JP3699732B2 - 電子的撮像装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ストロボを用いた撮影に適合する露出制御を行う電子的撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビデオカメラなどに代表される電子的撮像装置においては、一般的に、所謂、シャッター速優先での露出制御が行われていた。その一例として、NTSC方式に適合するビデオカメラの場合、毎フィールドの露光時間であるシャッター速は、60コマ/secのフィールドレートに対応して1/60secに固定され、この状態で入射光量に応じて得られる輝度信号レベルが所定の定常値となるように、絞りが制御される方式が採用されていた。
【0003】
図12は、上記従来の電子的撮像装置のシステムブロック図である。本撮像装置においては、電源スイッチ(図示しない)をオン状態にした後、テーキングレンズ1および絞り2を通過した光は、CCD3上に被写体像として結像する。その被写体像を光電変換した後、CDS回路4で雑音抑圧される。CDS回路4からLPF5を通過した映像信号は、輝度信号Yとして撮像プロセス回路6に導入される。一方、LPF5を通過しない映像信号は、撮像プロセス回路6でCCD3のカラーコーディング方式に基づき色分離される。更に、撮像プロセス回路6の出力は、電子ビューファインダーの信号処理回路(EVF回路)7を通り、表示器8に画像として表示される。
そして、マイコン(マイクロコンピュータ)14の指令によりCCDのタイミング発生回路10によって露光期間タイミングが生成されCCDドライブ回路11によりCCD3が駆動される。なお、このときのシャッター速度、即ち、露光時間は一定とする。
【0004】
一方、CDS回路4、LPF5を経過したY信号は、ビデオレベル検出回路9に入力するが、例えば、Y信号の平均電圧レベルとしてマイコン14に各時点での露出状態を認知させる。マイコン14は、例えば、シャッター速を1/60secに対して、常に一定の映像信号レベルとなる方向に絞り制御部12を制御する。なお、録画SW(スイッチ)13をオンとすると上記撮像プロセス回路6の映像出力信号が図示しない記録系に出力され、映像信号の記録が実行される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、この種の電子的撮像装置においても、低照度下での撮影、乃至、逆光状態での撮影のようにストロボを用いて撮影を行いたい場合がある。しかしながら、上述した従来の装置では、ストロボを用いて撮影を行うに際しても、一律にシャッター速優先での露出制御が行われてしまう。従って、場合によっては絞りがかなり絞り込まれる結果、ストロボ光の利用効率が極度に低下してしまう虞があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、ストロボを用いて撮影を行うに際して、ストロボ光の利用効率をあげることによってストロボ使用の実効性を高めることを可能にした電子的撮像装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による電子的撮像装置は、各個の調整状態に応じて入射光量に対応した映像信号のレベルが調節される複数の露出制御手段を備え、該複数の露出制御手段は夫々の調整が順次のシーケンスで実行されるようになされ、且つ、一の露出制御手段を除く他の手段の制御を固有値に保持した条件下で当該一の露出制御手段による調整動作を行なうことにより上記映像信号のレベル検出出力の変化率の絶対値が所定の閾値以下になったことが検出されたときには、直ちに他の一の露出制御手段による調整動作のシーケンスに移行するように構成された電子的撮像装置であって、CCD等の光電変換素子を撮像素子とし、所要に応じストロボを用いて静止画像の撮影を行うに際し、当該撮影がストロボを適用して行うべきか否かを弁別するための弁別手段と、この弁別手段がストロボ発光を適用すべきことを弁別したときには絞りを開放させる方向に制御する絞り制御手段と、を具えてなり、ストロボ発光を適用するに際しては開放絞り状態乃至これに比較的近い状態となるように自動的に絞りが制御されることを特徴とする。
【0009】
【実施例】
以下、図示の実施例に基づいて本発明を説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示す電子的撮像装置のシステムブロック図である。本実施例の撮像装置としては、一部の構成が前記図12に示した従来の電子的撮像装置と同様である。従って、該同一構成部は、図12と同一符号で示し、その構成,動作等の説明は省略する。
