されている。上記軌道面11と12は軌道端11aと軌道端12aとが境を接している。そして、この軌道面11と12は下面10の一辺に沿って真っすぐに並べられている。なお、下面10の一辺の長さが長い場合には、軌道端11aと軌道端12aとを離し、一辺の両端に配置すればよい。また、軌道面13と14は軌道端13aと軌道端14aとが境を接している。そして、この軌道面13と14は下面10の上記一辺に対向する一辺に沿って真っすぐに並べられている。なお、上記4つのX方向軌道面11〜14は同じ形状である。
【0060】
このX方向軌道面11は、中央の安定点15とこの安定点15から第1転動体としてのころ5が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている面16,16を有している。この面16は、図7(A)に示すように、上記中央の安定点15の鉛直上方に中心を持つ所定の曲率半径でもって湾曲している。なお、上台1の下面10を示す平面図を図2に示し、図2のA‐A断面を図3に示す。
【0061】
一方、図1(C)に示すように、上記中間台2は、上面21に第1軌道面としての4つのX方向軌道面23,24,25,26が形成されている。上記軌道面23,24,25,26は、それぞれ上記軌道面11,12,13,14に対向させられるようになっている。上記軌道面23と11との間に1つのころ5が配置され、軌道面24と12との間に1つのころ5が配置され、軌道面25と13との間に1つのころ5が配置され、軌道面26と14との間に1つのころ5が配置される。このX方向軌道面23,24,25,26は同じ形状である。また、軌道面23は上台1の軌道面13と同じ形状である。
【0062】
また、上記中間台2の下面27には、上記X方向軌道面23〜26と直交する方向に第2軌道面としての4つのY方向軌道面31,32,33,34が形成されている。この軌道面31と32とは下面27の1辺に沿って真っすぐに並べられている。また、軌道面33と34とは上記1辺に対向する1辺に沿って真っすぐに並べられている。また、上記軌道面31の軌道端31aと軌道面32の軌道端32aとが境を接しており、上記軌道面33の軌道端33aと軌道面34の軌道端34aとが境を接している。このY方向軌道面31〜34は同じ形状であり、このY方向軌道面31の湾曲形状は上記上面21のX方向軌道面23と同じ形状である。
【0063】
また、図1(D)に示すように、上記下台3は、上面37に第2軌道面としての4つのY方向軌道面38,39,40,41が形成されている。上記軌道面38,39,40,41は、それぞれ上記中間台2の下面27のY方向軌道面31,32,33,34に対向させられるようになっている。上記軌道面38と32との間に1つのころ6が配置され、軌道面39と32との間に1つのころ6が配置され、軌道面40と33との間に1つのころ6が配置され、軌道面41と34との間に1つのころ6が配置される。このY方向軌道面38,39,40,41は同じ形状である。また、軌道面38は中間台2の下面27の軌道面32と同じ形状である。
このように、この参考例の免震装置は、合計で8つのX方向軌道面と8つのY方向軌道面と8つのころを有している。
【0064】
上記構成の免震装置は、たとえば、上記下台3は地盤に固定され、上記上台1は取り付けネジ穴8を利用して構築物に固定される。そして、構築物の規模によって、上記構成の免震装置を複数台だけ設置するが、小型建物などの場合には、比較的大型の上記構造の免震装置を1つだけ用いてもよい。
【0065】
地震がないときには、第1転動体としての4つのころ5は、それぞれ、第1軌道面をなすX方向軌道面11,12,13,14の安定点とX方向軌道面23,24,25,26の安定点との間の4つの静止点で静止している。また、第2転動体としての4つのころ6は、それぞれ、第2軌道面をなすY方向軌道面31,32,33,34の安定点とY方向軌道面38,39,40,41の安定点との間の4つの静止点で静止している。この状態で、上記構築物の重量は、上台1、ころ5、中間台2、ころ6、下台3の順に鉛直下方に伝わり、鉛直方向の大荷重を支持できる。
【0066】
一方、地震時には、この地震で地盤が水平方向に揺れ、地盤と一緒に下台3が水平方向に移動する。すると、上記4つのころ6が上記Y方向軌道面38,39,40,41の立ち上がり面およびY方向軌道面31,32,33,34の立ち上がり面に沿って走行し、4つのころ5がX方向軌道面23,24,25,26の立ち上がり面およびX方向軌道面11,12,13,14の立ち上がり面に沿って走行する。これにより、上記地盤の水平方向の揺れが上記構築物に伝わらなくなる。つまり、上記ころ6のY方向軌道面に対する走行およびころ5のX方向軌道面に対する走行でもって、下台3に対して上台1が、水平方向の任意の方向に相対移動できる。したがって、地盤の水平方向の揺れを略完全に吸収して構築物に揺れを伝えない。
【0067】
また、X,Y方向の軌道面23〜26,38〜41上のころ5,6の走行で下台3と上台1とを相対的に滑らかにスライドさせるから、アイソレータとしての水平剛性を十分に柔らかくすることができ、絶対免震に近づけることができる。したがって、大規模の建築物のみならず中,小規模の建築物,構築物に適用しても、地震の揺れが建物に伝わるのを確実に防ぐことができる。
【0068】
また、上記地震が止んだ後は、上記4つのころ5はX方向軌道面11〜14,23〜26の安定点の両側の立ち上がり面を往復しながら上記安定点に戻る。同時に、上記4つのころ6はY方向軌道面31〜34,38〜41の安定点の両側の立ち上がり面を往復しながら上記安定点に戻る。したがって、上記上台1は上記下台3に対する静止時の位置に復帰し、構築物を地盤に対する静止時の位置に確実に復帰させることができる。
【0069】
また、この免震装置は、X方向軌道面11〜14,23〜26とY方向軌道面31〜34,38〜41とは互いに直交する方向に延びている。したがって、上記X方向軌道面11〜14,23〜26とY方向軌道面31〜34,38〜41とが直交していない場合に比べて、水平方向の全方向に亘って上台1と下台3との相対スライドを円滑にすることができる。
【0070】
また、この免震装置は、上記X方向軌道面11〜14,23〜26およびY方向軌道面31〜34,38〜41は上記ころ5およびころ6の走行方向に湾曲した曲面である。したがって、上記曲面の曲率設定でもって、水平剛性を所望値に設定できる。
【0071】
また、この免震装置は、上記X方向軌道面11,12とX方向軌道面13,14とが水平方向に所定の寸法だけ離れて2列に形成されていて、かつ、Y方向軌道面31,32とY方向軌道面33,34とが水平方向に所定の寸法だけ離れて2列に形成されている。したがって、X方向軌道面およびY方向軌道面が単列の場合に比べて、少ない軌道面スペースで鉛直方向の支持安定性を向上できる上に、上台1,下台3の相対スライドを安定かつ円滑にできる。また、軌道面1つ当たりの幅寸法を小さくしてころ5,6の小型化を図れる。
【0072】
また、この免震装置は、X方向軌道面11〜14,23〜26が深溝であり、4つのころ5が上記深溝の側壁に案内されている。また、Y方向軌道面31〜34,38〜41が深溝であり、4つのころ6が上記深溝の側壁に案内されている。したがって、転動体としてのころ5およびころ6を上記深溝の側壁に沿って軌道面から外れないように案内できる。
【0073】
