JP3697400B2 - 信号発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アレイ・アンテナの各アレイ・アンテナ素子に受信される受信信号の模擬信号を発生する信号発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人や車両などの移動体を対象とする無線通信システムでは、交信中の移動体の方向を探知したり、交信対象の移動体に対してビームを向けるなどの目的で、アレイ・アンテナ装置が利用される。この種のアレイ・アンテナ装置では、複数のアンテナ素子が所定の配列で空間に配列され、各アンテナ素子の受信信号の位相差や振幅比と各アンテナ素子どうしの既知の位置関係とから電波の到来方向が検出される。このようなアレイ・アンテナの典型的な一例としては、5〜8本程度のアンテナ素子を直線上や円周上に等間隔で配置したものがある。
【0003】
上記アレイ・アンテナを用いた受信装置などの製造・開発に際しては、受信状況を定量的に再現する必要性と経済性の点から、屋外で実際に電波を受信するよりも試験用の模擬信号の発生装置が利用される。すなわち、各アンテナ素子から出力される到来電波の受信信号を模擬するために、アンテナ素子と同数の信号発生チャンネルが形成される。そして、各チャンネルから対応のアンテナ素子の受信信号を模擬するように位相や振幅を異ならせた模擬受信信号が発生される。
【0004】
従来、この種の試験用模擬信号発生装置としては、図9に示すような構成の装置が使用されていた。信号発生器で発生された試験用の正弦波信号が信号分配器で複数チャンネルの信号に分割され、アナログ形式の遅延回路と増幅器とによってそれぞれに所望の遅延量と振幅とが付与され、試験用模擬信号として各チャンネルの出力端子から出力される。
【0005】
他の従来装置として、図10に示す構成のものも知られている。この従来装置では、信号発生器から出力されるアナログ試験信号が、A/D変換器で一旦ディジタル信号に変換される。このディジタル信号は、信号分配器で複数チャンネルの信号成分に分割され、各チャンネルの信号はFIFOメモリを通過する際の遅延を受ける。この遅延を受けたディジタル信号は、ディジタル的な振幅の調整が行われたのち、D/A変換回路において再びアナログ信号に復元され、各チャンネルの出力端子から出力される。各FIFOメモリの遅延量の変更は、その縦列段数の変更などにより行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示す構成の従来装置では、アナログ形式の遅延回路が遅延線や遅延素子を使用して実現される。このような遅延回路では、発生させる試験信号の周波数や、試験対象のアレイアンテナの構成などに応じて遅延量を広範囲にわたって変更することが必要になる。このため、多数の遅延線や遅延素子を準備することが必要になり、装置が複雑・高価になるという問題がある。
【0007】
また、図10に示す構成の従来装置では、図9の従来装置とは異なり、ディジタル形式で実現される遅延回路の構成は容易である。しかしながら、信号発生器で発生したアナログ信号を一旦ディジタル信号に変換するための高精度かつ高周波のA/D変換器を実現することは一般に困難である。このため、発生可能な試験用信号の最高周波数がこのA/D変換器の性能で制限されてしまうという問題がある。現状では、14ビットの精度のA/D変換器であれば、動作可能な最高周波数が数十MHz に制限されてしまう。なお、D/A変換器に関する限り、14ビットの精度で数百MHz の高周波数で動作するものが実現可能である。
【0008】
更に、図10の信号発生装置では、特開平11ー145917号公報で指摘されているように、遅延分解能を高めるようとするとFIFOのメモリ量が増大して装置が複雑・高価になるという問題もある。
【0009】
また、到来方向などの検出を行うだけでなく、搬送波に重畳されている変調信号を復調して雑音の影響などを試験する場合には、搬送波に変調信号が重畳された模擬信号が必要となる。さらに、複数の個別の送信源からの到来電波や、マルチパスなどの実際の受信環境を模擬するためには、複数の模擬信号源で発生させた模擬受信信号を合成した模擬多重信号が必要になる。
【0010】
このように、搬送波に変調信号を重畳したり、更に、異なる変調信号を重畳した複数の模擬多重信号を発生しようとすると、装置の規模が増大する。この結果、信号線路の電気長が増大すると共に、処理や伝達の対象の信号に遅延量を付加する素子の個数も多くなり、試験用の信号として各チャンネル間の位相差や振幅比が重要であるにもかかわらず、大規模な装置内でこのチャンネル間の位相差や振幅比を管理することが極めて困難になる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の課題を解決する本発明の信号発生装置は、相互に独立な、または相互に適宜な相関を有する変調信号を発生し出力するm個の変調信号発生部(mは2以上の自然数)と、アレイアンテナへの到来電波の想定された受信状況に応じてこのアレイアンテナを構成するn個のアンテナ素子(nは2以上の自然数)に受信される信号の周波数、振幅および位相を模擬するために変更可能な周波数、振幅および位相の正弦波信号を各アンテナ素子に対応するn個のチャンネル成分として発生するn個のダイレクト・ディジタル・シンセサイザおよび、これらダイレクト・ディジタル・シンセサイザから出力されるn個のチャンネル成分のそれぞれと前記変調信号発生部のm個の変調信号発生回路の一つから出力される変調信号とを乗算することによりそれぞれがn個のチャンネル成分から成る模擬受信信号を生成する複数の乗算器とをそれぞれ備えたm個の模擬受信信号発生部と、これらm個の模擬受信信号発生部から出力されるm個の模擬受信信号を対応のチャンネル成分どうし合成することにより各アンテナ素子に受信されるm個の受信信号が多重化されたn個のチャンネル成分から成る模擬多重化受信信号を生成する模擬多重信号合成部と、この模擬多重信号合成部で合成された各模擬多重化受信信号のn個のチャンネル成分を出力するn個の出力端子と、上記模擬受信信号発生部を制御すると共に上記各模擬受信信号発生部のダイレクト・ディジタル・シンセサイザに前記アレイアンテナの想定された受信状況を模擬するための周波数、振幅および位相を設定する制御部とを備えている。すなわち本発明の信号発生装置によれば、制御可能な周波数、位相および振幅の正弦波信号を発生する複数のダイレクト・ディジタル・シンセサイザを制御することによって相互に所望の周波数、位相および振幅を有する複数の正弦波信号を発生し、これらの正弦波信号と分配された変調信号をそれぞれ乗算し濾波することにより、高周波の試験用信号を簡易・安価な回路構成のもとに発生できるという効果が奏される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一つの好適な実施の形態によれば、この信号発生装置は、更に、変調信号発生部から出力される変調信号が無変調状態に設定された状態でn個の出力端子に出力される各模擬多重化受信信号の各チャンネル成分の信号伝達経路を切替えることにより各模擬多重化受信信号の一つを較正用信号として順次選択する切替部と、この選択された較正用信号と、変調信号発生部から出力される無変調状態に設定された無変調信号に各模擬受信信号発生部のダイレクト・ディジタル・シンセサイザに設定された周波数と同一の正弦波信号を乗算した信号との振幅比と位相差を無変調信号を一つずつ有効にしながら検出してゆくことにより、n個の出力端子のそれぞれにおける各模擬受信信号の振幅比と位相差を較正値として検出する較正部とを更に備えている。そして、上記制御部は、較正部で検出された較正値に基づき各模擬受信信号発生部のダイレクト・ディジタル・シンセサイザにアレイアンテナの想定される受信状況を模擬するための周波数、振幅および位相を設定するというフィードバック方式が採用される。このフィードバック方式の採用により、長い信号線路と多数の素子を含む大規模な装置の内部において各チャンネル間の信号の位相や振幅の関係を調整するための労力と時間とが大幅に削減でき、製造費用と使用時の性能を維持するための保守費用の低廉化が実現される。また、必ずしも高い動作の安定性を要としない安価な素子や回路の使用も可能になり、装置の一層の低廉化が実現される。
【0013】
本発明の他の好適な実施の形態によれば、模擬多重化受信信号合成部と上記n個の出力端子との間に模擬多重化受信信号の周波数を高域にシフトする周波数変換部が設置されると共に、上記較正用信号の周波数を上記高域へのシフト量に等しい周波数だけ低域にシフトする周波数変換手段を備え、低周波領域で信号の較正を行うことにより、回路の簡易化、精度の向上を実現している。
【0014】
本発明の他の好適な実施の形態によれば、上記模擬受信信号を生成する乗算器が、バイポーラ・トランジスタを使用したアナログ乗算器で構成される。これに伴い、この乗算器をミキサーで構成する場合の難点を解消している。
【0015】
本発明の更に他の好適な実施の形態によれば、上記制御部は上記各ダイレクト・ディジタル・シンセサイザの周波数を無作為的又は疑似無作為的に変更することにより周波数ホッピング信号を疑似する信号を発生させる手段を備えることにより、発生させる信号の種類を増加させるように構成されている。
【0016】
本発明の更に他の好適な実施の形態によれば、上記制御部は電波源の移動を想定したドップラーシフトを受けた模擬受信信号を発生させる手段を備えることにより、発生させる信号の種類を一層増加させるように構成されている。
【0017】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例の信号発生装置の構成を示すブロック図である。この信号発生装置は、m個の変調信号発生部M1〜Mm、m個の模擬受信信号発生部R1〜Rm、模擬多重化受信信号合成部RM、周波数変換部FC、振幅・雑音調整部AN、切替部SW、較正部CL、制御部CNTおよび操作部OPを備えている。
【0018】
m個の変調信号発生部M1〜Mmは、m個の相互に独立な複数の信号源の存在や、マルチパスなどの相互に適宜な相関を有する複数の信号源から送信された電波を模擬するためのものである。m個の模擬受信信号発生部R1〜Rmは、n個のアンテナ素子のそれぞれに受信される異なる位相と振幅の信号を模擬するためのものである。模擬受信信号発生部R1〜Rmのそれぞれは、n本のアンテナ素子に対応するnチャンネルの成分を有する信号を発生し、この信号と、前段の変調信号発生部M1〜Mmの一つから供給される変調信号とを乗算することにより、変調信号が重畳されたnチャンネルの成分の模擬受信信号を発生する。
【0019】
