JP3704491B2 - ロータリー弁を用いたパルスチューブエキスパンダ - Google Patents

ロータリー弁を用いたパルスチューブエキスパンダ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業用空調設備、家庭用空調設備、車用空調装置、保冷倉庫および冷蔵冷凍庫等に用いられるパルスチューブエキスパンダに関し、さらに詳しくは、低温作動時においても長寿命化が図れ、複雑な制御にも対応でき、冷凍効率に優れたロータリー弁を用いたパルスチューブエキスパンダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
小型で極低温用冷凍機として用いられるパルスチューブ冷凍機は、膨張部に固体ピストンを有しない機械式冷凍機の一種であって、冷媒ガスの圧力振動を繰り返し冷凍機に供給することにより、冷凍機の内部で冷媒ガスに膨張および圧縮を加えて、冷熱を発生させるエネルギー変換装置である。この冷凍機の一形態として、パルスチューブのみを有し、冷却された冷媒ガスを直接に被冷却空間または被冷却物に供給するパルスチューブ冷凍機、すなわち、パルスチューブエキスパンダがある。
【0003】
図1は、パルスチューブエキスパンダの全体構成を模式的に示した図である。パルスチューブエキスパンダでは、膨張部であるパルスチューブ1が設けられ、その両端に温端部1aと冷端部1bとが配置される。パルスチューブの冷端部1bには、冷媒ガスに圧力振動を発生させる圧縮機2と高圧吸気弁3および低圧供給弁4とが連通されている。一方、パルスチューブの温端部1aには位相制御手段5が連通されている。さらに、温端部1aで発生する熱を冷凍機外部に取り出すために、温端熱交換器10を配備してもよい。
【0004】
圧力振動を発生させるため、吸気される冷媒ガスは圧縮機2により高圧となって、高圧吸気弁3を通してパルスチューブ1に供給され、パルスチューブ内で膨張し、中圧・中温状態と中圧・高温状態に分離される。中圧・中温状態の冷媒ガスは、パルスチューブ1の冷端部1bから低圧供給弁4を通して放出されるが、その際に膨張してさらに低圧・低温の状態となる。
【0005】
通常、パルスチューブエキスパンダでは、位相制御手段5としてオリフィスを用いたバッファータンクが設けられるが、ガスがオリフィスを通過するときに不可逆的な損失が発生するため、その冷凍効率が悪化する。このような欠点を改善し、冷凍効率を向上させるため、位相制御手段として高圧バッファおよび低圧バッファを配置し、これらの切替用として高圧切替弁および低圧切替弁を設けて、アクティブバッファとして活用するパルスチューブエキスパンダが開発されている。
【0006】
図2は、アクティブバッファを取り付けたパルスチューブエキスパンダの全体構成を模式的に示した図である。アクティブバッファを配備した位相制御手段では、パルスチューブの温端部1aに連通するように、高圧バッファ6および低圧バッファ7と、高圧バッファ用の高圧切替弁8および低圧バッファ用の低圧切替弁9が設けられる。そのため、図2に示すパルスチューブエキスパンダでは、冷端部1bに連通する高圧吸気弁3および低圧供給弁4と温端部1aに連通する高圧切替弁8および低圧切替弁9と開閉タイミングを制御することによって、冷凍機内の冷媒ガスの流れをコントロールして、冷凍効率を高めることができる。
【0007】
具体的に、弁の開閉タイミングの制御方法を説明する。初期の段階では、高圧吸気弁3および低圧供給弁4を閉め、低圧切替弁9も閉めた状態で、パルスチューブ内は低圧ガスと同じ圧力になっている。そこで、高圧切替弁8を開くと、高圧ガスが高圧バッファ6から流れ込むので、パルスチューブ1の内部は高圧ガスの状態になる。
【0008】
高圧切替弁8を開いた状態で高圧吸気弁3を開くと、高圧ガスがパルスチューブの冷端部1bに流入することになる。このとき、冷端部1bから吸気された高圧ガスの圧力は、高圧バッファ6から供給されたガス圧より高圧であるから、高圧バッファ6から供給されたガスは、再び高圧バッファ6に戻される。
【0009】
次に、高圧切替弁8と高圧吸気弁3とを閉じた状態にして低圧切替弁9を開くと、パルスチューブ内の冷媒ガスは低圧バッファー7に流入するので、パルスチューブ内の圧力は低圧バッファー7の圧力まで低下する。すなわち、パルスチューブの冷端部1bに吸気された冷媒ガスは、低圧バッファー7の圧力まで膨張し、温度降下を生じて、パルスチューブの冷端部1bを冷却する。
【0010】
