JP3705875B2 - 加熱型センサの加熱制御回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、O2ガスセンサやNOxガスセンサ等の加熱型センサの加熱制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素センサ及びNOxセンサ等の感知部をヒータで加熱する加熱型センサにおいては、加熱用ヒータ自身の温度変動或は環境の温度変化によるヒータの温度変化によってもセンサの特性が変わってしまう。このヒータ温度を例えば300〜400度Cの所定値に保持させる従来のヒータ温度制御方法が特開昭60−114758号公報に記載されている。
【0003】
この温度制御方法は、加熱型センサの空間を隔てた近傍に測温体を配置して環境温度を測定し、この測定結果を基づいてヒータの給電を制御することによってセンサの温度を一定に保持している。この方法は、周囲温度を測定する測温体を必要とし、また加熱型センサ自身の構造及び加熱制御回路の仕組みも複雑になりコストアップに繋がる。
【0004】
更にセンサの間接温度測定は、空間を流れるガスの状態でセンサの温度が正確に伝達せず高精度が期待できず、温度の伝播速度で制御系に位相遅れが生じ、センサの温度が目標値と異なる値に収束し、又は発散して制御不能になる恐れがある。
【0005】
また補助ヒータを設けていない従来例として、1992年1月20日号の日経エレクトロニクスの111頁には、中が抉られたシリコン基板チップの角から内方に突出した二酸化シリコン薄膜突起基板を4つ形成し、各突起基板の一面に酸化錫薄膜のガス感知部及び加熱用の白金電極とを蒸着した酸化錫薄膜ガス・センサが開示されている。本発明者は、特願平7−328395号において、上記方法の改良策を提案している。
【0006】
図1は、これまでに知られているブリッジ型加熱制御回路の例を示す。この回路は、一辺に例えば白金薄膜ヒータ10及び残りの三辺に抵抗12、14及び16を各々有するブリッジ回路18と、このブリッジ回路18に電圧を供給するエミッタフォロア20と、これら抵抗12及びヒータ10の直列接続点13に反転入力端が接続され、抵抗14及び16の直列接続点17に非反転入力端が接続され、出力端が抵抗22を介してエミッタフォロア20のベースに接続される増幅器24とを備える。
【0007】
白金薄膜ヒータ10は、抵抗値が温度に対して図2の温度T−抵抗R特性図のように変化する。また、直列接続点13の電位をe1、直列接続点17の電位をe2とすると、電位e1は、電位e2に等しくなるように、即ち抵抗12対ヒータ10の抵抗値比率が抵抗14対抵抗16のそれと等しくなるように、増幅器24及びエミッタフォロア接続のトランジスタ20が動作して、ヒータ10の温度を所定値に保持している。
【0008】
従って、ヒータ10が所定温度より低い時には、e1<e2で増幅器24及びエミッタフォロア20の出力電圧が上昇してヒータ10がより加熱される。ヒータ10が所定温度より高い時には、e1>e2で増幅器24及びエミッタフォロア20の出力電圧が減少してヒータ10への給電が減少させられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、図1のブリッジ型加熱制御回路は、次のような問題があることが明白である。温度変化を正確に促えるためにヒータ10の抵抗値変化を検出し易くするためには、抵抗12の値をヒータ10の値に対して十分大きくすればよい。しかしながら抵抗12における発熱量もヒータ10に比べて大きくなり、エネルギ損失が増すと同時に抵抗12の温度上昇が過大となり危険である。
【0010】
変化率が最も大きい抵抗12の値がヒータ10の値と等しい場合、抵抗12での発熱量はヒータ10での発熱量と等しくなる。従って、e1の変化量を大きくするには限度があり、抵抗12における発熱量はある程度許容せざるを得ない。一方抵抗14及び抵抗16は比較抵抗であり、発熱量が極めて少なく設定することができる。
【0011】
