JP3695709B2 - ３次元写真及び３次元写真の作成方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、３次元写真及び３次元写真を作成する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
本発明は、米国特許第５，３６３，１５９号に開示される従来の３次元写真に対しての改善である。従来の３次元写真を作成する方法は、例えば、人間のような被写体といった３次元面の外面に関する空間及び色データを生成し、被写体の外面に対応する凹状の表面を有するモールドを形成し、モールド内に中空の透明プラスチックシェルを成形し、シェルの内面に写真感光材料を塗布し、写真感光材料を露光し、写真感光材料上にカラー画像を形成し、それをシェルの透明材料を介し表示することを含む。この方法において、モールドの形成は困難であり、従って、従来の３次元写真を形成するには費用がかかった。更に、上述の従来の３次元写真はあまり実物そっくりではない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、あまり費用のかからない３次元写真を提供することを目的とする。
【０００４】
本発明は更に、モールド成形ステップを必要とせず、従って、作成費があまりかからない３次元写真を作成する方法を提供することを目的とする。
【０００５】
本発明は更に、実物そっくりの３次元写真を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の１つの面によると、３次元写真を作成する方法は、３次元座標系を設定し、続いて、３次元座標系内に３次元空間画像を生成するステップと、３次元空間画像を複数のピクセルに分割し、続いて、ピクセルの空間データ及び色データをメモリに格納するステップと、３次元空間画像を、座標系の１つの座標に対応する方向に沿って複数の画像層に分割するステップと、複数の透明プレートを準備し、各画像層におけるピクセルに対応する位置において、メモリ内の空間データ及び色データに基づいて、各プレートの側面を着色するステップと、透明プレートを組合せ、写真を作成するステップとを含む。透明プレートの各隣接対は、透明プレートの屈折率と同一の屈折率を有する材料から形成される透明接着層により相互接続され、透明プレートの組立体は、透明保護層により被覆されることが好適である。
【０００７】
本発明の更なる面では、３次元写真は、複数の組合わせられた透明プレートを含む。各透明プレートは、第１の側面と第２の側面を有する。透明プレートの各隣接対のうちの１つの第１の側面は、別の透明プレートの隣接対の第２の側面に接触する。透明プレートの第１の側面は着色されて３次元画像が形成される。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例を読むことにより明らかとなろう。
【０００９】
図１乃至４を参照するに、本発明の円筒状の３次元写真１の第１の好適な実施例を作成する方法は、（１）図１及び図２に示すように、第１の３次元座標系１´を設定し、続いて、周知の３次元写真技術によって、３次元座標系１´内に３次元空間画像９を生成するステップと、（２）図１に示すように、３次元空間画像９を複数のピクセル９０に分割し、続いて、ピクセル９０の空間データ及び色データをメモリに格納するステップと、（３）図２に示すように、上記３次元空間画像を、座標系１´の１つの座標に対応する方向に沿って均一の厚さを有する複数の画像層１１に分割するステップと、（４）図３に示すように、均一な厚さを有する複数の円形透明プレート１２を準備し、各プレートは第１の平らな側面即ち上面と、第２の平らな側面即ち底面を有し、各画像層１１におけるピクセル９０に対応する位置１２２において、メモリ内の空間データ及び色データに基づいて、各プレート１２の上面を着色するステップと、（５）図３に示すように、プレート１２の各隣接対の上面が別のプレート１２の隣接対の底面に接触するよう上記透明プレート１２を組合せ、それにより、写真１を形成するステップとを含む。
【００１０】
透明プレート１２を着色するには、レーザビームを照射することにより透明プレート１２の上面の位置１２２に、複数の半球状のキャビティを形成し、これらのキャビティに、メモリ内の色データに基づいて着色剤を充填する。各半球状のキャビティは、各ピクセル９０のクロミナンスに依存する深さを有する。或いは、透明プレート１２の上面は、メモリが内蔵されるコンピュータに電気的に接続されるプリンタにより着色することが可能である。
【００１１】
