JP3701544B2 - 鉛蓄電池の負極板の製造法並びに鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛蓄電池の負極板の製造法並びに鉛蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉛蓄電池の負極板は溶解析出を伴う充放電反応を行うことから、充放電サイクルを行うと、発生するPb2+イオンが元にあった場所から拡散して別な場所で析出するために、活物質が収縮する現象がある。活物質が収縮してしまうと、反応表面積の減少や極板亀裂を起こし、正常な充放電反応や集電ができず、電池が作動しなくなる。かゝる不都合を防止するため、放電時に生成する硫酸鉛の核となる市販の硫酸バリウム粉末を負極板の活物質中に添加し、均一に存在させて、負極板の収縮を防止することとは古くから知られているが、市販の硫酸バリウム粉末は、製造時、保管時或いは輸送時などにおいて二次凝集を起こし、負極活物質ペーストの調製時に添加するときには、核として有効な1ミクロン以下の微細な粒子のものが殆どなくなるため、その混練において、活物質ペースト中に均一に混じることなく、従って、この活物質ペーストを鉛格子基板に充填して製造した負極板の収縮を抑える効果が低下する不都合を回避できなかった。
この不都合を解消するため、特開昭58−111263号公報の発明では、鉛蓄電池の負極板の製造において、負極活物質ペーストの混練時に、該ペーストに直接水酸化バリウム水溶液と硫酸とを添加し練合して反応させて負極活物質ペースト中に、二次凝集なく微細な硫酸バリウム粒子を均一に生成せしめることにより負極板の寿命を向上した負極板を製造することを開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、特開昭58−111263号公報の発明では、水酸化バリウムと希硫酸とを負極活物質ペースト中に直接添加するので、添加した硫酸の一部は、水酸化バリウムと反応しないで負極活物質であるPbやPbOと反応して消費され、原料として投入の水酸化バリウムと硫酸と反応して予定される硫酸バリウムの析出生成量が得られない一方、硫酸濃度が低い反応となるので、生成された硫酸バリウム粒子は比較的大きなものになってしまう不都合な結果をもたらす。
従って、上記従来の技術の不都合を解消し、原料として使用するバリウムと硫酸を無駄なく反応させて確実に所定量の一次粒子の硫酸バリウムを生成析出せしめ、而も一次粒子の状態で負極活物質ペースト中に均一に混在したものを容易迅速に負極活物質ペーストを調製し、これを用いて防縮効果の向上した負極板の製造法の開発が望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来の課題を解決し、原料として使用するバリウム量と硫酸量を無駄にすることなく反応させ、且つ硫酸バリウムの凝集が確実に防止されると共に予定量の硫酸バリウムを生成せしめて、これを負極活物質ペースト中に不定量の硫酸バリウムを確実に添加し、且つ均一に分散混在せしめられた負極活物質ペーストを調製し得られ、これを用いて収縮防止効果の優れ且つサイクル寿命の向上した鉛蓄電池をもたらす負極板の製造法を提供するもので、バリウムイオンと硫酸イオンとの反応により硫酸バリウムを析出せしめた反応液、またはこれを濃縮して得られた反応液、或いはこれを濾過により残渣として得られる泥状の反応液の各反応液中の硫酸濃度を1M以上に調製すること、次で、該硫酸濃度1M以上の反応液を負極活物質ペーストの調製時に添加し、混練して負極活物質ペーストを調製することから成る工程を特徴とする。
更に、本発明は、上記の鉛蓄電池用負極板の製造法において、該硫酸濃度1M以上の反応液に、硫酸バリウムの分散剤を添加、撹拌することを特徴とする。
