JP3700313B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電荷発生層、電荷輸送層及び表面保護層を有する電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真技術は、高速、かつ高印字品質が得られるため、複写機、レーザービームプリンター及びファクシミリ等の分野において広く利用されている。これらの電子写真技術に用いられる電子写真感光体は、従来、セレン、セレン−テルル合金、セレン−砒素合金、硫化カドミウム等の無機光導電材料を用いたものが広く知られている。
【0003】
一方、これらの無機光導電材料を用いた電子写真感光体に比べ、安価で製造性及び廃棄性に優れた有機光導電材料を用いた電子写真感光体の研究も活発化している。その中でも、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層した機能分離型の有機積層型感光体は、感度、帯電性及びその繰り返し安定性等の電子写真特性が優れているため、種々の提案がなされて実用化されている。
【0004】
他方、現在、単層型の有機感光体は、製造性、製造コスト面、さらに正帯電性のシステム上の利点(オゾン発生低減化、均一帯電性)を有するが、電気的性能が積層型感光体より劣るという問題が有り、未だ研究開発の余地が残っている。
【0005】
一方、電子写真感光体に要求される耐久性は年々厳しいものとなっており、繰り返し使用による表面層の摩耗及び傷、特に接触帯電方式を採用するときの著しく増長される表面層の摩耗及び傷、コロナ帯電器から発生するオゾンなどの酸化性ガスによる表面層の酸化劣化などの問題に対して、耐久性を向上させるのに必要な技術開発が続けられている。これら表面層の問題に対し、電荷輸送層の上に有機ポリシロキサン等の架橋硬化性樹脂を主成分とする表面保護層を形成する方法が提案されている(特開昭54−148537号公報)。
【0006】
しかし、従来から用いられている、電荷輸送性低分子化合物をポリカーボネート樹脂等の結着樹脂に分子分散した電荷輸送層の上に、上記の表面保護層を積層塗布して感光層を形成すると、表面保護層塗布液の溶剤によって電荷輸送層中の電荷輸送性低分子化合物が表面保護層中に溶出して、機械的強度が著しく損なわれるという問題がある。
【0007】
近年、これらの問題を踏まえた検討が進められており、電荷輸送性高分子化合物を用いた電荷輸送層の上に表面保護層を積層すると、電荷輸送層から電荷輸送性低分子化合物の溶出はないものの、表面保護層塗布液の溶剤によって電荷輸送層中の残留応力の緩和を起こし表面保護層にクラック等が発生するという問題が発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記の問題点を解消し、電子写真感光体の光電特性及び画像品位を低下させず、十分な機械的強度を有するとともに、強い外的ストレスの下における長期使用においても、高い耐久性を示す表面保護層を備えた電子写真感光体を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を解決するために、電荷輸送性高分子化合物を用いた電荷輸送層について鋭意研究を重ねた結果、特定の電荷輸送性低分子化合物を添加することにより、表面保護層を積層しても電荷輸送層から電荷輸送性低分子化合物が溶出することもなく、表面保護層のクラックも発生せず、電子写真感光体の光電特性及び画像品位を低下させずに、十分な機械的強度を有し、強い外的ストレス下の長期使用においても高い耐久性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の構成は以下のとおりである。
【0010】
(1)導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送性高分子化合物からなる電荷輸送層及び表面保護層を設けた電子写真用感光体において、前記電荷輸送層に電荷輸送性低分子化合物を含有し、前記表面保護層に反応性官能基を2個以上有する電荷輸送性材料と、その電荷輸送性材料に対する反応性官能基を有する化合物からなり、加熱により互いに反応して網目状に架橋結合したものを配合することを特徴とする電子写真感光体。
【0011】
(2) 前記電荷輸送性低分子化合物が下記一般式(I)で表されるベンジジン系化合物及び/又は下記一般式(II)で表されるトリフェニルアミン系化合物であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
【0012】
【化8】
Figure 0003700313
【0013】
(式中、R1 及びR1 ’は同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、好ましくは炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、アルコキシ基、好ましくは炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、R2 、R2 ’、R3 及びR3 ’は同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、好ましくは炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、アルコキシ基、好ましくは炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、ハロゲン原子、又は、置換アミノ基、好ましくは炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換されたアミノ基を表す。また、k、k’、m及びm’はそれぞれ1又は2の整数を意味する。)
【0014】
【化9】
Figure 0003700313