尚、上記参考例では、図7(A)に示すように、立ち上がり面16,16を安定点15の鉛直上方に中心を持つ一定の曲率半径Rで湾曲させたが、図7(B)に示すように、上記安定点15の一方の側の立ち上がり面56を上記安定点15よりも他方の側に片寄った曲率中心を有する曲率半径ARの曲面にし、上記安定点の他方の側の立ち上がり面56を上記安定点15よりも一方の側に片寄った曲率中心を有する曲率半径BRの曲面にし、かつ、上記一方の立ち上がり面56と他方の立ち上がり面56とを上記安定点15の近傍でころ5の回転半径rよりも大きな曲率半径CRの曲面57でつなげてもよい。この場合には、上記安定点15の鉛直線上に曲率中心を有する曲率半径の曲面で立ち上がり面を構成する場合に比べて、立ち上がり面56の傾斜を急にすることができるから、ころ5を安定点に速く戻すことができる。また、一方の立ち上がり面56と他方の立ち上がり面56とは上記安定点15の近傍で上記ころ5の回転半径rよりも大きな曲率半径CRの曲面57でつなげられているから、ころ5は上記安定点15をスムーズに通過できる。
【0074】
また、図7(A)に示す湾曲形状の立ち上がり面16,16に替えて、図8に示す立ち上がり面66,66としてもよい。この立ち上がり面66,66は、安定点15の一方の側の立ち上がり面66が上記安定点15から所定の角度αで直線状に立ち上がっている平面であり、上記安定点15の他方の側の立ち上がり面66が上記安定点15から所定の角度αで直線状に立ち上がっている平面である。そして、上記一方の立ち上がり面66と他方の立ち上がり面66とは上記安定点15の近傍で上記ころ5の回転半径rよりも大きな曲率半径ERの曲面67でつなげられている。この場合には、上記立ち上がり面66の角度αの設定だけで復元力を所望の値に設定することができる。また、上記安定点15の両側の立ち上がり面66,66が上記曲面67でつなげられているから、ころ5は安定点15を滑らかに通過できる。
【0075】
また、上記参考例では、上記上台1と下台3とは同一形状の部品からなる。そこでさらに、上記中間台2を、非軌道側背面同士が結合された2つの上記部品で構成すれば、上台1,下台3,中間台2のそれぞれを1種類の部品だけから構成することができるから、コストダウンを図ることができる。
【0076】
また、上記参考例において、上記ころ5,6を保持する保持器を備える場合には、この保持器でもって上記ころ5,6を保持して走行を安定化できる。
【0077】
さらに、上記参考例では、図1(C),(D)に示すように転動体としてのころ5および6を円柱形としたが、転動体として図4(A)に示すような中央がくびれた鼓形状のころ75としてもよい。この場合、軌道面は図4(A)に示すように、峰形状の立ち上がり面76,77とする。また、転動体を図4(B)に示すようなたる型ころ85としてもよい。この場合、軌道面86,87の横断面形状は図4(B)に示すように弧状とする。さらには、図4(C)に示すように、上記軌道面を、レール軌道90,91の上面90A,91Aで軌道面92,94を構成し、転動体として上記レール軌道90,91の両側面90B,90C,91B,91Cを挟む鍔部93,95を有する鍔付ころ96を用いてもよい。この場合には、上記レール軌道90,91の高さを高くすることで上下寸法を設定することができる。また、上記鍔付ころ96の鍔部93,95でもってころ96がレール軌道90,91からはずれることを防止できる。また、図4(D)に示すように、転動体として円柱の角を丸く面取りしたころ101を採用してもよい。
【0078】
さらにまた、図5(A)に示すように、2つの円錐を底面で結合させたソロバン玉形状の転動体111を用いてもよい。そして、幅方向の中央に矩形の切れ込み114が形成された断面略V字型の溝112,113で軌道面を構成する。この場合、転動体111が軌道面からはずれにくくなり、かつ、上下寸法の縮小を図れる。また、図5(B)に示すように、球形転動体121を用い、横断面が半円状の溝122,123を軌道面としてもよい。
【0079】
さらにまた、図6に示すように、転動体として、2つの円柱部131,132とこの2つの円柱部131,132を連結する連結棒133とが構成する転動体135を用いてもよい。この場合、転動面を、円柱部131と132が走行する2列の転動面136,137とし、この2列の転動面136と137の間に凸部138を形成する。この凸部138は上記円柱部131と132の端面131aと132aに対して所定の小さな隙間を隔てて対向しており、転動体135が横ズレして転動面136,137から逸脱することを防ぐ。
【0080】
また、上記参考例では、上台1の下面10と中間台2の上面21の両方に、立ち上がり面を有するX方向軌道面を形成したが、どちらか一方だけに立ち上がり面を有するX方向軌道面を形成し他方は立ち上がり面を持たない平坦な軌道面としてもよい。同様に、Y方向軌道面についても、立ち上がり面を有するY方向軌道面を、中間台2の下面27もしくは下台の上面37の一方だけに形成し、他方には立ち上がり面を持たない平坦なY方向軌道面を形成してもよい。
【0081】
また、図9(C)に示すように、転動体として、ローラ部151とこのローラ部151の両端に連結された歯車152,153を有する転動体154を用いてもよい。この場合、例えば、図9(A)に示すように、上台155の下面155aに2条のラック156,157を設け、この2条のラック156,157に上記転動体154の歯車152と153を噛合させる。そして、図9(B)に示すように、中間台158の上面158aには湾曲形状の軌道面160を形成する。この軌道面160は、上記転動体154のローラ部151が走行できる幅を有しており、上台155の凸部159とローラ部151からの建物重量を支える。転動端に転動止め用の壁面161,162が形成されている。この止め用の壁面161,162は、過大振幅時に転動体154に当接し、転動体154が軌道面160から逸脱するのを防ぐものである。また、図9(B)および(C)に示したように、ローラ部151の外径と歯車152,153のピッチ円とは同径に設定する。この場合には、上記歯車152,153と上記ラック156,157との噛合によって、上記転動体154は上記上台155に対してスリップすることがなくなるから、上台155と中間台158との静止時の相対位置のズレを防止できる。尚、図9(C)に示す転動体154に替えて図9(D)に示す転動体165を用いてもよい。この転動体165は、中央の歯車171の両側にローラ部172と173が連結されている。この場合、上台155の下面155aに固定するラックは1条でよいが、中間台158の上面158aに形成する湾曲形状の軌道面は上記2つのローラ部172と173が走行できるように2列必要である。
また、上記参考例の免震装置は、減衰器としての弱いダンパーを補助的に用いれば、免震性能を損なわずに減衰力を設定できる。
【0082】
また、上記参考例は、列車等の交通機関の洗面室やトイレの免振にも応用できる。この場合、上台1は上記免振対象としての室の床に固定され、下台3は列車のフレームに固定される。これにより、フレームに軸支された車輪から上記室に振動が伝わらないようにできる。また、上台1は、列車の停止時には自動的にゆるやかに安定点に復帰する。
【0083】
また、上記参考例では、相対移動自動復帰装置を免震装置に応用した場合について説明したが、本発明は免震装置に限らず、半導体のラッピング装置等を構成する揺動可能な機械加工台にも適用できる。たとえば、上記実施の形態と同じ構成でもって半導体のラッピング装置を構成することができる。この場合には、従来のような軌道面の球面仕上げ加工が不要になり、製造コストを低減できる。
【0084】
