JP3699466B2 - 鋼製地下タンクの更生構造 - Google Patents

鋼製地下タンクの更生構造 Download PDF

Info

Publication number
JP3699466B2
JP3699466B2 JP2004082368A JP2004082368A JP3699466B2 JP 3699466 B2 JP3699466 B2 JP 3699466B2 JP 2004082368 A JP2004082368 A JP 2004082368A JP 2004082368 A JP2004082368 A JP 2004082368A JP 3699466 B2 JP3699466 B2 JP 3699466B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
layer
water
pipe
steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004082368A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3699466B6 (ja
JP2005088993A (ja
Inventor
昭治 小室
Original Assignee
有限会社小室技研
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社小室技研 filed Critical 有限会社小室技研
Priority to JP2004082368A priority Critical patent/JP3699466B6/ja
Priority claimed from JP2004082368A external-priority patent/JP3699466B6/ja
Publication of JP2005088993A publication Critical patent/JP2005088993A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3699466B2 publication Critical patent/JP3699466B2/ja
Publication of JP3699466B6 publication Critical patent/JP3699466B6/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

この発明は、地下に設置したガソリンや軽油などの液体可燃物を貯蔵する鋼製地下タンク(以下「タンク」という)の劣化防止を図り、貯蔵物漏洩の発見が容易に行なえるタンクの更生構造に関するものである。
ガソリンスタンドの他、全国のトラックやバスのターミナル、ビルの地下などには、ガソリンなどの液体可燃物を貯蔵する鋼製の地下タンクが設けられている。この様な既設の鋼製地下タンクは、厚さ6〜9mm(貯蔵量で鋼の厚さが規定されている)であり、タンク外周を防食層で被覆されており、一般的には、タンク内側の液体可燃物の通過を遮断する鋼製の気密層は、一重構造が多い。現在、これらのタンクのうち、建設後20〜30年経過したものがおよそ15万個使用されており、これらのタンクは、永年の使用による劣化により、タンク内部に貯蔵された液体可燃物が外部に漏洩することがある。
これらのタンク内に貯蔵された液体可燃物が漏洩すると、土壌汚染等を引き起こし環境に与える被害は甚大なものとなり、その復旧費用は莫大なものとなって企業の存亡に係る問題となる。この様な鋼製のタンクの漏洩事故の原因は、タンク設置時の施工ミスによる防食層の破損、タンク外面及び内面よりの鋼材の酸化劣化及び電気腐食劣化等が考えられるが、埋設されたタンクの外周を開削して調査するには莫大な費用を必要とする。
この様なタンク内貯蔵物である液体可燃物の漏洩事故を未然に防ぐための予防処置としてタンク設置後20〜30年を経過したタンクを内部より更生する処置がとられている。このタンクの更生工法としては、タンク内部に、更生材として樹脂溶剤を含浸させた強化クロスを貼り付け、当該強化クロスに含浸させた樹脂溶剤を硬化させる方法などが行われている(東京消防庁危険物課長通知14予危第177号)が、既設のタンクに更生材を貼り付ける前にタンク内に所定の気圧及び水圧による気密試験(完成検査前検査)が義務化されており、気密試験に合格したタンクのみ更生が認められている。気密試験に合格したタンクの内壁面に密着させて更生材を貼り付けた後にタンク内に所定の気圧及び水圧による気密試験を実施しても当然、気密は確保されるために更生材を貼り付けた後の気密試験は実施されず、更生材の気密性は確認されていない。
