JP3699809B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3699809B2
JP3699809B2 JP19661697A JP19661697A JP3699809B2 JP 3699809 B2 JP3699809 B2 JP 3699809B2 JP 19661697 A JP19661697 A JP 19661697A JP 19661697 A JP19661697 A JP 19661697A JP 3699809 B2 JP3699809 B2 JP 3699809B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
silicon
silicon film
lower electrode
capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19661697A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1140774A (ja
Inventor
正志 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP19661697A priority Critical patent/JP3699809B2/ja
Publication of JPH1140774A publication Critical patent/JPH1140774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3699809B2 publication Critical patent/JP3699809B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体装置の製造方法に関し、特にダイナミックRAM(以下、DRAMと記す)のキャパシタの形成に適用される半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体装置の製造方法では、DRAMのキャパシタを形成する場合、まず例えば原料ガスにシランガスを用いた減圧状態で行う化学的気相成長法(以下、LP−CVD法と記す)によって、基板上に平坦なポリシリコン膜を形成する。次いで、ポリシリコン膜に不純物を導入することにより導電性を付与して下部電極を形成し、続いて下部電極上にキャパシタ絶縁膜、上部電極を順次形成し、下部電極とキャパシタ絶縁膜と上部電極とからなるキャパシタを得ている。
【0003】
このキャパシタの形成にあっては、素子の高集積化およびメモリセルの縮小化に伴い、キャパシタの容量を確保するために、キャパシタ絶縁膜の薄膜化が進められている。また、下部電極を例えば円筒型やフィン型などのように3次元構造にする、あるいはエッチング技術を用いて平坦な下部電極の表面を荒らして凹凸にすることにより下部電極の表面積を増加させて、キャパシタの容量の増大を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来技術では、基板上に3次元構造の下部電極を形成する場合、表面積が増加した下部電極を形成できるものの、工程数が大幅に増加して形成工程が非常に複雑になるという難点がある。また、エッチングによって下部電極の表面を凹凸にする方法では、エッチング工程を増加させるだけで済むため形成工程が複雑にならないが、エッチングによる凹凸形成のため凹凸の段差を大きくできない。よって、表面積の増加に限界があることから、素子の高集積化およびメモリセルの縮小化に伴い要求されるキャパシタの容量を十分満足するだけの容量が得られないという欠点を有している。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明に係るNSG膜上にキャパシタの下部電極を形成する半導体装置の製造方法は、下部電極が形成されるNSG膜の表面は硫酸過水で洗浄処理されたものを用い、シランガスを含む原料ガスを使用するとともにシリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度である570℃〜580℃でかつ圧力が26.7Paで行うLP−CVD法によって、絶縁膜上に表面が凹凸状であって、凸部はその上部の断面が円形状で下部においてくびれ部分を有し、下部の下側端部が隣り合う凸部の下側端部と連続して形成された形状となり、かつ隣り合う凸部どうしの上部が互いに接しない状態となるように、110nm〜150nmの膜厚のシリコン膜を形成することによりキャパシタの下部電極を得ることを特徴としている。
【0006】
また請求項2の発明に係るNSG膜上にキャパシタの下部電極を形成する半導体装置の製造方法は、下部電極が形成されるNSG膜の表面は硫酸過水で洗浄処理されたものを用い、NSG膜上にシランガスを含む原料ガスを使用するとともにシリコンが結晶状態になる温度でかつ減圧状態で行う化学的気相成長法によって、第1のシリコン膜を形成し、シランガスを含む原料ガスを使用するとともに、第1のシリコン膜の形成時の温度より低い、シリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度である570℃〜580℃でかつ圧力が26.7Paで行う化学的気相成長法によって、第1のシリコン膜上に、凹凸状であり、凸部が成長することにより、凸部はその上部の断面が円形状で下部においてくびれ部分を有し、下部の下側端部にて裾を引いた形状となり、かつ隣接する凸部どうしの上部が互いに接しない状態となるように、70nm〜130nmの膜厚の第2のシリコン膜を形成することにより、第1のシリコン膜と第2のシリコン膜とからなる下部電極を形成することを特徴としている。
