JP3695529B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、可撓性を有する無端スリーブ状の画像転写搬送手段と、該画像転写搬送手段に像担持体が接触して並列配置され潜像形成手段により前記像担持体上に形成された潜像を現像手段により現像する複数の画像形成手段とを備え、前記各画像形成手段の現像されたトナー像を画像転写搬送手段に順次重ねて転写するように構成した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記タンデム型の画像形成装置には大別して、
各画像形成ステーションを列状に複数配置しておき、記録紙を搬送ベルトに静電吸着させ、記録紙を順次、各ステーションへ当接させて搬送しながら、ステーションと記録紙の間へ静電転写力を印加して、複数色のトナー像を記録紙へ直接転写しながら色重ねを行う紙搬送方式と、
各画像形成ステーションを列状に複数配置しておき、各ステーションへ誘電体で形成された中間転写ベルトを当接させて搬送しながら、各ステーションで形成したトナー像をステーションと中間転写ベルトの間へ静電転写力を印加して順次、1次転写させて中間転写ベルト上で色重ねを行い、さらに中間転写ベルトから記録紙へ一括して2次転写する中間転写方式と、
の2通りの方式が採用されている。
【0003】
上記紙搬送方式では記録紙を搬送ベルトへ吸着させるための手段(ローラやブラシ)と高電圧供給電源が必要であるが、中間転写方式ではこれらの手段や電源が不要であると共に、紙搬送方式では記録紙のサイズ、厚さ、種類に応じて各画像転写部へ印加する転写バイアスを厳密に制御する必要があるが、中間転写方式では、記録紙のこうした要因とは無関係に抵抗や厚さ、表面粗さが一定の中間転写ベルトに対してトナー像の1次転写を行い、その後、一括して記録紙へ2次転写を行う際にのみ転写電圧または転写電流や当接圧といった転写条件の管理を行えば良く、したがって中間転写方式には優れる点が多い。
【0004】
一方、各画像形成ステーションの配置方式で分けると、各ステーションを水平方向に配置する方式と、各ステーションを垂直方向に配置する方式があり、前者は設置面積が大きいという欠点があり、後者は装置の高さが高くなり机上への設置が困難であるという欠点を有している。
【0005】
そのために、従来、特開平11−95520号や特開平8−305115号において、各画像形成ステーションを斜め方向に配置させる方式が知られている。前者は、各画像形成ステーションに対応して露光装置を備え、後者は、各画像形成ステーションに共通に露光装置を備えたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数の像担持体に接してトナー像を順次重ねて転写し画像を形成搬送する搬送ベルトや中間転写ベルトからなる画像転写搬送手段を用いた画像形成装置においては、第1の像担持体で第1トナー像を転写する条件と、該第1トナー像の上に次の第2の像担持体で第2トナー像を転写する条件と、……第n−1トナー像の上に次の第nの像担持体で第nトナー像を転写する条件とでは、それぞれ以前に転写したトナー像の属性影響を受けて異なる場合が多い。とりわけ、各像担持体と画像転写搬送手段との接触圧力や接触形態、トナー像を転写する転写バイアスの印加形態等は、上記のように複数の像担持体に接してトナー像を順次重ねて転写する転写条件を決定付ける重要な要件である。
【0007】
一方、カラー画像形成装置では、複数の像担持体にそれぞれ異なった色のトナー像を現像し、像担持体と接触して駆動される画像転写搬送手段に各接触部でトナー像が順次重ねて転写することにより、カラー画像が形成される。この場合の複数色のトナー像の転写に求められる転写能力は色特性によって異なる場合がある。本来ならば、全ての色の転写能力を限りなく100%に高めることが望ましい。しかし、それは、各色のトナーの特性に差を有する場合が多く、自ずと限界があり、色特性に応じて像担持体から画像転写搬送手段にトナー像を転写した後の転写残りトナー量に差異が生じる場合がある。
【0008】
転写残りトナーは、順次繰り返す画像形成プロセスにおいて、混色を引き落とすので好ましくない存在であり、とりわけ濃厚な色は淡い色に比較して混色による画像への影響が大きい。例えばトナー色として、Y(イェロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の4色を用いた構成では、淡い色のYに比較して濃厚な色のKが混色による画像への影響は大きい。
【0009】
さらに、上記従来の方式においては、紙搬送ベルトにしても中間転写ベルトにしても、斜め方式に配置されたベルト面の上方に各画像形成ステーションが配置されているために、画像形成ステーションにおける現像手段からトナーがこぼれ落ちて、ベルトや他の画像形成手段を汚してしまい画質劣化が生じるという問題を有している。また、露光手段を装置本体の上方に配置せざるをえないため、装置本体の振動が大きくなり画質劣化が生じるという問題を有している。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、トナー特性の差異に応じたニップ及び接触圧を設定でき、転写効率の差異に起因して転写残りが生じ混色により画像へ影響するのを防止するものである。