尚、更生材の気密性が確認されていないとタンク内に収納された液体可燃物が直接タンク内壁面まで浸透し、タンクの鋼材の酸化腐食及び電気腐食が進行し、収納された液体可燃物が漏洩する恐れがあり、更生材としての機能が働かず、しかもタンク本体には漏洩検知機能を有しない。
液体可燃物を収納するタンクは、収納する液体可燃物の量により、危険物の貯蔵として法的な規制を受けるが、タンクの構造で気密層が二重構造を採用しているものは、法令及び火災予防査察便覧(東京消防庁予防部発行)によると以下の3種類がある。1)鋼製二重殻タンク(呼称:SS二重殻タンク)、構造は、鋼板の二重構造。2)鋼製強化プラスチック製二重殻タンク(呼称:SF二重殻タンク)、構造は、外殻が強化プラスチックで内殻が鋼板の二重構造。3)強化プラスチック製二重殻タンク(呼称:FF二重殻タンク)、構造は、プラスチックの二重構造。しかし、これらのタンクのうち外殻が鋼製で内殻が強化プラスチックの構造のものにおける通水(検知)層の具体的な構造及び貯水槽の設置は、この火災予防査察便覧には記載されておらず、実施されていない。
既設の鋼製地下タンクの更生方法は、上記東京消防庁危険物課長通知14予危第177号(鋼製地下タンクの内面ライニング施工に係る対応について)があり、その他の法令、基準及び規定等がないのが現状である。
しかしながら、この方法では、経年劣化した鋼製タンクの気密層が一重構造であり、新たに設けた更生材の気密性が確認されていない現状では、収納された液体可燃物の漏洩事故を招く恐れが少なくない。上述の通り漏洩事故が発生した場合の重大さを考慮すると、より安全性の高いものが求められるが、新設の二重構造のタンクに取り替えると、およそ1千数百万円を必要とする。それ故低価格のタンクの更生方法が求められている。さらに現在採用されている気密層が一重構造のタンクには、タンク内に漏洩検知機能はなく、タンク外部の四隅の4箇所の角部に漏洩検査管が設置されているが、タンク内の漏洩が微量の場合、漏洩検査管での早期の発見は大変難しく漏洩を発見した時点では、長期間経過しており、大量の液体可燃物がタンクの外部に漏洩し土壌汚染が進行しているのが現状である。既設のタンクの延命を図り、漏洩事故を早期に発見し、液体可燃物の外部への漏洩は最小限にするタンクの更生構造が必要である。
そこでこの発明は、既設の気密層が一重のタンクを低価格で、安全性の高い気密層が二重のタンクに更生し、さらにタンク内に貯蔵した液体可燃物の漏洩を早期に発見できる構造を有するタンクの更生構造を提供して上記課題を解決するものである。
請求項1の発明は、既設の鋼製地下タンクの内壁面に、鋼の劣化防止処理を行って劣化防止処理層を設け、当該劣化防止処理層の内周面全面に一定厚の曲面体又はシート片を複数接続して設け、これらの接続した全曲面体又は全シート片により通水又は通気可能な通水層を連続して設け、当該通水層の内周面全面に、更生材を貼り付けて気密層を形成し、当該鋼製地下タンクの下部に位置する上記通水層内に第一パイプの一端を固着して当該通水層と第一パイプの一端とを通水又は通気可能に設け、当該第一パイプを通水層の内部を挿通させてその他端を鋼製地下タンクの外部に設け、当該鋼製地下タンクの上部に位置する上記通水層に第二パイプの一端を固着して当該通水層と第二パイプの一端とを通水又は通気可能に設け、当該第二パイプを通水層の内部を挿通させてその他端を鋼製地下タンクの外部に設けた鋼製地下タンクの更生構造とした。
請求項2の発明は、上記通水層を形成する曲面体又はシート片の少なくとも一面に溝を縦横又は斜めに複数設け、当該通水層では当該複数の曲面体又はシート片の溝を通じて通水層全体に通水又は通気可能とした上記請求項1に記載の鋼製地下タンクの更生構造とした。また請求項3の発明は、上記鋼製地下タンクの底部であって通水層の最下部に設けた貯水部に上記第一パイプの一端を開口して固着し、当該通水層と貯水部とを通水又は通気可能に設けた上記請求項1又は2の何れかに記載の鋼製地下タンクの更生構造とした。
請求項4の発明は、上記貯水部は、上記鋼製地下タンクの底部の長手方向であって上記通水層の最下部に角筒状の貯水槽として設け、当該貯水槽に上記第一パイプの一端を開口して固着し、当該通水層と貯水槽とを通水又は通気可能に設けた上記請求項3に記載の鋼製地下タンクの更生構造とした。
