JP3698211B2 - ファンの駆動制御回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ファンの駆動制御技術に関し、特に可変速機能を備えたファンにおいて、ファンモータの特性に影響されることなく、ばらつきの少ない精密で安定した回転数を得ることが可能とされるファンの駆動制御回路に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、可変速機能を備えたファンの駆動制御回路としては、たとえば図6に示すように抵抗R1 とコンデンサC1 が直列接続される充電電圧回路と、抵抗R2 ´,R4 ´および可変抵抗R3 ´による比較電圧回路と、これらの回路からの充電電圧および比較電圧を入力とし、各相の通電時間を制御する制御回路とから構成され、充電電圧回路のCR時定数によって相切り換え時からの無通電時間を設定し、各相の通電時間をデューティ制御することによって可変速運転が可能とされるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記のような従来技術においては、充電電圧と比較電圧を比較して制御回路の出力をON/OFFし、この場合にファンの特性(主に巻線の抵抗およびインダクタンスなど)を考慮して比較電圧が設定されるために、ファンの特性がばらつくと回転数も多少ばらつくという問題がある。
【0004】
たとえば、巻線の抵抗が大きくなるとコイルに流れる電流が小さくなり、このためにファンの回転駆動力が小さくなって回転数が落ちることになる。
【0005】
すなわち、従来の駆動制御回路においては、制御回路のON/OFF時間がファンの特性とは無関係に決まるために、ファンの特性が影響することによってファンの回転数を精密に制御することができないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ファンの特性に影響されることなく、ばらつきの少ない精密で安定した回転数を得ることができるファンの駆動制御回路を提供することにある。
【0007】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0009】
すなわち、本発明のファンの駆動制御回路は、コンデンサおよび抵抗による充電電圧と所定の比較電圧とを入力し、コンデンサおよび抵抗の時定数により相切り換え時からの無通電時間を設定し、各相の通電時間をデューティ制御するファンの駆動制御回路であって、コンデンサおよび抵抗による充電電圧をピーク電圧にホールドするピークホールド回路と、このピークホールド回路によるピーク電圧と回転数を設定する所定の参照電圧との差を増幅し、所定の比較電圧を出力する差増幅回路とを備えるものである。
【0010】
この場合に、前記差増幅回路の出力側に、この差増幅回路の出力電圧を滑らかにする平滑回路を接続するようにしたものである。
【0011】
また、前記差増幅回路または平滑回路の出力側に、比較電圧が一定範囲を越えないようにクランプ回路を接続するようにしたものである。
【0012】
【作用】
前記したファンの駆動制御回路によれば、ピークホールド回路および差増幅回路が備えられることにより、ピークホールド回路によるピーク電圧を所定の参照電圧とほぼ等しくなるように差増幅回路により自動的に変化させ、この参照電圧によりファンの回転数を決定することができる。これにより、ファンの特性に影響されることなく、ばらつきの少ない回転数のファンを得ることができる。
【0013】
この場合に、差増幅回路に平滑回路が接続されることにより、差増幅回路の出力がパルス状に変化した場合においても、滑らかに平滑化された比較電圧を得ることができる。これにより、充電電圧と比較電圧との比較動作を安定して行うことができる。
【0014】
また、差増幅回路または平滑回路にクランプ回路が接続されることにより、比較電圧が一定範囲を越えないようにクランプすることができる。これにより、制御回路が起動不能になるのを防ぐことができる。
【0015】
【実施例】
図1は本発明の一実施例であるファンの駆動制御回路を示す概略構成図、図2は本実施例の駆動制御回路における各部の出力信号を示す波形図、図3は本実施例において、ファンの回転を所定の回転数に制御する場合を示すフロー図、図4は図3の制御フローにおける各部の出力信号を示す波形図、図5は本実施例の駆動制御回路の変形例を示す概略構成図である。
【0016】
まず、図1により本実施例のファンの駆動制御回路の構成を説明する。
【0017】
