JP3693865B2 - 血流計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血流の変動を検出する血流計に関し、より詳しくは、バンドで手首等に取付けられて、心臓の搏動に伴う血流の脈動を検出する血流計に関する。
【0002】
【従来の技術】
脈圧検出部を制御部及び表示部の裏側に実際上一体的に備えバンドで手首に取付けられるようにして血流の脈動を圧力変動として検出する脈搏計は、実開平5-28309号公報(実願平3-78523号)に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この脈搏計では、脈圧検出部が制御部や表示部と実際上一体に形成されていてその質量が比較的大きいので、腕を振ったりした場合、脈圧検出部がその慣性により脈圧を感じる手首の部分(例えば橈骨動脈の上の部分)からズレ易い。従って、この脈搏計では、動脈部のところの皮膚の表面から検出部がずれて脈搏を検出できなくなる虞があるだけでなく、ズレが生じる際ノイズが発生して脈搏を正確に検出できない虞もある。
【0004】
本発明は、前記した点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、血流検出部が被検出部位ないし被検出位置からずれる虞の少ない血流計を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の血流計は、前記目的を達成すべく、血流の変動を検出する血流検出部と、血流検出部を体表面に密接させるべく該体表面のまわりに巻き付けられるように構成されたバンドと、血流検出部とバンドとの間に配置され、外表面の一の部位で血流検出部に固定されると共に外表面のうち前記一の部位とは反対側の部位でバンドに固定された可撓性のズレ吸収手段であって、血流検出部に対するバンドの位置ズレを許容するものとを有する。
【0006】
本発明の血流計では、可撓性のズレ吸収手段が、血流検出部とバンドとの間に配置され、外表面のうち一の部位で血流検出部に、該一の部位とは反対の部位でバンドに固定されているから、何らかの原因で血流計の血流検出部に対してバンドが動いても、該バンドの動きが可撓性のズレ吸収手段の撓み変形によって実際上吸収され得るので、バンドの動きないし位置ズレによって血流検出部に不測の位置ズレが生じる虞が少ない。また、血流検出部を体表面に密接させるべくバンドが体の一部(例えば、手首)に巻付けられるように構成されているから、可撓性のズレ吸収手段が体表面から離れる方向の動きが規制されるので、ズレ吸収手段が該方向に自由に変形してしまって血流検出部が体表面から離れたりずれたりする虞も少ない。
【0007】
ズレ吸収手段は、該手段の外表面の一の部位に対する反対の部位の位置ズレないし動きを許容し得るように、可撓性であればよい。なお、所望ならば、変形された際元の形状に復元しようとするような弾力性を有していてもよい。但し、この弾力性は、前記一の部位に対する前記反対の部位の位置ズレを過度に禁止ないし規制するような大きいものではなく、該位置ズレを実際上自由に許容するけれども、一旦ずれた後バンドを元の位置に戻すように作用する程度のものである。
【0008】
可撓性のズレ吸収手段は、上述のような位置ズレを許容し得るように可撓性である限りどのようなものでもよく、典型的には、可撓性膜からなる袋状体(以下では、「可撓性袋状体」ともいう)や、変形された際元の形状に復元するような弾力性を有する材料の可撓性構造体からなる。
可撓性袋状体からなる場合、該袋状体は、例えば、偏平な円形の座布団状ないし円盤状の形状を有する。但し、血流検出部に対して、バンドが実際上任意の方向に動き得る限り、例えば、球に近い形状でも、平面形状が楕円形で偏平な座布団状など他の形状でもよい。また、バンドの延在方向に対して斜め方向など慣性力の影響による位置ズレが比較的生じ難い方向に対しては位置ズレ吸収能が小さいように即ち位置ズレを規制するように、平面形状がほぼ矩形で偏平な座布団状など異方性の高い形状でもよい。
