JP3702504B2 - 放電灯点灯装置および照明装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば放電灯等の点灯に使用されるインバータを有する放電灯点灯装置及び照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の装置として、交流電源からの入力力率を向上し、入力電流の歪みを低減するため、本願出願人は、「電源装置、放電灯装置および照明装置」を提案した(特願平7−41120)。図10は、かかる装置の概略図である。図10において、100は商用交流電源にチョークコイル101およびコンデンサ102からなるフィルタ回路が接続され、このフィルタ回路にダイオードブリッジの整流装置103が接続されている。また、整流装置103の出力端間には、FET(電界効果トランジスタ)等からなる第1及び第2のスイッチング装置104及び105が接続されている。
【0003】
一方の第1のスイッチング装置104と並列に、例えばリーケージトランスで構成されるインダクタ106の一次巻線106−1及び平滑用の第1のコンデンサ107の直列回路が接続されている。
【0004】
インダクタ106の二次巻線106−2は出力回路を形成し、二次巻線106−2には負荷として蛍光ランプ等の放電灯108が接続され、放電灯108のフィラメント間にはフィラメント予熱用のコンデンサ109が接続されている。
【0005】
他方のスイッチング装置105には、インダクタ106の一次巻線106−1を介して小容量の第2のコンデンサ110が並列接続されている。この一次巻線106ー1と第2のコンデンサ110により、スイッチング装置104及び105のスイッチング周波数で共振作用を生ずる。
【0006】
さらに、スイッチング制御手段111は、スイッチング装置104及び105を一定の周波数でオンオフ制御するもので、入力電圧の大きさを検知する検知手段111−1及びこの検知手段の検知電圧の大きさに応じてオン期間を変化させる発信手段111−2を備えている。TO は、外部からの制御信号を入力する端子である。
【0007】
上記構成において、商用交流電源100からの交流電圧をチョークコイル101とコンデンサ102によるフィルタ回路を介して整流装置103に入力し、全波整流を行い、第1のコンデンサ107により平滑化する。第1及び第2のスイッチング装置104及び105は、高い周波数で交互にオンオフし、インダクタ106の二次巻線106−2に高周波交流電圧を誘起して放電灯108を点灯させる。また、第2のコンデンサ110及びインダクタ106の一次巻線106−1により共振電圧を発生し、この共振電圧の作用により整流装置103で整流された波高値が低い期間でも高力率でしかも低歪みの出力電圧が得られるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放電灯108を点灯させる際、図11に示すように、インダクタ106の一次巻線106−1と第2のコンデンサ110の共振作用により始動時には、直列共振周波数(f0 )より周波数の高い誘導領域で動作させるようにしている。また、インダクタ106の二次巻線106−2に誘起される二次電圧(V20)が放電灯108の始動に不十分な場合(低い場合)には、共振周波数に近付けることにより所要とする高電圧の二次電圧を得るようにしている。これは、誘導領域での遅れ電流を用い、二次巻線106−2に誘起される高周波リップル電圧の低歪み化を図るためであるが、上述のような動作範囲で二次電圧を発生させると高周波リップル電圧も上昇する。
【0009】
即ち、図12に示すように、整流装置103の出力電圧に重畳した高周波リップル電圧の全体が上昇し、この電圧がスイッチング装置104及び105にかかることになる。このため、スイッチング装置104及び105には、リップル電圧の上昇を考慮にいれた高耐圧のスイッチング素子が必要となり装置が高価となる。
【0010】
従って、本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、二次電圧発生時の高周波リップル電圧の低い部分で放電灯を始動できる放電灯点灯装置及び照明装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る放電灯点灯装置は、商用交流電源に接続され、該電源の電圧を全波整流した平滑前の電圧を出力する整流装置と;整流装置の出力端間に互いに直列的に配置され、バイポーラトランジスタとこのトランジスタに並列接続されたダイオードとにより構成されるか、または、電界効果トランジスタにより構成され、前記整流装置の出力周波数より高い周波数でオンオフする一対のスイッチング装置と;一方のスイッチング装置の両端間に設けられた平滑用の第1のコンデンサおよびインダクタの直列回路と;一対のスイッチング装置のオンオフに応じて前記インダクタと共同して共振する第2のコンデンサと;前記インダクタおよび第2のコンデンサの共振に基づいて高周波出力を得る出力回路と;前記出力回路に接続され、高周波出力により点灯され、フィラメント加熱用コンデンサが両端間に接続された放電灯と;を具備し、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとが直列接続され、該直列接続された第1と第2のコンデンサが前記整流装置の出力端間に接続されており;直列接続された前記2つのスイッチング装置の接続点と、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの接続点との間に、前記インダクタが接続されており;前記インダクタの一次巻線と二次巻線、前記放電灯のフィラメント及び前記加熱用コンデンサにより負荷回路が構成され;前記負荷回路が直列共振回路として動作するときの第1の共振周波数から、前記負荷回路が並列共振回路として動作するときの第2の共振周波数に0.8を乗じた周波数までの範囲に、前記放電灯の始動時の動作周波数を設定したものである。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の放電灯点灯装置において、出力回路の放電灯始動時の動作周波数の所定範囲を第1の共振周波数と、第2の共振周波数に所定値を乗じた周波数との間に設定したものである。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の放電灯点灯装置において、第1の共振周波数を出力回路の直列共振周波数とし、第2の共振周波数を出力回路の並列共振周波数とした。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の放電灯点灯装置において、インダクタをリーケージトランスで構成した。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置に置いて、一対のスイッチング装置のスイッチング周波数を一定とし、パルス幅を変更して出力できるようにしたスイッチング制御装置を有する。
【0018】
請求項5に係る発明は、照明装置本体と;照明装置本体に装着した請求項1〜4のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置と;を備えている。
【0019】
本発明では、整流装置の出力を第1のコンデンサにより平滑し、インダクタと第2のコンデンサは、一対のスイッチング装置のオンオフに応じて共振電圧を発生する。共振電圧により、前記インダクタの二次側、即ち出力回路に整流装置の出力の谷部が上昇した高周波リップル電圧が得られる。出力回路に接続された放電灯を点灯始動させる際、出力回路の動作周波数を予め定めた範囲内に設定する。このように、動作周波数を並列共振周波数に合わせて設定することにより、無負荷二次電圧発生時に高周波リップル電圧の上昇を抑制することができる。
【0021】
請求項3に係る発明では、インダクタをリーケージトランスで構成したものである。
【0022】
請求項4に係る発明では、スイッチング制御装置から、一対のスイッチング装置のスイッチング周波数を一定にしてパルス幅を変更して出力することにより、インダクタの二次側に発生する二次電圧の高低を調整できる。
【0023】
請求項5に係る発明では、各請求項における放電灯点灯装置を用いて同様の作用により照明装置の放電灯を点灯することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図1〜図5を参照して説明する。図1は、本発明の放電灯点灯装置の構成を示すブロック図、図2は、図1の負荷回路の等価回路図、図3は、図1の実施例の負荷回路の動作周波数に対するインピーダンスの軌跡を示す図、図4は、実施例の始動時の動作周波数範囲を示す図、図5は、図1の実施例のスイッチング装置の駆動パルス幅と二次電圧の関係を示す図である。
【0025】
図1において、例えば商用交流電源1に高速スイッチング特性のダイオードブリッジで構成される整流装置2が接続されている。整流装置2の出力端間には、第1のスイッチング装置3及び第2のスイッチング装置4が直列に接続されている。これらスイッチング装置3及び4は、バイポーラトランジスタ等で構成され、夫々のコレクタ−エミッタ間には逆電流通流用のダイオードD3及びD4が接続される。スイッチング装置3及び4は、例えば電界効果トランジスタ(FET)でもよく、この場合には、構造上寄生ダイオードが内蔵されているので、逆電流通流用として利用でき、ダイオードD3及びD4は不要となる。
【0026】
第1のスイッチング装置3と並列に、例えば通常のリーケージトランス等の絶縁トランスで構成されるインダクタ5の一次巻線5−1と平滑用の大容量の第1のコンデンサ6の直列回路が接続されている。
【0027】