請求項1乃至4の各発明によれば、既設タンクの内壁面に設けた劣化防止処理層の内周面全面に一定厚の曲面体又はシート片を複数接続して設け、これらの接続した全曲面体又は全シート片により通水又は通気可能な通水層を連続して設け、この通水層の内周面全面に更生材を貼り付けて気密層を形成したため、既設のタンクを低価格で簡単に、気密層等が二重のタンクに更生することが出来る。それ故既設のタンクにそのまま採用出来るので極めて汎用性が高く、タンクを保有している個人や法人の期待に大きく答えるものである。また第一パイプの一端の開口部をタンクの下部に位置する上記通水層内に、第二パイプの一端の開口部をタンクの上部に位置する上記通水層内に固定し、第一パイプと第二パイプとが通水層を介して連絡されているため、第一パイプ又は第二パイプから通水層内に液体や気体を通すことが出来、これにより微細な漏洩も容易に確認でき、既設タンクや新設気密層の気密性の試験などに利用出来るものである。例えば第一パイプ又は第二パイプのどちらかの他端に、圧力計を取り付け、圧力計を取り付けていない方のパイプの他端から圧力を加えることによって、既設タンク及び新設気密層の漏洩を早く発見することが出来るので漏洩量を最小限に止めることが出来る。
また第一パイプの他端に、例えば、真空ポンプを接続して第一パイプから吸い上げられた微小な液体であっても地下水か収納された液体可燃物かにより、直ちに既設タンクからの漏洩か、内側の新設気密層からの漏洩かが容易に常時確認でき、その後の対応が早く出来るので、土壌汚染回避にさらに寄与するものである。
この様な結果、土壌汚染などの環境破壊を未然に、又は最小限に防ぎ、きれいな環境づくりに貢献するものである。
さらに請求項2の発明によれば、曲面体又はシート片の内壁面側の一面に溝を縦横又は斜めに複数設けたので、また請求項3の発明によれば、通水層と通水又は通気可能な貯水部を設けたので、さらに請求項4の発明によれば、通水層と通水又は通気可能な貯水槽を設けたので、滲み出るような僅かな液体可燃物等でも速やかに通水層等内を移動し、早く発見出来る。
既設のタンクの内壁面に、鋼の劣化防止処理を行って劣化防止処理層を設け、当該劣化防止処理層の内周面全面に、一定厚の曲面体又はシート片を複数接続して設け、この曲面体又はシート片の劣化防止処理層側の一面に溝を縦横又は斜めに複数設け、他面は平面に設け、これらの接続した全曲面体又は全シート片で通水又は通気可能な通水層を連続して設け、この通水層の内周面全面に、更生材を貼り付けて気密層を形成した。ここで他面を平面に設けたとは、曲面であっても凹凸の無いプレーンな面を言うものとする。
また上記タンクの下部に位置する通水層内に第一パイプの一端を固着してこの通水層と第一パイプの一端とを通水可能に設け、この第一パイプを通水層の内部を挿通させてその他端をタンクの外部に設け、このタンクの上部に位置する通水層に第二パイプの一端を固着してこの通水層と第二パイプとを通水可能に設け、この通水層の内部を挿通させて他端をタンクの外部に設けた。さらにタンクの底部の長手方向であって、上記通水層の最下部に角筒状の貯水槽を設け、この貯水槽に第一パイプの一端を開口して固着し、上記通水層と貯水槽とを通水可能に設けた。
以下、この発明の実施の形態例を図に基づいて説明する。
図2に示すのは、ここで更生する既設の鋼製のタンクAであり、円筒部の内径(D)1,500mm、長さ(L2)5,234mm、両端の鏡部分の曲面部2を除いた長さ(L1)4,600mm、タンクAの鋼板の肉厚(T)は6mmとなっている。このタンクAの上部の一方の箇所に点検孔1を設けており、他方の箇所に、中に貯蔵するガソリンなどの可燃物の注入口3、通気管4、計量管5、送油管6を設けている。
そしてタンクA内の液体可燃物を全て抜き取り、可燃ガスの測定など、タンクA内の安全の確認を行う。その後、タンクA内の気密試験を行い、これに合格した後、タンクA内に作業員が入るためのタンクAの開口作業を行い、更生作業に入る前の必要な作業を行なう。
既設タンクの内壁面全面に鋼の劣化防止処理を行う。ここで言う劣化防止処理とは、鋼の酸化腐食又は電気腐食を防止するための防錆材による塗装及び繊維強化プラスチックを密着して張り付け又は塗布する等のことを言う。以下繊維強化プラスチックを使用した具体例を述べる。
この様なタンクAの内壁面全面にわたって、樹脂溶液を含浸させた繊維強化プラスチックシートから成る一定の大きさの更生材を密着して貼り付ける。ここで使用する樹脂溶液としては、常温硬化型の熱硬化樹脂溶液、具体的には、エポキシ樹脂溶液を使用する。また繊維強化プラスチックシートに含有する繊維としては、ビニール繊維、ガラス繊維を使用する。
上記タンクAの点検孔1の蓋を開けて、このタンクAの中に作業者が入り、エポキシ樹脂溶液を含浸させた繊維強化プラスチックシート片から成る更生材をこのタンクAの内壁面全面にわたって貼り付ける。更生材の大きさについては、更生するタンクの大きさや形状に基づいて決定される。またタンクAの曲面部2では、幅を狭くしたものを使用すれば、更生材に発生するシワを解消することが出来る。