【0015】
(式中、R4 は水素原子又はメチル基を表す。nは1又は2の整数を意味する。Ar1 及びAr2 は置換又は未置換のアリール基を表し、Ar1 及びAr2 の置換基として、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、好ましくは炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、アルコキシ基、好ましくは炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、又は、置換アミノ基、好ましくは炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換されたアミノ基を有する。)
【0016】
(3) 前記電荷輸送性高分子化合物が下記一般式(III)〜(VII)で表されるものであることを特徴とする上記(1) 又は(2) 記載の電子写真感光体。
【0017】
【化10】
Figure 0003700313
【0018】
(R5 、R6 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、好ましくは炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、アルコキシ基、好ましくは炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、置換アミノ基、好ましくは炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換されたアミノ基、ハロゲン原子、未置換アリール基、又は、置換アリール基、好ましくは炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換されたアリール基を表し、Xは未置換の2価のアリール基、又は、置換の2価のアリール基、好ましくは炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換された2価のアリール基を表す。Tは脂肪族系の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基、好ましくは脂肪族部分の炭素数が1〜15の範囲の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基、より好ましくは脂肪族部分の炭素数が1〜10の範囲の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表す。p及びqは0又は1の整数を意味する。)
【0019】
【化11】
Figure 0003700313
【0020】
(R7 、R8 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、好ましくは炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、アルコキシ基、好ましくは炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、置換アミノ基、好ましくは炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換されたアミノ基、ハロゲン原子、未置換のアリール基、又は、置換アリール基、好ましくは炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換されたアリール基を表す。Xは未置換の2価のアリール基、又は、置換の2価のアリール基、好ましくは炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換された2価のアリール基を表す。Tは脂肪族系の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基、好ましくは脂肪族部分の炭素数が1〜15の範囲の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基、より好ましくは脂肪族部分の炭素数が1〜10の範囲の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表す。r及びsはそれぞれ0又は1の整数を意味する。)
【0021】
【化12】
Figure 0003700313
【0022】
(式中、Aは上記一般式(III)又は(IV)で表されるものであり、Yは2価の炭化水素基、好ましくは2価のアルキレン基、アリレーン基、脂環式炭化水素基、又は、−R−O−R−(Rは2価のアルキレン基)を表す。tは1〜5の範囲の整数を意味し、uは5〜5000の範囲の整数を意味する。)
【0023】
【化13】
Figure 0003700313
【0024】
(式中、Aは上記一般式(III)又は(IV)で表されるものであり、Y、Y’及びY”は2価の炭化水素基、好ましくは2価のアルキレン基、アリレーン基、脂環式炭化水素基、又は、−R−O−R−(Rは2価のアルキレン基)を表す。vは1〜5の範囲の整数を意味し、wは5〜5000の範囲の整数を意味する。)
【0025】
【化14】
Figure 0003700313
【0026】
(式中、Aは上記一般式(III)又は(IV)で表されるものであり、Y、Y’及びY”は2価の炭化水素基、好ましくは2価のアルキレン基、アリレーン基、脂環式炭化水素基、又は、−R−O−R−(Rは2価のアルキレン基)を表す。xは1〜5の範囲の整数を意味し、yは5〜5000の範囲の整数を意味し、zは1〜3500の範囲の整数を意味し、y+z=5〜5000の整数で、1>y/ (y+z)≧0.3を満たす数である。)
【0027】