【0011】
そのために本発明は、可撓性を有する無端スリーブ状の画像転写搬送手段と、該画像転写搬送手段に像担持体が接触して並列配置され潜像形成手段により前記像担持体上に形成された潜像を現像手段により現像する複数の画像形成手段とを備え、前記複数の画像形成手段は、前記像担持体を等間隔で配置して、各像担持体毎に前記画像転写搬送手段の巻き付け角度を設定して、前記各画像形成手段の現像されたトナー像を画像転写搬送手段に順次重ねて転写するように構成し、流動性の低いトナーの像担持体に対する巻き付け角度は、流動性の高いトナー像担持体に対する巻き付け角度より大きくしたことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る画像形成装置の1実施の形態を示す全体構成の模式的断面図、図2は像担持体に対する画像転写搬送手段の巻き付け角度と張力により付与される接触圧を説明するための図、図3は1次転写バイアス印加手段の構成例を示す図である。図中、1は画像形成装置、2はハウジング、3は扉体、6は露光ユニット、7は画像形成ユニット、9は転写ベルトユニット、10は給紙ユニット、11は紙搬送ユニット、15はクリーニング手段、17は像担持体、18は画像転写搬送手段、20は現像手段、21はスキャナ手段、21bは回転多面鏡、40は定着手段を示す。
【0016】
図1において、本実施形態の画像形成装置1は、ハウジング2と、ハウジング2の上部に形成された排紙トレイ2aと、ハウジング2の前面に開閉自在に装着された扉体3を有し、ハウジング2内には、露光ユニット(露光手段)6、画像形成ユニット7、画像転写搬送手段を有する転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設され、扉体3内には紙搬送ユニット11が配設されている。各ユニットは、本体に対して着脱可能な構成であり、メンテナンス時等には一体的に取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
【0017】
画像形成ユニット7は、複数(本実施形態では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イェロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)を備えている。そして、各画像形成ステーションY,M,C,Kには、それぞれ、感光ドラムからなる像担持体17と、像担持体17の周囲に配設された、コロナ帯電手段からなる帯電手段19および現像手段20を有する。これら各画像形成ステーションY,M,C,Kは、転写ベルトユニット9の下側に斜めアーチ状のラインに沿って像担持体17が上向きになるように並列配置されている。なお、各画像形成ステーションY,M,C,Kの配置順序は任意である。
【0018】
転写ベルトユニット9は、ハウジング2の下側に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ12と、駆動ローラ12の斜め上方に配設される従動ローラ13と、バックアップローラ(テンションローラ)14と、これら3本、少なくとも2本のローラ間に張架されて図示矢印方向(反時計方向X)へ循環駆動される中間転写ベルトからなる画像転写搬送手段18と、画像転写搬送手段18の表面に当接するクリーニング手段15とを備えている。従動ローラ13、バックアップローラ14および画像転写搬送手段18は、駆動ローラ12に対して図で左側に傾斜する方向に配設され、これにより画像転写搬送手段18駆動時のベルト搬送方向Xが下向きになるベルト面18aが下方に位置し、搬送方向が上向きになるベルト面18bが上方に位置するようにされている。
【0019】
したがって、各画像形成ステーションY,M,C,Kも駆動ローラ12に対して図で左側に傾斜する方向に配設されることになる。そして、像担持体17は、アーチ状のラインに沿って画像転写搬送手段18の搬送方向下向きのベルト面18aに接触され、図示矢印に示すように画像転写搬送手段18の搬送方向に回転駆動される。可撓性を有する無端スリーブ状の画像転写搬送手段18は、像担持体17に対して上側から被せるように略同一の巻き付け角度で接触させるため、像担持体17と画像転写搬送手段18との間の接触圧やニップ幅は、テンションローラ14により画像転写搬送手段18に付与される張力、像担持体17の配置間隔、巻き付け角度(アーチの曲率)などを制御することにより調整することができる。
【0020】
駆動ローラ12は、2次転写ローラ39のバックアップローラを兼ねている。駆動ローラ12の周面には、例えば厚さ3mm程度、体積抵抗率が105 Ω・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、2次転写ローラ39を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ12に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、2次転写部へ記録媒体が進入する際の衝撃が画像転写搬送手段18に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。また、駆動ローラ12は、その径を従動ローラ13、バックアップローラ14の径より小さくすることにより、2次転写後の記録紙が記録紙自身の弾性力で剥離し易くすることができる。また、従動ローラ13を後述するクリーニング手段15のバックアップローラとして兼用させている。
