JP3696079B2 - 慣性静電閉じ込め装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加速したイオンを静電的に閉じ込め、核融合により中性子を発生する慣性静電閉じ込め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトな構造の中性子源として、慣性静電閉じ込め装置が検討されている。慣性静電閉じ込め装置としては、たとえば、"Current Trends in International Fusion Reserch, Proceedings of the Second Symposium (1999), p.177-178" に記載されているように、米国イリノイ大学で研究開発された装置は、小型の球状真空容器内に高電圧の球状かご型電極を備えた簡単な構成になっている。この装置は真空容器壁を陽極(接地電位)、中心のかご型電極を陰極とし、陰極に−65kVの高電圧が印加できる構成になっている。陰極は1個の電流導入端子により、真空容器壁に固定されている。電流導入端子は、大気側および真空側で十分な高電圧に耐えるだけの耐電圧性能と真空容器の一部としての気密性を持っている。ガス供給系と真空ポンプにより真空容器内のガス圧が調整されている。この装置では、陽極と陰極の間に印加した高電圧により、この陰極・陽極間の空間でグロー放電を形成するとともに、グロー放電により生成されたイオンを同じ陰極・陽極間の空間で加速する。加速されたイオンはかご型の陰極を通り抜け、その後減速されながら反対側の陽極近傍まで進みそこで反転し、再度、陽極・陰極間で加速され...と、一部軌道を変えながら何度か往復運動をする。このように静電的に閉じ込められたイオンは、装置の構成上、球状かご型陰極の中心付近でその密度が最大になる。ガス種に重水素(D)や三重水素(T)を用いると、これらのイオン同士やイオンと中性ガスとの衝突の際に核融合(D−D反応またはD−T反応)がおこり、中性子が発生する。核融合反応の大部分は閉じ込めによりイオンの密度が高くなる球状かご型陰極の中心でおこる。
【0003】
また、例えば、"18th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering, Oct. 25-29, 1999, OA1-3" において、LANLが発表した装置では、直径約300mmの小型の球状真空容器内に備えた同心球状の陽極(外側)と陰極(内側)の間に75kVの高電圧を印加し、陽極外部で生成された低エネルギーのイオンを陽極・陰極間で加速する構成になっている。この装置では外側の球状陽極(接地電位)と球状真空容器壁(接地電位)の間にさらにかご型の球状電極(1kV以下の正電位を印加)を設け、真空容器壁と陽極の間の空間でグロー放電を形成し、これにより低エネルギーのイオンを生成している。さらにこのグロー放電を安定に形成するための手段として真空容器壁に6個の電子銃を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
加速されたイオンの衝突により核融合をおこし中性子を発生する反応断面積は、イオンの加速エネルギーに依存し、D−D反応、D−T反応いずれの場合も100keV程度までは比例以上の関係で増加する。特に反応断面積が他より大きなD−T反応では100keVを少し超えたあたりにピークを有している。したがって、中性子の発生数を増やす一つの有効な方法は、陰極・陽極間に100kV程度の高電圧を安定して印加できるようにすることである。
【0005】
しかしながら、上述の従来技術においては、陽極(低電圧:ここでは接地電位)と陰極(負極性高電圧)との間に印加される高電圧は設計仕様で65kV〜75kV、実験値で40kV〜60kVにとどまっており、十分な中性子が発生できないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、陰極・陽極間に中性子の発生に有効な100kV級の高電圧を安定して印加できる慣性静電閉じ込め装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、真空容器内に配置された球状陽極と、この球状陽極の内周側に同心的に配置されたかご型球状陰極と、上記球状陽極の外部の空間に設けられたプラズマ室と、上記陽極・陰極間に高電圧を印加する高電圧電源を有する慣性静電閉じ込め装置において、上記陽極と上記陰極の間の空間に同心的に配置されたかご型球状中間電極と、この中間電極に所定の高電圧の電位を与える高電圧印加手段を備えるようにしたものである。
かかる構成により、陰極・陽極間に中性子の発生に有効な100kV級の高電圧を安定して印加し得るものとなる。
【0008】
(2)上記(1)において、好ましくは、上記高電圧印加手段は、上記中間電極がない場合の中間電極の位置の電位の大きさ(絶対値)よりも大きい電位を上記中間電極に印加するようにしたものである。