本実施例の駆動制御回路は、たとえばCR時定数により相切り換え時からの無通電時間を設定し、各相の通電時間をデューティ制御するファンの駆動制御回路とされ、充電電圧のピークホールド回路1と、ピークホールド回路1によるピーク電圧と所定の参照電圧との差を増幅する差増幅回路2と、差増幅回路2の出力を滑らかにする平滑回路3と、平滑回路3の出力を一定範囲にクランプするクランプ回路4と、クランプ回路4による比較電圧と充電電圧とを入力して各相の通電時間を制御する制御回路5とから構成されている。
【0018】
ピークホールド回路1は、アンプ6、ダイオード7およびコンデンサC2 から構成され、定電圧(V1 )および接地間に直列接続された抵抗R1 およびコンデンサC1 の接続点がアンプ6の正(+)入力端子に接続され、負(−)入力端子にはダイオード7を順方向に介してアンプ6の出力端子が接続され、またアンプ6の出力端子には、一方が接地されたコンデンサC2 が接続されている。
【0019】
そして、アンプ6の正入力端子に接続されたコンデンサC1 および抵抗R1 による充電電圧が、このピークホールド回路1によりホールドされて所定のピーク電圧として差増幅回路2に出力される。
【0020】
差増幅回路2は、アンプ8、外部設定により回転数可変用の抵抗R2 ,R4 および可変抵抗R3 から構成され、ピークホールド回路1にアンプ8の負入力端子が接続され、正入力端子には定電圧(V2 )および接地間に直列接続された抵抗R2 、可変抵抗R3 および抵抗R4 による可変抵抗R3 の可変電圧端子が接続されている。
【0021】
そして、アンプ8の負入力端子に入力されるピークホールド回路1によるピーク電圧と、アンプ8の正入力端子に入力される抵抗R2 ,R4 および可変抵抗R3 からなる回転数を設定する参照電圧との差が、この差増幅回路2により増幅されて平滑回路3に出力される。
【0022】
平滑回路3は、直列接続された抵抗R5 およびコンデンサC3 から構成され、差増幅回路2に抵抗R5 の一方が接続され、抵抗R5 とコンデンサC3 の接続点がクランプ回路4に接続され、さらにコンデンサC3 の他方は接地されている。
【0023】
そして、差増幅回路2からの入力がパルス状に変化する場合などに、この平滑回路3により滑らかにされてクランプ回路4に出力される。
【0024】
クランプ回路4は、定電圧(V3 )および(V4 )間に直列接続され、V3 方向に順方向接続された2つのダイオード9,10から構成され、このダイオード9,10の接続点が平滑回路3および制御回路5に接続されている。そして、平滑回路3からの入力が、このクランプ回路4により一定範囲を越えないようにクランプされて所定の比較電圧として制御回路5に出力される。
【0025】
制御回路5は、たとえばON/OFF出力などの出力タイミング制御機能を備えた2相ユニポーラ駆動用の回路構成とされ、クランプ回路4から入力される比較電圧と、直列接続された抵抗R1 およびコンデンサC1 による充電電圧とが入力され、出力端子に2相ユニポーラ駆動モータのコイル11,12が接続されている。
【0026】
そして、コンデンサC1 および抵抗R1 のCR時定数により相切り換え時からの無通電時間が設定され、各相のコイル11,12の通電時間がデューティ制御され、モータの回転数が決定される。
【0027】
次に、本実施例の作用について説明する。
【0028】
たとえば、図2に示すように抵抗R1 およびコンデンサC1 のCR時定数により発生するのこぎり波の充電電圧において、相切り換え時に充電電圧が所定の比較電圧になるまでの時間が無通電時間、すなわちOFF時間Toffであり、この時にコイル11への電流出力I1 はOFFとなる。
【0029】
また、充電電圧が所定の比較電圧以上になると、次の相切り換えまでの時間が通電時間、すなわちON時間Tonとなり、コイル11への電流出力I1 はONとなる。また、他方のコイル12の電流出力I2 も同様となる。
【0030】
これにより、各相当りの通電時間をTとすると、
T=Toff+Ton=固定定数+回転数比例定数
で表すことができる。
【0031】
ここで、TとTonは比例関係であり、Ton/Tが通電時間デューティとなり、種々のモータにより回転数は異なるが一定の回転数に決定される。
【0032】
この場合に、たとえばファンの特性における巻線抵抗が大きくなると、回転数が低下するために各相当りの通電時間T、すなわち充電電圧の波形周期が延びる結果となる。
【0033】
ところが、本実施例では、充電電圧をピークホールド回路1でピークホールドし、さらにこのピーク電圧と参照電圧の差を差増幅回路2で増幅することにより、回転数が高くなれば低くなり、逆に低くなれば高くなるピーク電圧が、差増幅回路2のゲインを十分高くすることによって参照電圧とほぼ等しくなるように、比較電圧は回転数が参照電圧に設定された回転数に自動的に変化していく。