(4) 前記表面保護層が導電性金属酸化物粒子及び熱硬化性樹脂からなることを特徴とする上記(1) 〜(3) のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
【0028】
(5) 前記熱硬化性樹脂として、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、及びポリアクリルアミド樹脂の群から選択される1種以上の樹脂を用いることを特徴とする上記(4) 記載の電子写真感光体。
【0030】
(7) 前記反応性官能基の組み合わせとして、ヒドロキシ基とイソシアネート基、アミノ基とエポキシ基、及び、アミノ基とイソシアネート基の群から選択され、網目状に架橋結合するものであることを特徴とする上記(6) 記載の電子写真感光体。
【0031】
(8) 前記ヒドロキシ基を導入した化合物として、トリフェニルアミン骨格のジヒドロキシ化合物、ベンジジン骨格のジヒドロキシ化合物、又は、側鎖にトリフェニルアミンを導入したビスフェノール化合物を選択したことを特徴とする上記(7) 記載の電子写真感光体。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明は、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送性高分子化合物からなる電荷輸送層及び表面保護層を設けた電子写真用感光体において、電荷輸送層に電荷輸送性低分子化合物を含有させ、必要に応じて、表面保護層を、導電性金属酸化物粒子、及び、熱硬化性樹脂又は反応性官能基を有する電荷輸送材料と該材料に対する反応性官能基を有する化合物を網目状に架橋結合したもので構成することにより、感光体の光電特性及び画像品位を低下させずに、機械的強度を向上させることができ、外的ストレス下の長期使用においても、高い耐久性を有する電子写真用感光体の提供を可能にした。
【0033】
本発明の電荷輸送層は、電荷輸送性高分子化合物に加えて電荷輸送性低分子化合物を添加して分子分散させてなり、該電荷輸送性低分子化合物は上記一般式 (I)で表されるベンジジン系化合物及び/又は上記一般式(II)で表されるトリフェニルアミン系化合物であり、該電荷輸送性高分子化合物は上記一般式
(III)〜(VII)で表されるものである。
【0034】
上記一般式(III)及び(IV)におけるXは、下記構造式(X-1) 〜(X-7) の中から選択することができる。
【0035】
【化15】
Figure 0003700313
【0036】
(構造式(X-1) 〜(X-7) 中、R9 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、未置換のフェニル基、置換フェニル基、好ましくはアルキル基で置換されたフェニル基、又は、置換若しくは未置換のアラルキル基を表し、R10〜R16は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、未置換のフェニル基、置換のフェニル基、好ましくはアルキル基で置換されたフェニル基、置換若しくは未置換のアラルキル基、又は、ハロゲン原子を表す。なお、構造式(X-7) 中、Ar3 は上記の構造式(X-3) を表されるものと同じであり、Vは下記構造式(V-1) 〜(V-10)の中から選択され、aは0又は1の整数を意味し、bは1〜10の範囲の整数を意味し、cは1〜4の範囲の整数を意味する。)
【0037】
【化16】
Figure 0003700313
【0038】
上記一般式(III)及び(IV)のうち、特にXが下記構造式(X-8) 又は(X-9) で表されるビフェニル構造を有するポリマーは、モビリティーが高く、実用性の高いものである。
【0039】
【化17】
Figure 0003700313
【0040】
また、一般式(III)及び(IV)のTは脂肪族系の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基であり、下記に示す構造式(T-1) 〜(T-33)の中から選択することができる。アリールアミン骨格はどちらの側と結合してもよいが、例えば、T−2R と記すと構造T−2の右側に、T−2L と記すと構造T−2の左側にテトラアリールベンジジン骨格が結合していることを示すものとする。
【0041】
【化18】
Figure 0003700313
【0042】
【化19】
Figure 0003700313
【0043】
上記一般式(V)〜(VII)中のY、Y’及びY”は下記構造式(Y-1) 〜(Y-7) で表される置換基の中から選択することができる。
【0044】
【化20】
Figure 0003700313
【0045】
(R17〜R20は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換のアラルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、d、eは1〜10の範囲の整数を意味し、f、h、i、jは0〜2の範囲の整数を意味し、g、kは0〜2の範囲の整数を意味する。Vは上記置換基(V-1) 〜(V-10)で表されるものである。)
【0046】
前記電荷輸送性低分子化合物について、一般式(I)で表されるベンジジン系化合物の具体例を表1〜3に、一般式(II)で表されるトリフェニルアミン系化合物の具体例を表4〜6に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003700313
【0048】
【表2】
Figure 0003700313
【0049】
【表3】
Figure 0003700313
【0050】
【表4】
Figure 0003700313
【0051】
【表5】
Figure 0003700313
【0052】
【表6】
Figure 0003700313
【0053】