【0009】
なお、袋状体は、典型的には、内部空間が密閉された袋からなる。但し、場合によっては、内部空間が密閉されている代わりに、メッシュ状(構造的に可撓性)のものでもよい。
袋状体が、密閉された内部空間を有する流密な袋からなる場合、該袋状体の変形が容易なように、袋状体の内部には、気体や液体のような流動体が封入される。流動体は、ゾル状物でもゼリー状など軟らかいゲル状物などの半固形物でもよい。また、気体と液体とはいずれか一方だけが封入されても両方が一緒に封入されてもよい。気体としては、例えば、空気のような袋に対して不活性な気体が好ましい。液体としては、例えば、油性液体のようなそれ自体潤滑性の液体が好ましい。封入物に空気などの気体が含まれる場合、該気体の被圧縮性を利用して加圧状態にし血流検出部を体表面に押し付けてもよい。
【0010】
袋状体のうち血流検出部に固定された前記一の部位のまわりの膜部分の内面とバンドに固定された前記反対側の部位のまわりの膜部分の内面との間における摩擦抵抗を最低限に抑えて対向する膜部分のズレ変形を容易にすべく、袋状体の内表面が低摩擦状態に形成されていてもよい。その場合、袋状体の内表面にポリテトラフルオロエチレンの如きフッ素樹脂のような低摩擦材料のコーティングないしライニングが施されていても、他の手段で内表面に低摩擦化の加工が施されていてもよい。これらの場合、袋状体は、内部空間を封止する袋状であっても、内部空間を封止しないメッシュ状や多孔性の袋状であってもよい。
【0011】
可撓性のズレ吸収手段が弾力性を有する材料の可撓性構造体からなる場合、可撓性構造体は、例えば、血流検出部に固定される板状の被固定部及びバンドに固定される板状の被固定部の間を繋ぐ可撓性の柱状部を複数又は多数本備える。なお、一方向にのみ可撓性にする場合には、例えば該一の方向に直交する方向の両端が開口した筒状でもよい。弾力性を有する材料としては、例えば、ゴム性の材料やウレタンなどが用いられる。
【0012】
可撓性のズレ吸収手段の外表面のうち一の部位と反対の部位とは、バンド及び血流検出部の間の所望の方向への位置ズレを最大限許容し得るように、正反対の部位ないし対向する部位であることが好ましい。例えば、ズレ吸収手段が偏平な円盤状袋状体からなる場合、血流検出部に固定される一の部位は、袋状体の一方の偏平な円形外表面の中心を含む領域又はその近傍であり、バンドに固定される袋状体の反対の部位は、偏平な円盤状袋状体の反対側の偏平な円形外表面の中心を含む領域又はその近傍であることが好ましい。但し、袋状体が比較的大きい場合には、一の部位及び反対の部位が夫々の偏平な外表面の中心又はその近傍からずれていてもよい。
【0013】
ズレ吸収手段の血流検出部やバンドへの固定は、典型的には、接着剤による接着で行なわれる。その場合には、血流検出部やバンドのうちズレ吸収手段の外表面に接する領域が固定に用いられる。但し、ズレ吸収手段の前記一の部位や反対側の部位が、夫々、血流検出部やバンドの対面部位に対して実際上不動に保たれ得る限り、実際の固定は、血流検出部やバンドの側面や反対側の面に対して行なわれてもよい。また、固定は、接着の代わりに所望の留め具などを介して行なわれていてもよい。
【0014】
ズレ吸収手段は、好ましくは、バンドの留合せ部の裏側に固定されている。これにより、血流検出部を手首の橈骨動脈や尺骨動脈の上に位置する皮膚表面部などの所定部位に押付けた状態でバンドをとめることが容易になり、血流検出部の位置合せを容易に行ない得る。バンドの留め部ないし止め部は、典型的には、マジックテープ(登録商標)のような面ファスナーを有する。但し、所望ならば、バンドの孔とピン状部との組合せなどバンドを留めるための他の手段を用いてもよい。また、場合によっては、バンド自体が弾力的に伸縮可能な材料又は構造体からなるリング状物であってもよい。
【0015】
