JP3700269B2 - 循環温浴器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽の浴槽水を浄化する循環温浴器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の循環温浴器の構成を図9を用いて説明する。図9は従来の循環温浴器の概略構成図である。
【0003】
図9において、50は浴槽、51は循環水路、52は浴槽内に配設された多孔質スポンジ状ヘアーキャッチャー、53は循環水路51に配設された浴槽水を汲み上げるポンプ、54は循環水路51に配設された浴槽水を浄化するろ過槽、55はろ過槽54内に配設された麦飯石又は多孔質セラミックスボール等のろ過材、56は循環水路51に配設され、浄化された浴槽水の温度を一定に保つヒータ、57aはヘアーキャッチャー52とポンプ53を通水する吸入管、57bはヒータ56と浴槽50を通水する吐出管、58aはポンプ53とろ過槽54を通水する原水管、58bはろ過槽54とヒータ56を通水する浄水管である。
【0004】
以下、従来の循環温浴器における浴槽水の浄化方法について説明する。
浴槽水はヘアーキャッチャ52を介してポンプ53により汲み上げられ、浴槽水中の髪毛や糸クズ等の大きなごみがヘアーキャッチャ52により除去される。ポンプ53によって汲み上げられ、大きなごみが除去された浴槽水はろ過槽54内のろ過材55により浄化された後、ヒータ56により所定の温度に加熱され、浴槽50へ戻される。
【0005】
ろ過槽54では浴槽水中の好気性浄化細菌をろ過材55に繁殖させ、浴槽水中の比較的小さいゴミ及び浴槽水中に溶け込んだ汚染物質等を除去する好気性浄化細菌を利用した生物浄化による浄化が行われ、ろ過槽54内に浴槽水を循環させることによって好気性浄化細菌が浴槽水中に溶け込んだ溶解性有機物を分解し、浴槽水を浄化している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の循環温浴器では、浴槽水中の好気性浄化細菌の自然繁殖を利用した生物浄化を行っているため、循環温浴器の設置後好気性浄化細菌が繁殖するための期間(立ち上がり期間)が必要であり、立ち上がり期間中は本来の浄化性能が発揮されないという問題点を有していた。また、浴槽水の水質、入浴者の体質、更に、薬服用者の入浴等による環境の変化で、好気性浄化細菌の繁殖率の低下や死滅等の現象により、浴槽水の浄化性能に欠けるという問題点を有していた。
【0007】
また、好気性浄化細菌を常に良好な状態で維持するために、循環温浴器の運転中は浴槽水の温度を35℃以上に保持しておく必要があり、浴槽を使用しない時間帯にも浴槽水の温度を保持する必要があるためヒータを通電する必要があり、ヒータの使用にランニングコストがかかるという問題点を有していた。
【0008】
更に、循環温浴器を長時間未使用状態にした際、好気性浄化細菌が死滅するため長時間未使用時は、ろ過槽内の洗浄乾燥が必要となり、再使用時は再度立ち上がり期間が必要となる等、メンテナンス面で多くの問題点を有していた。
【0009】
これにより、好気性浄化細菌による生物浄化を利用しない浴槽水の浄化が可能な循環温浴器が要求されている。
【0010】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、循環温浴器の設置後すぐに浄化性能が働き、また、使用しない時は期間にかかわらず停止することができ、更に、浴槽使用時以外はヒータを切ることができ、浴槽水の温度の保持が不要で省エネルギー特性や保守管理作業の作業性に優れた循環温浴器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、浴槽内の浴槽水を、ポンプ、フィルタの順で流して浴槽へ戻す循環温浴器において、前記フィルタの上流側流路に配設された電解槽と、前記電解槽内を各室に仕切る隔膜と、前記各室の内の前記電解槽内の両端の滞留室と、この2つの滞留室の間の偶数の電解室と、前記滞留室及び前記電解室のそれぞれの内に配設された電極板と、前記滞留室の下流側端部に接続された排出管と、前記排出管に形成された電磁弁等からなる弁部と、前記電解槽の下流側端部に接続されると共に電解室から流出した浴槽水を前記フィルタに導入する出口側水路と、前記フィルタの下流側端部に接続されると共に浴槽内に浴槽水を吐出する吐出管にフィルタでろ過された浴槽水を導入する水路管と、を備えたものである。