さらに、低圧切替弁9を開いた状態で冷端部1bに連通する低圧供給弁4を開くと、パルスチューブ内で膨張した冷媒ガスは、低圧供給弁4を介して、直接被冷却空間または被冷却物に供給される。これと同時に、低圧バッファー7から低圧ガスがパルスチューブ1の内部に供給される。このようなサイクルを繰り返すことによって、ガスの出入り口における損失を無くし、パルスチューブ内のガス膨張を効率的にエネルギー変換することが可能になる。
【0011】
ところが、パルスチューブエキスパンダでは上述の作動サイクルを数〜数十Hzという比較的高速のサイクルで運転すると同時に、運転状態によっては冷端部1bに連通する高圧吸気弁3および低圧供給弁4、または低圧供給弁4のみが低温状態、例えば−100℃以下といった極低温状態になることがある。
【0012】
従来から、低温の作動環境下で適用できる切替弁として電磁弁が採用されている。しかし、電磁弁を使用すると、冷媒ガスを大容量にした場合に、弁構造が複雑となり、大寸法の弁が必要となり、高速での作動が困難になる。さらに、高速で電磁弁を作動させると、弁の寿命が著しく短くなる。しかも、高速作動によって電磁弁自身の発熱が激しく、通過する冷媒ガスの温度を上昇させ、パルスチューブエキスパンダの冷凍効率を低下させるという問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前述の通り、パルスチューブエキスパンダの吸気弁、供給弁または高圧・低圧切替弁(以下、総称して「切替弁」という)として電磁弁を用いると、冷媒ガスの大容量化にともなって弁が複雑となり、高速で作動させると、寿命が低下し、冷凍効率にも悪影響を及ぼすことになる。このような課題を解決するため、本発明者らは、種々の検討を加えた結果、パルスチューブエキスパンダの切替弁として、電磁弁に替えてロータリー弁を用いることが有効であることを知見した。
【0014】
図3は、平面シール型のロータリー弁の構成を示す図である。平面シール型ロータリー弁11は、2つのポート17、18を設置した回転子12と3つのポート19、20、21を設置した固定子13とが面接触する構造である。弁の外側はハウジング14からなり、モータ15の回転によって駆動軸16を介して回転子12を回転させ、ポート17〜21の連通状況を切り替えるようになっている。すなわち、図3に示すようなポート17、18、19、20の連通状況を、回転子12を回転させてポート17、18、20、21の連通状況に替えて、冷媒ガスを2方向に切り替えることができる。したがって、平面シール型ロータリー弁11を使用する場合には、温端部の高圧切替弁および低圧切替弁用として、また冷端部の高圧吸気弁および低圧供給弁用として、それぞれ1個ずつ設置すればよい。
【0015】
しかしながら、平面シール型ロータリー弁を使用する場合には、大容量の冷媒ガスを連通させるためにポート径を大きくしたり、また、複雑な制御を行うためにポート数を増やすと、必然的に回転子と固定子との直径を大きくしなければならず、切替弁が大型化して、作動用のモータも大容量のものが要求される。そのため、平面シール型ロータリー弁は、比較的小規模のパルスチューブエキスパンダに適用するのが有効である。
【0016】
図4は、側面シール型ロータリー弁の構成を示す図である。側面シール型ロータリー弁31は、軸心を中心として回転する円筒状の回転子32と、この回転子を回転自在に内蔵するハウジング33とからなり、回転子32の外周面に複数のポート37〜40を設けるとともに、ハウジング33の内周面にはこれらのポートと対応するように複数のポート41〜46を設けている。モータ34に連結された駆動軸35を介して回転子32が回転することによって、回転子のポート37〜40とハウジングのポート41〜46との組み合わせを変動させて、冷媒ガスの連通状態を切り替えるようになっている。冷媒ガスの漏れを防ぐため、駆動軸35がハウジング33を貫通する部分にはシール22が施される。
【0017】
また、側面シール型ロータリー弁31では、回転子32に作用する軸方向および半径方向の荷重が軸受け36により支えられるため、モータ34への負荷が減少し、モータ34の所要動力をさらに軽減することができる。回転子32が受ける負荷を減少させることによって、軸受け36をより小型の簡易な構造にすることができる。このような構造上の有利性が相まって、モータの小型化のみならず、ロータリー弁全体の構成を小さくすることができる。
【0018】
側面シール型ロータリー弁は寿命が長く、パルスチューブエキスパンダの大型化、大容量化、または制御の複雑化にも容易に対応することができる。言い換えると、側面シール型ロータリー弁31では各ポートが軸方向に独立しているため、ポート径を大きくしたり、ポート数の増加する場合であっても、回転子32の直径をそのまま大きくする必要がない。