【0009】
(3)上記(1)において、好ましくは、上記陰極及び中間電極に電位を与える電流導入端子は、互いに同軸状の絶縁体と導電体とで構成するようにしたものである。
【0010】
(4)上記(1)において、好ましくは、上記陰極及び中間電極に電位を与える電流導入端子は、上記球状陽極およびかご型球状陰極の中心に対して互いに対向する位置に配置するようにしたものである。
【0011】
(5)上記(1)において、好ましくは、上記陰極に電位を与える上記電源と上記中間電極に電位を与える上記高電圧印加手段は、1個の高電圧電源と抵抗分圧器から構成するようにしたものである。
【0012】
(6)上記(1)において、好ましくは、上記陰極に電位を与える上記電源と上記中間電極に電位を与える上記高電圧印加手段は、絶縁変圧器と、その2次側に接続される複数個の電源を出力側で直列接続するようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を用いて、本発明の第1の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の構成について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による慣性静電閉じ込め装置の全体構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の全体構成を示す断面図である。
【0014】
慣性静電閉じ込め装置1は、球状の真空容器2内に、大半径Raの球状陽極3と、この陽極3と同心で小半径Rkのかご型球状陰極4とを備えている。陽極3には、イオンを引き出すための複数の開口部3a,3b,…,3fが設けられている。さらに、本実施形態においては、陽極3と陰極4の間の空間に、陽極3および陰極4と同心で、陽極3の半径Raより小さく、陰極4の半径Rkより大きい半径Rmをもつ1個のかご型球状中間電極5を備えている。ここで、陰極4や中間電極5の形状である「かご型球状」とは、具体的には、金属ワイヤや金属パイプあるいは金属板をリング状に整形したものを数本組み合わせて外形がほぼ球状のかごを形成するようにしたものである。特に、陰極4には、高融点材のタンタルやタングステンを用いている。なお、陽極3,陰極4,中間電極5は、同心状に配置されているものとしているが、各球状電極の中心は、少し(例えば、10%程度)ずれていても良いものである。このように、少しずれたものも含めて、陽極3,陰極4,中間電極5は、同心的に配置されていると称するとともに、以下の各実施形態についても同様である。また、各電極の形状は、球状に限らず、楕円体形状でもよいものである。
【0015】
さらに、真空容器2の壁を貫通するように、同軸状の高電圧電流導入端子6を備えている。導入端子6は、直線状中心導体60の外側に設けられたアルミナセラミック等の円筒状絶縁体62と、絶縁体62の外側に設けられた銅またはステンレス鋼等の円筒状導体61と、導体61の外側に設けられた円筒状絶縁体63とが同軸状に構成されたものである。導入端子6は、大気―真空容器間の気密を保つとともに、陰極4や中間電極5を構造的に支持し、陰極4や中間電極5に独立に電位を与えることができる。すなわち、導入端子6の構成においては、陽極3,陰極4,中間電極5は、互いに電気的に絶縁され得る。
【0016】
真空容器2の外部には、2個の高電圧電源7,8が備えられている。高電圧電源7,8のそれぞれの出力端子7k,8mは、同軸状導入端子6の接続端子6k,6mにそれぞれ接続され、陰極4および中間電極5に所定の電位を与えている。導入端子6の絶縁体の大気側の外面は、沿面の耐電圧をあげるために、図示は省略しているが、ひだ状に構成されている。
【0017】
また、真空容器2の内部の空間で陽極3の外側の空間には、プラズマ室10を設けている。プラズマ室10にはフィラメント11を配置し、これを外部の電源12により加熱し、熱電子を発生させている。さらに、プラズマ室10には、かご型の球状電極13を配置し、抵抗14を介して電源15に接続している。
【0018】
核融合反応に必要な重水素等の原料ガスは、外部のガスボンベ20およびバルブ21等のガス流量調整手段からなるガス供給系により、プラズマ室10を経て真空容器2の内部に導入し、真空容器2に連通する真空ポンプ22により排気する。これらのガス供給系およびガス排気系を適切に設定することにより、真空容器内のガス圧を所要の値に設定する。
【0019】
次に、図2を用いて、本実施形態による慣性静電閉じ込め装置における真空容器内部の電位分布について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態による慣性静電閉じ込め装置における真空容器内部の電位分布の説明図である。
【0020】
本実施形態による慣性静電閉じ込め装置1において、陽極3を接地電位とし、陰極4に負極性の高電圧、たとえば−100kVを印加する。中間電極5には、絶縁耐圧の範囲内で任意の高電圧を印加することができるが、本実施形態では−50kVを印加している。
【0021】
真空容器2の内部全体が、理想的な真空状態,すなわちガスが存在せず、したがってプラズマも存在しない場合、陰極・陽極間の電位分布は、図2の実線Aのようになる。一方、比較のために、同一条件で中間電極がない場合の陰極・陽極間の電位分布は、図2の一点鎖線Bのようになる。
【0022】
中間電極がない場合には、一点鎖線Bに示すように、電位の傾き,すなわち、電界強度(絶対値)は、外側の陽極部(R=Ra)でもっとも小さく、球の中心部の陰極に近づくにつれ次第に強くなり、陰極部(R=Rk)で最大となる。従って、陽極・陰極間に100kVの高電圧を印加すると、陰極部の電界強度が大きく成りすぎるため、絶縁破壊を生じることとなり、あまり高電圧を印加することができないものである。
【0023】
ここで、中間電極6に印加する電圧は、次のようにしている。即ち、一点鎖線Bで示す中間電極が無い場合、球中心からの距離Rm(実線Aにおける中間電極6の位置)での電位は−20kVである。そこで、本実施形態では、陽極3に対する中間電極6の電位の大きさ(絶対値:50kV)が、他は同一条件で中間電極6がない場合のその位置での電位の大きさ(絶対値:20kV)よりも大きくなるように設定している。ちなみに、図2において、球中心からの距離Rm’(Rk<Rm’<Rm)に中間電極6を配置し、−50kVを印加すれば、曲線Aは曲線Bと一致するようになる。図2から明らかなように、本実施形態(実線A)では陰極近傍での電界強度は、中間電極がない場合(一点鎖線B)も小さくなる。したがって、本実施形態では、陰極4の近傍における絶縁破壊がおこりにくく、十分な高電圧(−100kV)を、陰極に安定して印加することができる。
【0024】
プラズマ室10で生成されたイオンは、陽極3に設けられた複数の開口部3a,…,3fを通って加速空間(陽極3−中間電極5−陰極4)へ引き出され、加速された後、陽極・陰極間で往復運動(加速または減速)を繰り返しながら互いに衝突し、核融合反応をおこし中性子を発生する。本実施形態(実線A)では陽極付近での電界強度が、中間電極がない場合(一点鎖線B)に比べて強くなるので、プラズマ室10からのイオンの引き出しが容易になる。
【0025】
ここで、図3を用いて、重水素エネルギーと核融合反応断面積の関係について説明する。
図3は、重水素エネルギーと核融合反応断面積の関係の説明図である。
【0026】
図3において、横軸は重水素エネルギー(keV)を示し、縦軸は核融合反応断面積(barns)を示している。加速されたイオンの衝突により核融合をおこし中性子を発生する反応断面積は、イオンの加速エネルギーに依存し、D−D反応、D−T反応いずれの場合も100keV程度までは比例以上の関係で増加する。特に反応断面積が他より大きなD−T反応では100keVを少し超えたあたりにピークを有している。したがって、陰極・陽極間に100kV程度の高電圧を安定して印加できれば、中性子の発生数を増やすことができる。
【0027】
本実施形態によれば、加速電圧が−100kV程度まで安定して印加できるので、従来装置に比べ、中性子の発生が飛躍的に増大することができる。
【0028】
次に、図4を用いて、本発明の第2の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の構成について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の要部の構成を示す断面図である。なお、図1と同一符号は同一部分を示している。また、図1に示した真空容器2や、プラズマ室10,フィラメント11,かご型の球状電極13,抵抗14,電源15,ガスボンベ20,バルブ21,真空ポンプ22については、同一の構成を備えているものであるが、ここでは、図示を省略している。
【0029】
本実施形態では、分圧用抵抗70,80を備えている。高電圧電源7から供給される高電圧は、抵抗70,80によって抵抗分圧され、陰極4には端子6kから、例えば,−100kVが印加され、中間電極5には端子8mから、例えば,−50kVが印可される。
【0030】
各分圧抵抗70,80は、分担すべき高電圧に十分耐えるとともに、抵抗への分流電流がビーム電流に比べ十分低くなるように設定されている。たとえば、100mAのビーム電流に対しては、50kVの分担電圧に対して1mA以下の漏れ電流になるように、抵抗値は50MΩ以上が設定されている。
【0031】
本実施形態によれば、加速電圧が−100kV程度まで安定して印加でき、中性子の発生が飛躍的に増大することができる。
また、高電圧電源を1個とすることができ、装置コストを低減することができる。
【0032】
次に、図5を用いて、本発明の第3の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の構成について説明する。