模擬多重化受信信号合成部RMは、前段のm個の模擬受信信号発生部R1〜Rmで発生された模擬受信信号を同一チャンネルどうし合成することによってnチャンネルの成分から構成される模擬多重化受信信号を発生するためのものである。周波数変換部FCは、模擬多重化信号の周波数を高域にシフトする周波数変換を行うためのものである。振幅・雑音調整部AMは、周波数変換された模擬多重化受信信号の振幅を調整し、これに雑音を重畳するためのものである。更に、切替部SWは、模擬多重化受信信号の一つのチャンネルを順次選択し較正用信号として較正部CLに供給するためのものであり、較正部CLは、この装置から出力される各チャンネルの模擬多重化受信信号を較正するためのものである。更に、制御部CNTは、この信号発生装置内の上述した各部の動作を制御するためのものであり、操作部OPは制御部CNTに制御指令を入力するためのものである。
【0020】
図1中のm個の模擬受信信号発生部R1〜Rmのそれぞれは、図2に示すように、試験対象のアレイアンテナを構成するアンテナ素子の個数(チャンネル数)と同一のn個のダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDSi(i=1〜n)と、前段の変調信号発生部M1〜Mmの一つから供給される変調信号をn個のチャンネルの信号線上に分配するn分配器と、n個のバイポーラトランジスタなどで構成されるアナログ乗算器Mと、濾波器とを備えている。n個のダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDSi(i=1〜n)は、n本のアンテナ素子の受信信号の搬送波、振幅および位相を模擬するために相互に異なる位相と振幅とを有するn個の正弦波信号を発生するためのものである。
【0021】
変調信号 s(t) を次のようなものとする。
s(t) =2C(t) cos (2πfs t +φ(t))
これに、振幅ai 、初期位相di をもつ信号gi (t)
i (t) =ai ( cos2πfg t+di
を乗算すると以下のようにzi (t) が得られる。
Figure 0003697400
ここで、f=fs +fg となるようにfs とfg を設定し、濾波回路によって(fs −fg )の周波数成分を除去すると、
Figure 0003697400
が得られる。なお、f=fs −fg となるようにfs とfg とを設定し、濾波回路によって(fs +fg )の周波数成分を除去してもよい。
【0022】
z i (t) を複素帯域信号として表現すると、
Figure 0003697400
となる。u(t) exp j(2πft)は変調信号、ai exp(jdi )は複素数であるから、これは、E(t) Ai と表記できる。以上のことから、アレイアンテナの受信信号
i (t) =Eo (t) Ai (θ,φ,f)
を模擬するためには、図2で示されるように、変調信号s(t) をn分配し、Ai (θ,φ,f)に応じた振幅ai と位相di をもつ信号gi (t)をそれぞれDDS1からDDSnで発生させ、分配された変調信号と乗算し、濾波すればよい。ここで、θ、φ、f はそれぞれ各アレイアンテナに受信される到来波の方位角、仰角および周波数である。Ai (θ,φ,f)は到来波に対するi番目のアンテナ素子の応答であり、fsは変調信号の搬送波の周波数、fgはダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDSの発振周波数である。
【0023】
各信号発生チャンネルのダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDSiの原理的な構成についてその前半部分のみを簡略化して図3に例示する。このシンセサイザDDSiの前半部分は、正弦波信号のディジタル振幅値を保持する正弦波形保持メモリMMと、この正弦波形保持メモリMMに読出しアドレスを供給するアドレス発生回路Aとから構成されている。なお、このダイレクト・ディジタル・シンセサイザの後半部分は図示を省略するが、振幅調整用の乗算器と、D/A変換器とから構成されている。アドレス発生回路Aには、図1の制御部CNTから設定すべき周波数と位相が供給される。
【0024】
正弦波形保持メモリMMの各記憶領域には、0ボルトを中心にして−Vボルトから+Vボルトまでの範囲にわたって変化する1周期分の正弦波形を等しい時間間隔でサンプリングすることによって得られる振幅のディジタル値が、この振幅を線分の長さによって図案化して図示するように、読み出しアドレスの増加の順番に保持されている。アドレス発生回路Aでは、外部から供給されるクロック信号を基準とし、設定された発振周波数の全アドレス数倍の周期でアドレスが1ステップずつ増加され、正弦波形保持メモリMMの各アドレスに保持される振幅のディジタル値が読み出される。読み出された正弦波形の振幅のディジタル値は、図示しない乗算器において制御部CNTが指定する係数の乗算によって振幅が調整されたのち、図示しないD/A変換回路においてアナログ信号に変換され、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDSiから出力される。
【0025】
