JP3698008B2 - 超音波診断装置並びに超音波診断装置に用いる遅延制御回路 - Google Patents

超音波診断装置並びに超音波診断装置に用いる遅延制御回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、超音波診断装置並びに超音波診断装置に使用する遅延制御回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の超音波診断装置の全体構成を表わすブロック図を図10(a)に示す。図10(a)に示す超音波診断装置では、被検体から反射された超音波信号を複数の受信素子2−1〜2−nで構成されているプローブ1で受信する。また、サンプリング信号発生器3は、一定周期でサンプリング信号を発生させる。第1遅延制御回路9−1〜第n遅延制御回路9−nでは、超音波信号が各受信素子に到着する時間の差を修正し出力する。加算器4では、複数の遅延制御回路からの出力信号を加算合成処理する。デジタルスキャンコンバータ(以下DSCという)5は、加算器4で加算合成処理された信号を画像信号に変換し、さらに、画像信号を表示装置6に出力する。
【0003】
また、図10(b)のブロック図は、図10(a)に示した超音波診断装置の全体構成のうち複数の遅延制御回路(9−1〜9−n)の中の一つの構成を示す。例えば遅延制御回路(9−1)を例に説明すると、A/D変換器15では、第1受信素子からの受信信号をデジタル受信データに変換する。A/D変換器15で変換したデジタル受信データを書き込み制御手段16で制御しメモリ14に記録する。カウンタ12は、メモリ14から記録しているデジタル受信データを読みだす際の読み出し制御の基礎となる読み出し基準アドレスを生成する。また、読み出し制御手段61は、カウンタ12の出力に基づいてメモリ14の読み出しアドレスを演算する。
【0004】
図11は、プローブ1が超音波信号を受信した時の概念図を示す。図11(a)は、被検体7から反射された超音波信号と、受信素子2−1〜2−nとプローブ1の概念図を示す。図11(b)は、受信素子2−1〜2−nで受信した超音波信号と受信時間の関係を示す。 図11(c)は、遅延制御回路から、加算器4に出力する時の信号の概念図を示す。また、図11(b) (c)の波形10は受信素子2−1〜2−nで受信した超音波信号を示す。図11(a)に示すように、被検体7の焦点8で反射された超音波信号が、複数の受信素子2−1〜2−nで受信する場合、被検体7に一番近い受信素子2−4で最初に超音波信号を受信する。その後、被検体7からの距離が近い受信素子から順に超音波信号を受信し、最後に受信素子2−1と2−nで受信する。また、図11(b)に示すように各受信素子で受信した受信時間は、被検体7との距離が遠いほど受信時間が遅く、最初に受信素子2−4で受信した信号との時間差が発生する。精度の高い画像を得るためには、この時間差をなくす必要がある。そのために、遅延制御回路でこの時間差を補正し、図11(c)に示すように出力する信号のタイミングを一致させ、加算手段4に出力する必要がある。
【0005】
次に、図10(a)の超音波診断装置のブロック図に記載されている複数の遅延制御回路の中の1つである第1遅延制御回路の動作を図10(a)、図10(b)、図11を用いて説明する。例えば、被検体7から反射した超音波信号が受信素子2−1で受信され、受信したすべての超音波信号が遅延制御回路9−1に入力する。入力された超音波信号は、A/D変換器15でデジタル受信データに変換され、書き込み制御手段16でメモリ14に記録される。記録されたデータは、受信時間の早いものから順にメモリ14上に並べられるので、メモリ14上のアドレスの大小は受信時間の早遅を示すことになる。
【0006】
カウンタ12は、読み出し基準アドレスk0を出力し、この読み出し基準アドレスk0に基づいて読み出し制御手段61が演算を行い読み出しアドレスを出力する。さらに、この読み出しアドレスでメモリ14上の位置を特定し、そこに記録されているデータを出力する。なお、読み出し制御手段61は、複数の受信素子の間に生じている受信時間の差を補正するように演算を行う。
【0007】
読み出し制御手段61の演算式を(数1)に示す。
【0008】
【数1】
Figure 0003698008
【0009】
この演算式(数1)の求め方について、図12ないし図14を用いて説明する。
【0010】
図12はプローブの受信素子と焦点位置を示す図である。この図12より、焦点Fpと各受信素子までの距離の計算式を算出する。演算を簡単にするためにx−y座標上にプローブ表面を置く。また、生成されるビームの原点Oriに原点受信素子ch0をおき、原点Oriと焦点位置Fpの距離をRoとする。chaは原点以外の受信素子であり、焦点位置がFpの場合のchaから焦点までの距離はRaである。Ch0の座標を(x,y)=(xposo,yposo)、 chaの座標を(x,y)=(xposa,yposa)とすると、原点以外の受信素子の焦点距離Raは(数2)で演算される。
【0011】
【数2】
Figure 0003698008
【0012】
図13は、各受信素子で入力したデジタル受信信号が、メモリ上に記録されている位置を示した概略図である。同図に示している14−1〜14−nは各遅延制御回路のメモリであり、説明を簡単にするためにメモリのみを並べて図示している。同図の●は、各メモリに記録されている受信データである。また、同じ円弧で結ばれた●は同じ焦点位置から反射した受信データを示している。
【0013】
中心を原点受信素子ch0のメモリ、最下をchaのメモリとする。左端の経過時間t=0を基準として時間の経過にともない右方向に書き込みがなされる。
【0014】
