JP3705183B2 - データ受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の伝送符号に符号化された伝送データを受信するデータ受信装置に関し、特に、伝送符号の形式が、パルスエッジの変化に基づいて2値データを表すものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば空気注入タイプのタイヤを備えた車両には、走行時の安全性を高めるために、タイヤ内に、空気圧や空気圧の異常等を検出して車体側の受信装置に無線で報知(データ通信)するタイヤ状態警報装置を組み込むことにより、タイヤ内の状態を常に監視するタイヤ状態監視システムを備えたものが知られている。
【0003】
タイヤ内に組み込まれたタイヤ状態警報装置では、空気圧に関する情報を2値データとして生成(符号化)し、それを適宜変調して受信装置へ送信するようにしている。2値データの符号形式(コードフォーマット)としては、単に極性の違いのみに基づいて0又は1いずれかのビットデータを識別する所謂NRZ(non-return to zero)方式や、例えばディファレンシャル・バイ・フェイズ(differential bi-phase :以下「DBP」と称す)方式に代表される、一定周期の基準クロックに同期したパルスエッジの変化の有無及びパルスエッジ相互間のパルス幅に基づいて0又は1いずれかのビットデータを識別する方式など、その種類は様々であるが、特に後者の方式(DBP方式)は、2値データを構成する各ビットデータを特定するのに、例えば同期式通信等にて各ビットデータの復号に使用されるクロック信号によらず、パルスエッジの検出やパルス幅のみをみればよいため、上記のタイヤ状態監視システムにおいて一般的に用いられているものである。
【0004】
そして、上記のタイヤ状態監視システムで使用される、タイヤ内のタイヤ状態警報装置から送信される送信信号(DBP方式の2値データを変調したもの)を受信する受信装置としては、受信した送信信号を検波・復調して2値データを表すパルス列信号を抽出し、抽出後のパルス列信号に対して、順次そのエッジ変化を検出すると共にエッジ相互間隔(パルス幅)を検出して、各ビットデータの復元、即ち2値データの復号化を行うものが知られている。
【0005】
ところで、上記のように送信信号を受信装置側で受信して2値データを復号化する際、例えば外部ノイズ等の混入により正規の2値データとは異なるデータが復元されることがあり、送・受信装置間の信号伝送路の状態(電波伝搬空間の電磁界レベル)によってはその影響が顕著なものとなる。これは、上記のようなDBP方式に限ったことではなく、データを有線或いは無線により伝送する際にごく一般的に起こりうるものである。
【0006】
そこで、通常は、例えば送信側からの送信信号を受信して検波・復調する際にハードウェアによるフィルタ回路を用いて、所望の周波数成分(例えば送信側でデータ変調に使用した搬送波の周波数帯)のみを取り出すことにより、外部ノイズをカットするようにしている。
【0007】
また例えば、検波・復調により抽出されたパルス列信号に基づいて復号化、つまり2値データの復元を行う際、パルスエッジの変化があったときにすぐにそのエッジ変化を確定させず、引き続き同じレベルが検出されたときにはじめて、そのエッジ変化を有効なものとして確定させる、所謂ソフトウェアによる2度一致フィルタを使用するようにもしている。より具体的には、通常の2値データ復号化の際には、パルス列信号を所定の基本クロック(例えばCPU動作用の基本クロック)でサンプリングしており、あるサンプリングタイミングでエッジの変化があっても、それをすぐに有効とはせず、次のサンプリングタイミングにおいても同じレベルが検出された場合にはじめてそのエッジ変化を確定させるのである。これにより、サンプリング間隔より短いパルス幅の誤パルスがノイズ等により重畳されていても、その誤パルスは無効となり、復号化の精度を向上させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ハードウェアによるフィルタ回路により所望の周波数成分だけを取り出すようにしても、外部ノイズがその周波数帯域であれば当然ながらカットされず、ノイズ強度が強い場合はそのノイズ分がパルス列信号の中に誤パルス或いはレベル欠落(以下いずれも「誤パルス」と称す)として含まれてしまう。
【0009】
その場合でも、フィルタ回路を通過した誤パルスの幅が2度一致フィルタにて除去可能な幅、つまりサンプリング間隔より短い場合であれば、2度一致フィルタにて除去可能であるが、サンプリングの間隔は通常、例えばマイクロコンピュータがCPU動作用に備える基本クロックの周期(非常に短い数μsec.程度)であるため、非常に短い瞬間的な誤パルスしかカットすることはできず、それを超える幅の誤パルスがあった場合はその誤パルスによるエッジ変化がそのまま確定され、結果としてそのパルス列信号は正確に復号化できず受信エラーとなってしまう。
【0010】
特に、上記のタイヤ状態監視システムにおける受信装置においては、このようにソフトウェアによる2度一致フィルタにて除去できない誤パルスがより多く発生する可能性が大きい。以下、このことについて説明する。
