JP3696633B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体記憶装置に関し、特に、複数のバンクを備える同期型半導体記憶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のMPU(マイクロプロセッサ)の高速化に伴い、主記憶装置として用いられるDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)のアクセスタイムおよびサイクルタイムがボトルネックとなって、システム全体の性能を落とすということがよく言われている。この対策として、システムの性能を向上させるため、DRAMとMPUとの間にSRAM(キャッシュメモリ)と呼ばれる高速メモリを備える方法がとられる。しかしながら、SRAMは、DRAMに比べて高価なため、パーソナルコンピュータ等の比較的安価な装置には適していない。このため、安価なDRAMを用いてなおかつシステムの性能を向上させることが求められている。
【0003】
上記の要望に対する1つの答えとして、DRAMをシステムクロックに同期させて連続した数ビット(たとえば8ビット)に高速アクセスすることが可能なSDRAM(同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ)と呼ばれるものが提案されている。
【0004】
以下、従来の半導体記憶装置として上記のSDRAMについて図面を参照しながら説明する。図10は、従来の半導体記憶装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【0005】
図10を参照して、半導体記憶装置は、プリチャージ信号発生回路105、バンクB10、B11を含む。バンクB10は、ロウ系制御回路106、ワードドライバ107、トランジスタQ101〜Q104、キャパシタC101、ビット線BL、/BL、ワード線WL、センスアンプ108を含む。バンクB11もバンクB10と同様の構成を有している。
【0006】
プリチャージコマンドが入力されると、プリチャージ信号発生回路105からバンクB10、B11へプリチャージ開始信号P0、P1が出力される。プリチャージ開始信号P0、P1がバンクB10、B11のロウ系制御回路106、116に入力される。このとき、ロウ系制御回路106、116は、ワードドライバ活性化信号φ01、φ11をワードドライバ107、117へ非活性状態で出力し、また、センスアンプ活性化信号φ02、φ12をセンスアンプ108、118へ非活性状態で出力し、さらに、ビット線プリチャージ信号φ03、φ13を活性化状態で出力する。この結果、ワード線WLの電位が立下り、ビット線BL、/BLはプリチャージ電圧Vblレベルにプリチャージされる。
【0007】
次に、8つのバンクを有する従来の半導体記憶装置について説明する。図11は、従来の他の半導体記憶装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【0008】
図11を参照して、半導体記憶装置は、プリチャージ信号発生回路105a、バンクB10〜B17を含む。プリチャージコマンドが入力されると、プリチャージ信号発生回路105aから各バンクB10〜B17へプリチャージ開始信号P0〜P7がそれぞれ出力される。バンクB10〜B17は、図10に示すバンクB10、B11と同様の構成を有し、同様に動作するので、以下その説明を省略する。
【0009】
次に、上記のように構成された半導体記憶装置の動作について説明する。図12は、図11に示す半導体記憶装置の動作の説明するためのタイミングチャートである。
【0010】
従来のDRAMでは、ロウアドレスストローブ信号/RAS、コラムアドレスストローブ信号/CASというコントロール信号に同期してアドレス信号および入力データ等を取込んで動作させていたのに対し、SDRAMでは、システムクロックCLKの立上がりエッジに応答して、ロウアドレスストローブ信号/RAS、コラムアドレスストローブ信号/CAS、アドレス信号、データ等を取込み、所定の動作を行なう。上記のように外部クロックであるシステムクロックCLKに同期させて動作させることの利点としては、アドレス等のスキュー(タイミングのずれ)によるデータ入出力のマージンを確保せずにすみ、サイクルタイムを高速化できること等が挙げれる。また、システムによっては、連続した数ビットにアクセスする頻度が高い場合があり、この場合の連続アクセスタイムを高速にすることによって、平均アクセスタイムをSRAMに匹敵させることが可能となる。
