JP3697867B2 - 電子部品実装装置および電子部品実装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移載ヘッドをX方向やY方向へ水平移動させながら、パーツフィーダの電子部品を基板に搭載する電子部品実装装置および電子部品実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品を基板に実装する電子部品実装装置には様々な方式のものがあるが、移載ヘッドをXテーブル機構とYテーブル機構によりX方向やY方向へ水平移動させて、パーツフィーダの電子部品を基板に実装する方式のものは、構造が比較的簡単であって汎用性も高いという長所があることから、現在、広汎に使用されている。以下、図面を参照してこの種従来の電子部品実装装置について説明する。
【0003】
図5は、従来の電子部品実装装置の平面図である。1は基台であり、その上面中央にはガイドレール2が設けられている。基板3はガイドレール2に沿って搬送され、所定の位置で停止して位置決めされる。基台1の上面の前部と背後部にはパーツフィーダ4が多数個並設されている。各パーツフィーダ4には電子部品が備えられている。ガイドレール2とパーツフィーダ4の間には、電子部品の位置ずれを認識するための認識部5が設けられている。6は移載ヘッドであり、次に移載ヘッド6をX方向やY方向へ水平移動させる移動機構について説明する。なお、ガイドレール2による基板3の搬送方向をX方向、これに直交する方向をY方向とする。
【0004】
基台1の上面両側部にはY方向に長尺の送りねじ11とガイドレール12が設けられている。13は送りねじ11を回転させるモータである。これらの要素はYテーブル機構10を構成している。
【0005】
左右のYテーブル機構10上にはXテーブル機構15が架設されている。Xテーブル機構15は、X方向に長尺のフレーム14内に、送りねじ16および送りねじ16を回転させるモータ17を内蔵して構成されている。図示しないが、フレーム14の両側部には、Y方向の送りねじ11に螺合するナットが設けられている。したがってモータ13が駆動して送りねじ11が回転すると、ナットは送りねじ11に沿ってY方向へ移動し、これにより、Xテーブル機構15を備えたフレーム14はY方向へ移動する。
【0006】
X方向の送りねじ16にはナット18が螺着されており、移載ヘッド6はナット18に結合されている。モータ17が駆動して送りねじ16が回転すると、ナット18は送りねじ16に沿ってX方向へ移動し、これにより移載ヘッド6はX方向へ移動する。したがって、モータ13とモータ17を駆動すれば、移載ヘッド6はX方向やY方向へ水平移動する。
【0007】
Xテーブル機構15とYテーブル機構10が駆動することにより、移載ヘッド6は所定のパーツフィーダ4の上方へ移動し、そのノズル(図示せず)に電子部品を真空吸着してピックアップする。次に移載ヘッド6は認識部5の上方へ移動し、認識部5でノズルの下端部に真空吸着された電子部品の位置ずれの認識などを行う。次に移載ヘッド6は基板3の上方へ移動し、電子部品を基板3の所定の座標位置に搭載する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、移載ヘッド6はYテーブル機構10とXテーブル機構15が作動することによりX方向やY方向へ水平移動する。この場合、Xテーブル機構10の左右のバランスを取るために、Yテーブル機構10は左右に2個設けられており、それぞれのモータ13を駆動してフレーム14をY方向へ移動させるようになっている。
【0009】
ところが右側のYテーブル機構10の送りねじ11やモータ13によるY方向の移動量と、左側のYテーブル機構10の送りねじ11やモータ13によるY方向の移動量には、送りねじ11の成形加工誤差やモータ13の回転誤差のためにばらつきが発生する。このため、フレーム14はX方向に完全に平行な姿勢でY方向へ移動せず、電子部品を基板3に搭載するために移載ヘッド6を基板3の上方で停止させた状態で、鎖線で示すようにフレーム14の姿勢が崩れ、水平回転方向に傾斜しやすい(傾斜角度θ1)。
【0010】
このようにフレーム14の姿勢が崩れると、移載ヘッド6の停止位置にも狂いが生じ、電子部品の実装位置精度が低下してしまうという問題点があった。また上記移動量のばらつきのために、左右の送りねじ11に大きな応力が発生して送りねじ11の寿命を縮めるという問題点があった。
【0011】