例えば、同一焦点から反射した超音波信号を受信する時では、一番早く受信された信号をA、最後に受信される信号をBとすると、図13のAとBの位置関係になる。書き込みの時間間隔はサンプリング信号の周期Tであり、書き込みアドレスは第1受信素子から第n受信素子まで全受信素子共通である。
【0015】
プローブ表面からの距離がRoの位置から超音波信号が反射することで得られる受信データが、基準時間t=0からtb時間経過後にメモリに書き込まれるとする。音速をcとすると、tbは(数3)である。
【0016】
【数3】
Figure 0003698008
【0017】
このとき、書き込みの周期がTであるので受信データが書き込まれる原点受信素子ch0のメモリのアドレスadroは、(数4)である。
【0018】
【数4】
Figure 0003698008
【0019】
距離をサンプリング信号によって量子化するための除算係数dRを
(数5)とし(数4)に代入すると(数6)になる。
【0020】
【数5】
Figure 0003698008
【0021】
【数6】
Figure 0003698008
【0022】
焦点位置Fpのときに各受信素子のメモリから読み出されるべき受信データが記録されているメモリ上の位置を円弧c0とする。焦点位置Fpの時の原点受信素子ch0の読み出しアドレスをadro、受信素子chaの読み出しアドレスをadrとする。
メモリ14からの読み出しを周期Tのサンプリング信号で行うと、(数7)である。
【0023】
【数7】
Figure 0003698008
【0024】
ここでk0は前記サンプリング信号を演算したカウンタ12の出力であり、k0は読み出しの基準アドレスとなる。
(数6)に(数7)を代入すると読み出し基準アドレスk0は、(数8)となる。
【0025】
【数8】
Figure 0003698008
【0026】
(数8)よりRoは(数9)となる。
【0027】
【数9】
Figure 0003698008
【0028】
(数2)に(数9)を代入すると、Raは読み出し基準アドレスk0の関数である(数10)となる。
【0029】
【数10】
Figure 0003698008
【0030】
ここで、
【0031】
【数11】
Figure 0003698008
【0032】
とする。
【0033】
Fpを焦点とした時の受信素子chaの読み出しアドレスadrは、読み出し基準アドレスk0に、Fpからの距離であるRaとRoの差を加算して得られるので、(数12)である。
【0034】
【数12】
Figure 0003698008
【0035】
(数9)と(数10)を(数12)に代入することにより、読出し制御手段61の演算式として(数1)が導かれる。
【0036】
このように読み出し制御手段61では(数1)が演算され、メモリ14の読み出しアドレスが生成される。この生成された読み出しアドレスから、第1遅延制御手段のメモリ14に記録してあるデジタル受信信号が出力される。各遅延制御回路から出力されたデジタル受信信号は、加算器4によって加算合成処理される。加算合成処理された信号は、DSC5によって画像信号に変換し、表示装置6で表示される。
【0037】
次に、図14にプローブと被検体間の焦点距離とデジタル受信信号がメモリに記録される記録位置との関係を示す。図14(a)に示すように、プローブと被検体の焦点距離がL1の場合であり、図14(b)は、距離がL3の(b)場合である(L1<L3)。超音波がプローブに到達するまでに要する時間は、焦点距離がL1の方がL3より短いために、到着時間はt1<t3となる(図14(c)、(d))。また、L1、L3の焦点距離でのメモリの記録位置は、焦点距離がL1の場合は、同図(a)に示すようにL1とL2の焦点距離差Gが生じる。すなわち、プローブ内の複数の受信素子に、最初に到着した時間t1と最後に到着した時間t2の時間差X=(t2−t1)が生じる。
【0038】
しかし、焦点距離がL3の場合は、図14(b)に示すようにL3とL4の焦点距離差Hが焦点距離差Gと比較して小さい、すなわち、プローブ内の複数の受信素子に、最初に到着した時間t3と最後に到着した時間t4の時間差Y=(t4−t3)は時間差Xより小さい。
【0039】
このように理論上では、焦点位置の距離が短いと、図14(c)に示すようにメモリに記録されている位置を示す円弧のカーブがきつく、逆に、焦点距離が長いと、図14(d)に示すように円弧のカーブは緩やかとなる。従って、従来の遅延制御回路では、焦点位置からの距離の長短に応じて遅延時間の補正値を変えるよう演算していた。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の超音波診断装置においては、超音波信号を送受信するプローブと被検体の間の伝搬速度は一定として演算していた。また、上記従来の遅延制御回路を使用している超音波診断装置では、読み出しのサンプリング周期から理論上の計算で求めた固定値でビームの焦点位置を固定し、各受信素子でのメモリの読み出すデータの位置も、焦点距離で固定されて、そのデータの読み込み演算を行っていた。
【0041】
一方、1996 IEEE ULTRASONICS SYMPOSIUM VOL.1996 NO.VOL.2 PAGE.1559-1562「The Effect of Delay Error on the Sidelobe Level in Synthetic Aperture Imaging」によると、開口合成法を用いた画像では、生体内の媒質の変化などによる伝播時間の遅れ誤差により発生するサイドローブが画質に影響する。この伝播時間とは遅延合成して生成される焦点位置と等価であるので、焦点位置を制御することで伝播時間の遅れ誤差を吸収できる。また、伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる。このため、実際にビームが集束される位置を焦点距離によって制御することで伝播時間の遅れ誤差を吸収できる。
