JP3696938B2 - ワイパアームの固定装置 - Google Patents
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- F16D1/096—Couplings for rigidly connecting two coaxial shafts or other movable machine elements for attachment of a member on a shaft or on a shaft-end with clamping hub; with hub and longitudinal key with radial clamping due to axial loading of at least one pair of conical surfaces using one or more elastic segmented conical rings forming at least one of the conical surfaces, the rings being expanded or contracted to effect clamping with clamping effected by ring contraction only the ring or rings being located between the shaft and the hub
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、請求項１に上位概念として記載した、ワイパアームを駆動する軸にワイパアームを固定する装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
公知のワイパアーム固定装置では、ワイパアームを装着する軸端部はアウターコーン部を有し、該アウターコーン部に、ワイパアームが、前記アウターコーン部に適合したインナーコーン部をもって押し嵌められかつナットによって緊定される。この結合形式の場合には製作誤差が不都合にも位置決め精度に加算されることになるので、軸に対するワイパアームの正確な相対位置を保証することが著しく困難である。そればかりか、ねじの緊締モーメントに対して高い要求が課されるため、該緊締モーメントの度合もやはりワイパアームの相対位置に対して不都合な影響を及ぼすことになる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、製作誤差が軸に対するワイパアームの位置決め精度に及ぼす度合を極力軽微にし、かつ、緊締モーメントが位置決め精度に影響を及ぼすことなく、ワイパアームを高い緊締モーメントで軸に固定することのできるような固定装置を提供することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の構成手段は、軸が少なくとも一区域に、円対称形とは異なった断面成形部と肩とを有し、かつ前記軸とワイパアームとの間に固定部材が挿嵌されており、該固定部材が、軸の前記断面成形部の区域において該固定部材の、前記断面成形部に対応した形状の貫通口で以て前記軸の周面に係合しており、かつ前記固定部材がアウターコーン部を、また前記ワイパアームがインナーコーン部を有し、前記のアウターコーン部とインナーコーン部とが組立位置において互いに合致し、かつ前記の固定部材とワイパアームとが、該ワイパアームを前記軸の肩に当接させて支持するように、着脱可能なエレメントによって前記軸に位置固定されており、前記肩と前記固定部材との間に座金を挿嵌してあり、該座金は、前記軸の円対称形とは異なった前記断面成形部に対応した形状の開口を有していて、前記ワイパアームの支持のために用いられており、或いはさらに前記固定部材は長手方向のスリットを有している点にある。
【０００５】
【作用】
本発明では緊締モーメントの精度に対する要求が僅かになることによって簡便かつ迅速な組立が可能になり、軸の円対称形とは異なった断面成形部に対応した形状の開口を有しかつ該貫通孔で軸の肩に支持される座金の挿入によって、ワイパアームのハブ領域における圧力分布が良好になる。また、固定部材が長手方向のスリットを有していると製作誤差を有利に補償することが可能になる。
【０００６】
請求項３及び４記載した手段によって、請求項２に記載の本発明のワイパアーム固定装置の有利な構成が可能になる。固定部材が長手方向のスリットを有していることによって製作誤差を有利に補償することが可能になる。固定部材がアウターコーンの領域において、円対称形とは異なった断面形状を有している場合には、高いトルクを確実に伝達することが可能になる。
【０００７】
【実施例】