【0021】
なお、画像転写搬送手段18を駆動ローラ12に対して図で右側に傾斜する方向に配設し、これに対応して各画像形成ステーションY,M,C,Kも駆動ローラ12に対して図で右側に傾斜する方向に斜めアーチ状に沿って、つまり、図1と左右対象に配設してもよい。
【0022】
次に、像担持体17に対する画像転写搬送手段18の巻き付け角度と張力により付与される接触圧を説明する。例えば図2に示すように、バックアップローラ14をテンションローラとして画像転写搬送手段18に対し図示ローラの付勢力Fにより張力Pを付与すると、像担持体17に対する画像転写搬送手段18の巻き付け角度αに応じて、接触圧fは、張力Pの分力として
f=P・sinα
で求められる。この接触圧fが像担持体17と画像転写搬送手段18の下面18aとの間に付与されることになる。したがって、ローラの付勢力Fにより張力Pを調節すれば、接触圧fを調節することができ、また、像担持体17に対する画像転写搬送手段18の巻き付け角度αを調節することによっても、接触圧fを調節することができる。同時に、像担持体17に対する画像転写搬送手段18の巻き付け角度αを調節すると、ニップ幅Lも調節することができる。また、像担持体17に対してそれぞれ異なる画像転写搬送手段18の巻き付け角度αにすると、その角度に応じて異なる接触圧f及びニップ幅Lが実現できる。
【0023】
例えば張力Pは、画像転写搬送手段18の安定走行に要する所望の値に設定し、ニップ部に作用する接触圧fは、像担持体17の中心同士に設けた線のなす角度(巻き付け角度)αを調節することによって所望の値を得ることができる。可撓性を有する無端スリーブ状の画像転写搬送手段18の安定走行に要する張力Pは、その材質特性によって設定すればよいが、剛性の大きな材質では、張力Pを大きくして張架状態を安定させる必要があるが、ローラに巻き付く部分での永久歪み、クリープを残さない範囲の張力に設定することが望ましい。逆に、剛性の小さな材質では、張力を小さくしても容易に張架状態の安定化が可能になるとともに、ローラに巻き付く部分での永久歪み、クリープに対しても許容範囲が大きい。しかし、ローラに張架されて駆動される時に安定駆動される駆動力に応じた張力に設定することが望ましい。
【0024】
画像転写搬送手段の好適な素材としては、PC樹脂、PET樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等があり、当然のことながら、導電性や剛性等、または表面粗度、摩擦係数等を所望の特性に設定する目的で、対応する添加剤などを添加することもよい、また、剛性に関しては、厚さの設定によって所望の剛性に設定することもできる。
【0025】
実施例では、比較的剛性が小さくて永久歪み、クリープを残さないウレタン樹脂及びポリエーテル樹脂によって画像転写搬送手段を形成し、ローラの付勢力Fにより張力Pを40N、像担持体の巻き付け角度αを4°に設定してニップ部に作用する接触圧fを焼く2.8N(=40N×sin4°)として安定した転写条件を設定した。しかし、上記の素材を勘案すると、ローラの付勢力Fにより張力Pを10N〜100N、像担持体の巻き付け角度αを0.5°〜15°のそれぞれの組み合わせを設定すれば、所望の転写条件の設定が可能であることが確認された。
【0026】
1次転写部材16は、トナー像を順次重ねて転写して画像を形成する転写バイアス印加手段として、画像転写搬送手段の内側に接する位置に配置しているが、上記のような接触圧fの付与により、転写ニップを形成するための押圧力の付与は必要ない。単に画像転写搬送手段への通電を確保可能な手段として接すればよいので、例えば図3の16a〜16cに示すように画像転写搬送手段に接して従動回転する導電性ローラやリジッドな接触子、あるいは板バネ等の導電性弾性部材、樹脂等の繊維群によって形成した導電性ブラシ等でも構成可能になる。したがって、画像転写搬送手段との摺動抵抗が少なく、互いの寿命が向上させることができるばかりでなく、安価に構成できる。
【0027】
上記のように本実施形態の画像形成装置では、複数の像担持体17を一定のピッチ(等間隔)で並列配置し、各像担持体17に対して所定の巻き付け角度を有する姿勢で可撓性を有する無端スリーブ状の画像転写搬送手段18を接触配置して少なくとも2本のローラ12、13に張架して回転駆動し、画像転写搬送手段18には、いずれかのローラ12、13によって張力を付与して像担持体17のトナー像を順次重ねて転写する構造に構成する。このようにすると、巻き付け角度に応じて像担持体17と画像転写搬送手段18との接触部には、容易に所定のニップが形成されるとともに、その接触部の接触圧力も巻き付け角度に応じて付与される。
【0028】