更に本発明は、高容量を維持し、長寿命の鉛蓄電池を提供するもので、負極板として、上記の本発明の負極板を用いたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、先ず第一工程として、バリウム系原料のバリウムイオンと希硫酸の硫酸イオンとを反応させ硫酸バリウムを析出させた反応液を調製する。
硫酸水溶液中でバリウムイオンを生成するバリウム系原料としては、金属バリウム、水素化バリウム、ハロゲン化バリウム、硫化バリウム、酸化バリウム、水酸化バリウム、炭化バリウム、その他のバリウム化合物から選択した少なくとも1種を使用し、硫酸イオンを生成する希硫酸としては、反応後反応液中に1M以上の硫酸が残る硫酸濃度の希硫酸を使用する。
【0006】
容器内に入れた上記の硫酸に、常温で、バリウム系原料の1種の好ましくは粉粒を徐々に添加し、撹拌し乍ら、硫酸と反応させ、硫酸バリウムを析出させ、硫酸水溶液中に所定量の硫酸バリウムを確実に含む反応液を得る。
この場合、特に、核として有効な1ミクロン以下の硫酸バリウムを析出させるには、原料として用いる希硫酸中の硫酸濃度は、これをバリウム系原料の1種と常温で反応させた後、その反応液中に少なくとも1Mの硫酸が残るようにする。この場合、硫酸とバリウム系原料とは常温で烈しく撹拌することにより予定量の硫酸バリウムが確実に得られる。反応液中の硫酸濃度が1M未満であると直ちに活物質ペースト中に添加混練する場合は問題ないが、反応液の状態で放置すると、硫酸バリウムの一次粒子の結晶が生長し、1μm以上となるので、好ましくない。このように、本発明は、上記のように所定量のバリウム系原料と所定濃度の硫酸とを直接反応させるので、粒径1ミクロン以下の所定量の硫酸バリウムを含む反応液が確実に得られる。
【0007】
このようにして上記の反応液を調製した後、この反応液を、PbOを主体とする鉛粉に導電剤などの添加剤と結着剤と水とを添加、混練して負極活物質ペーストを調製するときに添加し、その全体を混練する。然るときは、粒径1ミクロン以下の微細粒子から成る所定量の硫酸バリウムが確実に添加し得られ、而も硫酸バリウムが二次凝集することなく、均一に分散し混在した状態の良質の負極板の防縮効果の向上し得る負極活物質ペーストが確実に得られる。この負極活物質ペーストの調製において、硫酸バリウムを負極活物質に対し添加量が0.1〜2.0質量%添加するときは、特に鉛蓄電池が容量を長期に亘り高容量に維持する負極板が得られる。
【0008】
尚、硫酸バリウムを含有する反応液は、負極活物質ペーストに添加するには、そのまゝ、或いはこれをメンブランフィルターなどを用いて濃縮して得られる小容量とした反応液としたもの、或いは、該反応液を濾過して大部分の液を分離し、残渣である小容量の硫酸で濡れた状態の硫酸バリウムから成る泥状の反応液としたものの各反応液中の硫酸濃度を1M以上とした反応液に調製したものから所望に応じ選択し、これを負極活物質ペーストの調製時に添加することが好ましい。
【0009】
容器内の硫酸バリウムを含有する反応液は、これを長時間放置すると、当初懸濁状態にある1μm以下の微細な硫酸バリウムは、沈下堆積し比較的再分散が可能な大きな固塊となることが観察されたが、これにカルボキシメチルセルロースなどの分散剤を添加し、一旦撹拌混合しておくことにより、長時間放置しても、硫酸バリウムの沈下、凝集が防止でき反応液中に分散し懸濁状態を維持することが認められた。
従って、上記の反応作業終了後の反応液を直ちに負極活物質ペースト中に添加することが一般であるが、必要に応じ、この反応液に、或いはその濃縮した反応液、或いは泥状の反応液、換言すれば、硫酸バリウムスラリーに、分散剤を添加、撹拌することにより、前記の反応作業終了後これらを直ちに負極活物質ペーストに添加する必要がなくなり、保管などし、必要に応じ使用するようにすることができ、作業場都合が良い。
【0010】
尚、分散剤としては、前記のCMCの他、例えば、メチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、リグニンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム等が使用でき、その量は0.01〜1質量%が好ましい。