【0011】
図12を参照して、時刻T1において、システムクロック信号CLKの立上がりエッジに応答して、外部から入力される制御信号(ロウアドレスストローブ信号/RAS、コラムアドレスストローブ/CAS、アドレス信号A0〜A10、データD0〜D7等)が取込まれる。アドレス信号A0〜A10は、行アドレス信号Xと列アドレス信号Yとが時分割的に多重化されて与えられる。ロウアドレスストローブ信号/RASが、クロック信号CLKの立上がりエッジにおいて、活性状態の“L”にあるとき、アドレス信号A0〜A10が行アドレス信号Xとして取込まれる。
【0012】
次に、時刻T4において、コラムアドレスストローブ信号/CASが、クロック信号CLKの立上がりエッジにおいて活性状態の“L”にあるとき、アドレス信号A0〜A9が列アドレス信号Yとして取込まれる。取込まれた行アドレス信号Xおよび列アドレス信号Yに応じて、SDRAM内の行および列の選択動作が行なわれる。行アドレスストローブ信号/RASが“L”に立下がった後所定のクロック期間(図12では、6クロックサイクル)が経過した後、最初の8ビットのデータが出力される。以降、クロック信号CLKの立上がりに応答して順次データが出力される。
【0013】
書込動作時においては、行アドレス信号Xの取込みは、データ読出時と同様である。クロック信号CLKの立上がりエッジにおいて、コラムアドレスストローブ信号/CASおよびライトイネーブル信号/WEがともに活性状態の“L”のとき、列アドレス信号Yが取込まれるとともに、そのときに与えられていたデータD0が最初の書込データとして取込まれる。取込まれたロウアドレスストローブ信号/RASおよびコラムアドレスストローブ信号/CASの立下りに応答し、SDRAM内部においては、行および列の選択動作が実行される。さらにクロック信号CLKに同期して順次入力データD1〜D7が取込まれ、順次所定のメモリセルに入力データD0〜D7が書込まれる。
【0014】
次に、プリチャージ動作について説明する。時刻T13において、クロック信号CLKの立上がりエッジにおいて、ロウアドレスストローブ信号/RASが“L”、コラムアドレスストローブ信号/CASが“H”、ライトイネーブル信号/WEが“L”のときプリチャージ動作が開始される。プリチャージコマンド入力時において、アドレス信号A10が“L”のとき、バンクアドレス信号BAにより指定されたバンクのプリチャージが行なわれ、アドレス信号A10が“H”のときにすべてのバンクのプリチャージが行なわれる。プリチャージ期間(図12では、2クロック)後、つまり時刻T15において、次のリード/ライトサイクルを開始することができる。
【0015】
また、SDRAMでは、図10および図11に示すように複数バンクという概念が導入されている。これは、内部のメモリアレイを複数に分割して考え、それぞれのバンクを活性化(ワード線を立上げ、センスアンプを動作させる)、プリチャージ等をほぼ独立に行なえるというものである。DRAMでは、アクセスを行なう前に必ずプリチャージを行なわなければならないが、この動作がサイクルタイムをアクセスタイムのほぼ2倍にしている原因となっている。ところで、図10に示すように内部を2バンクに分割すると、バンクB10をアクセスしている間にバンクB11をプリチャージしておけば、バンクB11はプリチャージ時間なしでアクセスすることができる。このようにして、バンクB10およびB11に対して交互にアクセス/プリチャージを行なうことにより、プリチャージによるロスタイムを削減することができる。
【0016】
また、上記の従来のSDRAMでは、プリチャージコマンドの設定により、所定されたバンクのプリチャージであるシングルバンクプリチャージ、または全バンクのプリチャージを行なう。
【0017】