また、図13(A)〜(C)に示すように、転動体として、2つの円柱ころ部501と502とが中芯部503でつなげられていて、ころ部501,502の両側に軸突起505,506が形成された転動体507を用いてもよい。この場合、この転動体507の中芯部503が挿通されるような中央長穴508が形成された中央案内部510を中間台2の上面21に形成し、上記転動体507の両側の軸突起505,506が嵌合される窪み511を有する軸支部512,513を上台1の下部に形成する。これにより、上台1と中間台2とが転動体507で上下方向に連結される。そして、さらに、図示しないが、上記転動体507と同じ転動体を、中間台2と下台3の上面37との間に配し、上記中央案内部510を中間台2の下面27に形成し、軸支部512,513を下台3の上面37に形成する。これにより、中間台2と下台3とを転動体507で上下方向に連結できる。このような構成にすれば、たとえば、高層建物の免振装置に適用した場合に、風圧によって発生する引張力が上台1に加わったときに、上台1、下台3、中間台2、転動体507が分解してしまうことを防止できる。
【0085】
また、図13(D)〜(E)に示すように、転動体として、中心貫通孔520を有する転動体521を有し、この貫通孔520を貫通する軸522とこの軸522を両端で固定して、転動体521を上台1に対して空回りさせる腕523,525を上台1に形成してもよい。なお、転動体521と軸522との間にはベアリング524が組つけられている。この場合、中間台2の下面27と下台3の上面37との間にもう1つの転動体521を配し、中間台2の下面27にも上記腕523,525を形成し、この腕523,525で両端を固定する軸522を貫通孔520に貫通させる。この構成によれば、上台1と中間台2との間の転動体521は上台1に対して空回りし、中間台2と下台3との間の転動体521は中間台2に対して空回りする。したがって、上記転動体521が上台1と中間台2の両方に接触して走行する場合に比べて、中間台2の横移動量に対する中間台2と上台1との相対移動量を2分の1に減少させることができる。また、上記転動体521が中間台2と下台3との両方に接触して走行する場合に比べて、下台3の横移動量に対する下台3と中間台2との相対移動量を2分の1に減少させることができる。したがって、免震能力の向上を図れる。
【0086】
第2の参考例
次に、この発明の第2の参考例を、図10(A)〜(C)に示す。この第2の参考例は、上台601と、下台602と、中間台603とを備えている。上記上台601は、水平方向に窪んだ第1,第2軌道溝606,607を水平方向の両側面608,610に有する。この第1,第2軌道溝606,607は、軌道605の略中央の安定点605Aを有し、この安定点605Aから軌道605の両方向に向かって徐々に立ち下がっている。また、上記下台602は、上記第1,第2軌道溝606,607と交差する方向に延びており、水平方向に窪んだ第3,第4軌道溝612,613を水平方向の両側部616,617に有する。この第3,第4軌道溝612,613は、軌道611の略中央の安定点611Aを有し、この安定点611Aから軌道611の両方向に向かって徐々に立ち上がっている。また、上記中間台603は、水平方向の両側部621,622に、上記第1,第2軌道溝606,607に水平方向に対向する第5,第6軌道溝626,627を有する。この第5,第6軌道溝626,627は、軌道677の略中央の安定点625を有し、この安定点625から軌道の両方向に向かって徐々に立ち上がっている。さらに、この中間台603は、水平方向の両側面630,631に、上記第3,第4軌道溝612,613に水平方向に対向する第7,第8軌道溝635,636を有する。この第7,第8軌道溝635,636は、軌道の略中央の安定点633を有し、この安定点633から軌道の両方向に向かって徐々に立ち下がっている。
【0087】
上記第1,第3,第6,第8軌道溝606,612,627,636は、鉛直方向に対して斜め方向を向いている第1支持面606‐1,612‐1,627‐1,636‐1と、鉛直方向に関して上記斜め方向と逆の斜め方向を向いている第2支持面606‐2,612‐2,627‐2,636‐2とで構成されている。また、上記第2,第4,第5,第7軌道溝607,613,626,635は、上記第1支持面606‐1,612‐1,627‐1,636‐1に斜め方向に対向する第3支持面607‐3,613‐3,626‐3,635‐3と、上記第2支持面606‐2,612‐2,627‐2,636‐2に逆斜め方向に対向する第4支持面626‐4,635‐4,607‐4,613‐4とで構成されている。
【0088】
そして、上記第1軌道溝606と第5軌道溝626との間に第1転動体651が配置されている。また、上記第2軌道溝607と第6軌道溝627との間に第2転動体652が配置されている。また、上記第3軌道溝612と第7軌道溝635との間に第3転動体653が配置されている。また、上記第4軌道溝613と第8軌道溝636との間に第4転動体654が配置されている。
【0089】
上記構成の第2の参考例によれば、たとえば、免震装置に用いる場合、上記下台602は地盤に固定され、上記上台601は構築物に固定される。そして、地震がないときには、上記第1転動体651は、上記上台601の第1軌道溝606の安定点と上記中間台603の第5軌道溝626の安定点とに両横から挟まれて、上記安定点に静止している。同様に、上記第2転動体652は、上記上台601の第2軌道溝607の安定点と上記中間台603の第6軌道溝627の安定点とに両横から挟まれて、上記安定点に静止している。また、上記第3転動体653は、上記中間台603の第7軌道溝635の安定点と下台602の第3軌道溝612の安定点とに両横から挟まれて、上記安定点に静止している。また、上記第4転動体654は、上記中間台603の第8軌道溝636の安定点と下台602の第4軌道溝613の安定点とに両横から挟まれて、上記安定点に静止している。
【0090】
この状態で、上記構築物の重量は、上台601の第1,第2軌道溝606,607の第1,第4支持面606‐1,607‐4、第1,第2転動体651,652、中間台603の第5,第6軌道溝626,627の第3,第2支持面626‐3,627‐2、の順に上台601から中間台603に伝わる。そしてさらに、中間台603の第7,第8軌道溝635,638の第4,第1支持面635‐4,638‐1、下台602の第3,第4軌道溝612,613の第2,第3支持面612‐2,613‐3、の順に中間台603から下台602に伝わり、鉛直方向の大荷重を支持できる。
【0091】
一方、地震時には、この地震で地盤が水平方向に揺れ、地盤と一緒に下台602が水平方向に移動する。すると、上記第3転動体653が上記第7軌道溝635と第3軌道溝612に沿って略水平方向に走行し、上記第4転動体654が上記第8軌道溝636と第4軌道溝613に沿って略水平方向に走行し、上記第1転動体651が上記第1軌道溝606と第5軌道溝626に沿って略水平方向に走行し、上記第2転動体652が上記第6軌道溝627と第2軌道溝607に沿って略水平方向に走行する。これにより、上記地盤の水平方向の揺れが上記構築物に伝わらなくなる。
【0092】
この第2参考例によれば、上記第1転動体651の第1,第5軌道溝606,626に対する走行および第2転動体652の第2,第6軌道溝607,627に対する走行と、上記第3転動体653の第3,第7軌道溝612,635に対する走行および上記第4転動体654の第4,第8軌道溝613,636に対する走行とで、下台602に対して上台601が、水平方向の任意の方向に相対移動できる。したがって、地盤の水平方向の揺れを略完全に吸収して構築物に揺れを伝えない。
【0093】
また、各軌道溝606,626と607,627と612,635と613,636における各転動体651と652と653と654の走行で下台602と上台601とを相対的にスライドさせるから、アイソレータとしての水平剛性を十分に柔らかくすることができ、絶対免震に近づけることができる。したがって、中,小規模の建築物,構築物に適用しても、地震の揺れが建物に伝わるのを十分に防ぐことができる。