【0019】
一方、回転子32の直径を小さくできれば、回転子に作用する圧力負荷を低減することができると同時に、回転子の周速度を減少させることができる。これにより、モータ34の所要動力を減少させ、小型で高速なモータを使用できるようになる。さらに、回転子の周速度の減少は、回転子32とハウジング33にシール処理を施した場合であっても、シール部材の摩擦による発生トルクを減少させ、シールや回転子の長寿命化に有効である。
【0020】
ところで、側面シール型ロータリー弁をパルスチューブエキスパンダの冷端部に連通する吸気弁、供給弁として用いた場合、低温状態で使用される低圧供給弁とモータとの離間距離が短いと、モータの作動熱が冷媒ガスへ伝熱して冷凍効率を低下させたり、または運転条件によって極低温状態で使用されると、モータも異常に低温化し作動が困難になることがある。
【0021】
図5は、冷端部に連通する切替弁用として改善された側面シール型ロータリー弁の構成例を示す図である。同図に示すように、モータ34と回転子32の間に設けられた駆動軸35およびハウジング33を延長し、離間距離Lを確保して、その間の伝熱抵抗を大きくすることによって、モータ34からの冷媒ガスへの伝熱を削減し、モータ34の異常な低温化を防止することができる。
【0022】
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであり、パルスチューブ冷凍機として要求される寿命延長を図り、供給される冷媒の大容量化、さらに制御の複雑化に対応できる、ロータリー弁を用いたパルスチューブエキスパンダを提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の実施形態にかかるパルスチューブエキスパンダ(以下、「第1のパルスチューブ冷凍機」という)は、両端に温端部と冷端部と有するパルスチューブと、この温端部に連通して高圧バッファおよび低圧バッファ並びに高圧切替弁および低圧切替弁とからなる位相制御手段と、前記冷端部に連通して圧力振動を発生する高圧吸気弁および低圧供給弁とを設けて、前記パルスチューブで冷却された冷媒を被冷却空間に供給するパルスチューブエキスパンダであって、前記温端部に連通する高圧切替弁および低圧切替弁並びに前記冷端部に連通する高圧吸気弁および低圧供給弁にロータリー弁を用いたことを特徴としている(後述の図6参照)。
【0024】
上記第1のパルスチューブ冷凍機の改善にかかるパルスチューブエキスパンダ(以下、「第2のパルスチューブ冷凍機」という)は、高圧切替弁および低圧切替弁に用いられるロータリー弁と高圧吸気弁および低圧供給弁に用いられるロータリー弁との作動が同期し、単一のモータで駆動されることを特徴としている(後述の図7参照)。
【0025】
本発明の請求項1にかかるパルスチューブエキスパンダ(以下、「第3のパルスチューブ冷凍機」という)は、上記第1のパルスチューブ冷凍機の構成に加え、パルスチューブの温端部が高圧切替弁および低圧切替弁に用いられるロータリー弁と一体で構成され、パルスチューブの冷端部が高圧吸気弁および低圧供給弁に用いられるロータリー弁と一体で構成されていることを特徴としている(後述の図8、図9参照)。
【0026】
さらに、請求項3にかかるパルスチューブエキスパンダ(以下、「第4のパルスチューブ冷凍機」という)は、両端に温端部と冷端部と有するパルスチューブと、この温端部に連通してオリフィスを用いた位相制御手段と、前記冷端部に連通して圧力振動を発生する高圧吸気弁および低圧供給弁とを設けて、前記パルスチューブで冷却された冷媒を被冷却空間に供給するパルスチューブエキスパンダであって、前記冷端部に連通する高圧吸気バルブおよび低圧供給バルブにロータリー弁を用い、かつ前記冷端部を当該ロータリー弁と一体に構成したことを特徴といている(後述の図10参照)。
【0027】
そして、請求項4にかかるパルスチューブエキスパンダは、上記第1〜第4のパルスチューブ冷凍機のロータリー弁が側面シール型または平面シール型のいずれかであることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明のロータリー弁を用いたパルスチューブエキスパンダ(第1〜第4のパルスチューブ冷凍機)の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図6は、第1のパルスチューブ冷凍機の構成例を示す図である。第1のパルスチューブ冷凍機では、アクティブバッファ型パルスチューブエキスパンダを対象にしている。図6に示す構成例では、温端部1aおよび冷端部1bに連通する切替弁として、側面シール型ロータリー弁31を使用している。特に、冷端部1b側に用いられるロータリー弁は、前記図5に示すように、冷端部に連通する切替弁用として改善された側面シール型を使用している。