タンクA内壁面に貼り付ける具体的な方法としては、貼り付けられた更生材の表面を、ローラー具(図示省略)などで押圧して行う。その後含浸したエポキシ樹脂溶液が硬化してタンクA内壁面全面に劣化防止処理層7を形成する。この時、更生前にタンクAの内壁面に錆などにより窪みが形成されていても、これらの窪みの中にエポキシ樹脂溶液が入り込んで硬化し、タンクAの気密性を増加させる。
この様にして設けられた劣化防止処理層7の内周面の全面に通水層8を形成する。この通水層8は、図3及び図4に示すように、1〜2mmの通水用の溝9aを劣化防止処理層7側の一面及び側面に縦方向及び斜行して複数設け、厚さ5〜6mmで、設置するタンクAの内壁面の曲面形状に合わせたプラスチックから成る曲面体9を多数並べて設けたものである。これらの各曲面体9は、長手方向の一端を凸部9bとして他端を凹部9cとして、これらの両端に巻ばね10を設け、この様な曲面体9を縦方向に連続して設けている。またこの曲面体9の他面を凹凸の無いプレーンな面として設けているので、後述する気密層を容易かつ確実に設けることが出来る。
この様に接続して設けた際、各曲面体9は、取り付けられた各巻ばね10により、相互の突き合わせ端が突っ張って、タンク内壁面側に開くかたちに強力に付勢されており、このタンクAの内壁面から外れることはない。この様な通水層8を横方向にも複数連続して設けて劣化防止処理層7の内周面の全面にこの通水層8を設けている。
タンクAの曲面部2においても隣接する曲面体9の端縁に支えられるかたちでこれらの曲面体9を設置すれば、相互の巻ばね10の付勢する力により設置した位置で固定される。この為気密層を通水層8の内周面全面に安定して確実に形成することができる。これにより劣化防止処理層7の内周全面に通水層8が設けられ、通水層8の各曲面体9の溝9aは、縦横に連結されて通水路となる。
このタンクAの底部であって、通水層8の最下部、その長手方向に図5に示す角筒状の貯水槽11を設け、この貯水槽11の一側面の一部に貫通孔11aを穿ち、この貫通孔11aに、図6に示す第一パイプ12の一端開口部を固着し、またこの貯水槽11の両側面に一定間隔で通水穴11bを無数に設けている。これらの通水穴11bは、貯水槽11に隣接した上記曲面体9の溝9aと接続されて通水可能な状態にある。
さらに図1に示すように、貯水槽11の右側面に一端を固着した第一パイプ12を伸ばして通水層8の内部を挿通させて、その他端をタンクAに設けた通気管4から出してタンクAの外部に設けている。また図2及び図7に示すように、このタンクAの上部に位置する通水層8の上部に第二パイプ13の一端を固着し、この第二パイプ13の他端をこの通水層8から伸ばし、さらに送油管6の一側面からこの送油管6内に入り込ませてこの送油管6の内側を通してタンクAの外部に出している。
従って、上記通水層8内の溝9aは、貯水槽11、第一パイプ12、第二パイプ13等によって連絡されてタンクAの内周全面にわたって設けられて通水可能となっており、第二パイプ13のタンクAの外部の一端から、通水層8と貯水槽11、貯水槽11から第一パイプ12に至る経路が形成されている。
この様にして設けた通水層8の内周面全面に、上記劣化防止処理層7と同じ方法により更生材を貼り付けて気密層14を形成する。その場合、この気密層14は、一定厚の個体から成る曲面体9の上に形成されているため、このタンクA内に貯蔵物を入れても、貯蔵物の圧力で通水槽8がつぶれることはない。
次にこの発明のタンクA内貯蔵物の漏洩を発見する方法を説明する。図2に示す様に、まずタンクA外部に位置する第一パイプ12と第二パイプ13の他端には、予めどちらか一方に圧力計(図示省略)を取り付けておく。この圧力計を取り付けていない方のパイプの他端を通じて通水層8に大気圧以上の圧力又は東京消防庁規定の液圧を加え、このパイプを密閉する。
この圧力計の指針に動きがなければ、タンクA及び気密層14において漏れが無いことが分かり、また指針に圧力が減少する動きがあれば、タンクA又は気密層14、又はその双方で通水層内部の空気又は液体が漏洩していることが分かる。従来の一重タンクでは、一旦地下に埋設されると気密層における滲み出るなような微小な漏洩は、容易に確認できなかったが、この発明では微小な漏洩を容易に常時確認することができる。
さらにまた、第一パイプ12の他端に、真空ポンプ(図示省略)を接続し、上記通水層8の溝9aを通って貯水槽11に溜まった液体を第一パイプ12によって吸い上げる。この様に真空ポンプを使用する場合も、第二パイプ13があるため、容易に吸引出来る。この吸い上げられた液体が貯蔵物であった場合は、気密層14に亀裂があり、そこからの漏洩であることが分かり、地下水であった場合は、タンクAに亀裂があり、そこからの漏洩であることが判断出来る。