血流検出部により検出される血流の変動は、典型的には、心臓の搏動に伴う血流の脈動的な血流の変動で、該脈動は一方では血流の流速のパルス状変動として、他方では血流の圧力のパルス状変動(いわゆる「脈搏」)として捉えられる。従って、血流検出部は、血流の圧力変動を検出するものでも、流速変動を検出するものでも、脈動的な血流の変動に随伴する他の特性の変動を検出するものでもよい。本発明の血流計は、例えば、血流の流速を実際上連続的に(例えば所定の短いサンプリング時間間隔毎に)検出ないし監視することにより該血流の流速の脈動的な変動を検出して、脈動の時間間隔や単位時間当たりの脈動の回数を求めることを可能にする。ここで、流速の脈動の単位時間当りの回数は、圧力の脈動の単位時間当りの回数(単位時間当り脈搏数)と一致しているから、例えば血流の流速変動を検出することにより、単位時間当りの脈搏数を検出し得る。
【0016】
典型的には、バンドには、更に、表示部が設けられる。この表示部は、可撓性袋状体が取付けられているバンド部分の表面側の領域でもよいけれども、典型的には、血流検出部が取付けられたバンド部分から離れたところに設けられる。これによって、表示部の質量による慣性で表示部が動く際その動きが直ちに袋状体に伝わる虞が低くなり、血流検出部が動く虞が最低限に抑えられ得る。また、血流検出部で橈骨動脈や尺骨動脈の血流の変動を検出する場合に、血流検出部が手首の内側(手のひらの側)に位置していても、表示部が手首の外側(手の甲の側)に配置され得る。なお、典型的には、表示部には、血流検出部からの検出信号に基づいて単位時間当りの脈搏数等を求めるための制御部ないし演算制御部が一体に設けられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明による好ましい一実施の形態の血流計を、添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて説明する。
【0018】
【実施例】
図1及び2に示した本発明による好ましい一実施例の血流計としての脈搏計1は、図2の(a)からわかるように、血流検出部10、演算制御・表示部20、及びバンド30に加えて、位置ズレ吸収手段としての緩衝用袋構造体40を有する。ここで、脈搏計とは、単位時間、典型的には1分、当りの脈搏数を検出・表示するような装置をいう。
【0019】
血流検出部10は、例えば想像線で示した手首2の橈骨動脈3を流れる血液の流速V(t)を継続的に検出すべく手首2の皮膚の表面4のうち橈骨動脈3の近傍の部分に密接せしめられる。血流検出部10は、例えば、図1の(c)に示したようなドプラー式流速計の形態で、所定振動数F1の超音波S1をA方向に発する圧電素子などを含む超音波発信器11と、橈骨動脈3中を速度VでB方向に流れる血流中でC方向に反射ないし散乱された反射波を受信・検出して電気信号に変換する圧電素子などからなる超音波受信器12とを検出器本体13内に有する。心臓の搏動に伴う血流の速度V(t)の時間的な変動は、受信超音波信号S2の振動数F2、発信超音波信号S1の振動数F1、振動数F2,F1間のズレΔF、及び方向A,B間の角度θに基づいて、V(F1,F2(t),θ)の形で算出される。従って、心臓の搏動に伴う血流速度V(t)の時間tに依存する周期的変化ないし増減を検出することにより、圧力脈動の生起及びその生起回数が検出され、単位時間当りの脈搏数が検出される。
【0020】
血流検出部10の検出器本体13の手首に接する側には、凹部14が形成されており、該凹部14には密接補助層15が形成されている。この補助層15は、超音波信号が検出器本体13の表面や皮膚の表面4で反射されたり、伝播中に減衰されるのを最小限に抑えると共に、血流検出部10が皮膚の表面4に密接するのを助ける。この密接補助層15は、例えば、ゲル状物に液体を含浸させてなり、上述のような役割を果たし得る限りどのような材料でもよい。
【0021】
なお、血流検出部10は、ドプラー式流速計ないし流量計の送信器11及び受信器12の配置等が図示とは異なるものでも、ドプラー式流量計の代わりに他の流速検出手段を用いたものでも、また、流速変動の代わりに搏動に伴う圧力の変動を検出するように構成されたものでも、搏動に伴う他の変化を検出するものでもよい。
【0022】
血流検出部10は、位置ズレ吸収手段としての緩衝用袋構造体40を介して、バンド30に固定されている。なお、バンド30は、図2の(a)に示したように、夫々の基端31a,32aでピン(図示せず)を介して演算制御・表示部20にU,V方向に回動可能に取付けられた二つのバンド部31,32からなり、外側バンド部31の先端部33の内表面及び内側バンド部32の先端部34の外表面には、マジックテープ(登録商標)のような一組の面ファスナ素体35,36が取付けられていて、相互に押付けられて係合・固定される。
【0023】
緩衝用袋構造体40は、図1の(a)及び(b)に示したように、偏平な円盤状の可撓性の袋本体41を有し、袋本体41の壁ないし膜42の内表面には、フッ素樹脂のような低摩擦材料のコーティング層43が形成されている。低摩擦層43はなくてもよい。袋本体41の膜ないし壁42は、該膜42の内部にほとんど応力が残ることなく袋本体41の形状が外力により自由に変わり得るように、可撓性ないし柔軟である。袋本体41の膜42は、比較的延び難いプラスチックフィルム又はその積層体でも、繊維で強化されたプラスチックフィルム等のように膜自体が延び難いものでも、ある程度の伸縮が可能なゴム性の材料でできていてもよい。
【0024】
袋本体41の室44内には空気45が封入されている。封入されている空気45の量は、図2の(a)に示したように血流計1を所定の状態に装着した場合に緩衝用袋構造体40の袋本体41が偏平化されると、若干加圧される程度であり、例えば、図1の(a)や(b)に示すような自由な状態では、袋本体41の円盤状体の厚みが少し大きくなって室44の容積が大きくなり加圧状態が解除される。
【0025】
緩衝用袋構造体40は、図1の(a)において、ほぼ平らな円形の上表面46の中央領域47で血流検出部10の本体13の裏面16に接着剤などで固定され、ほぼ平らな円形の下表面48の中央領域49でバンド30の内側バンド部32の先端34の内表面37に接着剤などで固定されている。バンド部32の先端部34に対する接着領域の外縁は、例えば、図1の(a)において、符号49aで示した部位により規定される円形である。血流検出器10は、検出器本体13を傾けるような力が働くのを避けるべく、例えば裏面16の全域で、緩衝用袋構造体40の中央領域47に接着されている。但し、これらの接着領域は、例えば、図示のものより小さくても、円形でなくてもよい。
【0026】
血流検出器10と内側バンド部32とが緩衝用袋構造体40を介して上述のようにつながっているから、緩衝用袋構造体40では、緩衝用袋構造体40の膜42の実質的な伸びがなくても該膜42の内部にほとんど応力が残らないような膜42の撓み状態の変動だけで、図1の(a)において左側に位置する側壁部分50が想像線50aで示すように内側バンド部32に対してD1方向にずれた位置を採ると共に、右側に位置する側壁部51が想像線51aで示すように内側バンド部32に対してD1方向にずれた相対位置を採るような変形が、可能である。但し、このズレの際、袋構造体40の袋本体41の下表面48の中央領域49と内側バンド部32の内表面37との間は固定状態に保たれ、且つ袋本体41の上表面46の中央領域47と血流検出部10の裏面16との間も固定状態に保たれる。従って、図1の(a)及び(b)からわかるように、血流検出部10は、バンド部32に対して、想像線10aで示すような相対位置にD1方向に移動する。同様に、袋本体41の上下の中央領域47,49が血流検出部10及び内側バンド部32の先端部34に固定されたままで、図1の(b)に示したように、同図において右側に位置する側壁部51が想像線51bで示すようにD2方向にずれ同図において左側に位置する側壁部50が想像線50bで示すようにD2方向にずれた位置を採るような変形や、同図において上側に位置する側壁部52が想像線52aで示すようにD3方向にずれ同図において下側に位置する側壁部53が想像線53aで示すようにD3方向にずれた位置を採るような変形や、同図において下側に位置する側壁部53が想像線53bで示すようにD4方向にずれ同図において上側に位置する側壁部52が想像線52bで示すようにD4方向にずれた位置を採るような変形も可能である。その結果、血流検出部10は、内側バンド部32の先端部34に対して、D2,D3,D4方向に相対移動可能である。以上において、D1=−D2,D2=−D1,D3=−D4,D4=−D3である。勿論、上記方向D1〜D4のうちの二方向の相対移動が任意の割合で重なるような袋本体41の変形及びこれに伴う血流検出部10の内側バンド部32に対する相対移動も可能である。
【0027】
血流検出部10には、超音波発信器11への入力信号や受信器12での受信信号を演算制御・表示部30との間で送受信する信号線等が収容されたケーブル17が接続されている。このケーブル17は、図1の(a)に示したように、血流検出部10から少し離れたところ18で内側バンド部32に固定されると共に該バンド部32内に入り、該バンド部32の内部を通って演算制御・表示部30につながっている。なお、所望ならば、ケーブル17を、内側バンド部32内に通す代わりに、内側バンド部32の内表面37に沿って延在させてもよく、その場合、内表面37に溝を形成しておいて該溝にケーブル17をはわせてもよい。ケーブル17のうち血流検出部10と固定部18との間の部分19は、図1の(b)に示したように湾曲して弛んでいる。この弛緩部19は、血流検出部10が内側バンド部32に対してD1方向等に相対移動する際、延びることになる。従って、弛緩部19の余剰長さは、D1方向の最大相対変位量に応じて決めておけばよい。
【0028】
演算制御・表示部20は、電源21と、超音波発信器11の駆動信号発生部22と、圧電体等を含む超音波受信器12で受信された受信信号に基づいて、前述の速度変動V(t)及び該速度変動から所定時間(例えば10秒程度)内の脈搏数を求めると共に単位時間当り(例えば1分当り)の脈搏数に換算する演算制御部23と、演算制御部23での求められた単位時間当たり脈搏数を表示する表示部24とを有する。演算制御部23は、クロック信号発生部を含み、表示部24のボタン25を押すことにより、表示部24は、時計としての時刻表示をも行ない得る。
【0029】
以上の如く構成された脈搏計1は、例えば、内側バンド部32の先端部34の内側に位置する血流検出部10を、密接補助層15の表面15aが手首2の橈骨動脈3近傍の皮膚表面4に密接するように血流検出部10を所定位置に配置して該検出部10を手首2の皮膚の表面4に押付けた状態で、外側バンド部31を手首に巻付け、外側バンド部分31を長手方向に沿って周方向に引張ってバンド部31,32間に所望の張力をかけた状態で、内側バンド部32の先端部34の外表面の先端縁34aの近傍まで拡がった面ファスナ素体36に外側バンド部分31の先端部33の内表面に細長く延びた面ファスナ素体35の基部側部分を押付けて、ファスナ素体35,36を固定し、更に、面ファスナ素体35,36の対面領域の全体を押付ける。その結果、脈搏計が図2の(a)に示したような状態で手首2に装着される。
【0030】
これによって、血流検出部10が橈骨動脈3に向合う所定位置に配置されると共に、手首2の表面から離れる方向への移動がバンド部31,32によって禁止された緩衝用袋構造体40がバンド部31,32による張力の下で偏平化状態に保たれて所望レベルの加圧状態になり、血流検出部10を所望のレベルの適度に小さい力で手首2の表面に押付け得る。一方、手首2への脈搏計1のこのような装着状態において、演算制御・表示部20は男性用の腕時計の時刻表示部と同様に手首2の外側すなわち手の甲の側に配置される。
【0031】
通常は、押しボタンスイッチ25によって、表示部24は時計表示状態に設定される。脈搏数を図ろうとする場合、押しボタンスイッチ25を押すことにより、表示部24を脈搏数表示モードに設定する。
血流計としての脈搏計1では、血流検出部10で検出した反射超音波信号S2における振動数F2の変化ΔFに基づいて、制御部23で求められた脈搏数が表示部24で表示される。この検出ないし測定の際、バンド部31,32に支持された加圧状態の緩衝用袋構造体40によって、血流検出部10の密着補助層15の表面15aが手首2の所定に位置に押圧・密接せしめられるから、血流検出部10による流速Vの変動の検出及びこれに伴う脈搏数の測定が正確に行なわれ得る。
【0032】
一方、急に手を振ったり手の振りを止めたりするような手首2の動きは、比較的大きな加速度を伴い、質量の比較的大きい演算制御・表示部20に手首2の動きに伴う比較的大きい慣性力が働く。その結果、演算制御・表示部20及びこれにつながったバンド30すなわちバンド部31,32が手首2に対して動いてしまうことがある。この動きの方向は、図1の(b)のD1,D2,D3,D4のいずれかまたは二つを組合わせた方向になる。この動きに伴って、可撓性の緩衝用袋構造体40のうちバンド部32に固定された中央領域49が、手首2に対して同様に動く。従って、緩衝用袋構造体40のうち該領域49のまわりの部分も同様に動く。一方、血流検出部10は密着補助層15の表面15aで手首2の表面に密接され且つ緩衝用袋構造体40の室44の空気45の圧力で該手首2の表面4に押付けられているから、血流検出部10は手首2に対して動きにくい。従って、バンド30の手首2ないし手首表面4に対するD1,D2,D3又はD4方向の移動に伴い、緩衝用袋状体40は、図1の(b)において矢印D2(=−D1),D1(=−D2),D4(=−D3)又はD3(=−D4)で示したような変形状態を採り、バンド30の位置ズレは、例えば、図2の(b)に示したように緩衝用袋構造体40の固定領域47,49の間の位置ズレDとして吸収され血流検出部10には実際上影響を及ぼさない。また、緩衝用袋構造体40の内面には低摩擦性コーティング層43が形成されているから、位置ズレの際、緩衝用袋構造体40の内面の一部が擦れ合っても該擦れにより相手側の内面にズレ方向の大きな力を及ぼす虞が少ない。更に、膜42が可撓性であるから、このような変形に際して緩衝用袋状体40の膜42部分には実際上ほとんど応力が残らない。従って、血流検出部10を手首2の橈骨動脈3に対面する所定部分から動かすような力は緩衝用袋状体40からは働かず、血流検出部10が手首2の橈骨動脈3に対面する所定部分に密接状態に保持される。その結果、血流検出部10による血流の変動検出は、バンド30の動き乃至位置ズレにかかわらず確実に行なわれ、血流の変動検出信号にノイズが入る虞れも少ない。表示部20やベルト30の位置ズレは、該位置ズレに気づいたら、直しておけばよい。
【0033】
なお、ズレ吸収手段としては、以上のような緩衝用袋構造体40の代わりに、例えば、図1の(d)に示したように、変形された際元の形状に復元するような弾力性を有する材料の可撓性構造体60からなっていてもよい。以下において、上下左右は、図1の(d)でみた場合の向きである。
この可撓性構造体60はゴムのような弾力性のある材料を例えば一体成形してなり、血流検出器10の裏面16に接着剤などにより上面の中央領域61が固定された上側の板状部62と、内側バンド部32の先端部34の内面37に接着剤などにより下面63が固定された下側の板状部64と、上下の板状部62,64を該板状部62,64の周縁部でつないでいる比較的太い多数の柱状部65とを一体的に有する。
【0034】
この可撓性構造体60では、血流検出部10に対する内側バンド部32の位置ズレは、柱状部65の撓みにより吸収される。例えば、内側バンド部32が血流検出部10に対してD1方向に変位されると、柱状部65が図1の(d)において想像線65aで示したように傾斜することによって、バンド部32の位置ズレの影響が血流検出部10に及ぶのを防いでいる。柱状部65の撓み状態65aでは可撓性構造体60内に応力が残り、柱状部は符号65で示した元の状態戻ろうとする復元力を有するから、内側バンド部32の急激な位置ズレを吸収すべく想像線のように変形した後、内側バンド部32を徐々に元の状態に戻すべく働く。また、柱状部65の圧縮変形に対する弾性や板状部62,64の曲げ変形に対する弾性は、血流検出器10の表面15aを皮膚の表面に押付けて血流検出器10を皮膚に密接させる働きをする。
【0035】
なお、他の方向への位置ズレないし動きに関しても同様であることは明らかであろう。板状部62,64の形状や厚さ、及び柱状部65の配置や数や太さや向きなどは、所望に応じて適宜選択すればよい。また、所望ならば、例えば、筒状にすることにより、一方向にのみ可撓性にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい一実施例の血流計としての脈搏計のズレ吸収手段及び血流検出部の例を示したもので、(a)はズレ吸収手段としての緩衝用袋構造体を介してバンド部分に血流検出部を取付けた好ましい一例の断面説明図、(b)は(a)の平面説明図、(c)は(a)の血流検出部による血流の流速測定の模式的説明図、(d)はズレ吸収手段の変形例に関する(a)と同様な向きでの正面説明図。
【図2】図1の(a)に示した緩衝用袋構造体を用いた血流計としての脈搏計の全体を示したもので、(a)は手首に装着した状態の側面断面説明図(但し、説明のために、血流計については、緩衝用袋構造体だけを断面で示してある)、(b)は血流計に位置ズレが生じた状態を示した側面説明図(但し、説明のために、血流計については、緩衝用袋構造体だけを断面で示してある)。
【符号の説明】
1 血流計(脈搏計)
2 手首
3 橈骨動脈
4 皮膚の表面
10 血流検出部(流速検出部)
11 超音波発信器
12 超音波受信器
13 検出器本体
15 密接補助層
15a 表面
19 弛緩部
20 演算制御・表示部
24 表示部
30 バンド
31 外側バンド部
32 内側バンド部
33,34 先端部
35,36 面ファスナ素体
40 緩衝用袋構造体
41 袋本体
42 膜(壁)
43 低摩擦性コーティング層
44 室
45 空気
47,49 中央領域
49a 固定領域の外縁
60 可撓性構造体
65 柱状部
D,D1,D2,D3,D4 相対的な位置ズレ方向

Claims (7)

  1. 血流の変動を検出する血流検出部と、
    前記血流検出部を体表面に密接させるべく該体表面のまわりに巻き付けられるように構成されたバンドと、
    前記血流検出部と前記バンドとの間に配置され、外表面の一の部位で前記血流検出部に固定されると共に外表面のうち前記一の部位とは反対側の部位で前記バンドに固定された可撓性のズレ吸収手段であって、前記血流検出部に対する前記バンドの位置ズレを許容するものとを有し、
    前記可撓性のズレ吸収手段が可撓性膜からなる袋状体である血流計。
  2. 血流の変動を検出する血流検出部と、
    前記血流検出部を体表面に密接させるべく該体表面のまわりに巻き付けられるように構成されたバンドと、
    前記血流検出部と前記バンドとの間に配置され、外表面の一の部位で前記血流検出部に固定されると共に外表面のうち前記一の部位とは反対側の部位で前記バンドに固定された可撓性のズレ吸収手段であって、前記血流検出部に対する前記バンドの位置ズレを許容するものとを有し、
    前記ズレ吸収手段が前記バンドの留合せ部の裏側において前記バンドに固定されている血流計。
  3. 前記袋状体の内部に、流体が封入されている請求項に記載の血流計。
  4. 前記袋状体は、その内表面が低摩擦状態になるように構成されている請求項1 又は3に記載の血流計。
  5. 前記ズレ吸収手段は、変形された際元の形状に復元するような弾力性を有する材料の可撓性構造体からなる請求項1、3、4のいずれかに記載の血流計。
  6. 前記ズレ吸収手段が前記バンドの留合せ部の裏側において前記バンドに固定されている請求項1及び3から5までのいずれか一つの項に記載の血流計。
  7. 前記バンドのうち前記ズレ吸収手段が固定された部位から離れたところに、表示部が取付けられている請求項1から6までのいずれか一つの項に記載の血流計。
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