JP3696084B2 - X線平面検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばX線診断装置等のX線を用いて画像を撮像する装置のX線検出手段として設けて好適なX線平面検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばCアームやΩアームの両端部にX線発生部及びX線検出部を対向配置したX線診断装置が知られている。前記X線検出部としては、イメージインテンシファイア(I.I.)及びテレビジョンカメラ装置によりX線像の取り込みを行うI.I.−TV系が広く知られているのであるが、装置の軽量化等を図る目的から、近年においては、半導体素子で形成された複数のX線検出素子を2次元的に配列してX線像の取り込みを行うX線平面検出器が、前記I.I.−光学系に代わって設けられつつある。このX線平面検出器としては、「直接変換型」のX線平面検出器及び「間接変換型」のX線平面検出器が知られている。
【0003】
「直接変換型」のX線平面検出器は、図7(a)に示すようにガラス支持台100上にX線検出系101と、例えばアモルファス・セレンで形成されたX線変換系102を積層することで形成されている。この「直接変換型」のX線平面検出器は、アモルファス・セレンでX線量に対応する電荷を直接的に形成し、この電荷をX線検出系101が画像データとして出力するようになっている。
【0004】
「間接変換型」のX線平面検出器は、図7(b)に示すようにガラス支持台100上にX線検出系101と、例えばシンチレータで形成されたX線変換系102を積層することで形成されている。この「間接変換型」のX線平面検出器は、シンチレータでX線を光に変換し、X線検出系101でこのX線に対応する光の光量に応じた電荷を形成し、これを画像データとして出力するようになっている。
【0005】
図8は、「直接変換型」及び「間接変換型」の各X線平面検出器のX線変換系(アモルファス・セレン102或いはシンチレータ103)の下層に位置するX線検出系101を模式的に示した図である。この図8からわかるように各X線平面検出器のX線検出系101は、複数のX線検出素子110を2次元的に配列すると共に、該各X線検出素子110に蓄積された電荷を読み出すための選択信号ライン113と、各X線検出素子110から読み出された電荷を転送するための信号ライン114と、信号ライン114を介して転送された電荷を所定の利得で増幅し、これを画像データとして出力する読み出し回路115とを接続して構成されている。
【0006】
さらに詳しくは、「間接変換型」のX線平面検出器のX線検出系101を例にとって説明すると、図9は、このX線検出系101の回路図なのであるが、この図からわかるようにX線検出系101を構成する複数のX線検出素子110は、薄膜トランジスタ(TFT)111、電荷蓄積用コンデンサ112及びフォトダイオード113を有している。TFT111のゲートは、選択信号ライン114を介してゲートパルスジェネレータ120に接続されており、ドレインは読み出し信号ライン115を介して読み出し回路121に接続されており、また、ソースは電荷蓄積用コンデンサ113に接続されている。
【0007】
このような「間接変換型」のX線平面検出器では、フォトダイオード113が、前記シンチレータ103で変換された光に基づいて電荷を形成し、これを電荷蓄積用コンデンサ112に供給する。ゲートパルスジェネレータ120は、選択信号ライン114を介して各X線検出素子110のTFT111にゲート電圧を印加することで該各TFT111をオン駆動する。これにより、電荷蓄積用コンデンサ112に蓄積された電荷が読み出し信号ライン115上に読み出され、読み出し回路121を介して画像データとして出力される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような「直接変換型」及び「間接変換型」の各X線平面検出器は、ガラス支持台100上にX線変換系102,103を蒸着して形成されるのであるが、この蒸着の際に発生する水分により図10に示すようにガラス支持台100に反りを生ずる問題があった。また、製造工程中にガラス支持台100に反りが生じなくても、製品完成後に湿気等により、ガラス支持台100とX線変換系102,103との膨張率の違いからガラス支持台100に反りを生ずる問題があった。
【0009】
ガラス支持台100は、X線平面検出器の小型軽量化を図るために年々薄型化する傾向にある。例えばアモルファス・セレンの厚みは1mm程度であるのに対し、ガラス支持台100の厚みは0.7mmと、蒸着されるアモルファス・セレンの厚みよりも薄くなっている。このため、このようなガラス支持台100に反りを生ずる問題は、年々、より顕著となっている。