抵抗12は、発熱すると、その抵抗値がその抵抗温度係数に従って変動即ち基準抵抗値が変動するため、適切なヒータ温度を得ることが難しくなる。また、抵抗の温度係数が正の場合には、ヒータ10が加熱されると共に抵抗12も温度上昇し、抵抗12の抵抗値は増加する。従って、e1=e2に収束するまでの時間が延長される。
【0012】
本発明は、前述の問題に鑑み、主ヒータ及び補助ヒータを用いて環境温度の変化に対しても一定のヒータ温度が保持され、発熱を極力抑えた高信頼性の加熱制御回路を提供することを目的とする。勿論、感知部と主ヒータ及び補助ヒータとの間に設けられる絶縁板は、熱伝導率が良くまたその値が変動しないものが用いられる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の加熱型センサの加熱制御回路は、感知部を主ヒータ及び補助ヒータによって所定温度に加熱する加熱型センサにおいて、前記補助ヒータをブリッジ回路の一辺とし、このブリッジ回路及び前記主ヒータを並列接続して、前記ブリッジ回路の出力に基づいて前記ブリッジ回路及び前記主ヒータを給電する給電回路を備える。
【0014】
本発明の実施態様によれば、前記感知部、主ヒータ及び補助ヒータが近接配置された絶縁板を含み、前記ブリッジ回路は一辺に前記補助ヒータ及び残りの三辺に第1抵抗、第2抵抗及び第3抵抗を各々有し、前記給電回路は、前記主ヒータに電圧を供給する電圧フォロアと、前記第1抵抗及び前記補助ヒータの直列接続点に反転入力端が接続され、前記第2抵抗及び第3抵抗の直列接続点に非反転入力端が接続され、出力端が前記電圧フォロアの制御入力端に接続される増幅器とを備える。
【0015】
前記絶縁板は熱伝導性を有すると共に、一面に前記感知部及び他面に同感知部の領域と位置合わせされた主ヒータが各々固定され、この絶縁板の他面の主ヒータの回りには前記補助ヒータが配置され、また前記ブリッジ回路は起動抵抗によって初期給電される。
【0016】
この絶縁板は、感知部の支持板として用いられる窒化アルミニウム、シリコンカーバイド等の熱伝導率が金属に近いセラミック基板、二酸化シリコン層、或は断熱支持体にプリント配線された略長方形又は楕円の断面形状を有する線形又は蛇行ヒータ上に形成される蒸着膜或は塗布膜である。
【0017】
従って、補助ヒータはブリッジ回路の一辺となり、主に温度の感知作用を受け持つ。主ヒータはブリッジ回路と並列接続され、ブリッジ回路が平衡するように感知部の加熱を行う。補助ヒータの発熱量は主ヒータのそれに比べて格段に少ないので図1の第1抵抗部に相当する抵抗での発熱を小さくできるため、正確、且つ迅速な温度制御が可能となる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
まず、本発明の加熱型センサは、特願平7−328395号の図2に示されたものに補助ヒータを追加している。例えばガス感知部は2つの多孔性電極基板間に挟まれ、一電極基板が検査されるべきガスと接触し、他の電極基板が大気に接触している。各多孔性電極基板上には、白金薄膜又はワイヤの主ヒータが敷設され、この主ヒータに等間隔を保って白金薄膜又はワイヤの補助ヒータも敷設される。
【0020】
その上には、耐熱性好ましくは熱伝導性絶縁膜が塗布され、更にその上に電極が形成される。このように形成された2つの多孔性基板は、電極を内側にして対向して組立てられ内部にガス濃度を感知する物質例えば酸化錫又は酸化鉛の多孔性焼結体が充填される。
【0021】
従って、主ヒータ及び補助ヒータは、例えば410度Cに加熱されて、ガス感知部全体を400度Cに維持している。上記絶縁膜は、薄ければ薄いほど熱抵抗が低くまた熱伝導率の良いものが用いられて、測定誤差を最小にすることができる。
【0022】
別の実施例の加熱型センサは、図3に示されるように、高温に加熱されるガス感知部(図示略)が熱伝導性絶縁板2の表側に形成され、両端に2つの電極(図示略)が形成されている。この絶縁板2の裏面には、加熱領域がガス感知部の感知領域より僅かに広いように、感知領域と位置合わせされて白金薄膜主ヒータ30が固定され、この主ヒータ30の回りに例えば410度Cで目標抵抗値を持つ白金薄膜補助ヒータ32が配置される。
【0023】