インダクタ5の両端には出力回路が形成され、二次巻線5−2が出力回路となる。二次巻線5−2には負荷として、例えば蛍光ランプ等の放電灯7が接続され、放電灯7のフィラメント間にはフィラメント予熱用のコンデンサ8が接続されている。これら、インダクタ5の一次巻線5−1、二次巻線5−2、放電灯7及びコンデンサ8により負荷回路9が形成される。
【0028】
さらに、第2のスイッチング装置4には、インダクタ5の一次巻線5−1を介して、共振用の比較的小容量の第2のコンデンサ10が並列に接続されている。この第2のコンデンサ10は、インダクタ5のインダクタンスとの共同により、スイッチング装置3及び4のスイッチング周波数で振動波形を生ずる値に選定されている。
【0029】
また、11はスイッチング制御装置で、スイッチング装置3及び4を高周波数で交互に駆動するパルスを発生する。なお、スイッチング制御装置11は、一定のスイッチング周波数の下で、パルス幅を図5に示すように変更可能に構成され、パルス幅を変えることによりインダクタ5の二次巻線5−2に生ずる二次電圧(V20)の大きさを調整できるようになっている。
【0030】
上述の実施例の作用を説明する。商用交流電源1の電圧は、整流回路2により全波整流される。スイッチング制御装置11により第1及び第2のスイッチング装置3及び4は、電源周波数より高い周波数で交互にオンオフ駆動され、インダクタ5の二次巻線5−2に高周波交流電圧を誘起し、放電灯を点灯させる。また、第2のコンデンサ10とインダクタ5の一次巻線5−1により共振電圧を発生し、この共振作用により、整流装置2で整流された電圧の波高値が低い期間でも商用交流電源1から十分な電流を流すことができるので、高力率化、低歪み化が得られる。
【0031】
次に、本実施例の放電灯の動作周波数について図2を参照して詳細に説明する。図2(a)は、インダクタL及び容量Cによる負荷回路で、L1 を端子T1 及びT2 間に並列接続し、L2 を放電灯7の一方のフィラメントと端子T1 間に接続すると共に、放電灯7の両フィラメント間に予熱用のコンデンサCf を接続したものである。なお、ZL は、負荷回路の端子T1 及びT2 側からみたインピーダンスである。
【0032】
図2(b)は、図2(a)に基づく負荷回路9の放電灯7の始動時における等価回路を示し、始動時には放電灯7のフィラメント抵抗Rf (以下、単にRf と称する。)が、L2 とCf 間及びCf とL1 間に直列に存在する。
【0033】
この場合、第1の共振周波数としての直列共振周波数f1 は、L2 とCf の共振により、f1 =1/2π(L2 ・Cf 1/2 となり、この直列共振周波数f1 でインピーダンスZL が小さくなる。
【0034】
また、第2の共振周波数としての並列共振周波数f2 は、(L1 +L2 )とCf の共振により、f2 =1/2π{(L1 +L2 )・Cf 1/2 となり、この並列共振周波数f2 でインピーダンスZL は大きくなる。
【0035】
従って、負荷回路9におけるインダクタ5の一次及び二次巻線5−1及5−2のインダクタンス及びコンデンサ8の容量は、上記式により求められる直列共振周波数f1 及び並列共振周波数f2 に適合した値が選定される。
【0036】
本例では、共振周波数が0.8・f2 ≦f1 の範囲で点灯し(この時は誘導領域動作)、始動時(フィラメント負荷時)は、図3に示すようにインピーダンスが大きくなることを利用する。同図から明らかなように、上記インピーダンスZL は、周波数に応じて円形の軌跡を描く。インピーダンスZL の軌跡は、横軸が純抵抗分(Re)で、縦軸がリアクタンス分(Xe)を示している。図3において、実数分の抵抗値がほぼ最大となる点(1,500 Ω付近)が並列共振周波数f2 となり、実数分及び虚数分が最小となる点が直列共振周波数f1 となる。
【0037】
即ち、並列共振周波数f2 付近でインピーダンスZL が大きくなると、負荷回路9に流れる無効電流が減少して高周波リップル電圧が低下するので、この直列共振周波数f1 と並列共振周波数f2 の範囲内で放電灯7の始動時の動作点を選定すればよいことが解る。
【0038】
図4は、斯かる放電灯の始動時の動作周波数範囲を示す。図4から明らかなように、本実施例による動作周波数範囲では、放電灯7にかかる二次電圧V20及び高周波リップ電圧VDCは低下し、この範囲内で放電灯7を始動できるので、高周波リップル電圧の低い部分を使用でき、スイッチング装置3及び4に高周波リップル電圧の上昇分を見込んだ高耐圧の素子の使用を回避できる。
【0039】
なお、本例においては、第2の共振周波数である並列共振種は数f2 に所定値として例えば(0.8)を乗じた周波数を下限としている。これは、動作周波数を(0.8)以下にすると、再び高周波リップル電圧が大きくなり、並列共振周波数f2 以下でインピーダンスZL が直列共振周波数の(1/2・f1 )の周波数までは小さくなるためである。
【0040】