【0030】
温端部1aおよび冷端部1bに連通するロータリー弁31は、それぞれ単独のモータ34で駆動され、両ロータリー弁とパルスチューブとの接続には連通管23が用いられている。このような構成では、それぞれのロータリー弁31を駆動するモータ34の作動を同期させるための制御装置24が必要になる。また、冷凍機の効率化の観点からは、パルスチューブ1の管壁における伝熱Tに加え、冷端部1bに連通するロータリー弁31のハウジング33における伝熱T、および駆動軸35における伝熱Tを考慮しなければならない。
【0031】
図7は、第2のパルスチューブ冷凍機の構成例を示す図である。第1のパルスチューブ冷凍機と同様に、アクティブバッファ型パルスチューブエキスパンダを対象にしており、温端部1aおよび冷端部1bに連通する切替弁として、側面シール型ロータリー弁31を使用し、ロータリー弁とパルスチューブとの接続には連通管23が用いられている。
【0032】
しかし、第2のパルスチューブ冷凍機では、温端部1aに連通するロータリー弁31と冷端部1bに連通するロータリー弁31をモータ34に連結された単一の駆動軸35で回転できるように、両者の回転子32を駆動軸35で連結し、かつ同一のハウジング33に内包されるように構成したものである。これにより、温端部1aおよび冷端部1bに連通するロータリー弁31の作動を同期させ、単一のモータ34で駆動させることができるので、制御を簡単にすることができる。
【0033】
図8は、第3のパルスチューブ冷凍機の構成例を示す図である。第2のパルスチューブ冷凍機と同様に、アクティブバッファ型パルスチューブエキスパンダを対象にしており、温端部1aおよび冷端部1bに連通する切替弁として、側面シール型ロータリー弁31を使用し、いずれの回転子32も駆動軸35で連結され、同一のハウジング33に内包されるように構成されている。
【0034】
第3のパルスチューブ冷凍機の特徴は、パルスチューブの温端部1aおよび冷端部1bがロータリー弁31と一体で構成されており、両端のロータリー弁間のハウジング内部の空間をパルスチューブ1として使用していることである。このため、側面シール型ロータリー弁31のパルスチューブ1ヘの連通路(ポート)は、ハウジング33の外周には開口しておらず、ハウジング33の内側端面に開口している。
【0035】
第3のパルスチューブ冷凍機では、図8に示すように構成することによって、前記図2を用いて説明したように、冷端部1bに連通する高圧吸気弁3および低圧供給弁4と温端部1aに連通する高圧切替弁8および低圧切替弁9と開閉タイミングを制御することによって、冷凍機内の冷媒ガスの流れをコントロールして、冷凍効率を高めることができる。そして、これらのエネルギーその変化は、ポリトロープ変化に基づくものである。
【0036】
第2のパルスチューブ冷凍機に比べ、第3のパルスチューブ冷凍機の構造では、温端部1aと冷端部1bとを貫通する部材が少なくなるため、伝熱T、Tが少なくなり冷凍効率を向上させることができる。また、温端部1aに連通するロータリー弁と冷端部1bに連通するロータリー弁をモータ34に連結された単一の駆動軸35で回転できるようにしているので、単一のモータ34で駆動させることができ、複雑な制御機構が不要となり、製作コストを低く押さえることができるのは、第2のパルスチューブ冷凍機の場合と同様である。
【0037】
図9は、第3のパルスチューブ冷凍機であって、温端部および冷端部に一体構成される切替弁に平面シール型ロータリー弁を用いたの構成例を示す図である。冷端部1bおよび温端部1aに平面シール型ロータリー弁11を構成した場合であっても、それぞれの切替弁の開閉タイミングを制御することによって、伝熱量の低下を図り、冷凍効率を高めることができる。しかし、前述の通り、平面シール型ロータリー弁11を用いた場合には、弁の構造上の問題から、大型化には一定の制限がある。
【0038】
図10は、第4のパルスチューブ冷凍機の構成例を示す図である。第4のパルスチューブ冷凍機ではオリフィスを用いた位相制御手段を対象としているため、冷端部1bに連通する切替弁のみがロータリー弁を使用している。すなわち、圧力振動を発生する高圧吸気弁および低圧供給弁を側面シール方式のロータリー弁31とし、パルスチューブの冷端部1bと一体で構成されており、ハウジング33に相当する空間をパルスチューブ1として使用している。