図1の制御部CNTは、ユーザが操作部OPを介して入力する制御指令に従って、模擬受信信号発生部R1〜Rm中のダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS1〜DDSnが発生する正弦波信号の周波数を設定する。この周波数の変更は、必要に応じて数十から百MHz 程度の高周波数領域までにわたって行われる。
【0026】
制御部CNTは、同様に、ユーザが操作部OPを介して入力する制御指令に従って、模擬受信信号発生部R1〜Rm中のダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS1〜DDSnの各チャンネルの正弦波信号の位相を設定する。さらに、制御回路CNTは、各ダイレクト・ディジタル・シンセサイザの内部に設置されている乗算器に振幅調整用の振幅係数を供給することにより、各チャンネルの正弦波信号の振幅を設定する。このように、各チャンネルの正弦波信号の周波数、振幅および位相が制御部CNTによって制御される。
【0027】
再び図2を参照すると、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS1〜DDSnから出力され濾波器を通過したアナログ正弦波信号は、前段の変調信号発生部M1〜Mmの一つから供給され、n分配器で分配された変調信号の一つとアナログ乗算器で乗算される。各アナログ乗算器は、バイポーラトランジスタで構成されている。このように、アナログ乗算器をバイポーラトランジスタで構成することにより、これをミキサーで構成する場合の問題点、すなわち、局発信号とする一方の側の信号を大きなレベルに設定しなければならないという難点が回避される。各アナログ乗算器から出力される各チャンネルの信号は、電波の到来方向に応じて振幅と位相が設定された正弦波信号に、変調信号が重畳されることにより受信信号を模擬する信号となる。
【0028】
図1を参照すると、模擬受信信号発生部R1〜Rmのそれぞれから出力された模擬受信信号は、次段の模擬多重化信号合成部RMに出力され、アンテナ素子に対応して想定されたチャンネルごとに多重化される。図4は、上記模擬受信信号発生部の後段に配置される模擬多重化受信信号合成部RMの構成を示すブロック図である。前段のm個の模擬受信信号発生部R1〜Rmのそれぞれから供給されるm個の模擬受信信号に含まれるnチャンネルの成分が、同一チャンネルの成分どうし加算器ADで加算され、nチャンネルの模擬多重化受信信号になる。各チャンネルの模擬多重化受信信号は、m個の相互に独立な、あるいは、相互に適宜な相関を有する複数の信号源から送信され試験対象のアレイ・アンテナに同時に入射し多重化信号として合成された受信信号をアンテナ素子ごとの成分として分離したものである。
【0029】
図1を参照すると、模擬多重化信号合成部RMから出力されるnチャンネルの多重化信号の周波数は数十から百MHz 程度である。この多重化信号は、次段の周波数変換部FCにおいて周波数が数百MHz から数GHz ほど高域側にシフトされ、数百MHz から数GHz の無線周波数の多重化信号となる。図5は、周波数変換部FCの構成を示すブロック図である。この周波数変換部FCは、各チャンネルごとに設置されたアップコンバータと、各アップコンバータに数GHz の周波数の局発信号を供給する局発信号発生器LCと、各アップコンバータの出力を濾波する濾波回路とから構成されている。なお、図5の下段に描かれたダウン・コンバータDCは、高い周波数の較正用信号を低い周波数の較正用信号に周波数変換するためのものである。この較正用信号とこれに対する周波数変換については後述する。
【0030】
図1を参照すると、周波数変換部FCで高い周波数の多重化受信信号に変換された各チャンネルの模擬多重化受信信号は、次段の振幅・雑音調整部ANにおいて、ダイナミックレンジを拡張するために振幅の調整が行われると共に、実際の受信環境を模擬するために雑音が装加される。図6は、振幅・雑音調整部ANの構成を示すブロック図である。この振幅・雑音調整部では、各チャンネルごとに、可変増幅器VA、雑音発生器NGと加算器とから成る雑音装加回路および可変減衰器ATが設置されている。可変増幅器の利得や可変減衰器ATの減衰量が制御部CNTの制御のもとに調整される。また、雑音発生用ダイオードなどから成る雑音発生回路NGでノイズが発生され、これが加算器ADにおいて各チャンネルの多重化受信信号に重畳される。雑音発生回路として、雑音を模擬するディジタル時系列データを発生させ、これをD/A変換することによりアナログ雑音信号を発生させるようなものを使用することもできる。
【0031】
図1を参照すると、振幅・雑音調整部ANの後段に切替部SWが設置されており、振幅・雑音調整部ANから出力された模擬多重化受信信号の各チャンネルがこの切替部SWにおいて較正用信号として順次一つずつ選択され、周波数変換部FCを経て低い周波数の較正用信号に変換されて較正部CLに供給される。
【0032】
図7は切替部SWの構成を示すブロック図である。前段の振幅・雑音調整部ANから供給された模擬多重化受信信号は、各チャンネルごとに設置されたスイッチSW1〜SWnを経て各チャンネルの出力端子O1〜Onに出力される。スイッチSW1〜SWnの一つが制御部CNTから供給される制御信号に従って切替えられ、各チャンネルの信号が一つずつ順次較正信号選択回路SLに供給される。
【0033】