さらにタンクAの貯水槽11に溜まった液体を排出した後、一定時間経過後再度排出を行ない、その排出量により単位時間当たりの排出量を求め、このタンクA及び気密層14からの漏洩量を正確に測定することが出来る。また第一パイプ12に挿通できる液体感知センサーなどが開発されれば、さらに貯蔵物漏洩の早期発見につながるものである。
なおこの発明の更生構造におけるタンクA内貯蔵物の漏洩を発見する方法は、タンクAが埋設された場所の地下水位がこのタンクAの埋設位置より低い箇所での漏洩、及びタンクA内部の貯蔵物である液体燃料の水位より上部での気密層14の漏洩には、この発明の発見方法は使用することは出来ない。
またタンクA内の劣化防止処理層7の内周全面に設ける通水層8の他の実施例として、この通水層8を一定厚のシート片とし、このシート片の一面に縦横又は斜めに複数の溝を設けたものを使用しても良い(図示省略)。これは、上記通水層8の曲面体9では固体物としての印象を受けるが、この通水層は固体物に限らずシート状でしなやかなものでもよく、この様なシート片を劣化防止処理層7の内周全面に接着して設けても良い。この場合のシート片の厚さは1〜1.5mm、溝の深さは0.5〜1mm、溝の幅1mm、隣接する溝の間隔は30〜50mmとする。
この様にして設けたシート状の通水層の場合、タンクAの気密層の破損は、液体可燃物のにじみ程度の漏洩から発生すると考えられるために通水層の微小の溝で対応でき、上記通水層8と同様の効果を奏する。そして更生後のタンクA内の貯蔵量の減少を招かないために、タンクAの更生材の仕上がり厚さを極力薄くしたい場合などに極めて有効である。
また地震等による揺れがあった場合、地下に埋設されたタンクAにおいては、このタンクAから延ばされた管、すなわち注入口3、通気管4、計量管5、送油管6等と当該タンクAとの接続部に亀裂等が生じるおそれがあるが、この様な揺れの対策として、タンクAから延ばされた上記管の接続部を可撓性を有する部材から構成し、地震等の揺れがあった場合でも、これらの可撓性部材が揺れを吸収し、当該箇所が破損せず、タンクAから液体可燃物が流出しない。
上記実施例においては、劣化防止処理層7は、気密層であったが気密層に限らず、繊維強化プラスチックシートによるものでも良く、単に防錆材等によるものでも良い。また劣化防止処理層7及び気密層14の形成の方法として具体的に記載し、特に更生材として繊維強化プラスチックシートを使用しているが、気密層の形成方法や更生材は、これらに限定するものではない。また第一パイプ12及び第二パイプ13の各他端をタンクAの外に出すのに通気管4や送油管6から出しているが、タンクA外に出す経路はこれらに限定するものではない。さらに上記実施例では、貯水槽11を設けているが、貯水槽11ではなく、広く貯水部としてもよい。
また曲面体9をプラスチックにより形成しているが、曲面体9を形成する材質はプラスチックに限定するものではなく、さらに曲面体9の溝9aを曲面体9の劣化防止処理層7側の一面及び側面に縦方向及び斜め方向に設けているが、溝9aを設けるのは一面及び側面だけに限るものではなく、さらに気密層14側の他面や内部に設けても良く、またその設け方もこれらに限定するものではなく、縦横方向のみ、又は斜め方向のみでも良い。また曲面体9を接続するのに巻ばね10を使用したが、巻ばね10に限らず板ばねなどでもよく、これらの巻ばね10により接続された曲面体9がタンク内壁面に強力に付勢されるようにしたが、これはこの発明の必須要件ではない。またタンクA内の劣化防止処理層7の内周全面に設ける通水層8として曲面体9又はシート片を記載し、これらの曲面体9又はシート片として具体的な大きさや及び型等、これらに設ける溝の大きさ及び型等を記載しているが、曲面体9又はシート片、及びこれらに設ける溝の大きさ及び型等は、気体及び液体の通過を目的にする方法であれば、これらに限定するものではない。さらに曲面体9及びシート片に設ける溝は、劣化防止処理層7側又は気密層14側のどちらでもよく、劣化防止処理層7側に溝を設け、気密層14側を平面にした場合、気密層14が貼り易くなる。
この発明の実施例のタンクの側面の断面説明図である。 この発明の実施例のタンクの正面の断面説明図である。 この発明の実施例の曲面体の説明図である。 この発明の実施例のタンクの内壁面に、劣化防止処理層、曲面体及び気密層の順番に設けた状態の断面説明図である。 この発明の実施例の角筒状の貯水部の説明図である。 この発明の実施例のタンクの底部の通水層の最下部に設けた角筒状の貯水部の右側面に第一パイプの一端を固着した状態を示す説明図である。 この発明の実施例のタンクの平面説明図である。
符号の説明
A タンク
1 点検孔 2 曲面部
3 注入孔 4 通気管
5 計量管 6 送油管
7 劣化防止処理層 8 通水層
9 曲面体 9a 曲面体の溝
10 巻きばね 11 貯水槽
12 第一パイプ 13 第二パイプ
14 気密層