【0012】
この構成により、前記各滞留室及び前記各電解室内に配設された電極板による、浴槽水の電解により凝集作用及び電気透析を利用した汚染物質等の有機物除去を行い、設置後すぐに浴槽水の浄化ができ、使用しない時は期間にかかわらず停止することができ、また、浴槽使用時以外はヒータを切ることができ、浴槽水の温度の保持が不要である生物浄化を利用しない循環温浴器が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、浴槽内の浴槽水を、ポンプ、フィルタの順で流して浴槽へ戻す循環温浴器において、前記フィルタの上流側流路に配設された電解槽と、前記電解槽内を各室に仕切る隔膜と、前記各室の内の前記電解槽内の両端の滞留室と、この2つの滞留室の間の偶数の電解室と、前記滞留室及び前記電解室のそれぞれの内に配設された電極板と、前記滞留室の下流側端部に接続された排出管と、前記排出管に形成された電磁弁等からなる弁部と、前記電解槽の下流側端部に接続されると共に電解室から流出した浴槽水を前記フィルタに導入する出口側水路と、前記フィルタの下流側端部に接続されると共に浴槽内に浴槽水を吐出する吐出管にフィルタでろ過された浴槽水を導入する水路管と、を備えた構成を有している。
【0014】
これにより、前記各電極板間の交互に異なる極性の直流電圧を印加して浴槽水を電気分解し循環水路内の浴槽水のpHを変化させることにより、浴槽水中の一部の溶解性有機物(特に、タンパク質及び脂質)を凝集析出させ、フィルタによりろ過した後、再度ろ過した浴槽水を混合中和して浴槽へ戻し、浴槽水のpHを変化させずに有機物の除去ができるという作用を有する。また、各滞留室内の浴槽水(以下、滞留水という)は、各電極板の電圧印加と同時に各々強酸性、強アルカリ性に変化し、各フィルタにより除去されなかった正又は負の電位を帯びた溶解性有機物を電気泳動を利用して隔膜から各滞留室内に透析収集して溶解性有機物を除去した後、各排出管から排出することにより浴槽水の浄化ができるという作用を有する。更に、浴槽水中の好気性浄化細菌を利用した生物浄化を用いないため、設置後すぐに浄化性能が働き、使用しない時は期間にかかわらず停止できるとともに、浴槽を使用しない時はいつでもヒータが切れる、という作用を有する。
【0015】
ここで、電極板材質として、特に、Ti(チタン)板を使用し、白金メッキ又は白金焼成コーティングをして表面処理を行ったものが使用され、耐腐性に優れるためによい。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の循環温浴器において、同極に印加された前記電極板が配設された前記電解室の前記出口側水路が連結された構成を有している。
【0017】
これにより、電解室を増やした際にもフィルタを増やすことなく浄化が行えるという作用を有する。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記フィルタの下流側端部に前記水路管とは別に下流側排水管が接続され、この下流側排水管に下流側排水管用電磁弁が形成され、前記排出管が前記フィルタの上流側端部に接続された構成を有する。
【0019】
これにより、各滞留室において生成した強酸性又は強アルカリ性の浴槽水を各排出管を介して前記各フィルタに流入浸漬し、各フィルタに付着した有機物を溶解させた後、各排出管から強酸性や強アルカリ性の浴槽水を排出できるため、各フィルタの目詰まりを除去し再生できる、という作用を有する。
【0020】