【0011】
このようにして調製した硫酸バリウム含有の反応液、濃縮した反応液或いは泥状の、即ち、スラリー状の反応液を混練して成る鉛負極ペーストを常法により鉛格子基板に充填し、熟成、乾燥、加圧して本発明の負極板が得られる。
【0012】
この負極板を、正極板とセパレータを介して積層して極板群とし、鉛電池電槽に収容し、施蓋して本発明の鉛蓄電池とする。この本発明の負極板を用いた鉛蓄電池につき、充放電サイクル試験を行った所、従来の負極板を組み込んだ鉛蓄電池に比し高容量を維持し、サイクル寿命の向上した鉛蓄電池を製造することができることを確認した。
【0013】
次に、本発明の具体的な実施例につき詳述する。
反応液の調製:
試薬特級の炭酸バリウム粉末845.5gを、容器内に投入し烈しく撹拌中の硫酸濃度6.5Mの希硫酸10リットルに投入し、両者を反応させ硫酸バリウムを析出させた。投入時は激しく炭酸ガスを発生したが、経時的にその発生は穏やかになり、遂にはその発生は止んだ。かくして24時間撹拌を継続して反応を完了させた。反応液は硫酸バリウムの微細な粒子の析出により白濁した乳濁状の反応液約10リットルを得た。該反応液には1000g、即ち、1Kgの硫酸バリウムを含有し且つ硫酸濃度は約6Mであった。これを反応液Aとした。
前記の試薬特級の炭酸バリウム粉末725.8gの代わりに、試薬特級の硫化バリウム725.8gを用い、これを前記と同じ6.5Mの希硫酸10リットルに投入し、前記と同様にして反応させ、1000g、即ち、1Kgの硫酸バリウムを含有し且つ硫酸濃度約6Mの反応液約10リットルを得た。これを反応液Bとした。
前記の反応液A10リットルをメンブランフィルターを用い、1Kgの硫酸バリウムを含有する濃縮した硫酸濃度6.5Mの反応液1リットル得た。これを反応液Cとした。
また、前記の反応液C1リットルに、分散剤としてポリビニルアルコールを5g、即ち、0.5%添加し、撹拌した後50℃で10日間放置した1Kgの懸濁状態の硫酸バリウムと分散剤が溶解した粘性の反応液を得た。これを反応液Dとした。
【0014】
これら反応液A,B,C中の析出物につき、その組成を確認するためX線回折パターンを測定したところ、硫酸バリウムであることを確認した。また、これら反応液A,B,C中の硫酸バリウムの粒度分布を0.1μm以上の粒径を計測できるレーザー回折式粒度分布計を用いて測定したところ、非常に細かく、測定下限以下であり測定不可能であった。
また、上記の反応液Dについて、SEM観察したところ、硫酸バリウムは凝集することなく一次粒子を保持していることを確認した。
多くの比較試験の結果、一般に、反応液中の硫酸バリウムの結晶の生長を抑制し、1μm以下を保持するには、反応液中の硫酸濃度を1M以上に保持することで可能であることが判った。このことから、反応液の濾過後の残渣である少量の1M以上の硫酸で濡れた硫酸バリウムのスラリー状の反応液は、水洗することなくそのまゝ使用することが好ましいことが判った。
負極活物質ペーストの調製:
上記の硫酸バリウム1Kgを含有し、硫酸濃度約6Mの反応液A1リットル及び硫酸濃度約6Mの反応液B10リットルの夫々を、ボールミル法によって製造した負極活物質、即ち、酸化鉛を主体とする鉛粉100Kgに添加し、換言すれば、硫酸バリウムを負極活物質に対し1重量%添加し、更に導電剤としてカーボン粉末0.1Kg及び粘稠剤としてリグニンスルホン酸ナトリウム0.2Kgを添加し、その全体を混練して負極活物質ペーストA′及びB′を夫々調製した。
上記の硫酸バリウム1Kgを含有し、硫酸濃度6.5Mの濃縮した反応液C1リットルを、前記の鉛粉100Kgに添加し、換言すれば、硫酸バリウムを負極活物質に対し1重量%添加し、更にカーボン粉末0.1Kg及びリグニンスルホン酸ナトリウム0.2Kgを添加し、更に、6.5Mの希硫酸9リットル添加し、その全体を混練して負極活物質ペーストC′を調製した。
上記の反応液D1リットルを、前記の鉛粉100Kgに添加し、換言すれば、硫酸バリウムを負極活物質に対し1重量%添加し、更にカーボン粉末0.1Kg及びリグニンスルホン酸ナトリウム0.2Kgを添加し、更に、6.5Mの希硫酸9リットル添加し、その全体を混練して負極活物質ペーストD′を調製した。
【0015】
比較のため、下記の調製法により負極活物質ペーストを調製した。
比較例1
特級試薬硫酸バリウム粉末1Kgを前記の負極活物質100Kgに添加し、換言すれば、硫酸バリウムを負極活物質に対し1重量%添加し、更にカーボン粉末0.1Kg及びリグニンスルホン酸ナトリウム0.2Kgを添加し、更に、6.5Mの希硫酸10リットル添加し、その全体を混練して負極活物質ペーストEを調製した。尚、一次粒子が原料とした硫酸バリウム粉末は、SEM観察により、その大部分が数十μmに凝集していることが認められた。
比較例2
前記の反応液Aを濾過して硫酸バリウムを残渣として分取し、更にこれを水洗した後乾燥し、得られた硫酸バリウム粉末をミルにより粉砕して硫酸バリウム粉末を得た。この場合、硫酸バリウムの一次粒子は非常に細かいので、濾過工程に相当の時間がかゝり、またその一部が濾紙を通過してしまうので、収率は70%に満たなかった。従って、前記と同じ反応液Aを新たに作製し、同様にして硫酸バリウム粉末を得て、この一部を先に取得した硫酸バリウム粉末に加えて、全体で硫酸バリウム粉末が1Kgとなるようにした。この硫酸バリウム1Kgを負極活物質1重量%添加し、以下比較例1と同様にして負極活物質ペーストFを調製した。尚、原料とした硫酸バリウム粉末は、SEM観察によりその大部分が数十μmに凝集していることが認められた。
比較例3
炭酸バリウム粉末845.5gと硫酸濃度6.5Mの希硫酸10リットルとを、前記の負極活物質100Kg、カーボン粉末0.1Kg及びリグニンスルホン酸ナトリウム0.2Kgの混合物中に添加し、その全体を充分に混練して負極活物質ペーストGを調製した。
【0016】
負極板の製造:
上記の負極活物質ペーストA′,B′,C′,D′,E,F,Gの夫々について、その各負極活物質ペーストを、常法に従って多孔基板として、例えば、鉛合金格子基板、例えば、Pb−Sn−Ca系合金の格子基板に充填した後、温度35℃、湿度95%の雰囲気中で24時間熟成して夫々の負極板A″,B″,C″,D″,E′,F′,G′を製造した。
【0017】
鉛蓄電池の製造:
前記の夫々の負極板A″,B″,C″,D″,E′,F′,G′について、その各負極板を、常法により製造した正極板とセパレータを介して積層し、電槽に収容し、該負極が容量支配となるような5時間率で2Ahの鉛蓄電池A,B,C,D,E,F,Gを夫々作製した。夫々の電池は全て、水銀/硫酸第一水銀電極を取り付け、負極電位変化を測定できるようにした。
【0018】
充放電サイクル試験:
前記の夫々の負極板A″,B″,C″,D″,E′,F′,G′を用いた電池A,B,C,D,E,F,Gについて、その夫々を45℃の恒温水槽内に設置し、0.4Aで7.5時間の充電と、0.4Aで負極電位が−0.8Vに達するまでの放電とを繰り返す充放電サイクル試験を行い、経時的な放電容量の変化を測定した。その結果を図1に示す。
【0019】
図1から明らかなように、比較用負極板E′,F′,G′を用いた比較用電池E,F,Gは、充放電サイクルの増大に伴い放電容量が低下し、僅か100サイクルで放電容量は初期の半分になるに対し、本発明の負極板A″,B″,C″,D″を用いた本発明の電池A,B,C,Dは、高い容量を維持し、充放電サイクル寿命の延長をもたらすことが判る。これは、本発明の負極板A″,B″,C″,D″内には、放電時に生ずる硫酸鉛の結晶核として働く非常に細かい一次粒子から成る硫酸バリウムが均一に分散しているため、負極板の収縮防止効果が顕著に現れるためであるに対し、比較用負極板E′,F′内の硫酸バリウムは、本発明の場合と添加量が同じであっても粒径が数μm〜十数μmの一次粒子の凝集粒子の状態で混在しているため、負極板の収縮防止効果が劣るため、サイクル寿命の短縮をもたらすと考えられる。
尚、比較用負極板G′を用いた電池は、本発明の電池より、サイクル寿命が短い。これは、得られた硫酸バリウムの粒子が比較的大きいためと思われる。
【0020】
次に、前記の炭酸バリウム845.5gと硫酸濃度6.5Mの希硫酸10リットルとを反応させて析出させた硫酸バリウム1Kgを含有し、6.5Mの希硫酸から成る反応液10リットルを用いて硫酸バリウムを負極活物質に対し1重量%添加して調製された負極活物質ペーストA′を充填し、製造した負極板A″を用いた鉛蓄電池Aの他に、炭酸バリウムの量と希硫酸10リットル中の硫酸濃度を変えて上記と同様にして下記表1のように負極活物質に対する硫酸バリウムの添加量を異にした負極板を製造し、その夫々の負極板を用いた夫々の鉛蓄電池H,I,J,K,Lを製造し、その夫々につき、前記と同様の充放電サイクル試験を行い、1サイクル目の容量に対する100サイクル目の容量維持率を求めた。その結果は、表1に示す通りであった。
【0021】
【表1】
Figure 0003701544
【0022】
上記表1から明らかなように、負極活物質に対する硫酸バリウムの添加量は0.05質量%では少な過ぎて添加効果が不充分であり、3.0質量%では負極活物質に対する不導体である硫酸バリウムの量が多過ぎてサイクル寿命の向上した電池が得られなかった。その添加量0.1%乃至2.0%の範囲で、容量維持率80%以上の良好な電池が得られた。
【0023】
【発明の効果】
このように本発明によるときは、先ず第一に、バリウム系原料と硫酸とを反応させて一次粒子の硫酸バリウムを生成せしめた反応液、又はこれを濃縮して得た反応液或いはこれを濾過により残渣として得た泥状の反応液の各反応液中の硫酸濃度を1M以上に調整したものを負極活物質ペーストの調製時に添加するようにしたので、原料を無駄なく反応させて予定通りの量の硫酸バリウムを析出せしめることができるばかりでなく、所定量の粒径1μm以下の硫酸バリウムを凝集することなく鉛活物質ペースト中に均一に分散混在せしめることができるので、この鉛活物質ペーストを用いて防縮効果に優れた負極板を製造することができ、充放電サイクル寿命の向上した優れた電池をもたらす。
上記の本発明の負極板の製造において、該硫酸濃度1M以上の反応液に分散剤を添加するときは、反応液を長時間放置しても、硫酸バリウムが沈殿し固まることがなく、反応液製造後直ちに負極活物質ペーストの調製に添加する必要がなく、何時でも所望時に添加できる効果をもたらす。
以上
【図面の簡単な説明】
【図1】 種々の調製法で調製した負極活物質ペーストを充填された各種の負極板を用いた各種の鉛蓄電池についての夫々の充放電サイクル数と放電容量との関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. バリウムイオンと硫酸イオンとの反応により硫酸バリウムを析出せしめた反応液、またはこれを濃縮して得られた反応液、或いはこれを濾過により残渣として得られる泥状の反応液の各反応液中の硫酸濃度を1M以上に調製すること、次で、該硫酸濃度1M以上の反応液を負極活物質ペーストの調製時に添加し、混練して負極活物質ペーストを調製することから成る工程を特徴とする鉛蓄電池の負極板の製造法。
  2. 硫酸濃度1M以上の反応液に、硫酸バリウムの分散剤を添加、撹拌することを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池の負極板の製造法。
  3. 請求項1又は2に記載の鉛蓄電池の負極板の製造法で得られた負極板を用いたことを特徴とする鉛蓄電池。
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