【0010】
特に、本実施例の撮像装置においては、マイコン(マイクロコンピュータ)20により、CCD3の露光時間、即ち、シャッター速度が決定され、該マイコン20の指令によりCCDのタイミング発生回路21によって露光期間タイミングが生成され、CCDドライブ回路22によりCCD3が駆動されるものとする。
【0011】
更に、CDS回路4、LPF5を経過したY信号は、ビデオレベル検出回路23に入力するが、例えば、該Y信号の平均電圧レベルとしてマイコン20に各時点での露出状態を認知させる。マイコン20は、前述のようにシャッター速を決定すると同時に、絞り制御手段である絞り制御部24をコントロールし、例えば、シャッター速を1/60secとしたとき、ビデオレベル検出出力Vtに応じて、基準レベルVrefと比較して、Vt>Vrefのとき、絞り2を絞る方向に制御する。また、Vt<Vrefのとき、絞り2を開く方向に制御する。このようにして、常に一定の映像信号レベルとなる方向にフィードバック制御される。
【0012】
また、静止画像の撮影を行うに際しては、マイコン20に内蔵される弁別手段がビデオレベル検出出力Vtによりストロボを適用して撮影すべきかをどうかを弁別する。ストロボ発光を必要と判別したときは、絞り2を開放状態乃至これに近い状態とし、そして、ストロボ回路25を介してストロボ発光部26によりストロボ発光を行って撮影を実行する。また、該ストロボ発光による被写体からの反射光は、フォトセンサ28により受光され、光量積分回路27を介してその光量が検出される。そして、該積分光量が適正光量に到達したときにストロボ発光が停止される、所謂、普通オート方式のストロボ調光が行われる。
【0013】
また、動画録画SW(スイッチ)29、または、静止画録画SW(スイッチ)30をオンしたときは、撮像プロセス回路6の出力は電磁変換のための変調等の処理をされ、磁気記録媒体等に動画、または、静止画信号が記録される。なお、このとき、後述する図11に示すように記録の一定期間、メモリの連続読み出しを行うことにより静止画の連続的出画を行っても良いものである。
【0014】
以上のような構成をもつ本装置の撮影動作について、図2,3,4のフローチャート、および、図5のタイムチャ−トを用いて説明する。
電源スイッチがオンされると、図2のフローチャートの処理がスタートする。まず、動画記録に設定され、ステップS1でシャッタ速が、例えば、1/60sec固定される。その後、タイマ1の計時をスタートさせ、トランジェント期間の画像変動期間の経過を待つ(ステップS2,3)。そして、露出が安定した後、EVF表示を行う(ステップS4)。
【0015】
ここで、記録の待機状態となり、動画録画SW29がオンしたときにはフィールドタイミングに同期して記録が行われ、該録画SW29オフによって記録を終了する(ステップS5〜S9)。
一方、フロー接続部J1 を介して図3のステップS11に進んだ場合、静止画録画SW30のオンオフ判別処理を行い、該静止画録画SW30がオンされたことを検出したときは、ステップS12において現在の絞りの値と後述する基準の比較絞り値とを比較し、現在の絞り値が比較絞り値より小さいときにはストロボ発光処理を適用するため、ステップS13に進む。また、比較絞り値より大きいときには、ステップS16にジャンプする。本装置においては、ビデオレベル検出の内、全体エリアの平均値の他に中央部の小エリアの平均値を別途出力するように構成してあり、該ステップS16では、上記両者の出力の差レベルにより逆光判定をする。即ち、全体の平均レベルに対して中央エリアの平均が所定値より小さいとき逆光状態と判別する。そして、ステップS13にジャンプし、ストロボ発光処理を適用する。また、上記の判別で逆光状態ではないと判別されたときは、ストロボ発光は不必要として、ステップS16以降ステップS21に進み、絞りとシャッター速を固定後記録動作に推移する。ステップS21で記録を終了した後は、フローの接続部J2 を介して図2のステップS5に戻る。
【0016】
なお、上記ステップS12の基準の比較絞り値には、低照度時にストロボ発光させたい照度閥値に対応する絞り値、例えば、F=2、8を対応させる。従って、現在の絞り値が上記基準の比較絞り値2.8より小さいときにストロボ発光を適用することになる。
【0017】