【0010】
さらに、湿気等によりX線平面検出器内に水分が浸透すると、カビが発生したり、機器が劣化する問題もある。
【0011】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、ガラス支持台に反りを生ずる不都合、あるいはX線平面検出器内に水分が浸透してカビが発生し、また、機器が劣化する不都合を防止することができるようなX線平面検出装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1のガラス支持台と第2のガラス支持台を貼り合わせた基板と、入射したX線のX線量に対応する電荷を形成するX線変換系と、前記X線変換系で形成された電荷に基づいた画像データを出力するX線検出系とを備え、前記X線検出系を前記第1のガラス支持台上に形成した後で前記第1のガラス支持台と前記第2のガラス支持台をシリコン系接着剤を用いて貼り合わせ、さらに前記X線検出系上に前記X線変換系を形成することを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、第1のガラス支持台と第2のガラス支持台を貼り合わせた基板と、入射したX線を光に変換するX線変換系と、前記X線変換系で変換された光の光量に応じた電荷を形成し、前記電荷に基づいた画像データを出力するX線検出系とを備え、前記X線検出系を前記第1のガラス支持台上に形成した後で前記第1のガラス支持台と前記第2のガラス支持台をシリコン系接着剤を用いて貼り合わせ、さらに前記X線検出系上に前記X線変換系を形成することを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、水分の透過を抑える防湿手段を、前記X線変換系を前記X線検出系上に形成した後に該X線変換系上に設けることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕
[全体の構成]
本発明に係るX線平面検出装置は、図1に示すような直接変換型のX線平面検出器に適用することができる。図1は、この第1の実施の形態となる直接変換型のX線平面検出器の断面を示しているのであるが、この図1からわかるように当該第1の実施の形態の直接変換型のX線平面検出器は、ガラス支持台1上に、薄膜トランジスタ(TFT)や電荷蓄積用コンデンサ等を有する複数のX線検出素子2を2次元的に配列して形成すると共に、この各X線検出素子2上に例えばアモルファス・セレン等のフォトコンダクタ3を蒸着すると共に、このフォトコンダクタ3上に上部電極4を形成し、その上から防湿部材5でコーティング処理を施すことで形成されている。
【0016】
防湿部材5は防湿性樹脂となっており、例えばスリーボンド社製のポッティング剤(型番1230)等を使用することができる。この防湿部材5は、例えば下層部に水分を0.01%以下しか透過させない厚さとなっている。
【0017】
[製造工程]
このような防湿部材5を用いたコーティング処理は、以下のように行われる。まず、ガラス支持台1上に複数のX線検出素子2を2次元的に配列して形成すると共に、ガラス支持台1上の縁側に各X線検出素子2で形成された画像データを取り出すための外部接続用電極6を形成する。
【0018】
次に、各X線検出素子2上にフォトコンダクタ3を蒸着し、このフォトコンダクタ3上に上部電極4を形成すると共に、フォトコンダクタ3と外部接続用電極6とを物理的に区切る堰部7(せき部)を設ける。そして、ガラス支持台1を地面に対して水平な状態で回転させると共に、この回転の中心に防湿部材5を点滴する。
【0019】
これにより、回転するガラス支持台1の中心からガラス支持台1の縁側に向かう力である遠心力が発生し、ガラス支持台1に点滴された防湿部材5が、いわゆるスピンコーティングによりガラス支持台1の外側に向かって押し広げられながら塗布されることとなる。堰部7は、この遠心力により押し広げられる防湿部材4を、外部接続用電極6の直前で堰止める。なお、この堰部7は、防湿部材4が、ある程度凝固した段階で取り除かれる。
【0020】
これにより、フォトコンダクタ3上に均一な厚さで防湿部材4を塗布することができ、また、堰部7により外部接続用電極6にまで防湿部材4が流れ込む不都合を防止することができる。
【0021】
[第1の実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、当該第1の実施の形態のX線平面検出器は、ガラス支持台1上に形成されたX線検出素子2やフォトコンダクタ3を、防湿部材5によりコーティング処理している。このため、湿気等により、X線検出素子2やフォトコンダクタ3等の下層部に水分が浸透する不都合を防止することができる。従って、下層部に水分が浸透することで、ガラス支持台1とフォトコンダクタ3との膨張率の違いからガラス支持台1に反りを生じたり、カビが発生したり、また、機器が劣化する等の不都合を防止することができる。
【0022】
また、防湿部材5のコーティング処理は、スピンコーティングで行うようになっているため、防湿部材5を均一な厚さで塗布することを可能とすることができる。また、フォトコンダクタ3と外部接続用電極6とを物理的に区切る堰部7を設けたうえでスピンコーティング処理を行うことにより、スピンコーティング処理により外部接続用電極6が設けられた領域にまで防湿部材5が流れる込む不都合を防止したうえで当該X線平面検出器を製造することができる。
【0023】
[第1の実施の形態の変形例]
なお、以上の第1の実施の形態は、本発明に係るX線平面検出装置を直接変換型のX線平面検出器に適用した例であったが、本発明は、間接変換型のX線平面検出器に適用してもよい。
【0024】
この場合、間接変換型のX線平面検出器は、図2に示すようにガラス支持板1上に薄膜トランジスタ10やフォトダイオード11等からなるX線検出素子2、及び例えばシンチレータ等のX線−光変換部材12を設け、前記堰部7によりX線−光変換部材12と外部接続用電極6とを物理的に区切ったうえで、前記スピンコーティングにより防湿部材5をコーティング処理する。
【0025】
これにより、湿気等により、X線検出素子2やX線−光変換部材12等の下層部に水分が浸透する不都合を防止することができ、該下層部に水分が浸透することにより、カビが発生したり、機器が劣化する不都合を防止することができる等、上述の第1の実施の形態と同じ効果を得ることができる。
【0026】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態の説明をする。上述の第1の実施の形態は、防湿部材5をコーティング処理することで下層部に浸透する水分を防止するものであったが、この第2の実施の形態は、防湿部材5の代わりにカバーガラスをフォトコンダクタ3或いはX線−光変換部材12に積層して設けるようにしたものである。なお、この第2の実施の形態と上述の第1の実施の形態とでは、この点のみが異なる。このため、この第2の実施の形態の説明では、この差異の説明のみ行い、重複説明は省略することとする。
【0027】
すなわち、この第2の実施の形態のX線平面検出器は、図3に示すようにガラス支持板1上に設けられたフォトコンダクタ3(或いはX線−光変換部材12)上に接着用樹脂15を塗布し、この接着用樹脂15を介してカバーガラス16をフォトコンダクタ3に接着した構成となっている。
【0028】
接着用樹脂15の塗布は、刷毛等によりフォトコンダクタ3に塗布してもよいが、図3中点線で示すように堰部7でフォトコンダクタ3と外部接続用電極6とを物理的に区切ったうえで、スピンコーティングにより接着用樹脂15を塗布するようにしてもよい。これにより、外部接続用電極6の領域に接着用樹脂15が流れ込む不都合を防止したうえで、均一な厚みでフォトコンダクタ3上に接着用樹脂15を塗布することができる。
【0029】
カバーガラス16は、水分の透過率がほとんど零に近いため、より協力な防湿効果を得ることができ、ガラス支持板1の反りや、下層部に水分が浸透することでカビが発生したり、機器が劣化する不都合を、より協力に防止することができる他、上述の第1の実施の形態と同じ効果を得ることができる。
【0030】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態の説明をする。この第3の実施の形態では、前記ガラス支持板1の代わりに、X線遮蔽部材が混入されたガラス支持板を設けたものである。なお、上述の各実施の形態と当該第3の実施の形態とでは、この点のみが異なる。このため、この第3の実施の形態の説明ではこの差異の説明のみ行い、重複説明は省略することとする。
【0031】
すなわち、この第3の実施の形態のX線平面検出器は、図4に示すように前記ガラス支持板1の代わりに、原子番号15以上の元素である例えば「鉛(PB)」が混入されたガラス支持板18が設けられている。
【0032】
鉛は、X線を遮蔽する作用がある。このため、この鉛が混入されたガラス支持板18を用いることにより、該ガラス支持板18の裏側(X線の入射方向と反対の方向)に透過するX線を遮蔽することができる。本来、X線平面検出器を製造する場合、このX線平面検出器の裏側に透過するX線を遮蔽するために、該X線平面検出器の受像面と略同じ大きさの鉛板を必要とするのであるが、当該第3の実施の形態においては、この鉛板を省略可能とすることができ、X線平面検出器の構成の簡略化及び軽量化を可能とすることができる。
【0033】
なお、この図4は、直接変換型のX線平面検出器(図1)の例であるが、この鉛が混入されたガラス支持板18を設ける技術的思想は、図2に示した間接変換型のX線平面検出器(第1の実施の形態の変形例)及び図3に示した防湿用のカバーガラス16を設けたX線平面検出器(第2の実施の形態)に適用しても当該第3の実施の形態と同じ効果を得ることができることは勿論である。
【0034】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態の説明をする。上述の各実施の形態は、防湿部材5やカバーガラス16を設けることで下層部に浸透する水分を防止するものであったが、この第4の実施の形態は、ガラス支持板1に反り防止の処理を施すことで、該ガラス支持板1の反りを防止するようにしたものである。なお、上述の各実施の形態と当該第4の実施の形態とでは、この点のみが異なる。このため、この第4の実施の形態の説明ではこの差異の説明のみ行い、重複説明は省略することとする。
【0035】
すなわち、この第4の実施の形態のX線平面検出器は、図5に示すようにガラス支持板1と、反り防止用の第2のガラス支持板21とを接着剤20で張り合わせて例えば計1mmの厚さとされた、いわゆる合わせガラス構造となっている。
【0036】
この合わせガラスの製造工程は、ガラス支持板1上にX線検出素子2を形成した後、フォトコンダクタ3の蒸着前に行うようになっている。このため、フォトコンダクタ3の蒸着は、ガラス支持板1と第2のガラス支持板21とを張り合わせた後に行われるわけであるが、例えばこのフォトコンダクタ3としてアモルファス・セレンを蒸着する場合は、200°Cの高温が各ガラス支持板1,21にかかる。従って、各ガラス支持板1,21の張り合わせに用いる接着剤は、この200°Cの高温に耐えうるものが必要となる。当該実施の形態においては、接着剤20として、例えばスリーボンド社製のシリコン系接着剤(型番1220C)等を使用している。
【0037】
これにより、各ガラス支持板1,21を張り合わせた後にフォトコンダクタ3の蒸着処理を行うことができる。フォトコンダクタ3の蒸着処理においては、高温となるため水分が発生しガラス支持板1に反りを生ずる虞があるが、このような合わせガラス構造とすることにより、フォトコンダクタ3の蒸着処理により発生した水分でガラス支持板1及び第2のガラス支持板21に反りが生ずる不都合を防止することができる。
【0038】
また、フォトコンダクタ3の蒸着処理を行った後に、各ガラス支持板1,21を張り合わせてもよいが、この場合、フォトコンダクタ3の蒸着処理でガラス支持板1に反りを生じ、不良品が発生する虞がある。このため、フォトコンダクタ3の蒸着処理前に合わせガラス工程を行うことにより、フォトコンダクタ3の蒸着処理によるガラス支持板の反りを略々確実に防止することができ、製造歩留まりの向上を図ることができる。
【0039】
なお、このような合わせガラス工程後にフォトコンダクタ3を蒸着処理し上部電極4を設け、この上から図5中点線で示すように防湿部材5をコーティング処理してもよい。これにより、当該X線平面検出器の製造中は、合わせガラス工程によりガラス支持板が反る不都合を防止することができ、また、X線平面検出器の製造後は、防湿部材5及び合わせガラス構造によりガラス支持板が反る不都合を防止することができる。
【0040】
また、この第4の実施の形態は、図1に示した直接変換型のX線平面検出器(第1の実施の形態)を例にとって説明したが、この合わせガラス工程は、図2に示した間接変換型のX線平面検出器(第1の実施の形態の変形例)及び図3に示した防湿用のカバーガラス16を設けたX線平面検出器(第2の実施の形態)において行っても当該第4の実施の形態と同じ効果を得ることができることは勿論である。
【0041】
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態の説明をする。この第5の実施の形態は、前記第2のガラス支持板21に代わりにX線遮蔽部材が混入されたガラス支持板を設けたものである。なお、上述の各実施の形態と当該第5の実施の形態とでは、この点のみが異なる。このため、この第5の実施の形態の説明ではこの差異の説明のみ行い、重複説明は省略することとする。
【0042】
すなわち、この第5の実施の形態のX線平面検出器は、図6に示すように前記第2のガラス支持板21の代わりに、原子番号15以上の元素である例えば「鉛(PB)」が混入された第2のガラス支持板25を用いて前記合わせガラス構造としている。
【0043】
これにより、当該X線平面検出器の製造中及び製造後におけるガラス支持板の反りを強力に防止することができるうえ、X線平面検出器の裏側に透過するX線を遮蔽することができ、該X線平面検出器の裏側にX線遮蔽用として設ける鉛板を省略可能として当該X線平面検出器の構成の簡略化及び軽量化を可能とすることができる。
【0044】
なお、この図6は、直接変換型のX線平面検出器(図1)の例であるが、この鉛が混入されたガラス支持板25を用いて合わせガラス構造のガラス支持板を形成する技術的思想は、図2に示した間接変換型のX線平面検出器(第1の実施の形態の変形例)及び図3に示した防湿用のカバーガラス16を設けたX線平面検出器(第2の実施の形態)に適用しても当該第5の実施の形態と同じ効果を得ることができることは勿論である。
【0045】
さらに、合わせガラスとする各ガラス支持板を、両方とも原子番号15以上の元素を混入したガラス支持板として合わせガラス構造としてもよい。これにより、X線平面検出器の裏側に透過するX線を、より強力に遮蔽可能とすることができる。
【0046】
以上説明した本発明の実施の形態によるX線平面検出装置によれば、製造中及び製造後における湿気等の水分により、基板に反りを生ずる不都合を防止することができる。
【0047】
また、X線平面検出装置内に水分が浸透してカビが発生し、また、機器が劣化する不都合を防止することができる。
【0048】
〔本発明の他の適用例〕
最後に、上述の各実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は上述の各実施の形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば各実施の形態以外であっても設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係るX線平面検出装置は、基板に反りを生ずる不都合を防止することができ、また、機器が劣化する不都合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線平面検出装置を適用した第1の実施の形態となる直接変換型のX線平面検出器の要部の断面図である。
【図2】本発明に係るX線平面検出装置を適用した前記第1の実施の形態の変形例となる間接変換型のX線平面検出器の要部の断面図である。
【図3】本発明に係るX線平面検出装置を適用した第2の実施の形態となるX線平面検出器の要部の断面図である。
【図4】本発明に係るX線平面検出装置を適用した第3の実施の形態となるX線平面検出器の要部の断面図である。
【図5】本発明に係るX線平面検出装置を適用した第4の実施の形態となるX線平面検出器の要部の断面図である。
【図6】本発明に係るX線平面検出装置を適用した第5の実施の形態となるX線平面検出器の要部の断面図である。
【図7】直接変換型のX線平面検出器及び間接変換型のX線平面検出器の要部の断面図である。
【図8】従来のX線平面検出器の要部の構造を説明するための斜視図である。
【図9】従来のX線平面検出器の要部の回路図である。
【図10】水分によりX線平面検出器のガラス支持板に反りを生ずる問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1…ガラス支持板、2…X線検出素、3…フォトコンダクタ、4…上部電極、5…防湿部材、6…外部接続用電極、7…堰部(せき部)、10…薄膜トランジスタ、11…フォトダイオード、12…X線−光変換部材、15…接着用樹脂、16…防湿用のカバーガラス、18…鉛が混入されたガラス支持板、20…接着剤、21…第2のガラス支持板、25…鉛が混入された第2のガラス支持板
Claims (3)
- 第1のガラス支持台と第2のガラス支持台を貼り合わせた基板と、
入射したX線のX線量に対応する電荷を形成するX線変換系と、
前記X線変換系で形成された電荷に基づいた画像データを出力するX線検出系とを備え、
前記X線検出系を前記第1のガラス支持台上に形成した後で前記第1のガラス支持台と前記第2のガラス支持台をシリコン系接着剤を用いて貼り合わせ、さらに前記X線検出系上に前記X線変換系を蒸着処理により形成することを特徴とするX線平面検出装置。 - 第1のガラス支持台と第2のガラス支持台を貼り合わせた基板と、
入射したX線を光に変換するX線変換系と、
前記X線変換系で変換された光の光量に応じた電荷を形成し、前記電荷に基づいた画像データを出力するX線検出系とを備え、
前記X線検出系を前記第1のガラス支持台上に形成した後で前記第1のガラス支持台と前記第2のガラス支持台をシリコン系接着剤を用いて貼り合わせ、さらに前記X線検出系上に前記X線変換系を蒸着処理により形成することを特徴とするX線平面検出装置。 - 水分の透過を抑える防湿手段を、前記X線変換系を前記X線検出系上に形成した後に該X線変換系上に設けることを特徴とする請求項1または請求項2記載のX線平面検出装置。
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