JP3695925B2 - 極低温用高Mnステンレス鋼材の狭開先MIG溶接方法および極低温靱性に優れた溶接構造物 - Google Patents

極低温用高Mnステンレス鋼材の狭開先MIG溶接方法および極低温靱性に優れた溶接構造物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接金属に高温割れ、溶込み不良および融合不良等の重欠陥が発生しない狭開先溶接継手において、4Kでの0.2%耐力が1000N/mm2 以上であり、且つ破壊靱性値KICが140MPa・√m以上である溶着金属を得ることのできるMIG溶接方法、およびこうした溶接方法によって得られ、上記の様な溶着金属特性を具備する溶接構造物等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、大型超電導マグネットを利用した磁気流体発電(MHD発電)や核融合炉等の実用化が検討されつつある。ところで、これらの超電導マグネットを支持する厚肉構造物の溶接部には、非磁性、耐銹性が優れていることに加えて、使用環境温度である4K(−269℃)での0.2%耐力が1000N/mm2 以上、破壊靱性値KICが140MPa・√m以上の強度特性を有すること、および内部品質の健全性が確保されていることが要求される。また実用化に当たっては、高能率、製作コスト低減の観点から、溶着量の少ない狭開先溶接継手を具現化し得る溶接方法が必要とされている。
【0003】
上記の様な用途における厚肉材の溶着金属特性に関する従来技術としては、例えば「溶接学会全国大会講演概要第54集第234頁、極低温用ステンレス鋼鍛造材溶接金属の特性」(1994年4月発行)が報告されている。そしてこの報告では、のど厚が70mmの厚肉材のガスシールドアーク溶接において、高窒素ステンレス鋼、高窒素高マンガン(高N高Mn)ステンレス鋼、高窒素Ni基合金の溶接ワイヤを用いてTIG溶接したものでは、溶着金属にミクロの高温割れが発生し、使用できないことが開示されている。
【0004】
また上記報告には、溶接高温割れが認められない溶接金属として、オーステナイト中にδフェライトを5.5%含有するステンレス鋼や0.03%のNを含有するNi基合金が示されている。しかしながら、オーステナイト中にδフェライトを5.5%含有するステンレス鋼は破壊靱性値KICが低く、必要とされる140MPa・√m以上のレベルを達成することができず、また磁性が発在するので実用化できないという問題がある。また0.03%のNを含有するNi基合金では耐力が低く、必要とされる1000N/mm2 以上のレベルを達成することができないばかりか、Ni基合金が極めて高価であり、この点からしても実用化に不利である。しかも上記溶接施工方法では、開先角度が8.5°程度と広いので溶着金属量が多くなり、厚肉構造物への適用性に乏しいという欠点もある。
【0005】
溶接方法としては、上記したTIG溶接以外に、例えば特公平3−193271号に開示される様な技術も知られている。この技術は、極低温用高Mn非磁性鋼のMIG溶接方法に関するものであり、主としてブローホールによる内部欠陥、溶接部表面の酸化度について改善したものであるが、実施例での適用板厚も40mm以下と薄く、且つ溶着金属の機械的性質においても上記要求特性を保証し得るものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した事情に着目してなされたものであって、その目的は、溶接施工効率をより向上させるために狭開先とし、且つTIG溶接に比べてより迅速な溶着が可能なMIG溶接法に関して、厚肉材で溶接金属に高温割れ等の欠陥が発生することなく、しかも4Kでの0.2%耐力が1000N/mm2 以上で、且つ破壊靱性値KICが140MPa・√m以上である溶着金属を得ることのできるMIG溶接方法、およびこうした溶接方法によって得られ、上記の様な溶着金属特性を具備する溶接構造物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明の溶接方法とは、高Mnステンレス鋼材を、Nを0.10〜0.28質量%含有し、Mnを18〜30質量%含有するステンレス鋼溶接ワイヤを用いて狭開先MIG溶接によって溶接するに当たり、Niを6〜8質量%含有すると共に、Pb:0.0005質量%以下およびO:0.005質量%以下に夫々抑制した高N高Mnステンレス鋼溶接ワイヤを使用し、且つ下記(A)〜(C)の溶接条件を満足する様にして操業する点に要旨を有する極低温用高Mnステンレス鋼材の狭開先MIG溶接方法である。
(A)センターガスノズルを有する多重シールド構造の溶接トーチを適用する。
(B)溶接ワイヤ周囲のセンターガスとして、Heを20容量%以上およびO2 を0.5〜2容量%含むArガスを使用し、アークおよび溶融金属表面をシールドする。
(C)開先端部での端止め時間を有するオシレーションを行い、平均入熱量を20KJ/cm以上とする。
【0008】
上記本発明方法においては、溶接中にアーク電流にパルス制御を加えることも有効であり、こうした要件を付加することによって、融合不良を回避してより健全な溶着金属を得ることができる。
【0009】
上記の様な構成を有する溶接方法を適用することによって、4Kでの0.2%耐力が1000N/mm2 以上であり、且つ破壊靱性値KICが140MPa・√m以上である狭開先溶接部を有する溶接構造物が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するという観点から、溶接ワイヤや溶接条件について様々な角度から検討した。その結果、上記の構成を採用すれば従来の問題を発生させることなく、また真空チャンバを必要とする電子ビーム溶接の様な寸法制約にとらわれることなく、しかも省エネルギー、低コスト化といった実用上での課題をも解決し得る溶接方法が実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明では上記の様に、高N高Mn系ステンレス鋼溶接用ワイヤを使用する必要があるが、この溶接ワイヤにおけるNi,Nb,O等の化学成分限定理由について説明する。
【0012】
Ni:6〜8質量%
本発明方法で用いる溶接ワイヤでは、Niを6〜8質量%含有させる必要があるが、このNiはオーステナイト組織を安定化させて4Kでの靱性向上に不可欠の元素である。また本発明ではMIG溶接のシールドガスに混合されるO2 が溶着金属に入り易く、基地の靱性を劣化させるので、この靱性劣化礎を補償する為にも、Niの含有量を6質量%以上とする必要がある。しかしながら、Niの含有量が8質量%を超えると、溶着金属に高温割れが発生すると共に、溶接時の溶融金属の粘度が増加して湯流れが悪くなり、狭開先溶接においては、溶け込み不良や融合不良を発生し易くなる。尚Ni含有量の好ましい下限は6.5質量%であり、好ましい上限は7.5質量%である。
【0013】
Pb:0.0005質量%以下
Pbは、溶融金属の凝固過程でデンドライト粒界に偏析し、その強度および延性をマトリックスよりも低位なものとする不純物であり、その含有量が多くなると高温割れを引き起こすことになる。Pb含有量が0.0005質量%以下であれば、こうした不都合を回避できるので、本発明で用いる溶接用ワイヤ中のPbは、0.0005質量%以下に抑制する必要があり、好ましくは0.0003質量%以下とするのが良い。
【0014】
O:0.005質量%以下
Oは溶接ワイヤおよびシールドガスから溶着金属に入り込み、固溶酸素、非金属介在物およびブローホールとして残留する。また溶接ワイヤ中のO含有量が0.005質量%を超えると、得られる溶着金属中のO含有量が0.005質量%よりも多くなり、4Kでの要求靱性を満足させることが困難になるばかりか、スラグ巻き込み、融合不良等の溶接欠陥をも発生させることになる。こうした観点から、溶接ワイヤ中のO含有量は0.005%以下に抑制する必要があり、好ましくは0.0035質量%以下にするのが良い。
【0015】
尚本発明で用いる溶接ワイヤにおける上記Ni,Pb,O量の限定による効果を発揮させる為には、本発明で用いる溶接ワイヤ(および溶着金属)の基本組成として高N高Mnステンレス鋼とする必要がある。この様なステンレス鋼としては、N:0.10〜0.28質量%、Mn:18〜30質量%を夫々含有する高N高Mnステンレス鋼が推奨されるが、その理由は下記の通りである。
【0016】
N:0.10〜0.28質量%
Nはオーステナイト組織の安定化と、4Kでの低温靱性の向上に有効な元素である。こうした効果を発揮させる為には、その含有量は0.10質量%以上とすることが好ましい。しかしながら、0.28質量%を超えて多量に含有させると耐溶接高温割れ性に乏しくなる。こうしたことから、Nの含有量は0.10〜0.28質量%にすることが好ましい。尚N含有量のより好ましい範囲は、0.15〜0.25質量%程度である。
【0017】
Mn:18〜30質量%
Mnは耐溶接高温割れ性に悪影響を与えるNiに代替えできるオーステナイト形成元素として作用し、4Kでの低温靱性の向上に不可欠な元素である。またNの固溶限を増大させて、オーステナイト組織の安定化に寄与する。これらの効果を発揮させる為には、Mnの含有量は18質量%以上とすることが好ましい。一方、Mnの含有量が30質量%を超えて過剰になると、溶接ワイヤの伸線に際して、熱間加工性を劣化させて歩留りを低下させ、コスト上昇を招くことになる。こうしたことから、Mnの含有量は18〜30質量%であることが好ましい。尚Mn含有量のより好ましい範囲は、20〜25質量%程度である。
【0018】
本発明は、上記の様な高N高Mn系ステンレス鋼溶接ワイヤを用いた狭開先のMIG溶接方法であるが、本発明方法を実施するには下記(A)〜(C)の3つの条件を満足させる必要がある。次に、これらの条件における限定理由について説明する。
(A)センターガスノズルを有する多重シールド構造の溶接トーチを適用する。
(B)溶接ワイヤ周囲のセンターガスとして、Heを20容量%以上およびO2 を0.5〜2容量%含むArガスを使用し、アークおよび溶融金属表面をシールドする。
(C)開先端部での端止め時間を有するオシレーションを行い、平均入熱量を20KJ/cm以上とする。
【0019】
まず溶接トーチの構造については[上記(A)の条件]、単層シールド構造のものでは溶融金属へのシールド性に劣り、健全な内部品質および高位な材質特性を具備した溶接金属を得ることができなくなる。従って、本発明方法で採用する溶接トーチの構造は、センターガスノズルを有する多重構造の溶接トーチとする必要がある。尚本トーチの形状としては、狭開先におけるアークの安定性および開先端部での溶融性確保の点から長尺矩形ノズルであることが好ましい。
【0020】
次に、センターガス(イナートガス)の種類としては[上記(B)の条件]、Ar単独(或は、20容量%未満のHeを混合したAr+He混合ガス)では、アークエネルギーの集中性およびアークの広がりが不足するので、狭開先溶接においては開先端部で溶込み不良を引き起こすことになる。こうしたことから、アーク柱の電位傾度を上昇させて、アークエネルギーの増加に有効なHeを、20容量%以上含有させることが必要である。
【0021】
2 の添加は、MIG溶接におけるアーク安定化に寄与する効果があり、その為にセンターガス中に0.5容量%以上のO2 を含有させる必要がある。しかしながら、O2 の含有量が2容量%を超えて過剰になると、溶融金属が過剰に酸化されてスラグ巻込みや融合不良が発生し易くなると共に、ビード表面の酸化度合も増大する。
【0022】
尚MIG溶接では、直流、電極プラス(DC EP)の場合には、直流、電極マイナス(DC EN)の場合に比べて溶込みが深くなり、狭開先溶接には有利となるのであるが、シールドガスがAr単独のときに直流、電極プラスの条件でMIG溶接するとアークが不安定になり、溶込み不良や融合不良を発生し易くなる。従って、センターガス中にHeやO2 を混合することは、直流、電極プラスの条件を採用した場合の上記不都合を回避するという観点からも有効である。
【0023】
上記混合ガス(センターガス)には、必要によってH2 を添加することも有効である。このH2 は厚肉化、狭開先化の進行に応じて熱的ピンチ効果でアークを集束させ、溶け込み深さの増大に有効である。こうしたH2 による効果を発揮させるためには、その混合量を2容量%以上とするのが良く、それより少なくなると上記した効果が有効に発揮されなくなる。しかしながら、H2 の混合量が15容量%を超えて過剰になると、却ってブローホールが発生し易くなる。こうしたことから、センターガス中にH2 を混合させる場合には、その混合量は2〜15容量%とすることが好ましい。
【0024】
狭開先の場合には溶融金属のプール熱で開先を溶込ませる必要があるので、オシレーションでの開先端止め時間が0秒では溶込み不足を生じることになる。従って、オシレーションでの開先端止め時間は、少なくとも0秒を超える時間(例えば、両側の合計で2〜3秒)とする必要がある。また平均入熱量については、MIG溶接の場合には、20KJ/cm未満になると、狭開先ではアークエネルギーの集中性および母材の溶融断面積が不足して溶込み不良が発生することになる。従って、平均入熱量は20KJ/cm以上とする必要がある[以上、上記(B)の条件]。
【0025】
本発明の溶接方法を実施するに当たり、厚肉化および狭開先の進行に合わせて、溶接中にアーク電流にパルス制御を加えることが好ましく、この要件は開先端部での深溶け込みおよび安定した溶滴移行を実現し、融合不良を回避してより健全な溶着金属を得るという観点から有用である。
【0026】
上記の様に本発明では、極低温用高Mnステンレス鋼の厚肉鋼材に狭開先のMIG溶接を施して、溶接構造物を制作するに当たり、大入熱でも溶接高温割れを起こさず、且つ健全な溶込みを確保した上で、溶接部に必要とされる極低温での高強度および高靱性を達成する為には、
(i) 高N高Mnステンレス鋼溶接ワイヤから形成される溶接金属において、 オーステナイト安定化元素であると共に、溶融金属の湯流れ性を阻害する Niを6〜8質量%に限定する、
および
(ii)狭開先のMIG溶接において、下記(1) 〜(3) の要件を満足させること、
(1) センターガスノズルを有する多重ガスシールド溶接トーチを用いて、センターガスにAr+Heガスの多元ガスを採用し、必要によりH2 を混合してアークエネルギーの集中性およびアークの広がりの増大を図る、
(2) 開先端部での溶込みを図る為に端止めの時間を有するオシレーションを採用する、
(3) 開先端部での深溶込みおよび安定した溶滴移行を実現する為に、必要に応じてアーク電流にパルス制御を加える、
等の方策を講じることが有効であることを明らかにしたものである。
【0027】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0028】
【実施例】
被溶接母材としては、下記表1に示す化学成分からなる板厚110mmの極低温用高Mnステンレス鋼を用いた。また溶接ワイヤとして、下記表2に示す各種化学成分を有する1.2mmφのものを用いた。
【0029】
【表1】
Figure 0003695925
【0030】
【表2】
Figure 0003695925
【0031】
上記被溶接母材に、図1に示す様なU型開先を採り、上記溶接ワイヤを用いて下記表3,4に示す溶接条件にて突き合わせ自動MIG溶接を行った。このとき、溶接ひずみを防止する為に、四周を拘束溶接した後、本溶接を行った。
【0032】
【表3】
Figure 0003695925
【0033】
【表4】
Figure 0003695925
【0034】
MIG溶接における溶接金属の化学成分組成を表5に示す。このとき、溶接継手の溶着金属の健全性を把握する為に、JIS Z 3106に規定された放射透過試験を行ない、判定基準を1級とした。そして合格材については、4Kでの引張試験(形状:JIS14A号)を行うと共に、ASTM E813−89によるJIC試験を行い、前者については0.2%耐力、引張強さ、後者については、破壊靱性値KICを求めた。また放射透過試験での不合格品については、欠陥部を断面ミクロ観察して溶接欠陥の性状を観察した。
MIG溶接継手の溶着金属における上記試験結果を表6に示す。
【0035】
【表5】
Figure 0003695925
【0036】
【表6】
Figure 0003695925
【0037】
これらの結果から、次の様に考察できる。No.4〜7のものは、センターガス組成、オシレーションの端止め時間、平均入熱量等のいずれかの溶接条件において本発明で規定する範囲を外れる比較例であり、いずれも溶込み不良が発生し、放射透過試験での1級を満足していない。
【0038】
No.12,18のものはNiの含有量が、No.19のものは不純物としてのO量が、No.20のものは不純物としてのPb量が、夫々本発明で規定する範囲を外れる比較例であり、その結果下記の特性が劣化している。即ち、No.12,19のものは、4Kでの破壊靱性値KICが140MPa・√m以上の要求特性を満足せず、No.18,20のものでは、高温割れが発生して放射透過試験での1級を満足していない。
【0039】
これらに対し、本発明で規定する要件を満足するもの(No.1〜3,8〜11,13〜17)は、いずれも放射透過試験での1級を満足する内部品質を有すると共に、4Kでの0.2%耐力、破壊靱性値KICとも極低温用溶接構造物としての要求値を満足するものである。
【0040】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、本発明の溶接方法を極低温用高Mnステンレス鋼材の溶接に適用することによって、高温割れ、溶込み不良等の重要欠陥が発生せず、4Kで高位の0.2%耐力、破壊靱性値を具備する溶着金属を得ることができる。また本発明方法によれば、大型化する超電導マグネットコイルの支持構造体の製作に当たり、高能率の溶接施工が可能になり、コスト低減を図ることができる。こうした本発明方法は、核融合炉やMHD発電等の分野における実用化技術の発展に多いに貢献できるものと期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた開先部材の開先形状例を示す概略説明図である。
【図2】MIG溶接トーチの構造例を示す断面図である。
【図3】オシレーションおよびアーク電流への低周波パルス制御のパターン例を示す模式図である。

Claims (3)

  1. 高Mnステンレス鋼材を、Nを0.10〜0.28質量%含有し、Mnを18〜30質量%含有するステンレス鋼溶接ワイヤを用いて狭開先MIG溶接によって溶接するに当たり、Niを6〜8質量%含有すると共に、Pb:0.0005質量%以下およびO:0.005質量%以下に夫々抑制した高N高Mnステンレス鋼溶接ワイヤを使用し、且つ下記(A)〜(C)の溶接条件を満足する様にして操業することを特徴とする極低温用高Mnステンレス鋼材の狭開先MIG溶接方法。
    (A)センターガスノズルを有する多重シールド構造の溶接トーチを適用する。
    (B)溶接ワイヤ周囲のセンターガスとして、Heを20容量%以上およびO2 を0.5〜2容量%含むArガスを使用し、アークおよび溶融金属表面をシールドする。
    (C)開先端部での端止め時間を有するオシレーションを行い、平均入熱量を20KJ/cm以上とする。
  2. 溶接中にアーク電流にパルス制御を加える請求項1に記載の溶接方法。
  3. 請求項1または2に記載の溶接方法によって得られたものであり、4Kでの0.2%耐力が1000N/mm2 以上であり、且つ破壊靱性値KICが140MPa・√m以上である狭開先溶接部を有することを特徴とする溶接構造物。
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