ストロボ発光処理を適用すべきであると弁別し、ステップS13に進んだ場合、絞りを開放、および、AGCゲインの固定を行うと同時に、シャッター速を低速、および、高速限界内で可変設定を許可する。これによりビデオレベル検出出力Vtを一定値、即ち、基準の比較値Vrefと等しくするために、後述するステップS14,15でのタイマ2のカウント期間中はビデオレベル検出出力Vtの値と基準の比較値Vrefとの比較に基づき、フィードバック制御の処理によりVt>Vref のときにはシャッタ速を高速側に、 Vt<Vrefのときにはシャッタ速が低速側にそれぞれ設定される。この動作中ビデオレベルが安定するまでは実効のシャッタ速が得られないため、その期間はタイマ2により待機状態とする(ステップS14,15、図5のタイムチャ−ト参照)。その後、図4のステップS31に進む。
【0018】
上記一定時間経過後、ビデオレベル検出出力VtがVt≦Vrefのときは、シャッター速を固定保持し、ストロボ発光の露出条件が決定される(ステップS32)。また、Vt>Vrefのときは、絞りが開放で且つ高速限界のシャッター速となっている状態であるため、シャッター速をその限界値に固定して絞りの可変許可をする(ステップS38)。このときVt=Vrefに向かって絞りが制御されるが、前述同様にビデオレベル安定迄の時間をタイマ3の計時により待機させる(ステップS39,40)。ステップS41で絞りを固定し、ストロボ発光による露出条件を決定し、ステップS33に進む。
【0019】
その後、ステップS33〜37において、ストロボ発光と露光を実行する。更に、ステップS42〜45において、記録媒体への映像信号の記録を実行する。その後、フロー接続部J2 を介して、前記図2のステップS5に戻る。
【0020】
なお、ストロボ発光を行った場合、前述したように発光タイミング信号をマイコン20から送出し、ストロボ発光を開始させるが、その後、ストロボ発光の被写体反射光をフォトセンサー28で受光して、適性露光量に一致した光電流積分値に到達したときに該ストロボ発光が停止される。また、開放絞り状態における光電流積分閥値を基準とし、絞りを絞ったときは、その絞り値によって光電流アンプの増幅率を下げる方向に制御するか、あるいは、絞りに連動してフォトセンサー28の入力光量を制限する等の方法により、絞りを絞った状態でも問題無く調光動作を行わせることができる。
【0021】
ストロボ発光を弁別後、ストロボ発光に至るまでの各制御タイミングおよびビデオレベル検出出力Vtの変化の様子は図5に示すが、レベル検出出力のVt<Vref、Vt=Vref、Vt>Vrefの3形態の代表例に関して、タイマ2のカウント期間が終了後の映像信号レベル判定であるVt≦Vref(基準比較値)の判定の結果を具体的な値を用いて詳細に説明する。
【0022】
まず、Vt<Vrefの場合は、その絞り,シャッタ速,ゲインアップの変化を表1に示す。
【表1】
【0023】
この場合、上記表1に示すようにタイマ2がスタートする時刻T1 以前のEVF出力状態で絞り値がF1.4(開放)、シャッタ速が1/60sec、AGCのゲインアップ量が+6dBの状態のもとでVt=Vrefであったとする。絞りおよびゲイン固定後、タイマー2のカウント期間に入るが絞りは開放状態に固定され、ゲイン量は+6dBから0dBに変更固定されるため、ビデオレベル検出出力Vtのレベルは一旦下降する。シャッタ速は、Vt=Vrefの方向に変化可能であるが1/60secを低速限界としているため変化しないこととなる。この結果、時刻T2 時点で検出出力Vtは、安定レベルとなりシャッタ速を固定し、その後、ストロボ発光が行われる。
また、Vt=Vrefの場合は、その絞り,シャッタ速,ゲインアップの変化を表2に示す。
【表2】
【0024】
この場合、上記表2に示すようにタイマ2がスタートする時刻T1 以前のEVF出力状態で絞り値がF2、シャッタ速が1/60sec、AGCのゲインアップ量が0dBの状態のもとでVt=Vrefであったとする。絞りおよびゲイン固定後、タイマー2のカウント期間に入るが絞りはF1.4に変更して固定され、ゲイン量はそのまま0dBに固定されるため、ビデオレベル検出出力Vtのレベルは一旦上昇する。シャッタ速は、Vt=Vrefの方向に変化可能であるため、高速側に推移する。時刻T2 のとき上記検出出力Vtは安定レベルとなり、シャッタ速1/120secに固定される。その後、ストロボ発光が行われる。
また、Vt>Vrefの場合は、その絞り,シャッタ速,ゲインアップの変化を表3に示す。
【表3】
【0025】