【0007】
シランガスを含む原料ガスを使用したLP−CVD法によりシリコン膜を形成する場合、シリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度でLP−CVDを行うと、表面が凹凸状の粗面なシリコン膜が得られる。このシリコン膜の形成状態は膜厚によって異なり、まず絶縁膜上に複数のシリコンの島が形成され、膜厚が厚くなるにしたがってシリコンの島が成長して凸部と凹部とからなる網状のシリコン膜が形成され、次第に隣り合う凸部の側壁上部側が接するようになって粗面の状態が緩和されてくる。その際、110nm〜150nmの膜厚に形成すると、網状のシリコン膜の凸部が成長しかつ隣り合う凸部の側壁下部側が連続して形成された状態になって大きい表面積のシリコン膜が得られる。請求項1の発明では、表面が凹凸状に形成される上記した条件のLP−CVD法によって絶縁膜上に110nm〜10nmの膜厚のシリコン膜を形成するため、キャパシタ絶縁膜を形成可能な表面積が大きい下部電極が得られる。またシリコン膜の形成と同時に表面が凹凸状に形成されるため、工程数が増加が防止される。
【0008】
また、表面が凹凸状のシリコン膜が得られる上記した条件のLP−CVD法によって導電膜上にシリコン膜を形成する場合には、例えば初期の段階で形成される各シリコンの島が導電膜によって連続して接続された状態になるため、シリコンの島の表面と島間から露出した導電膜の表面との合計が下部電極の表面積になる。よって、絶縁膜上に1層のシリコン膜からなる下部電極を形成する場合よりも薄い膜厚の範囲、70nm〜130nmの膜厚の範囲にシリコン膜を形成することにより、1層のシリコン膜からなる下部電極よりも表面積の大きい下部電極が得られる。請求項2の発明では、表面が凹凸状に形成される条件のLP−CVD法によって、導電膜上に70nm〜130nmの膜厚のシリコン膜を形成するため、キャパシタ絶縁膜を形成可能な表面積が大きい下部電極が得られる。またシリコン膜の形成と同時に表面が凹凸状に形成されるため、工程数の増加が抑えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る半導体装置の製造方法の実施形態を図面に基づいて説明する。図1(a),(b)はこの発明の第1実施形態を工程順に示す要部側断面図であり、特に請求項1の発明の特徴であるDRAMのキャパシタの形成方法を示したものである。
【0010】
キャパシタを形成するにあたっては、予め、基体(図示略)表面に絶縁膜11が形成されたものを用意する。この実施形態では、例えば不純物を含まない酸化シリコン系のCVD膜、いわゆるNSG膜を絶縁膜11として形成し、絶縁膜11の表面を硫酸過水によって洗浄処理しておく。
【0011】
そして、まず図1(a)に示すように、LP−CVD法によって絶縁膜11上に不純物が導入されたシリコン膜からなる下部電極12を形成する。その際、モノシラン(SiH4 )、ジシラン(Si2 6 )等からなるシランガスを含む原料ガスを用いるとともに、シリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度でLP−CVD法を行う。
【0012】
ここでは例えば、シランガスとしてモノシランガスを使用し、シリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度を570℃〜580℃の範囲内の温度とし、雰囲気圧力を26.7Pa程度とする。また膜厚tが110nm〜10nm程度、特にこの実施形態では好ましい膜厚である120nm〜130nm程度になるように成膜を行い、これにより表面が凹凸状の粗面なシリコン膜からなる下部電極12を形成する。なお、LP−CVD法によって絶縁膜11上にシリコン膜を形成した後に、シリコン膜に不純物を導入して下部電極12を形成してもよい。
【0013】
下部電極12の形成後は、従来法と同様にして図1(b)に示すように、下部電極12の表面を覆うようにしてキャパシタ絶縁膜13を形成し、キャパシタ絶縁膜13上に上部電極14を形成する。キャパシタ絶縁膜13の形成は、例えばカバレッジ性に優れたCVD法を用い、かつ極薄く形成するのが好適である。またキャパシタ絶縁膜13の材料としては、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO2)や酸化タンタル(Ta25)などの誘電率の高いものが好ましい。また上部電極14を形成する導電膜の材料としては、例えば、不純物を含むポリシリコンやタングステン(W)、アルミニウム(Al)等の金属材料が挙げられる。以上の工程によって、下部電極12とキャパシタ絶縁膜13と上部電極14とから構成されたキャパシタ10が形成される。
【0014】
ここで、請求項1の発明において下部電極を構成するシリコン膜の膜厚tを110nm〜150nm程度、特に好ましい膜厚tを120nm〜130nm程度とする理由について、図2および図3を用いて説明する。
【0015】