【0034】
すなわち、図3の回転数制御フローに示すように、まず図4(a) のように設定された回転数(たとえば、周期=15ms)による初期状態から、ファンの負荷が重くなれば回転数が低下し、たとえば20msに充電電圧の周期が延びることによってピーク電圧が上がる(ステップ301〜304)。そして、ピーク電圧が参照電圧より大きくなり、差増幅回路2の出力が低下することに伴って比較電圧が低下し、これによってコイル11,12への出力電流のOFF時間が図4(b) に示すように減少する(ステップ305〜308)。
【0035】
さらに、OFF時間の減少によってファンの駆動力が増加し、回転数が上昇することによって周期が15msに短くなる(ステップ309〜311)。そして、ピーク電圧が低下することにより、図4(c) に示すようにピーク電圧と参照電圧がほぼ等しくなり、ファンの回転数が落ち着くことになる(ステップ312〜314)。これにより、ファンの回転数は参照電圧によって決まり、回転数に影響する巻線の抵抗、温度と関係があるロータの着磁強度などのファンの特性がばらついても回転数にばらつきが生じることがない。
【0036】
従って、本実施例のファンの駆動制御回路によれば、ピークホールド回路1および差増幅回路2を備えることにより、差増幅回路2に入力される参照電圧によってファンの回転数を決定し、回転数のばらつきを抑えることができる。
【0037】
また、たとえば差増幅回路2の出力がパルス状に変化する場合は、この出力を平滑回路3によって滑らかにし、制御回路5による充電電圧と比較電圧の比較動作を安定させることができる。
【0038】
さらに、クランプ回路4により、比較電圧が一定範囲を越えて起動不能になるのを防止することができる。
【0039】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0040】
たとえば、本実施例のファンの駆動制御回路については、平滑回路3およびクランプ回路4を備えた場合について説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、これらの平滑回路3およびクランプ回路4を不要とすることも可能であり、また回路構成についても図1の構成に限定されるものではない。
【0041】
たとえば、差増幅回路2については、抵抗R2 ,R4 および可変抵抗R3 を外部設定として接続する場合について説明したが、ファンの内部に組み込み、一定の回転数で回転させることも可能であり、またクランプ回路4についても、2つのダイオード9,10に代えて、降伏電圧がV3 −V4 の1つのツェナーダイオードで構成する場合についても適用可能である。
【0042】
以上の説明では、主として本発明者によってなされた発明をその利用分野である2相駆動用モータを用いたファンの駆動制御回路に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、たとえば図5に示すように3相駆動用の制御回路5aによるモータを用いたファン、およびモータ単体の駆動制御回路についても広く適用可能である。
【0043】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0044】
(1).コンデンサおよび抵抗による充電電圧をピーク電圧にホールドするピークホールド回路と、このピークホールド回路によるピーク電圧と回転数を設定する所定の参照電圧との差を増幅し、所定の比較電圧を出力する差増幅回路とを備えることにより、ピークホールド回路によるピーク電圧を所定の参照電圧とほぼ等しくなるように差増幅回路により自動的に変化させ、この参照電圧によりファンの回転数を決定できるので、ファンの特性に影響されることなく、ファンの回転数のばらつきを低減することができる。
【0045】
(2).差増幅回路の出力側に、この差増幅回路の出力電圧を滑らかにする平滑回路を接続することにより、差増幅回路の出力が変化した場合においても、平滑回路により滑らかに平滑化された比較電圧を得ることができるので、充電電圧と比較電圧の比較動作の安定化が可能となる。
【0046】
(3).差増幅回路または平滑回路の出力側に、比較電圧が一定範囲を越えないようにクランプ回路を接続することにより、差増幅回路または平滑回路による比較電圧が一定範囲を越えた場合においても、クランプ回路により一定範囲内にクランプすることができるので、起動不能の防止が可能となる。
【0047】
(4).前記(1) 〜(3) により、従来、回転数ばらつきの要因となっていたファンの特性に影響されることなく、ばらつきが少なく、精密で安定した回転が可能とされるファンの駆動制御回路を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるファンの駆動制御回路を示す概略構成図である。
【図2】本実施例の駆動制御回路における各部の出力信号を示す波形図である。
【図3】本実施例において、ファンの回転を所定の回転数に制御する場合を示すフロー図である。
【図4】本実施例において、図3の制御フローにおける各部の出力信号を示す波形図である。
【図5】本実施例において、駆動制御回路の変形例を示す概略構成図である。
【図6】従来技術の一例であるファンの駆動制御回路を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 ピークホールド回路
2 差増幅回路
3 平滑回路
4 クランプ回路
5,5a 制御回路
6 アンプ
7 ダイオード
8 アンプ
9 ダイオード
10 ダイオード
11 コイル
12 コイル
C1 〜C3 コンデンサ
R1 ,R2 ,R2 ´,R4 ,R4 ´,R5 抵抗
R3 ,R3 ´ 可変抵抗
【産業上の利用分野】
本発明は、ファンの駆動制御技術に関し、特に可変速機能を備えたファンにおいて、ファンモータの特性に影響されることなく、ばらつきの少ない精密で安定した回転数を得ることが可能とされるファンの駆動制御回路に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、可変速機能を備えたファンの駆動制御回路としては、たとえば図6に示すように抵抗R1 とコンデンサC1 が直列接続される充電電圧回路と、抵抗R2 ´,R4 ´および可変抵抗R3 ´による比較電圧回路と、これらの回路からの充電電圧および比較電圧を入力とし、各相の通電時間を制御する制御回路とから構成され、充電電圧回路のCR時定数によって相切り換え時からの無通電時間を設定し、各相の通電時間をデューティ制御することによって可変速運転が可能とされるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記のような従来技術においては、充電電圧と比較電圧を比較して制御回路の出力をON/OFFし、この場合にファンの特性(主に巻線の抵抗およびインダクタンスなど)を考慮して比較電圧が設定されるために、ファンの特性がばらつくと回転数も多少ばらつくという問題がある。
【0004】
たとえば、巻線の抵抗が大きくなるとコイルに流れる電流が小さくなり、このためにファンの回転駆動力が小さくなって回転数が落ちることになる。
【0005】
すなわち、従来の駆動制御回路においては、制御回路のON/OFF時間がファンの特性とは無関係に決まるために、ファンの特性が影響することによってファンの回転数を精密に制御することができないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ファンの特性に影響されることなく、ばらつきの少ない精密で安定した回転数を得ることができるファンの駆動制御回路を提供することにある。
【0007】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0009】
すなわち、本発明のファンの駆動制御回路は、コンデンサおよび抵抗による充電電圧と所定の比較電圧とを入力し、コンデンサおよび抵抗の時定数により相切り換え時からの無通電時間を設定し、各相の通電時間をデューティ制御するファンの駆動制御回路であって、コンデンサおよび抵抗による充電電圧をピーク電圧にホールドするピークホールド回路と、このピークホールド回路によるピーク電圧と回転数を設定する所定の参照電圧との差を増幅し、所定の比較電圧を出力する差増幅回路とを備えるものである。
【0010】
この場合に、前記差増幅回路の出力側に、この差増幅回路の出力電圧を滑らかにする平滑回路を接続するようにしたものである。
【0011】
また、前記差増幅回路または平滑回路の出力側に、比較電圧が一定範囲を越えないようにクランプ回路を接続するようにしたものである。
【0012】
【作用】
前記したファンの駆動制御回路によれば、ピークホールド回路および差増幅回路が備えられることにより、ピークホールド回路によるピーク電圧を所定の参照電圧とほぼ等しくなるように差増幅回路により自動的に変化させ、この参照電圧によりファンの回転数を決定することができる。これにより、ファンの特性に影響されることなく、ばらつきの少ない回転数のファンを得ることができる。
【0013】
この場合に、差増幅回路に平滑回路が接続されることにより、差増幅回路の出力がパルス状に変化した場合においても、滑らかに平滑化された比較電圧を得ることができる。これにより、充電電圧と比較電圧との比較動作を安定して行うことができる。
【0014】
また、差増幅回路または平滑回路にクランプ回路が接続されることにより、比較電圧が一定範囲を越えないようにクランプすることができる。これにより、制御回路が起動不能になるのを防ぐことができる。
【0015】
【実施例】
図1は本発明の一実施例であるファンの駆動制御回路を示す概略構成図、図2は本実施例の駆動制御回路における各部の出力信号を示す波形図、図3は本実施例において、ファンの回転を所定の回転数に制御する場合を示すフロー図、図4は図3の制御フローにおける各部の出力信号を示す波形図、図5は本実施例の駆動制御回路の変形例を示す概略構成図である。
【0016】
まず、図1により本実施例のファンの駆動制御回路の構成を説明する。
【0017】
本実施例の駆動制御回路は、たとえばCR時定数により相切り換え時からの無通電時間を設定し、各相の通電時間をデューティ制御するファンの駆動制御回路とされ、充電電圧のピークホールド回路1と、ピークホールド回路1によるピーク電圧と所定の参照電圧との差を増幅する差増幅回路2と、差増幅回路2の出力を滑らかにする平滑回路3と、平滑回路3の出力を一定範囲にクランプするクランプ回路4と、クランプ回路4による比較電圧と充電電圧とを入力して各相の通電時間を制御する制御回路5とから構成されている。
【0018】
ピークホールド回路1は、アンプ6、ダイオード7およびコンデンサC2 から構成され、定電圧(V1 )および接地間に直列接続された抵抗R1 およびコンデンサC1 の接続点がアンプ6の正(+)入力端子に接続され、負(−)入力端子にはダイオード7を順方向に介してアンプ6の出力端子が接続され、またアンプ6の出力端子には、一方が接地されたコンデンサC2 が接続されている。
【0019】
そして、アンプ6の正入力端子に接続されたコンデンサC1 および抵抗R1 による充電電圧が、このピークホールド回路1によりホールドされて所定のピーク電圧として差増幅回路2に出力される。
【0020】
差増幅回路2は、アンプ8、外部設定により回転数可変用の抵抗R2 ,R4 および可変抵抗R3 から構成され、ピークホールド回路1にアンプ8の負入力端子が接続され、正入力端子には定電圧(V2 )および接地間に直列接続された抵抗R2 、可変抵抗R3 および抵抗R4 による可変抵抗R3 の可変電圧端子が接続されている。
【0021】
そして、アンプ8の負入力端子に入力されるピークホールド回路1によるピーク電圧と、アンプ8の正入力端子に入力される抵抗R2 ,R4 および可変抵抗R3 からなる回転数を設定する参照電圧との差が、この差増幅回路2により増幅されて平滑回路3に出力される。
【0022】
平滑回路3は、直列接続された抵抗R5 およびコンデンサC3 から構成され、差増幅回路2に抵抗R5 の一方が接続され、抵抗R5 とコンデンサC3 の接続点がクランプ回路4に接続され、さらにコンデンサC3 の他方は接地されている。
【0023】
そして、差増幅回路2からの入力がパルス状に変化する場合などに、この平滑回路3により滑らかにされてクランプ回路4に出力される。
【0024】
クランプ回路4は、定電圧(V3 )および(V4 )間に直列接続され、V3 方向に順方向接続された2つのダイオード9,10から構成され、このダイオード9,10の接続点が平滑回路3および制御回路5に接続されている。そして、平滑回路3からの入力が、このクランプ回路4により一定範囲を越えないようにクランプされて所定の比較電圧として制御回路5に出力される。
【0025】
制御回路5は、たとえばON/OFF出力などの出力タイミング制御機能を備えた2相ユニポーラ駆動用の回路構成とされ、クランプ回路4から入力される比較電圧と、直列接続された抵抗R1 およびコンデンサC1 による充電電圧とが入力され、出力端子に2相ユニポーラ駆動モータのコイル11,12が接続されている。
【0026】
そして、コンデンサC1 および抵抗R1 のCR時定数により相切り換え時からの無通電時間が設定され、各相のコイル11,12の通電時間がデューティ制御され、モータの回転数が決定される。
【0027】
次に、本実施例の作用について説明する。
【0028】
たとえば、図2に示すように抵抗R1 およびコンデンサC1 のCR時定数により発生するのこぎり波の充電電圧において、相切り換え時に充電電圧が所定の比較電圧になるまでの時間が無通電時間、すなわちOFF時間Toffであり、この時にコイル11への電流出力I1 はOFFとなる。
【0029】
また、充電電圧が所定の比較電圧以上になると、次の相切り換えまでの時間が通電時間、すなわちON時間Tonとなり、コイル11への電流出力I1 はONとなる。また、他方のコイル12の電流出力I2 も同様となる。
【0030】
これにより、各相当りの通電時間をTとすると、
T=Toff+Ton=固定定数+回転数比例定数
で表すことができる。
【0031】
ここで、TとTonは比例関係であり、Ton/Tが通電時間デューティとなり、種々のモータにより回転数は異なるが一定の回転数に決定される。
【0032】
この場合に、たとえばファンの特性における巻線抵抗が大きくなると、回転数が低下するために各相当りの通電時間T、すなわち充電電圧の波形周期が延びる結果となる。
【0033】
ところが、本実施例では、充電電圧をピークホールド回路1でピークホールドし、さらにこのピーク電圧と参照電圧の差を差増幅回路2で増幅することにより、回転数が高くなれば低くなり、逆に低くなれば高くなるピーク電圧が、差増幅回路2のゲインを十分高くすることによって参照電圧とほぼ等しくなるように、比較電圧は回転数が参照電圧に設定された回転数に自動的に変化していく。
【0034】
すなわち、図3の回転数制御フローに示すように、まず図4(a) のように設定された回転数(たとえば、周期=15ms)による初期状態から、ファンの負荷が重くなれば回転数が低下し、たとえば20msに充電電圧の周期が延びることによってピーク電圧が上がる(ステップ301〜304)。そして、ピーク電圧が参照電圧より大きくなり、差増幅回路2の出力が低下することに伴って比較電圧が低下し、これによってコイル11,12への出力電流のOFF時間が図4(b) に示すように減少する(ステップ305〜308)。
【0035】
さらに、OFF時間の減少によってファンの駆動力が増加し、回転数が上昇することによって周期が15msに短くなる(ステップ309〜311)。そして、ピーク電圧が低下することにより、図4(c) に示すようにピーク電圧と参照電圧がほぼ等しくなり、ファンの回転数が落ち着くことになる(ステップ312〜314)。これにより、ファンの回転数は参照電圧によって決まり、回転数に影響する巻線の抵抗、温度と関係があるロータの着磁強度などのファンの特性がばらついても回転数にばらつきが生じることがない。
【0036】
従って、本実施例のファンの駆動制御回路によれば、ピークホールド回路1および差増幅回路2を備えることにより、差増幅回路2に入力される参照電圧によってファンの回転数を決定し、回転数のばらつきを抑えることができる。
【0037】
また、たとえば差増幅回路2の出力がパルス状に変化する場合は、この出力を平滑回路3によって滑らかにし、制御回路5による充電電圧と比較電圧の比較動作を安定させることができる。
【0038】
さらに、クランプ回路4により、比較電圧が一定範囲を越えて起動不能になるのを防止することができる。
【0039】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0040】
たとえば、本実施例のファンの駆動制御回路については、平滑回路3およびクランプ回路4を備えた場合について説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、これらの平滑回路3およびクランプ回路4を不要とすることも可能であり、また回路構成についても図1の構成に限定されるものではない。
【0041】
たとえば、差増幅回路2については、抵抗R2 ,R4 および可変抵抗R3 を外部設定として接続する場合について説明したが、ファンの内部に組み込み、一定の回転数で回転させることも可能であり、またクランプ回路4についても、2つのダイオード9,10に代えて、降伏電圧がV3 −V4 の1つのツェナーダイオードで構成する場合についても適用可能である。
【0042】
以上の説明では、主として本発明者によってなされた発明をその利用分野である2相駆動用モータを用いたファンの駆動制御回路に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、たとえば図5に示すように3相駆動用の制御回路5aによるモータを用いたファン、およびモータ単体の駆動制御回路についても広く適用可能である。
【0043】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0044】
(1).コンデンサおよび抵抗による充電電圧をピーク電圧にホールドするピークホールド回路と、このピークホールド回路によるピーク電圧と回転数を設定する所定の参照電圧との差を増幅し、所定の比較電圧を出力する差増幅回路とを備えることにより、ピークホールド回路によるピーク電圧を所定の参照電圧とほぼ等しくなるように差増幅回路により自動的に変化させ、この参照電圧によりファンの回転数を決定できるので、ファンの特性に影響されることなく、ファンの回転数のばらつきを低減することができる。
【0045】
(2).差増幅回路の出力側に、この差増幅回路の出力電圧を滑らかにする平滑回路を接続することにより、差増幅回路の出力が変化した場合においても、平滑回路により滑らかに平滑化された比較電圧を得ることができるので、充電電圧と比較電圧の比較動作の安定化が可能となる。
【0046】
(3).差増幅回路または平滑回路の出力側に、比較電圧が一定範囲を越えないようにクランプ回路を接続することにより、差増幅回路または平滑回路による比較電圧が一定範囲を越えた場合においても、クランプ回路により一定範囲内にクランプすることができるので、起動不能の防止が可能となる。
【0047】
(4).前記(1) 〜(3) により、従来、回転数ばらつきの要因となっていたファンの特性に影響されることなく、ばらつきが少なく、精密で安定した回転が可能とされるファンの駆動制御回路を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるファンの駆動制御回路を示す概略構成図である。
【図2】本実施例の駆動制御回路における各部の出力信号を示す波形図である。
【図3】本実施例において、ファンの回転を所定の回転数に制御する場合を示すフロー図である。
【図4】本実施例において、図3の制御フローにおける各部の出力信号を示す波形図である。
【図5】本実施例において、駆動制御回路の変形例を示す概略構成図である。
【図6】従来技術の一例であるファンの駆動制御回路を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 ピークホールド回路
2 差増幅回路
3 平滑回路
4 クランプ回路
5,5a 制御回路
6 アンプ
7 ダイオード
8 アンプ
9 ダイオード
10 ダイオード
11 コイル
12 コイル
C1 〜C3 コンデンサ
R1 ,R2 ,R2 ´,R4 ,R4 ´,R5 抵抗
R3 ,R3 ´ 可変抵抗
Claims (3)
- コンデンサおよび抵抗による充電電圧と所定の比較電圧とを入力し、前記コンデンサおよび抵抗の時定数により相切り換え時からの無通電時間を設定し、各相の通電時間をデューティ制御するファンの駆動制御回路であって、前記コンデンサおよび抵抗による充電電圧をピーク電圧にホールドするピークホールド回路と、該ピークホールド回路によるピーク電圧と回転数を設定する所定の参照電圧との差を増幅し、前記所定の比較電圧を出力する差増幅回路とを備え、前記ピーク電圧を前記参照電圧とほぼ等しくなるように自動的に変化させ、該参照電圧により前記ファンの回転数を決定することを特徴とするファンの駆動制御回路。
- 前記差増幅回路の出力側に、該差増幅回路の出力電圧を滑らかにする平滑回路を接続することを特徴とする請求項1記載のファンの駆動制御回路。
- 前記差増幅回路または前記平滑回路の出力側に、前記比較電圧が一定範囲を越えないようにクランプ回路を接続することを特徴とする請求項1または2記載のファンの駆動制御回路。
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JP34382191A JP3698211B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | ファンの駆動制御回路 |
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JPH05176590A JPH05176590A (ja) | 1993-07-13 |
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Family Applications (1)
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JP34382191A Expired - Fee Related JP3698211B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | ファンの駆動制御回路 |
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- 1991-12-26 JP JP34382191A patent/JP3698211B2/ja not_active Expired - Fee Related
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