請求項4に記載の発明は、前記ポンプの下流側流路及び前記吐出管のそれぞれに形成された三方弁と、前記出口側水路に形成された逆止弁と、前記フィルタの上流側端部に前記出口側水路、排出管とは別に接続された上流側排水管と、この上流側排水管に形成された上流側排水管用電磁弁と、を備えた構成を有する。
【0021】
これにより、浴槽水を三方弁によりフィルタの下流側から逆入させてフィルタに通水し、上流側排水管から排出することにより、フィルタに残留している有機物等を逆洗除去することができ、フィルタの耐久性をさらに延命でき、保守管理が容易になるという作用を有する。
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図9を用いて説明する。
(実施の形態1)
電解槽内の両側に形成された滞留室間に一対の電解室が形成され、電極板が合計4枚の場合の循環温浴器について図1を用いて説明する。
【0023】
図1は本発明の実施の形態1における循環温浴器の概略構成図である。
図1において、1は浴槽、2は循環水路、3は浴槽1に配設されたヘアーキャッチャー、4は循環水路2に配設されたポンプ、5はヘアーキャッチャー3とポンプ4に連通した吸入管、6は循環水路2に形成された電解槽、7は電解槽6内を各室に仕切る隔膜、8、9は電解槽6内の両側に形成された滞留室、8a、9aは滞留室8、9内に配設された電極板、8b、9bは滞留室8、9の底部に形成された排出管、8c、9cは排出管8b、9bに形成された電磁弁、10、11は滞留室8、9の間に隔膜7で仕切られて形成された電解室、10a,11aは電解室10、11内に配設された電極板、10b、11bは電解室10、11の底部に形成された出口側水路、12、13は出口側水路10b、11bに配設されたフィルタ、14はフィルタ12、13の下流側を連結している水路管、15は水路管14と浴槽1に連通した吐出管、16は吐出管15に配設されたヒータである。矢印は浴槽水の流れである。
【0024】
ここで、フィルタとしては糸状のカーボンを巻いたものを用いている。
次に、本実施の形態1における循環温浴器の浴槽水の流れについて説明する。
【0025】
ポンプ4に通電するとポンプ4の揚水作用で、髪毛や糸くず等の大きなゴミがヘアーキャッチャー3により捕捉され粗ろ過された浴槽水が吸入管5から循環水路2内に給水される。粗ろ過された浴槽水は電解槽6内の電解室10、11へ流入し、電解槽6内の電解室10、11、フィルタ12、13を介して水路管14を通り、ヒータ16を介して吐出管15から浴槽1に吐出される。また、同時に浴槽水は、電解室10、11から隔膜7を介して滞留室8、9へ流入し、電解室10、11の通水圧力に相当する水頭水位位置まで各滞留室8、9に溜まり込んだ状態となる。
【0026】
次に、本実施の形態1における循環温浴器の浄化運転について説明する。図2は、浴槽水の濁り成分中の負電位をおびたゼータ電位曲線グラフであり、図3は、浴槽水の濁り成分中の正電位をおびたゼータ電位曲線グラフである。
【0027】
図2又は図3において、横軸は浴槽水のpH、縦軸はゼータ電位を示している。
【0028】
電極板8a、電極板10a、電極板11a、電極板9aに交互に異なる極性が加わるように直流電圧を印加する。本実施の形態1では、電極板8a、電極板11aに陽極を、電極板10a、電極板9aに陰極を印加する。電極板11aに陽極を印加すると電解室11の浴槽水が酸性になり、一方電極板10aに陰極を印加すると電解室10の浴槽水がアルカリ性になる。
【0029】
ここで、電極板の極性は逆電圧印加でも同一効果を有し、また交互に逆極性を印加してもよい。
【0030】
一般的に、浴槽水の濁り成分中の大部分は、pH7(中性)付近で負(−)のゼータ電位を帯びており、図2に示すように、pHの変化とともにゼータ電位は変化する。浴槽水が酸性になる場合、ゼータ電位は徐々に0Vに近付き、特定のpH点になった場合にゼータ電位は±0Vになる(以下、等電点という)。更にpHが低下して浴槽水の酸性が強くなるとゼータ電位は正(+)の電位を帯びてくる。
【0031】