シランガスを含む原料ガスを用い、シリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度、570℃〜580℃を雰囲気温度とし、雰囲気圧力を26.7Pa程度とした条件でLP−CVDを行ってシリコン膜を形成する場合、表面が凹凸状の粗面なシリコン膜が絶縁膜11上に形成される。この際、シリコン膜の形成状態が膜厚tによって異なる。すなわち、シリコン膜の膜厚tを50nm程度とすると、図2(a)に示すように絶縁膜11上に複数のシリコンの島からなるシリコン膜121が形成される。これら複数のシリコンの島は独立して形成されており、したがって不連続であるが、ここでは説明の都合上シリコン膜121と称することとする。また、シリコン膜121の膜厚tとは、シリコンの島の最上部から絶縁膜11表面までの寸法である。
【0016】
また、上記膜厚tを100nm程度とすると、図2(b)に示すように絶縁膜11上に形成されている島状のシリコン膜121がそれぞれ成長して凸部122aと、凸部122a間の凹部122bとからなる網目状のシリコン膜122が形成される。凹部122bは、凸部122aの側壁下部側が裾を引いて隣り合う凸部122aの裾を引いた下部側に連続する部分と連続していない部分とからなる。ここでのシリコン膜122の膜厚tとは、凸部122aの最上部から絶縁膜11表面までの寸法である。
【0017】
さらに膜厚tを150nm程度にすると、図2(c)に示すように網目状のシリコン膜122がさらに成長して隣り合う凸部122aの側壁下部側が完全に連続して形成され、かつ隣り合う凸部122aの側壁上部側が接した箇所が存在するシリコン膜123が得られる。膜厚tを10nmより厚くすると、凸部122aのほとんどがその側壁上部側で互いに接し、粗面状態が大幅に緩和される。ここでのシリコン膜123の膜厚tとは、凸部122aの最上部から絶縁膜11表面までの寸法である。
【0018】
上記のシリコン膜を下部電極とし、下部電極を覆うキャパシタ絶縁膜を窒化シリコン膜で形成し、キャパシタ絶縁膜上にポリシリコン膜からなる上部電極を形成してキャパシタを得たときのキャパシタの容量の増加の膜厚依存性を図3の□を結ぶ曲線で示す。図3において、縦軸は平坦なポリシリコン膜からなる下部電極を備えたキャパシタに対する容量増加割合、横軸は下部電極を構成するシリコン膜の膜厚t(nm)をそれぞれ示してある。また図中、二点鎖線は平坦なポリシリコン膜からなる下部電極を備えた従来のキャパシタの容量を示してある。
【0019】
ここで容量Cと下部電極の表面積Sとは、C=εS/d(d:キャパシタ絶縁膜の膜厚、ε:キャパシタ絶縁膜の誘電率)なる関係があり、キャパシタ絶縁膜を同じ材料でかつ同じ膜厚に形成すると、表面積とキャパシタの容量とは1対1の関係になる。よって、キャパシタ絶縁膜を同じ材料でかつ同じ膜厚に形成して得た図3に示すグラフにおいて、キャパシタの容量の増加はそのまま下部電極の表面積の増加を表している。
【0020】
図3から、シリコン膜の膜厚tが80nmより薄い場合には、シリコン膜は島状あるいは網目状になっていることから、図2(a)の島状のシリコン体121あるいは図2(b)の網目状のシリコン膜122が形成されていない、つまり下部電極の機能をなしていない箇所が存在する。その結果、平坦なポリシリコン膜からなる下部電極を備えた従来のキャパシタ(容量増加割合が1)よりも容量が減少する。
【0021】
逆にシリコン膜の膜厚tが160nmよりも厚くなると、図2(c)に示したように各凸部122aのほとんどは、その側壁上部側が互いに接する状態に形成されるため、各凸部122aの側壁および凸部122a間の凹部122bはキャパシタ絶縁膜が形成されない部分になる。この結果、キャパシタ絶縁膜が形成される下部電極の表面積が小さくなり、キャパシタの容量に寄与しない箇所が増えるため、キャパシタの容量が小さくなる。
【0022】
したがって、シリコン膜が網目状に成長して隣り合う凸部の側壁下部側が連続して形成される膜厚から、さらにシリコン膜が成長しても隣り合うリコン膜の凸部の側壁上部側が接する箇所が少ない膜厚までの範囲が大きな表面積が得られて容量が増加することが知見される。このような状態のシリコン膜からなる下部電極が得られて従来のキャパシタの容量に比較して容量増加割合が約1.5倍以上になるは、図3から110nm〜150nmの膜厚である。さらにこの膜厚の範囲内にて、最も表面積が大きくなり従来のキャパシタの容量に比較して容量増加割合が約1.8倍程度と非常に大きい容量が得られる膜厚の範囲は、図3から120nm〜130nmである。以上の理由から、請求項1の発明において下部電極を構成するシリコン膜の膜厚tを110nm〜150nm程度、特に好ましい膜厚tを120nm〜130nm程度としているのである。
【0023】
第1実施形態では、シリコン膜の膜厚tを120nm〜130nmの範囲に形成しているため、平坦な下部電極の表面積よりも1.8倍程度表面積が増加した下部電極12を得ることができ、よって1.8倍程度も容量が増加したキャパシタ10を得ることができる。またシリコン膜を成膜する工程だけで表面積の大きい下部電極12を形成できるため、工程数の増加を防止することができる。この結果、従来の3次元構造の下部電極を形成する場合のように形成工程が非常に複雑にならず、大幅に容量が増大したキャパシタ10を簡易に形成することができる。またキャパシタ10の容量を増大することができるので、メモリセル領域の面積の縮小化を図ることができる。
【0024】
次にこの発明に係る半導体装置の製造方法の第2実施形態を図4に基づいて説明する。なお、図4(a),(b)はこの発明の第2実施形態を工程順に示す要部側断面図であり、特に請求項2の発明の特徴であるDRAMのキャパシタの形成方法を示したものである。また、図4において第1実施形態と同一の形成要素には同一の符号を付し、ここでの説明を省略する。
