JP3703938B2 - 熱可塑性プラスチックからなる可撓性容器及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性プラスチックからなる可撓性容器及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直交して延びる縁部を有する熱可塑性プラスチックからなる容器を据え込み成形(swaging molding)又は吹込み成形(blow molding)により製造する方法及びこの方法により作られた容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
こうした方法はこれまでにも知られており、一般的に小型の容器を製造する上での問題はない。このことは、壁厚の大きな剛性容器を製造する際に吹込み成形及び据え込み方法を適用して直方体形状の大形容器を製造する際にも同様である。しかし、可撓性を有する折り畳み式容器を形成するために壁厚を最小限とする場合には、特に角隅部において薄肉部が生じる。多くの場合、これは許容されない漏出を伴う結果となる。
吹込み成形に関しては、押出し機のリングノズルからのプリフォーム(preform)又はパリソン(parison)から成形体に吹込みを行わねばならない。この場合、望ましい形状の関係に対してのみ壁厚を最小にできる。そうでなければ、この場合にも漏出を伴う脆弱な箇所が生じることとなる。また従来の据え込みにおいては、雄型を適用する可能性もあるが、開放されたトラフ形状の型に対してしか使用できない。
【0003】
一方、例えば欧州特許公開公報(EP-0 579 737 A1)に記述されたいわゆるツインシート方法においては、実質的に真空を用いた2個の成形型による成形が実現されている。しかし、この方法では閉じられた成形型に雄型ような補助的な成形具を使用できない。従って、大形の成形物に関する据え込み深さは制限される。また最も低い部分においては、それは容器の他の壁部と比較して壁厚をおおむね最小にしてのみ達成できる。直方体容器の全ての領域に亙り均一な壁厚を得ることが難しいという問題は、主として角隅部に関するものである。
従って、ドイツ特許公開公報(DE-40 22 591 A1)においては、少なくとも詳細に計算された湾曲を有する角隅部の領域にシート材料が使用された場合に、脆弱部を分子配向により制限するという試みがなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法でも依然としてこの角隅部の頂部はおおむね冠状の角部成形型内にのみ置かれ、最大でも30リットルまでの小形容器に対しては既に確立された安全上の理由で比較的肉厚な壁部に限られている。
本発明は、主に大型の容器と一般的には薄肉の容器とに対し、十分に肉厚な角隅部の領域を設けて、かつ角隅部の領域の肉厚をシート状の残りの部分と一致させるという課題に基づいている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記課題は容器の縁部をその最終的な配置とは逆向きに容器内部へ成形することにより達成される。また直方体形状の容器を製造するときには、直方体の角隅部は内側に向けて成形される。このことは、成形技術の観点から述べれば、角隅領域が製造方法に係る容器の配置構成とは逆向きに容器の内側空間で成形されることを意味する。角隅部を錐体形状に形成し、それにより錐体の縁端部をその半径が好適には10mm以上の球形部とすることも可能である。概略的には、縁端部は湾曲部からなる。但し、錐体状の湾曲部は一般的に成形型キャビティの内部に対称的又は対角線的に形成されるとともに、適切な径が付けられている。角隅部はまた半径が10mm以上の球体の一部としても形成し得る。なお適切な半径は容器のサイズに依存する。
本発明の方法によれば、角隅部の成形は成形型の中央に向けて移動して行われる。これにより、この箇所においては内方に移動された成形型に据え込み可能な大量の厚肉シート状材料が押しつけられる。また成形型の壁部内における変転する領域を適切に選択することにより、シート状材料を極めて均一に配分することが可能となる。容器の角隅部の全てが同一の方法により形成され、かつ内側に向けられた角隅領域における表面の半径は同一の曲率半径を有することに注意する必要がある。
【0006】
成形型から取り出した後、角隅部を逆転突出させることにより容器形状が得られる。その角隅部を含め、本発明に従って製造された容器はその全体に亙って均一な壁厚を有している。これにより、鉄道、陸上及び海上に関するUN基準による流体輸送に対する認可手続が問題なく行われる。
本発明の方法は、いかなるサイズの容器の製造にも適している。特に容量が50リットル以上、好適には容量が100リットル以上の大型の容器の製造に適している。この容器はこれを支持ケース内に入れて流体又は粉体の輸送に特に使用できるが、ケースなしでも使用される。本発明の方法は、折曲かつ折り畳み可能なパレット容器に挿入できる容器や更に液体製品を貯蔵かつ搬送するための可撓プラスチック製容器に特に適している。またケーシングとしては、厚紙構造、及び、木材、金属もしくは硬化プラスチック等からなる支持構造が公知の手法により使用され得る。また、ポリプロピレン織布材料(FIBC)からなるケーシングも使用できる。