また、浴槽水の濁り成分中の残りの成分は、pH7(中性)付近で正(+)のゼータ電位を帯びており、図3に示すように、pHが上昇して浴槽水がアルカリ性になるにつれて、ゼータ電位は徐々に0Vに近付き、等電点になった場合にゼータ電位は±0Vになる。更に浴槽水のアルカリ性が強くなるとゼータ電位は負(−)の電位を帯びてくる。
【0032】
以上のことから、電解槽6の電解室11内で酸性になった浴槽水の濁り成分は、
(1)等電点付近で電位が±0Vになり、濁り成分の粒子がファンデルワールス力で引き合って凝集を起こすとともに、フィルタ13の表面にファンデルワールス力で吸着する。
(2)溶解性の脂肪酸が溶け難くなり析出反応を起こす。
等の現象が起こり、溶解性有機物が懸濁物質として析出して電解室11の出口側水路11bに配設されたフィルタ13によりろ過される。
【0033】
一方、電解槽6の電解室10内でアルカリ性になった浴槽水の濁り成分は、
(3)等電点付近で電位が±0Vになり、濁り成分の粒子がファンデルワールス力で引き合い凝集を起こすとともに、フィルタ12の表面にファンデルワールス力で吸着する。
(4)ケン化現象により浴槽水中の脂質の析出反応を起こす。
等の現象が起こり、酸性の際と同様に溶解性有機物が懸濁物質として析出して電解室10の出口側水路10bに配設されたフィルタ12によりろ過される。
【0034】
ここで、電解室内で酸性やアルカリ性になった浴槽水(以下、電解水という)は酸性ではpH5.5以下、アルカリ性ではpH9.5以上が溶解性有機物の懸濁物質の凝集や析出に特に有効である。
【0035】
また、同時に電極板8aに陽極を印加しているため、滞留室8内の浴槽水(以下、滞留水という)は酸性へ変化して滞留し、時間の経過とともに強酸性水(pH2以下)になる。更に、電極板8aは陽極(+)の電位を帯びているため、電解室10を通水している浴槽水中の負の電位を帯びた溶解性有機物は電気力により隔膜7を介して滞留室8内に引き込まれて滞留していく。
【0036】
また、電極板9aに陰極を印加しているため、滞留室9内の滞留水はアルカリ性へ変化して滞留し、時間の経過とともに強アルカリ性水(pH12以上)になる。更に、電極板9aは、陰極(−)の電位を帯びているため、電解室11を通水している浴槽水中の正の電位を帯びた溶解性有機物は電気力により隔膜7を介して滞留室9内に引き込まれて滞留していく。
【0037】
これにより、電気透析の原理を利用して、電解室10、11内で凝集や析出ができない溶解性有機物を滞留室8、9へ引き込み、除去ができる。
【0038】
次に、フィルタ12、13によりろ過された酸性及びアルカリ性の電解水は、フィルタ12、13の下流側に連結された水路管14で混合して中和され、ヒータ16を通過中に所定の温度に加熱、保温されて吐出管15から浴槽1へ戻される。
【0039】
更に、一定時間、前記浄化運転を行った後ポンプ4を停止し、電磁弁8c、9cを開状態にして滞留室8、9に滞留している溶解性有機物を多く含んだ滞留水を排出管8b、9bから排出する。
【0040】
以上の浄化運転動作を連続して行うことにより、浴槽水中の髪毛や糸クズ等の大きなゴミをヘアーキャッチャーで除去し、更に、循環水路内で浴槽水のpHを変化させずに浴槽水中の微小粒子や溶解性有機物等の懸濁物質をろ過、浄化することができるとともに、除去した溶解性有機物を排出でき、浴槽水の浄化ができる。また、電極板を用いて浴槽水の浄化を行うため、浴槽水中の好気性浄化細菌による生物浄化を利用しないとともに、生物浄化を用いないため、設置後すぐに浄化性能が働き、使用しない時は期間に関わらずヒータの電源を切って停止させることができるという作用を有する。
【0041】
(実施の形態2)
次に、電解槽内に電解室が4室形成され、電極板が合計6枚の場合の実施の形態2について説明する。図4は実施の形態2における循環温浴器の概略構成図である。
【0042】
図4において、実施の形態1と同一の構造及び仕様の箇所は同一の符合及び名称を用いて説明を省略し、異なる箇所のみを説明する。
【0043】