【0025】
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、キャパシタを形成する前に予め、基体(図示略)表面に絶縁膜11が形成されたものを用意する。そして、まず図4(a)に示すように、LP−CVD法によって絶縁膜11上に請求項2の発明の導電膜となる不純物が導入された第1シリコン膜22aを形成する。その際、シランガスを含む原料ガスを用い、例えば、シリコンが結晶状態になることが知られている620℃程度の雰囲気温度で、第1シリコン膜22aを50nm〜100nm程度の膜厚に形成する。あるいは、上記条件のLP−CVD法によって絶縁膜11上にシリコン膜を形成した後、このシリコン膜に不純物を導入して第1シリコン膜22aを形成してもよい。
【0026】
次いで、LP−CVD法によって第1シリコン膜22a上に不純物が導入された第2シリコン膜22bを形成する。この際、モノシラン、ジシラン等からなるシランガスを含む原料ガスを用いるとともに、シリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度でLP−CVD法を行う。
【0027】
ここでは、例えば、シランガスとしてモノシランガスを使用し、シリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度を570℃〜580℃の範囲内の温度とし、雰囲気圧力を26.7Pa程度とする。また膜厚tが70nm〜130nm程度、特にこの実施形態では好ましい膜厚tである90nm〜110nm程度になるように形成し、これにより表面が凹凸状の粗面な第2シリコン膜22bを形成する。あるいは、上記条件のLP−CVD法によって第1シリコン膜22a上にシリコン膜を形成した後、このシリコン膜に不純物を導入して第2シリコン膜22bを得てもよい。このようにして、第1シリコン膜22aと第2シリコン膜22bとからなる下部電極22を得る。
【0028】
その後は、第1実施形態と同様にして下部電極22上にキャパシタ絶縁膜13、上部電極14を順次形成し、下部電極22とキャパシタ絶縁膜13と上部電極14とから構成されたキャパシタ20を得る。
【0029】
ここで、請求項2の発明において下部電極を構成する第2シリコン膜の膜厚tを70nm〜130nm程度、特に好ましい膜厚tを90nm〜110nm程度とする理由について、図3および図5を用いて説明する。
【0030】
シランガスを含む原料ガスを用い、シリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度、例えば570℃〜580℃を雰囲気温度とし、雰囲気圧力を26.7Pa程度とした条件でLP−CVDを行って第1シリコン膜22a上に第2シリコン膜22bを形成する場合、図5(a)に示すように膜厚tを50nm程度とすると、第1シリコン膜22a上に複数のシリコンの島からなるシリコン膜221が形成される。これら複数のシリコンの島は独立して形成されており、したがって不連続であるが、第1シリコン膜22aによって互いに接続された状態になっている。そのため、シリコン膜221の表面全体が、島状のシリコン間の外側に露出した第1シリコン膜22aの面とともに、キャパシタ絶縁膜が形成されて容量に寄与する下部電極の表面になる。ここで、シリコン膜221の膜厚tとは、シリコンの島の最上部から第1シリコン膜22a表面までの寸法である。
【0031】
また、上記膜厚tを100nm程度にすると、図5(b)に示すように島状のシリコン膜221がそれぞれ成長して凸部222aと、凸部222a間の凹部222bとからなる網目状のシリコン膜222が形成される。凹部222bは、シリコン膜222が形成されていない箇所であるが、この箇所には第1シリコン膜22aが外側に露出した状態で存在しているため、シリコン膜222の表面全体が、凹部222bより外側に露出した第1シリコン膜22aの面とともに容量に寄与する下部電極の表面になる。ここでシリコン膜222の膜厚tとは、凸部222aの最上部から第1シリコン膜22a表面までの寸法である。
【0032】
さらに膜厚tを150nm程度にすると、先に説明した図2(c)と同様に、網目状のシリコン膜222がさらに成長して隣り合う凸部222aの側壁下部側が完全に連続して形成され、かつ隣り合う凸部222aの側壁上部側が接した箇所が存在するシリコン膜が得られる。その結果、各凸部222aの側壁および凸部222a間の凹部222bはキャパシタ絶縁膜が形成されない部分になって、キャパシタ絶縁膜が形成される下部電極の表面積が小さくなり、キャパシタの容量が低下する。
【0033】
上記のように形成されたシリコン膜を第2シリコン膜として第1シリコン膜22aとこの第2シリコン膜とから2層構造の下部電極を構成し、下部電極を覆うキャパシタ絶縁膜を窒化シリコン膜で形成し、キャパシタ絶縁膜上にポリシリコン膜からなる上部電極を形成してキャパシタを得たときのキャパシタの容量の増加の膜厚依存性を図3の○を結ぶ曲線で示す。
【0034】
図3から、第2シリコン膜の膜厚tが100nm程度になるまでは膜厚tが厚くなるほど容量の増加割合が大きくなっていく。一方、第2シリコン膜の膜厚tが150nmよりも厚くなると、網目状のシリコン膜222がさらに成長して隣り合う凸部222aの側壁下部側が完全に連続して形成され、かつ隣り合う凸部222aの側壁上部側が接した箇所が生じてくることからため、キャパシタの容量が小さくなることが確認される。