較正信号選択回路SLに供給された各チャンネルの模擬多重化受信信号は、チャンネル間のアイソレーションを向上させるために、制御部CNTから供給される制御指令に従って再度選択され、高い周波数の較正用信号として図1の周波数変換部FCに供給される。実際の回路では、スイッチSW1〜SWnの一方の出力端子から対応のチャンネルの出力端子O1〜Onのそれぞれまでの信号伝達用線路の電気長と、スイッチSW1〜SWnの他方の出力端子から較正信号選択回路SLまでの線路の電気長とがすべて等しくなるように形成されている。例えば、スイッチSW1〜SWnがプリント配線板上で、較正信号選択回路SLを中心とする円周上に配列される。
【0034】
図5の周波数変換部FCを再び参照すると、切替部SWで選択されたGHz 帯の高い周波数の較正用信号が、ダウンコンバータDCの一方の信号入力端子に供給される。このダウンコンバータの他方の信号入力端子には、局発信号発生器LCから前述のアップコンバータUCに供給された数GHz の周波数の局発信号が供給される。ここで発生された低い周波数の較正用信号は、濾波器を通過し、この周波数変換部FCにおいて周波数が数GHz の高域にシフトされる前の数十から百MHz 程度の周波数の多重化受信信号となり、図1の較正部CLに供給される。
【0035】
図8は、較正部CLの構成を示すブロック図であり、変調信号選択回路MSL、アナログ乗算器M、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS0、A/D変換器A/D0、A/D1および付属の濾波回路を備えている。変調信号選択回路SLは図1の変調信号発生回路M1〜Mmから供給される変調信号の一つを、制御部CNTから供給される制御信号に従って選択し、アナログ乗算器Mの一方の信号入力端子に供給する。
【0036】
このアナログ乗算器の他方の信号入力端子には、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS0の内部で発生され内蔵のD/A変換器でアナログ信号に変換されたアナログ正弦波信号が濾波器を通して供給される。ダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS0で発生されるアナログ正弦波信号の周波数と振幅とは、図1の制御部CNTから供給されるクロック1と、制御信号とに従って制御される。また、この正弦波信号の位相は固定されている。クロック1と図1の模擬受信信号発生部R1〜Rmのそれぞれに供給されるクロックは発振周波数が同一のクロックであり、また制御信号により設定される周波数も図1の模擬受信信号発生部R1〜Rmのそれぞれに設定される周波数と同じである。
【0037】
この結果、アナログ乗算器Mから出力される信号(以下「基準信号」という)は、図1の模擬受信信号発生部R1〜Rmのそれぞれで発生される模擬受信信号とは周波数が同一で、同一の変調信号を含む信号となる。この基準信号は、位相が固定されているという点で、図1の模擬受信信号発生部R1〜Rmのそれぞれで発生される想定されるアレイアンテナへの到来方向に対応して相互に種々の位相差が設定される模擬受信信号とは異なる。
【0038】
この基準信号は、濾波器を通ったのちA/D変換器AD0でディジタル信号に変換され、測定情報の一部としてバス上を制御部CNTに転送される。同様に、切替部SWで較正用信号として選択され、周波数変換部FCにおいて低い周波数の較正用信号に変換された任意のチャンネルの模擬多重化受信信号がA/D変換器AD1に供給される。ディジタル信号に変換された模擬多重化受信信号は、測定情報の一部としてバス上を制御部CNTに転送される。
【0039】
制御部CNTは、較正部CLからバス上を転送されてきたディジタル較正用信号の基準信号に対する振幅と位相差を検出することにより、模擬受信信号発生部R1〜Rmから各チャンネルの出力端子O1〜Onまでの信号線路や各種素子などを含む信号伝達経路上で生ずる位相差と減衰量とを検出し、較正値として保存する。以下、想定された受信状況を試験するための各種の試験条件に応じて各チャンネルに所望の振幅と位相を設定する処理を、較正処理を含めて説明する。
【0040】
1)変調信号1〜mが無変調かつ所望の周波数と振幅になるように変調信号発生部M1〜Mmを設定する。この場合、無変調の正弦波信号が発生される。振幅・雑音調整部AN内の可変増幅器VAと可変減衰器ATとを所定の値に設定し、雑音発生器NGの動作を停止させる。
2)変調信号発生部M1のみを動作させ、残りの変調信号発生部M2〜Mmの動作を停止させる。
3)模擬受信信号発生部R1のダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS1〜DDSnを所望の同一周波数、同位相、同振幅で動作させる。
4)模擬受信信号発生部R2〜Rmの動作を停止させる。
5)較正部CL内の変調信号選択回路MSLを制御し、変調信号1をアナログ乗算器Mに入力させる。
6)較正部CL内のダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS0から模擬受信信号発生部R1内のダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS1〜DDnと同一の周波数で信号が出力されるように、このダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS0を制御する。