タイヤ状態監視装置では、既述の通り、送信側であるタイヤ状態警報装置がタイヤ内部(ホイール外周面)に取り付けられているため、車両の走行中はタイヤの回転と共にタイヤ状態警報装置も常に回転することになる。そのため、車両側に固定された受信装置からみれば、タイヤ状態警報装置からの送信信号の受信レベルが常に変化することになり、送・受信双方のアンテナ指向性の関係上、タイヤ1回転につき1回は受信レベルが低下して受信できない位置関係が生じる。この受信不可時間をタイヤ回転の機械角に換算したヌル角は、送・受信装置相互間の位置関係やアンテナの指向性、送信出力等によって異なるが、上記のようなタイヤ状態監視システムにおいては数度の値をとることが試験的に実測されている。
【0011】
図6は、タイヤの回転により受信レベルが変化することを示す説明図であり、例えばタイヤ外周2mの車両が50km/hの低速走行をしている場合、タイヤ1回転の時間(T1+Tf1=72.4msec.)のうち、受信レベルが所定の受信可否閾値以上となって受信可能である時間がT1(72msec.)であり、受信レベルが受信可否閾値より小さくなって受信不可となる時間がTf1(400μsec.)である。そして、タイヤが回転する毎に、必ずこの受信不可時間Tf1が生じることになる。一方、例えば300km/hの高速走行時についても同様であるが、タイヤ回転速度が高速化するため、受信可能時間T2は24msec.、受信不可時間Tf2は約133μsec.と、いずれも低速走行時に比べて短くなる。
【0012】
そのため、必要な情報量をもった2値データ(1フレーム)のデータ長が例えば64msである場合、低速走行時は受信可能時間T1内に納まり、たとえ受信不可時間Tf1中に受信した場合であっても、一般にデータ受信は同じデータを複数回受信してその多数決により正規のデータを取得する方法が採られるため、受信不可時間Tf2の影響によりデータを正常に受信できないおそれはほとんどない。
【0013】
しかしながら、高速走行時は、上記2値データが受信可能時間T2内に納まらず、データ受信中にヌル角に相当する受信不可時間Tf2が必ず生じてしまう。そしてこの受信不可時間Tf2の間は、結果として検波・復調後のパルス列信号において誤パルス(レベル欠落)として現れ、その誤パルスの幅は約133μsec.であるため、上記のような2度一致フィルタでは到底除去できず、そのまま正規のパルス変化として確定してしまい、受信エラーが生じてしまう。
【0014】
このように、高速になればなるほど、タイヤ1回転毎の受信可能時間が短くなるため、受信可能時間内で必要な情報量を送受信するためには、通信速度を速くするか、情報量そのものを減らす必要がある。
しかしながら、通信速度を速くすればするほど逆に受信感度が低下する問題があり、また、タイヤの状態を監視する必要上、例えばタイヤの空気圧や温度など、送受信すべき最低限の情報量は確保する必要がある。そのため、通信速度や情報量(送信ビット数)は必然的に決まってしまう。
【0015】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、一定周期の基準クロックに同期してパルスエッジを変化させるか否かによって生成された2値データを復元するデータ受信装置において、精度良く2値データを復元することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載のデータ受信装置は、受信手段が受信した、一定周期の基準クロックに同期してパルスエッジを変化させるか否かによって生成された2値データを表すパルス列信号に対し、エッジ変化検出手段がエッジ変化を順次検出する。そして、エッジ変化の検出の度に、判定手段が、前回エッジ変化が検出されてから今回エッジ変化が検出されるまでのパルス幅が基準クロックに同期しているか否かを判定し、同期していると判断される度に、データ復元手段がそのパルス幅に基づき2値データを構成する1ビットデータを特定して2値データを復元するが、同期していないと判断されたときは、受信エラーとして、当該パルス列信号に対するデータ復元手段による復元動作を停止するよう構成されたものである。
【0017】
そして、本発明(請求項1)では、エッジ変化無効化手段が、上記エッジ変化検出手段にて前回エッジ変化が検出されてから基準クロックの一周期内に今回エッジ変化が検出されたときは、該今回検出されたエッジ変化を無効として、判定手段へのエッジ変化入力を禁止する。
【0018】
つまり、エッジ変化(前回エッジ変化)が検出されてから次のエッジ変化(今回エッジ変化)が検出されるまでの時間をみており、その時間が基準クロックの一周期内である、即ち基準クロックの一周期が経過しないにもかかわらず次のエッジが検出された場合は、そのエッジ変化(今回エッジ変化)は正規のものではなくノイズ等の何らかの要因により発生したものとして無効とするのである。
【0019】
そのため、請求項1記載のデータ受信装置によれば、基準クロックに同期したパルス幅のみを有効なパルスとして取り込み、基準クロックの一周期内に正規エッジ変化以外のエッジ変化があってもそれは無効とされるため、外部ノイズや受信レベル低下等により生じる誤エッジ変化の影響をより低減でき、2値データを精度良く復元することができる。