Claims (4)

  1. 既設の鋼製地下タンクの内壁面に、鋼の劣化防止処理を行って劣化防止処理層を設け、当該劣化防止処理層の内周面全面に一定厚の曲面体又はシート片を複数接続して設け、これらの接続した全曲面体又は全シート片により通水又は通気可能な通水層を連続して設け、当該通水層の内周面全面に、更生材を貼り付けて気密層を形成し、
    当該鋼製地下タンクの下部に位置する上記通水層内に第一パイプの一端を固着して当該通水層と第一パイプの一端とを通水又は通気可能に設け、当該第一パイプを通水層の内部を挿通させてその他端を鋼製地下タンクの外部に設け、当該鋼製地下タンクの上部に位置する上記通水層に第二パイプの一端を固着して当該通水層と第二パイプの一端とを通水又は通気可能に設け、当該第二パイプを通水層の内部を挿通させてその他端を鋼製地下タンクの外部に設けたことを特徴とする、鋼製地下タンクの更生構造。
  2. 上記通水層を形成する曲面体又はシート片の少なくとも一面に溝を縦横又は斜めに複数設け、当該通水層では当該複数の曲面体又はシート片の溝を通じて通水層全体に通水又は通気可能としたことを特徴とする、上記請求項1に記載の鋼製地下タンクの更生構造。
  3. 上記鋼製地下タンクの底部であって通水層の最下部に設けた貯水部に上記第一パイプの一端を開口して固着し、当該通水層と貯水部とを通水又は通気可能に設けたことを特徴とする、上記請求項1又は2の何れかに記載の鋼製地下タンクの更生構造。
  4. 上記貯水部は、上記鋼製地下タンクの底部の長手方向であって上記通水層の最下部に角筒状の貯水槽として設け、当該貯水槽に上記第一パイプの一端を開口して固着し、当該通水層と貯水槽とを通水又は通気可能に設けたことを特徴とする、上記請求項3に記載の鋼製地下タンクの更生構造。
JP2004082368A 2003-08-08 2004-03-22 鋼製地下タンクの更生構造 Expired - Fee Related JP3699466B6 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004082368A JP3699466B6 (ja) 2003-08-08 2004-03-22 鋼製地下タンクの更生構造