【0094】
また、上記地震が止んだ後は、上記各転動体651〜654は上記各軌道溝606,626,607,627,612,635,613,636の安定点の両側の部分を往復しながら上記安定点に戻るから、上記上台601は上記下台602に対する静止時の位置に復帰し、構築物を地盤に対する静止時の位置に復帰させることができる。
【0095】
さらには、高層の構築物に風が当たって、この構築物から上台601に引張力が働いた場合には、この引張力は、上記上台601の第1,第2軌道溝606,607の第2,第3支持面606‐2,607‐3、第1,第2転動体651,652、中間台603の第5,第6軌道溝626,627の第4,第1支持面626‐4,627‐1、の順に上台601から中間台603に伝わる。そしてさらに、中間台603の第7,第8軌道溝635,636の第3,第2支持面635‐3,636‐2、第3,第4転動体653,654、下台602の第3,第4軌道溝612,613の第1,第4支持面612‐1,613‐4、の順に中間台603から下台602に伝わる。このようにして、上記上台601からの引張力を中間台603を経由して上記下台602に伝えることができ、上記引っ張りに対する抵抗力を有することができる。
【0096】
尚、上記第2の参考例では、図10(C)に示すように、第1支持面606‐1と第2支持面606‐2とが略V字形状の軌道溝606を形成し、第3支持面626‐3と第4支持面626‐4とが略V字形状の軌道溝626を形成したが、図10(D)に示すように、湾曲した第1支持面606‐1Aと第2支持面606‐2Aとが断面略半円形状の軌道溝606Aを形成し、湾曲した第3支持面626‐3Aと第4支持面626‐4Aとが断面略半円形状の軌道溝626Aを形成するようにしてもよい。また、図10(E)に示すように、転動体を円柱形状のコロ661とし、このコロ661の円周面661Aが第4支持面626‐4と第2支持面606‐2とに接しながら転動する一方、コロ661の端面661B,661Cが第1,第3支持面606‐1,606‐3に非接触であるようにしてもよい。この場合、図10(F)に示すように、上記第1,第3支持面606‐1,626‐3に接しながら転動する一方、第4,第2支持面626‐4,606‐2に非接触になるもう1つのコロ662を備えればよい。
【0097】
また、上記第2の参考例では、上台601の第1,第2軌道溝606,607の軌道605を上に凸に湾曲させ、中間台603の第5,第6軌道溝626,627の軌道677を下に凸に湾曲させ、中間台603の第7,第8軌道溝635,636の軌道678を上に凸に湾曲させ、下台602の第3,第4軌道溝612,613の軌道611を下に凸に湾曲させた。これに対し、図11に示すように、各軌道溝680,681,682,683の軌道698を下に凸に湾曲させ、各軌道溝684,685,686,687の軌道699を上に凸に湾曲させてもよい。この場合には、第1軌道溝680と第5軌道溝682の間、第2軌道溝681と第6軌道溝683の間に複数の転動体688を配することができ、第7軌道溝686と第3軌道溝684の間、第4軌道溝685と第8軌道溝687の間に、それぞれ、複数の転動体689を配することができるので、剛性を高めることができる。また、図11(A)および図11(B)に示すように、上台690の側部690A,690Bに軸支されて、上台690をまたぐ支持アーム691を備えた場合には、支持アーム691を傾斜させて構築物の傾斜面に固定できるから、上台690を構築物の傾斜面に連結できる。
【0098】
〔実施の形態〕
次に、この発明の実施の形態を図12に示す。この実施の形態は、上台701と下台702と中間台703とを備えている。上記中間台703は、上スライド部704と下スライド部705を有する。この上スライド部704と下スライド部705とは鉛直軸の回りに略90°だけ位相がずれており、中間部710でつながっている。
【0099】
そして、上記上台701は、上記上スライド部704に上方から対向する上対向部706と上記上スライド部704に下方から対向する下対向部707とを有する。上記上対向部706と下対向部707とは両側の側部711と712でつながっている。そして、この側部711,712には水平方向に突き出した支持軸713,714が固定されている。
【0100】
また、上記下台702は、上記下スライド部705に下方から対向する下対向部717と上記下スライド部705に上方から対向する上対向部718とを有している。上記下対向部717と上対向部718とは両側の側部721と722でつながっている。そして、この側部721と722には水平方向に突き出した支持軸715,716が固定されている。
【0101】
そして、上記中間台710の上スライド部704と上記上台701の上対向部706との間に第1転動体723,724が配置されている。また、上記中間台710の上スライド部704と上記上台701の下対向部707との間に第2転動体725,726が配置されている。また、上記中間台710の下スライド部705と上記下台702の上対向部718との間に第3転動体727,728が配置されている。また、上記中間台710の下スライド部705と上記下台702の下対向部717との間に第4転動体729,730が配置されている。
【0102】
そして、上記上台701の上対向部706の下面706Aには、2列の断面略漏斗形の溝731,732が形成されている。この2列の溝731および732は、傾斜面731A,731Bおよび傾斜面732A,732Bを有している。この傾斜面731A,731Bおよび傾斜面732A,732Bは、図12(B)に示すように、略中央の安定点733を有し、この安定点733から第1転動体723,724が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている。
【0103】
さらに、上記上スライド部704の上面704Aには、上記2列の溝731,732に対向する2列の溝735,736が形成されている。この2列の溝735,736は、傾斜面735A,735B,736A,736Bを有する。この傾斜面735A,735B,736A,736Bは、図12(B)に示すように略中央の安定点737を有し、この安定点737から第1転動体723,724が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている。
【0104】
また、上記上台701の下対向部707の上面には、2列の断面略漏斗形の溝741,742が形成されている。この2列の溝741,742は、傾斜面741A,741B,742A,742Bを有している。この傾斜面741A,741B,742A,742Bは、図12(B)に示すように、略中央の安定点744を有し、この安定点744から、第2転動体725,726が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている。
【0105】
また、上記中間台710の上スライド部704の下面には、上記2列の溝741,742に対向する2列の溝745,746が形成されている。この2列の溝745,746は傾斜面745A,745B,746A,746Bを有する。この傾斜面745A,745B,746A,746Bは、図12(B)に示すように略中央の安定点747を有し、この安定点747から第2転動体725,726が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている。
【0106】