次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。
【０００８】
第１図乃至第４図に示した第１実施例では本発明のワイパアーム固定装置は、軸１０、座金１２、ワイパアーム１４、固定部材１６並びに支持座金１８及びナット２０を有している（図３）。図１、図２、図４及び図５では、図面を判り易くするために前記支持座金１８とナット２０は図示を省かれている。軸１０は、円形横断面とは異なった六角成形部２２の形の区域と、該六角成形部に続く雄ねじ山部２４とを有している。六角成形部２２と軸１０のシャンク部との間には肩２６が一体に成形されている。
【０００９】
固定部材１６は截頭円錐形に構成されておりかつアウターコーン部２８並びに六角成形部２２に対応した形状の貫通口３０を有している。
【００１０】
組立位置において前記ワイパアーム１４は座金１２に載置されており、該座金自体は前記肩２６に支持されている。ワイパアーム１４の貫通口３２内に前記固定部材１６が嵌入されている。この嵌入のためにワイパアーム１４はインナーコーン部３４を有し、該インナーコーン部の内周面に前記アウターコーン部２８の外周面が接触している。ナット２０によって固定部材１６のアウターコーン部２８はインナーコーン部３４に押圧され、ひいてはワイパアーム１４が座金１２に圧着されるので、固定的な保持結合体が生じる。
【００１１】
ワイパ機構の運転中に軸１０によって生じる回転運動は、六角成形部２２を介して嵌合接続式に固定部材１６に伝達され、かつ該固定部材から、互いに圧着されるインナーコーン部３４とアウターコーン部２８とを介して摩擦接続式にワイパアーム１４に伝達される。
【００１２】
アウターコーン部２８及びインナーコーン部３４の領域におけるトルク伝達を改善するために、アウターコーン部２８の外周面及びインナーコーン部３４の内周面に粗面化やローレット切りを施したり、或いは両周面がその他の表面構造を有するように構成することも可能である（図４）。
【００１３】
また第２実施例（図５）に示したように、円対称形とは異なった断面形状のアウターコーン部を固定部材１６′に設けることも可能であり、従ってワイパアーム１４′のインナーコーン部が等しい断面形状を有している場合には、トルクは軸１０からワイパアーム１４′へ完全に嵌合接続式に伝達される。
【００１４】
円対称形とは異なった横断面形状は各実施例において夫々六角形断面として図示されている。しかし多面成形体、星形成形体、偏心成形体又は多角形体のようなその他の成形断面にすることも可能である。どのような成形断面を選択するかに応じて、相応の大きさの肩２６が形成されている場合には座金１２を省くことができる。
【００１５】
ナット２０に代えて、例えばワイパアームに軸方向又は横方向に挿入されるねじ、又は横方向に挿入される楔形ピンなどのような、別の公知の着脱可能な固定エレメントを採用することも可能である。
【００１６】
固定部材１６は、図２から判るように長手方向のスリット３８を有し、該スリットに基づいて、製作誤差が生じた場合にも組立時に、固定部材１６のアウターコーン部２８をインナーコーン部３４に形状正確にぴったり接触させること、かつ／又は円対称形とは異なった断面形状（六角成形部２２）間の製作誤差を補償することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例によるワイパアーム固定装置の斜視図である。
【図２】図１に示したワイパアーム固定装置の分解斜視図である。
【図３】ワイパアーム固定装置の拡大断面図である。
【図４】図３に示したワイパアーム固定装置の縮尺平面図である。
【図５】本発明の第２実施例によるワイパアーム固定装置の図４相当の縮尺平面図である。
【符号の説明】
１０ 軸、 １２ 座金、 １４，１４′ ワイパアーム、 １６，１６′ 固定部材、 １８ 支持座金、 ２０ ナット、 ２２ 六角成形部、 ２４ 雄ねじ山部、 ２６ 肩、 ２８ アウターコーン部、 ３０ 六角形の貫通口、 ３２ 貫通口、 ３４ インナーコーン部、 ３６ アウターコーン部、 ３８ スリット
【産業上の利用分野】
本発明は、請求項１に上位概念として記載した、ワイパアームを駆動する軸にワイパアームを固定する装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