本発明の方法によれば、円筒状容器の縁端部も同様にして成形することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の更なる詳細及び利点は、添付図面に示された実施の形態から明らかとなろう。
図1及び図2に示された容器は、公知の手法により圧力差を以て2枚の熱可塑性シートを据え込むといういわゆるツインシート法により製造されている。この方法においては、容器1の2個の半体1A及び1Bの継ぎ目2の位置は、据え込み工程の後に熱可塑的に溶着して形成される。容器1の上面にはこの容器への注入を行うための少なくとも1個のインサート3が導入される。このインサート3は、ネジ山を有する注入受口として形成してもよい。また容器の上面側には通気開口対応部材、及び容器底部には排出口対応部材を挿入してもよい。検査を受けるための、図示される容器は容量が750リットルの直方体形状であった。またそのサイズは、縦1080mm、横930mm、高さ765mmであった。更に容器の重量は4.5kgであるとともに最小壁厚は0.4mmであり、材料としてはLDPE(低密度ポリエチレン)が使用された。
【0008】
以下において、本発明に係る上記容器の8個の角隅部の実施の形態を説明する。図1において丸印を付した上部の角隅部は、図3に拡大されて示されている。この図からは、垂直上方に延びる容器縁部4が角隅部領域において平坦面5として形成され、更に容器の上面の縁部6へと連なっている。容器を製造するときには、この縁部の平坦面は参照番号5Aで示された形状となるように内方に引き込まれているが、2個の容器半体1A及び1Bが熱可塑的に接続されて成形型から取り出された直後に、最終形状の平坦面5とされる。
【0009】
図4には容器の角隅部の別の実施の形態が示されている。この実施の形態は球体の一部の形状を有するが、製造時においてこの球体の一部は表面4及び6により形成される縁部から内方に引き込まれて面7Aとされ、その後に外側に引出されて最終形状の面7とされる。
図5は図4に対応する実施の形態を示しており、また容器の製造時に据え込み成形型の角隅部に挿入される成形型部材8をも同時に示している。
【0010】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、可撓性容器の縁部をその最終的な配置とは逆向きに容器内部に向けて成形することにより、主に大型の容器と一般的には薄肉の容器とに対し、十分に肉厚な角隅部領域を設けることができるとともに、角隅部領域の肉厚をシート状の残りの部分と一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造された容器の側面図。
【図2】図1の容器の平面図。
【図3】図1において丸印を付した角隅部の拡大図。
【図4】別の実施の形態の容器の角隅部を示す図3に対応する図。
【図5】更に別の実施の形態の据え込み成形における角隅部及び関連した成形型の図。
【符号の説明】
1 容器
1A 容器半体
1B 容器半体
2 継ぎ目
3 インサート
4 縁部
5 最終形状の平坦面
5A 内方に引き込まれた平坦面
6 縁部
7 最終形状の面
7A 内方に引き込まれた面
8 挿入された成形型部材

Claims (15)

  1. 直交して延びる縁部を備えた熱可塑性プラスチックからなる可撓性容器を据え込み又は吹込み成形により製造する方法において、前記縁部をその最終的な配置とは逆向きに容器内部に向けて成形することを特徴とする熱可塑性プラスチックからなる可撓性容器の製造方法。
  2. 直方体形状の容器を製造する方法であって、前記直方体の角隅部を内側に向けて成形する請求項1記載の方法。
  3. 角隅部を錐体状に成形する請求項2記載の方法。
  4. 錐体状の角隅部の縁部を丸くするか、又は平坦にするか、或いは丸くかつ平坦にする請求項3記載の方法。
  5. 丸くした錐体状の角隅部の半径が10mm以上である請求項4記載の方法。
  6. 角隅部を球体の一部の形状に形成する請求項2記載の方法。
  7. 球体の一部の半径が10mm以上である請求項6記載の方法。
  8. 2枚の熱可塑性シートの縁部を相互に熱的に接続するツインシート据え込み方法により容器を製造する請求項1ないし7いずれか記載の方法。
  9. 据え込み又は吹込み成形により製造され、直交して延びる縁部を備えた熱可塑性プラスチックからなる可撓性容器において、前記縁部がその最終的な配置とは逆向きに容器内部に向けて成形されたことを特徴とする可撓性容器。
  10. 直方体形状を有し、前記直方体の角隅部が内側に向けて成形された請求項9記載の容器。
  11. 角隅部が錐体状に成形された請求項10記載の容器。
  12. 錐体状の角隅部の縁部が丸くされるか、又は平坦にされているか、或いは丸くかつ平坦にされている請求項11記載の容器。
  13. 丸くした錐体状の角隅部の半径が10mm以上である請求項12記載の容器。
  14. 角隅部が球体の一部の形状に形成された請求項10記載の容器。
  15. 角隅部の領域においても壁厚が一定である請求項9ないし14いずれか記載の容器。
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