【0035】
したがって、網目状のシリコン膜の凸部が大きく成長する膜厚から、さらにシリコン膜が成長しても隣り合うシリコン膜の凸部の側壁上部側が接する箇所が少ない膜厚までの範囲が大きな表面積が得られて大きな容量が得られることが知見される。このような状態のシリコン膜を有する下部電極が得られて従来のキャパシタの容量に比較して容量増加割合が約2.0倍以上になるは、図3から70nm〜130nmの膜厚である。さらにこの膜厚の範囲内にて、最も表面積が大きくなり従来のキャパシタの容量に比較して容量増加割合が約2.4倍程度と非常に容量が増加する膜厚の範囲は、図3から90nm〜110nmである。以上の理由から、請求項2の発明において下部電極を構成する第2シリコン膜の膜厚tを70nm〜130nm程度、特に好ましい膜厚tを90nm〜110nm程度しているのである。
【0036】
第2実施形態では、第2シリコン膜22bの膜厚tを90nm〜110nmの囲に形成しているため、平坦な下部電極の表面積よりも2.4倍程度表面積が増加した下部電極22を得ることができ、よって、平坦な下部電極を備えた従来のキャパシタよりも2.4倍程度も容量が増加したキャパシタ20を得ることができる。また平坦な下部電極を備えたキャパシタの形成に比較して第1シリコン膜22aを形成する工程を追加するだけで下部電極22を形成できる。したがって、工程数の増加を抑えつつ、より一層容量が増大したキャパシタ20を簡易に形成することができる。またキャパシタ20の容量を増大することができるので、メモリセル領域の面積の縮小化を図ることができる。
【0037】
なお、第2実施形態では請求項2の発明に係る導電膜としてシリコン膜を形成したが、導電性を有しかつキャパシタの形成後に行う熱処理に対して耐熱性を有する膜であれば種々の膜を形成することができる。例えばタングステン(W)のような高融点金属膜を形成してもよい。
【0038】
また請求項1,2の発明は、これだけでキャパシタの容量を大幅に増大させることができるが、例えば従来のスタック型、トレンチ型等のセル構造と組み合わせることによりさらに一層の容量の増大を図ることも可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明に係るNSG膜上にキャパシタの下部電極を形成する半導体装置の製造方法では、下部電極が形成されるNSG膜の表面は硫酸過水で洗浄処理されたものを用い、シランガスを含む原料ガスを使用するとともにシリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度である570℃〜580℃でかつ圧力が26.7Paで行うLP−CVD法によって、絶縁膜上に表面が凹凸状であって、凸部はその上部の断面が円形状で下部においてくびれ部分を有し、下部の下側端部が隣り合う凸部の下側端部と連続して形成された形状となり、かつ隣り合う凸部どうしの上部が互いに接しない状態となるように、シリコン膜を110nm〜150nmの膜厚に形成するため、キャパシタ絶縁膜を形成可能な表面積が大きい下部電極を得ることができる。またシリコン膜の形成と同時に表面を凹凸状に形成できるので、工程数の増加を防止できる。したがって、大幅に容量が増大したキャパシタを簡易に形成することができる。
【0040】
また請求項2の発明に係るNSG膜上にキャパシタの下部電極を形成する半導体装置の製造方法では、下部電極が形成されるNSG膜の表面は硫酸過水で洗浄処理されたものを用い、NSG膜上にシランガスを含む原料ガスを使用するとともにシリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度で行うLP−CVD法によって、第1のシリコン膜を形成し、シランガスを含む原料ガスを使用するとともに、第1のシリコン膜の形成時の温度より低い、シリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度である570℃〜580℃でかつ圧力が26.7Paで行う化学的気相成長法によって、第1のシリコン膜上に、凹凸状であり、凸部が成長することにより、凸部はその上部の断面が円形状で下部においてくびれ部分を有し、下部の下側端部にて裾を引いた形状となり、かつ隣接する凸部どうしの上部が互いに接しない状態となるように、70nm〜130nmの膜厚に第2のシリコン膜を形成することにより、第1のシリコン膜と第2のシリコン膜とからなる下部電極を得るため、1層のシリコン膜からなる下部電極よりも表面積の大きい下部電極を得ることができる。またシリコン膜の形成と同時に表面を凹凸状に形成できるので、1工程だけ工程数が増加するだけで済む。よって、より一層容量が増大したキャパシタを簡易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)はこの発明の第1実施形態を工程順に示す要部側断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、第1実施形態においてシリコン膜の膜厚と形成状態との関係を説明する図である。
【図3】容量の増加の膜厚依存性を示すグラフである。
【図4】(a),(b)はこの発明の第2実施形態を工程順に示す要部側断面図である。
【図5】(a),(b)は、第2実施形態においてシリコン膜の膜厚と形成状態との関係を説明する図である。
【符号の説明】
10,20 キャパシタ
12,22 下部電極
22a 第1シリコン膜
22b 第2シリコン膜