【0041】
7)切替部SWのチャンネル1のスイッチSW1を制御し、チャンネル1の模擬多重化受信信号を較正信号選択回路SLに供給する。
8)切替部SWのチャンネル2〜nのスイッチSW2〜SWnを制御し、チャンネル2〜nの疑似多重化受信信号が出力端子O2〜Onに出力されるように設定する。
9)切替部SWの較正部信号選択回路SLを制御し、チャンネル1のSW1から供給される模擬多重化受信信号を較正用信号として選択させる。
10)較正部CLのA/D変換器A/D0,A/D1からバス上を転送されてくるディジタル化された基準信号の位相と振幅を複素数Y0として検出し、チャンネル1のディジタル較正用信号Y1を同様に検出する。
11) X1=Y1/Y0を算定し、保存する。ここで、変数XとYに続く数字「1」は選択中のチャンネル番号「1」に対応する。
【0042】
12) 上記ステップ7)に戻り、切替部SWのチャンネル1のスイッチSW1を制御してチャンネル1の模擬多重化受信信号を出力端子O1に出力させ、代わりにチャンネル2のスイッチSW2を制御し、チャンネル2の模擬多重化受信信号を較正信号選択回路SLに供給する。この状態で、上記ステップ7)からステップ11)までの処理を反復することにより、チャンネル2のディジタル較正用信号について、X2=Y2/Y0を算定し、保存する。
13) 以下同様にして、チャンネル3からチャンネルnまでの模擬多重化受信信号についてステップ7からステップ11までの処理を反復することにより、X3〜Xnを算定し、保存する。
14) C11=X1/X1,C12=X2/X1,C13=X3/X1・・・・・C1n=Xn/X1を算定し、保存する。
【0043】
15) ステップ2)に戻り、変調信号発生部M2のみを動作させる。すなわち、変調信号発生部M1の動作を停止させ、代わりに、変調信号発生部M2の動作を開始させる。模擬受信信号発生部R2からの出力に対して、ステップ3)からステップ14)までの動作を反復することにより、C21=X1/X1,C22=X2/X1,C23=X3/X1・・・・・C2n=Xn/X1を算定し、保存する。
16) 次に、ステップ2)に戻り、変調信号発生器Mi(i=3〜m)のみを動作させ、対応の模擬受信信号発生部Riからの出力に対して、ステップ2)からステップ14)までの動作を反復することにより、Ci1=X1/X1,Ci2=X2/X1,Ci3=X3/X1・・・・・Cin=Xn/X1(i=3〜m)を算定して保存する処理をi=3からmまで反復する。
16) 上記処理で得られた複素数C11〜Cmnを較正値として保存する。
17) 切替部SWの切替器SW1〜SWnの全てを模擬多重化信号が出力端子O1〜Onに出力されるように切替える。
【0044】
以上のようにして較正が終了する。引き続き、制御部CNTは、
18) 模擬信号発生部R1〜Rmの各チャンネルのダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS1〜DDSnに想定する到来方向などから算定される位相と振幅とを設定する。この際、Bpq=Apq/Cpqとして算定されるBpqが設定される。ただし、Apqは出力端子O1〜Onにおける所望の設定値、Bpqは実際にダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS1〜DDSnに設定する値である。
19) 変調信号発生部M1〜Mmに所望の変調方式の変調信号を発生させる。
20) 振幅・雑音調整部ANの雑音発生器NGが所望の雑音を発生するように、制御部CNTから制御信号を供給する。
【0045】
操作部OPから制御部CNTに指定される試験条件(例えば、受信電波の到来方向)に基づいて設定される各チャンネルの正弦波信号の位相差や振幅比は、理論的に算定されたものであってもよく、あるいは、実際のアレイアンテナについて実験的に得られたものであってもよい。
【0046】
例えば、空間的に配置されたアレイアンテナに方位角θ、仰角φの方向から信号が到来した場合、( xi , yi , zi )の位置に配置されたi番目のアンテナ素子の指向性を Bi ( θ,φ, f)とすれば、j番目の到来波に対するi番目のアンテナ素子の受信電圧E ji (t)は次式で与えられる。
ji (t)
=Ej0(t)Bi ( θj , φj ,fj ) exp[j( 2πf j /c ( x i sinθj sin φj + y i cosθj sin φj +z i cos φj )]
これは、
ji (t)=Ej0(t)Ai ( θj , φj ,fj )
と記述できる。
従って、模擬受信信号発生部RjのDDSiに対し、Ai ( θj , φj ,fj ) に対応する周波数と位相と振幅とを設定すればよい。ただし、fj はj番目の到来波の周波数、cは電波の伝播速度、Ej0(t)は基準点におけるj番目の到来波の受信信号である。
【0047】
本発明の信号発生装置は、模擬多重化受信信号として周波数ホッピング信号を発生させることもできる。この周波数ホッピング信号は、送信側と受信側とで予め了解済みの所定の規則に従って搬送波の周波数が次々に変更されるような信号である。これを模擬するために、模擬受信信号発生部R1〜Rm内のダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS1〜DDSnから出力される周波数や変調信号発生部M1〜Mmから出力される変調信号の周波数が所定の規則に従って変更される。これと同時にアンテナ素子の応答を示す複素数A(θ,Φ,f)を変更するために、DDS1〜DDSnから出力される振幅や位相が変更される。