まず、シングルバンクプリチャージについて説明する。図11を参照して、バンクB10がアクティブ状態にあるとき、他のバンクB11〜B17をプリチャージさせる場合、たとえば、バンクB11→B12→B13→B14→B15→B16→B17の順に個々にプリチャージコマンドを7回入力し、入力したプリチャージコマンドに応じてプリチャージ信号発生回路105aからプリチャージ開始信号P1〜P7がそれぞれ出力される。この結果、アクティブ状態にあるバンクB10以外のバンクB11〜B17が順次プリチャージされる。したがって、バンク数が多くなるとその分だけプリチャージコマンドを入力するサイクルが増えて、後述するように他のコマンド入力に支障を来すタイミングが現れる。
【0018】
次に、全バンクプリチャージの場合について説明する。アクティブ状態にあるバンクB10がプリチャージ開始可能なタイミングになったとき以外の場合にしか、全バンクプリチャージコマンドを入力することができない。したがって、全バンクプリチャージでは、1つのバンクがアクティブ状態にあるとき、他のバンクをプリチャージさせるというインタリーブの特徴を失うことになる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のSDRAMの内部メモリアレイのバンク数が4または8以上に増えた場合、シングルバンクプリチャージと全バンクプリチャージだけのプリチャージ方式では、プリチャージコマンドの入力が他のコマンド入力の障害になるという問題点があった。以下、上記の問題点についさらに詳細に説明する。
【0020】
図13および図14は、図11に示す半導体記憶装置の問題点を説明するための第1および第2のタイミングチャートである。図13および図14では、バンクB10がライト動作中に他のバンクが従来のシングルプリチャージ方式でプリチャージを行なっているタイミングを表わしている。
【0021】
まず、図13を参照して、時刻T11において、アクティブ以外のプリチャージコマンドの入力が終了している。この結果、バンクB17(最後にプリチャージを行なったバンク)では、プリチャージ期間が3サイクルとした場合、時刻T14においてアクティブ可能となる。
【0022】
一方、図14に示すタイミングチャートでは、時刻T7およびT10においてライトワードマスクコマンドを入力している。ライトワードマスクとは、DQMを活性化つまり“H”にすることにより、その時点のすべてのI/Oの入力データがマスクされる(入力されない)ことをいう。このライトワードマスクコマンドの入力により、アクティブ以外のバンクのプリチャージコマンド入力は、時刻T13までかかり、バンクB17がアクティブ可能となるタイミングは、時刻T16となる。したがって、図13のタイミングと比べて、2サイクル遅くなってしまう。この結果、バンクのアクティブタイミングが遅れるのを避けるため、バンクB10のライト動作中(時刻T5〜T11)において他のバンクをプリチャージさせることを優先させると、ライトワードマスクコマンド等のコマンドを入力できなくなるという問題点が生じていた。
【0023】
本発明は上記課題を解決するためのものであって、プリチャージタイミングが他のコマンド入力の障害にならない使いやすい半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
【0025】
この発明によれば、半導体記憶装置は、データを記憶するための3個以上のバンクと、3個以上のバンクの各々に対応して設けられ、対応するバンクをプリチャージする3個以上のプリチャージ手段と、モードセットに応じて、3個以上のバンクのうちアクセス中のバンク以外の全てのバンクを同時にプリチャージするように3個以上のプリチャージ手段を制御する制御手段とを備える。
【0026】
好ましくは、制御手段は、バンクアドレス信号をデコードし、バンク指定信号を出力するデコード手段と、バンク指定信号とモードセットを指定するモードセット信号との排他的論理和を出力する論理手段とを含む。
【0027】
また、この発明によれば、半導体記憶装置は、データを記憶するための3個以上のバンクと、3個以上のバンクの各々に対応して設けられ、対応するバンクをプリチャージする3個以上のプリチャージ手段と、プリチャージコマンドと同時に入力され、かつ、同時にプリチャージされる少なくとも2個以上のバンクを指定する信号に応じて、3個以上のバンクのうち指定されたバンクを同時にプリチャージするように3個以上のプリチャージ手段を制御する制御手段とを備える。
【0028】
好ましくは、信号は、プリチャージコマンド入力時に入力される下位アドレス信号を含む。