また、前記電荷輸送性高分子化合物については、一般式(III)で表される構造式の具体例を表7〜9に示し、一般式(IV)で表される構造式の具体例を表10〜12に示し、一般式(V)で表される構造式の具体例を表13〜14に示し、さらに、一般式(VI) で表される構造式の具体例を表15に示し、一般式(VII)で示される電荷輸送性高分子化合物の具体例を表16に示す。なお、表13〜16中の部分構造とは、一般式(V)〜(VII)中のAを意味する。また、上記表中の構造に記載の化合物は、表7〜12に記載の化合物(III)及び(IV)である。比率とは、上記化合物を2つ用いるときの割合を意味する。
【0054】
【表7】
Figure 0003700313
【0055】
【表8】
Figure 0003700313
【0056】
【表9】
Figure 0003700313
【0057】
【表10】
Figure 0003700313
【0058】
【表11】
Figure 0003700313
【0059】
【表12】
Figure 0003700313
【0060】
【表13】
Figure 0003700313
【0061】
【表14】
Figure 0003700313
【0062】
【表15】
Figure 0003700313
【0063】
【表16】
Figure 0003700313
【0064】
本発明の電子写真感光体の電荷輸送層において、電荷輸送性高分子化合物と電荷輸送性低分子化合物の組成比は、電荷輸送性高分子化合物100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲が適当であり、1〜5重量部の範囲が特に好ましい。0.1重量部未満であると、添加の効果が減少して、クラックが起こりやすくなり、10重量部を越えると表面保護層への電荷輸送性低分子化合物の溶出が起こり、表面保護層の機械的強度が低下する。
【0065】
本発明における電荷輸送性高分子化合物の好ましい重量平均分子量(Mw)は5,000〜750,000、より好ましくは50,000〜500,000の範囲である。
【0066】
さらに、電荷輸送層には、酸化防止剤を添加してもよい。電荷輸送層は最表層ではないので酸化性ガスに直接触れることはないが、この酸化性ガスが表面保護層を透過して電荷輸送層まで浸入することがあり、上記の酸化防止剤はこれを防止するために添加されるものである。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系又はヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。
【0067】
電荷輸送層を塗布液の溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独又は2種以上を混合して用いることができる。
【0068】
電荷輸送層の塗布方法は、ブレードコーティング法、マイヤーバーコティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
電荷輸送層の膜厚は5〜50μmであり、好ましくは10〜40μmの範囲である。
【0069】
本発明の表面保護層は、導電性材料を適当な結着樹脂中に分散して形成する。導電性材料としては、N,N’−ジメチルフェロセンなどのメタロセン化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン等の金属酸化物などを挙げることができる。
【0070】
表面保護層に用いる結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等など公知の樹脂を挙げることができる。
【0071】
上記の導電性材料と結着樹脂の組み合わせの中で、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化スズ−酸化アンチモンなどの導電性金属酸化物粒子をポリウレタン樹脂、アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂中に粒子分散させた表面保護層が、機械特性及び電気特性において特に優れている。
【0072】
また、本発明における表面保護層に、反応性官能基を有する電荷輸送性材料と、それらと反応性を有する官能基を持つ化合物からなり、加熱により互いに反応させることにより網目状に架橋結合したものを配合することができる。
【0073】
反応性官能基の組み合わせとしては、ヒドロキシ基とイソシアネート基、アミノ基とエポキシ基、アミノ基とイソシアネート基等が挙げられる。その中でも、ヒドロキシ基を有する化合物とイソシアネート基を有する化合物を互いに反応させることにより網目状に架橋結合して膜を形成するものが好ましい。
【0074】
このうち、ヒドロキシ基を有する化合物としては、電荷輸送性材料にヒドロキシ基を導入したもので、従来用いられている電荷輸送性材料に直接にヒドロキシ基を導入したもの、又は適当な置換基を挟んで間接的にヒドロキシ基を導入したものを用いることができる。
【0075】
電荷輸送性材料のヒドロキシ基の置換数は1つ以上でよいが、架橋して網目構造を形成するためには、2つ以上のヒドロキシ基を有する電荷輸送性材料を含有させるか、又は、2つ以上のヒドロキシ基を有する結合剤を少なくとも1種以上同時に含有させる必要がある。
【0076】
ヒドロキシ基を導入した電荷輸送性材料は、具体的には、トリフェニルアミン骨格のジヒドロキシ化合物、ベンジジン骨格のジヒドロキシ化合物、側鎖にトリフェニルアミンを導入したビスフェノール化合物などが挙げられる。
【0077】
ヒドロキシ基を有する電荷輸送性材料と同時に用いてもよい結合剤としては、複数のヒドロキシ基を有するモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。モノマー/オリゴマーの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類及びポリエチレングリコール類などを挙げることができる。また、アクリルポリオールやポリエステルポリオールなどのヒドロキシ基を有する各種ポリマーを用いることもできる。