上記表3に示すようにタイマ2がスタートする時刻T1 以前のEVF出力状態で絞り値がF5.6、シャッタ速が1/60sec、AGCのゲインアップ量が0dBの状態のもとでVt=Vrefであったとする。
【0026】
絞りおよびゲイン固定後、タイマー2のカウント期間に入るが、絞りはF=1、4に変更固定され、ゲイン量は0dBで固定されるためVtは一旦上昇する。シャッタ速はVt=Vrefの方向に変化可能であるが高速側シャッタ速は1/500secを限界速度としているため、Vt≦Vrefを満足しない。そこで、シャッタ速を高速限界の1/500secに固定し、絞り固定の解除後タイマー3のカウント期間に入る。Vtは、一旦、下降し、絞りはVt=Vrefとなる方向に推移する。この結果、T3 時点で検出レベルVtは、安定レベルとなり、その後、絞りを固定し、ストロボ発光が行われる。
【0027】
以上の説明したように本実施例の撮像装置は、動画撮影時には、映像信号の輝度情報により絞り,シャッタ速,映像信号増幅度が閉ループ内で自動的に制御され、更に、静止画撮影時には、弁別手段によりストロボ発光を必要と判別したときは開放乃至これに比較的近い絞りに自動制御され、ストロボ発光の光量のロスを減らし、効率を向上させる。
【0028】
次に、本発明に関連する例である電子的撮像装置について、図6,7,8を用いて説明する。
前記図1に示す実施例の撮像装置にあっては、図2〜図4のフローチャートに示すように、1つの露出制御手段を除いたその他の手段の制御が固定値に固定された状態で残りの調整値を決定するにあたり、そのトランジェント期間、即ち、過渡変化をする不定期間をタイマー手段、例えば、ステップS2,3、また、ステップS14,15、また、ステップS39,40等のタイマ1,2,3計時によりマスクするソフトウェアーシーケンスの方法を採っている。この手段では当該制御に入る前の状態によりトランジェント期間は異なったものであるにも係わらず一定期間の待機状態が存在することになる。従って、上記実施例の装置のタイマーによる制御は、存在しうる最長の期間をタイマー期間に設定せねばならず、静止画トリガースイッチがオンしてから記録までのシャッタタイムラグが長くなってしまう。そして、該ラグが短ければ短いほどシャッタチャンスを損なわないことに対して不利な状態になる。
【0029】
本例の撮像装置は、上述のような問題点を解決するものであって、本例の撮像装置は、ある条件によって複数の露出制御手段の中で1つの手段を除いたその他の手段の制御を所定の固有値に保持し、残りの手段の調整値を決定するにあたり、映像信号のレベル検出出力の単位時間当たりの変化量の差が所定量以下になったことを検出した時点で、調整値の固定をすることを特徴とするものである。
【0030】
即ち、本例の装置においては、例えば、図6のシャッタ速固定後のフローチャートに示すように、時刻n−1でのビデオレベル検出出力データDn-1 から微少時間経過した時刻nでのデータDn を逐次比較していきその差分が所定値kに一致、あるいは、kより小さくなったときに次のシーケンスに移すことによりできるだけシャッタタイムラグを少なく動作させることが可能である。
【0031】
図7は、上記調整制御のタイムチャ−トを示し、図8は、調整信号出力部回りのブロック図を示す。これらの図に示すように、ビデオレベル検出回路41からの出力であるビデオレベル検出出力Vtを、例えば、シャッタ速を固定したときに演算スタートパルスを発生し、データー演算期間に入ると同時にnおよびn−1のラッチ回路43,44にリセットを掛ける。ビデオレベル検出回路41からの出力であるビデオレベル検出出力Vtは、サンプリングクロック信号によりA/D回路42によりA/D変換され、時刻nおよびn−1にて該データDn ,Dn-1 がラッチされる。そして、減算回路45によるデーターDn ,Dn-1 の減算結果が比較回路46に逐次送出される。
【0032】
図7のタイムチャ−トで説明すると、クロック3のタイミングでのデータからクロック2のタイミングのデータの差データのようにDn −D(n-1) の演算結果が比較回路46に出力されることとなる。上記比較回路46では予め設定される閥値となる比較データROM47内のデータkとの比較により|Dn −D(n-1) |≦kとなった時に、調整終了を示すコントロール信号を出力し、データ演算を終了する。
【0033】
このように本例の装置では、トランジェント期間において常にVtを監視し、Vtの変動がほぼ無いと判定されたときには、即刻、次のシーケンスに移行する。この処理により種々の状況において最短のタイムラグが保証されると言う明確な効果を得ることができる。