したがって本発明は上記従来の問題点を解消し、移載ヘッドを所定の位置で正しく停止させて電子部品を位置精度よく基板に実装できる電子部品実装装置および電子部品実装方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子部品実装装置は、Xテーブル機構とYテーブル機構を駆動することにより移載ヘッドをX方向やY方向へ水平移動させながら、移載ヘッドでパーツフィーダに備えられた電子部品をピックアップし、位置決め部に位置決めされた基板に移送搭載するようにした電子部品実装装置であって、前記Yテーブル機構が、前記基台の一方の側部に設けられた送りねじおよびモータから成る送りねじ手段と、前記基台の他方の側部に設けられたリニアモータおよびこのリニアモータの移動量を検出する検出手段とから成り、前記送りねじ手段の駆動に追従する前記リニアモータのY方向の移動量の不足量を前記検出手段により検出し、前記リニアモータを駆動することによりこの不足量を補完するようにした。
【0013】
また本発明の電子部品実装方法は、Xテーブル機構とYテーブル機構を駆動して移載ヘッドをパーツフィーダの上方へ移動させ、パーツフィーダに備えられた電子部品をピックアップする工程と、Xテーブル機構と、Xテーブル機構の両側部に設けられた左右2つのYテーブル機構のうちの送りねじから成る一方のYテーブル機構を駆動して移載ヘッドを基板の所定座標の上方へ移動させる工程と、前記一方のYテーブル機構に追従する他方のYテーブル機構のリニアモータの移動量の不足量を検出手段により検出する工程と、このリニアモータを駆動してこの不足量を補完する工程と、移載ヘッドが保持する電子部品を基板に搭載する工程と、を含む。
【0014】
上記構成の本発明は、送りねじから成る一方のYテーブル機構の駆動に追従させて他方のYテーブル機構でありリニアモータをY方向へ移動させ、追従不足による移動量の不足量をリニアモータを駆動して補完するので、移載ヘッドのY方向の停止位置精度はきわめて高くなり、電子部品を位置精度よく基板に実装することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図、図2は同正面図、図3は同制御系のブロック図、図4は同Xテーブル機構とYテーブル機構の概略平面図である。
【0016】
まず、図1を参照して電子部品実装装置の全体構造を説明する。なお図5に示す従来例と同一要素には同一符号を付している。1は基台であり、その上面中央にはガイドレール2が設けられている。基板3はガイドレール2に沿って搬送され、所定の位置で停止して位置決めされる。基台1の上面の前部と背後部にはパーツフィーダ4が多数個並設されている。各パーツフィーダ4には電子部品が備えられている。ガイドレール2とパーツフィーダ4の間には、電子部品の位置ずれを認識するための認識部5が設けられている。6は移載ヘッドであり、次に移載ヘッド6をX方向やY方向へ水平移動させる移動機構について説明する。
【0017】
基台1の上面両側部にはY方向に長尺の送りねじ11とガイドレール12が設けられている。13は送りねじ11を回転させるモータである。これらの要素はYテーブル機構10を構成している。また基台1の他方の側部にはリニアモータ20が設けられている。リニアモータ20はフレーム14の左端部に結合されており、Y方向のガイドレール21に沿って移動する。図2において、22はリニアモータ20に内蔵されたマグネットである。リニアモータ20にはその移動量を検出する検出手段として、スケール読取り用のセンサ23が備えられている。センサ23はガイドレール21に形成されたスケールを読み取る。
【0018】
次に、図3を参照して制御系を説明する。30はCPUから成る制御部である。センサ23で読み取られたデータは制御部30に入力される。制御部30はドライバ31,32を通じてモータ13,17を制御し、またリニアモータ20を制御する。また制御部30はその他の必要な制御や演算なども行う。
【0019】
この電子部品実装装置は上記のような構成より成り、次にその動作を説明する。図1において、モータ13とモータ17が駆動することにより、移載ヘッド6はX方向やY方向へ移動し、パーツフィーダ4に備えられた電子部品を基板3に実装する。
【0020】
フレーム14は、基台1の一方の側部に設けられたモータ13が駆動して送りねじ11が回転することによりY方向へ移動するが、基台1の他方の側部に設けられたリニアモータ20は駆動することなくこのY方向の移動に追従してY方向へ移動し、センサ23はリニアモータ20の移動量を読み取る。なおYテーブル機構10のモータ13は、制御部30の指令により、移載ヘッド6を所定距離移動させるべく駆動する。