【0020】
一方、請求項1に記載したような、エッジ変化無効化手段によるエッジ変化の無効化処理を、常時実行するようにすると、正規のエッジ変化が逆に無効とされてしまう場合が生じる可能性もある。即ち、2値データのコードフォーマットが例えば既述のDBP方式を採用する場合であって、エッジ変化があった後、基準クロックの一周期後に再びエッジ変化があってさらにその一周期後に再度エッジ変化があったときはビットデータ“0”を特定し、エッジ変化後、基準クロックの二周期後に再びエッジ変化があったときはそれをもってビットデータ“1”を特定するようにされている場合、ビットデータ“0”受信中の正規のエッジ変化が、ビットデータ“1”受信中に生じた誤エッジ変化としてそのエッジ変化が無効とされてしまうことも起こりうるのである。
【0021】
そこで、請求項2に記載したように、エッジ変化無効手段は、データ復元手段によって2値データを構成する1ビットデータが特定された後、基準クロックの一周期が経過するまでの間(一周期が経過する直前まで)にのみ、その動作を実行するようにするとよい。このようにすれば、各ビットデータにおいて最初のエッジ変化から基準クロックの一周期が経過した後はエッジ変化無効化手段による誤エッジの無効化処理ができないことになるが、各ビットデータにおいて少なくとも最初のエッジ変化から基準クロックの一周期分だけは確実に誤パルスの無効化処理を実行でき、正規のエッジ変化を誤エッジ変化とみなしてしまうといったことを防止することができる。
【0022】
また、請求項1記載のデータ受信装置は、例えば請求項3に記載したように、エッジ変化無効化手段は、エッジ変化検出手段にて前回エッジ変化が検出されてから基準クロックの一周期内に今回エッジ変化が検出されたとき、該今回エッジ変化が検出されてから次のエッジ変化が検出されるまでのパルス幅を検出するパルス幅検出手段を備え、該パルス幅検出手段にて検出されたパルス幅が基準クロックの周期よりも短い所定のしきい値以下である場合に、該パルス幅を特定する二つのエッジ変化を共に無効として、判定手段へのエッジ変化入力を禁止するように構成するとよい。
【0023】
つまり、エッジ変化(前回エッジ変化)が検出されてから次のエッジ変化(今回エッジ変化)が検出されるまでの時間が基準クロックの一周期内であることをもってすぐにその今回エッジ変化を無効とせず、さらに次のエッジ変化をまって、今回エッジ変化からその次のエッジ変化までの時間(パルス幅)が所定のしきい値以下であれば、そのパルス自体を無効(今回エッジ変化とその次のエッジ変化を共に無効)にする。
【0024】
そして、エッジ変化無効化手段はまた、該パルス幅検出手段にて検出されたパルス幅が上記所定のしきい値より大きい場合は、請求項4に記載したように、受信エラーとして、当該パルス列信号に対するデータ復元手段による復元動作を停止させる。
【0025】
データ受信装置をこのように構成すれば、基準クロックの一周期内におけるエッジ変化の検出毎に逐一無効にするか否かを判断するのではなく、一周期内に生じるエッジ変化により形成されるパルスの幅までみて誤エッジ変化か否かを判断するため、無効にすべきか否かの条件設定の自由度を大きくでき、2値データの復元精度をより向上することができる。
【0026】
ここで、上記説明した請求項1〜4いずれかに記載の発明では、少なくとも1ビットデータが特定された後(つまり次の1ビットデータ開始後)の基準クロック一周期内に生じたエッジ変化は無効とされるものの、例えば1ビットデータが特定された後、基準クロック1周期経過時までにエッジ変化がなく、次の一周期内にエッジ変化が生じた場合は、そのエッジ変化は無効化されずに判定手段へ入力されてしまい、結果として受信エラーになってしまう。
【0027】
そこで、例えば請求項5に記載のように、エッジ変化無効化手段は、更に、無効化されずに有効なエッジ変化として判定手段へ入力されたエッジ変化の検出時から、基準クロックの一周期経過時までにエッジ変化がなく、次の一周期内にエッジ変化が検出されたとき、その検出されたエッジ変化を無効として判定手段への入力を禁止するよう構成されたものであるとよい。
【0028】
このようにすれば、上記例示したような、1ビットデータ特定後の基準クロック一周期経過後、次の一周期内に再びエッジ変化が検出された場合であっても、そのエッジ変化を確実に無効化することができる。そのため、例えばコードフォーマットが既述のDBP方式であって、前回エッジ変化(有効なエッジ変化)から基準クロックの二周期経過時に再びエッジ変化があったときにビットデータ“1”を特定するようにされている場合に、そのビットデータ“1”受信開始後、基準クロックの一周期が経過して次の一周期内にエッジ変化(つまりノイズ等による誤エッジ変化)が生じても、そのエッジ変化が無効化され、ビットデータ“1”を確実に特定することができる。
【0029】
次に、請求項6記載のデータ受信装置は、請求項1〜5いずれかに記載のデータ受信装置であって、当該データ受信装置は、車両のタイヤ空気圧を監視するタイヤ状態監視システムにおいて、タイヤ内に組み込まれた送信手段から送信される、該タイヤ内の空気圧の検出結果を示す2値データにて所定の搬送波を変調した送信信号を受信することにより、該送信信号から2値データを復元するための受信装置として使用するとよい。
【0030】
既述の通り、タイヤ状態監視システムにおいては2値データを含む送信信号を送信するタイヤ状態警報装置が車両走行中に常に回転するため、一回転に一回は受信レベルが低下して受信できない(データ欠落)といったことが起こりうる。そこで、上記のように本発明をタイヤ状態監視システムにおける受信装置に適用すれば、送信手段からの送信信号から2値データをより精度良く復元することができ、延いてはタイヤ状態監視の精度をより向上することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明が適用されたタイヤ状態監視システム全体の構成を表すブロック図である。
【0032】
図1に示す如く、本実施形態のタイヤ状態監視システムは、自動車の前後左右の車輪を構成する空気注入タイプのタイヤ(図示せず)の内部に設けられて、タイヤ内部の空気圧及び温度の異常を検出し、異常検出時にはその旨を表す異常信号を送信する送信手段としてのタイヤ状態警報装置1と、自動車の車体側に設けられて、タイヤ状態警報装置1から送信されてくる異常信号を受信すると共に、異常信号受信時には、車室内に設けられた報知装置30を駆動して、報知装置30から異常信号に対応した警報を発生させる車体側警報装置(本発明のデータ受信装置に相当)20とから構成されている。
【0033】
車体側警報装置20は、タイヤ状態警報装置1からの送信電波(異常信号)を受信する受信アンテナ21と、受信アンテナ21からの受信信号の内、タイヤ状態警報装置1からの異常信号に対応した周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタ22と、バンドパスフィルタ22を通過した異常信号を増幅する増幅回路23と、増幅回路23により増幅された異常信号を検波・復調して、タイヤ状態警報装置1が送信してきた異常信号から異常内容を表す2値データ(コードフォーマットはDBP)としてのパルス列信号を取り出す検波/復調回路25と、検波/復調回路25により取り出されたパルス列信号を読み込んでそのパルス列信号のエッジ変化に基づいて2値データを復元し、復元した2値データから異常内容(空気圧低下・パンク等)を判定して、報知装置30を駆動する、制御回路26とから構成されている。
【0034】
尚、報知装置30は、車室内のインストルメントパネルに設けられた異常報知用の警報ランプ、或いは、車室内のスピーカから音声を発生させるオーディオ機器等からなり、制御回路26は、CPU、ROM、RAM、I/O等を備える周知のマイクロコンピュータ又は専用のカスタムIC等にて構成されている。そして、制御回路26は、受信データ(2値データ)に基づき判定したタイヤの異常内容に応じて、警報ランプを点灯或いは点滅させるか、オーディオ機器を介して車室内のスピーカから所定の警報音(或いは異常内容報知用の音声)を発生させることにより、車両乗員にタイヤの異常を報知する。
【0035】
一方、タイヤ状態警報装置1は、タイヤのホイールの外周に形成された取付部に固定することにより、タイヤ内に収納されるものであり、タイヤ内の空気圧を検出する圧力センサ4、及び、タイヤ内の空気の温度を検出する温度センサ6を備える。これら各センサ4,6は、処理回路10からの駆動信号により動作し、空気圧及び温度を表す検出信号を処理回路10に出力する。
【0036】
そして、処理回路10は、これら各センサ4,6からの検出信号に基づき、空気圧及び温度の異常を夫々判定し、空気圧又は温度の異常を判定すると、送信回路12を駆動すると共に、異常内容を表す、コードフォーマットDBPの2値データを送信回路12に出力することにより、送信回路12から、送信アンテナ14を介して、搬送波を2値データに基づき所定の変調方式(ASK,FSK等)で変調した異常信号を送信させる。
【0037】
尚、2値データは、処理回路10内の図示しない発振器にて生成される一定周期の基準クロックに同期して、パルスエッジを変化させるか否かにより生成されるものである。また、本実施形態におけるDBPは、具体的には、基準クロックの二周期(Tb)内でエッジ変化がない場合がビットデータ“1”であり、基準クロックの1周期(Tb/2)毎にエッジ変化がある場合がビットデータ“0”である。つまり、一つのビットデータ長はTbである。
【0038】
また、タイヤ状態警報装置1には、処理回路10が、圧力センサ4,温度センサ6及び送信回路12を駆動することにより、空気圧及び温度の異常判定,異常信号の送信といった後述の警報処理を実行できるようにするために、処理回路10に対して動作用の電力供給を行う電池16が内蔵されている。
【0039】
次に、本発明に係る主要部である車体側警報装置20における制御回路26の動作、即ち検波/復調回路25からのパルス列信号から2値データを復元する処理について、図2に基づいて説明する。図2は、制御回路26にて実行される2値データ復元処理を表すフローチャートである。制御回路26では、CPUがROMから2値データ復元処理プログラムを読み出し、このプログラムに従って処理を実行する。この2値データ復元処理は、検波/復調回路25に所定レベル以上の信号が入力されている間(つまりタイヤ状態警報装置1からの異常信号を受信している間)、継続して行われるものである。
【0040】
この処理が開始されると、まずステップ(以下「S」と略す)210にて、異常信号の受信を開始してからパルスエッジの変化がないまま所定時間(例えば基準クロックの2周期分)を超えた(タイムオーバー)か否かを判断する。つまり、検波/復調回路25に入力される電圧レベルにより異常信号の受信を検知して本処理をスタートするが、受信を開始したにもかかわらず何らエッジ変化がないまま所定時間を超えた場合は、S370に進んで受信エラーとして一旦この処理を終了する。
【0041】
タイムオーバーすることなくエッジ変化があった場合、即ち1ビットデータを表すパルス開始時のエッジ変化が検出された場合はS220で肯定判定され、続くS230でパルス時間幅Tの計測を開始する。そして、S240では、パルス時間幅T計測開始後の時間が所定時間(例えば基準クロックの一周期分)を超えた(タイムオーバー)か否かを判断する。所定時間を超えずにエッジ変化がない間はS240,S250の処理を繰り返し、エッジ変化がないままタイムオーバーした場合はS370に進むが、タイムオーバーする前にエッジ変化があった場合は、S260にてパルス時間幅Tの判定処理を行う。
【0042】
ここで、パルス時間幅Tが基準クロックの二周期分(Tb)である場合、最初のエッジ変化からTb経過するまでエッジ変化がないことにより、S270を経てS280に進んでビットデータ“1”を確定し、S290でその確定したビットデータ“1”をRAMに格納する。そしてS300でパルス時間幅Tをリセットして、再びS230以下の処理を繰り返す。
【0043】
一方、S260の判定処理にて、パルス時間幅Tが基準クロックの一周期分(Tb/2)である場合、最初のエッジ変化からTb/2経過するまでエッジ変化がないことにより、ビットデータ“0”の半パルス分が検出されたものと想定されるため、S310に進んで半パルスを確定すると共に半パルス確定後の時間T0の計測を開始し、再びS240以下の処理を繰り返す。そして、再びエッジ変化があってそのときのパルス時間幅TがTbであった場合、S270に進むが、このとき既にS310の処理によりビットデータ“0”の半パルスが仮確定しているため、肯定判定されてS320に進み、ビットデータ“0”を確定する。以降、上記と同様にS290以下の処理を繰り返すことになる。
【0044】
ところで、最初のエッジ変化検出(S220)の後に再びエッジ変化を検出したとき(S250)、或いはビットデータ確定時のエッジ変化後に再び次のエッジ変化を検出したときのパルス時間幅Tが、Tb/2に満たない場合、即ちパルス時間幅Tが基準クロックの一周期内である場合、正規のエッジ変化以外の誤エッジ変化であるものと想定されるため、S330に進む。ここではまだTb/2経過していないため、否定判定されてS340に進み、この誤エッジ変化からの経過時間Teの計測を開始する。Te計測開始後、所定のしきい値Th(本実施形態では1ビットデータ分のパルス幅Tbの33%)が経過するまではS350,S360の処理を繰り返すことになるが、しきい値Th経過前に再びエッジが検出された場合は、S410に進んでTeをリセットして、再びS240以下の処理を繰り返す。
【0045】
つまり、誤エッジ変化を検出してから次のエッジが検出されるまでの時間がしきい値Thより短い場合は、これら二つのエッジ変化を共に無効とするのである。言い換えれば、これら二つのエッジ変化により形成されるパルスを正規のパルス以外の誤パルスと判断して無効にするのである。Teの計測開始後、エッジの変化がないまましきい値Thを超えた場合は、S370にて受信エラー処理を行い、この処理を一旦終了する。
【0046】
また、最初のエッジ変化検出(S220)の後に再びエッジ変化を検出したとき(S250)、或いはビットデータ確定時のエッジ変化後に再び次のエッジ変化を検出したときのパルス時間幅Tが、Tb/2を超えてしかもTbには満たない場合、即ち、パルス時間幅Tが、基準クロックの一周期経過後、次の一周期内(つまり二周期経過前)である場合も、正規のエッジ変化以外の誤エッジ変化であるものと想定されるため、上記同様、S330以降の処理がなされることになる。
【0047】
一方、S310にて半パルス仮確定した後、パルス時間幅TがTbに至るまでの間にエッジ変化があった場合も、正規のエッジ変化以外の誤エッジ変化であるものと想定してS260からS330に進む。この場合、半パルスは仮確定しているため肯定判定されてS380に進み、半パルス仮確定後の経過時間T0がしきい値Thより小さいか否かを判定する。しきい値Thより小さい場合は、半パルス仮確定そのものが誤りである(つまりT=Tb/2のタイミングで偶然に誤エッジ変化が生じて誤って半パルス仮確定した)と考えられるため、引き続きS390にてエッジ検出を行う。
【0048】
そして、再びエッジ変化が検出されたとき、T=Tbであれば、それをもってビットデータ“1”を確定するためのS280以下の処理を実行し、T≠Tbの場合は、S340以下の処理を実行する。S380にて否定判定された場合、即ち半パルス仮確定からの時間T0がしきい値Th以上である場合は、半パルス仮確定は正常であるものとして、S340以下の処理を実行する。
【0049】
以上説明した2値データ復元処理により、所定のしきい値Th以下のパルス幅の誤パルスが発生した場合にその誤パルスが無効とされることについて、図3に基づいてより具体的に説明する。図3は、コードフォーマットがDBPである2値データ中に誤パルスが生じた様子を示す説明図である。
【0050】
図3(a)につき、時刻t1にてエッジ変化が生じることによりビットデータ“1”のパルスが立ち上がると、S230のパルス時間幅T計測が開始される。そして、時刻t2にて立ち下がりエッジを検出すると、S260によるT判定が行われるが、このときT=T1であってこのT1はTb/2にも満たないため、この立ち下がりエッジは誤エッジ変化(誤パルスのスタート)であるものとしてS330以下の処理が実行され、S340によるTeの計測が開始される。
【0051】
そして、時刻t3にて立ち上がりエッジが検出されたとき、S350で肯定判定され、S410を経てS240以下の処理を再び実行する。つまり、時刻t2〜t3の時間Te1がしきい値Thにみたないため、誤パルスであるものと判断して時刻t2,t3いずれのエッジ変化も無効とするのである。これにより、時刻t4にて立ち下がりエッジが検出されたとき、T=TbであるためS270を経てS280に進み、ビットデータ“1”が確定する。
【0052】
ビットデータ0の場合も同様に、時刻t5及びt6にてエッジ変化が検出されるものの、時間T2がTb/2に満たない(基準クロックに同期した時間ではない)ものであってしかも両エッジ間隔Te2がしきい値より小さいため、時刻t5及びt6のエッジ変化は共に無効とする。
【0053】
図3(b)は、ビットデータ“1”の場合において、ビットデータの立ち上がり時刻t1からちょうど基準クロックの一周期が経過したところで誤パルスが混入してしまったことを示している。
この場合、時刻t2のエッジ変化により、S310の半パルス仮確定処理が実行されることになる。そして、その後時間Te3が経過した時刻t3にて再びエッジ変化があったとき、S330を経てS380に進むが、ここで半パルス仮確定後の時間T0(Te3でもある)がしきい値より小さいものとすると、S380からS390に進み、引き続きエッジ変化の検出動作を繰り返すことになる。そして、時刻t4にて立ち下がりエッジが検出されると、S400に進むが、このときT=Tbである(つまり1ビットデータ分の時間が経過した)ため、S400では肯定判定されてS280以下の処理に進み、ビットデータ“1”が確定することになる。
【0054】
図3(c)は、ビットデータ“1”の場合において、ビットデータの立ち上がり時刻t1から基準クロックの一周期経過後の時刻t2で誤パルスが混入した場合を示すものである。
この場合、時刻t2にて立ち下がりエッジを検出すると、S260によるT判定が行われ、このときTb/2<T<TbであるためS330以降の処理へ進む。そしてこのとき、半パルス仮確定はなされていないため、S330で否定判定され、S340におけるTeの計測が開始される。
【0055】
そして、Te計測開始からしきい値Th経過前の時刻t3にて立ち上がりエッジが検出されると、S350で肯定判定され、S410を経てS240以下の処理を再び実行する。つまり、時刻t2〜t3の時間Te4がしきい値Thに満たないことにより時刻t2,t3いずれのエッジ変化も無効とするのである。そのため、その後時刻t4にて立ち下がりエッジが検出されると、T=Tbであってしかも半パルス仮確定もなされていことにより、S270を経てS280に進み、ビットデータ“1”が確定することになる。
【0056】
以上詳述したように、本実施形態の車体側警報装置20内では、検波/復調回路25にて取り出された2値データを表すパルス列信号に対し、制御回路26が、そのエッジ変化及びエッジ変化相互間のパルス幅を検出することにより、1ビットデータを特定して2値データを復元する。そして、パルス幅が基準クロックに同期していない場合、正規のエッジ変化以外の誤エッジ変化が生じたものと想定して、その誤エッジ変化から更に次のエッジ変化までの時間を検出し、その時間が所定のしきい値Thより小さい場合は、上記二つのエッジ間(誤エッジ変化からその次のエッジ変化まで)はノイズ等の影響による誤パルスであるとして、その二つのエッジ変化(誤パルス)を共に無効にする。
【0057】
従って、上記実施形態のタイヤ状態監視システムによれば、外部ノイズや受信レベル低下等により生じる誤エッジ変化の影響をより低減でき、2値データを精度良く復元することができる。特に、基準クロックの一周期内におけるエッジ変化が検出される度に逐一無効にするか否かを判断するのではなく、一周期内に生じるエッジ変化により形成されるパルスの幅までみて誤エッジ変化か否かを判断するため、無効にすべきか否かの条件設定の自由度を大きくでき、2値データの復元精度をより向上することができる。
【0058】
そして、上記実施形態のように本発明をタイヤ状態監視システムにおける受信装置(車体側警報装置20)に適用したことにより、タイヤ状態警報装置1からの異常信号に含まれる2値データをより精度良く復元することができ、延いてはタイヤ状態監視の精度をより向上することができる。
【0059】
図4に、上記実施形態における車速と受信可能ビット数及び除去可能ヌル角の関係を示す。図4では、通信速度を1250bps、タイヤ外周を2m、誤パルスか否かを判定するためのしきい値Thを264msec.、受信不可となるヌル角を2°とした場合の例であり、受信可能ビット数は、その車速において連続して受信できる最大ビット数(つまり、図6で示したタイヤ1回転毎の受信可能時間(T1或いはT2として示した時間)内に受信できる最大ビット数)を表し、除去可能ヌル角とは、タイヤ1回転(360°)のうちどの程度のヌル角までなら、そのヌル角により生じるデータ欠落を本発明により補間できるかを表すものである。
【0060】
この場合、例えば2値データ(1フレーム)が80ビットで構成されている場合、113km/hまでなら、タイヤ1回転あたりにおける受信可能時間内に納まるため、本発明を適用せずともデータを正常に受信することができる。しかし、113km/hをこえると、受信可能時間がデータフレーム長より短くなり、しかもタイヤのヌル角はここでは2°であるため、正常に受信できなくなる。
【0061】
しかし、151km/hを超える速度域になると、除去可能ヌル角は2°を超える(即ちヌル角が2°なら、そのヌル角により生じるデータ欠落を本発明により補間できる)ため、受信可能時間がデータフレーム長よりさらに短くなるにもかかわらず、データを正常に受信することが可能となる。つまり、図4の例では、本発明の適用により、従来は正常に受信できなかった151km/hを超える速度域においても正常に受信できるようになったことを示している。
【0062】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係を明らかにする。本実施形態において、検波/復調回路25は本発明の受信手段に相当し、制御回路26は本発明のエッジ変化検出手段,判定手段,データ復元手段,及びエッジ変化無効化手段に相当する。
【0063】
また、図2の2値データ復元処理において、S220,S250,S350,S390の処理はいずれも本発明のエッジ変化検出手段が実行する処理に相当し、
S260の処理は本発明の判定処理が実行する処理に相当し、S280,S310,S320の処理はいずれも本発明のデータ復元手段が実行する処理に相当する。また、S330〜S410の処理全体は本発明のエッジ変化無効化手段が実行する処理に相当し、そのうちS360,S380の処理はいずれも本発明のパルス幅検出手段が実行する処理にも相当するものである。
【0064】
尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、誤エッジ変化を検出し、さらにその誤エッジ変化が検出されてから次のエッジが検出されるまでのパルス幅(つまり誤パルスの幅)を検出することにより、その誤パルスを無効にするか否かを判断するようにしたが、これに限らず、例えば図5に示したように、基準クロックに同期しないパルス幅のエッジが検出された場合には、S260からS330を経て再びS240に戻るようにする、即ち、基準クロックに同期しないパルス幅のエッジが検出されたらその時点で無効にするようにしてもよい。このようにしても、図3(a)に示した誤パルスが無効となるのはもちろん、図3(c)に示したような、ビットデータの立ち上がり時刻t1から基準クロック一周期経過後の時刻t2〜t3間に生じた誤パルスも無効となる。
【0065】
但し、半パルス仮確定後にそのような誤エッジ変化が検出された場合は、S330からS370に進んで受信エラーとする。そのため、この図5の処理では、図3(b)のようにビットデータの立ち上がり時刻t1からちょうど基準クロックの一周期が経過したところで誤パルスが混入した場合は、受信エラーとなる。尚、図5は、図2で説明した処理に対してS340〜S360,S380〜S400の処理を省くと共に、S330で肯定判定されたときはS370に進み、否定判定されたときはS240に進むようにしたものでありそれ以外の処理については図2と同様である。そのため、図2と同じ処理には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
また、上記実施形態の図2の処理において、S330及びS380〜S400の処理を省き、S260にてT≠Tb,Tb/2と判定されたときはS340に進むようにしてもよい。つまり、1ビットデータ毎のエッジ変化開始後、基準クロックの一周期分の間だけ、本発明の処理(所望のエッジ変化以外のエッジ変化を無視する処理)を実行するのである。このようにすれば、各ビットデータにおいて少なくとも最初のエッジ変化から基準クロックの一周期分だけは確実に誤パルスの無効化処理を実行でき、残り一周期分において正規のエッジ変化を誤エッジ変化とみなしてしまうといったことを防止することができる。しかも、制御回路26の処理負担も軽減される。
【0067】
更に、上記実施形態では、データのコードフォーマットをDBPとしたが、一定周期の基準クロックに同期してパルスエッジを変化させるか否かによって2値データを生成するコードフォーマットであってしかも本願発明を適用できる限り、あらゆるコードフォーマットを使用できる。具体的には、コードフォーマットがPPMである場合やPWMである場合などにも適用できる。
【0068】
更にまた、上記実施形態では、タイヤ状態監視システムに本発明を適用した場合について説明したが、タイヤ状態監視システムに何ら限定されることなく、例えば車両のキーレスエントリーシステムにおいて車両側の受信装置に適用するなど、本発明の作用効果を奏する限りあらゆる受信装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されたタイヤ状態監視システム全体の構成を表すブロック図である。
【図2】 制御回路にて実行される2値データ復元処理を表すフローチャートである。
【図3】 コードフォーマットがDBP(ディファレンシャル・バイ・フェイズ)である2値データ中に誤パルスが生じた様子を示す説明図である。
【図4】
【図5】 制御回路にて実行される2値データ復元処理の他の実施例を表すフローチャートである。
【図6】 タイヤの回転により受信レベルが変化することを示す説明図である。
【符号の説明】
1…タイヤ状態警報装置、4…圧力センサ、6…温度センサ、10…処理回路、12…送信回路、14…送信アンテナ、16…電池、20…車体側警報装置、21…受信アンテナ、22…バンドパスフィルタ、23…増幅回路、25…検波/復調回路、26…制御回路、30…報知装置

Claims (6)

  1. 一定周期の基準クロックに同期してパルスエッジを変化させるか否かによって生成され、該パルスエッジ相互間の時間幅に応じて2値データを表すパルス列信号を受信する受信手段と、
    前記パルス列信号のエッジ変化を順次検出するエッジ変化検出手段と、
    該エッジ変化検出手段にて前記パルス列信号のエッジ変化が検出される度に、前回エッジ変化が検出されてから今回エッジ変化が検出されるまでのパルス幅が前記基準クロックに同期しているか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段にて前記パルス幅が前記基準クロックに同期していると判断される度に、前記パルス幅に基づき前記2値データを構成する1ビットデータを特定することにより、前記2値データを復元するデータ復元手段と、
    を備え、前記判定手段にて前記パルス幅が前記基準クロックに同期していないと判断されると、受信エラーとして、当該パルス列信号に対する前記データ復元手段による復元動作を停止するよう構成されたデータ受信装置において、
    前記エッジ変化検出手段にて前回エッジ変化が検出されてから前記基準クロックの一周期内に今回エッジ変化が検出されたときは、該今回検出されたエッジ変化を無効として、前記判定手段への該エッジ変化入力を禁止するエッジ変化無効化手段、
    を設けたことを特徴とするデータ受信装置。
  2. 前記エッジ変化無効化手段は、
    前記データ復元手段によって前記2値データを構成する1ビットデータが特定された後、前記基準クロックの一周期が経過するまでの間にのみ、その動作を実行する
    ことを特徴とする請求項1記載のデータ受信装置。
  3. 前記エッジ変化無効化手段は、
    前記エッジ変化検出手段にて前回エッジ変化が検出されてから前記基準クロックの一周期内に今回エッジ変化が検出されたとき、該今回エッジ変化が検出されてから次のエッジ変化が検出されるまでのパルス幅を検出するパルス幅検出手段を備え、
    該パルス幅検出手段にて検出されたパルス幅が前記基準クロックの周期よりも短い所定のしきい値以下である場合に、該パルス幅を特定する前記二つのエッジ変化を共に無効として、前記判定手段への該二つのエッジ変化入力を禁止することを特徴とする請求項1記載のデータ受信装置。
  4. 前記エッジ変化無効化手段は、
    該パルス幅検出手段にて検出されたパルス幅が前記しきい値より大きい場合、受信エラーとして、当該パルス列信号に対する前記データ復元手段による復元動作を停止させることを特徴とする請求項3記載のデータ受信装置。
  5. 前記エッジ変化無効化手段は、更に、
    当該エッジ変化無効化手段によって無効化されずに有効なエッジ変化として前記判定手段へ入力されたエッジ変化の検出時から、前記基準クロックの一周期経過時までにエッジ変化がなく、次の一周期内にエッジ変化が検出されたとき、該検出されたエッジ変化を無効として、前記判定手段への該エッジ変化入力を禁止する
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のデータ受信装置。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載のデータ受信装置であって、
    当該データ受信装置は、車両のタイヤ空気圧を監視するタイヤ状態監視システムにおいて、タイヤ内に組み込まれた送信手段から送信される、該タイヤ内の空気圧の検出結果を示す前記2値データにて所定の搬送波を変調した送信信号を受信することにより、該送信信号から前記2値データを復元するために使用されるものである
    ことを特徴とするデータ受信装置。
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