従って図3の傾斜部分が加熱領域を示す。これら主ヒータ30及び補助ヒータ32は、同一材料又は同一温度係数を持つ金属即ちニクロム合金、白金又は白金合金が好ましい。この場合、主ヒータ30は、温度変化が補助ヒータ32のそれと同じになり、抵抗値変化も補助ヒータ32のそれと同じになる。また、主ヒータ及び補助ヒータは、蛇行させ或は同心円状の白金薄膜又は白金線で配置されてもよい。
【0024】
図4は、本発明による加熱型センサの加熱制御回路の一実施例を示す回路図である。この図4において、図1に示す部品と類似するものには同じ符号を付してある。本発明の加熱制御回路が図1の従来のそれと異なる点は、主ヒータ30がブリッジ回路18に並列接続され、ブリッジ回路18における従来のヒータの接続位置に本発明の補助ヒータ32が接続されて、分圧されない電圧が直接主ヒータ30に供給される点である。
【0025】
即ち、エミッタフォロア接続のトランジスタ20は、コレクタが正電源電圧+Vcラインに接続され、エミッタがブリッジ回路18及び主ヒータ30に接続される。この主ヒータ30が接地される。一方ブリッジ回路18は、第1抵抗12がトランジスタ20のエミッタ及び直列接続点13間に接続され、この直列接続点13及び接地間に補助ヒータ32が接続される。
【0026】
また、第2抵抗14がトランジスタ20のエミッタ及び直列接続点17間に接続され、この直列接続点17及び接地間に第3抵抗16が可変抵抗34を経て接続される。これら直列接続点13及び17は、入力電流が無視できるFET又はバイポーラトランジスタ入力の演算増幅器24の反転及び非反転入力端に各々接続される。この増幅器24は、出力端が保護抵抗22を経てトランジスタ20のベースに接続される。また、トランジスタ20のコレクタ・エミッタ間には、エミッタフォロア20がオフ状態の起動時に初期電圧をブリッジ回路18に供給するプルアップ抵抗36が接続される。
【0027】
この回路の基本動作において、電源投入時には、ブリッジ回路18に不平衡出力電圧が発生しないので、例えば1ボルトの起動用の電圧をブリッジ回路に供給する抵抗36が必要となる。この起動抵抗36は、主ヒータ30への電流が主にエミッタフォロア20から供給されるので、かなり高い抵抗値が用いられ、その消費電力が殆ど無視できる。また、主ヒータ30及び補助ヒータ32の抵抗値は各々未通電時に低く、通電すると徐々に高くなって例えば400度Cに目標抵抗値に到達する。従って、ブリッジ回路18、増幅器24及びエミッタフォロア20は、補助ヒータ32の抵抗値の上昇に起因するブリッジ回路18の不平衡出力電圧によって、給電電圧を上昇させ、平衡給電電圧に到達させる。
【0028】
補助ヒータ又は主ヒータの温度が所定値より低い時には、e1<e2で増幅器24の出力即ちトランジスタ20のエミッタ電圧が上昇する。これによって、主ヒータへの給電が増加される。また、補助ヒータによっても若干加熱される。補助ヒータ又は主ヒータの温度が所定値より高い時には、e1>e2で増幅器24の出力は低くなり、主ヒータ及び補助ヒータへの給電は減少する。
【0029】
可変抵抗34は、ヒータ温度を所望値に調整するポテンショメータ又は可変抵抗器である。図4の回路において、主及び補助ヒータの目標温度は、第1抵抗12対補助ヒータの抵抗値比率が第2抵抗14対(第3抵抗16+可変抵抗34)の抵抗値比率と等しくなるように、設定される。
【0030】
従って、補助ヒータ32が400度Cになった時には目標給電電圧が主ヒータ30にも供給され、同時に主ヒータ30も400度Cになっている。主ヒータ30の温度変化は、補助ヒータ32にも伝わり、この温度変化を元に戻すように給電電圧を増減させて、目標の温度に戻させる。また目標の温度は、例えばガス感知部との間に介挿される基板又は膜の熱抵抗による損失を考慮して410度Cに加熱制御されてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の加熱型センサの加熱制御回路は、従来のブリッジ型加熱制御回路に比べて、第1抵抗の抵抗値を十分大きくしながら、その発熱量を極めて少なくすることができるため、主ヒータ結果的に補助ヒータの温度即ち抵抗値変化による出力電圧の変化(e1の変化)を大きくすることができて、より正確な温度制御が可能となる。