図5は、本発明の第3の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の要部の構成を示す断面図である。なお、図1と同一符号は同一部分を示している。また、図1に示した真空容器2や、プラズマ室10,フィラメント11,かご型の球状電極13,抵抗14,電源15,ガスボンベ20,バルブ21,真空ポンプ22については、同一の構成を備えているものであるが、ここでは、図示を省略している。
【0033】
本実施形態では、陰極3と陽極4の間の加速空間に、2つの中間電極5A,5Bを配置している。また、電源として、高電圧絶縁変圧器9と、30kV級電源110,120,130を備えている。第1中間電極5Bには、高電圧絶縁変圧器9と、30kV級電源110から、端子6nを介して、−30kVの電圧が印加される。第2中間電極5Aには、高電圧絶縁変圧器9と、30kV級電源120から、端子6mを介して、−60kVの電圧が印加される。陰極3には、高電圧絶縁変圧器9と、30kV級電源130から、端子6kを介して、−90kVの電圧が印加される。
【0034】
本実施形態によれば、効率的な核融合反応が起きる約90kVの高電圧の加速電圧を安定して印加でき、中性子の発生が飛躍的に増大することができる。
また、約90kVの高電圧を汎用の30kV小型電源の組合せで安定して得ることができる。30kV級電源は100kV級電源に比べ大電流化が各段に容易であるので、ビームの大電流化が容易に実現できる。
したがって、加速エネルギーとビーム電流の両面から中性子の増大を図ることができる。
【0035】
次に、図6を用いて、本発明の第4の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の構成について説明する。
図6は、本発明の第4の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の要部の構成を示す断面図である。なお、図1と同一符号は同一部分を示している。また、図1に示した真空容器2や、プラズマ室10,フィラメント11,かご型の球状電極13,抵抗14,電源15,ガスボンベ20,バルブ21,真空ポンプ22については、同一の構成を備えているものであるが、ここでは、図示を省略している。
【0036】
本実施形態では、2段の高電圧電流導入端子の円筒状絶縁体66,67が直列に配置されている。2段の絶縁物66,67の連結部6mから、中間電極5に接続される中間電極支持用円筒状導体61が同軸状に配置されている。陰極支持用中心導体60および中間電極電極支持用円筒状導体61間の絶縁は、真空ギャップの絶縁による。
【0037】
本実施形態によれば、加速電圧が−100kV程度まで安定して印加でき、中性子の発生が飛躍的に増大することができる。
また、高絶縁性の媒体である真空ギャップにより、各電極支持導体間の絶縁をとっているので、高電圧をより安定に印加できる。
【0038】
次に、図7を用いて、本発明の第5の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の構成について説明する。
図7は、本発明の第5の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の要部の構成を示す断面図である。なお、図1と同一符号は同一部分を示している。また、図1に示した真空容器2や、プラズマ室10,フィラメント11,かご型の球状電極13,抵抗14,電源15,ガスボンベ20,バルブ21,真空ポンプ22については、同一の構成を備えているものであるが、ここでは、図示を省略している。
【0039】
本実施形態では、陰極4に接続する高電圧電流導入端子600と、中間電極5に接続する高電圧電流導入端子610は、装置の中心を挟んで互いに対向する位置に配置されている。高電圧電流導入端子600と、高電圧電流導入端子610とは、独立して設けられるため、陰極への高電圧印加が安定にできる。なお、見かけ上加速空間が減少するが、導入端子が1個の場合も導入端子軸方向には1パスを超える加速の往復運動が不可能なので中性子発生に対する実質的な影響は小さいものである。
【0040】
本実施形態によれば、加速電圧が−100kV程度まで安定して印加でき、中性子の発生が飛躍的に増大することができる。
また、導入端子を対向して独立させたので、導入端子の真空側の耐電圧設計が容易になる。
【0041】
次に、図8を用いて、本発明の第6の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の構成について説明する。
図8は、本発明の第6の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の要部の構成を示す断面図である。なお、図1と同一符号は同一部分を示している。また、図1に示した真空容器2や、プラズマ室10,フィラメント11,かご型の球状電極13,抵抗14,電源15,ガスボンベ20,バルブ21,真空ポンプ22については、同一の構成を備えているものであるが、ここでは、図示を省略している。