【0042】
また、同じ部位を測定する場合でも、被検体の体型・人種などでサイドローブや、超音波の伝播速度に差があるため画質に影響が出る。このために、伝播時間の遅れ誤差の影響が考慮されていない従来の装置では、受信信号を読み出すためのサンプリング周期でビームの焦点位置が決められるため、焦点位置は常に理論上の計算値に設定されてしまっていた。
【0043】
この結果、ビームの焦点位置を制御することができず精度の高い画像を得ることが困難であった。
【0044】
本願発明は上記従来の問題を解決するためになされたもので、超音波診断装置において広範囲で精度の高い画像を得ることを目的とし、ビームの焦点位置を、小規模な回路で簡易に、理論上の計算値として固定されていたサンプリング位置に対して遠方側あるいは近接側に設定することができ、読み出すデータが最適になるよう焦点位置を設定可能とした遅延制御回路と超音波診断装置を提供するものである。
【0045】
【課題を解決するための手段】
本願発明の超音波診断装置は、複数の受信素子を有し、この複数の受信素子で被検体から反射した超音波信号を受信する受信手段と、前記被検体の受信焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を調整する複数の遅延手段と、前記遅延手段から出力された信号を加算合成処理する加算手段と、前記加算手段の出力信号を画像信号に変換する画像信号変換手段と、前記画像信号を表示する表示手段とを備えた超音波診断装置において、前記遅延手段は、前記受信手段により受信した超音波信号をデジタル受信信号に変換するデジタル受信信号変換手段と、前記デジタル受信信号を記録する記録手段と、前記記録手段への前記デジタル受信信号の記録を制御する書き込み制御手段と、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための計算上の補正値1を演算する演算部を備えた焦点位置演算手段と、一定周期の信号を変換しこの変換結果を前記焦点位置演算手段に出力する変換手段を有し、前記焦点位置変換手段は、前記変換手段の出力に基づいて演算することにより計算上の補正値1とは異なり伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる点を考慮した補正値2に基づいて前記記録手段からデジタル受信信号の読み出しを制御する構成を有している。この構成により、受信焦点位置の制御に使用される変換手段を独立に設けて、理論上の位置とは異なる位置に受信焦点を設定でき画質が向上する。
【0046】
また、本願発明の超音波診断装置に用いる遅延制御回路は、複数の受信素子で被検体から反射した超音波信号を受信する超音波診断装置に用いる遅延制御回路において、前記受信した超音波信号をデジタル受信信号に変換するデジタル受信信号変換手段と、前記デジタル受信信号を記録する記録手段と、前記記録手段への前記デジタル受信信号の記録を制御する書き込み制御手段と、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための計算上の補正値1を演算する演算部を備えた焦点位置演算手段と、一定周期の信号を変換しこの変換結果を前記焦点位置演算手段に出力する変換手段を有し、前記焦点位置変換手段の出力に基づいて演算することにより、前記理論上の補正値1とは異なり伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる点を考慮した補正値2に基づいて前記記録手段からのデジタル受信信号の読み出しを制御することを特徴とした構成を有している。この構成により、受信焦点位置の制御に使用される変換手段を独立に設けてサンプリング位置とは異なる位置に受信焦点を設定できることとなる。
【0047】
また、本願発明の超音波診断装置は、複数の受信素子を有し、この複数の受信素子で被検体から反射した超音波信号を受信する受信手段と、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を調整する遅延手段と、前記遅延手段から出力された信号を加算合成処理する加算手段と、前記加算手段の出力信号を画像信号に変換する画像信号変換手段と、前記画像信号を表示する表示手段とを備えた超音波診断装置において、前記遅延手段は、前記受信した超音波信号をデジタル受信信号に変換するデジタル受信信号変換手段と、前記デジタル受信信号を記録する記録手段と、前記記録手段への前記デジタル受信信号の記録を制御する書き込み制御手段と、前記記録手段から前記デジタル受信信号の出力を制御する読み出し制御手段を有し、前記読み出し制御手段は、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための計算上の補正値1とは異なる、伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる点を考慮した新たな補正値2に基づいて前記記録手段からのデジタル受信信号の読み出しを制御することを特徴とした構成を有している。この構成により、遅延制御回路内の焦点位置制御手段で、サンプリング位置とは異なる位置に受信焦点を設定することができ、画質が向上することとなる。
【0048】