透明プレート１２の上面における位置１２２に半球状のキャビティが形成される場合、透明プレート１２の各底面にも、位置１２２に対応する位置において複数の半球状のキャビティが形成され、それにより、透明プレート１２の各隣接対の間には密閉される球状のチャンバが画成され、着色剤が密閉チャンバ内に充填されることを可能にする。
【００１２】
座標系１´では、各ピクセル９０は、３つの座標（ｒ，θ，ｚ）を有する。画像９は、座標系１´のＺ軸に沿って層１１に分割される。図３及び４に示すように、ステップ（５）は、透明プレート１２を、座標系１´のＺ軸に沿って重ねるサブステップと、透明プレート１２の屈折率と同一の屈折率を有する材料から形成される透明接着層１３により透明プレート１２の各隣接対を相互接続するサブステップを含む。透明プレート１２の組立体は、着色されていない一番上の透明プレート１２と、着色されていない一番下の透明プレート１２を含み、透明プレート１２の屈折率と同一の屈折率を有する材料から形成される透明保護層１４（図４Ａ参照）により被覆されることが好適である。
【００１３】
図５は、本発明の３次元写真２の第２の好適な実施例を示し、この実施例は、矩形のプリズムとして形付けされ、図３に示す実施例とその構成において、透明プレート２２が矩形であることを除いて同様である。Ｘ、Ｙ、及びＺ軸を有する第２の３次元座標系２´が、第１の３次元座標系１´（図２参照）の代わりに使用される。
【００１４】
図６は、本発明の３次元写真３の第３の好適な実施例を示す。上述した２つの実施例とは異なり、透明プレート３３は弾力があり、一体に形成され、被膜ロールを形成するようスパイラル路に沿って延在し、着色される内面と着色されない外面とを有する。透明プレート３３の各隣接対は矩形であり、互いに一体となるよう形成される２つの隣接する側部をそれぞれ有する。このようにして、プレート３３は組合わせられ、被膜ロールが形成される。第３の好適な実施例を作成する際に、３次元空間画像は、第３の３次元座標系３´の半径方向に沿って複数の層に分割され、各層において各ピクセルは３つの座標（ｒ，θ，ｚ）を有する。透明プレート３３は均一な厚さΔｒを有する。
【００１５】
本発明を上記したように説明したが、本発明の範囲及び目的から逸脱することなく多くの変更及び変形が可能であることは明らかである。従って、本発明は、特許請求の範囲によって制限される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の３次元写真の第１の好適な実施例を作成する方法の際に、コンピュータ内において被写体の空間画像が複数のピクセルに分割される様子を示す図である。
【図２】第１の好適な実施例の作成方法の際に、３つの座標（ｒ，θ，ｚ）を有する第１の３次元座標系のＺ軸に沿って、空間画像が複数の層に分割される様子を示す図である。
【図３】第１の好適な実施例の作成方法の際に、透明プレート垂直スタックの各透明プレートの上面に複数の半球状のキャビティが形成される様子を示す図である。
【図４】 第１の好適な実施例の作成方法の際に、透明接着層により透明プレートの各隣接対が相互接続される様子を示す図である。
【図４Ａ】第１の好適な実施例を示す部分断面図である。
【図５】本発明の３次元写真の第２の実施例の作成方法の際に、３つの軸（Ｘ，Ｙ，Ｚ）を有する第２の座標系のＺ軸に沿って、空間画像が複数の層に分割される様子を示す図である。
【図６】本発明の３次元写真の第３の実施例の作成方法の際に、３つの座標（ｒ，θ，ｚ）を有する第３の３次元座標系の半径方向に沿って、空間画像が複数の層に分割される様子を示す図である。
【符号の説明】
１、２、３ ３次元写真
１´、２´、３´ ３次元座標系
９ ３次元空間画像
１１ 画像層
１２、２２、３３ 透明プレート
１２２ ピクセルに対応する位置
１３ 透明接着層
１４ 透明保護層
９０ ピクセル

Claims (1)

1. 複数の組合わせられる透明プレートを含む３次元写真であって、
   各透明プレートは、第１の側面及び第２の側面を有し、
   上記透明プレートのうちの１つの上記第１の側面は、上記透明プレートの別の１つの上記第２の側面に接触し、
   上記透明プレートの上記第１の側面は、円柱座標系処理により、着色されて３次元画像が形成され、
   上記透明プレートの各隣接対は、互いに一体となるよう形成される２つの隣接する側部をそれぞれ有し、
   上記透明プレートは弾力があり、スパイラル路に沿って延在し、被膜ロールを形成する３次元写真。

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