【0029】
【作用】
この半導体記憶装置においては、3個以上のバンクのうちアクセス中のバンク以外の全てのバンクを同時にプリチャージすることができるので、1クロックで特定の複数のバンクを同時にプリチャージすることができる。
【0030】
また、この半導体記憶装置においては、プリチャージコマンドと同時に入力され、かつ、同時にプリチャージされる少なくとも2個以上のバンクを指定する信号に応じて3個以上のバンクのうち任意のバンクを少なくとも2個同時にプリチャージすることができるので、1クロックで特定の複数のバンクをプリチャージすることができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の一実施例の半導体記憶装置であるSDRAMについて図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施例の半導体記憶装置の構成を示すブロック図である。
【0032】
図1を参照して、半導体記憶装置は、/RAS、/CAS、/WE、/CSバッファ1、内部クロック発生回路2、アドレスバッファ3、モードセット設定回路4、プリチャージ信号発生回路5、バンクB0〜B7を含む。バンクB0〜B7の各々は、ロウ系制御回路6、ワードドライバ7、ビット線BL、/BL、ワード線WL、トランジスタQ1〜Q4、キャパシタC1を含む。図1に示すバンクB0〜B7と図9および図10に示すバンクB10〜B17とは同様の構成を有し、同様に動作するので詳細な説明を省略する。
【0033】
内部クロック発生回路2には、外部から外部クロック信号CLKが入力され、入力した外部クロック信号CLKに応答して内部クロック信号CLKIを/RAS、/CAS、/WE、/CSバッファ1およびアドレスバッファ3へ出力する。/RAS、/CAS、/WE、/CSバッファ1は、入力した内部クロック信号CLKIに同期して動作し、外部から入力される外部ロウアドレスストローブ/RAS、外部コラムアドレスストローブ信号/CAS、外部ライトイネーブル信号/WE、外部チップセレクト信号/CSをバッファリングし、ロウアドレスストローブ信号/RAS、コラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WE、チップセレクト信号/CSをモードセット設定回路4およびプリチャージ信号発生回路5へ出力する。アドレスバッファ3は、内部クロック信号CLKIに同期して動作し、入力した外部アドレス信号Aをバッファリングし、アドレス信号A0〜A10をモードセット設定回路4へ出力し、アドレス信号A10をプリチャージ信号発生回路5へ出力する。モードセット設定回路4は、入力したロウアドレスストローブ信号/RAS、コラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WE、チップセレクト信号/CS、およびアドレス信号A010に応答して、モードセット信号MSをプリチャージ信号発生回路5へ出力する。プリチャージ信号発生回路5は、入力したモードセット信号MS、チップセレクト信号/CS、ロウアドレスストローブ信号/RAS、ライトイネーブル信号/WE、アドレス信号A10に応答して、プリチャージ開始信号P0〜P7をバンクB0〜B7へ出力する。上記の動作により、モードセット設定回路4から出力されるモードセット信号MSが活性化されると、プリチャージ信号発生回路5は、同時にプリチャージを行なうバンク数を制御するため、所定のプリチャージ開始信号P0〜P7を各バンクB0〜B7にそれぞれ出力する。
【0034】
次に、図1に示す内部クロック発生回路2についてさらに詳細に説明する。図2は、内部クロック発生回路の構成を示す図である。
【0035】
図2を参照して、内部クロック発生回路2は、遅延回路D1、インバータG1、G2、NANDゲートG3を含む。遅延回路D1には、外部クロック信号CLKが入力される。遅延回路D1の出力はインバータG1を介してNANDゲートG3へ入力される。また、NANDゲートG3には、外部クロック信号CLKが入力される。NANDゲートG3の出力は、インバータG2を介して内部クロック信号CLKIとして出力される。
【0036】