【0078】
以上のようなヒドロキシ基を有する化合物と付加反応により結合し、網目状構造を形成する化合物としては、複数のイソシアネート基、好ましくは3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を用いることができる。
【0079】
ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1、5−ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、リジンイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1、3、6−ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1、6、11−ウンデカントリイソシアネート、1、8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートなどの単量体からなるポリイソシアネートを挙げることができる。
【0080】
それらの中でも、取扱いの容易性や最終的に得られる架橋膜の成膜性、耐クラック性などの点から、ポリイソシアネート単量体から得られる誘導体やプレポリマなどの変性体を用いることがより望ましい。これらの例としては、ポリオールを過剰のイソシアネート化合物で変性したウレタン変性体、ウレア結合を有する化合物をイソシアネート化合物で変性したビュレット変性体、ウレタン基にイソシアネートが付加したアロファネート変性体などが特に好ましく、他にもイソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体などが用いられる。
【0081】
上記ポリイソシアネート変性体に含まれるが、イソシアネート基の活性を一時的にマスクするためのブロッキング剤を反応させた、ブロックイソシアネートも好ましく用いることができる。
本発明の表面保護層を形成するためには、ヒドロキシ基を有する電荷輸送性材料及びポリイソシアネート化合物と、必要に応じてヒドロキシ基を有する結合剤や溶剤を加えて混合し、感光層の上に塗工した後、架橋重合させて成膜する。
【0082】
これらの混合比は、全ヒドロキシ基の数と全イソシアネート基の数がほぼ等しくなるように調合することが好ましい。特に、過剰のヒドロキシ基が残ると表面保護層の表面の親水性を増加させ、高温高湿下での画像特性を低下させる原因となるので、反応条件等も含めて注意する必要がある。
【0083】
本発明の表面保護層を架橋重合させるためには、感光層の上に表面保護層材料を塗工した後に加熱すればよい。ヒドロキシ基とイソシアネート基の付加反応は、上記の化合物間の反応性がよいので、一般的には触媒等は必要なく、加熱するだけでよい。塗工時に溶剤を用いている場合は、乾燥工程と同時又はそれに引き続いて加熱処理を行なうことができる、
架橋反応を促進したい場合には、モノアミン類、ジアミン類、トリアミン類、環状アミン類、アルコールアミン類、エーテルアミン類などの触媒を常法に準じて添加してもよい。
【0084】
本発明の表面保護層における電荷輸送性材料の含有量は、ヒドロキシ基含有化合物の分子量、イソシアネート化合物の分子量によって決まる。感光体の電気特性を維持しつつ機械強度も持たせるためには、表面保護層全体100重量部に対して電荷輸送性材料を5〜90重量部、好ましくは10〜60重量部の範囲が望ましい。本発明の表面保護層は電荷輸送性材料を共有結合で取り込んでいるため、通常の電荷輸送層よりも多くの電荷輸送性材料を導入できる。
【0085】
図1、2は、本発明にかかる積層構造の電子写真感光体の具体例である模式的断面図であって、図1は導電性支持体3の上に電荷発生層1、電荷輸送層2及び表面保護層5が形成されている。図2では図1の導電性支持体3と電荷発生層1の間に下引層4が設けられている。
【0086】
導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス綱等の金属類、及び、アルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等、又は、導電性付与剤を塗布若しくは含浸させた紙や、プラスチックフィルム等が挙げられる。これらの導電性支持体は、ドラム状、シート状、プレート状等、適宜の形状のものとして使用されるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
さらに必要に応じて、導電性支持体の表面は、画質に影響のない範囲で各種の処理を行うことができる。例えば、表面の陽極酸化被膜処理、熱水酸化処理、薬品処理、着色処理等、又は、砂目立てなどの乱反射処理等を行うことができる。
【0088】
本発明においては、導電性支持体と感光層の間に下引層を設けることが好ましい。この下引層は、感光層の帯電時において導電性支持体から感光層への電荷の注入を阻止するとともに、感光層を導電性支持体に対して一体的に接着保持させるための接着層としての作用、場合によっては導電性支持体の光反射防止作用等を有する。
【0089】
この下引層に用いる結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ジルコニウムキレート化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物、有機チタニル化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。これらの材料は単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0090】