本実施形態では、トナー特性の差異に応じて、また、順次重ねて転写する順番に応じて画像転写搬送手段の巻き付け角度を変えることにより、各色のトナーの特性、転写する順番にマッチングした転写条件を選択することができる。この場合、巻き付け角度を大きくすると、像担持体と画像転写搬送手段の接触部でのニップ幅が大きくなり接触圧も大きくなるので、とりわけ流動性の低いトナーの転写効率の向上には好適である。逆に、巻き付け角度を小さくすると、像担持体と画像転写搬送手段の接触部でのニップ幅が小さくなり接触圧も小さくなるので、流動性の高いトナーの転写効率の向上には好適である。
【0029】
具体的には、K(ブラック)のように濃厚な色ではカーボンや磁性粉などの顔料の量が多くて流動性が低いので、巻き付け角度を大きくしてニップ幅と接触圧を大きく設定した条件が好適である。他方、仮にY(イェロー)のような淡い色のトナーは、最悪条件として転写残りトナーが存在しても混色による画像への影響は小さくてすむ。したがって、これら並列配置の像担持体の順序を選択することにより、特定の像担持体に対する巻き付け角度を変えるだけでなく、それぞれの巻き付け角度を変えるようにしたり、中央と両端で巻き付け角度を変えたり、両端に限りそれぞれ異なる巻き付け角度に変えたりすることにより、転写効率を向上させることができる。これらのトナー特性に応じて転写条件を選択し好ましい転写を行うことにより、転写残りトナー量を格段に減少させ、像担持体の転写残りトナーをクリーニングする行程の廃止または簡略化が可能になる。
【0030】
像担持体17とそれに接触して駆動される画像転写搬送手段18において、接触部の移動周速度は双方一致しているのが好ましい状態であるが、量産形態の中では、像担持体17の外径や偏心または駆動手段の偏心等のバラツキ、画像転写搬送手段18の駆動ローラ12径、あるいは駆動手段等のバラツキによって完全に等速に設定することは現実的ではない。
【0031】
そこで、これらのバラツキを勘案したとき、像担持体17の移動速度に対して画像転写搬送手段18の移動速度が相対的に速くなったり遅くなったりしてバラツクことになり、転写諸条件を設定する上で好ましくない。むしろ、相対速度は、像担持体17に対していずれか一方にシフトした相対速度差を設けることが好ましい。しかしながら、極端な速度差を設けると、像担持体17によって搬送されるトナー像が画像転写搬送手段18に転写される時にこのトナー像の位置にズレが生じて画像乱れが発生するので、極力小さな速度差を設けることが好ましい。
【0032】
上記の内容によって生じる速度差を、複数の像担持体17に対していずれか一方にシフトした相対速度差に設定する場合に量産上からの実力及び画像乱れの限界を勘案すると、その速度差は、像担持体17の移動速度に対する画像転写搬送手段18の速度は、±(方向)3±(バラツキ)2%程度に構成することが好ましい。
【0033】
また、像担持体17の移動速度と画像転写搬送手段18の移動速度が等速の場合は、トナー像は転写バイアスの電気エネルギー作用によって転写されるが、上記の速度差を設けた場合には、電気エネルギー作用に加えて機械的なかきとり作用も付加されて転写効率が向上するので、像担持体17の転写残りトナーをクリーニングする工程を廃止または簡略化することが可能となる。
【0034】
さらに、像担持体17の移動速度と画像転写搬送手段18の移動速度に相対的な速度差を設けると、可撓性を有する画像転写搬送手段18の駆動ローラ12間または像担持体17への当接ニップ間に弛みが発生して好ましくない。そこで、像担持体17に対して画像転写搬送手段18の速度を速い方向にシフトする場合には、画像転写搬送手段18の駆動ローラ12を下流側に配置し、像担持体17に対して画像転写搬送手段18の速度を遅い方向にシフトする場合には画像転写搬送手段18の駆動ローラ12を上流側に配置して構成すると、上記弛み発生が防止可能になり、好ましい転写条件設定ができる。
【0035】
クリーニング手段15は、搬送方向下向きのベルト面18a側に設けられ、二次転写後に画像転写搬送手段18の表面に残留しているトナーを除去するクリーニングブレード15aと、回収したトナーを搬送するトナー搬送部材15bを備えている。クリーニングブレード15aは、従動ローラ13への画像転写搬送手段18の巻きかけ部において画像転写搬送手段18に当接されている。また、画像転写搬送手段18の裏面には、後述する各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体17に対向して1次転写部材16が当接され、1次転写部材16には転写バイアスが印加されている。
【0036】
露光手段6は、斜め方向に配設された画像形成ユニット7の斜め下方に形成された空間に配設されている。また、露光手段6の下部でハウジング2の底部には給紙ユニット10が配設されている。露光手段6は、全体がケースに収納され、ケースは、搬送方向下向きのベルト面の斜め下方に形成される空間に配設されている。ケースの底部には、ポリゴンミラーモータ21a、ポリゴンミラー(回転多面鏡)21bからなる単一のスキャナ手段21を水平に配設されるとともに、各色の画像信号により変調される複数のレーザ光源23からのレーザビームをポリゴンミラー21bで反射させ各像担持体上に偏向走査する光学系Bには、単一のf−θレンズ22および各色の走査光路y、m、c、kが像担持体17にそれぞれ非平行になって折り返すように複数の反射ミラー24が配設されている。