上記の構成により、外部クロック信号CLKの立上がりで内部クロック信号CLKIが立上がり、遅延回路D1により所定時間遅延された後、内部クロック信号CLKIが立下がる。この結果、外部クロック信号CLKが“H”となる時間が遅延回路D1による内部遅延より長い場合は、外部クロック信号CLKの“H”の時間にかかわらず、内部クロック信号CLKIの“H”の時間は一定になる。
【0037】
次に、図1に示す/RAS、/CAS、/WE、/CSバッファおよびモードセット設定回路についてさらに詳細に説明する。図3は、図1に示す/RAS、/CAS、/WE、/CSバッファおよびモードセット設定回路の構成を示す図である。
【0038】
図3を参照して、/RAS、/CAS、/WE、/CSバッファ1は、ダイナミックラッチDL1〜DL4を含む。ダイナミックラッチDL1〜DL4には内部クロック信号CLKIがそれぞれ入力される。また、ダイナミックラッチDL1には、外部ロウアドレスストローブ信号/RASが入力され、ダイナミックラッチDL2には外部コラムアドレスストローブ信号/CASが入力され、ダイナミックラッチDL3には外部ライトイネーブル信号/WEが入力され、ダイナミックラッチDL4には外部チップセレクト信号/CSが入力される。ダイナミックラッチDL1〜DL4は、内部クロック信号CLKIに同期して入力した各制御信号をラッチし、モードセット設定回路4へ出力する。
【0039】
次に、図3に示すダイナミックラッチについてさらに詳細に説明する。図4は、図3に示すダイナミックラッチの構成を示す図である。
【0040】
図4を参照して、ダイナミックラッチDLは、PMOSトランジスタQ21〜Q24、NMOSトランジスタQ25〜Q29を含む。
【0041】
トランジスタQ21およびQ22、Q23およびQ24、Q25およびQ26、Q27およびQ28はそれぞれ並列に接続される。トランジスタQ21およびQ22の一端は電源電圧VCCを受ける。トランジスタQ21およびQ22の他端はトランジスタQ25およびQ26の一端と接続される。トランジスタQ25およびQ26の他端はトランジスタQ29の一端と接続される。トランジスタQ29の他端は接地電位と接続される。
【0042】
トランジスタQ23およびQ24の一端は電源電圧VCCを受ける。トランジスタQ23およびQ24の他端はトランジスタQ27およびQ28と接続される。トランジスタQ27およびQ28はトランジスタQ29と接続される。
【0043】
トランジスタQ21、Q24、Q29の各ゲートにはラッチ信号φLEが入力される。トランジスタQ25のゲートには入力信号Inputが入力される。トランジスタQ28のゲートには基準電圧Vref が入力される。トランジスタQ22およびQ26のゲートはトランジスタQ23およびQ24とトランジスタQ27およびQ28との接続点と接続される。トランジスタQ23およびQ27のゲートはトランジスタQ21およびQ22とトランジスタQ25およびQ26との接続点と接続される。トランジスタQ23およびQ24とトランジスタQ27とQ28との接続点から出力信号Outputが出力される。トランジスタQ21およびQ22とトランジスタQ25およびQ26との接続点から出力信号Outputと相補な出力信号/Outputが出力される。
【0044】
次に、上記のように構成されたダイナミックラッチの動作について説明する。
図5は、図4に示すダイナミックラッチの動作を説明するためのタイミングチャートである。図5を参照して、ラッチ信号φLEが“H”に立上がると、入力信号Inputがラッチされ、出力信号Output、/Outputが入力信号Inputの状態に応じて出力される。つまり、入力信号Inputが“L”の場合、出力信号Outputが“L”で出力され、出力信号/Outputが“H”の状態で出力される。また、入力信号Inputが“H”の状態のとき、出力信号Outputが“H”で出力され、出力信号/Outputが“L”の状態で出力される。
【0045】
再び図3を参照して、モードセット設定回路について説明する。モードセット設定回路4は、NORゲートG11、トランジスタQ11、インバータG12、G13、ANDゲートG14を含む。
【0046】