【0039】
第4のパルスチューブ冷凍機では、冷端部1bの連通路から高圧のガスを吸気して、パルスチューブ1内で膨張・圧縮を行うことにより、冷端部1b側から位相制御手段(オリフィス)側にエネルギー移動が発生する。その結果、冷端部1b側はより低温に、温端部1a側はより高温になり、冷端部1bの低温供給の連通路から中圧・低温の冷媒ガスが外部に放出され、さらに低温・低圧の冷媒ガスとなり、被冷却空間に供給される。
【0040】
上記図6〜図10では図示しないが、第1〜第4のパルスチューブ冷凍機のいずれであっても、パルスチューブの温端部1aで発生する熱を冷凍機外部に取り出すために、温端熱交換器を配備してもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明のロータリー弁を用いたパルスチューブエキスパンダによれば、電磁弁に替えて、温端部および冷端部に連通する切替弁に側面シール型または平面シール型いずれかのロータリー弁を用いることによって、低温作動時においても長寿命化が図れ、冷凍効率に優れたパルスチューブ冷凍機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パルスチューブエキスパンダの全体構成を模式的に示した図である。
【図2】アクティブバッファを取り付けたパルスチューブエキスパンダの全体構成を模式的に示した図である。
【図3】平面シール型のロータリー弁の構成を示す図である。
【図4】側面シール型ロータリー弁の構成を示す図である。
【図5】冷端部に連通する切替弁用として改善された側面シール型ロータリー弁の構成例を示す図である。
【図6】第1のパルスチューブ冷凍機の構成例を示す図である。
【図7】第2のパルスチューブ冷凍機の構成例を示す図である。
【図8】第3のパルスチューブ冷凍機の構成例を示す図である。
【図9】、第3のパルスチューブ冷凍機であって、温端部および冷端部に一体構成される切替弁に平面シール型ロータリー弁を用いたの構成例を示す図である。
【図10】第4のパルスチューブ冷凍機の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1:パルスチューブ、 1a:温端部、 1b:冷端部
2:圧縮機、 3:高圧吸気弁
4:低圧供給弁、 5:位相制御手段
6:高圧バッファー、 7:低圧バッファー
8:高圧切替弁、 9:低圧切替弁
10:熱交換器、 11:平面シール型ロータリー弁
12、32:回転子、 13:固定子
14、33:ハウジング、 15、34:モータ
16、35:駆動軸、 22:シール
23:連通管、 24:制御装置
31:側面シール型ロータリー弁、 36:軸受け

Claims (4)

  1. 両端に温端部と冷端部と有するパルスチューブと、この温端部に連通して高圧バッファおよび低圧バッファ並びに高圧切替弁および低圧切替弁とからなる位相制御手段と、前記冷端部に連通して圧力振動を発生する高圧吸気弁および低圧供給弁とを設けて、前記パルスチューブで冷却された冷媒を被冷却空間に供給するパルスチューブエキスパンダであって、
    前記温端部に連通する高圧切替弁および低圧切替弁にロータリー弁を用い、かつ前記温端部を当該ロータリー弁と一体に構成し
    さらに、前記冷端部に連通する高圧吸気弁および低圧供給弁にロータリー弁を用い、かつ前記冷端部を当該ロータリー弁と一体に構成したことを特徴とするパルスチューブエキスパンダ。
  2. 高圧切替弁および低圧切替弁に用いられるロータリー弁と高圧吸気弁および低圧供給弁に用いられるロータリー弁との作動が同期し、単一のモータで駆動されることを特徴とする請求項1に記載のパルスチューブエキスパンダ。
  3. 両端に温端部と冷端部と有するパルスチューブと、この温端部に連通してオリフィスを用いた位相制御手段と、前記冷端部に連通して圧力振動を発生する高圧吸気弁および低圧供給弁とを設けて、前記パルスチューブで冷却された冷媒を被冷却空間に供給するパルスチューブエキスパンダであって、
    前記冷端部に連通する高圧吸気弁および低圧供給弁にロータリー弁を用い、かつ前記冷端部を当該ロータリー弁と一体に構成したことを特徴とするパルスチューブエキスパンダ
  4. 上記ロータリー弁が側面シール型または平面シール型であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパルスチューブエキスパンダ。
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