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003206681 2003-08-08
JP2003206681 2003-08-08
JP2004082368A JP3699466B6 (ja) 2003-08-08 2004-03-22 鋼製地下タンクの更生構造

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005088993A JP2005088993A (ja) 2005-04-07
JP3699466B2 true JP3699466B2 (ja) 2005-09-28
JP3699466B6 JP3699466B6 (ja) 2006-01-11

Family

ID=

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005088993A (ja) 2005-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8881925B1 (en) Protective steel membrane system and method of erection for secondary containment for an above ground storage tank
US4552166A (en) Secondary containment system and method
US20030116214A1 (en) Secondary containment system for pipelines
KR101495784B1 (ko) 가스 배관의 가스 누출감지 및 포집장치
US5656766A (en) Underground drain tank
CN114616193A (zh) 壁以及制造此类壁的方法
US7581432B2 (en) Systems and methods for monitoring the integrity of a tank
JP3699466B2 (ja) 鋼製地下タンクの更生構造
JP3699466B6 (ja) 鋼製地下タンクの更生構造
JP6443948B1 (ja) タンクならびにタンクの地下設置構造
KR101604398B1 (ko) 맨홀 수밀 검사방법 및 검사장치
JP2013049452A (ja) Frpを用いたタンクの補修方法
JPH10504901A (ja) パイプライン、特に下水パイプラインシステムのシール性を監視する方法並びにこの方法を実施する装置
JP3183085U (ja) 二重配管構造
CN116124369A (zh) 一种电缆保护管气孔及裂纹快速无损检测方法及系统
KR101615364B1 (ko) 지중의 토양오염 검출 장치
DE102005008308A1 (de) Verfahren zur Lecksuche an Leckschutzauskleidungen von Tanks und Behältern o. dgl.
JP2003063591A (ja) 耐薬品性シートライニングタンク
KR101352874B1 (ko) 클램프 하우징이 부착된 누수 탐지관
JP2004352320A (ja) 地下貯蔵タンクの液体漏洩検知装置
JP3831383B2 (ja) 鋼製地下タンク内壁面に更生材を貼り付けて形成した気密層の試験方法
GB2413587A (en) Plastics lining for a tank or pipe providing a space between the lining and the wall to be lined
JP2006117255A (ja) 二重殻タンク
WO2011033678A1 (ja) タンク補修方法及びタンク補修装置
KR200354097Y1 (ko) 이중벽구조를 갖는 유류저장탱크

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050307

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050311

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080715

Year of fee payment: 3

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080715

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110715

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110715

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130715

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees