JP3691998B2 - 物品供給方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、物品の処理に際して、該物品の移動状態において行うことができる物品供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、充填包装業界等において、充填包装ラインへ容器を供給する場合には、この容器が立った状態で多数列に並べ設けた一群状にしてコンベア上へ載置し、この最頭部の容器から押せ押せ状態で一個ずつランダムの間隔や位置に次のコンベアに送り込み、充填包装機への該容器の供給に際しては、前記コンベアから、更に、繰り入れスクリューに受け取らせて、この充填包装機により所定処理が円滑で確実に行われるようにするために、一個一個所定ピッチで一列に整列させてさせている。
【0003】
これら一連の装置は、多数種類の容器が取り扱えるように兼用させることが多いものであるが、この容器の他種類への型換えを行うと様々なトラブルを発生させることがある。
【0004】
すなわち、容器の外径や外形が変化することにより、コンベア上に並んだときの容器間のピッチが変わってしまい、複数ヘッドからなる繰り入れ機のチャック装置や繰り入れスクリューが異なる容器ごとに多数セット必要となって、不経済となるばかりか、管理に多くのスペースを要する。
【0005】
各コンベアへの繰り入れに際して、容器の形状が逆テーパとなっていたり、安定の悪い異形容器であったりするときは、この繰り入れ中に転倒して他の容器の移送を妨げたり、容器供給そのものが停止してしまうことがある。
【0006】
更には、容器の接触等により容器に傷が付いたり変形する損傷を起こしたり、スクリュー繰り入れ時に噛み込みを生じさせる。等の様々な問題点を有するものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記した問題点を解決するためになされた物品供給方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するための本発明の手段は、所定速度で移動する搬送手段上をランダム状態で物品を搬送し、この搬送手段によって移動する途中において、物品検出手段により前記物品の移送状態を個々に検出して、その物品ごとの検出情報を制御手段へ送信し、この情報に基づいて前記搬送手段の近傍に設けた取出手段を制御して、前記搬送手段の移動速度に合わせて該取出手段を移動させつつ、この搬送手段上の物品を処理手段により受け取り、前記物品に対して前記処理手段により前記送り出し手段へ前記物品を供給させるものであり、前記処理手段は取付部材を設け、この取付部材には、前記物品の上面を吸着する回動自在な一対の第一および第二吸着部材が取り付けられ、前記物品はキャップであり、前記第一吸着部材は、前記搬送手段の移動速度に合わせて前記搬送手段の上流側から下流側へ移動しつつ、前記キャップに対応するものであり、前記キャップを前記第一吸着部材により吸着保持し、前記キャップの凹部が上向きであれば、前記第一吸着部材が回動して、前記第二吸着部材へ受け渡し、受け渡しが終了すれば、前記第二吸着部材に保持された前記キャップはその凹部が下向きとなる物品供給方法にある。
【0011】
【実施例】
次に、本発明に関する物品供給方法の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜図2および図4,図5,図7〜図13においてAは、本発明実施例の物品供給方法を採用した物品供給装置で、物品bは、例えば、流体の充填包装業界において使用される容器やキャップ等である。
【0012】
そして、第一の実施例方法に用いる物品供給装置Aは、例えば、物品bである容器を、流体充填機Wへ安定かつ迅速に供給させる目的に採用されるもので、図1に示すように、物品(容器)bを多数集溜させておく蓄溜体1と、搬送手段2と、物品検出手段3と、制御手段4と、取出手段5と、処理手段6とにより基本的に構成される。
【0013】
このうち、蓄溜体1は、物品bを多数集溜させてその送り出し口1aにおいて一列に並列させて一個ずつ繰り出せるようにしてある。
【0014】
前記した搬送手段2は、蓄溜体1の送り出し口1aに並設させてあって、モータ等の駆動部材7により駆動されて、一方向へ所定速度で走行するコンベア等を用いるもので、この搬送手段2の上部へ、蓄溜体1より送られてきた物品bを一列でランダム状態に、すなわち、物品b間のピッチや物品b個々の列の並びが不整列の状態で載置され移送される。
【0015】
前記した物品検出手段3は、搬送手段2によって所定速度で移送される物品bの移送状態(例えば、物品b間のピッチや物品b個々の列の並び、物品bの良不良等)を一個ずつそれぞれに検出して、その物品bごとの検出情報を後記する制御手段4へ送信するもので、慣用のカメラセンサーを用いて、その撮像された画像情報に基づいて、該物品bの固有情報が得られる。
【0016】
前記した制御手段4は、慣用なコンピュータを用いて、搬送手段2や後記する取出手段5,処理手段6,流体充填機Wを適宜制御する。
【0017】
前記した取出手段5は、搬送手段2上の物品bを把持して、後記する処理手段6へ該物品bを送り込むもので、慣用の多関節ロボットや、X軸,Y軸,Z軸およびZ軸を中心としたθ角回転に対して任意に移動し得る手段等が利用できるもので、アーム等の操作手段(図示せず)の先端部に取り付けたチャック8により、物品bの外周部等を着脱自在に把持する。
【0018】
この取出手段5は、搬送手段2の移送に伴って、物品bの移送速度と同調した平行した速度で該物品bに追従させることができる。
【0019】
前記した処理手段6は、本実施例にあっては物品(容器)bを流体充填機Wへ送り込むスクリューコンベア等の搬送部材で、その移送方向が搬送手段2の移送方向と平行させてあって、該搬送手段2の終端部と流体充填機Wの繰り入れ始端部とに亘って接続させてある。
【0020】
物品bは、取出手段5のチャック8により搬送手段2上から処理手段6へ移し替えられる。
【0021】
この処理手段6であるスクリューコンベアは、移送方向に対して所定ピッチで多数のポケット6aが形成されているもので、物品bは、このポケットに断面形状略半分が収容されて、コンベアの回転に伴って流体充填機Wへ向かって移送される。
【0022】
なお、物品bは、流体充填機Wにおけるスターホイール等の繰り入れ部材9を介して本体10に送られて流体充填が行われ、スターホイール等の繰り出し部材11を介して次工程へ移送部材12により送り出される。
【0023】
したがって、前記したように構成される本発明に係る第一実施例の物品供給方法は、以下に述べる作用を奏する。
搬送手段2は駆動部材7により所定速度で移動されているもので、多数収容された容器である物品bは、蓄溜体1から該搬送手段2上へ物品b間のピッチや物品b個々の列の並びが不整列の状態のランダム状態で繰り入れられる。
【0024】
そして、この搬送手段2によって移動する該物品bは、その搬送手段2の途中において、該搬送手段2の上方に設けた物品検出手段3によって、これら物品bの移送状態が個々に検出される。
すなわち、物品bが搬送手段2上においての載置位置を座標値として検出すると共に、該物品bの中心位置(容器の場合平面形状円形である。)を座標値として検出して、それぞれ固有の検出情報を得る。
【0025】
これら物品bごとの検出情報は制御手段4へ送信されるもので、この情報に基づいて搬送手段2の近傍に設けた取出手段5が制御される。
すなわち、該取出手段5は、あらかじめアーム(図示せず)作動させて搬送手段2の上流側へチャック8を向けておき、この状態から、この下側に対応する物品bに対して、チャック8を搬送手段2の移動速度に合わせて下流側へ移動させつつ、該チャック8が物品bの中心位置上に対応する。
【0026】
すると、チャック8は、搬送手段2による物品bの移送速度と同期して下流側に移動し、降下して物品bを把持し、その後に上昇するもので、該物品bは、チャック8による正確位置での把持が行われる。
【0027】
そして、把持された物品bが受渡位置pに達すると、搬送手段2の近傍に設けた所定速度で移動する処理手段6へ、この取出手段5のチャック8に把持されている物品bを供給させるもので、該取出手段5は、処理手段6の移動速度に同期させて、そのアームに取り付けられたチャック8が下流側に移動する。
【0028】
処理手段6におけるポケット6aに対してチャック8の物品bが対応すれば、該チャック8を下流側へ移動しつつ、降下させて移動中の処理手段6のポケット6a内へ収納され供給が完了する。
【0029】
このポケット6a内には、物品bが正しい姿勢で正確に納まり、次工程の流体充填機Wへのおける受け渡しに際して、円滑に行われる。
【0030】
次に、本発明に係る方法の第二の実施例を、図3に示す物品供給方法を採用した物品供給装置Aに基づいて説明する。
この例の方法は、所定速度で移動する搬送手段2上をランダム状態で物品bを搬送し、この搬送手段2の近傍に設けた所定速度で移動する移送手段13上の物品対応部材cへ物品bを処理させる方法にあって、搬送手段2によって移動する途中において、物品検出手段3により物品bの移送状態を個々に検出して、その物品bごとの検出情報を制御手段4へ送信すると共に、移送手段13によって移動する途中において、物品対応部材検出手段15により物品対応部材cの移送状態を個々に検出して、その物品対応部材cごとの検出情報を制御手段4へ送信し、これら情報に基づいて搬送手段2および移送手段13の近傍に設けた取出手段5を制御して、搬送手段2の移動速度に合わせて該取出手段5を移動させつつ、この搬送手段2上の物品bを受け取り、搬送手段2の近傍に設けた所定速度で移動する移送手段13上の物品対応部材cへ、該移送手段13の移動速度に合わせて移動しつつ受け取った物品bを供給させるものである。
【0031】
更に詳述すれば、前記第一実施例と同様の構成からなる搬送手段2はモータ等の駆動部材7により駆動されるもので、物品bを多数収容した蓄溜体1から、該物品bが順次送り出される。
【0032】
送り出された物品bは、該搬送手段2の途中においてその上方に設けたカメラセンサー等の物品検出手段3により検出されるもので、搬送手段2によって所定速度で移送される物品bの移送状態(例えば、物品b間のピッチや物品b個々の列の並び、物品bの良不良等)を一個ずつそれぞれに検出して、その物品bごとの検出情報を第一実施例において示した同様の構成による制御手段4へ送信するものであって、その撮像された画像情報に基づいて、該物品bの固有情報が得られる。
【0033】
前記した移送手段13は、搬送手段2と平行して該搬送手段2と同一搬送方向へモータ等の駆動部材17により駆動されるもので、物品対応部材cを多数収容した蓄溜体14から、該物品対応部材cが順次送り出される。
【0034】
なお、物品検出手段3および物品対応部材検出手段15,制御手段4は、前記した第一実施例において示した構成と同様の手段を採用するもので、その詳細な説明は省略する。
【0035】
また、取出手段5は、前記した第一実施例と同様構成のものを用いるもので、慣用の多関節ロボットや、X軸,Y軸,Z軸およびZ軸を中心としたθ角回転に対して任意に移動し得る手段等が利用できるものであって、アーム等の操作手段(図示せず)の先端部に取り付けたチャック8により、物品bの外周部等を着脱自在に把持する。
【0036】
このチャック8は、図3に示すように、物品bの上面を吸着する吸着部材18と、物品対応部材cの外周部を把持する把持部材19を有していて、例えば、物品対応部材cである容器の口元へ、物品bであるキャップを取り付ける際には、キャップb上面を保持体20に内蔵した吸着部材18により吸着保持し、容器bの口元首部を把持部材19によりグリップした状態で、チャック8全体あるいは保持体20を降下させることで押し込みによる打栓が行える。
【0037】
なお、取出手段5のアーム等の操作手段がキャップbの打栓圧の反力に耐えられない場合には、取出手段5に取り付けた回転軸(ねじ軸)20aを図示してないモータ等の回転手段により回転させることで、前記反力をチャック8の内部において吸収することができるため、取出手段5に対して打栓圧の負荷をかけることがないものであり、該取出手段5を小型化することができる。
【0038】
したがって、前記したように構成される本発明に係る第一実施例の物品供給方法は、以下に述べる作用を奏する。この実施例にあっては、物品対応部材cである容器の口元へ、物品bであるキャップを取り付ける例について説明する。
搬送手段2は駆動部材7により所定速度で移動されているもので、多数収容されたキャップである物品bは、蓄溜体1から該搬送手段2上へ物品b間のピッチや物品b個々の列の並びが不整列の状態のランダム状態で繰り入れられる。
【0039】
そして、この搬送手段2によって移動する該物品bは、その搬送手段2の途中において、該搬送手段2の上方に設けた物品検出手段3によって、これら物品bの移送状態が個々に検出される。
すなわち、物品bが搬送手段2上においての載置位置を座標値として検出すると共に、該物品bの中心位置(キャップの場合平面形状円形である。)を座標値として検出して、それぞれ固有の検出情報を得る。
【0040】
これら物品bごとの検出情報は制御手段4へ送信されるもので、この情報に基づいて搬送手段2の近傍に設けた取出手段5が制御される。
すなわち、該取出手段5は、あらかじめアーム(図示せず)作動させて搬送手段2の上流側へチャック8を向けておき、この状態から、この下側に対応する物品bに対して、チャック8を搬送手段2の移動速度に合わせて下流側へ移動させつつ、該チャック8が、把持部材19を跳ね上げた状態でキャップbの中心位置上に対応する。
【0041】
すると、チャック8は、搬送手段2によるキャップbの移送速度と同期して下流側に移動し、降下してキャップbをその吸着部材18により吸着保持し、その後に上昇するもので、該キャップbは、チャック8による正確位置での保持が行われる。
【0042】
一方、移送手段13上には、物品対応部材cである流体充填済みの容器が蓄溜体14から順次供給されるもので、容器c間のピッチや容器c個々の列の並びが不整列の状態のランダム状態で繰り入れられる。
【0043】
そして、取出手段5により保持されたキャップbおよび搬送手段2の近傍に設けた所定速度で移動する移送手段13上の容器cが受渡位置pに達すると、この取出手段5のチャック8に把持されているキャップbを容器cの口元へ施蓋させるもので、該取出手段5は、移送手段13の移動速度に同期させて、そのアームに取り付けられたチャック8が下流側に移動する。
【0044】
移送手段13の容器cに対してチャック8のキャップbが対応すれば、このチャック8を下流側へ移動しつつ、降下させて移動中の移送手段13の容器cへ嵌め込み、その押し込みにより施蓋されてキャップbの供給が完了するものであって、この容器cには、キャップbが正しい姿勢で正確に取り付けられる。
【0045】
なお、キャップbの保持体20は回転させる構成であってもよく、この場合、キャップbはスクリュー式が用いられる。
【0046】
次に、本発明に係る方法の第三の実施例を、図4〜図5に示す物品供給方法を採用した物品供給装置Aに基づいて説明する。
この例の方法は、所定速度で移動する搬送手段2上をランダム状態で物品bを搬送し、搬送手段2によって移動する途中において、物品検出手段3により物品bの移送状態を個々に検出して、その物品bごとの検出情報を制御手段4へ送信し、この情報に基づいて搬送手段2の近傍に設けた取出手段5を制御して、搬送手段2の移動速度に合わせて、該取出手段5を移動させつつ、この搬送手段2上の物品bを受け取って、該物品bに対して処理手段21により所定の処理を行った後、この処理手段21により送り出し手段22へ物品bを供給させるものである。
【0047】
更に詳述すれば、前記第一および第二実施例と同様の構成からなる搬送手段2はモータ等の駆動部材7により駆動されるもので、物品bを多数収容したパーツフィーダ等の蓄溜体1から、該物品bが順次送り出される。
【0048】
送り出された物品bは、該搬送手段2の途中において、その上方に設けたカメラセンサー等の物品検出手段3により検出されるもので、搬送手段2によって所定速度で移送される物品bの移送状態(例えば、物品b間のピッチや物品b個々の列の並び、物品bの良不良等)を一個ずつそれぞれに検出して、その物品bごとの検出情報を制御手段4へ送信するものであって、その撮像された画像情報に基づいて、該物品bの固有情報が得られる。
【0049】
なお、物品検出手段3および制御手段4は、第一および第二実施例において示した同様の構成による手段を採用するもので、その詳細な説明は省略する。
【0050】
また、取出手段5は、前記した第一および第二実施例と同様構成のものを用いるもので、慣用の多関節ロボットや、X軸,Y軸,Z軸およびZ軸を中心としたθ角回転に対して任意に移動し得る手段等が利用できるものであって、そのアーム等の操作手段23の先端部に取り付けた処理手段21により、物品bの外部等を着脱自在に把持(吸着)する。
【0051】
この処理手段21は、図6に示すように、操作手段21に設けた取付部材24へ、物品bの上面を吸着する一対の第一および第二吸着部材25,26を、それぞれリンク27,28の枢軸29,30により回動自在に取り付けてある。
また、この第一および第二吸着部材25,26は、図示してない回動部材のより回動作動される。
【0052】
この処理手段21の操作により、例えば、凹部を有する物品であるキャップbの表裏の選別にあっては、物品検出手段3の検出情報に基づいて、第一および第二吸着部材25,26を、図6(a)〜(b)に示すように操作することで、該キャップbの表裏を一方向へ揃えることができる。
【0053】
前記した送り出し手段22は、モータ等の駆動部材27により駆動されて、一方向へ所定速度で走行するコンベア等を用いるもので、この送り出し手段22の上部へ、取出手段5の処理手段21より処理された物品bを、例えば、スクラッチピース28等に載置して次工程へ移送する。
【0054】
したがって、前記したように構成される本発明に係る第三実施例の物品供給方法は、以下に述べる作用を奏する。この実施例にあっては、物品bであるキャップの表裏を整列させる例について説明する。
搬送手段2は駆動部材7により所定速度で移動されているもので、多数収容されたキャップである物品bは蓄溜体1から、この蓄溜体1の出口に設けたゲート30を通過した裏か表かの横向き状態のキャップbが、該搬送手段2上へこのキャップb間のピッチやキャップb個々の列の並びが不整列の状態のランダム状態で繰り入れられる。
【0055】
そして、この搬送手段2によって移動する該物品bは、その搬送手段2の途中において、該搬送手段2の上方に設けた物品検出手段3によって、これら物品bの移送状態が個々に検出される。
すなわち、搬送手段2上のキャップbが表向きか裏向きかを認識すると共に、キャップbに対して搬送手段2上においての載置位置を座標値として検出し、更に、該キャップbの中心位置(キャップの場合平面形状円形である。)を座標値として検出して、それぞれ固有の検出情報を得る。
【0056】
これらキャップbごとの検出情報は制御手段4へ送信されるもので、この情報に基づいて搬送手段2の近傍に設けた取出手段5が制御される。
すなわち、該取出手段5に取り付けた処理手段21における一方の第一吸着部材25は、搬送手段2の移動速度に合わせて該搬送手段2の上流側から下流側へ移動しつつ、キャップbの中心位置上に対応する。
【0057】
すると、降下してキャップbをその第一吸着部材25により吸着保持し、該キャップbの凹部が上向きであれば、図6(a)に示す状態から、90°内方へ回動して、図6(b)に示すように、同様に内方へ90°回動している第二吸着部材26へ受け渡す。
【0058】
そして、受け渡しが終了すれば、第一および第二吸着部材25,26は、その吸着面を下方へ向けた状態となるもので、第二吸着部材26に保持されたいるキャップbはその凹部が下向きとなって、容器cへ被着できる状態となる。
このとき、該キャップbは、処理手段21における第一および第二吸着部材25,26がその中心位置へそれぞれ対応して、キャップbの正確位置により保持することができる。
【0059】
この保持されたキャップbは、送り出し手段22上に載置したスクラッチケース28へ所定個数が納められるもので、取出手段5が作動して制御手段4へあらかじめ定められたデータに基づいて、該制御手段4の制御によりスクラッチケース28へ順次供給してゆく。
【0060】
所定個数のキャップbが納められたら、駆動部材27が作動して次工程へこのキャップbを搬送して受け渡すもので、空になったスクラッチケース28は、ベルトコンベア等の循環移送手段35(往復する移送手段でもよい)により再び送り出し手段22へ戻す。
【0061】
これにより、キャップbは次工程へ常に正しい整列方向(表裏方向)と姿勢と供給される。
【0062】
なお、前記した処理手段21における第一および第二吸着部材25,26は、必要に応じて一方のみ(例えば、第一吸着部材25のみ)を使用することができるもので、搬送手段2上において凹部が下向きとなっていないキャップbは、図5において仮想線で示すように、一方の第一吸着部材25により吸着保持させているキャップbを、該搬送手段2の移送終端部に配設させた回収手段36に落とし込み、再び、蓄溜体1へ戻して搬送手段2により取出手段5へ送り直し再選別させることもできる。
【0063】
この第三実施例の他の例として、図7および図8に示すように、蓄溜体1から繰り出される物品bであるキャップは、搬送手段2によって移動する途中において、第一物品検出手段3aによりキャップbの移送状態を個々に検出する。
【0064】
そのキャップbごとの検出情報を制御手段4へ送信して、これら情報に基づいて、すなわち、キャップbが表向き(凹部が下向き)のものを取出手段5により取り出すもので、搬送手段2の近傍に設けた取出手段5を制御して、搬送手段2の移動速度に合わせて該取出手段5を移動させつつ、この搬送手段2上のキャップbを正確位置により受け取って、アーム等の操作手段23に取り付けた吸着部材38により保持し、搬送手段2の近傍に設けた所定速度で移動する送り出し手段22上に該送り出し手段22の移送に合わせて載置する。
【0065】
また、キャップbが裏向き(凹部が上向き)のものは、搬送手段2の最終端部に設けたキャップ表裏反転手段37により、向きを逆さにさせて、搬送手段2の下側に設けた第二搬送手段2a上に移し替える。
【0066】
この第二搬送手段2a上のキャップbは、該第二搬送手段2aによって移動する途中において、第二物品検出手段3bにより表向きのキャップbの移送状態を個々に検出して、そのキャップbごとの検出情報を制御手段4へ送信し、これら情報に基づいて前記した取出手段5を制御して、第二搬送手段2aの移動速度に合わせて該取出手段5を移動させつつ、この第二搬送手段2a上のキャップbを正確位置により受け取ってアーム23に設けた吸着部材38により保持し、所定速度で移動する前記した送り出し手段22上へ、該送り出し手段22の移動速度に合わせて移動しつつ載置する。
【0067】
これ以降の工程は、前記した第三実施例と同様に行われるもので、例えば、この保持されたキャップbは、送り出し手段22上に載置したスクラッチケース28へ所定個数が納められるもので、取出手段5が作動して制御手段4へあらかじめ定められたデータに基づいて、該制御手段4の制御によりスクラッチケース28へ順次供給してゆく。
【0068】
所定個数のキャップbが納められたら、駆動部材27が作動して次工程へこのキャップbを搬送して受け渡すもので、空になったスクラッチケース28は、ベルトコンベア等の循環移送手段35により再び送り出し手段22へ戻す。
【0069】
これにより、キャップbは次工程へ常に正しい整列方向(表裏方向)と姿勢と供給されるもので、この手段によれば、図5および図6に示す複雑な処理手段21が不必要となって、キャップbの選別が簡素化される。
【0070】
更に、この第三実施例の他の例として、図9および図10に示すと、蓄溜体1において、その回転により物品bであるキャップbは外周部へ旋回移動され、キャップ反転体39において、表向きのもののみが残り、他のものは落下して再移送されるもので、これによりキャップbの表裏が整列される。
【0071】
更に、旋回移動すると、切り換えレバー40によりゲート30に達したキャップbは、蓄溜体1における外周搬送手段2cに移動するもので、この外周搬送手段2cによって移動する途中において、物品検出手段3によりキャップbの移送状態を個々に検出する。
【0072】
そのキャップbごとの検出情報を制御手段4へ送信して、これら情報に基づいて取出手段5により取り出すもので、外周搬送手段2cの近傍に設けた取出手段5を制御して、外周搬送手段2cの移動速度に合わせて該取出手段5を移動させつつ、この外周搬送手段2c上のキャップbを正確位置により受け取って、アーム等の操作手段23に取り付けた吸着部材38により保持し、外周搬送手段2cの近傍に設けた所定速度で移動する送り出し手段22上に、該送り出し手段22の移送に合わせた同期状に移動してキャップbを載置する。これ以降の工程は、前記した第三実施例と同様に行われる。
この手段によれば、より一層構成および工程を簡素化させることができる。
【0073】
図11および図12においてAは、前記した第一実施例における蓄溜体1と搬送手段2の他の例を示すもので、蓄溜体1は、コンベア等の送り込み手段50上に複数層に積み上げて多数の物品bが収容されたレイヤーパッド51,51…が供給される。
なお、このレイヤーパッド51は、パレット52上に載置される。
【0074】
また、搬送手段2は、蓄溜体1に隣接させて、昇降部材53へ昇降自在に取り付けたテーブル54と、このテーブル54に連係させてレイヤーパッド51を一個ずつ受け取り、該テーブル54へ物品bを送り込む進退自在の受け渡し部材55と、テーブル54と処理手段6と接続させる搬送部材56とよりなる。
なお、受け渡し部材55は、昇降部材53へ昇降自在に取り付けたスライドフレーム57に設けてあって、その前側部に付設した昇降自在のガイド58が上昇したとき、該受け渡し部材55の前進により物品bがテーブル54上に送り込まれる。
【0075】
したがって、この例によれば、図12(a)に示すように、送り込み手段50上に供給されたレイヤーパッド51内の物品bは、図12(b)に示すように、受け渡し部材52の待機位置まで前進し、図12(c)に示すように、該受け渡し部材52により最上部のレイヤーパッド51が取り出されて、テーブル54へ送り込まれる。
【0076】
すると、図12(d)に示すように、昇降部材53によるスライドフレーム57の降下によりテーブル54が搬送部材56に対応するもので、図12(e)に示すように、該テーブル54上の物品bが受け渡し部材52により搬送部材56上に押し出されるので、物品bは、その搬送手段2における搬送部材56の途中において、該搬送部材56の上方に設けた物品検出手段3によって、これら物品bの移送状態が個々に検出され、これら物品bごとの検出情報は制御手段4へ送信されるもので、この情報に基づいて搬送手段2の近傍に設けた取出手段5が制御される。
【0077】
この取出手段5の操作により物品bを把持して、一方向へ連続して走行するスクリューコンベア等の処理手段6におけるポケット6a(図示せず)へ、該取出手段5が同調移動しつつ順次物品bを収納する。
【0078】
レイヤーパッド51上の物品bがなくなれば、該レイヤーパッド51はテーブル54上から取り除かれ、図12(f)に示すように、受け渡し部材52が次のパレット52上のレイヤーパッド51を受け取りに行き、同様に、図12(b)〜(e)に示す操作を繰り返す。
【0079】
また、図12(g)に示すように、パレット52上のレイヤーパッド51がなくなれば、空のパレット52を隣接させた排出部材59へ排出すると共に、図12(h)に示すように、次の満積のパレット52が送り込み手段50上に供給されるもので、前記同様の処理がなされる。
この例によれば、前記した第一実施例と同様に、処理手段6のポケット6a内には、物品bが正しい姿勢で正確に納まり、次工程の流体充填機Wへのおける受け渡しに際して、円滑に行われる。
【0080】
なお、図13に示すように、処理手段6に供給された物品bは、該処理手段6の上方に配設させた物品検出手段3により物品情報を検出し、この検出情報に基づいて制御手段4を介して取出手段5を操作して、正しい情報以外の物品、例えば、不良物品bを検出したときは、取出手段5の近傍に設けた回収部材60へこの物品bを廃棄させる。
また、正常物品bは、移送部材12によって次工程へ送り込まれる。
【0081】
【発明の効果】
前述のように本発明に関する物品供給方法は、搬送手段により移送される物品の移送中に、該搬送手段の移送速度に同期して取出手段により物品を取り出すため、多数種類の物品処理にあって、この物品の型換え際しても、特別な手段の変更や交換が不要となって、これに要するコストや労力が軽減されると共に、装置の兼用使用が可能となる。
【0082】
また、物品の搬送にあって、異形物品処理でも、搬送中に転倒して他の物品の移送を妨げたり、物品供給そのものが停止させることがないので、連続した安定的な物品の供給が望める。等の格別な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する物品供給方法を採用した物品供給装置の第一実施例を示す概略の平面図である。
【図2】本発明に関する物品供給方法を採用した物品供給装置の第二実施例を示す概略の平面図である。
【図3】図2における装置におけるチャックを示す要部の断面図である。
【図4】本発明に関する物品供給方法を採用した物品供給装置の第三実施例を示す概略の平面図である。
【図5】図4における正面図である。
【図6】図4における処理手段を示す説明図である。
【図7】図4における物品供給方法の他の例を示す物品供給装置の概略を示す平面図である。
【図8】図7における正面図である。
【図9】図4における物品供給方法の更に他の例を示す物品供給装置の概略を示す平面図である。
【図10】図9における正面図である。
【図11】本発明に関する物品供給装置の第一実施例に用いた蓄溜体および搬送手段の他の例を示す斜視図である。
【図12】図11における物品供給装置の概略的な作動状態を示す斜視図である。
【図13】本発明に関する物品供給装置において不良物品の回収に用いた例を示す斜視図である。
【符号の説明】
b 物品
c 物品対応部材
2 搬送手段
3 物品検出手段
4 制御手段
5 取出手段
6,21 処理手段
15 物品対応部材検出手段
22 送り出し手段
Claims (1)
- 所定速度で移動する搬送手段上をランダム状態で物品を搬送し、この搬送手段によって移動する途中において、物品検出手段により前記物品の移送状態を個々に検出して、その物品ごとの検出情報を制御手段へ送信し、この情報に基づいて前記搬送手段の近傍に設けた取出手段を制御して、前記搬送手段の移動速度に合わせて該取出手段を移動させつつ、この搬送手段上の物品を処理手段により受け取り、前記物品に対して前記処理手段により前記送り出し手段へ前記物品を供給させるものであり、
前記処理手段は取付部材を設け、
この取付部材には、前記物品の上面を吸着する回動自在な一対の第一および第二吸着部材が取り付けられ、
前記物品はキャップであり、
前記第一吸着部材は、前記搬送手段の移動速度に合わせて前記搬送手段の上流側から下流側へ移動しつつ、前記キャップに対応するものであり、
前記キャップを前記第一吸着部材により吸着保持し、前記キャップの凹部が上向きであれば、前記第一吸着部材が回動して、前記第二吸着部材へ受け渡し、受け渡しが終了すれば、前記第二吸着部材に保持された前記キャップはその凹部が下向きとなることを特徴とする物品供給方法。
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