NORゲートG11はダイナミックラッチDL1〜DL4から出力される制御信号/RAS、/CAS、/WE、/CSを受け、これらの否定論理和をトランジスタQ11のゲートへ出力する。トランジスタQ11にはアドレス信号A0〜A10が入力される。トランジスタQ11は、インバータG12の入力側とインバータG13の出力側と接続される。インバータG12の出力側はインバータG13の入力側と接続される。インバータG13はモードセット用アドレス信号MA0〜MA10を出力し、インバータG12はモードセット用アドレス信号MA0〜MA10と相補なモードセット用アドレス信号/MA0〜/MA10を出力する。ANDゲートG14はモードセット用アドレス信号MA7〜MA10を受け、モードセット信号MSを出力する。
【0047】
上記の構成により、外部ロウアドレスストローブ信号/RAS、外部コラムアドレスストローブ信号/CAS、外部ライトイネーブル信号/WE、外部チップセレクト信号/CSがそれぞれ活性化されたとき(“L”の状態となったとき)、ラッチ回路を構成するインバータG12およびG13によりアドレス信号A0A10がラッチされ、本実施例の場合、アドレス信号A7A10が“H”のとき、モードセット信号MSが“H”で出力され、それ以外の場合はモードセット信号MSは“L”で出力される。上記の動作によりモードセットが行なわれ、モードセット設定回路4から出力されるモードセット信号MSを用いて後述するようにプリチャージの制御を行なう。
【0048】
次に、図1に示すプリチャージ信号発生回路についてさらに詳細に説明する。図6は、図1に示すプリチャージ信号発生回路の構成を示す図である。
【0049】
図6を参照して、プリチャージ信号発生回路5は、バンクアドレスデコーダBAD、EXORゲートG30〜G37、NANDゲートG38、ANDゲートG40〜G48、ORゲートG50〜G57を含む。
【0050】
バンクアドレスデコーダBADには、複数のバンクの中から所望のバンクを指定するためのバンクアドレス信号BA0〜BA2が入力される。バンクアドレスデコーダBADは、入力したバンクアドレス信号BA0〜BA2をデコードし、バンク指定信号bank0〜bank7をEXORゲートG30〜G37へ出力する。EXORゲートG30〜G37にはモードセット信号MSが入力される。
NANDゲートG38にはチップセレクト信号/CS、ロウアドレスストローブ信号/RAS、ライトイネーブル信号/WEがそれぞれ入力される。NANDゲートG38の出力信号はANDゲートG40〜G48へ入力れさる。EXORゲートG30〜G37の出力信号はそれぞれ対応するANDゲートG40〜G47へ入力される。アドレス信号A10がANDゲートG48へ入力される。ANDゲートG40〜G47の出力信号はそれぞれ対応するORゲートG50〜G57へ入力される。G50〜G57にはANDゲートG48の出力信号が入力される。ORゲートG50〜G57はそれぞれ各バンクに対応したプリチャージ開始信号P0〜P7を出力する。
【0051】
上記の構成により、モードセット信号MSが“H”のとき、バンクアドレス信号BA0〜BA2により指定されたバンク以外のバンクのプリチャージ開始信号がすべて活性化される。一方、モードセット信号MSが“L”のとき、入力されたバンクアドレス信号BA0〜BA2により指定されたバンクのプリチャージ開始信号のみが活性化される。また、プリチャージコマンド入力時に、アドレス信号A10が“H”のとき、すべてのバンクのプリチャージ開始信号P0〜P7が活性化される。
【0052】
次に、上記のように構成された半導体記憶装置の動作について説明する。図7は、図1に示す半導体記憶装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0053】
図7を参照して、時刻T1において、モードセットが行なわれる。モードセットとは、上記に説明したように外部クロック信号CLKの立上がりエッジのときに外部チップセレクト信号/CS、外部ロウアドレスストローブ信号/RAS、外部ライトイネーブル信号/WEを活性化して、そのときに与えられるアドレス信号Aによってバースト長等のモードを切換えることである。このモードセットを利用して、本実施例では複数のバンクのプリチャージを一度に開始させるモードの設定を行なう。
【0054】
次に、時刻T2において、バンクB0が活性化され、時刻T3においてバンクB0にライトコマンドが入力され、バースト長8でデータが書込まれる。次に、時刻T4において、プリチャージコマンドが入力される。プリチャージコマンドの入力時には、バンクアドレス信号BA0〜BA2はバンクB0を指定している。上記のモードセットにより、この場合のプリチャージコマンドは、バンクB0以外のバンクすなわちバンクB1〜B7の7個のバンクのプリチャージを同時に開始させる。したがって、プリチャージ期間の経過後すなわち時刻T5以降において、バンクB1〜B7をそれぞれ活性化させることが可能となる。
【0055】
上記のように、本実施例では、複数のバンク、すなわち3個以上のバンクのうちアクセス中のバンク以外のバンクを少なくとも2個同時にプリチャージしている。したがって、プリチャージコマンド入力を1サイクルのみで行なうことができ、1クロックで一度に特定の複数のバンクのプリチャージを開始させることができる。また、アクティブ状態のバンクと他のバンクのインタリーブ動作を行なうことができる。この結果、プリチャージコマンドにより、たとえば、データマスクのような他のコマンドが入力できないという問題がなくなる。この結果、プリチャージコマンド形のコマンドの障害とならない使いやすい半導体記憶装置を得ることができる。
【0056】
次に、本発明の他の実施例の半導体記憶装置であるSDRAMについて説明する。以下に説明する半導体記憶装置は、図1に示す半導体記憶装置のプリチャージ信号発生回路5のみが変更され、その他の構成は図1に示す半導体記憶装置と同様であるので図示および詳細な説明を省略する。したがって、異なる部分であるプリチャージ信号発生回路のみについて以下に詳細に説明する。図8は、本発明の他の実施例の半導体記憶装置のプリチャージ信号発生回路の構成を示す図である。
【0057】
図8を参照して、プリチャージ信号発生回路5aは、ANDゲートG60〜G67、NANDゲートG68を含む。ANDゲートG60〜G67にはそれぞれアドレス信号A0〜A7が入力される。NANDゲートG68にはチップセレクト信号/CS、ロウアドレスストローブ信号/RAS、ライトイネーブル信号/WEがそれぞれ入力され、その出力信号がANDゲートG60〜G67へ入力される。ANDゲートG60〜G67はそれぞれプリチャージ開始信号P0〜P7を出力する。
【0058】
上記の構成により、チップセレクト信号/CS、ロウアドレスストローブ信号/RAS、ライトイネーブル信号/WEがそれぞれ“L”となるプリチャージコマンド入力時において、入力されたアドレス信号An(n=0〜7)=“H”に対応するバンクのプリチャージ開始信号が同時に活性化される。
【0059】
次に、図8に示すプリチャージ信号発生回路を用いた半導体記憶装置の動作について説明する。図9は、図8に示すプリチャージ信号発生回路を用いて半導体記憶装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0060】
図9を参照して、時刻T1、T2のそれぞれのタイミングにおいて、バンクB6とバンクB0が活性化され、時刻T4において、プリチャージコマンドが入力される。時刻T4のプリチャージコマンドの入力時には、同時に下位アドレス信号A0〜A7が入力されている。下位アドレス信号A0〜A7は、プリチャージを開始するバンクを指定するための信号である。下位アドレス信号A0〜A7は、それぞれバンクB0〜バンクB7に対応しており、たとえば、(A0、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7)=(0、1、1、1、1、1、0、1)のとき、バンクB1、バンクB2、バンクB3、バンクB4、バンクB5、バンク7のプリチャージが開始される。すなわち、プリチャージコマンド入力時の下位アドレス信号A0〜A7により、指定される複数のバンクのプリチャージを同時に開始することができる。
【0061】
この結果、複数バンク(図9ではバンクB0とバンクB6)がリード/ライトコマンド待ちまたはそのサイクル中のアクティブ状態時において、他の複数バンク(図9ではバンクB1〜B5、B7)を少なくとも2個同時にプリチャージすることができる。したがって、1クロックで一度に特定の複数のバンクのプリチャージを開始させることができる。この結果、プリチャージコマンドにより、たとえば、データマスクのような他のコマンドが入力できないという問題がなくなる。したがって、プリチャージタイミングが他のコマンドの障害にならない使いやすい半導体記憶装置を得ることができる。