Claims (4)

  1. NSG膜上にキャパシタの下部電極を形成する半導体装置の製造方法において、
    前記下部電極が形成される前記NSG膜の表面は硫酸過水で洗浄処理されたものを用い、
    シランガスを含む原料ガスを使用するとともにシリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度である570℃〜580℃でかつ圧力が26.7Paで行う化学的気相成長法によって、前記NSG膜上に、表面が凹凸状であって、凸部はその上部の断面が円形状で下部においてくびれ部分を有し、該下部の下側端部が隣り合う凸部の下側端部と連続して形成された形状となり、かつ隣り合う凸部どうしの前記上部が互いに接触しない状態となるように、110nm〜150nmの膜厚のシリコン膜からなる下部電極を形成する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. NSG膜上にキャパシタの下部電極を形成する半導体装置の製造方法において、
    前記下部電極が形成される前記NSG膜の表面は硫酸過水で洗浄処理されたものを用い、
    前記NSG膜上にシランガスを含む原料ガスを使用するとともにシリコンが結晶状態になる温度でかつ減圧状態で行う化学的気相成長法によって、第1のシリコン膜を形成する工程と、
    シランガスを含む原料ガスを使用するとともに、前記第1のシリコン膜の形成時の温度より低い、シリコンがアモルファス状態から結晶状態になる遷移領域の温度である570℃〜580℃でかつ圧力が26.7Paで行う化学的気相成長法によって、前記第1のシリコン膜上に、凹凸状であり、凸部が成長することにより、該凸部はその上部の断面が円形状で下部においてくびれ部分を有し、該下部の下側端部にて裾を引いた形状となり、かつ隣接する凸部どうしの前記上部が互いに接しない状態となるように、70nm〜130nmの膜厚の第2のシリコン膜を形成することにより、前記第1のシリコン膜と前記第2のシリコン膜とからなる下部電極を形成する工程とを有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記シリコン膜の膜厚が120nm〜130nmであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第2のシリコン膜の膜厚が90nm〜110nmであることを特徴とする請求項記載の半導体装置の製造方法。
JP19661697A 1997-07-23 1997-07-23 半導体装置の製造方法 Expired - Fee Related JP3699809B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19661697A JP3699809B2 (ja) 1997-07-23 1997-07-23 半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19661697A JP3699809B2 (ja) 1997-07-23 1997-07-23 半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1140774A JPH1140774A (ja) 1999-02-12
JP3699809B2 true JP3699809B2 (ja) 2005-09-28

