JP3703064B2 - ソフトウェア品質評価装置および品質評価方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソフトウェア品質評価技術に係り、特に、ソフトウェアの品質を定量的に評価する場合に、弱点部分を精度よく効率的に抽出するためのソフトウェア品質評価装置および品質評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のソフトウェアの品質を定量的に評価する方法としては、チェックリスト件数密度、不良件数密度、カバレージ率等の評価指標についての実績値がある一定の基準値(目標値)に達しているか否かを判定するプログラムをコンピュータに実装して行なうのが一般的であった。しかし、実際のソフトウェア開発では、1つ1つのプログラムに対して各指標の実績値を目標値に達するように品質向上を図るだけの十分な時間が取れないことが多く、また見直し策の検討や見直し作業に無駄な多くの時間を費やす必要があった。
このような問題を解決するための1つの方法として、例えば特開平7−146806号公報「テスト作業管理支援装置」で提案されているように、ソフトウェア信頼度による推定残存不良数とカバレージ率等のテスト十分性評価を組み合せ、組み合せパターン毎に改善方法を出力することで、評価結果をもとに対応策を検討する時間を短縮させるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公開公報で提案された従来の方法では、組み合せパターン毎に分類して改善方法を得ることはできるが、1つの組み合せパターン内での弱点の色分け、いわゆる優先的に改善が必要な部分を評価し抽出することはできない。即ち、いくら組み合せパターンを詳細化しても、プログラム群がある特定のパターンに集中したり、また改善後にも最終的に対応が必要と判断しているパターンのままになるケースが多いのが現状である。その理由は、通常、各品質指標の基準値(目標値)が過去の経験からの統計値や平均値等をもとに各システムで設定しているが、ほとんどの場合、品質が非常に悪い一部分のプログラムが全体の平均値を上げ下げして、その結果平均値等の基準値に対するバラツキを大きくしてしまうからである。このように、従来の品質評価方法ではどのプログラム/機能を優先的に見直すのがいいのか明確になっていないため、見直し策の検討や見直し結果に多くの手間や時間を必要とするという問題があった。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決し、ソフトウェアの品質を定量的に評価し、精度が高く効率的な品質評価と効率的かつ効果的な品質向上作業を図ることが可能なソフトウェア品質評価装置および品質評価方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のソフトウェア品質評価装置は、ソフトウェアの品質を定量的に評価するソフトウェア品質評価装置において、ソフトウェアの品質を規定する品質指標ごとに基準値を記憶する手段と、評価対象のソフトウェアにおける品質指標ごとの実績値と対応する基準値を比較して、前記実績値が前記基準値を達成しているか否かを判断する手段と、前記実績値が前記基準値を達成している品質基準については、当該基準値を評価点数とし、前記実績値が前記基準値を達成していない品質基準については、当該実績値を前記基準値で除して評価点数を算出する手段と、前記評価点数の合計点数により品質向上が必要な度合を評価する手段を有する。
この品質向上が必要な度合を評価する手段は、複数のソフトウェアに対して品質向上に必要な度合を評価し、品質向上に必要な順に優先度付けを行うソフトウェア評価手段である。また、品質指標とは、チェックリスト件数密度、不良件数密度、カバレージ率、ソフトウェアの規模、ソフトウェアの難易度、全体の不良に占める重要度の高い不良の割合、もしくは定性的な不良分析項目の中で指定した分析項目件数が全体の分析項目件数に占める割合のうちの少なくとも1つを含むものである。
また、ソフトウェア評価手段は、複数の評価指標の中で重要視する評価指標の基準値を上げ、より優先度を高く付けた評価指標が全体評価点に占める割合を高くして、品質向上が必要な優先度を上げるよう点数付けする手段を具備する。
さらに、ソフトウェアの品質を定量的に評価するソフトウェア品質評価方法は、ソフトウェアの品質を規定する品質指標ごとに基準値を記憶し、評価対象のソフトウェアにおける品質指標ごとの実績値と対応する基準値を比較して、前記実績値が前記基準値を達成しているか否かを判断し、前記実績値が前記基準値を達成している品質基準については、当該基準値を評価点数とし、前記実績値が前記基準値を達成していない品質基準については、当該実績値を前記基準値で除して評価点数を算出し、前記評価点数の合計点数により品質向上が必要な度合を評価する。
【0005】
さらに具体的には、評価項目の評価基準(目標)値と基準点数および抽出/ソート条件を入力するデータ入力部と、前記の入力されたデータをそれぞれ評価点数算出基準ファイルおよび抽出/ソート条件管理ファイルへ登録するデータ登録部と、予め任意に設定された品質データ管理ファイルのチェックリスト件数および不良件数をプログラムの規模等で除算して得られるチェックリスト件数密度、不良件数密度を算出する項目密度算出部と、種々の評価項目単位に予め任意に設定された品質管理データや不良管理データを基に、前記で登録された評価点数算出基準に従い評価点数を算出する評価項目別自動評価部と、各評価項目の評価点数の合計を算出する総合評価部と、総合評価部の出力を登録されていた抽出/ソート条件に従って抽出/ソートする抽出/ソート処理部と、抽出/ソート処理結果を出力するデータ出力部とを具備する。
【0006】
さらに評価項目別自動評価部は、算出された項目密度とカバレージ率の基準値(目標値)に対する達成度を品質データ評価点数算出基準に従って点数計算を行なう品質データ点数算出部と、実規模と基準規模を比較し規模評価点数算出基準に従って点数計算を行なう規模点数算出部と、難易度毎に難易度評価点数算出基準に従って点数計算を行なう難易度点数算出部と、重要度毎に重要度評価点数算出基準に従って点数計算を行なう重要度点数算出部と、不良分析コード毎に不良コード評価点数算出基準に従って点数計算を行なう不良分析コード点数算出部とを具備することを特徴とする。
【0007】
これにより評価単位にチェックリスト件数密度、不良件数密度、カバレージ率の各評価項目の達成度を点数で表すことができ、その合計点によりソートすることで、品質が弱い順いわゆる品質向上が必要な順に優先度付けが可能となる。加えて、品質向上が必要な優先度に規模の大きさ、ソフトウェアの難易度、不良の重要度の割合、不良分析コードの割合を加味した点数を付けること、および各評価項目の基準点数を変動させることによって、評価者が重要視する評価項目(指標)の優先度付けができ、重点的に品質向上を必要とするプログラムや機能の抽出が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明のソフトウェア品質評価装置の一実施例を説明するための機能構成図である。同図に示すように、本ソフトウェア品質評価装置は、本発明において評価点数算出基準や抽出/ソート条件などを入力する、コンピュータの入力装置(マウス,キーボードなど)によって構成されるデータ入力部1と、入力された評価点数算出基準と抽出/ソート条件をそれぞれ評価点数算出基準ファイル8および抽出/ソート条件管理ファイル9へ登録するデータ登録部2と、予め任意に設定された品質データ管理ファイル10のチェックリスト件数および不良管理ファイル11の不良件数をプログラムの規模等で除算して得られるチェックリスト件数密度と不良件数密度を算出する項目密度算出部3と、種々の評価項目単位に予め任意に設定された品質管理データや不良管理データを基に、前記で登録された評価点数算出基準に従い評価点数を算出する評価項目別自動評価部4と、評価項目別自動評価部の計算結果から各評価項目の合計点数を算出する総合評価部5と、総合評価部の処理結果を基に前記で登録された抽出/ソート条件に従い抽出/ソートする抽出/ソート処理部6と、抽出/ソート処理結果を出力するデータ出力部7とから構成されている。
【0009】
ここで、データ入力部1は操作者からの操作指示を入力するキーボードやその他の入力装置によって、データ出力部7はCRTディスプレイやプリンタなどの装置によって構成され、また、評価点数算出基準ファイル8、抽出/ソート条件管理ファイル9、品質データ管理ファイル10および不良管理ファイル11はコンピュータの記憶装置,CPUあるいはメモリ上にプログラムやデータなどの形で実現されている。
【0010】
図2は、評価項目別自動評価部4および評価点数算出基準ファイル8のより詳細な構成とともに、評価項目別自動評価部4における処理を示す図である。
同図に示すように、評価点数算出基準ファイル8は、品質データ評価点数算出基準801、規模評価点数算出基準802、難易度評価点数算出基準803、不良重要度評価点数算出基準804、不良分析コード評価点数算出基準805を格納している。
【0011】
評価項目別自動評価部4は、品質データ点数算出部401,規模点数算出部402,難易度点数算出部403,不良重要度点数算出部404,および不良分析コード点数算出部405とから構成されている。
品質データ点数算出部401では、項目密度算出部3で算出されたチェックリスト件数密度と不良件数密度、および品質データ管理ファイル10のカバレージ率を基に、評価基準(目標)値に対する達成度を品質データ評価点数算出基準801に従って点数計算を行なう。
【0012】
規模点数算出部402では、実規模と基準規模を比較し規模評価点数算出基準802に従って点数計算を行なう。
難易度点数算出部403では、プログラムの難易度毎に難易度評価点数算出基準803に従って点数計算を行なう。
不良重要度点数算出部404では、不良の重要度毎に不良重要度評価点数算出基準804に従って点数計算を行なう。
不良分析コード点数算出部405では、不良分析コード毎に不良分析コード評価点数算出基準805に従って点数計算を行なう。
【0013】
図3は、入力されるデータと格納先のファイルの関係を示す図である。
入力されるデータとしては、各評価項目の評価基準(目標)値と基準点数や点数算出計算式等が評価点数算出基準ファイル8へ登録され、抽出キーやソート条件が抽出/ソート管理ファイル9へ登録される。
また、予め任意に設定されたファイルとして、プログラム名称、規模、難易度、チェックリスト件数、カバレージ率等からなる品質データ管理ファイル10と、不良の現象、原因、対策、重要度等の不良内容や不良分析コード等からなる不良管理ファイル11がある。
【0014】
以下、このような構成による本実施例の動作をフローチャートを用いて詳細に説明する。
図4は、本ソフトウェア品質評価装置の処理の流れを示すフローチャートである。まずデータ入力部1から入力データを読み込み(ステップ101)、入力データが全て終了していなければ(ステップ102:N)、データ登録部2により該読み込んだ入力データをファイルへ登録した後(ステップ103)、ステップ101に戻って次の入力データを読み込む。入力データの読み込みが全て終了すると(ステップ102:Y)、次に、データ登録部2から格納データを読み込む(ステップ104)。次に、項目密度算出部3において、品質管理ファイル10のチェックリスト件数および不良管理ファイル11の不良件数をプログラムの規模等で除算して得られるチェックリスト件数密度と不良件数密度を算出する(ステップ105)。
【0015】
次に、チェックリスト件数密度、不良件数密度、カバレージ率や規模、難易度、不良の重要度や不良分析コード等の各々の評価項目単位に、予め任意に設定された品質管理データや不良管理データを基に、各点数算出部(401〜405)では前記登録された各評価点数算出基準(801〜805)に従って対応する評価点数を算出する評価項目別点数算出サブルーチンを実行する(ステップ106)。次に、総合評価部5では、算出された各評価項目の合計点数を算出して総合評価を行う(ステップ107)。次に、抽出/ソート処理部6により、抽出/ソート条件管理ファイル9に登録されている抽出/ソート条件(機能単位や規模などの抽出条件や抽出した項目に対する昇順や降順などのソート条件)に従い抽出/ソートを行う(ステップ108)。最後に、データ出力部7により、抽出/ソート処理部6で抽出/ソート処理された結果(品質管理表)を出力する(ステップ109)。
【0016】
図5は、上述した評価項目別点数算出サブルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
まず、登録されてある評価点数算出基準ファイル8を読み込み(ステップ201)、チェックリスト件数密度、不良件数密度やカバレージ率の品質データが評価対象の場合(ステップ202:Y)、品質データ評価点数算出基準801を読み込み(ステップ203)、品質データ評価点数を算出する(ステップ204)。次に規模評価が対象の場合(ステップ205:Y)、規模評価点数算出基準802を読み込み(ステップ206)、規模評価点数を算出する(ステップ207)。次に、難易度評価が対象の場合(ステップ208:Y)、難易度評価点数算出基準803を読み込み(ステップ209)、難易度評価点数を算出する(ステップ210)。次に、不良重要度や不良分析コードが評価対象の場合(ステップ211:Y)、不良重要度評価点数算出基準804や不良分析コード評価点数算出基準805を読み込み(ステップ212)、また不良分析結果等を不良管理ファイル11から読み込み(ステップ213)、不良重要度/不良分析コード評価点数を算出する(ステップ214)。
【0017】
図6は、前述の品質データ評価点数算出基準801の例(a)と点数を算出する計算式の例(b)を示す図である。
同図(a)に示した品質データ評価点数算出基準の例は、品質データの評価項目であるチェックリスト件数密度,不良件数密度,およびカバレージ率の評価基準(目標値)を、それぞれn1件/ks,n2件/ksおよびn3%に設定し、それぞれの基準点数(持点)をk1,k2,およびk3とした場合を示している。なお、ここで「ks」は、キロステップすなわち1000ステップを示している。
【0018】
同図(b)の計算式の例は、▲1▼対象プログラムの実績値が評価基準値(目標値)に達成していた場合、評価点数は持点の基準点数とする。一方、▲2▼実績値が評価基準(目標値)に未達の場合、評価点数は基準(目標)に達する達成度を考慮し、実績値を評価基準値で除算した点数とする。このようにすることで、評価基準(目標)値に対する実績値の達成度割合が点数評価される。
【0019】
図7は、図6での基準点数を全て「1」点とした場合(k1=k2=k3=1)の4種類のプログラムの評価出力例を示す図である。
同図の例において、プログラム1は、カバレージ率,チェックリスト件数密度,不良件数密度がともに評価基準値(目標値)を超えているので、評価点数が全て「1」であり、合計評価点数が「3」点になる。プログラム2については、カバレージ率,チェックリスト件数密度,不良件数密度それぞれの実績値(20%,80件,8件)に対応して評価点数(0.3,0.8,0.8)を算出し、合計評価点「1.9」点を求める。同様にして、プログラム3については、実績値(60%,0.4,0.5)に対応した評価点数(0.8,0.4,0.5)の合計評価点数「1.7」点を、プログラム4については、実績値(0%,0,0)に対応した評価点数(0,0,0)の合計評価点数「0」の合計評価点数「0」点を求める。合計評価点数が小さいほど、品質向上の要求が大きい。以上により、4つのプログラムの中で優先付けができ、プログラム4,プログラム3,プログラム2,プログラム1の順で品質向上が必要であることが分かる。
【0020】
図8は、図6で示した基準点数を変動させた場合の評価出力例を示す図である。これはチェックリスト件数密度、不良件数密度、カバレージ率の中でカバレージ率を重要視して、チェックリスト件数密度と不良件数密度の基準点数(持点)を1点としたのに対して、カバレージ率の基準点数を2点とし、カバレージ率の達成度が低いものをより品質向上が優先的に必要とした場合である。
【0021】
この場合は、図7の場合と同様にして、プログラム1の合計評価点数「4」点、プログラム2の合計評価点数「2.2」点、プログラム3の合計評価点数「2.5」点、プログラム4の合計評価点数「0」点が得られる。この場合の品質向上が必要な順番は、プログラム4,プログラム2,プログラム3,プログラム1である。このように各評価項目の基準点数を変動させることによって、評価者が重要視する評価項目の優先度付けができ、重点的に品質向上を必要とするプログラムや機能の抽出が可能となる。
【0022】