また、本願発明の超音波診断装置に用いる遅延制御回路は、複数の受信素子で被検体から反射した超音波信号を受信する超音波診断装置に用いる遅延制御回路において、前記受信した超音波信号をデジタル受信信号に変換するデジタル受信信号変換手段と、前記デジタル受信信号を記録する記録手段と、前記記録手段への前記デジタル受信信号の記録を制御する書き込み制御手段と、記録手段から前記デジタル受信信号の出力を制御する焦点位置制御手段を有し、前記焦点位置制御手段は、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正する補正値1とは異なる、伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる点を考慮した新たな補正値2に基づいて前記記録手段からのデジタル受信信号の読み出しを制御することを特徴とした構成を有している。この構成により、遅延制御回路内の焦点位置制御手段で、サンプリング位置とは異なる位置に受信焦点を設定することとなる。
【0049】
また、本願発明の超音波診断装置は、複数の受信素子を有し、この複数の受信素子で被検体から反射した超音波信号を受信する受信手段と、前記被検体の受信焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を調整する複数の遅延手段と、前記遅延手段から出力された信号を加算合成処理する加算手段と、前記加算手段の出力信号を画像信号に変換する画像信号変換手段と、前記画像信号を表示する表示手段とを備えた超音波診断装置において、前記遅延手段は、前記受信手段により受信した超音波信号をデジタル受信信号に変換するデジタル受信信号変換手段と、前記デジタル受信信号を記録する記録手段と、前記記録手段への前記デジタル受信信号の記録を制御する書き込み制御手段と、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための遅延量発生手段と、深さ信号を発生する深さ信号発生手段と、前記遅延量発生手段の出力と前記深さ信号発生手段の出力を演算する演算手段とを有し、前記演算手段の結果から前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための計算上の補正値1とは異なる、伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる点を考慮した新たな補正値2に基づいて前記記録手段からのデジタル受信信号の読み出しを制御する構成を有している。この構成により、遅延制御回路内の焦点位置制御手段で、サンプリング位置とは異なる位置に受信焦点を設定することができ、画質が向上することとなる。
【0050】
また、本願発明の超音波診断装置に用いる遅延制御回路、複数の受信素子で被検体から反射した超音波信号を受信する超音波診断装置に用いる遅延制御回路において、前記受信した超音波信号をデジタル受信信号に変換するデジタル受信信号変換手段と、前記デジタル受信信号を記録する記録手段と、前記記録手段への前記デジタル受信信号の記録を制御する書き込み制御手段と、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための計算上の補正値を演算するための遅延量発生手段と、深さ信号を発生する深さ信号発生手段と、前記遅延量発生手段の出力と前記深さ信号発生手段の出力を演算する演算手段とを有し、前記演算手段の結果から前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための計算上の補正値1とは異なる、伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる点を考慮した新たな補正値2に基づいて前記記録手段からのデジタル受信信号の読み出しを制御する構成を有している。この構成により、遅延制御回路内の焦点位置制御手段で、サンプリング位置とは異なる位置に受信焦点を設定することができる。
【0051】
また、本願発明の超音波診断装置と遅延制御回路には、変換手段が、乗算器、加算器、乗加算器のいずれか、又はこれらの組み合わせの構成を有している。この構成により、受信焦点位置の制御に使用される変換手段の構成を変更させることにより、経過時間に比例して焦点位置を設定でき、画質が向上することとなる。
【0052】
また、本願発明の超音波診断装置と遅延制御回路には、変換手段が、固定値を記録したメモリを含む構成を有している。この構成により、受信焦点位置の制御に使用される変換手段は固定値を使用すると、焦点を固定することができる。
【0053】
また、本願発明の超音波診断装置と遅延制御回路には、変換手段の演算内容が複数存在し、切り替え手段を用いて演算内容を変更する構成を有している。この構成により、受信焦点位置の制御に使用される変換手段の演算内容を変更できることにより、良好な画質を選択することができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下本願発明の第1の実施の形態について、図1(a)から図1(b)を用いて説明する。なお、超音波診断装置の全体構成図1(a)については図10(a)に示した従来の構成と同一であるので説明を省略する。
【0055】
図1(b)は本願発明の第1の実施の形態における遅延制御回路のブロック図を示す。A/D変換器15は、第1受信素子からの受信信号をデジタル受信データに変換し、メモリ14に出力する。書き込み制御手段16は、デジタル受信データをメモリ14に記録するための書き込みを制御する。書き込み制御手段16で制御され、A/D変換器15から出力されたデジタル受信データを、メモリ14に記録する。
【0056】
カウンタ12は、サンプリング信号を計数し、デジタル受信データの読み出しの基礎となる、読み出し基準アドレスk0を生成する。
【0057】
変換手段13は、伝播時間等の遅れ誤差を少なくし、従来のように計算上求めていた焦点位置とは異なった位置のメモリのデータを読み出すために、カウンタ12からの読み出し基準アドレスの信号k0を、kfに変換するものである。この変換手段13としては、例えば乗算器、加算器、乗加算器、累加算器などのいずれかの演算器やメモリなどを用いる。
【0058】
読み出し制御手段11は、カウンタ12と変換手段13の出力から読み出しアドレスを演算し、この読み出しアドレスに相当する位置に記録されているメモリ14上のデジタル受信データを第1遅延制御回路の出力信号として出力するように制御する。
【0059】
次に、遅延制御回路の動作を説明する。図1(b)より、第1受信素子で受信した超音波信号をA/D変換器15でデジタル受信データに変換する。サンプリング信号発生器3から出力されたサンプリング信号を基準にして、書き込み制御手段16は、受信した全てのデジタル受信データの書き込み制御を行いメモリ14に記録する。また、カウンタ12では、入力されたサンプリング信号を演算してメモリの読み出し基準アドレスk0を生成する。その読み出し基準アドレスk0は変換手段13に入力され、演算の結果、kfとして出力される。
【0060】
課題である伝播時間の遅れ誤差等の影響を少なくするためには、ビームの焦点位置を固定せず、伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる点を考慮して従来の読み出し制御手段が出力していたアドレスとは異なるアドレスを出力する必要がある。
【0061】
すなわち、計算上求められる焦点位置に相当するアドレスではなく、異なるアドレスを用いてメモリ14に記録してある全ての受信データから、その焦点に最適な値のみを出力できるように読み出しを制御することで、伝播時間の遅れ誤差を吸収する必要がある。
【0062】
そのために、変換手段13で、読み出し基準アドレスであるk0をkfに変換する。
【0063】
読み出し制御手段11ではkfをもとにして読み出しアドレスを求めるための(数13)が演算される。
【0064】
【数13】
Figure 0003698008
【0065】
この演算式(数13)の求め方について以下、説明する。図2にプローブ1の受信素子と焦点位置の図を示す。この図2より、焦点Fpと受信素子までの距離の計算式を算出する。演算を簡単にするためにx−y座標上にプローブ表面を置く。また、生成されるビームの原点Oriに原点受信素子ch0をおき、受信素子の原点Oriと焦点位置Fpの距離をRfとする。chaは焦点位置がFpの場合の原点以外の受信素子であり、焦点までの距離はRaである。ch0の座標を(x,y)=(xposo,yposo)、 chaの座標を(x,y)=(xposa,yposa)とすると、原点以外の受信素子chaからの焦点距離Raは(数14)で演算される。
【0066】
【数14】
Figure 0003698008
【0067】
図3は、各受信素子で入力したデジタル受信信号が、メモリ上に記録されている位置を示した概略図である。図3に示している14−1〜14−nは各遅延制御回路のメモリであり、説明を簡単にするためにメモリのみを並べて図示している。同図の●は、各メモリに記録されている受信データである。また、同じ円弧で結ばれた●は同じ焦点位置から反射した受信データを示している。
【0068】
中心を原点受信素子ch0のメモリ、最下をchaのメモリとする。左端の経過時間t=0を基準として時間の経過にともない右方向に書き込みがなされる。
【0069】
例えば、同一焦点から、反射した超音波信号を受信する時では、一番早く受信された信号をA、最後に受信される信号をBとすると、図3のAとBの位置関係になる。
【0070】
書き込みの時間間隔はサンプリング信号の周期Tであり、書き込みアドレスは第1受信素子から第n受信素子まで全受信素子共通である。プローブ表面からの距離がRfの位置から超音波信号が反射することで得られる受信データが、基準時間t=0からtf時間経過後にメモリに書き込まれるとする。音速をcとすると、tfは(数15)である。
【0071】
【数15】
Figure 0003698008
【0072】
このとき、書き込みの周期がTであるので受信データが書き込まれる原点受信素子ch0のメモリのアドレスadrfは、(数16)である。
【0073】
【数16】
Figure 0003698008
【0074】
距離をサンプリング信号によって量子化するための除算係数dRとメモリのアドレスadrfを(数17)(数18)とおき、
【0075】
【数17】
Figure 0003698008
【0076】
【数18】
Figure 0003698008
【0077】
(数17)と(数18)を(数16)に代入すると原点受信素子ch0のメモリのアドレスは(数19)になる。
【0078】
【数19】
Figure 0003698008
【0079】
これより、受信素子の原点からの焦点距離Rfは(数20)となる。
【0080】
【数20】
Figure 0003698008
【0081】
図3に示される円弧は同じ焦点位置から反射した受信データが各受信素子のメモリに記録されている位置を示す。
【0082】
円弧c0を焦点位置Fpのときの各受信素子のメモリの位置とする。焦点位置Fpのときの原点受信素子ch0の読み出しアドレスをadro、原点以外の受信素子chaの読み出しアドレスをadrとする。原点受信素子ch0のメモリ14の読み出しを周期Tのサンプリング信号で行うと、(数7)である。
【0083】
原点以外の受信素子chaからの焦点距離Raを表わす(数14)に(数20)を代入し、(数11)を当てはめると、焦点距離Raはkfの関数である(数21)となる。
【0084】
【数21】
Figure 0003698008
【0085】
Fpを焦点とした時の受信素子chaの読み出しメモリアドレスadrは、基準アドレスk0に、Fpからの距離であるRaとRfの差を加算して得られるので、(数22)である。