さらに、下引層には酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、シリコーン樹脂等の微粒子を混合することができる。下引層を形成する塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法が採用される。
下引層の厚みは0.01〜10μm、好ましくは0.05〜2μmが適当である。
【0091】
本発明の電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着により形成するか、又は、有機溶剤中の結着樹脂に電荷発生材料を分散し、塗布して形成することができる。電荷発生材料としては、非晶質セレン、結晶性セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、その他セレン化合物及びセレン合金、粒状セレン、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電性材料、フタロシアニン系、スクアリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の有機顔料及び染料が用いられる。
【0092】
これ等の中でも、フタロシアニン顔料、特に無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ガリウムフタロシアニンを用いた感光体は、近赤外線の半導体レーザー波長(780〜830nm)で感度が高く、長期に渡って安定な電気特性を示す。
【0093】
具体的には、CuKαによるX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも6.8°、12.8°、15.8°及び26.0°に強い回折ピークを有するガリウムフタロシアニン、CuKαによるX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン(図3参照)、CuKαによるX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニンを好ましいものとして挙げることができる。
【0094】
また、可視光波長領域においては、アントアントロン系顔料が長期に渡って安定な電気特性を示し、粒状セレン、特に粒状三方晶系セレンにおいては長期に渡って安定な電気特性を示すほかに、さらに高感度の特性を示す。
【0095】
電荷発生層における結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル型ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルアントラセン樹脂、ポリビニルピレン等が使用される。
【0096】
これらの中で、特にポリビニルアセタール系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、フェノキシ樹脂および変性エーテル型ポリエステル樹脂が前記フタロシアニン系又はアントアントロン系顔料、及び粒状三方晶セレンを良く分散させ、顔料が凝集せずに長期にわたり分散塗工液を安定に保持することができ、均一な被膜の形成を容易にし、その結果、電気特性が良好で画質欠陥の少ない感光体の提供を可能にする。しかし、通常の状態で被膜が形成できる樹脂であればよく、上記のものに限定されるものではない。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いることができる。
電荷発生材料と結着樹脂との配合比は、体積比で、5:1〜1:2の範囲が好ましい。
【0097】
塗工液を調製するのに用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム等の通常使用される有機溶剤を単独又は2種以上を混合して用いることができる。
【0098】
塗工液の塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常使用される方法を用いることができる。
電荷発生層の厚みは0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2.0μmが適当である。この厚さが0.01μmよりも薄いと、電荷発生層を均一に形成することが困難になり、5μmを越えると電子写真特性が著しく低下する傾向がある。
【0099】
このようにして得られる本発明の電子写真感光体は、複写機及びプリンターに適用するときに、長期間繰り返し使用しても、優れた繰り返し安定性を維持し、高耐刷性を発揮でき、優れた画質のコピー画像を提供することができる。
【0100】
【実施例】
以下、実施例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における「部」は重量部を意味する。
【0101】
〔実施例1〕
ジルコニウム化合物(マツモト製薬社製、オルガチックスZC540)10部及びシラン化合物(日本ユンカー社製、A1110)1部と、イソプロパノール40部及びブタノール20部とからなる溶液を調製し、アルミニウム基体上に浸漬コーティング法で塗布し、150℃において10分間加熱乾燥して膜厚0.1μmの下引層を形成した。
【0102】
次に、電荷発生材料として図3に示すX線回折スペクトルを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン1部とカルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイト社製、VMCH)1部とクロロベンゼン100部との混合物をガラスビーズと共にサンドミルで1時間分散処理して塗布液を調製し、上記の下引層上に浸漬コーティング法で塗布し、100℃において10分間加熱乾燥して、膜厚0.25μmの電荷発生層を形成した。