図9は、(a)規模評価点数算出基準例、(b)難易度評価点数算出基準例、(c)不良重要度および不良分析コード評価点数算出基準例を示す図である。
同図(a)の規模評価点数算出基準例では、規模の大きなものをより品質向上が必要と考え、平均規模等の基準値との差異を基準点数に反映させている。また、同図(b)の難易度評価点数算出基準例では、難易度が高いものをより品質向上が必要と考え、予め設定した難易度を基準点数に反映させている。さらに、同図(c)の不良重要度および不良分析コード評価点数算出基準例では、不良の重要度について全体の不良件数に対する不良の重要度が高い件数が占める割合が高いもの、もしくは不良分析コードについて指定した不良分析コード件数が全体の不良件数に占める割合が高いものを、より品質向上が必要と考え、その割合の大小を基準点数に反映させている。
【0023】
図10は、これらの全ての評価項目に対して具体的な実績値を代入し、品質向上優先度を総合的に評価した場合の評価出力例を示す図である。同図の具体例では、合計評価点数が、プログラム1は「5」点、プログラム2は「3.4」点、プログラム3は「4.2」点、プログラム4は「1.5]点であり、品質向上が必要な順番は、プログラム4,プログラム2,プログラム3,プログラム1の順であることがわかる。
総合評価部5からの評価出力は、抽出/ソート処理部6により、抽出/ソート条件管理ファイル9に登録されている、どの項目を抽出して、どのようにソート(昇順/降順)するかなどの抽出/ソート条件に従って抽出/ソートを行った後、データ出力部7により、抽出/ソート処理結果を出力する。
【0024】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、前記評価項目以外にもテスト時間、CPU時間、機能マトリックス件数他、ソフトウェアの品質を定量的に表すことのできる評価指標であれば新たに評価項目とすることができる。また、入力データの入力作業もキーボードなどから手作業で入力してもよいし、他のデータファイルから本発明装置に転送することもできる。データ出力部における各データや表等の出力形式は上述した表形式以外の形式の図やグラフとすることもできる。
また、上記実施例の説明では、複数のプログラムについての品質向上の優先付け(優先順位の評価)について説明しているが、単一のプログラムについての品質向上の度合を評価することが可能なことはいうまでもない。
【0025】
以上説明したように、本実施例によれば、評価点数算出基準による評価項目別自動評価部と総合評価部により、ソフトウェアの各評価指標を評価基準に対する達成度合により詳細に客観的かつ定量的に点数算出することが可能となるため、品質が弱い順、いわゆる品質向上が必要とされる順に優先度付けされ、結果として精度が高く効率的な品質評価と効率的かつ効果的な品質向上作業を図ることができる。
また、各評価項目の基準点数を変動させることによって、評価者が重要視する評価項目の優先度付けができ、評価者が重点的に品質向上を必要と判断するプログラムや機能の抽出が可能となる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、各評価指標を点数評価することにより品質向上が必要とされる順に客観的にかつ定量的に優先度付けを行うことができ、精度が高く効率的な品質評価と効率的かつ効果的な品質向上作業を図ることが可能なソフトウェア品質評価装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のソフトウェア品質評価装置の一実施例を説明するための機能構成図である。
【図2】評価項目別自動評価部および評価点数算出基準ファイルのより詳細な構成とともに、評価項目別自動評価部における処理を示す図である。
【図3】入力されるデータと格納先のファイルの関係を示す図である。
【図4】本ソフトウェア品質評価装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】評価項目別点数算出サブルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】同品質データ評価点数算出基準と点数算出式を示す図である。