図2に戻り、図2(c)は、負荷回路9の放電灯7の点灯後の等価回路を示し、放電灯の点灯中の抵抗分RL (以下、単にRL と称する。)が、L2 と一方のRf の接続点、及びL1 と他方のRf の接続点に挿入される。この場合、L1 、L2 、Cf 及びRf の値は、いずれか一方のスイッチング装置3(4)を遅れ電流でスイッチング可能となるような定数に設定すればよい。
【0041】
図6は、第2の実施例を示し、インダクタ5の一次巻線5−1とスイッチング装置3及び4の接続点T1 との間に限流インダクタ60を直列に挿入することもできる。この場合は、限流インダタ60が、放電灯7の限流インピーダンスとして作用する。全体の動作については、上記第1の実施例と同様のため、説明を省略する。
【0042】
図7は、第3の実施例を示す回路図である。この実施例において、負荷回路9aの等価回路は図8に示すようになる。なお、Zは、以下説明する各等価回路のインピーダンスを表している。図8(a)の等価回路は、インダクタ5aの一次巻線5a−1の励磁インダクタンスであるLp(以下、単にLpと称する。)と、直列の漏れインダクタンスLb(以下、単にLbと称する。)を有する一次側回路と理想トランスで結合された二次側回路の形状となる。二次回路側には、理想トランスの二次巻線に並列に放電灯9の点灯後の抵抗分RL (以下、単にRL と称する。)が接続されると共に、フィラメント抵抗Rf (以下、単にRf と称する。)と予熱用のコンデンサ8のリアリタンス1/ωCf の直列回路が接続されたものとなる。この場合、理想トランスの一次巻線及び二次巻線の巻数は、夫々N1 及びN2 とする。また、インダクタ5aの一次と二次巻線の結合係数をkとする。
【0043】
上記において、漏れインダクタンスLbは、Lb={(1−k2 )/k2 }・Lpとなり、nは、理想トランスの2次側インピーダンスを1次側インピーダンスに換算する比で、n=(N1 /N2 2 と置いている。
【0044】
図8(a)の等価回路は、図8(b)のように簡略化できる。即ち、Lbを介して、n倍された放電灯7の点灯後の抵抗n・RL と、n倍された放電灯のフィラメント抵抗n・Rf 及びn倍されたリアタンスn/ωCf との直列回路とが並列に接続されたものである。
【0045】
さらに、図8(b)の等価回路は、さらに図8(c)に示すように簡略化できる。即ち、リアクタンス分ωLeと抵抗分Reの直列回路で表すことができる。このように簡略化された、等価回路のインピーダンスは、次に示す式で計算できる。
【0046】
【数1】
Figure 0003702504
【0047】
また、Zの実数部Reは、Re:=Re(Z)であり、
【0048】
Zの虚数部Leは、Le:=Im(Z)/ωである。
【0049】
さらに、図8(c)の等価回路の直列共振周波数f1 及び並列共振周波数f2 は夫々、
【0050】
【数2】
Figure 0003702504
【0051】
【数3】
Figure 0003702504
で計算できる。
【0052】
本例において、インダクタ5aとしてリーケージトランスを使用した場合にも、上述した等価回路のインピーダンスZは、前述した実施例と同様、図3に示すように周波数に応じて円形の軌跡を描く。
【0053】
なお、実験によると、リーケージトランスの他の条件としての各定数は、次のようになる。
Lp =0.5766(mH)(一次インダクタンス)
Lps=0.4235(mH)(二次側短絡時の一次インダクタンス)
Ls =2.387 (mH)(二次インダクタンス)
Lss=1.77 (mH)(一次側短絡時の二次インダクタンス)
k=0.5153
n=0.9097
【0054】
また、放電灯7の点灯後の等価回路のインピーダンスZの純抵抗分Re、リアクタンス分Le、及び点灯後の放電灯7の抵抗分RL は、次のようになる。
Re=37.5(Ω)
Le=0.4267(mH)
L =600(Ω)
【0055】
図9は、照明装置の一実施例を示す外観図である。90は、照明装置本体であり、例えば天井などに配設され、この本体90に放電灯7が装着されると共に、前述した放電灯点灯装置が内蔵されている。また、放電灯点灯装置は、本体90内に設けることなく、本体外に配置することもできる。
【0056】
なお、本発明は上述した実施例に限ることなく、本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成をとり得ることはもちろんである。例えば整流装置は、高速用ダイオード或いは低速用ダイオードのいずれでも使用できる。低速用のダイオードを使用した場合には、整流装置の出力側に高速用のダイオードを接続するようにしてもよい。また、前述の各実施例を適宜組み合わせることもできる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、放電灯の始動時の動作周波を高周波リップル電圧の低い部分に設定できるので、無負荷時の二次電圧の上昇も抑えることができ、スイッチング装置に通常の耐圧の素子が使用でき、コストの増加を防止できる利点がある。