公知のワイパアーム固定装置では、ワイパアームを装着する軸端部はアウターコーン部を有し、該アウターコーン部に、ワイパアームが、前記アウターコーン部に適合したインナーコーン部をもって押し嵌められかつナットによって緊定される。この結合形式の場合には製作誤差が不都合にも位置決め精度に加算されることになるので、軸に対するワイパアームの正確な相対位置を保証することが著しく困難である。そればかりか、ねじの緊締モーメントに対して高い要求が課されるため、該緊締モーメントの度合もやはりワイパアームの相対位置に対して不都合な影響を及ぼすことになる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、製作誤差が軸に対するワイパアームの位置決め精度に及ぼす度合を極力軽微にし、かつ、緊締モーメントが位置決め精度に影響を及ぼすことなく、ワイパアームを高い緊締モーメントで軸に固定することのできるような固定装置を提供することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の構成手段は、軸が少なくとも一区域に、円対称形とは異なった断面成形部と肩とを有し、かつ前記軸とワイパアームとの間に固定部材が挿嵌されており、該固定部材が、軸の前記断面成形部の区域において該固定部材の、前記断面成形部に対応した形状の貫通口で以て前記軸の周面に係合しており、かつ前記固定部材がアウターコーン部を、また前記ワイパアームがインナーコーン部を有し、前記のアウターコーン部とインナーコーン部とが組立位置において互いに合致し、かつ前記の固定部材とワイパアームとが、該ワイパアームを前記軸の肩に当接させて支持するように、着脱可能なエレメントによって前記軸に位置固定されており、前記肩と前記固定部材との間に座金を挿嵌してあり、該座金は、前記軸の円対称形とは異なった前記断面成形部に対応した形状の開口を有していて、前記ワイパアームの支持のために用いられており、或いはさらに前記固定部材は長手方向のスリットを有している点にある。
【０００５】
【作用】
本発明では緊締モーメントの精度に対する要求が僅かになることによって簡便かつ迅速な組立が可能になり、軸の円対称形とは異なった断面成形部に対応した形状の開口を有しかつ該貫通孔で軸の肩に支持される座金の挿入によって、ワイパアームのハブ領域における圧力分布が良好になる。また、固定部材が長手方向のスリットを有していると製作誤差を有利に補償することが可能になる。
【０００６】
請求項３及び４記載した手段によって、請求項２に記載の本発明のワイパアーム固定装置の有利な構成が可能になる。固定部材が長手方向のスリットを有していることによって製作誤差を有利に補償することが可能になる。固定部材がアウターコーンの領域において、円対称形とは異なった断面形状を有している場合には、高いトルクを確実に伝達することが可能になる。
【０００７】
【実施例】
次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。
【０００８】
第１図乃至第４図に示した第１実施例では本発明のワイパアーム固定装置は、軸１０、座金１２、ワイパアーム１４、固定部材１６並びに支持座金１８及びナット２０を有している（図３）。図１、図２、図４及び図５では、図面を判り易くするために前記支持座金１８とナット２０は図示を省かれている。軸１０は、円形横断面とは異なった六角成形部２２の形の区域と、該六角成形部に続く雄ねじ山部２４とを有している。六角成形部２２と軸１０のシャンク部との間には肩２６が一体に成形されている。
【０００９】
固定部材１６は截頭円錐形に構成されておりかつアウターコーン部２８並びに六角成形部２２に対応した形状の貫通口３０を有している。
【００１０】
組立位置において前記ワイパアーム１４は座金１２に載置されており、該座金自体は前記肩２６に支持されている。ワイパアーム１４の貫通口３２内に前記固定部材１６が嵌入されている。この嵌入のためにワイパアーム１４はインナーコーン部３４を有し、該インナーコーン部の内周面に前記アウターコーン部２８の外周面が接触している。ナット２０によって固定部材１６のアウターコーン部２８はインナーコーン部３４に押圧され、ひいてはワイパアーム１４が座金１２に圧着されるので、固定的な保持結合体が生じる。
【００１１】
ワイパ機構の運転中に軸１０によって生じる回転運動は、六角成形部２２を介して嵌合接続式に固定部材１６に伝達され、かつ該固定部材から、互いに圧着されるインナーコーン部３４とアウターコーン部２８とを介して摩擦接続式にワイパアーム１４に伝達される。
【００１２】
アウターコーン部２８及びインナーコーン部３４の領域におけるトルク伝達を改善するために、アウターコーン部２８の外周面及びインナーコーン部３４の内周面に粗面化やローレット切りを施したり、或いは両周面がその他の表面構造を有するように構成することも可能である（図４）。
【００１３】
また第２実施例（図５）に示したように、円対称形とは異なった断面形状のアウターコーン部を固定部材１６′に設けることも可能であり、従ってワイパアーム１４′のインナーコーン部が等しい断面形状を有している場合には、トルクは軸１０からワイパアーム１４′へ完全に嵌合接続式に伝達される。