【図7】図6での基準点数を全て「1」点とした場合(k1=k2=k3=1)の4種類のプログラムの評価出力例を示す図である。
【図8】図6で示した基準点数を変動させた場合の評価出力例を示す図である。
【図9】規模評価点数算出基準例、難易度評価点数算出基準例、不良重要度および不良分析コード評価点数算出基準例を示す図である。
【図10】評価項目に対して具体的な実績値を代入し、品質向上優先度を総合的に評価した場合の評価出力例を示す図である。
【符号の説明】
1:データ入力部
2:データ登録部
3:項目密度算出部
4:評価項目別自動評価部
5:総合評価部
6:抽出/ソート処理部
7:データ出力部
8:評価点数算出基準ファイル
9:抽出/ソート条件管理ファイル
10:品質データ管理ファイル
11:不良管理ファイル
401:品質データ点数算出部
402:規模点数算出部
403:難易度点数算出部
404:不良重要度点数算出部
405:不良分析コード点数算出部
801:品質データ評価点数算出基準
802:規模評価点数算出基準
803:難易度評価点数算出基準
804:不良重要度評価点数算出基準
805:不良分析コード評価点数算出基準

Claims (5)

  1. ソフトウェアの品質を定量的に評価するソフトウェア品質評価装置において、
    評価点数算出基準ファイル・メモリにアクセスし、ソフトウェアの品質を規定する品質指標ごとに評価点数算出基準値を書き込むデータ登録手段と、
    前記評価点算出基準ファイル・メモリにアクセスし、評価対象のソフトウェアにおける品質指標ごとの実績値に対応する基準値を読み出し、CPUでそれぞれ点数計算を実施することで、前記実績値と前記基準値とを比較し、前記実績値が前記基準値以上あるか否かを判断し、前記実績値が前記基準値を達成している品質基準については、当該基準値を評価点数とし、前記実績値が前記基準値を達成していない品質基準については、前記CPU当該実績値を前記基準値で除して評価点数を算出する評価項目別自動評価手段と、
    前記評価点数の合計点数を前記CPUで算出する総合評価手段とを有し、
    前記合計点数により品質向上が必要な度合いを評価可能とすることを特徴とするソフトウェア品質評価装置。
  2. 前記総合評価手段は、複数のソフトウェアに対して品質向上に必要な度合いを評価し、品質向上に必要な順に優先付けを行うソフトウェア評価手段であることを特徴とする請求項1記載のソフトウェア品質評価装置。
  3. 前記品質指標は、チェックリスト件数密度、不良件数密度、カバレージ率、ソフトウェアの規模、ソフトウェアの難易度、全体の不良に占める重要度の高い不良の割合、もしくは定性的な不良分析項目の中で指定した分析項目件数が全体の分析項目件数に占める割合のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載のソフトウェア品質評価装置。
  4. 前記ソフトウェア評価手段は、複数の評価指標の中で重要視する評価指標の基準値を上げ、より優先度を高く付けた評価指標が全体評価点に占める割合を高くして、品質向上が必要な優先度を上げるよう点数付けする手段を具備することを特徴とする請求項2記載のソフトウェア品質評価装置。
  5. ソフトウェアの品質を定量的に評価するソフトウェア品質評価方法において、
    評価点数算出基準ファイル・メモリは、ソフトウェアの品質を規定する品質指標ごとに基準値を記憶し、
    評価項目別自動評価手段は、前記評価点算出基準ファイル・メモリにアクセスし、評価対象のソフトウェアにおける品質指標ごとの実績値に対応する基準値を読み出し、CPUでそれぞれ点数計算を実施することで、前記実績値と前記基準値とを比較し、前記実績値が前記基準値以上あるか否かを判断し、前記実績値が前記基準値を達成している品質基準については、当該基準値を評価点数とし、前記実績値が前記基準値を達成していない品質基準については、前記CPUで当該実績値を前記基準値で除して評価点数を算出し、
    総合評価手段は、前記評価点数の合計点数を前記CPUで算出し、前記合計点数により品質向上が必要な度合いを評価可能とすることを特徴とするソフトウェア品質評価方法。
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