さらに、上記下台702の上対向部718の下面には、2列の断面略漏斗形の溝751,752が形成されている。この2列の溝751および752は、傾斜面751A,751Bおよび傾斜面752A,752Bを有している。この傾斜面751A,751Bおよび傾斜面752A,752Bは、図12(B)に示すように、略中央の安定点753を有し、この安定点753から第3転動体727,728が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている。
【0107】
さらに、上記下スライド部705の上面には、上記2列の溝751,752に対向する2列の溝755,756が形成されている。この2列の溝755,756は、傾斜面755A,755B,756A,756Bを有する。この傾斜面755A,755B,766A,766Bは、図12(B)に示すように略中央の安定点763を有し、この安定点763から第3転動体727,728が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている。
【0108】
また、上記下台702の下対向部717の上面には、2列の断面略漏斗形の溝771,772が形成されている。この2列の溝771,772は、傾斜面771A,771B,772A,772Bを有している。この傾斜面771A,771B,772A,772Bは、図12(B)に示すように、略中央の安定点774を有し、この安定点774から、第4転動体729,730が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている。
【0109】
また、上記中間台710の下スライド部705の下面には、上記2列の溝771,772に対向する2列の溝781,782が形成されている。この2列の溝781,782は傾斜面781A,781B,782A,782Bを有する。この傾斜面781A,781B,782A,782Bは、図12(B)に示すように略中央の安定点785を有し、この安定点785から第4転動体729,730が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている。
【0110】
上記溝731,732と溝735,736が第1軌道面を構成し、上記溝745,746と溝741,742が第2軌道面を構成し、上記溝751,752と溝755,756が第3軌道面を構成し、上記溝781,782と溝771,772が第4軌道面を構成している。上記第1,第2軌道面は上記第3,第4軌道面と略直交する方向に延びている。
【0111】
の実施の形態によれば、たとえば、免震装置に用いる場合、上記下台702は地盤に固定され、上記上台701は構築物に固定される。ここで、上記上台701の支持軸713および714を利用し、この支持軸713と714を上記構築物に連結することができる。また、上記下台702の支持軸715と716を利用し、この支持軸715と716を上記地盤に連結することができる。
そして、地震がないときには、上記第1,第2,第3,第4転動体723,724,725,726,727,728,729,730は上記安定点733,737,747,744,753,763,785,784に静止している。この状態で、上記構築物の重量は、上台701、中間台703の上スライド部704、中間台703の下スライド部705、下台702の順に鉛直下方に伝わり、鉛直方向の大荷重を支持できる。
【0112】
一方、地震時には、この地震で地盤が水平方向に揺れ、地盤と一緒に下台702が水平方向に移動する。すると、上記第3,第4転動体727,728,729,730が第3,第4軌道面をなす溝751,752,755,756,781,782,771,772に沿って走行し、第1,第2転動体723,724,725,726が第1,第2軌道面をなす上記溝731,732,735,736,745,746,741,742に沿って走行する。これにより、上記地盤の水平方向の揺れが上記構築物に伝わらなくなる。
【0113】
また、この実施形態によれば、上記第1,第2転動体723,724,725,726の上記第1,第2軌道面に対する走行および第3,第4転動体727,728,729,730の上記第3,第4軌道面に対する走行でもって、下台702に対して上台701が、水平方向の任意の方向に相対移動できる。したがって、地盤の水平方向の揺れを略完全に吸収して構築物に揺れを伝えない。
また、軌道面上の転動体723,724,725,726および727,728,729,730の走行で下台702と上台701とを相対的にスライドさせるから、アイソレータとしての水平剛性を十分に柔らかくすることができ、絶対免震に近づけることができる。したがって、中,小規模の建築物,構築物に適用しても、地震の揺れが建物に伝わるのを十分に防ぐことができる。
【0114】
また、上記地震が止んだ後は、上記第1,第2,第3,第4転動体723,724,725,726,727,728,729,730は第1,第2,第3,第4軌道面をなす溝731,732,735,736,745,746,741,742,751,752,755,756,781,782,771,772の安定点733,737,747,744,753,763,785,774の両側の部分を往復しながら上記安定点に戻るから、上記上台701は上記下台702に対する静止時の位置に復帰し、構築物を地盤に対する静止時の位置に復帰させることができる。
【0115】
さらには、高層の構築物に風が当たって、この構築物から上台701に引張力が働いた場合には、この引張力は、上記上台701の下対向部707から中間台703の上スライド部704に伝わり、この上スライド部704から下スライド部705に伝わり、この下スライド部705から下台702に伝わる。このようにして、上記上台701からの引張力を中間台703を経由して上記下台702に伝えることができ、上記引っ張りに対する抵抗力を有することができる。
【0116】
【発明の効果】
以上より明らかなように、一参考例の免震装置は、上台と、下台と、中間台とを備え、上記上台と中間台との間に第1転動体が配置され、上記中間台と下台との間に第2転動体が配置されていて、上記上台の下面または上記中間台の上面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第1転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第1軌道面と、上記中間台の下面または上記下台の上面の少なくとも一方に形成されており、上記第1軌道面と交差する方向に延びており、安定点とこの安定点から上記第2転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第2軌道面とを備えている。
【0117】
この一参考例によれば、たとえば、免震装置に用いる場合、上記下台は地盤に固定され、上記上台は構築物に固定される。そして、地震がないときには、上記第1転動体は上記第1軌道面の安定点に静止しており、上記第2転動体は上記第2軌道面の安定点に静止している。この状態で、上記構築物の重量は、上台、第1転動体、中間台、第2転動体、下台の順に鉛直下方に伝わり、鉛直方向の大荷重を支持できる。
【0118】
一方、地震時には、この地震で地盤が水平方向に揺れ、地盤と一緒に下台が水平方向に移動する。すると、上記第2転動体が上記第2軌道面に沿って走行し、第1転動体が第1軌道面に沿って走行し、これにより、上記地盤の水平方向の揺れが上記構築物に伝わらなくなる。
【0119】
この一参考例によれば、上記第1転動体の第1軌道面に対する走行および第2転動体の第2軌道面に対する走行でもって、下台に対して上台が、水平方向の任意の方向に相対移動できる。したがって、地盤の水平方向の揺れを略完全に吸収して構築物に揺れを伝えない。
【0120】