【0037】
上記構成からなる露光手段6においては、ポリゴンミラー21bから各色に対応した画像信号が、共通のデータクロック周波数に基づいて変調形成されたレーザビームで射出され、f−θレンズ22、反射ミラー24を経て、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体17に照射され、潜像が形成される。反射ミラー24を設けることにより走査光路y、m、c、kを屈曲させ、ケースの高さを低くすることが可能となり光学系のコンパクト化が可能となる。しかも、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体17への走査光路長は同一の長さになるように反射ミラー24が配置されている。このように各画像形成ユニット7に対する露光手段6のポリゴンミラー21bから像担持体17までの光路の長さ(光路長)が略同一の長さになるように構成することにより、各光路で走査された光ビームの走査幅も略同一になり、画像信号の形成にも特別な構成を必要としない。したがって、レーザ光源は、それぞれ異なる画像信号によってそれぞれ異なった色の画像に対応して変調されるにも関わらず、共通のデータクロック周波数に基づいて変調形成可能であり、共通の反射面を用いるため副走査方向の相対差から生じる色ずれを防止し、構造が簡単で安価なカラー画像形成装置を構成できる。
【0038】
また、本実施形態においては、装置下方に走査光学系を配置することにより、画像形成手段の駆動系が装置を支持するフレームへ与える振動による走査光学系の振動を最小限にすることができ、画質の劣化を防止することができる。とくに、スキャナ手段21をケースの底部に配置することにより、ポリゴンモータ21a自身がケース全体に与える振動を最小限にすることができ、画質の劣化を防止することができる。また、振動源であるポリゴンモータ21aの数を一つにすることによりケース全体に与える振動を最小限にすることができる。
【0039】
本実施形態においては、各画像ステーションY,M,C,Kが斜め方向に配設され、かつ像担持体17が斜めアーチ状のラインに沿って上向きに並列配置されて、画像転写搬送手段18の搬送方向下向きのベルト面18aに接触される関係上、トナー貯留容器26を斜め下方に傾斜して配置している。そのため、現像手段20に特別の構成を採用している。図4は図1に示す現像手段と像担持体からなる画像形成部の拡大断面図である。
【0040】
現像手段20は、図4に示すようにトナー(図のメッシュ部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30と、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接される可撓性ブレード32と、トナー供給ローラ31および像担持体17に当接するように配設される現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とから構成されている。
【0041】
像担持体17は画像転写搬送手段18の搬送方向に回転され、現像ローラ33および供給ローラ31は、図示矢印に示すように、像担持体17の回転方向とは逆方向に回転駆動され、一方、撹拌部材29は供給ローラ31の回転方向とは逆方向に回転駆動される。トナー貯留部27において撹拌部材29により撹拌、運び上げられたトナーは、仕切部材30の上面に沿ってトナー供給ローラ31に供給され、供給されたトナーは可撓性ブレード32と摺擦して供給ローラ31の表面凹凸部への機械的付着力と摩擦帯電力による付着力によって、現像ローラ33の表面に供給される。現像ローラ33に供給されたトナーは規制ブレード34により所定厚さのコーティング層に規制され、薄層化したトナー層は、像担持体17へと搬送されて現像ローラ33と像担持体17が接触して構成するニップ部及びこの近傍で像担持体17の潜像部を現像する。
【0042】
本実施形態においては、像担持体17と対向する側の現像ローラ33、トナー供給ローラ31および現像ローラ33と規制ブレード34の当接部がトナー貯留部27内のトナーに埋没しない構成としている。この構成によって、貯留トナーの減少によって現像ローラ33に対する規制ブレード34の当接圧力の変動を防ぐことができると共に、規制ブレード34によって現像ローラ33から掻き落とされた余剰トナーがトナー貯留部27へ落下するので現像ローラ33のフィルミングを防ぐことができる。
【0043】
また、供給ローラ31と現像ローラ33の当接位置下方に現像ローラ33と規制ブレード34の当接部を位置させ、供給ローラ31によって現像ローラ33へ供給されて現像ローラ33に移行しなかった余剰トナーと、規制ブレード34によって現像ローラ33から規制除去された余剰トナーを現像手段下部のトナー貯留部27へ戻す経路を設け、トナー貯留部27へ戻ったトナーは撹拌部材29によってトナー貯留部27内のトナーと撹拌され、撹拌部材29によって再度、供給ローラ31近傍のトナー導入部へ供給される。従って、余剰トナーを供給ローラ31と現像ローラ33の摺擦部や現像ローラ33と規制ブレード34の当接部に渋滞させずに下部へ落下させてトナー貯留部27のトナーと撹拌を行うので、現像手段内のトナーの劣化が徐々に進行し、現像手段の交換直後に急激な画質変化が発生することを防ぐことができる。