【0062】
上記各実施例では、8バンクのSDRAMについて説明したが、3個以上のバンクを持つSDRAMにも同様に適用することが可能である。
【0063】
【発明の効果】
この発明によれば、3個以上のバンクのうちアクセス中のバンク以外の全てのバンクを同時にプリチャージすることができるので、プリチャージタイミングが他のコマンドの障害にならない使いやすい半導体記憶装置を得ることができる。
【0064】
また、この発明によれば、3個以上のバンクのうち任意のバンクを少なくとも2個同時にプリチャージすることができるので、プリチャージタイミングが他のコマンドの障害にならない使いやすい半導体記憶装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の半導体記憶装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す内部クロック発生回路の構成を示す図である。
【図3】 図1に示す/RAS、/CAS、/WE、/CSバッファおよびモードセット設定回路の構成を示す図である。
【図4】 図3に示すダイナミックラッチの構成を示す図である。
【図5】 図4に示すダイナミックラッチの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】 図1に示すプリチャージ信号発生回路の構成を示す図である。
【図7】 図1に示す半導体記憶装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】 本発明の他の実施例の半導体記憶装置のプリチャージ信号発生回路の構成を示す図である。
【図9】 図8に示すプリチャージ信号発生回路を用いた半導体記憶装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】 従来の半導体記憶装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図11】 従来の他の半導体記憶装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図12】 図10に示す半導体記憶装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】 図10に示す半導体記憶装置の問題点を説明するための第1のタイミングチャートである。
【図14】 図10に示す半導体記憶装置の問題点を説明するための第2のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 /RAS、/CAS、/WE、/CSバッファ、2 内部クロック発生回路、3 アドレスバッファ、4 モードセット設定回路、5 プリチャージ信号発生回路、B0〜B7 バンク。

Claims (4)

  1. データを記憶するための3個以上のバンクと、
    前記3個以上のバンクの各々に対応して設けられ、対応するバンクをプリチャージする3個以上のプリチャージ手段と、
    モードセットに応じて、前記3個以上のバンクのうちアクセス中のバンク以外の全てのバンクを同時にプリチャージするように前記3個以上のプリチャージ手段を制御する制御手段とを備える半導体記憶装置。
  2. 前記制御手段は、
    バンクアドレス信号をデコードし、バンク指定信号を出力するデコード手段と、
    前記バンク指定信号と前記モードセットを指定するモードセット信号との排他的論理和を出力する論理手段とを含む、請求項1に記載の半導体記憶装置。
  3. データを記憶するための3個以上のバンクと、
    前記3個以上のバンクの各々に対応して設けられ、対応するバンクをプリチャージする3個以上のプリチャージ手段と、
    プリチャージコマンドと同時に入力され、かつ、同時にプリチャージされる少なくとも2個以上のバンクを指定する信号に応じて、前記3個以上のバンクのうち指定されたバンクを同時にプリチャージするように前記3個以上のプリチャージ手段を制御する制御手段とを備える半導体記憶装置。
  4. 記信号は、プリチャージコマンド入力時に入力される下位アドレス信号を含む、請求項3に記載の半導体記憶装置。
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