【0048】
以上、模擬受信信号の周波数を数百MHz から数GHz の高域にシフトするため周波数変換部を設置する構成を例示した。しかしながら、そのような高い周波数の模擬受信信号を必要としない場合には、そのような周波数変換部の設置が省略できる。また、この場合、較正用信号に対するダウンコンバータも不要になることは明らかである。
【0049】
また、本発明の信号発生装置を、アレイアンテナによる受信信号を模擬するために利用する場合を例示した。しかしながら、本発明の信号発生装置は、他の信号を模擬したり、あるいは、音波探知用のマイクロホン・アレイなど他の目的のために利用することもてきる。
【0050】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の信号発生装置によれば、制御可能な周波数、位相および振幅の正弦波信号群を発生する複数のダイレクト・ディジタル・シンセサイザを制御することにより種々の到来方向の受信信号を模擬する所望の正弦波信号群を発生する構成であるから、数十から百MHz の周波数の試験信号を簡易・安価な回路構成のもとに発生できるという効果が奏される。
【0051】
本発明の一つの好適な実施の形態によれば、各チャンネルの出力端子における模擬多重化信号に含まれる各模擬受信信号と、模擬受信信号発生部で発生された模擬受信信号との間の振幅比と位相差を検出して、設定しようとする模擬受信信号の振幅比と位相差を較正するというフィードバック方式が採用される。このため、各チャンネル間の信号の位相と振幅との関係を、長い線路長と多数の素子を含む大規模な信号発生装置内で調整するための労力と時間とが大幅に削減でき、装置の製造費用と使用中の性能を維持するための保守費用の低廉化が実現される。また、高い動作の安定性を必ずしも要しない安価な素子や回路の使用も可能になり、装置の一層の低廉化が実現される。
【0052】
このようなフィードバック方式を採用したことにより、本信号発生装置が比較的構成が複雑で規模が大きいにもかかわらず、各チャンネル間の信号線路の電気長を正確に一致させなければならない箇所は、図7に示した切替部SW内だけとなる。より厳密に言えば、切替部SW内の各チャンネルのスイッチSW1〜SWnの信号出力端子から較正用信号選択回路SLの各信号入力端子までの電気長を一致させるだけでよい。その理由は以下の通りである。
【0053】
まず、較正用信号選択回路SLの信号出力端子から較正部CLのA/D変換器A/D0の信号入力端子までの較正用信号の伝達線路については、これが各チャンネルに共通であるため、その電気長は任意の値に設定できる。この結果、この信号経路内に周波数変換部FCのダウンコンバータを挿入することも可能になる。また、各模擬受信信号発生部R1〜Rmの出力端子から、上記切替部SW内のスイッチSW1〜SWnの信号入力端子までの線路の電気長や各種素子の伝搬遅延時間の差は各チャンネルについて較正値を検出し、検出した較正値を用いて所望の設定値を補正することにより、電気長や素子による遅延時間を合わせ込む必要がなくなる。特に、各チャンネルの較正値を、上述したように特定のチャンネル(上記例ではチャンネル1)を基準に規格化しておくことにより、各チャンネル間の模擬信号に必要な振幅と位相を容易に設定することが可能になる。
【0054】
本発明の他の好適な実施の形態によれば、周波数変換や雑音装加の機能を有しているので、各種の試験を行うための実際的な信号を発生させることができる。
【0055】
本発明の更に他の好適な実施の形態によれば、較正用信号の周波数を高域へのシフト量に等しい周波数だけ低域にシフトすることにより低い周波数領域で基準信号に対する振幅比と位相差を検出する構成であるから、一層の回路の簡易化、精度の向上が可能になる。
【0056】
本発明の他の好適な実施の形態によれば、模擬受信信号を生成する乗算器がアナログ乗算器で構成されている。このため、これをミキサーで構成する場合のような大きなレベルの局発信号を必要とするという難点が解決される。
【0057】
本発明の更に他の好適な実施の形態によれば、制御部が周波数ホッピング信号を疑似する信号を発生させたり、電波源の移動を想定したドップラーシフトを受けた模擬受信信号を発生させる手段を備える構成であるから、より広範囲の試験用信号を発生できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の信号発生装置の全体構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1の信号発生装置の模擬受信信号発生部R1〜Rmの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】図2中のダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDSiの構成と動作を説明するための概念図である。