【0044】
さらに、現像手段20には、現像ローラ33近傍に現像ローラ露出部20aが形成されており、一方、帯電手段であるコロナ帯電手段19には、像担持体17に対向して上向き開口部19aが形成されている。このとき、現像ローラ露出部20aの下方にコロナ帯電手段19の上向き開口部19aが位置すると、現像ローラ露出部20aからトナーが重力によりこぼれ落ちて、コロナ帯電手段19の上向き開口部19aからコロナ帯電手段19内に入り込み、コロナ帯電手段19を汚してしまうという問題が生じる。
【0045】
そこで、本実施形態においては、現像手段20の現像ローラ露出部20aに対して、コロナ帯電手段19の上向き開口部19aが重ならないように、上向き開口部19aを画像転写搬送手段18側にオフセットさせるようにしている。これにより、現像ローラ露出部20aからトナーが重力によりこぼれ落ちて、上向き開口部19aからコロナ帯電手段19内に入り込み、コロナ帯電手段19を汚してしまうという問題を解消することができる。
【0046】
給紙ユニット10は、記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体を一枚ずつ給送するピックアップローラ36を備えている。紙搬送ユニット11は、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するゲートローラ対37(一方のローラはハウジング2側に設けられている)と、駆動ローラ12および画像転写搬送手段18に圧接される二次転写手段としての二次転写ローラ39と、主記録媒体搬送路38と、定着手段40と、排紙ローラ対41と、両面プリント用搬送路42を備えている。
【0047】
定着手段40は、少なくも一方にハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な定着ローラ対40aと、この定着ローラ対40aの少なくも一方側のローラを他方側に押圧付勢してシート材に2次転写された2次画像を記録媒体Pに押圧する押圧手段を有し、記録媒体に2次転写された2次画像は、定着ローラ対40aの形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。本実施形態においては、転写ベルトの搬送方向上向きのベルト面18bの斜め上方に形成される空間、換言すれば、転写ベルトに対して画像形成ステーションと反対側の空間に定着手段40を配設することが可能になり、露光手段6、画像転写搬送手段18、画像形成手段への熱伝達を低減することができ、各色の色ずれ補正動作を行う頻度を少なくすることができる。特に、露光手段6は、定着手段40から最も離れた位置にあり、走査光学系部品の熱による変位を最小限にすることができ、色ズレを防ぐことができる。
【0048】
本実施形態においては、画像転写搬送手段18を駆動ローラ12に対して傾斜する方向に配設しているため、図で右側空間に広いスペースが生じその空間に定着手段40を配設することができ、コンパクト化を実現することができると共に、定着手段40で発生する熱が、左側に位置する露光ユニット6、画像転写搬送手段18および各画像形成ステーションY,M,C,Kへ伝達されるのを防止することができる。また、画像形成ユニット7の左側下部の空間に露光ユニット6を配置することができるため、画像形成手段の駆動系がハウジング2へ与える振動による、露光ユニット6の走査光学系の振動を最小限に抑えることができ、画質の劣化を防止することができる。
【0049】
また、本実施形態においては、球形化されたトナーを用いることにより、1次転写効率を高め(略100%)、各像担持体17には、1次転写残りトナーを回収するクリーニング手段を設置していない。これにより、30mm径以下の感光体ドラムからなる各像担持体17を近接して配置することが可能となり、装置を小型化することができる。
【0050】
また、クリーニング手段を設置しないことに伴い、帯電手段としてはコロナ帯電手段19を採用している。帯電手段がローラである場合は、微量ではあるが像担持体17上に存在する1次転写残りトナーがローラ上に堆積して帯電不良が発生するが、非接触帯電手段であるコロナ帯電手段19はトナーが付着しにくく、帯電不良の発生を防ぐことができる。
【0051】
図5はスキャナ手段の上に冷却手段を配置した本発明の他の実施の形態を示す図、図6はスキャナ手段の上方に制御ユニットや電源ユニットの収納空間と共に冷却手段を配置した本発明の他の実施の形態を示す図、図7は画像転写搬送手段をシート材搬送媒体とした本発明の他の実施の形態を示す図である。
【0052】
露光装置と複数の像担持体を固定するフレームが温度変動により膨張し、露光装置と画像形成ステーションとの相対位置が変化した場合、各レーザビームが平行でないため走査線同士の相対角度に応じて走査線のピッチも変動するという問題が生じる。走査線のピッチの変動は、像担持体上の走査位置の変動となり、色によって画像位置がずれて、色ずれとなり画像品質を大きく劣化させる。
【0053】