また、軌道面上の転動体の走行で下台と上台とを相対的にスライドさせるから、アイソレータとしての水平剛性を十分に柔らかくすることができ、絶対免震に近づけることができる。したがって、中,小規模の建築物,構築物に適用しても、地震の揺れが建物に伝わるのを十分に防ぐことができる。
【0121】
また、上記地震が止んだ後は、上記第1転動体は第1軌道面の安定点の両側の軌道面の部分を往復しながら上記安定点に戻るから、上記上台は上記下台に対する静止時の位置に復帰し、構築物を地盤に対する静止時の位置に復帰させることができる。
【0122】
また、この一参考例の相対移動自動復帰装置で半導体のラッピング装置として用いる揺動可能な機械加工装置を構成すれば、各軌道面が1次元的にカーブしていればよいことから従来のような球面仕上げ加工が不要になり、製造コストが安くなる。
【0123】
また、一参考例では、上記第1軌道面と第2軌道面とは互いに直交する方向に延びている。
【0124】
この一参考例によれば、上記第1軌道面と第2軌道面とが直交していない場合に比べて、水平方向の全方向に亘って上台と下台との相対スライドを円滑にすることができる。
【0125】
また、一参考例の免震装置では、上記第1軌道面と第2軌道面は上記転動体の走行方向に湾曲した曲面である。
【0126】
この一参考例によれば、上記曲面の曲率設定でもって、水平剛性を所望値に設定することができる。
【0127】
また、一参考例の免震装置では、上記安定点の一方の側の軌道面の部分が上記安定点よりも他方の側に片寄った曲率中心を有する曲率半径の曲面であり、上記安定点の他方の側の軌道面の部分が上記安定点よりも一方の側に片寄った曲率中心を有する曲率半径の曲面であり、かつ、上記一方の軌道面の部分と他方の軌道面の部分とは上記安定点の近傍で上記転動体の回転半径よりも大きな曲率半径の曲面でつなげられている。
【0128】
この一参考例によれば、上記安定点の鉛直線上に曲率中心を有する曲率半径の曲面で軌道面の部分を構成する場合に比べて、軌道面の傾斜を急にすることができるから、転動体を安定点に速く戻すことができる。また、一方の軌道面の部分と他方の軌道面の部分とは上記安定点の近傍で上記転動体の回転半径よりも大きな曲率半径の曲面でつなげられているから、転動体は上記安定点をスムーズに通過できる。
【0129】
また、一参考例の免震装置では、上記安定点の一方の側の軌道面の部分が上記安定点から所定の角度で直線状に立ち上がっている平面であり、上記安定点の他方の側の軌道面の部分が上記安定点から所定の角度で直線状に立ち上がっている平面であり、上記一方の軌道面の部分と他方の軌道面の部分とは上記安定点の近傍で上記転動体の回転半径よりも大きな曲率半径の曲面でつなげられている。
【0130】
この一参考例によれば、上記軌道面の部分の角度の設定だけで復元力を所望の値に設定することができる。また、上記安定点の両側の軌道面の部分が上記曲面でつなげられているから、上記転動体は上記安定点を滑らかに通過できる。
【0131】
また、一参考例の免震装置では、上記第1軌道面もしくは第2軌道面の少なくとも一方は、水平方向に複数配列されていて互いに平行になっている。
【0132】
この一参考例によれば、軌道面が単列の場合に比べて、少ない軌道面スペースで、鉛直方向の支持安定性を向上できる上に、上台,下台の相対スライドを安定かつ円滑にできる。また、軌道面1つ当たりの幅を小さくして転動体の小型化を図れる。
【0133】
また、一参考例の免震装置では、上記第1もしくは第2軌道面は深溝であり、上記第1もしくは第2転動体が上記深溝の側壁に案内されている。
【0134】
この一参考例によれば、上記深溝の第1もしくは第2軌道面の側壁に沿って転動体を軌道からはずれないように案内できる。
【0135】
また、一参考例の免震装置では、上記上台と下台とは同一形状の部品からなり、上記中間台は非軌道側背面同士が結合された2つの上記部品で構成されている。
【0136】
この一参考例によれば、上台,下台,中間台のそれぞれを1種類の部品だけから構成することができるから、コストダウンを図ることができる。
【0137】
また、一参考例の免震装置では、上記転動体を保持する保持器を備える。
【0138】
この一参考例によれば、上記保持器でもって上記転動体を保持して走行を安定化できる。
【0139】
また、一参考例の免震装置では、上記軌道面は、レール軌道の上面で構成されており、上記転動体は上記レール軌道の両側面を挟む鍔部を有する。
【0140】
この一参考例によれば、上記レール軌道の高さを高くすることで上下寸法を設定することができる。また、上記転動体の鍔部でもって転動体がレール軌道からはずれることを防止できる。
【0141】
また、一参考例の免震装置では、上記転動体は、2つの円錐を底面で結合させたソロバン玉形状であり、上記軌道面は、断面略V字型の溝からなる。
【0142】
この一参考例によれば、転動体が軌道面からはずれにくくなり、かつ、上下寸法の縮小を図れる。
【0143】
また、一参考例の免震装置では、上記軌道面は上記上台の下面または上記中間台の上面の一方に形成されており、上記上台の下面または上記中間台の上面の他方にラックが形成されており、上記第1転動体は上記ラックに噛合する歯車を有している。
【0144】
この一参考例によれば、上記歯車と上記ラックとの噛合によって、上記第1転動体は上記上台または中間台に対してスリップすることがなくなるから、上台と中間台との静止時の相対位置のズレを防止できる。
【0145】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置では、上記第1または第2軌道面のすくなくとも一方は、軌道端で略垂直方向に延在しているストッパー面を有している。
【0146】
この一参考例によれば、転動体が軌道端まで走行したときに上記ストッパー面に当接して止まるから、転動体が軌道端を乗り越えて軌道から逸脱することを防止できる。
【0147】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置では、上記第1転動体は、上記上台または中間台の一方に軸支されており、上記上台または中間台の他方に走行可能かつ上下動が規制されるように結合されており、上記第2転動体は、上記中間台または下台の一方に軸支されており、上記中間台または下台の他方に走行可能かつ上下動が規制されるように結合されている。
【0148】
この一参考例によれば、上記上台と中間台とは上記第1転動体を介して上下動が規制され、上記中間台と下台とは上記第2転動体を介して上下動が規制される。したがって、たとえば、本発明を高層建物の免振装置に適用した場合に、風圧によって発生する引張力が上台に加わったときに、上台、下台、中間台、第1,第2転動体が分解してしまうことを防止できる。
【0149】
また、一参考例の相対移動自動復帰装置では、上記上台に固定されており、上記第1転動体を上記上台に対して空回りさせるように軸支する第1軸支手段または、上記中間台に固定されており、上記第2転動体を上記中間台に対して空回りさせるように軸支する第2軸支手段のうちの少なくとも一方を備えている。
【0150】
この一参考例によれば、上記第1軸支手段を備える場合には、上記第1転動体が上台と中間台の両方に接触して走行する場合に比べて、中間台の横移動量に対する中間台と上台との相対移動量を2分の1に減少させることができる。また、上記第2軸支手段を備える場合には、上記第2転動体が中間台と下台との両方に接触して走行する場合に比べて、下台の横移動量に対する下台と中間台との相対移動量を2分の1に減少させることができる。したがって、免震能力の向上を図れる。
【0151】