【００１４】
円対称形とは異なった横断面形状は各実施例において夫々六角形断面として図示されている。しかし多面成形体、星形成形体、偏心成形体又は多角形体のようなその他の成形断面にすることも可能である。どのような成形断面を選択するかに応じて、相応の大きさの肩２６が形成されている場合には座金１２を省くことができる。
【００１５】
ナット２０に代えて、例えばワイパアームに軸方向又は横方向に挿入されるねじ、又は横方向に挿入される楔形ピンなどのような、別の公知の着脱可能な固定エレメントを採用することも可能である。
【００１６】
固定部材１６は、図２から判るように長手方向のスリット３８を有し、該スリットに基づいて、製作誤差が生じた場合にも組立時に、固定部材１６のアウターコーン部２８をインナーコーン部３４に形状正確にぴったり接触させること、かつ／又は円対称形とは異なった断面形状（六角成形部２２）間の製作誤差を補償することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例によるワイパアーム固定装置の斜視図である。
【図２】図１に示したワイパアーム固定装置の分解斜視図である。
【図３】ワイパアーム固定装置の拡大断面図である。
【図４】図３に示したワイパアーム固定装置の縮尺平面図である。
【図５】本発明の第２実施例によるワイパアーム固定装置の図４相当の縮尺平面図である。
【符号の説明】
１０ 軸、 １２ 座金、 １４，１４′ ワイパアーム、 １６，１６′ 固定部材、 １８ 支持座金、 ２０ ナット、 ２２ 六角成形部、 ２４ 雄ねじ山部、 ２６ 肩、 ２８ アウターコーン部、 ３０ 六角形の貫通口、 ３２ 貫通口、 ３４ インナーコーン部、 ３６ アウターコーン部、 ３８ スリット
Claims (4)
- ワイパアーム（１４）を駆動する軸（１０）にワイパアームを固定する装置であって、軸（１０）が少なくとも一区域に、円対称形とは異なった断面成形部（２２）と肩（２６）とを有し、かつ前記軸（１０）とワイパアーム（１４）との間に固定部材（１６）が挿嵌されており、該固定部材が、軸（１０）の前記断面成形部（２２）の区域において該固定部材（１６）の、前記断面成形部（２２）に対応した形状の貫通口で以て前記軸（１０）の周面に係合しており、かつ前記固定部材（１６）がアウターコーン部（２８）を、また前記ワイパアーム（１４）がインナーコーン部（３４）を有し、前記のアウターコーン部とインナーコーン部とが組立位置において互いに合致し、かつ前記の固定部材（１６）とワイパアーム（１４）とが、該ワイパアーム（１４）を前記軸の肩（２６）に当接させて支持するように、着脱可能なエレメント（２０）によって前記軸（１０）に位置固定されている形式のものにおいて、前記肩（２６）と前記固定部材（１６）との間に座金（１２）を挿嵌してあり、該座金は、前記軸の円対称形とは異なった前記断面成形部（２２）に対応した形状の開口を有していて、前記ワイパアーム（１４）の支持のために用いられており、前記固定部材（１６）は長手方向のスリット（３８）を有していることを特徴とする、ワイパアームの固定装置。
- ワイパアーム（１４）を駆動する軸（１０）にワイパアームを固定する装置であって、軸（１０）が少なくとも一区域に、円対称形とは異なった断面成形部（２２）と肩（２６）とを有し、かつ前記軸（１０）とワイパアーム（１４）との間に固定部材（１６）が挿嵌されており、該固定部材が、軸（１０）の前記断面成形部（２２）の区域において該固定部材（１６）の、前記断面成形部（２２）に対応した形状の貫通口で以て前記軸（１０）の周面に係合しており、かつ前記固定部材（１６）がアウターコーン部（２８）を、また前記ワイパアーム（１４）がインナーコーン部（３４）を有し、前記のアウターコーン部とインナーコーン部とが組立位置において互いに合致し、かつ前記の固定部材（１６）とワイパアーム（１４）とが、該ワイパアーム（１４）を前記軸の肩（２６）に当接させて支持するように、着脱可能なエレメント（２０）によって前記軸（１０）に位置固定されている形式のものにおいて、前記肩（２６）と前記固定部材（１６）との間に座金（１２）を挿嵌してあり、該座金は、前記ワイパアーム（１４）の支持のために用いられて、前記軸の円対称形とは異なった前記断面成形部（２２）に対応した形状の開口を有していることを特徴とする、ワイパアームの固定装置。
- 固定部材（１６）が長手方向のスリット（３８）を有している、請求項２記載の固定装置。
- 固定部材（１６）がアウターコーン部（３６）の区域に、円対称形とは異なる断面形状を有している、請求項２又は３記載の固定装置。
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