特に、近年、画像形成装置の高速化、高解像度化に伴い、回転多面鏡の回転数が数万RPMにも及ぶ領域に達し増加する傾向にあり、回転多面鏡軸受への負担が大きくなっている。しかし、従来の装置のように回転多面鏡が斜めに配置されていると、軸受部の重力方向にのみ半径方向の力が作用し、その部分で摩擦が増大することなどにより、駆動モータ、軸受それらの近傍での発熱も大きくなる。このような発熱は当然、装置全体の温度変動を大きくして、上記色ずれによる画像劣化を招く一因にもなっている。
【0054】
そこで、上記実施形態では、ポリゴンミラーモータ21a、ポリゴンミラー21bからなる単一のスキャナ手段21を水平に配置し、さらにレーザ光源23とともに垂直方向にf−θレンズ22、反射ミラー24からなる光学系とは離れた位置に配置している。このようにポリゴンミラーモータ21a、ポリゴンミラー21bを水平配置することにより、軸受の半径方向へ作用する力をなくすことができるので、画像形成装置の高速化、高解像度化に伴って回転数が増加して軸受への負荷が大きくなっても、軸受部の発熱を低減させることができる。
【0055】
また、ポリゴンミラーモータ21aや軸受部、レーザ光源23などの発熱部から垂直方向に離すことにより、図5に示すようにスキャナ手段21の上方に送風ファンからなる冷却手段8を設け、さらに図6に示すようにスキャナ手段21の上方で露光手段6の側面上方の空間に制御ユニットや電源ユニットを配置する空間として制御部5を設け、その上方に送風ファンからなる冷却手段8を設けることにより、内部の空気を図示矢印の方向に導き、露光手段6その他の発熱部からの熱を放出させることができる。このようにすることにより、光学系の配置空間を避けて放熱させ熱的影響を低減させて、ポリゴンモータ21aの温度上昇を抑制し、画質劣化の防止とポリゴンモータ21a、軸受部の長寿命化を図ることができ、装置内の温度変動を小さくし、高画質の画像形成装置を提供することができる。
【0056】
また、上記実施形態では、中間転写ベルトを画像転写搬送手段18として像担持体17に接触させる構成としたが、図7に示す実施形態は、表面にシート材を吸着して搬送移動し、該シート材の表面にトナー像を順次重ねて転写して画像を形成搬送するシート材搬送ベルトを画像転写搬送手段18として像担持体17に接触させる構成としたものである。この場合、上記各実施形態と異なるのは、画像転写搬送手段18であるシート材搬送ベルトのベルト搬送方向が像担持体17に接触する下面で逆方向の上向きになることである。
【0057】
したがって、上記各実施の形態では、上側の像担持体17からトナー像を画像転写搬送手段18である中間転写ベルトに順次重ねて転写したが、本実施形態では、逆に下側の像担持体17からトナー像を画像転写搬送手段18であるシート材搬送ベルトの表面に吸着して搬送移動するシート材に順次重ねて転写するようになっている。
【0058】
また、この場合には、上記実施形態において、従動ローラ13をクリーニング手段15のバックアップローラとして兼用させていたが、ローラ13を駆動ローラ、ローラ12を従動ローラ、ローラ14をクリーニング手段15のバックアップローラとして兼用させている。この実施形態においても、定着手段40は画像形成部の上側に配置され、上方に放熱できるため、装置内の温度変動を小さくし、高画質の画像形成装置を提供することができる。
【0059】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
(1)図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が画像形成装置1の制御ユニットに入力されると、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体17、現像手段20の各ローラ、および画像転写搬送手段18が回転駆動される。
(2)像担持体17の外周面が帯電手段19によって一様に帯電される。
(3)各画像形成ステーションY,M,C,Kにおいて一様に帯電した像担持体17の外周面に、露光ユニット6によって各色の画像情報に応じた選択的な露光がなされ、各色用の静電潜像が形成される。
(4)それぞれの像担持体17に形成された静電潜像が現像手段20によりトナー像が現像される。
(5)画像転写搬送手段18の1次転写部材16には、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、像担持体17上に形成されたトナー像が一次転写部において画像転写搬送手段18の移動に伴って順次、画像転写搬送手段18上に重ねて転写される。
(7)この1次画像を1次転写した画像転写搬送手段18の移動に同期して、給紙カセット35に収納された記録媒体Pが、レジストローラ対37を経て2次転写ローラ39に給送される。
(8)1次転写画像は、2次転写部位で記録媒体と同期合流し、図示省略した押圧機構によって画像転写搬送手段18の駆動ローラ12に向かって押圧された2次転写ローラ39で、1次転写画像とは逆極性のバイアスが印加され、画像転写搬送手段18上に形成された1次転写画像は、同期給送された記録媒体に2次転写される。
(9)2次転写に於ける転写残りのトナーは、従動ローラ13方向へと搬送されて、このローラ13に対向して配置したクリーニング手段15によって掻き取られ、そして、画像転写搬送手段18はリフレッシュされて再び上記サイクルの繰り返しを可能にされる。
(10)記録媒体が定着手段40を通過することによって記録媒体上のトナー像が定着し、その後、記録媒体が所定の位置に向け(両面印刷でない場合には排紙トレイ2aに向け、両面印刷の場合には両面プリント用搬送路42に向け)搬送される。
【0060】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、従来公知または周知の技術を必要に応じて置換または付加することが可能である。例えば、本実施形態においては、斜めアーチ状のラインに沿って複数の像担持体17を並列配置し、これらと画像転写搬送手段18とを接触させたが、縦型のアーチ状、横型のアーチ状のラインであってもよいし、ラインは直線であってもよい。この場合にも、ポリゴンミラーモータ21aの位置は、反射ミラー24の配置により熱的に有利な位置を選択することは可能である。また、バックアップローラ14を省き、駆動ローラ12と従動ローラ13だけで画像転写搬送手段18を張架してもよい。さらに、駆動ローラ12を下方に従動ローラ13を上方に配置しているが、従動ローラ13を下方に駆動ローラ12を上方に配置するようにしてもよい。なお、本発明においては、画像転写搬送手段は、中間転写ベルト及び紙搬送ベルトを総称して定義している。
【0061】
潜像形成手段として、1つのポリゴンミラーを用いた各レーザ光源からのレーザビームを各像担持体に偏向走査する露光手段を示して説明したが、本発明は、これに限らず各像担持体に対応してポリゴンミラーを有する露光手段、LED素子あるいはEL素子をライン状に多連接配置して選択的な光照射によって潜像を形成する手段についても勿論適用可能であり、さらには走査光学系のない潜像形と同様な形の書き込み電極部を多連接配置して像担持体に摺動し、電極部に選択的に電圧印加可能にした潜像形成手段その他の潜像形成手段においても同様に適用可能であることはいうまでもない。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、可撓性を有する無端スリーブ状の画像転写搬送手段と、該画像転写搬送手段に像担持体が接触して並列配置され潜像形成手段により前記像担持体上に形成された潜像を現像手段により現像する複数の画像形成手段とを備え、前記複数の画像形成手段は、前記像担持体を等間隔で配置して、各像担持体毎に前記画像転写搬送手段の巻き付け角度を設定して、前記各画像形成手段の現像されたトナー像を画像転写搬送手段に順次重ねて転写するように構成し、流動性の低いトナーの像担持体に対する巻き付け角度は、流動性の高いトナー像担持体に対する巻き付け角度より大きくしたので、トナー特性の差異による転写効率の差異を巻き付け角度の設定によりマッチングさせてトナー特性の差異に応じたニップ及び接触圧を設定でき、転写効率の差異に起因して転写残りが生じ混色により画像へ影響するのを防止することができる。
【0066】
以上のように本発明によれば、トナー特性に応じて転写条件を選択し好ましい転写を行うができ、転写残りトナー量を格段に減少させ、像担持体の転写残りトナーをクリーニングする行程の廃止または簡略化が可能になる。しかも、転写条件を安価な構成で安定化可能にして、画質劣化を防止し、高画質の画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置の1実施の形態を示す全体構成の模式的断面図である。
【図2】 像担持体に対する画像転写搬送手段の巻き付け角度と張力により付与される接触圧を説明するための図である。
【図3】 1次転写バイアス印加手段の構成例を示す図である。
【図4】 図1に示す現像手段及び像担持体からなる画像形成部の拡大断面図である。
【図5】 スキャナ手段の上に冷却手段を配置した本発明の他の実施の形態を示す図である。
【図6】 スキャナ手段の上方に制御ユニットや電源ユニットの収納空間と共に冷却手段を配置した本発明の他の実施の形態を示す図である。
【図7】 画像転写搬送手段をシート材搬送媒体とした本発明の他の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…ハウジング、3…扉体、6…露光ユニット、7…画像形成ユニット、9…転写ベルトユニット、10…給紙ユニット、11…紙搬送ユニット、15…クリーニング手段、17…像担持体、18…画像転写搬送手段、20…現像手段、21…スキャナ手段、21b…回転多面鏡、40…定着手段

Claims (1)

  1. 可撓性を有する無端スリーブ状の画像転写搬送手段と、該画像転写搬送手段に像担持体が接触して並列配置され潜像形成手段により前記像担持体上に形成された潜像を現像手段により現像する複数の画像形成手段とを備え、前記複数の画像形成手段は、前記像担持体を等間隔で配置して、各像担持体毎に前記画像転写搬送手段の巻き付け角度を設定して、前記各画像形成手段の現像されたトナー像を画像転写搬送手段に順次重ねて転写するように構成し、流動性の低いトナーの像担持体に対する巻き付け角度は、流動性の高いトナー像担持体に対する巻き付け角度より大きくしたことを特徴とする画像形成装置。
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