また、一参考例は、上台と、下台と、中間台とを備え、上記上台は、軌道の略中央の安定点とこの安定点から軌道の両方向に向かって徐々に立ち下がっているかもしくは立ち上がっていて、水平方向に窪んだ第1,第2軌道溝を水平方向の両側面に有し、上記下台は、上記第1,第2軌道溝と交差する方向に延びており、軌道の略中央の安定点とこの安定点から軌道の両方向に向かって徐々に立ち上がっていて、水平方向に窪んだ第3,第4軌道溝を水平方向の両側面に有し、上記中間台は、水平方向の両側面に、軌道の略中央の安定点とこの安定点から軌道の両方向に向かって徐々に立ち上がっていて、上記第1,第2軌道溝に水平方向に対向する第5,第6軌道溝と、軌道の略中央の安定点とこの安定点から軌道の両方向に向かって徐々に立ち下がっているかもしくは立ち上がっていて、上記第3,第4軌道溝に水平方向に対向する第7,第8軌道溝とを有し、上記第1,第3,第6,第8軌道溝は、鉛直方向に対して斜め方向を向いている第1支持面と、鉛直方向に関して上記斜め方向と逆の斜め方向を向いている第2支持面とで構成され、上記第2,第4,第5,第7軌道溝は、上記第1支持面に斜め方向に対向する第3支持面と、上記第2支持面に逆斜め方向に対向する第4支持面とで構成され、上記第1軌道溝と第5軌道溝との間に第1転動体が配置され、上記第2軌道溝と第6軌道溝との間に第2転動体が配置され、上記第3軌道溝と第7軌道溝との間に第3転動体が配置され、上記第4軌道溝と第8軌道溝との間に第4転動体が配置されている。
【0152】
この一参考例によれば、たとえば、免震装置に用いる場合、上記下台は地盤に固定され、上記上台は構築物に固定される。そして、地震がないときには、上記第1転動体は、上記上台の第1軌道溝の安定点と上記中間台の第5軌道溝の安定点とに両横から挟まれて、上記安定点に静止している。同様に、上記第2転動体は、上記上台の第2軌道溝の安定点と上記中間台の第6軌道溝の安定点とに両横から挟まれて、上記安定点に静止している。また、上記第3転動体は、上記中間台の第7軌道溝の安定点と下台の第3軌道溝の安定点とに両横から挟まれて、上記安定点に静止している。また、上記第4転動体は、上記中間台の第8軌道溝の安定点と下台の第4軌道溝の安定点とに両横から挟まれて、上記安定点に静止している。
【0153】
この状態で、上記構築物の重量は、上台の第1,第2軌道溝の第1,第4支持面、第1,第2転動体、中間台の第5,第6軌道溝の第3,第2支持面、の順に上台から中間台に伝わり、中間台の第7,第8軌道溝の第4,第1支持面、下台の第3,第4軌道溝の第2,第3支持面、の順に中間台から下台に伝わり、鉛直方向の大荷重を支持できる。
【0154】
一方、地震時には、この地震で地盤が水平方向に揺れ、地盤と一緒に下台が水平方向に移動する。すると、上記第3転動体が上記第7軌道溝と第3軌道溝に沿って略水平方向に走行し、上記第4転動体が上記第8軌道溝と第4軌道溝に沿って略水平方向に走行し、上記第1転動体が上記第1軌道溝と第5軌道溝に沿って略水平方向に走行し、上記第2転動体が上記第6軌道溝と第2軌道溝に沿って略水平方向に走行する。これにより、上記地盤の水平方向の揺れが上記構築物に伝わらなくなる。
【0155】
この一参考例によれば、上記第1転動体の第1,第5軌道溝に対する走行および第2転動体の第2,第6軌道溝に対する走行と、上記第3転動体の第3,第7軌道溝に対する走行および上記第4転動体の第4,第8軌道溝に対する走行とで、下台に対して上台が、水平方向の任意の方向に相対移動できる。したがって、地盤の水平方向の揺れを略完全に吸収して構築物に揺れを伝えない。
【0156】
また、各軌道溝における各転動体の走行で下台と上台とを相対的にスライドさせるから、アイソレータとしての水平剛性を十分に柔らかくすることができ、絶対免震に近づけることができる。したがって、中,小規模の建築物,構築物に適用しても、地震の揺れが建物に伝わるのを十分に防ぐことができる。
【0157】
また、上記地震が止んだ後は、上記各転動体は上記各軌道溝の安定点の両側の部分を往復しながら上記安定点に戻るから、上記上台は上記下台に対する静止時の位置に復帰し、構築物を地盤に対する静止時の位置に復帰させることができる。
【0158】
さらには、高層の構築物に風が当たって、この構築物から上台に引張力が働いた場合には、この引張力は、上記上台の第1,第2軌道溝の第2,第3支持面、第1,第2転動体、中間台の第5,第6軌道溝の第4,第1支持面、の順に上台から中間台に伝わり、中間台の第7,第8軌道溝の第3,第2支持面、第3,第4転動体、下台の第3,第4軌道溝の第1,第4支持面、の順に中間台から下台に伝わる。このようにして、上記上台からの引張力を中間台を経由して上記下台に伝えることができ、上記引っ張りに対する抵抗力を有することができる。
【0159】
また、請求項の発明は、上台と、下台と、中間台とを備え、上記中間台は、上スライド部と下スライド部を有し、上記上台は、上記上スライド部に上方から対向する上対向部と上記上スライド部に下方から対向する下対向部とを有し、上記下台は、上記下スライド部に下方から対向する下対向部と上記下スライド部に上方から対向する上対向部とを有し、上記中間台の上スライド部と上記上台の上対向部との間に第1転動体が配置され、上記中間台の上スライド部と上記上台の下対向部との間に第2転動体が配置され、上記中間台の下スライド部と上記下台の上対向部との間に第3転動体が配置され、上記中間台の下スライド部と上記下台の下対向部との間に第4転動体が配置されていて、上記上台の上対向部の下面または上記中間台の上スライド部の上面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第1転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第1軌道面と、上記上台の下対向部の上面または上記中間台の上スライド部の下面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第2転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第2軌道面と、上記下台の上対向部の下面または上記中間台の下スライド部の上面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第3転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第3軌道面と、上記下台の下対向部の上面または上記中間代の下スライド部の下面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第4転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第4軌道面とを備え、上記第1,第2軌道面は上記第3,第4軌道面と交差する方向に延びている。
【0160】
この請求項の発明によれば、たとえば、免震装置に用いる場合、上記下台は地盤に固定され、上記上台は構築物に固定される。そして、地震がないときには、上記第1,第2,第3,第4転動体は上記第1,第2,第3,第4軌道面の安定点に静止している。この状態で、上記構築物の重量は、上台、中間台の上スライド部、中間台の下スライド部、下台の順に鉛直下方に伝わり、鉛直方向の大荷重を支持できる。
【0161】
一方、地震時には、この地震で地盤が水平方向に揺れ、地盤と一緒に下台が水平方向に移動する。すると、上記第3,第4転動体が第3,第4軌道面に沿って走行し、第1,第2転動体が第1,第2軌道面に沿って走行する。これにより、上記地盤の水平方向の揺れが上記構築物に伝わらなくなる。
【0162】
また、この発明によれば、上記第1,第2転動体の第1,第2軌道面に対する走行および第3,第4転動体の第3,第4軌道面に対する走行でもって、下台に対して上台が、水平方向の任意の方向に相対移動できる。したがって、地盤の水平方向の揺れを略完全に吸収して構築物に揺れを伝えない。