【0032】
また、エネルギ損失が少なくなり、加熱制御回路内の温度上昇も抑えられて安全である。更に基準抵抗となる第1抵抗の抵抗値変動が極めて小さくなるため、正確な温度制御機能を得ると共に、所定温度への収束時間が短縮される。
【0033】
従って、ヒータの発熱或は周囲温度変動下の感知部を例えば400度Cの高温に一定に維持し、信頼性を高めると共に、構造が簡単で安価に構成することができる。また、感知部及びヒータ間に設けられる基板又は膜は、気体の対流伝熱と異なり固体中を伝播する熱伝導率が金属に近く一定である。このため、ガス感知部又はヒータ自身の発熱変動或は周囲温度の変化によるガス感知部又はヒータの温度変化が補償され、ガス感知部の感度特性が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のブリッジ型加熱制御回路図である。
【図2】白金薄膜ヒータの温度(T)−抵抗(R)特性図である。
【図3】本発明によるガスセンサの一実施例を示し、見えない表側に感知部を配置し、見えている裏側に主ヒータ及び補助ヒータを配置した概略平面図である。
【図4】本発明による加熱制御回路の実施例を示す回路図である。
【符号の説明】
12 第1抵抗
14 第2抵抗
16 第3抵抗
20 電圧フォロア
24 増幅器
30 主ヒータ
32 補助ヒータ
【産業上の利用分野】
本発明は、O2ガスセンサやNOxガスセンサ等の加熱型センサの加熱制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸素センサ及びNOxセンサ等の感知部をヒータで加熱する加熱型センサにおいては、加熱用ヒータ自身の温度変動或は環境の温度変化によるヒータの温度変化によってもセンサの特性が変わってしまう。このヒータ温度を例えば300〜400度Cの所定値に保持させる従来のヒータ温度制御方法が特開昭60−114758号公報に記載されている。
【0003】
この温度制御方法は、加熱型センサの空間を隔てた近傍に測温体を配置して環境温度を測定し、この測定結果を基づいてヒータの給電を制御することによってセンサの温度を一定に保持している。この方法は、周囲温度を測定する測温体を必要とし、また加熱型センサ自身の構造及び加熱制御回路の仕組みも複雑になりコストアップに繋がる。
【0004】
更にセンサの間接温度測定は、空間を流れるガスの状態でセンサの温度が正確に伝達せず高精度が期待できず、温度の伝播速度で制御系に位相遅れが生じ、センサの温度が目標値と異なる値に収束し、又は発散して制御不能になる恐れがある。
【0005】
また補助ヒータを設けていない従来例として、1992年1月20日号の日経エレクトロニクスの111頁には、中が抉られたシリコン基板チップの角から内方に突出した二酸化シリコン薄膜突起基板を4つ形成し、各突起基板の一面に酸化錫薄膜のガス感知部及び加熱用の白金電極とを蒸着した酸化錫薄膜ガス・センサが開示されている。本発明者は、特願平7−328395号において、上記方法の改良策を提案している。
【0006】
図1は、これまでに知られているブリッジ型加熱制御回路の例を示す。この回路は、一辺に例えば白金薄膜ヒータ10及び残りの三辺に抵抗12、14及び16を各々有するブリッジ回路18と、このブリッジ回路18に電圧を供給するエミッタフォロア20と、これら抵抗12及びヒータ10の直列接続点13に反転入力端が接続され、抵抗14及び16の直列接続点17に非反転入力端が接続され、出力端が抵抗22を介してエミッタフォロア20のベースに接続される増幅器24とを備える。
【0007】
白金薄膜ヒータ10は、抵抗値が温度に対して図2の温度T−抵抗R特性図のように変化する。また、直列接続点13の電位をe1、直列接続点17の電位をe2とすると、電位e1は、電位e2に等しくなるように、即ち抵抗12対ヒータ10の抵抗値比率が抵抗14対抵抗16のそれと等しくなるように、増幅器24及びエミッタフォロア接続のトランジスタ20が動作して、ヒータ10の温度を所定値に保持している。
【0008】
従って、ヒータ10が所定温度より低い時には、e1<e2で増幅器24及びエミッタフォロア20の出力電圧が上昇してヒータ10がより加熱される。ヒータ10が所定温度より高い時には、e1>e2で増幅器24及びエミッタフォロア20の出力電圧が減少してヒータ10への給電が減少させられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、図1のブリッジ型加熱制御回路は、次のような問題があることが明白である。温度変化を正確に促えるためにヒータ10の抵抗値変化を検出し易くするためには、抵抗12の値をヒータ10の値に対して十分大きくすればよい。しかしながら抵抗12における発熱量もヒータ10に比べて大きくなり、エネルギ損失が増すと同時に抵抗12の温度上昇が過大となり危険である。
【0010】
変化率が最も大きい抵抗12の値がヒータ10の値と等しい場合、抵抗12での発熱量はヒータ10での発熱量と等しくなる。従って、e1の変化量を大きくするには限度があり、抵抗12における発熱量はある程度許容せざるを得ない。一方抵抗14及び抵抗16は比較抵抗であり、発熱量が極めて少なく設定することができる。
【0011】
抵抗12は、発熱すると、その抵抗値がその抵抗温度係数に従って変動即ち基準抵抗値が変動するため、適切なヒータ温度を得ることが難しくなる。また、抵抗の温度係数が正の場合には、ヒータ10が加熱されると共に抵抗12も温度上昇し、抵抗12の抵抗値は増加する。従って、e1=e2に収束するまでの時間が延長される。
【0012】
本発明は、前述の問題に鑑み、主ヒータ及び補助ヒータを用いて環境温度の変化に対しても一定のヒータ温度が保持され、発熱を極力抑えた高信頼性の加熱制御回路を提供することを目的とする。勿論、感知部と主ヒータ及び補助ヒータとの間に設けられる絶縁板は、熱伝導率が良くまたその値が変動しないものが用いられる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の加熱型センサの加熱制御回路は、感知部を主ヒータ及び補助ヒータによって所定温度に加熱する加熱型センサにおいて、前記補助ヒータをブリッジ回路の一辺とし、このブリッジ回路及び前記主ヒータを並列接続して、前記ブリッジ回路の出力に基づいて前記ブリッジ回路及び前記主ヒータを給電する給電回路を備える。
【0014】
本発明の実施態様によれば、前記感知部、主ヒータ及び補助ヒータが近接配置された絶縁板を含み、前記ブリッジ回路は一辺に前記補助ヒータ及び残りの三辺に第1抵抗、第2抵抗及び第3抵抗を各々有し、前記給電回路は、前記主ヒータに電圧を供給する電圧フォロアと、前記第1抵抗及び前記補助ヒータの直列接続点に反転入力端が接続され、前記第2抵抗及び第3抵抗の直列接続点に非反転入力端が接続され、出力端が前記電圧フォロアの制御入力端に接続される増幅器とを備える。
【0015】
前記絶縁板は熱伝導性を有すると共に、一面に前記感知部及び他面に同感知部の領域と位置合わせされた主ヒータが各々固定され、この絶縁板の他面の主ヒータの回りには前記補助ヒータが配置され、また前記ブリッジ回路は起動抵抗によって初期給電される。
【0016】
この絶縁板は、感知部の支持板として用いられる窒化アルミニウム、シリコンカーバイド等の熱伝導率が金属に近いセラミック基板、二酸化シリコン層、或は断熱支持体にプリント配線された略長方形又は楕円の断面形状を有する線形又は蛇行ヒータ上に形成される蒸着膜或は塗布膜である。
【0017】
従って、補助ヒータはブリッジ回路の一辺となり、主に温度の感知作用を受け持つ。主ヒータはブリッジ回路と並列接続され、ブリッジ回路が平衡するように感知部の加熱を行う。補助ヒータの発熱量は主ヒータのそれに比べて格段に少ないので図1の第1抵抗部に相当する抵抗での発熱を小さくできるため、正確、且つ迅速な温度制御が可能となる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
まず、本発明の加熱型センサは、特願平7−328395号の図2に示されたものに補助ヒータを追加している。例えばガス感知部は2つの多孔性電極基板間に挟まれ、一電極基板が検査されるべきガスと接触し、他の電極基板が大気に接触している。各多孔性電極基板上には、白金薄膜又はワイヤの主ヒータが敷設され、この主ヒータに等間隔を保って白金薄膜又はワイヤの補助ヒータも敷設される。
【0020】
その上には、耐熱性好ましくは熱伝導性絶縁膜が塗布され、更にその上に電極が形成される。このように形成された2つの多孔性基板は、電極を内側にして対向して組立てられ内部にガス濃度を感知する物質例えば酸化錫又は酸化鉛の多孔性焼結体が充填される。
【0021】
従って、主ヒータ及び補助ヒータは、例えば410度Cに加熱されて、ガス感知部全体を400度Cに維持している。上記絶縁膜は、薄ければ薄いほど熱抵抗が低くまた熱伝導率の良いものが用いられて、測定誤差を最小にすることができる。
【0022】
別の実施例の加熱型センサは、図3に示されるように、高温に加熱されるガス感知部(図示略)が熱伝導性絶縁板2の表側に形成され、両端に2つの電極(図示略)が形成されている。この絶縁板2の裏面には、加熱領域がガス感知部の感知領域より僅かに広いように、感知領域と位置合わせされて白金薄膜主ヒータ30が固定され、この主ヒータ30の回りに例えば410度Cで目標抵抗値を持つ白金薄膜補助ヒータ32が配置される。
【0023】
従って図3の傾斜部分が加熱領域を示す。これら主ヒータ30及び補助ヒータ32は、同一材料又は同一温度係数を持つ金属即ちニクロム合金、白金又は白金合金が好ましい。この場合、主ヒータ30は、温度変化が補助ヒータ32のそれと同じになり、抵抗値変化も補助ヒータ32のそれと同じになる。また、主ヒータ及び補助ヒータは、蛇行させ或は同心円状の白金薄膜又は白金線で配置されてもよい。
【0024】
図4は、本発明による加熱型センサの加熱制御回路の一実施例を示す回路図である。この図4において、図1に示す部品と類似するものには同じ符号を付してある。本発明の加熱制御回路が図1の従来のそれと異なる点は、主ヒータ30がブリッジ回路18に並列接続され、ブリッジ回路18における従来のヒータの接続位置に本発明の補助ヒータ32が接続されて、分圧されない電圧が直接主ヒータ30に供給される点である。
【0025】
即ち、エミッタフォロア接続のトランジスタ20は、コレクタが正電源電圧+Vcラインに接続され、エミッタがブリッジ回路18及び主ヒータ30に接続される。この主ヒータ30が接地される。一方ブリッジ回路18は、第1抵抗12がトランジスタ20のエミッタ及び直列接続点13間に接続され、この直列接続点13及び接地間に補助ヒータ32が接続される。
【0026】
また、第2抵抗14がトランジスタ20のエミッタ及び直列接続点17間に接続され、この直列接続点17及び接地間に第3抵抗16が可変抵抗34を経て接続される。これら直列接続点13及び17は、入力電流が無視できるFET又はバイポーラトランジスタ入力の演算増幅器24の反転及び非反転入力端に各々接続される。この増幅器24は、出力端が保護抵抗22を経てトランジスタ20のベースに接続される。また、トランジスタ20のコレクタ・エミッタ間には、エミッタフォロア20がオフ状態の起動時に初期電圧をブリッジ回路18に供給するプルアップ抵抗36が接続される。
【0027】
この回路の基本動作において、電源投入時には、ブリッジ回路18に不平衡出力電圧が発生しないので、例えば1ボルトの起動用の電圧をブリッジ回路に供給する抵抗36が必要となる。この起動抵抗36は、主ヒータ30への電流が主にエミッタフォロア20から供給されるので、かなり高い抵抗値が用いられ、その消費電力が殆ど無視できる。また、主ヒータ30及び補助ヒータ32の抵抗値は各々未通電時に低く、通電すると徐々に高くなって例えば400度Cに目標抵抗値に到達する。従って、ブリッジ回路18、増幅器24及びエミッタフォロア20は、補助ヒータ32の抵抗値の上昇に起因するブリッジ回路18の不平衡出力電圧によって、給電電圧を上昇させ、平衡給電電圧に到達させる。
【0028】
補助ヒータ又は主ヒータの温度が所定値より低い時には、e1<e2で増幅器24の出力即ちトランジスタ20のエミッタ電圧が上昇する。これによって、主ヒータへの給電が増加される。また、補助ヒータによっても若干加熱される。補助ヒータ又は主ヒータの温度が所定値より高い時には、e1>e2で増幅器24の出力は低くなり、主ヒータ及び補助ヒータへの給電は減少する。
【0029】
可変抵抗34は、ヒータ温度を所望値に調整するポテンショメータ又は可変抵抗器である。図4の回路において、主及び補助ヒータの目標温度は、第1抵抗12対補助ヒータの抵抗値比率が第2抵抗14対(第3抵抗16+可変抵抗34)の抵抗値比率と等しくなるように、設定される。
【0030】
従って、補助ヒータ32が400度Cになった時には目標給電電圧が主ヒータ30にも供給され、同時に主ヒータ30も400度Cになっている。主ヒータ30の温度変化は、補助ヒータ32にも伝わり、この温度変化を元に戻すように給電電圧を増減させて、目標の温度に戻させる。また目標の温度は、例えばガス感知部との間に介挿される基板又は膜の熱抵抗による損失を考慮して410度Cに加熱制御されてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の加熱型センサの加熱制御回路は、従来のブリッジ型加熱制御回路に比べて、第1抵抗の抵抗値を十分大きくしながら、その発熱量を極めて少なくすることができるため、主ヒータ結果的に補助ヒータの温度即ち抵抗値変化による出力電圧の変化(e1の変化)を大きくすることができて、より正確な温度制御が可能となる。
【0032】
また、エネルギ損失が少なくなり、加熱制御回路内の温度上昇も抑えられて安全である。更に基準抵抗となる第1抵抗の抵抗値変動が極めて小さくなるため、正確な温度制御機能を得ると共に、所定温度への収束時間が短縮される。
【0033】
従って、ヒータの発熱或は周囲温度変動下の感知部を例えば400度Cの高温に一定に維持し、信頼性を高めると共に、構造が簡単で安価に構成することができる。また、感知部及びヒータ間に設けられる基板又は膜は、気体の対流伝熱と異なり固体中を伝播する熱伝導率が金属に近く一定である。このため、ガス感知部又はヒータ自身の発熱変動或は周囲温度の変化によるガス感知部又はヒータの温度変化が補償され、ガス感知部の感度特性が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のブリッジ型加熱制御回路図である。
【図2】白金薄膜ヒータの温度(T)−抵抗(R)特性図である。
【図3】本発明によるガスセンサの一実施例を示し、見えない表側に感知部を配置し、見えている裏側に主ヒータ及び補助ヒータを配置した概略平面図である。
【図4】本発明による加熱制御回路の実施例を示す回路図である。
【符号の説明】
12 第1抵抗
14 第2抵抗
16 第3抵抗
20 電圧フォロア
24 増幅器
30 主ヒータ
32 補助ヒータ
Claims (4)
- 感知部を主ヒータ及び補助ヒータによって所定温度に加熱する加熱型センサにおいて、
前記補助ヒータをブリッジ回路の一辺とし、このブリッジ回路及び前記主ヒータを並列接続して、前記ブリッジ回路の出力に基づいて前記ブリッジ回路及び前記主ヒータに給電する給電回路を備えた加熱型センサの加熱制御回路。 - 前記感知部、主ヒータ及び補助ヒータが近接配置された絶縁板を含み、
前記ブリッジ回路は一辺に前記補助ヒータ及び残りの三辺に第1抵抗、第2抵抗及び第3抵抗を各々有し、
前記給電回路は、前記主ヒータに電圧を供給する電圧フォロアと、
前記第1抵抗及び前記補助ヒータの直列接続点に反転入力端が接続され、前記第2抵抗及び第3抵抗の直列接続点に非反転入力端が接続され、出力端が前記電圧フォロアの制御入力端に接続される増幅器とを備えた請求項1に記載の加熱制御回路。 - 前記絶縁板は、熱伝導性を有すると共に一面に前記感知部及び他面に同感知部の領域と位置合わせされた主ヒータが各々固定され、この絶縁板の他面の主ヒータの回りには前記補助ヒータが配置された請求項2に記載の加熱制御回路。
- 前記ブリッジ回路は、起動抵抗によって初期給電される請求項2又は3に記載の加熱制御回路。
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