20乃至23は電解槽6内に隔膜7により仕切られて形成された電解室、20a乃至23aは電解室20乃至23内に配設された電極板、24は電解室20、22の下流側を連結し、フィルタ12に連通された出口側水路、25は電解室21、23の下流側を連結し、フィルタ13に連通された出口側水路である。
【0044】
以下、本実施の形態2における循環温浴器の浄化運転について説明する。
各電極板20a乃至23a間に交互に異なる極性が加わるように直流電圧を印加する。本実施の形態2では、電極板8a、電極板21a、電極板23aに陽極を、電極板20a、電極板22a、電極板9aに陰極を印加した場合について説明する。
【0045】
電極板21a、電極板23aに陽極を印加すると電解室21、電解室23内の浴槽水は酸性となり、一方、電極板20a、電極板22aに陰極を印加すると電解室20、電解室22の浴槽水はアルカリ性になる。各々酸性、アルカリ性になった浴槽水(電解水)は、実施の形態1と同様に溶解性有機物の懸濁物質が析出し、酸性の電解水はフィルタ13で、またアルカリ性の電解水はフィルタ12で各々ろ過される。
【0046】
尚、その他の浄化運転は実施の形態1と同様である。
以上により、実施の形態1と同様な作用を有するとともに、電解室を増やしているため、電解室に循環させる浴槽水量を増した場合でも浄化の効率を下げることなく、浴槽水の浄化を短時間で行えるという作用を有する。
【0047】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3における循環温浴器について図5乃至図7を用いて説明する。図5は実施の形態3における循環温浴器の概略構成図であり、図6は実施の形態3の強酸性水、強アルカリ性水のフィルタ浸漬状態の概略構成図であり、図7は実施の形態3の強酸性水、強アルカリ性水の排出状態の概略構成図である。
【0048】
図5乃至図7において、実施の形態1と同じ構造及び仕様の箇所は同一符合及び名称を用いて説明を省略し、異なる箇所のみを説明する。
【0049】
30、31は滞留室8、9の底部に形成され、フィルタ12、13の上流側に連通された排出管、30a、31aは排出管30、31に形成された電磁弁、32、33はフィルタ12、13の下流側に形成された下流側排水管、32a、33aは下流側排水管32、33に形成された下流側排水管用電磁弁である。
【0050】
以下、本実施の形態3における循環温浴器の浄化運転について説明する。
図5に示すように、電磁弁30a、31aと下流側排水管用電磁弁32a、33aを閉じて、一定時間、実施の形態1と同様に浄化運転をした後、ポンプ4を停止し、図6に示すように、電磁弁30a、31aを開き、滞留室8内の強酸性の滞留水及び滞留室9内の強アルカリ性の滞留水を、排出管30、31からフィルタ12、13へ流入させてフィルタ12、13を滞留水で浸漬して放置する。
【0051】
フィルタ12では、強酸性の滞留水が流入するとフィルタ12に付着した有機物のゼータ電位が正(+)の電位に変化するとともに、フィルタ12のゼータ電位も有機物と同極の正(+)の電位になるため、フィルタ12と有機物がお互いに反発し合い有機物がフィルタ12から離脱する。
【0052】
また、フィルタ13では、強アルカリ性の滞留水が流入すると、フィルタ13に付着した有機物のゼータ電位が負(−)の電位に変化するとともに、フィルタ13のゼータ電位も有機物と同極の負(−)の電位になるため、フィルタ13と有機物がお互いに反発し合い有機物がフィルタ13から離脱する。
【0053】
更に、一定時間放置後、図7に示すように、下流側排水管用電磁弁32a、33aを開け、フィルタ12、13に滞留している強酸性の滞留水や強アルカリ性の滞留水を離脱した有機物とともに、下流側排水管32、33から排出する。
【0054】
ここで、本実施の形態3における浄化運転において、電極板8a、9aへ印加する直流電圧を交互に逆極性にして印加にすることにより、フィルタ12、13に強酸性や強アルカリ性の滞留水を交互に使用でき、有機物の離脱効果を増すことができる。
【0055】
また、強酸性としてはpH2以下、強アルカリ性としてはpH12以上が有効である。
【0056】
以上により、本実施の形態3における循環温浴器では、実施の形態1と同様の浄化運転を行い、浄化運転中に滞留室内で生成した強酸性や強アルカリ性の滞留水を利用して、フィルタに付着した有機物を離脱除去することができ、フィルタの目詰まりを防ぎ、再生することができるという作用を有する。
【0057】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4における循環温浴器について図8を用いて説明する。図8は、実施の形態4における循環温浴器の概略構成図である。
【0058】
図8において、実施の形態1及び実施の形態3と同一の構造及び仕様の箇所は同一符合及び名称を用いて説明を省略し、異なる箇所のみを説明する。
【0059】
40はポンプ4の下流側に配設された三方弁、41は水路管14とヒータ16間に配設された三方弁であり三方弁40と一対で、切り替え側の水路が連結されている。42、43は出口側水路10b、11bに形成された逆止弁、44、45はフィルタ12、13の上流側に形成された上流側排水管、44a、45aは上流側排水管44、45に形成された上流側排水管用電磁弁である。
【0060】
ここで、逆止弁42、43は電解室10、11からフィルタ12、13へのみ通水し、逆方向は止水する。
【0061】
次に、実施の形態4における循環温浴器の浄化運転中の逆洗運転について説明する。
【0062】
実施の形態3と略同様に浄化運転が行われ、フィルタ12、13の強酸性や強アルカリ性の滞留水を下流側排水管32、33から排出した後、下流側排水管用電磁弁32a、33aを閉じ、三方弁40を図8に示すように、ポンプ4で汲み上げた浴槽水が三方弁41側へ流れるように、かつ、三方弁41を浴槽水が水路管14からフィルタ12、13へ流れるように切り替え、更に、上流側排水管用電磁弁44a、45aを開く。これにより、ポンプ4の運転を行った際に、浴槽水が吸入管5から汲み上げられ、ポンプ4、三方弁40を通って三方弁41へ通水される。更に、浴槽水は水路管14からフィルタ12、13へ流入し、フィルタ12、13の通常のろ過方向に対して逆方向に通水し、強酸性や強アルカリ性の滞留水で離脱してフィルタ12、13の表面に付着した有機物等の残留分を水圧により離脱させ、通水された浴槽水とともに上流側排水管用電磁弁44a、45aを介して、上流側排水管44、45から排出させる。また、フィルタ12、13に通水された浴槽水は逆止弁42、43により電解室10、11への流入が阻止されている。
【0063】
以上により、本実施の形態4における循環温浴器では、実施の形態1及び実施の形態3と同様に浴槽水の浄化運転ができるとともに、浴槽水をフィルタの下流側から流入させることによりフィルタの逆洗運転ができ、フィルタに付着した有機物等の残留物を除去でき、フィルタの耐久性の向上を図れるという作用を有する。
【0064】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、循環水路内に電解槽を形成し、電解槽内に配設された電極板により浴槽水の電解による凝集作用及び電気透析を利用した有機物除去を行うことができ、好気性浄化細菌による生物浄化を利用しない浴槽水の浄化ができる。また、循環温浴器の設置後すぐに浄化性能が働き、使用しない時は期間にかかわらず停止することができるとともに、浴槽を使用しない時はヒータを切ることができ、省エネルギー性に優れるという有利な効果が得られる。
【0065】
また、電極板の枚数を偶数の複数枚にし、両端側の滞留室内の電極板を除き、同極に印加された電極板が配設された電解室の出口側水路をお互いに連結し、出口側水路の各々にフィルタを備えた構造にしても同様の効果が得られる。また、電解室を増やすことにより、循環させる浴槽水量を増やした場合にも浴槽水の浄化を効率よく行えるという効果が得られる。
【0066】
更に、フィルタを強酸性や強アルカリ性の滞留水に浸漬することにより、フィルタに付着した有機物を溶解除去することができ、フィルタの目詰まりを除去し再生できるため、フィルタの耐久性を向上させることができ、保守管理が容易にできるという優れた効果が得られる。
【0067】
また、フィルタの下流側から浴槽水を流入させることにより、フィルタに付着した懸濁物質及び溶解性有機物の残留分の逆洗除去ができ、フィルタの耐久性を更に延命できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における循環温浴器の概略構成図
【図2】浴槽水の濁り成分中の負電位をおびたゼータ電位曲線グラフ
【図3】浴槽水の濁り成分中の正電位をおびたゼータ電位曲線グラフ
【図4】実施の形態2における循環温浴器の概略構成図
【図5】実施の形態3における循環温浴器の概略構成図
【図6】実施の形態3の強酸性水、強アルカリ性水のフィルタ浸漬状態の概略構成図
【図7】実施の形態3の強酸性水、強アルカリ性水の排出状態の概略構成図
【図8】実施の形態4における循環温浴器の概略構成図
【図9】従来の循環温浴器の概略構成図
【符号の説明】
1 浴槽
2 循環水路
3 ヘアーキャッチャー
4 ポンプ
5 吸入管
6 電解槽
7 隔膜
8 滞留室
8a 電極板
8b 排出管
8c 電磁弁
9 滞留室
9a 電極板
9b 排出管
9c 電磁弁
10 電解室
10a 電極板
10b 出口側水路
11 電解室
11a 電極板
11b 出口側水路
12 フィルタ
13 フィルタ
14 水路管
15 吐出管
16 ヒータ
20 電解室
20a 電極板
21 電解室
21a 電極板
22 電解室
22a 電極板
23 電解室
23a 電極板
24 出口側水路
25 出口側水路
30 排出管
30a 電磁弁
31 排出管
31a 電磁弁
32 下流側排水管
32a 下流側排水管用電磁弁
33 下流側排水管
33a 下流側排水管用電磁弁
40 三方弁
41 三方弁
42 逆止弁
43 逆止弁
44 上流側排水管
44a 上流側排水管用電磁弁
45 上流側排水管
45a 上流側排水管用電磁弁
50 浴槽
51 循環水路
52 ヘアーキャッチャー
53 ポンプ
54 ろ過槽
55 ろ過材
56 ヒータ
57a 吸入管
57b 吐出管
58a 原水管
58b 浄水管

Claims (4)

  1. 浴槽内の浴槽水を、ポンプ、フィルタの順で流して浴槽へ戻す循環温浴器において、前記フィルタの上流側流路に配設された電解槽と、前記電解槽内を各室に仕切る隔膜と、前記各室の内の前記電解槽内の両端の滞留室と、この2つの滞留室の間の偶数の電解室と、前記滞留室及び前記電解室のそれぞれの内に配設された電極板と、前記滞留室の下流側端部に接続された排出管と、前記排出管に形成された電磁弁等からなる弁部と、前記電解槽の下流側端部に接続されると共に電解室から流出した浴槽水を前記フィルタに導入する出口側水路と、前記フィルタの下流側端部に接続されると共に浴槽内に浴槽水を吐出する吐出管にフィルタでろ過された浴槽水を導入する水路管と、を備えたことを特徴とする循環温浴器。
  2. 同極に印加された前記電極板が配設された前記電解室の前記出口側水路が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の循環温浴器。
  3. 前記フィルタの下流側端部に前記水路管とは別に下流側排水管が接続され、この下流側排水管に下流側排水管用電磁弁が形成され、前記排出管が前記フィルタの上流側端部に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の循環温浴器。
  4. 前記ポンプの下流側流路及び前記吐出管のそれぞれに形成された三方弁と、前記出口側水路に形成された逆止弁と、前記フィルタの上流側端部に前記出口側水路、排出管とは別に接続された上流側排水管と、この上流側排水管に形成された上流側排水管用電磁弁と、を備えたことを特徴とする請求項3に記載の循環温浴器。
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