なお、|Dn −D(n-1) |≦kの判別にあたっては、判定結果が連続して数回条件を満足することにより次のシーケンスに移行するようにして、判断ミスを防止することも可能である。
【0034】
次に、本発明に関連する別の例である電子的撮像装置について、図9を用いて説明する。
前記実施例の撮像装置では、図4のフローチャートに示すように、ストロボ適用を弁別した後、ステップS31の映像信号レベルVt≦Vref?の判定結果、当条件に該当しない場合、ステップS38にジャンプして、絞り固定の解除をすると同時にシャッタ速を高速側限界値に固定している。それに対して本例の装置では、上記高速限界値を決定するにあたり、当該装置のストロボ最大発光の発光波形の有効期間に対して、それより長い期間をストロボおよび定常光の露光期間とするようにシャッタ速の高速側限界値を設定してなる。
【0035】
図9のタイムチャートに従いストロボ発光のシーケンス例を説明すると、まず、CCDの光電変換部に相当するホトセルは電荷排出タイミング期間により、それ以前の電荷を排出する。該排出の後からが実際の露光期間となるがストロボトリガータイミングによりストロボ発光がされ、ストロボ発光の有効期間を経てホトセルから垂直シフトレジスターに転送するトランスファーゲートタイミングにより露光期間の終了となる。その後、垂直および水平シフトレジスターの転送によって画像転送が行われることとなる。
【0036】
以上のように本例の撮像装置では、ストロボトリガータイミングからトランスファーゲートまでの期間を最低でも確保することによって、ストロボ発光光量が効率的に利用できるように処理される。当然ながらこのような限界シャッタの制御が為されないときには露光期間外までストロボ発光の有効期間が延びることになり無駄なエネルギーを費やすこととなる。
【0037】
また、ここでは、露光終了タイミングをストロボ最大発光の有効期間限界とし、長時間側をストロボ発光タイミングより手前に電荷排出タイミングを発生するようにし、限界タイミングとして電荷排出後、即時にストロボトリガーを与えるようにしているが、同様の考え方として電荷排出とストロボトリガーをほぼ同時刻に実施し、トランスファーゲートのタイミングを長時間の露光時には遅れて発生するようにしても同様の結果が得られる。
【0038】
次に、本発明に関連するまた別の例である電子的撮像装置について、図10,11を用いて説明する。
本例の撮像装置は、静止画撮影指示スイッチがオンとなった後、当該撮影にストロボ撮影を適用すべきことを弁別したときは、それ以前に動画出力から静止画出力に切り換えてEVF表示を行うことを特徴とするものである。
【0039】
即ち、図10は、上記本例の撮像装置におけるEVF表示関連部のブロック構成図であり、図10に示す以外の構成要素は、前記図1の実施例のブロック構成図に示されるものと共通とする。また、図10に示す構成要素であっても前記実施例のものと同一の構成要素のものは同一の符号を付して説明する。
【0040】
上記図10に示すように撮像プロセス回路6から出力される映像信号は、A/D変換回路51を経てメモリーコントローラー54の制御により1フィールドの画像情報がフィールドメモリ52上に記録されるようになっている。同時に、フィールドメモリ52の出力を巡回して取り出すことができる構成になっている。
【0041】
該メモリ52の出力は、D/A変換回路53を経て切り換えSW(スイッチ)55の一端側に入り、他の一端側は、撮像プロセス回路6の直接入力側となっている。この切り換えSW55のコモン端子側は、EVF回路7に接続され、表示器8に画像表示を可能となっている。更に、上記コモン端子側は、変調記録系への画像信号出力をコントロールするコントロールSW(スイッチ)56にも接続されている。
マイコン60は、メモリコントローラー54のタイミング制御と、EVF出力の撮像プロセス回路6からの直接動画とフィールドメモリ52からの連続的な静止画との切り替え、記録動作の制御等を実行する。
【0042】
以上のように構成された本例の撮像装置におけるEVF表示動作を前記実施例の撮像装置による図3,図4の撮像処理フローチャートの各処理タイミングに従って図11のタイムチャ−トにより説明すると、まず、ストロボ撮影を弁別した後の図3のステップS13のタイミングTaにおいて、トランジェント期間の画像変動を表示器8に出力しないために、前記切り換えSW55により撮像プロセス回路6からの動画出力状態からフィールドメモリ52からの静止画出力状態に切り換えられる。このとき、フィールドメモリ52は新たな書き込みを禁止して、読み出しのみを繰り返す。その表示タイミングは、図11のタイムチャ−トで静止画1の出力期間で示される。
【0043】
次に、図4のフローチャートのステップS34のタイミングTbでストロボ発光の指令とともにストロボ発光し、ステップS37のタイミングTcで露光を完了する。ステップS43において、当該フィールドの映像信号は、A/D変換回路51を通りフィールドメモリ52にタイミングTdで書き込まれると同時に繰り返し読み出し、モードとしてEVF回路7に繰り返し出力する。その表示タイミングは、図11のタイムチャ−トで静止画2の出力期間として示される。
【0044】
EVF回路7の出力は、タイミングTa時点の画像からストロボ発光した記録画像と等価な画像に切り換えられ、撮影者が確認できる。その後、図4のステップS45のタイミングTeで静止画記録が終了し、EVF回路7の出力も初期状態の動画出力時と同様の撮像プロセス回路6の直接出力信号が出力され、表示される。
【0045】
以上のように、本例の撮像装置は、EVF表示において静止画撮影時にストロボ撮影を適用すべきことを弁別したとき、若しくは、それに先だって動画出力から静止画出力に切り替えることにより、例えば、上記タイミングTaからTbの期間における前記図5のタイムチャ−トに示すようなビデオレベル検出出力Vtの変化による画像変動、更に、上記タイミングTcからTdの間に生じる定常光のみの画像からストロボ発光を含む画像への瞬間的な変化に対して、適時先頭画面を静止画として表示することにより撮影者に違和感を与えることのないEVF表示が可能となる。
【0046】
【発明の効果】
上述のように本発明の電子的撮像装置は、静止画像の撮影を行うに際し、当該撮影がストロボを適用して行うべきか否かを弁別し、そして、ストロボ発光を適用すべきことを弁別したときには絞りを開放させる方向に制御するので、ストロボ光の利用効率を上げ、ストロボ使用の実効性を高めることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子的撮像装置のシステムブロック図。
【図2】上記図1の撮像装置における撮影処理のフローチャートの一部。
【図3】上記図1の撮像装置における撮影処理のフローチャートの一部。
【図4】上記図1の撮像装置における撮影処理のフローチャートの一部。
【図5】上記図1の撮像装置における撮影動作におけるタイムチャ−ト。
【図6】本発明の関連する電子的撮像装置におけるシャッタ速固定後のフローチャート。
【図7】上記図6の撮像装置の調整制御のタイムチャ−ト。
【図8】上記図6の撮像装置の調整信号出力部回りのブロック図。
【図9】本発明の関連する別の例の電子的撮像装置のストロボ発光動作のタイムチャ−ト。
【図10】本発明の関連する更に別の例の電子的撮像装置のEVF表示関連部のブロック構成図。
【図11】上記図10の撮像装置のEVF表示動作のタイムチャ−ト。
【図12】従来の電子的撮像装置のブロック構成図。
【符号の説明】
3 …………………CCD(撮像素子)
20…………………マイコン(弁別手段,絞り制御手段)
23…………………ビデオレベル検出回路(弁別手段)
24…………………絞り制御部(絞り制御手段)
ステップS12,16…………………弁別手段
ステップS13…………………絞り制御手段
Claims (1)
- 各個の調整状態に応じて入射光量に対応した映像信号のレベルが調節される複数の露出制御手段を備え、該複数の露出制御手段は夫々の調整が順次のシーケンスで実行されるようになされ、且つ、一の露出制御手段を除く他の手段の制御を固有値に保持した条件下で当該一の露出制御手段による調整動作を行なうことにより上記映像信号のレベル検出出力の変化率の絶対値が所定の閾値以下になったことが検出されたときには、直ちに他の一の露出制御手段による調整動作のシーケンスに移行するように構成された電子的撮像装置であって、
CCD等の光電変換素子を撮像素子とし、所要に応じストロボを用いて静止画像の撮影を行うに際し、当該撮影がストロボを適用して行うべきか否かを弁別するための弁別手段と、この弁別手段がストロボ発光を適用すべきことを弁別したときには絞りを開放させる方向に制御する絞り制御手段と、を具えてなり、ストロボ発光を適用するに際しては開放絞り状態乃至これに比較的近い状態となるように自動的に絞りが制御されることを特徴とする電子的撮像装置。
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