【図4】図1中の模擬多重化受信信号合成部RMの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図5】図1中の周波数変換部FCの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】図1中の振幅・雑音調整部ANの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】図1中の切替部SWの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図8】図1中の較正部CLの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図9】従来の信号発生装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図10】従来の信号発生装置の構成の他の一例を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
M1〜Mm 変調信号発生部
R1〜Rm 模擬受信信号発生部
RM 模擬多重化信号合成部
FC 周波数変換部
AN 振幅・雑音調整部
SW 切替部
CL 較正部
CNT 制御部
O1〜On 出力端子
OP 操作部
DDS0〜DDSn ダイレクト・ディジタル・シンセサイザ
M アナログ乗算器
MM 正弦波形保持メモリ
A アドレス発生回路
MSL 変調信号選択回路
A/D0,A/D1 A/D変換器
SL 較正用信号選択回路

Claims (6)

  1. 相互に独立な、または相互に適宜な相関を有する変調信号を発生し出力するm個の変調信号発生部(mは2以上の自然数)と、
    アレイアンテナの想定された受信状況に応じてこのアレイアンテナを構成するn個のアンテナ素子(nは2以上の自然数)に受信される信号の周波数、振幅および位相模擬するために変更可能な周波数、振幅および位相の正弦波信号を各アンテナ素子に対応するn個のチャンネル成分として発生するn個のダイレクト・ディジタル・シンセサイザおよび、これらダイレクト・ディジタル・シンセサイザから出力されるn個のチャンネル成分のそれぞれと前記変調信号発生部のm個の変調信号発生回路の一つから出力される変調信号とを乗算することによりそれぞれがn個のチャンネル成分から成る模擬受信信号を生成する複数の乗算器とをそれぞれ備えたm個の模擬受信信号発生部と、
    これらm個の模擬受信信号発生部から出力されるm個の模擬受信信号を対応のチャンネル成分どうし合成することにより各アンテナ素子に受信されるm個の受信信号が多重化されたn個のチャンネル成分から成る模擬多重化受信信号を生成する模擬多重信号合成部と、
    この模擬多重信号合成部で合成された模擬多重化受信信号のn個のチャンネル成分を出力するn個の出力端子と、
    前記模擬受信信号発生部を制御すると共に、前記各模擬受信信号発生部のダイレクト・ディジタル・シンセサイザに前記アレイアンテナの想定された受信状況を模擬するための周波数、振幅および位相を設定する制御部とを備えたことを特徴とする信号発生装置。
  2. 請求項1において、
    前記変調信号発生部から出力される変調信号が無変調状態に設定された状態で前記n個の出力端子に出力される前記各模擬多重化受信信号の各チャンネル成分の信号伝達経路を切替えることにより各模擬多重化受信信号の一つを較正用信号として順次選択する切替部と、
    この選択された較正用信号と、前記変調信号発生部から出力される無変調状態に設定された無変調信号に前記ダイレクト・ディジタル・シンセサイザに設定された周波数と同一の正弦波信号を乗算した信号との振幅比と位相差を前記無変調信号を一つずつ有効にしながら検出してゆくことにより、前記n個の出力端子のそれぞれにおける各模擬受信信号の振幅比と位相差を較正値として検出する較正部とを更に備え、
    前記制御部は、前記較正部で検出された較正値に基づき前記想定された受信状況を模擬するための周波数、振幅および位相を前記ダイレクト・ディジタル・シンセサイザに設定することを特徴とする信号発生装置。
  3. 請求項1と2のそれぞれにおいて、
    前記模擬多重化受信信号合成部と前記n個の出力端子との間に模擬多重化受信信号の周波数を高域にシフトする周波数変換部が設置されると共に、前記較正用信号の周波数を前記高域へのシフト量に等しい周波数だけ低域にシフトする周波数変換手段を備えたことを特徴とする信号発生装置。
  4. 請求項1乃至3のそれぞれにおいて、
    前記模擬受信信号を生成する乗算器は、前記ダイレクト・ディジタル・シンセサイザで発生されたアナログの正弦波信号と前記変調信号発生部で発生されたアナログの変調信号とを乗算することによりアナログの模擬受信信号を生成するバイポーラ・トランジスタなどから成るのアナログ乗算器で構成されることを特徴とする信号発生装置。
  5. 請求項1乃至4のそれぞれにおいて、
    前記制御部は、前記各ダイレクト・ディジタル・シンセサイザの周波数を無作為的又は疑似無作為的に変更することにより周波数ホッピング信号を疑似する信号を発生させる手段を備えたことを特徴とする信号発生装置。
  6. 請求項1乃至5のそれぞれにおいて、
    前記制御部は、電波源の移動を想定したドップラーシフトを受けた模擬受信信号を発生させる手段を備えたことを特徴とする信号発生装置。
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