【0042】
本実施形態では、イオンビーム加速用の中間電極5の他に、陰極4のごく近傍に別の中間電極51を配置している。中間電極51には、陰極4より絶対値がわずかに高い高電圧を印加する。その差電圧は、1〜2kV程度が好適である。具体的には、例えば、陰極4に−99kV、陰極近傍中間電極51に−100kVを印加する。本実施形態では、陰極4の近傍で発生した電子(主として陰極4から飛び出す熱電子もしくは2次電子で、そのエネルギーは1keV以下)に対して、陽極方向に減速電界を形成することができる。一般に、イオンの加速空間は逆向きの電子の加速空間であり、この空間に熱電子または2次電子が大量にはいりこむとそのまま加速されて陽極を衝撃し、不要なX線を発生することになるが、減速電界を備えることにより、陰極に電子が衝突するのを防止して、不要なX線発生を防止することができる。
【0043】
本実施形態によれば、加速電圧が−100kV程度まで安定して印加でき、中性子の発生が飛躍的に増大することができる。
また、不要なX線の発生を低減することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、陰極・陽極間に中性子の発生に有効な100kV級の高電圧を安定して印加することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による慣性静電閉じ込め装置における真空容器内部の電位分布の説明図である。
【図3】重水素エネルギーと核融合反応断面積の関係の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の要部の構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の要部の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の要部の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の要部の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第6の実施形態による慣性静電閉じ込め装置の要部の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1…慣性静電閉じ込め装置
2…真空容器
3…陽極
3a,…,3f…開口
4…陰極
5…中間電極
6…高電圧電流導入端子
6k,6m,6n…端子
7,8…高電圧電源
7k,8m…端子
9…高電圧絶縁変圧器
10…プラズマ室
11…フィラメント
12,15…電源
13…放電用電極
14…抵抗
20…ガスボンベ
21…バルブ
22…真空ポンプ
60,61,64…導体
62,63,65…絶縁体
110,120,130…高電圧電源

Claims (6)

  1. 真空容器内に配置された球状陽極と、この球状陽極の内周側に同心的に配置されたかご型球状陰極と、上記球状陽極の外部の空間に設けられたプラズマ室と、上記陽極・陰極間に高電圧を印加する高電圧電源を有する慣性静電閉じ込め装置において、
    上記陽極と上記陰極の間の空間に同心的に配置されたかご型球状中間電極と、
    この中間電極に所定の高電圧の電位を与える高電圧印加手段を備えたことを特徴とする慣性静電閉じ込め装置。
  2. 請求項1記載の慣性静電閉じ込め装置において、
    上記高電圧印加手段は、上記中間電極がない場合の中間電極の位置の電位の大きさ(絶対値)よりも大きい電位を上記中間電極に印加することを特徴とする慣性静電閉じ込め装置。
  3. 請求項1記載の慣性静電閉じ込め装置において、
    上記陰極及び中間電極に電位を与える電流導入端子は、互いに同軸状の絶縁体と導電体とで構成されることを特徴とする慣性静電閉じ込め装置。
  4. 請求項1記載の慣性静電閉じ込め装置において、
    上記陰極及び中間電極に電位を与える電流導入端子は、上記球状陽極およびかご型球状陰極の中心に対して互いに対向する位置に配置されたことを特徴とする慣性静電閉じ込め装置。
  5. 請求項1記載の慣性静電閉じ込め装置において、
    上記陰極に電位を与える上記電源と上記中間電極に電位を与える上記高電圧印加手段は、1個の高電圧電源と抵抗分圧器から構成されることを特徴とする慣性静電閉じ込め装置。
  6. 請求項1記載の慣性静電閉じ込め装置において、
    上記陰極に電位を与える上記電源と上記中間電極に電位を与える上記高電圧印加手段は、絶縁変圧器と、その2次側に接続される複数個の電源を出力側で直列接続したものであることを特徴とする慣性静電閉じ込め装置。
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