【0086】
【数22】
Figure 0003698008
【0087】
(数20)と(数21)を式(数22)に代入することにより、読み出し制御手段11において入力信号であるkfをもとにして読み出しアドレスを求めるための(数13)が導き出される。
【0088】
このようにして、焦点位置演算手段11では(数13)が演算され、メモリ14の読み出しアドレスが生成される。
【0089】
図3の実線は、従来の計算での読み出し位置を示している。また、点線はk0からkfに変換後のメモリ上の読み出し位置を示している。
【0090】
メモリ14の書き込みアドレス制御手段16で使用されるサンプリング信号を演算するカウンタ12の出力であるk0と異なるkf値を独立に持つことで、読み出し基準アドレスはk0としながらも、実際のデータの読み込みは、伝播時間の遅れ誤差等を考慮し、読み出し基準アドレスk0を演算して求められたkfの焦点データが読み込まれるため、精度の高い画像を得られる。
【0091】
これにより、読み出し基準アドレスk0からkfに変換する値で点線の位置をコントロールすることができる。なお、この図3の場合、計算上の読み出し位置より遅く記録されたデータを読み出すようにkfの値が設定されるが、常にこのようなkf値が最適というわけではなく、逆に計算上の読み出し位置より早く記録されたデータを読み出すようにkfの値を設定する方が良い場合もある。
【0092】
なお、kfの値は、変換器内部の演算手段の数式等で決定するが、精度の高い画像を得るために、具体的なkfの値は臨床試験等などで決定する。その理由は、kfの最適値(すなわち、最適の画質が得られるkf値)は、一概に決まらず被検体の体型、人種、体質などによって異なるからである。
【0093】
このような、事情に鑑み、本願発明では、容易に読み出し基準アドレスk0をkfに変換したり、又、一度設定したkfの値を他の値に変更しやすくするために変換手段を設けている。その出力された複数の受信素子受信データが加算合成処理され、DSC5を介して表示装置6に供給され表示される。
【0094】
次に、本願発明の第2の実施の形態について図4、図5を用いて説明する。なお、超音波診断装置の全体構成については図1に示した従来の構成と同一であるので説明を省略する。図4は本願発明の第2の実施の形態の遅延制御回路を示すブロック図である。遅延量発生手段18は、被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するために、一定周期の信号を変換して演算し出力する。
【0095】
図5は本願発明の第2の実施の形態の遅延量発生手段18を示すブロック図である。
遅延量発生手段18では、一定周期の読み出し基準アドレスk0を変換手段13で変換しkfとし演算を行い被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための演算を行う。なお、遅延制御回路9-nの深さ信号発生手段19は、カウンタである。
【0096】
これより、遅延制御回路中にカウンタを複数使用しても、記録手段14からデジタル受信信号を読みだし制御することができる。
【0097】
次に、本願発明の第3の実施の形態について図6、図7を用いて説明する。図6(a)は、本願発明の変換手段13として乗加算器43を使用した場合を示している。乗算値をα、加算値をβとする。乗加算器を使用した場合のkf値を図6(b)に、焦点位置の例を図6(c)に示す。
【0098】
図6(b)において4baはα=1、β=0として、kf=k0となる例である。また、図6(c)の4caに示されるように経過時間に比例して焦点距離は大きくなり、焦点位置はサンプリング位置と一致する。なお、この条件は従来の方法と同じである。
【0099】
図6(b)の4bbはα<1、β=β1として、kf値の変化の傾きが、入力の読み出し基準アドレスk0より小さくなる例である。このとき、図6(c)の4cbに示されるように理論値と比較すると傾きが小さいために、時間に対する焦点位置は、理論値の焦点距離よりも
短くなる例である。
【0100】
図6(b)の4bcはα=0、β=β1として、kf値が固定値となる例である。このとき、図6(c)の4ccに示されるように焦点位置はビームの原点Oriからの距離がRfixの位置に固定される。また、焦点位置が固定される場合、図3の円弧で示されるように複数受信素子のメモリの読み出し位置は読み出し基準アドレスk0によらず同じ形状の円弧になる。
【0101】
なお、変換手段13は累積加算器などでも同様の効果が得られる。また、図7は、変換手段13としてメモリ53を使用した場合のブロック図を示す。メモリ53を使用することで焦点位置を決定するkfの値を固定値として設定できる。複数受信素子のメモリの読み出し位置は読み出し基準アドレスk0によらず同じ形状の円弧になる。
【0102】
図8は本願発明の第4の実施の形態の変換手段を示すブロック図である。
【0103】
カウンタ12から出力された読み出し基準アドレスk0を、複数の演算器で同時に演算しkfに変換して出力する。そのとき得られる画像の状態のよいものを切り替え手段18(例えば、スイッチ)で選択できる。また、複数の演算器で演算させる際、はじめに切り替え手段18で演算器を指定しておき演算させて読み出し基準アドレスk0をkfに変換してもよい。
【0104】
伝播速度の異なる層の量によってkfを変化させるために、変換器内部の演算内容を予め複数個装備しておき、被検体の状態から演算器切り替え手段18で乗加算器43の切り替えを行い被検体毎の最適な画像の出力を行う。焦点位置を自由に設定できるとともに、遅れ誤差等を考慮するために、従来法と比較してバラツキが少なくなり画質が向上する。
【0105】
なお、前述した実施の形態において複数の乗加算器43を切り替えたが、いずれかがメモリであっても良い。
【0106】
なお、前述した実施の形態でプローブは超音波信号を受信する場合のみを示したが、送受信を行うタイプのプローブであっても良い。また、プローブの送信および受信面の形状は、凸曲面に限らず、凹面あるいは平面でも同様の効果を生じる。
【0107】
さらに、プローブと被検体の位置関係を図9に示す。
【0108】
本願発明の形態においては、図9(a)に示すように、プローブの中心と被検体上の焦点位置が同軸上にある場合で説明した。しかし、図9(b)のようにプローブの中心と被検体上の焦点が中心軸上にない場合、例えば、骨と骨の隙間から超音波を発信し同軸上にない被検体を測定する場合でも、メモリから信号を読み出す時に補正するために、本願発明をもちいれば同様の効果を生じる。
【0109】
また、変換手段13と読み出し制御手段11を独立した構成としているが、
カウンタ12からの読み出し基準アドレスk0をkfに変換でき、メモリ14の読み出しを制御できる回路であれば、一体の構成であっても同様の効果を生じる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明は独立した変換手段を有することにより、超音波診断装置において広範囲で精度の高い画像を得ることを目的とし、読み出す基準の信号を演算し、ビームの焦点位置を、小規模な回路で簡易に、理論上の計算値として固定されていたサンプリング位置に対して遠方側あるいは近接側に設定することができ、また、固定のサンプリング位置にも設定できることで、読み出すデータが最適になるよう焦点位置を設定可能とした遅延制御回路と超音波診断装置を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本願発明の第1の実施の形態の超音波診断装置を示すブロック図
(b)本願発明の第1の実施の形態の遅延制御回路を示すブロック図
【図2】本願発明のプローブの受信素子と焦点位置を示す図
【図3】本願発明の複数受信素子のメモリを示す図
【図4】本願発明の第2の実施の形態の遅延制御回路を示すブロック図
【図5】本願発明の第2の実施の形態の遅延量発生手段を示すブロック図
【図6】本願発明の第1の実施の形態の変換手段を示すブロック図
【図7】本願発明の第1の実施の形態の変換手段を示すブロック図
【図8】本願発明の他の実施の形態の変換手段を示すブロック図
【図9】(a)プローブの中心線と被検体上の焦点位置が同一線上にある状態を示す図
(b)プローブの中心線と被検体上の焦点位置が同一線上にない状態を示す図
【図10】(a)従来の超音波診断装置を示すブロック図
(b)従来の遅延制御回路を示すブロック図
【図11】超音波信号の遅延時間を説明する図
【図12】従来のプローブの受信素子と焦点位置を説明する図
【図13】従来の複数受信素子のメモリを示す図
【図14】被検体とプローブ間の距離とメモリに記録される位置を示す図
【符号の説明】
1 プローブ
2−1 第1受信素子
2−2 第2受信素子
2−n 第n受信素子
3 サンプリング信号発生器
4 加算器
5 DSC
6 表示装置
9−1 第1遅延制御回路
9−2 第2遅延制御回路
9−n 第n遅延制御回路
11 読み出し制御手段
12 カウンタ
13 変換手段
14 メモリ
15 A/D変換器
16 書き込み制御手段
17 焦点位置制御手段
18 遅延量生手段
19 深さ信号発生手段
43 乗加算器
53 メモリ
61 読み出し制御手段

Claims (12)

  1. 複数の受信素子を有し、この複数の受信素子で被検体から反射した超音波信号を受信する受信手段と、前記被検体の受信焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を調整する複数の遅延手段と、前記遅延手段から出力された信号を加算合成処理する加算手段と、前記加算手段の出力信号を画像信号に変換する画像信号変換手段と、前記画像信号を表示する表示手段とを備えた超音波診断装置において、前記遅延手段は、前記受信手段により受信した超音波信号をデジタル受信信号に変換するデジタル受信信号変換手段と、前記デジタル受信信号を記録する記録手段と、前記記録手段への前記デジタル受信信号の記録を制御する書き込み制御手段と、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための計算上の補正値1を演算する演算部を備えた焦点位置演算手段と、一定周期の信号を変換しこの変換結果を前記焦点位置演算手段に出力する変換手段を有し、前記焦点位置変換手段は、前記変換手段の出力に基づいて演算することにより計算上の補正値1とは異なり伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる点を考慮した補正値2に基づいて前記記録手段からデジタル受信信号の読み出しを制御することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 複数の受信素子で被検体から反射した超音波信号を受信する超音波診断装置に用いる遅延制御回路において、前記受信した超音波信号をデジタル受信信号に変換するデジタル受信信号変換手段と、前記デジタル受信信号を記録する記録手段と、前記記録手段への前記デジタル受信信号の記録を制御する書き込み制御手段と、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための計算上の補正値1を演算する演算部を備えた焦点位置演算手段と、一定周期の信号を変換しこの変換結果を前記焦点位置演算手段に出力する変換手段を有し、前記焦点位置変換手段の出力に基づいて演算することにより、前記理論上の補正値1とは異なり伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる点を考慮した補正値2に基づいて前記記録手段からのデジタル受信信号の読み出しを制御することを特徴とする遅延制御回路。