Family

ID=16360726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19661697A Expired - Fee Related JP3699809B2 (ja) 1997-07-23 1997-07-23 半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3699809B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6764916B1 (en) 1999-03-23 2004-07-20 Hitachi Kokusai Electric Inc. Manufacturing method for semiconductor device
JP4323137B2 (ja) * 2002-06-03 2009-09-02 新光電気工業株式会社 基板埋め込み用キャパシタ、基板埋め込み用キャパシタを埋め込んだ回路基板及び基板埋め込み用キャパシタの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1140774A (ja) 1999-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0507683B1 (en) Stacked capacitor and method for making same
JP2754191B2 (ja) 半導体デバイスのキャパシタ構造及びその製造方法
US5754390A (en) Integrated capacitor bottom electrode for use with conformal dielectric
US5913119A (en) Method of selective growth of a hemispherical grain silicon layer on the outer sides of a crown shaped DRAM capacitor structure
JP4111427B2 (ja) 半導体素子のキャパシタ製造方法
JP2006179860A (ja) 半導体装置のキャパシタ及びその製造方法
US20030153142A1 (en) Selective deposition of undoped silicon film seeded in chlorine and hydride gas for a stacked capacitor
JPH05315543A (ja) 半導体装置およびその製造方法
KR100851080B1 (ko) 반도체 집적회로장치의 제조방법
KR20010061151A (ko) 반도체 소자의 전하저장 전극 형성방법
US6451650B1 (en) Low thermal budget method for forming MIM capacitor
JP3699809B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH1117120A (ja) 半球形グレーンのシリコン膜を持つ半導体装置の製造方法
EP0941552B1 (en) Semiconductor device with memory capacitor and method of manufacturing such a device
US6261890B1 (en) Semiconductor device having capacitor and method of manufacturing the same
US20090197384A1 (en) Semiconductor memory device and method for manufacturing semiconductor memory device
JPS62286269A (ja) Dramセル及びその製造方法
KR20090043325A (ko) 반도체 메모리소자의 캐패시터 형성방법
KR100890049B1 (ko) 반도체 메모리소자의 캐패시터 형성방법
JP2565293B2 (ja) 容量素子の形成方法
JP3173481B2 (ja) スタック電極を有する半導体装置及びその製造方法
JPH11204752A (ja) 凹凸表面を有する下部電極を具備するキャパシタ及びその製造方法
WO2022198953A1 (zh) 一种半导体存储装置及其制作方法
TW202418946A (zh) 製造積體電路元件的方法
KR20030056805A (ko) 요철 구조의 실린더형 하부 전극을 갖는 반도체 메모리소자의커패시터 및 그 형성방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050527

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080715

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090715

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090715

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100715

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100715

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100715

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110715

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 7

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130715

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees