JP3692634B2 - 環状体のローリング加工装置及びその方法 - Google Patents

環状体のローリング加工装置及びその方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状体のローリング加工装置及びその方法に関し、特にテーパ状の周面を有するリングのローリング加工装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の環状体のローリング加工装置においては、環状ワークの外周面を成形ロールで押圧すると共に当該環状ワークの内周面をサポートロールを介し、マンドレルで押圧しつつ環状体を回転させて環状体のローリング加工が行われている。
【0003】
特に内周面がテーパ状の形状を有する環状ワーク(例えば円錐ころ軸受の外輪用のブランク)を加工する場合、例えば、図16に示される従来の環状体のローリング加工装置におけるローリング加工部(例えば特開平5−228571号公報)では、環状ワーク100の外周面は成形ロール101で押圧され、環状ワーク100のテーパ状の内周面は外周面がテーパ状のマンドレル102で押圧されている。この場合、たとえ環状ワーク100の内周面がテーパ状であっても成形ロール101の軸線とマンドレル102の軸線とは互いに平行である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の環状体のローリング装置におけるローリング加工部には以下に述べる問題点がある。その問題点を図16の装置のローリング加工部の詳細説明図である図17を参照しながら説明する。
【0005】
図17において、環状ワーク100のローリング加工の過程の当初においては、加工完了時のテーパ角に合わせた形状とされているマンドレル102は環状ワーク100のA点でのみ当接し、環状ワーク100への押圧力がA点への集中荷重Fとなる。また、環状ワーク100のローリング加工が進むにつれ、環状ワーク100の内周面のテーパ角度が刻々変化するので、環状ワーク100の姿勢が不安定になる。環状ワーク100が傾いたとき、環状ワーク100の端面と外周面との間のチャンファの部分が成形ロール101に干渉する。また、環状ワークのA点近傍の内部に集中荷重に起因する内部ひずみが残ってしまうという問題もある。
【0006】
上記作用により、環状ワーク100は図18に示されるように成形される。ここで、図18はローリング加工完了前後の環状ワークの形状の説明図であり、図17のA点から加工が始まり、反対側まで進行した時の状態を表す。図18では、加工完了直前の環状ワーク100は二点鎖線で示され、加工前の環状ワーク100は実線で示されている。但し、見やすさのため、両者の平均直径は便宜上ほぼ等しく示してある。
【0007】
図18において、加工前から加工完了直前に環状ワーク100の内周面のテーパ角は、θiからθfに減少する。ローリング加工の当初はマンドレル外周面と環状ワーク内周面のテーパ角が異なるため、両者の間ではA点でのみ(図17)が加工圧力を受ける。そして両者間にすきまがあるため、上述のように環状ワークの姿勢が不安定となり、図17に示すように加工部において本来加工中密着しているべき成形ロール外周面と環状ワーク内周面との間にもすきまが生じやすくなる。そのため、マンドレル102が環状ワーク100の内周面全体に当たるときは、環状ワーク100は図中二点鎖線で示される形状となる。すなわち、環状ワーク100の外周面は一時的にテーパ状となり、そのテーパ角はΔθである。その後さらにローリング加工を進めると環状ワーク100の外周面のテーパが少なくなり、通常、ローリング加工仕上げ時には完全にテーパがなくなるのであるが、最悪の場合、テーパが残ってしまう場合もある。
【0008】
以上のような従来の環状体のローリング加工装置が有する問題点を解消するために、図19に示されるような他の環状体のローリング加工装置のローリング加工部が考えられている(例えば特開平5−228571号公報)。図19の装置では、成形ローラ201及びマンドレル202は、軸方向に関して反対に装填された2個の環状ワーク200をローリング加工するように構成されている。この装置によれば、環状ワーク200の断面形状は左右対称のため、上記従来技術の場合のようにモーメント荷重は生じず姿勢を安定化することはできるが、加工当初、環状ワークの一部に大きな集中荷重がかかることに変わりはなく、このため環状ワークに内部応力に起因する内部ひずみが生じるという問題は解消できない。さらには、ローリング加工の過程で2個の環状ワーク200が互いに姿勢の変化を抑制することによる内部応力が発生するという新た問題点が発生する。
【0009】
本発明の目的は、テーパ状の周面を有する環状体のローリング加工を安定した状態で行い得る環状体のローリング加工装置及びその方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、本発明の請求項1の環状体のローリング加工装置は、内周面及び外周面の少なくとも一方が軸方向にテーパ状である環状体の外周面に当接する成形ロールと、前記成形ロールを回転自在に支持する第1の支持手段と、軸線が前記成形ロールの軸線を含む平面内にあり、前記成形ロールと協働して前記環状体を挟圧するように前記環状体の内周面に当接するマンドレルと、前記マンドレルを回転自在に支持する第2の支持手段とを備える環状体のローリング加工装置において、前記第1の支持手段及び前記第2の支持手段の一方が、前記成形ロールの軸線と前記マンドレルの軸線との相対角度を変えるように構成されており、前記相対角度を前記環状体の加工段階に応じた所定の角度に変えるように前記第1の支持手段及び前記第2の支持手段の一方を制御する相対角度制御手段を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項1の環状体のローリング加工装置によれば、第1の支持手段及び第2の支持手段の一方が、成形ロールの軸線とマンドレルの軸線との相対角度を変えるように構成されており、相対角度制御手段が前記相対角度を環状体の加工段階に応じた所定の角度に変えるように第1の支持手段及び第2の支持手段の一方を制御するので、加工部においてマンドレル外周面と環状ワーク内周面、および環状ワーク外周面と成形ロール外周面を加工中常に密着状態に保て、テーパ状の周面を有する環状体のローリング加工を安定した状態でかつ、一部に大きな集中荷重がかかることなく行い得る。
本発明の請求項1の環状体のローリング加工装置において、前記相対角度制御手段は、前記環状体の外径寸法を測定する測定手段と、前記環状体の加工段階に応じた所定の角度を前記測定された環状体の外径寸法に基づいて算出する算出手段を含んでもよい。
【0012】
本発明の請求項1の環状体のローリング加工装置において、前記第1の支持手段又は前記第2の支持手段が、前記成形ロールの軸線と前記マンドレルの軸線との間隔を所定間隔だけ変えるように構成されており、前記相対角度制御手段は、前記所定間隔と前記相対角度とが所定の関係となるように前記第1の支持手段又は前記第2の支持手段を制御するようにしてもよい。
【0013】
前述の目的を達成するために、内周面及び外周面の少なくとも一方が軸方向にテーパ状である環状体を回転させながら、前記環状体の幅を実質的に一定に保ったままで前記環状体の外周面及び前記環状体の内周面を圧延しつつ前記環状体を拡径する工程を含む環状体のローリング加工方法において、前記圧延が、前記外周面と前記内周面との相対角度を前記環状体の加工段階に応じた所定の角度に変えるように前記環状体の外周面及び前記環状体の内周面を圧延する工程からなることを特徴とする環状体のローリング加工方法が提供される。
【0014】
上記環状体のローリング加工方法は、さらに、前記環状体の外径寸法を測定する工程と、前記環状体の加工段階に応じた所定の角度を前記測定された環状体の外径寸法に基づいて算出する工程とを含んでもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す好ましい実施の形態を参照しながら詳述する。
【0016】
まず、本発明の原理を図1を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、例えば円錐ころ軸受用外輪用のもののような内周面がテーパ状の環状ワークのローリング加工の過程における形状の変化の説明図であり、図1(A)は加工前の環状ワーク1の縦断面図、図1(B)は加工中の環状ワーク11の縦断面図、図1(C)は加工後の環状ワーク21の縦断面図である。
【0018】
図1(A)の環状ワーク1は、長さHであり、直径Diの円筒状の外周面2と、テーパ角θi、小径d2i、大径d1iであるテーパ状の内周面とを有する。図1(B)の環状ワーク11は、長さHであり、直径Dの円筒状の外周面12と、テーパ角θ、小径d2、大径d1であるテーパ状の内周面13とを有する。図1(C)の環状ワーク21は、長さHであり、直径Dfの円筒状の外周面22と、テーパ角θi、小径d2f、大径d1fであるテーパ状の内周面23とを有する。
【0019】
環状ワーク1の軸方向の長さHを一定値になるように規定する本環状体のローリング加工は、切削加工の場合とは異なり切屑を出さない塑性加工であり、軸方向に関して環状ワークの部材の移動(塑性流動)がないので、軸方向に関する任意の位置において、その位置における環状ワークの軸に垂直な断面積は加工中ほぼ一定となる。
【0020】
具体的には、加工前における図1(A)の環状ワーク1の一方の端面4から軸方向に距離Xの位置Aにおける環状ワーク1の断面積は、例えば、加工中における図1(B)の環状ワーク11の一方の端面14から軸方向に距離Xの位置Bにおける環状ワーク11の断面積とは等しくなり、全ての距離Xについて同様である。
【0021】
よって、図1(A)の環状ワーク1の一方の端面、図1(B)の環状ワーク1の一方の端面14、図1(C)の環状ワーク1の一方の端面24についての面積は等しく、図1(A)の環状ワーク1の他方の端面5、図1(B)の環状ワーク1の他方の端面15、図1(C)の環状ワーク1の他方の端面25の面積は等しい。
【0022】
よって、図1(A)の環状ワーク1の他方の端面5と図1(C)の環状ワーク1の他方の端面25とに着目して、以下の式(1)が成り立つ。
【0023】
π(Di2−d1i2)/4=π(Df2−d1f2)/4 …(1)
式(1)を変形して、
d1i=(Di2−Df2+d1f21/2 …(2)
が得られる。同様に、、図1(A)の環状ワーク1の一方の端面4と図1(C)の環状ワーク1の一方の端面24とに着目して、以下の式(3)が成り立つ。
【0024】
π(Di2−d2i2)/4=π(Df2−d2f2)/4 …(3)
式(3)を変形して、
d2i=(Di2−Df2+d2f21/2 …(4)
が得られる。
【0025】
また、図1(A)の環状ワーク1におけるテーパ角θiは
tanθi=(d1i−d2i)/2H …(5)
である。
【0026】
式(2)と式(4)とから、作りたい環状体21の形状(Df,d1f,d2f)が決まれば、環状ワーク1の形状(d1i,d2i,θ)が定まると言える。
【0027】
同様に、図1(B)の環状ワーク1の他方の端面15と図1(C)の環状ワーク1の他方の端面25とに着目して、以下の式(6)が成り立つ。
【0028】
d1=(D2−Df2+d1f21/2 …(6)
また、図1(B)の環状ワーク1の一方の端面14と図1(C)の環状ワーク1の一方の端面24とに着目して、以下の式(7)が成り立つ。
【0029】
d2=(D2−Df2+d2f21/2 …(7)
また、図1(B)の環状ワーク11におけるテーパ角θは
tanθ=(d1−d2)/2H …(8)
である。
【0030】
すなわち、式(6)から式(8)に基づいて、作りたい環状体21の形状(Df、d1f、d2f)と、加工中の外径寸法Dが決まれば、環状ワーク1の形状(d1、d2、θ)が定まる。換言すれば、加工が進み外形Dが拡径される従い、式(6)から式(8)を満たすようにd1、d2、θが変化する。一例を後述の図11に示す。このように算出されたθ値に合わせて成形ロールとマンドレルとの相対角度を変化させ、成形ロールを環状ワーク11の外周面12に密着させると共に、マンドレルを環状ワーク11の内周面13に密着させる。
【0031】
以下、図2を参照しながら本発明の冷間ローリング装置および加工方法の第1の実施の形態を詳述する。ここで、図2は本発明の第1の実施の形態の概略構成図である。
【0032】
ベッド31の一端には支柱32が設けられている。支柱32には、カム33が水平軸のまわりに回転自在に取り付けられている。カム33はモータ34により回転される。ベッド31の他端側にはスイベルプレート36が垂直なピボットねじ35により取り付けられており、スイベルプレート36はピボットねじ35のまわりに回転自在であり、その回転はスイベルプレート36に設けられたモータ37により制御される。スイベルプレート36には支柱38が設けられている。
【0033】
支柱32及びスイベルプレート36の間においてベッド31の上にはベッド31の長手方向に移動自在にサポートブロック39が設けられている。支柱32の側においてサポートブロック39には、カム33に当接するカムフォロワ40が水平軸のまわりに回転自在に取り付けられている。これにより、カム33のカム面のプロフィル及びカム33の回転角に従ってサポートブロック39はベッド31の長手方向に並進移動する。
【0034】
サポートブロック39の側において支柱38には、水平軸のまわりに回転自在に成形ロール41が取り付けられている。成形ロール41はモータ42により回転される。成形ロール41には後述の図3に示すように加工中のワークの幅を一定値Hに保ち、外径面にテーパを生じないように拘束するための段部が設けてある。
【0035】
一方、支柱38の側においてサポートブロック39には、成形ロール41の軸と同一高さの水平軸のまわりに回転自在にサポートロール43が取り付けられている。成形ロール41とサポートロール43との間にはマンドレル44が成形ロール41の軸と同一高さの水平軸のまわりに回転自在に配置されている。マンドレル44及びサポートロール43とは常に軸心が互いに平行になるように構成されている。これにより、サポートブロック39の支柱38に向かう移動に応じてマンドレル44は成形ロール41の方向に押圧される。
【0036】
環状体Wのローリング加工を行うときは成形ロール41を環状ワークWの外周面に当接させると共にマンドレル44を環状ワークWの内周面に当接させて、環状ワークWを成形ロール41とマンドレル44の間に挟む。この場合のマンドレル44の環状ワークWに対する加工点(後述する図3のB点)は、成形ロール41の軸と同一高さににあると共に、ピボットねじ35の垂直軸上付近にある。
【0037】
なお、ローリング加工中の環状ワークWを支えるためにマンドレル44の上及び下において、環状ワークWの外周面に当接するようにバックアップローラ45,46が配置されている。
【0038】
以上の構成により、モータ34の作動によりカム33が回転することによって、マンドレル44が環状ワークWを所定の押圧力で押圧する。モータ42の作動により成形ロール41が回転すると、成形ロール41の回転力がそれぞれの摩擦力により環状ワークW、マンドレル44、サポートロール43に伝達され。このような成形ロール41とマンドレル44の回転、及びマンドレル44の成形ロール41への押圧力により環状ワークWにローリング加工が行われる。
【0039】
図2の装置のローリング加工要部の説明図である図3によれば、マンドレル44の成形ロール41に対する相対角度θの制御は、モータ37を作動させてスイベルプレート36をピボットねじ35の垂直軸まわりに、回転させることにより行う。
【0040】
以下、図4を参照しながらマンドレル44の成形ロール41に対する相対角度θを制御するスイベル機構について詳述する。ここで、図4は、図2の装置のスイベル機構の説明図であり、図4(A)は図2の装置のスイベル機構の平面図、図4(B)は図4(A)の機構の要部のC−C断面図、図4(C)は図4(A)の機構の要部の下方におけるベッド31の部分の平面図である。
【0041】
図4において、図2に対応する構成要素には同じ参照番号が付されており、これらの構成要素の説明は図4と同様である。
【0042】
図4(A)において、スイベルプレート36は、その一端においてピボットねじ35によりベッド31に取り付けられている。スイベルプレート36の他端にはスイベルプレート36の横方向に伸長する切欠き部50が設けられている。切欠き部50内には送りねじ棒51がスイベルプレート36の横方向に伸長するように配置されており、その両端においてベアリング52,53によりスイベルプレート36に回転自在に支持されている。送りねじ棒51の一端側はカップリング54を介してモータ37に連結されており、モータ37はスイベルプレート36の一側部に固定されている。
【0043】
ベアリング52,53の間において、送りねじ棒51にはナット55が係合しており、ナット55はナット支持部材56に収容されている。ナット支持部材56には、ナット55の半径方向かつ水平方向にそれぞれ水平平板状の突起部57,58が設けられており、かつナット55の下方に向かって円柱状の突起部59が設けられている。
【0044】
ナット支持部56の突起部57,58は、その対応部においてベッド31上に固定されたナット回転止め62,63の水平溝60,61にそれぞれ受容されている。ナット支持部材56の突起部59は、その対応位置においてベッド31上に設けられた長穴64に受容されている(図4(C))。長穴64はスイベルプレート36の長手方向、すなわち長穴の中心とピボットねじ35の中心とを結ぶ直線方向に長く、幅は突起部59と同等である。
【0045】
以上の構成により、モータ37の回転によって送りねじ棒51が回転し、ナット55がスイベルプレート36の横方向に送られる。この際、長穴64にナット支持部材56の突起部59が上記のように係合していることにより、ナット55がベッド31に対しそのスイベルプレート36の横方向へ移動するのを拘束するので、スイベルプレート36がピボットねじ35のまわりに回転する。
【0046】
以下、図5を参照しながら図4のスイベル機構の変形例を説明する。ここで、図5は図4のスイベル機構の変形例の説明図であり、図5(A)は図4のスイベル機構の変形例の要部の平面図であり、図5(B)は図4のスイベル機構の変形例の要部の部分断面図である。図5において、図4に対応する構成要素には同じ参照番号が付されており、これらの構成要素の説明は図4と同様である。
【0047】
図5(A)において、ナット支持部材56には、ナット55の半径方向且つ水平方向の一方にそれぞれに伸長する2枚の板ばね70が設けられている。2枚の板ばね70は、それぞれ垂直に配向されており、ナット55の軸方向に沿って互いに平行に配置されている。また、ナット支持部材56には、ナット55の半径方向且つ水平方向の他方にそれぞれに伸長する2枚の板ばね71が設けられている。2枚の板ばね71は、それぞれ垂直に配向されており、ナット55の軸方向に関して互いに平行に配置されている。板ばね70,71は、その対応部においてベッド31上に固定された固定部材72,73にそれぞれ固定されている。本変形例は、上記図4のスイベル機構と同様の作用を奏するのに加えて、制御されるべきマンドレル44の成形ロール41に対する相対角度θが微少の場合(例えば後述の図10に示す変形例)に適している。
【0048】
以下、図6を参照しながら図4のスイベル機構の他の変形例について説明する。ここで、図6は、図4のスイベル機構の他の変形例の説明図であり、図6(A)は図4のスイベル機構の他の変形例の平面図、図6(B)は図6(A)の機構の要部の側面図である。図6において、図2に対応する構成要素には同じ参照番号が付されており、これらの構成要素の説明は図2と同様である。
【0049】
図6(A)及び図6(B)において、モータ37はベッド31の他端における側部に回転軸が垂直になるように固定されている。モータ37の回転軸には減速機75を介してピニオン歯車76が取り付けられている。一方、ピボットねじ35のまわりに回転自在なスイベルプレート36の他端における側部には半径Rの大歯車に相当する歯77が形成されており、歯77はピニオン歯車76に係合している。
【0050】
以上の構成により、モータ37の回転により、スイベルプレート36は適宜に回転し、マンドレル44の成形ロール41に対する相対角度θが制御される。
【0051】
以下、図7を参照しながら、マンドレル44の成形ロール41に対する相対角度θの制御機構を説明する。ここで、図7は、図2の装置のマンドレル44の成形ロール41に対する相対角度θの制御機構の概略図である。図7において、図2に対応する構成要素には同じ参照番号が付されており、これらの構成要素の説明は図2と同様である。
【0052】
図7において、スイベルプレート36上には、スイベルプレート36の長手方向に伸長するようにリニアスケール80が設けられている。リニアスケール80には接触子81の一端が摺動自在に取り付けられており、接触子81の他端は上方に伸長し、かつ成形ロール41の反対側において環状ワークW(図3においてえはE点で示す位置)に接している。リニアスケール80は、リニアスケール80上の接触子81の移動量を測定する。すなわち、E点と、加工中リニアスケールに対し不動の図3に示すG点との距離(外径D)を測定できるように構成されている。
【0053】
一方、本制御機構は、制御装置82を有しており、制御装置82は、コントローラ83と、コントローラ83に接続されたドライバ84とを備える。コントローラ83はリニアスケール80に接続されており、ドライバ84はモータ37に接続されている。コントローラ83は、リニアスケール80で測定された環状ワークWの外径Dのデータを取り込み、その外形Dのデータと作られるべき環状体の形状データ(Df、d1f、d2f)に基づいて前述の式(6)から式(8)による演算により、マンドレル44の成形ロール41に対する相対角度θを算出する。ドライバ84は、マンドレル44の成形ロール41に対する相対角度がコントローラ83から受け取った相対角度θとなるようにスイベルプレート36を回転させるべく、スイベル機構を作動させる。
【0054】
以下、図8を参照しながら図2の冷間ローリング加工装置の作動を説明する。ここで、図8は、図2の装置の作動のフローチャートである。
【0055】
まず、環状ワークWを図2のローリング加工装置にセットし(ステップS1)、次いで、成形ロール41が回転を開始しすると共にカム33の回転によりサポートブロック39及びマンドレル44の送りを開始して、ローリング加工装置は加工を開始する(ステップS2)。次に、コントローラ83は、リニアスケール80で測定された環状ワークWの外径Dのデータを取り込み、その外形Dのデータと作られるべき環状体の形状データ(Df、d1f、d2f)に基づいて前述の式(6)から式(8)による演算により、マンドレル44の成形ロール41に対する相対角度θを算出する(ステップS3)。さらに、ステップS3で算出された相対角度θの指令値をドライバ84に送出し、ドライバ84は、マンドレル44の成形ロール41に対する相対角度がコントローラ83から受け取った相対角度θとなるようにスイベルプレート36を回転させるべく、スイベル機構を作動させる(ステップS4)。
【0056】
ステップS5で、外形Dのデータが加工されるべき環状体の外径寸法Dfに等しいか否かを判別する。ステップS5で、外径寸法Dのデータが加工されるべき環状体の外形Dfに等しくなければ、ステップS3に戻り、ステップS3がらS5を繰り返す。
【0057】
ステップS5で、外径寸法Dのデータが加工されるべき環状体の外径寸法Dfに等しくなれば、ステップS6に進み、加工終了動作を行って、本作動を終了する。
【0058】
以下、図9を参照しながら、図7の制御機構の変形例を説明する。ここで、図9は、図7の制御機構の変形例の概略図である。図9において、図2に対応する構成要素には同じ参照番号が付されており、これらの構成要素の説明は図2と同様である。
【0059】
図9において、本制御機構は、制御装置85を有しており、制御装置85は、コントローラ86と、コントローラ86に接続されたドライバ87とを備える。ドライバ87はモータ34及びモータ37に接続されている。
【0060】
以下、コントローラ86の作動を説明する。
【0061】
前述の通り、式(6)から式(8)により、作りたい環状体21の形状(Df、d1f、d2f)と、加工中の外形Dから、環状ワーク1の形状(D、d1、d2、θ)を算出する。
【0062】
この関係は、例えば図11のDに対するd1、d2及びθの関係を示すグラフに示されるように、外形Dと相対角度θとの関係を予め図示しない記憶部に格納しておき、この記憶部から外形Dについての相対角度θを求めてもよい。
【0063】
また、Dに対する環状ワーク1のテーパ状の内周面上の代表位置、例えば図1(B)でX=H/2の位置における環状ワーク1の厚さTも相対角度θに対して一義的に定まる。この関係を利用して、予めサポートブロック39の変位量f(T)(環状ワーク1の厚さTに比例する)と、相対角度θとの関係を求めることができる。コントローラ86は、予め求めておいた上記関係を満たしたサポートブロック39の変位量f(T)と相対角度θをドライバ87に送出する。
【0064】
ドライバ87は、サポートブロック39の変位量がコントローラ83から受け取った変位量f(T)になるようにカム33を回転させるべく、モータ34を作動させる。また、マンドレル44の成形ロール41に対する相対角度がコントローラ83から受け取った相対角度θとなるようにスイベルプレート36を回転させるべく、スイベル機構を作動させる。
【0065】
以下、図12を参照しながら図9の制御装置85の作動を説明する。ここで、図12は、図9の制御装置85の作動のフローチャートである。
【0066】
まず、環状ワークWを図2のローリング加工装置にセットし(ステップS11)、次いで、成形ロール41が回転を開始し、ローリング加工装置は加工を開始する(ステップS12)。次に、コントローラ86は、予め求めておいた上記関係を満たしたサポートブロック39の変位量f(T)と相対角度θをドライバ87に送出し、ドライバ84は、サポートブロック39の変位量がコントローラ83から受け取った変位量f(T)になるようにカム33を回転させて、サポートブロック39を送るべく、モータ34を作動させる。また、マンドレル44の成形ロール41に対する相対角度がコントローラ83から受け取った相対角度θとなるようにスイベルプレート36を回転させるべく、スイベル機構を作動させる(ステップS13)。
【0067】
次いで、ステップS14で、環状ワークWの加工が続行中か否かを判別する。ステップS14で、環状ワークWの加工が続行中の場合は、ステップS13に戻り、ステップS13及びS14を繰り返す。ステップS14で、環状ワークWの加工が続行中でなければ、ステップS15に進み、加工終了動作を行って、本作動を終了する。
【0068】
以上説明した本発明の第1の実施の形態では、スイベル機構が成形ロール41の角度を変えるので、内周面が軸方向にテーパ状である環状ワークWの加工に適している。
【0069】
以下、図10を参照しながら、図7の制御機構の他の変形例を説明する。ここで、図10は図7の制御機構の他の変形例の説明である。図10において、図2に対応する構成要素には同じ参照番号が付されており、これらの構成要素の説明は図2と同様である。この変形例は、円筒度の精度の比較的悪い円筒状のワークを、特に外径面の円筒度を精度良く仕上げる必要のある場合に適用できる。
【0070】
本変形例は、制御装置90を有しており、制御装置90は、コントローラ91と、コントローラ91に接続されたドライバ92とを有する。また、環状ワークWの外形Dを測定する手段として、環状ワークWの一方の端面側において環状ワークWの外周面に配置された接触子93と、環状ワークWの他方の端面側において環状ワークWの外周面に配置された接触子94とが設けられている。接触子93と接触子94とは距離hだけ離間している。接触子93は環状ワークWの一方の端面側における環状ワークWの外径寸法D1を測定し、接触子94は環状ワークWの他方の端面側における環状ワークWの外径寸法D2を測定する。
【0071】
接触子93及び接触子94はコントローラ91に接続されている。ドライバ92は、モータ34及びモータ37に接続されている。
【0072】
コントローラ91は、接触子93及び接触子94から受容した外径寸法D1及び外径寸法D2とから外径寸法D=(D1+D2)/2を算出し、この外径寸法D値に基づいて、前述のようにマンドレル44の成形ロール41に対する相対角度θを算出する。
【0073】
コントローラ91は、また、接触子93及び接触子94から受容した外径寸法D1及び外径寸法D2と、予め設定された環状ワークWの幅Hとから、変位量θ1=(D1−D2)/Hを算出する。コントローラ91は、これらの算出された値θ及びθ1をドライバ92に送出する。
【0074】
ドライバ92は、マンドレル44の成形ロール41に対する相対角度がθになるように、また、上記変位量θ1が0になるようにスイベルプレート36を回転させるべく、スイベル機構を作動させる。これにより、上記の変位量θ1を0にすることにより環状ワークWの外径面の円筒度を0にすることができる。
【0075】
以下、図13を参照しながら本発明の第2の実施の形態を説明する。ここで、図13は本発明の第2の実施の形態の概略構成図である。図13において、図2に対応する構成要素には同じ参照番号が付されており、これらの構成要素の説明は図2と同様である。
【0076】
図2の装置においては、成形ロール41が取り付けられた支柱38がベッド31の一端側に設けられたスイベルプレート36に固定されているが、本実施の形態においては、スイベルプレート36がベッド31の一端側に垂直なピボットねじ35により取り付けられており、スイベルプレート36はピボットねじ35のまわりに回転自在であり、その回転はスイベルプレート36に設けられたモータ37により制御される。支柱38はベッド31に固定されており、支柱32はスイベルプレート36に固定されている。また、サポートブロック39はスイベルプレート36上にスイベルプレート36の長手方向に摺動自在に取り付けられている。リニアスケール80および接触子81よりなる環状ワークの外径測定機構(不図示)は支柱38またはベッド31上に固定されている。
【0077】
第1の実施の形態においては、相対角度θを変えるのに成形ロール41の向きを変えているが、本実施の形態では、相対角度θを変えるのにマンドレル44の向きを変えている。その他の構成、及び制御機構の作動は第1の実施の形態に準ずる。
【0078】
以上説明した本発明の第2の実施の形態では、スイベル機構がサポートロール43及びマンドレルの角度を変えるので、内周面が軸方向にテーパ状である環状ワークWの加工に適している。
【0079】
以下、図14を参照しながら本発明の第3の実施の形態を説明する。ここで、図14は本発明の第3の実施の形態の概略構成図である。図14において、図2に対応する構成要素には同じ参照番号が付されており、これらの構成要素の説明は図2と同様である。
【0080】
図2の装置においては、成形ロール41が取り付けられた支柱38がベッド31の一端側に設けられたスイベルプレート36に固定されているが、本実施の形態においては、ベッドの一端側に設けられたスイベルプレート36には、サポートロール43が取り付けられたサポートブロック39が固定されている。また、成形ロール41が取り付けられた支柱38はベッド31にベッド31の長手方向に摺動自在に取り付けられている。
【0081】
第1の実施の形態においては、相対角度θを変えるのに成形ロール41の向きを変えているのに対して、本実施の形態では、相対角度θを変えるのにマンドレル44及びサポートロール43の向きを変えている。また、第1の実施の形態においては、成形ロール41とマンドレル44との間隔の調整をサポートブロック39の移動により行っているのに対して、本実施の形態では、成形ロール41とマンドレル44との間隔の調整を支柱38の移動により行っている。外径測定機構(上記実施の形態と同様の構成)は支柱38上に固定されており、支柱38とともに移動する。この実施の形態では、加工の開始から終了まで常に図3のB点に相当するマンドレルの加工点位置はピボットねじ35の垂直軸上に保たれるようにすることができる。その他の構成、及び制御機構の作動は第1の実施の形態に準ずる。
【0082】
以上説明した本発明の第3の実施の形態では、スイベル機構がサポートロール43及びマンドレル44の角度を変えるので、内周面が軸方向にテーパ状である環状ワークWの加工に適している。
【0083】
以下、図15を参照しながら本発明の第4の実施の形態を説明する。ここで、図15は本発明の第4の実施の形態の概略構成図である。図15において、図2に対応する構成要素には同じ参照番号が付されており、これらの構成要素の説明は図2と同様である。
【0084】
図2の装置においては、成形ロール41が取り付けられた支柱38がベッド31の一端側に設けられたスイベルプレート36に固定されているが、本実施の形態においては、スイベルプレート36がベッド31の一端側に垂直なピボットねじ35により取り付けられており、スイベルプレート36はピボットねじ35のまわりに回転自在であり、その回転はスイベルプレート36に設けられたモータ37により制御される。支柱39はベッド31に固定されており、不図示の支柱32はスイベルプレート36に固定されている。また、サポートブロック39はスイベルプレート36上にスイベルプレート36の長手方向に摺動自在に取り付けられている。
【0085】
第1の実施の形態においては、相対角度θを変えるのに成形ロール41の向きを変えているのと同様、本実施の形態では、相対角度θを変えるのに成形ロール41の向きを変えている。また、第1の実施の形態においては、成形ロール41とマンドレル44との間隔の調整をサポートブロック39で行っているが、本実施の形態においては、成形ロール41とマンドレル44との間隔の調整を支柱38の移動により行っている。外径測定機構(上記各実施の形態のものと同様の構成)が支柱38上に固定されており、また、図3のB点に相当するマンドレルの加工点位置がピボットねじ35の垂直軸上に保たれることは上記第3の実施の形態と同様である。その他の構成、及び制御機構の作動は第1の実施の形態に準ずる。
【0086】
以上説明した本発明の第4の実施の形態では、スイベル機構が成形ロール41及びマンドレル44の角度を変えるので、内周面が軸方向にテーパ状である環状ワークWの加工に適している。
【0087】
また、以上説明した本発明の第1から第4の実施の形態におけるローリング加工は、冷間加工を例にとり説明したが、冷間又は熱間加工の双方に適用できる。また、本発明の第1及び第2の実施の形態において、サポートブロック39の移動は油圧シリンダ等の他の機構によって行ってもよい。本発明の第3及び第4の実施の形態において支柱38の移動は油圧シリンダ等の他の機構で行ってもよい。
【0088】
さらに、上記第1〜第4の実施の形態は、いずれも内周面が軸方向にテーパ状である環状ワークWの加工装置および方法を示したが、環状ワークWの幅を一定に保ち、テーパを生じないように環状ワークを拘束する段部を成形ロール41に設ける代わりにマンドレル44に設けることにより、いずれの場合も、外周面が軸方向にテーパ状である環状ワークの加工をすることができる。
【0089】
この場合、外径の代わりに加工中のワークの内径dを測定するようにすれば、内径テーパ状の場合と同様の仮定(加工中ワーク幅Hは一定かつ、軸方向の塑性流動がないとする)に基づき、dおよび加工完了後の内径、および大径側外径、小径側外径により、加工中の大径側外径D1、および小径側外径D2を式で表すことができる。従ってこれらのD1およびD2とワーク幅Hとから対応する加工中の外周面の傾斜角θを算出できるので上記実施の形態と同様な構成(図7(但し、外径の代わりに内径測定とする)、または図9)によりスイベル角θを制御することにより、外周面が軸方向にテーパ状である環状ワークの加工ができる。
【0090】
この場合、加工中のθは、dを用いなくても、D1,D2の少なくとも一方、加工完了後の大径側外径D1、小径側外径D2の少なくとも一方、およびワーク幅Hにより表すことができるので、内径dを測定する代わりにD1値,D2値の少なくとも一方を測定するようにしてもよい。また、2つの測定子を用い、D1値、D2値を測定するようにしてもよい。加工終了点はこれらの測定値をもとに、例えば平均外径(D1+D2)/2、内径d等から選ばれる所望の寸法値が予め定められた値に達した時点とする。
【0091】
さらにまた、外径寸法を2つの測定子を用いて幅方向の2ケ所で測定するような構成は上記内周面が軸方向にテーパ状態である環状ワークの加工にも適用することができる。このようにすることにより、外径寸法Dは2つの測定値の平均値とするので、より信頼性が高まる。
【0092】
さらに、本発明の第1の実施の形態における、マンドレル44の成形ロール41に体する相対角度θの制御機構の変形例(図9、図10)は、本発明の第2から第3の実施の形態に適用できる。
【0093】
【発明の効果】
本発明の請求項1の環状体のローリング加工装置によれば、第1の支持手段及び第2の支持手段の一方が、成形ロールの軸線とマンドレルの軸線との相対角度を変えるように構成されており、相対角度制御手段が前記相対角度を環状体の加工段階に応じた所定の角度に変えるように第1の支持手段及び第2の支持手段の一方を制御するので、テーパ状の周面を有する環状体のローリング加工を安定した状態で行い得る。
本発明の請求項4の環状体のローリング加工装置によれば、外周面と内周面との相対角度を環状体の加工段階に応じた所定の角度に変えるように環状体の外周面及び環状体の内周面を圧延するので、テーパ状の周面を有する環状体のローリング加工を安定した状態で行い得る。
【0094】
さらに、円筒状の環状体の場合に、外周面の円筒度を精度よく仕上げるのに用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】環状ワークのローリング加工の過程における形状の変化の説明図であり、(A)は加工前の環状ワーク1の縦断面図、は加工中の環状ワーク11の縦断面図、(C)は加工後の環状ワーク21の縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の概略構成図である。
【図3】図2の装置のローリング加工要部の説明図である。
【図4】図2の装置のスイベル機構の説明図であり、(A)は図2の装置のスイベル機構の平面図、(B)は図4(A)の機構の要部のC−C断面図、(C)は図4(A)の機構の要部の下方におけるベッド31の部分の平面図である。
【図5】図4のスイベル機構の変形例の説明図であり、(A)は図4のスイベル機構の変形例の要部の平面図であり、(B)は図4のスイベル機構の変形例の要部の部分断面図である。
【図6】図4のスイベル機構の他の変形例の説明図であり、(A)は図4のスイベル機構の他の変形例の平面図、(B)は図6(A)の機構の要部の側面図である。
【図7】マンドレル44の成形ロール41に対する相対角度θの制御機構の概略図である。
【図8】図7の制御装置82の作動のフローチャートである。
【図9】図7の制御機構の変形例の概略図ある。
【図10】図7の制御機構の他の変形例の概略図である。
【図11】Dに対するd1、d2及びθの関係を示すグラフ
【図12】図10の制御装置85の作動のフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態の概略構成図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態の概略構成図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態の概略構成図である。
【図16】従来の環状体のローリング加工装置の要部の説明図である。
【図17】図16の装置のローリング加工部の詳細説明図である。
【図18】ローリング加工前後の環状ワークの形状の説明図であり、
【図19】従来の他の環状体のローリング加工装置の要部の説明図である。
【符号の説明】
31 ベッド
32 支柱
33 カム
36 スイベルプレート
37 モータ
38 支柱
39 サポートブロック
41 成形ロール
43 サポートロール
44 マンドレル
45,46 バックアップローラ
W 環状ワーク
100 環状ワーク
101 成形ロール
102 マンドレル

Claims (5)

  1. 内周面及び外周面の少なくとも一方が軸方向にテーパ状である環状体の外周面に当接する成形ロールと、前記成形ロールを回転自在に支持する第1の支持手段と、軸線が前記成形ロールの軸線を含む平面内にあり、前記成形ロールと協働して前記環状体を挟圧するように前記環状体の内周面に当接するマンドレルと、前記マンドレルを回転自在に支持する第2の支持手段とを備える環状体のローリング加工装置において、前記第1の支持手段及び前記第2の支持手段の一方が、前記成形ロールの軸線と前記マンドレルの軸線との相対角度を変えるように構成されており、前記相対角度を前記環状体の加工段階に応じた所定の角度に変えるように前記第1の支持手段及び前記第2の支持手段の一方を制御する相対角度制御手段を備えることを特徴とする環状体のローリング加工装置。
  2. 前記相対角度制御手段は、前記環状体の外径寸法を測定する測定手段と、前記環状体の加工段階に応じた所定の角度を前記測定された環状体の外径寸法に基づいて算出する算出手段を含むことを特徴とする請求項1記載の環状体のローリング加工装置。
  3. 前記第1の支持手段又は前記第2の支持手段が、前記成形ロールの軸線と前記マンドレルの軸線との間隔を所定間隔だけ変えるように構成されており、前記相対角度制御手段は、前記所定間隔と前記相対角度とが所定の関係となるように前記第1の支持手段又は前記第2の支持手段を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の環状体のローリング加工装置。
  4. 内周面及び外周面の少なくとも一方が軸方向にテーパ状である環状体を回転させながら、前記環状体の幅を実質的に一定に保ったままで前記環状体の外周面及び前記環状体の内周面を圧延しつつ前記環状体を拡径する工程を含む環状体のローリング加工方法において、前記圧延が、前記外周面と前記内周面との相対角度を前記環状体の加工段階に応じた所定の角度に変えるように前記環状体の外周面及び前記環状体の内周面を圧延する工程からなることを特徴とする環状体のローリング加工方法。
  5. 前記環状体の外径寸法を測定する工程と、前記環状体の加工段階に応じた所定の角度を前記測定された環状体の外径寸法に基づいて算出する 工程とを含むことを特徴とする請求項4記載の環状体のローリング加工方法。
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