【0021】
図4において、実線で示すフレーム14は、Yテーブル機構10の駆動により移載ヘッド6を基板3上で停止させた状態を示している。リニアモータ20はYテーブル機構10に追従して移動するので、移動量の不足が生じ、フレーム14はX方向に対してわずかに傾斜する(傾斜角度θ2)。図中、Lが移動量の不足量である。
【0022】
この不足量Lは制御部30からモータ13に指令されたY方向の移動量との差であって、リニアモータ20の移動量を検出するセンサ23の検出データに基づいて制御部30で演算される。そこで制御部30は、この不足量Lを補完するようにリニアモータ20に駆動指令を出力する。するとリニアモータ20はこの不足量L分だけY方向へ移動する。これによりフレーム14は図4において鎖線で示すようにX方向と完全に平行な姿勢となる。そこで移載ヘッド6は電子部品を基板3に搭載する。以上のようにこの電子部品実装装置によれば、移載ヘッド6を所定の位置で正しく停止させ、位置精度よく電子部品を基板3に実装することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、送りねじから成る一方のYテーブル機構の駆動に追従させて他方のYテーブル機構でありリニアモータをY方向へ移動させ、追従不足による移動量の不足量をリニアモータを駆動して補完するようにしているので、移載ヘッドの停止位置精度はきわめて高くなり、電子部品を位置精度よく基板に実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の正面図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の制御系のブロック図
【図4】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置のXテーブル機構とYテーブル機構の概略平面図
【図5】従来の電子部品実装装置の平面図
【符号の説明】
1 基台
2 ガイドレール
3 基板
4 パーツフィーダ
6 移載ヘッド
10 Yテーブル機構
11 送りねじ
13 モータ
15 Xテーブル機構
20 リニアモータ
23 センサ
30 制御部
Claims (2)
- 基台上に設けられたXテーブル機構とYテーブル機構を駆動することにより移載ヘッドをX方向やY方向へ水平移動させながら、移載ヘッドでパーツフィーダに備えられた電子部品をピックアップし、位置決め部に位置決めされた基板に移送搭載するようにした電子部品実装装置であって、前記Yテーブル機構が、前記基台の一方の側部に設けられた送りねじおよびモータから成る送りねじ手段と、前記基台の他方の側部に設けられたリニアモータおよびこのリニアモータの移動量を検出する検出手段とから成り、前記送りねじ手段の駆動に追従する前記リニアモータのY方向の移動量の不足量を前記検出手段により検出し、前記リニアモータを駆動することによりこの不足量を補完するようにしたことを特徴とする電子部品実装装置。
- Xテーブル機構とYテーブル機構を駆動して移載ヘッドをパーツフィーダの上方へ移動させ、パーツフィーダに備えられた電子部品をピックアップする工程と、Xテーブル機構と、Xテーブル機構の両側部に設けられた左右2つのYテーブル機構のうちの送りねじから成る一方のYテーブル機構を駆動して移載ヘッドを基板の所定座標の上方へ移動させる工程と、前記一方のYテーブル機構に追従する他方のYテーブル機構のリニアモータの移動量の不足量を検出手段により検出する工程と、このリニアモータを駆動してこの不足量を補完する工程と、移載ヘッドが保持する電子部品を基板に搭載する工程と、を含むことを特徴とする電子部品実装方法。
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JP32778297A JP3697867B2 (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 電子部品実装装置および電子部品実装方法 |
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JP32778297A JP3697867B2 (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 電子部品実装装置および電子部品実装方法 |
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