【0103】
また、電荷輸送性高分子化合物として表13に記載の例示化合物 (V-7)(重量平均分子量87,000)20部と、電荷輸送性低分子化合物のベンジジン系化合物として表2に記載の例示化合物(I-27)1部とをモノクロロベンゼン60部及びテトラヒドロフラン30部の混合液に溶解して塗布液を調製し、上記の電荷発生層上に塗布して115℃において60分間加熱乾燥、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0104】
さらに、ヒドロキシ基を有する電荷輸送性材料として下記構造式(A) の化合物3部、イソシアネートを有する化合物として下記構造式(B) に示すビュレット変性のポリイソシアネート2部(モル比で約3対2)をメチルエチルケトン5部及びシクロヘキサノン5部に溶解して表面保護層塗布液を調製し、上記の電荷輸送層の上にスプレーコートして常温で10分間乾燥させた後、130℃で60分間加熱し、膜厚4μmの表面保護層を形成して、ドラム状アルミニウム基体上に作製した。
【0105】
【化21】
Figure 0003700313
【0106】
このようにして得た感光体はレーザービームプリンタの試験装置(富士ゼロックス社製、XP−15改造機)に装着して、20℃、45%RHの環境下で初期の画質を評価し、さらにプリントを10万回繰り返してから、その後の画質を評価するとともに、渦電流による膜厚評価によって初期と10万枚プリント後の膜厚の差から表面保護層層の摩耗量を測定した。その結果を表17に示した。
【0107】
〔比較例1〕
実施例1において、電荷輸送性低分子化合物の表2記載のベンジジン系化合物(I-27)を電荷輸送層から除いた以外は実施例1と同様にして感光体を作製し、同様の試験を行った。その結果を表17に示した。
【0108】
〔比較例2〕
実施例1において、表13に記載の例示化合物(V-7) 及び表2に記載の例示化合物(I-27)の代わりに、下記構造式(C) で表されるヒドラゾン化合物8部及び下記構造式(D) 表されるポリカーボネート樹脂12部をモノクロロベンゼン80部に溶解して電荷輸送層の塗布液を調製し、実施例1の電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、115℃において60分間加熱乾燥、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した以外は実施例1と同様にして感光体を作製し、同様の試験を行った。その結果を表17に示した。
【0109】
【化22】
Figure 0003700313
【0110】
〔実施例2〕
実施例1において、電荷輸送性低分子化合物の表2記載のベンジジン系化合物(I-27)の代わりに、トリフェニルアミン系化合物として表5に記載の例示化合物(II-28) 0.5部を配合した以外は実施例1と同様にして感光体を作製し、同様の試験を行った。その結果を表17に示した。
【0111】
〔実施例3〕
実施例1において、電荷輸送性高分子化合物として表13に記載の例示化合物(V-7) の代わりに、表16記載の例示化合物(VII-5) (重量平均分子量:89,000)を用い、電荷輸送性低分子化合物として表2に記載のベンジジン系化合物(I-27)の代わりに、トリフェニルアミン系化合物として表5に記載の例示化合物(II-30) 1.0部に代えた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の試験を行った。その結果を表17に示した。
【0112】
〔比較例3〕
実施例3において、電荷輸送性低分子化合物のトリフェニルアミン系例示化合物(II-30) を電荷輸送層から除いた以外は、実施例3と同様にして感光体を作製し、同様の試験を行った。その結果を表17に示す。
【0113】
〔実施例4〕
実施例3において、表面保護層におけるヒドロキシ基を有する電荷輸送材料として上記構造式(A) の化合物の代わりに下記構造式(E) の化合物3部、イソシアネートを有する化合物として上記構造式(B) の化合物の代わりに下記構造式(F) に示すポリイソシアネート2部(モル比で約3対2)をメチルエチルケトン5部及びシクロヘキサノン5部に溶解して表面保護層塗布液を調製し、実施例3の電荷輸送層の上に、浸漬塗布して常温で10分間乾燥させた後、150℃で60分加熱し、膜厚5μmの表面保護層を形成した以外は実施例3と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の試験を行った。その結果を表17に示した。
【0114】
【化23】
Figure 0003700313
【0115】
〔実施例5〕
実施例3において、酸化アンチモンドープの酸化ズズ5部及びアクリルポリオール5部をトルエン40部と混合し、ボールミルで20時間分散した後、トルエン20部を加えて希釈し、イソシアネートを有する化合物として前記構造式(F) に示すポリイソシアネート2部を加えて表面保護層塗布液を調製し、実施例3の電荷輸送層の上に浸漬塗布して常温で10分間乾燥させた後、150℃で60分加熱し、膜厚5μmの表面保護層を形成した以外は実施例3と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の試験を行った。その結果を表17に示した。
【0116】
〔実施例6〕
実施例1において、電荷輸送性高分子化合物として表13に記載の例示化合物(V-7) の代わりに、表7に記載の例示化合物(III-8) (重量平均分子量:92000)を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の試験を行った。その結果を表17に示した。
【0117】
〔実施例7〕