  3. 複数の受信素子を有し、この複数の受信素子で被検体から反射した超音波信号を受信する受信手段と、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を調整する遅延手段と、前記遅延手段から出力された信号を加算合成処理する加算手段と、前記加算手段の出力信号を画像信号に変換する画像信号変換手段と、前記画像信号を表示する表示手段とを備えた超音波診断装置において、前記遅延手段は、前記受信した超音波信号をデジタル受信信号に変換するデジタル受信信号変換手段と、前記デジタル受信信号を記録する記録手段と、前記記録手段への前記デジタル受信信号の記録を制御する書き込み制御手段と、前記記録手段から前記デジタル受信信号の出力を制御する読み出し制御手段を有し、前記読み出し制御手段は、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための計算上の補正値1とは異なる、伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる点を考慮した新たな補正値2に基づいて前記記録手段からのデジタル受信信号の読み出しを制御することを特徴とする超音波診断装置。
  4. 複数の受信素子で被検体から反射した超音波信号を受信する超音波診断装置に用いる遅延制御回路において、前記受信した超音波信号をデジタル受信信号に変換するデジタル受信信号変換手段と、前記デジタル受信信号を記録する記録手段と、前記記録手段への前記デジタル受信信号の記録を制御する書き込み制御手段と、記録手段から前記デジタル受信信号の出力を制御する焦点位置制御手段を有し、前記焦点位置制御手段は、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正する補正値1とは異なる、伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる点を考慮した新たな補正値2に基づいて前記記録手段からのデジタル受信信号の読み出しを制御することを特徴とする遅延制御回路。
  5. 複数の受信素子を有し、この複数の受信素子で被検体から反射した超音波信号を受信する受信手段と、前記被検体の受信焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を調整する複数の遅延手段と、前記遅延手段から出力された信号を加算合成処理する加算手段と、前記加算手段の出力信号を画像信号に変換する画像信号変換手段と、前記画像信号を表示する表示手段とを備えた超音波診断装置において、前記遅延手段は、前記受信手段により受信した超音波信号をデジタル受信信号に変換するデジタル受信信号変換手段と、前記デジタル受信信号を記録する記録手段と、前記記録手段への前記デジタル受信信号の記録を制御する書き込み制御手段と、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための遅延量発生手段と、深さ信号を発生する深さ信号発生手段と、前記遅延量発生手段の出力と前記深さ信号発生手段の出力とを演算する演算手段とを有し、前記演算手段の結果から前記被検体の焦点位置から伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる点を考慮して前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための計算上の補正値に基づいて前記記録手段からのデジタル受信信号の読み出しを制御することを特徴とする超音波診断装置。
  6. 複数の受信素子で被検体から反射した超音波信号を受信する超音波診断装置に用いる遅延制御回路において、
    前記受信した超音波信号をデジタル受信信号に変換するデジタル受信信号変換手段と、前記デジタル受信信号を記録する記録手段と、前記記録手段への前記デジタル受信信号の記録を制御する書き込み制御手段と、前記被検体の焦点位置から前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための遅延量発生手段と、深さ信号を発生する深さ信号発生手段と、前記遅延量発生手段の出力と前記深さ信号発生手段の出力とを演算する演算手段とを有し、前記演算手段の結果から前記被検体の焦点位置から伝播時間の遅れ誤差は焦点距離が遠くなると大きくなる点を考慮して前記複数の受信素子までの距離の差を補正するための計算上の補正値に基づいて前記記録手段からのデジタル受信信号の読み出しを制御することを特徴とする遅延制御回路。
  7. 変換手段は、乗算器、加算器、乗加算器のいずれか、又はこれらの組み合わせである請求項1記載の超音波診断装置。
  8. 変換手段は、乗算器、加算器、乗加算器のいずれか、又はこれらの組み合わせである請求項2記載の遅延制御回路。
  9. 変換手段は、固定値を記録したメモリを含む請求項1記載の超音波診断装置。
  10. 変換手段は、固定値を記録したメモリを含む請求項2記載の遅延制御回路。
  11. 変換手段の演算内容が複数存在し、切り替え手段を用いて演算内容を変更する請求項1記載の超音波診断装置。
  12. 変換手段の演算内容が複数存在し、切り替え手段を用いて演算内容を変更する請求項2記載の遅延制御回路。
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