【0059】
請求項3に記載の本発明によれば、リーケージトランスを使用することにより、限流インダクタを設けることなく、放電灯の限流インピーダンスの作用が得られ、回路が簡略化できる。
【0060】
また、請求項4に記載の本発明によれば、スイッチング装置のパルス幅を変更できるようにしたので、放電灯に加わる二次電圧が調整でき、設計の自由度が大きくなる。
【0061】
また、請求項4に記載の本発明によれば、スイッチング制御装置から一対のスイッチング装置のスイッチング周波数を一定にしてパルス幅を変更して出力できるので、インダクタの二次側に発生する二次電圧の高低を調整できる利点がある。
【0062】
更に、請求項5に記載の本発明によれば、本発明の放電灯点灯装置を照明装置に使用することにより、放電灯の駆動電流の脈動が小さくなり、光リップルを減少できる利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放電灯点灯装置の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の負荷回路の等価回路を示す図である。
【図3】実施例の負荷回路のインピーダンスの軌跡を示す図である。
【図4】図1の実施例の放電灯始動時の動作周波数範囲を示す図である。
【図5】図1の実施例の二次電圧とスイッチング装置のパルス幅の関係を示す図である。
【図6】第2の実施例の要部構成を示す図である。
【図7】第3の実施例の構成を示すブロック図である。
【図8】図7の実施例の負荷回路の等価回路を示す図である。
【図9】本発明の照明装置を示す外観図である。
【図10】従来例を示す回路図である。
【図11】図10の放電灯の動作点を示す図である。
【図12】図10の整流装置の出力波形図である。
【符号の説明】
2 整流装置
3、4 第1・第2のスイッチング装置
5 インダクタ
6 第1のコンデンサ
7 放電灯
8 コンデンサ
9 負荷回路
10 第2のコンデンサ
11 スイッチング制御装置

Claims (5)

  1. 商用交流電源に接続され、該電源の電圧を全波整流した平滑前の電圧を出力する整流装置と;
    整流装置の出力端間に互いに直列的に配置され、バイポーラトランジスタとこのトランジスタに並列接続されたダイオードとにより構成されるか、または、電界効果トランジスタにより構成され、前記整流装置の出力周波数より高い周波数でオンオフする一対のスイッチング装置と;
    一方のスイッチング装置の両端間に設けられた平滑用の第1のコンデンサおよびインダクタの直列回路と;
    一対のスイッチング装置のオンオフに応じて前記インダクタと共同して共振する第2のコンデンサと;
    前記インダクタおよび第2のコンデンサの共振に基づいて高周波出力を得る出力回路と;
    前記出力回路に接続され、高周波出力により点灯され、フィラメント加熱用コンデンサが両端間に接続された放電灯と;を具備し、
    前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとが直列接続され、該直列接続された第1と第2のコンデンサが前記整流装置の出力端間に接続されており;
    直列接続された前記2つのスイッチング装置の接続点と、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの接続点との間に、前記インダクタが接続されており;
    前記インダクタの一次巻線と二次巻線、前記放電灯のフィラメント及び前記加熱用コンデンサにより負荷回路が構成され;
    前記負荷回路が直列共振回路として動作するときの第1の共振周波数から、前記負荷回路が並列共振回路として動作するときの第2の共振周波数に0.8を乗じた周波数までの範囲に、前記放電灯の始動時の動作周波数を設定したことを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 前記放電灯の始動時の動作周波数を前記第1の共振周波数から、前記第2の共振周波数までの間に設定したことを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 前記インダクタをリーケージトランスで構成したことを特徴とする請求項1に記載の放電灯点灯装置。
  4. 一対のスイッチング装置のスイッチング周波数を一定とし、パルス幅を変更して出力できるようにしたスイッチング制御装置を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置。
  5. 照明装置本体と;
    照明装置本体に装着した請求項1〜4のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置と;
    を具備してなることを特徴とする照明装置。
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