実施例1において、電荷輸送性高分子化合物として表13に記載の例示化合物(V-7) の代わりに、表10に記載の例示化合物(IV-9)(重量平均分子量:85000)を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の試験を行った。その結果を表17に示した。
【0118】
〔実施例8〕
実施例1において、電荷輸送性高分子化合物として表13に記載の例示化合物(V-7) の代わりに、表15に記載の例示化合物(VI-2)(重量平均分子量:87000)を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様の試験を行った。その結果を表17に示した。
【0119】
【表17】
Figure 0003700313
【0120】
表17から明らかなように、実施例に関わる電子写真感光体は、電荷輸送性高分子化合物に電荷輸送性低分子化合物を添加した電荷輸送層の上に表面保護層を形成したので、十分な機械的強度を維持したまま、長期間の使用においてもクラック当の画質欠陥を生じなかった。
【0121】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成を採用することにより、感光体の光電特性及び画像品位を低下させず、機械的強度を十分に向上させることができ、その結果、強い外的ストレスの下における長期使用においても高い耐久性を保持することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の1つの例を示した模式的断面図である。
【図2】本発明の電子写真感光体のもう1つの例を示した模式的断面図である。
【図3】実施例で使用したヒドロキシガリウムフタロシアニンの粉末X線回折スペクトル図(CuKαを使用した)である。

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送性高分子化合物からなる電荷輸送層及び表面保護層を設けた電子写真用感光体において、前記電荷輸送層に電荷輸送性低分子化合物を含有し、前記表面保護層に反応性官能基を2個以上有する電荷輸送性材料と、その電荷輸送性材料に対する反応性官能基を有する化合物からなり、加熱により互いに反応して網目状に架橋結合したものを配合することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記電荷輸送性低分子化合物が下記一般式(I)で表されるベンジジン系化合物及び/又は下記一般式(II)で表されるトリフェニルアミン系化合物であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
    Figure 0003700313
    (式中、R及びR’は同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、R、R’、R及びR’は同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は置換アミノ基を表す。また、k、k’、m及びm’はそれぞれ1又は2の整数を意味する。)
    Figure 0003700313
    (式中、Rは水素原子、又はメチル基を表す。また、nは1又は2の整数を意味する。Ar及びArは置換又は未置換のアリール基を表し、Ar及びArの置換基として、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基を有する。)
  3. 前記電荷輸送性高分子化合物が下記一般式(III)〜(VII)で表されるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
    Figure 0003700313
    (R、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、又は、置換若しくは未置換のアリール基を表し、Xは置換若しくは未置換の2価のアリール基を表す。Tは脂肪族系の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表す。p及びqは0又は1の整数を意味する。)
    Figure 0003700313
    (R、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、又は、置換若しくは未置換のアリール基を表し、Xは置換若しくは未置換の2価のアリール基を表す。Tは脂肪族系の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を表す。r及びsはそれぞれ0又は1の整数を意味する。)
    Figure 0003700313
    (式中、Aは上記一般式(III)又は(IV)で表されるものであり、Yは2価の炭化水素を表す。tは1〜5の範囲の整数を意味し、uは5〜5000の範囲の整数を意味する。)
    Figure 0003700313
    (式中、Aは上記一般式(III)又は(IV)で表されるものであり、Y、Y’及びY”は2価の炭化水素基を表す。vは1〜5の範囲の整数を意味し、wは5〜5000の範囲の整数を意味する。)
    Figure 0003700313
    (式中、Aは上記一般式(III)又は(IV)で表されるものであり、Y、Y’及びY”は2価の炭化水素基を表す。xは1〜5の範囲の整数を意味し、yは5〜5000の範囲の整数を意味し、zは1〜3500の範囲の整数を意味し、y+z=5〜5000の整数で、1>y/(y+z)≧0.3を満たす数である。)
  4. 前記表面保護層が導電性金属酸化物粒子及び熱硬化性樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
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