【0163】
また、軌道面上の転動体の走行で下台と上台とを相対的にスライドさせるから、アイソレータとしての水平剛性を十分に柔らかくすることができ、絶対免震に近づけることができる。したがって、中,小規模の建築物,構築物に適用しても、地震の揺れが建物に伝わるのを十分に防ぐことができる。
【0164】
また、上記地震が止んだ後は、上記第1,第2,第3,第4転動体は第1,第2,第3,第4軌道面の安定点の両側の部分を往復しながら上記安定点に戻るから、上記上台は上記下台に対する静止時の位置に復帰し、構築物を地盤に対する静止時の位置に復帰させることができる。
【0165】
さらには、高層の構築物に風が当たって、この構築物から上台に引張力が働いた場合には、この引張力は、上記上台の下対向部から中間台の上スライド部に伝わり、この上スライド部から下スライド部に伝わり、この下スライド部から下台に伝わる。このようにして、上記上台からの引張力を中間台を経由して上記下台に伝えることができ、上記引っ張りに対する抵抗力を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)はこの発明の相対移動自動復帰装置の一参考例としての免震装置の斜視図であり、図1(B)は上記免震装置の上台の斜視図であり、図1(C)は上記免震装置の中間台ところの斜視図であり、図1(D)は上記免震装置の下台ところの斜視図である。
【図2】 上記免震装置の上台の下面を示す平面図である。
【図3】 図2のA‐A断面図である。
【図4】 図4(A)〜(D)は上記参考例の変形例の要部断面図である。
【図5】 図5(A),(B)は上記参考例の変形例の要部断面図である。
【図6】 上記参考例の変形例の要部断面図である。
【図7】 図7(A)は上記参考例の軌道面の形状を示す要部断面図であり、図7(B)は変形例の軌道面の形状を示す要部断面図である。
【図8】 上記参考例の軌道面の変形例の形状を示す断面図である。
【図9】 図9(A)は上記参考例の変形例の上台の下面を示す斜視図であり、図9(B)は上記変形例の断面図であり、図9(C)はこの変形例の転動体の一例を示す図であり、図9(D)はこの変形例の転動体の他の例を示す図である。
【図10】 図10(A)はこの発明の相対移動自動復帰装置の参考例の断面図であり、図10(B)は上記参考例を側方から見た様子を示す側面図であり、図10(C)は上記参考例の軌道溝の拡大断面図であり、図10(D)は上記軌道溝の変形例の断面図であり、図10(E)は上記参考例の転動体の変形例を示す図であり、図10(F)は上記変形例の転動体の配置状態例を示す図である。
【図11】 図11(A)は上記参考例の変形例を示す断面図であり、図11(B)は上記変形例の側面図である。
【図12】 図12(A)はこの発明の相対移動自動復帰装置の実施形態の断面図であり、図12(B)はこの実施形態の部分的な側面図である。
【図13】 図13(A)は上記参考例の変形例の上部側面図であり、図13(B)は上記変形例の断面図であり、図13(C)はこの変形例の中間代の要部側面図であり、図13(D)はこの変形例の転動体の支持状態を説明する模式図であり、図13(E)は上記転動体の支持状態を説明する要部断面図である。
【図14】 従来の免震装置としての積層ゴムアイソレータの断面図である。
【図15】 従来の半導体のラッピング装置の要部断面図である。
【符号の説明】
1…上台、2…中間台、3…下台、5,6…ころ、7…下面、8…ネジ穴、
10…下面、11〜14…X方向軌道面、
11a,12a,13a,14a…軌道端、15…安定点、
16…立ち上がり面、
23〜26…X方向軌道面、27…下面、
31〜34,38〜41…Y方向軌道面、
R,AR,BR,CR,ER…曲率半径、α…角度、56,66…立ち上がり面、
57,67…曲面、75,85…ころ、76,77…立ち上がり面、
86,87,92,94…軌道面、90,91…レール軌道、96…鍔付ころ、
151,172,173…ローラ部、152,153…歯車、155…上台、
156,157…ラック、158…中間台、
501…ころ部、502…ころ部、503…中芯部、
505,506…軸突起、507…転動体、512,513…軸支部、
520…中心貫通孔、521…転動体、522…軸、524…ベアリング、
601…上台、602…下台、603…中間台、605…軌道、
605A…安定点、606…第1軌道溝、607…第2軌道溝、
611…軌道、611A…安定点、612…第3軌道溝、
613…第4軌道溝、625…安定点、626…第5軌道溝、
627…第6軌道溝、635…第7軌道溝、636…第8軌道溝、
651…第1転動体、652…第2転動体、653…第3転動体、
654…第4転動体、701…上台、702…下台、703…中間台、
704…上スライド部、705…下スライド部、706…上対向部、
707…下対向部、713,714,715,716…支持軸、
717…下対向部、718…上対向部、723,724…第1転動体、
725,726…第2転動体、727,728…第3転動体、
729,730…第4転動体、731,732…溝、733…安定点、
735,736…溝、741,742…溝、744…安定点、
745,746…溝、747…安定点、751,752…溝、
753…安定点、755,756…溝、763…安定点、
771,772…溝、774…安定点、781,782…溝、
785…安定点。

Claims (1)

  1. 上台と、下台と、中間台とを備え、
    上記中間台は、上スライド部と下スライド部を有し、
    上記上台は、上記上スライド部に上方から対向する上対向部と上記上スライド部に下方から対向する下対向部とを有し、
    上記下台は、上記下スライド部に下方から対向する下対向部と上記下スライド部に上方から対向する上対向部とを有し、
    上記中間台の上スライド部と上記上台の上対向部との間に第1転動体が配置され、上記中間台の上スライド部と上記上台の下対向部との間に第2転動体が配置され、上記中間台の下スライド部と上記下台の上対向部との間に第3転動体が配置され、上記中間台の下スライド部と上記下台の下対向部との間に第4転動体が配置されていて、
    上記上台の上対向部の下面または上記中間台の上スライド部の上面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第1転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第1軌道面と、
    上記上台の下対向部の上面または上記中間台の上スライド部の下面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第2転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第2軌道面と、
    上記下台の上対向部の下面または上記中間台の下スライド部の上面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第3転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第3軌道面と、
    上記下台の下対向部の上面または上記中間代の下スライド部の下面の少なくとも一方に形成されており、安定点とこの安定点から上記第4転動体が走行する両方向に向かって徐々に立ち上がっている第4軌道面とを備え、上記第1,第2軌道面は上記第3,第4軌道面と交差する方向に延びていることを特徴とする相対移動自動復帰装置。
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