JP3691855B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、超音波ドプラ効果を利用して被検体の体内の血流量を無侵襲で測定する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波ドプラ法により血流量を求めることは既に行なわれており、その装置も製品化されている。この測定には、従来、2つのトランスジューサから異なる2方向に発射される連続超音波が用いられる。2つの超音波による2つの超音波ドプラ信号から血流方向と超音波ビーム方向が算出されて血管方向の血流速を求められるとともに、パルス超音波により血管径が求められ、これらの値から断面積が算出される。算出された断面積から血流量が算出される。この場合、超音波ビームが交差するような2つの超音波トランスジューサを必要とするため、プローブが複雑になり、心内血流量等の測定はできない。
【0003】
ところで、生体情報として特に心臓から全身に送り出される心血流量あるいは心拍出量(毎分当りの心血流量)は診断上重要な値であるが、従来の方法により大動脈の血流量を測定するのは、肺や肋骨の影響があるため実際には困難である。また、心内血流は、血管のように断面積が一定な境界を有するものではなく、血流方向も定め難いため、従来方法による血流量測定はさらに困難となる。また、研究的な試みは幾つかあるが、いずれもその方法は操作が複雑で精度も悪く実用的なものはない。
【0004】
そこで、かかる事態を改善しようとした血流量測定装置が、米国特許第4,790,322号で提案されている。この血流量測定装置は、被検体の診断部位との間で超音波ビームを送受信するトランスデューサを備えるとともに、その複数の超音波ビーム走査線に直交する測定ラインを設定し、その測定ライン上の測定点の血流に拠るドプラ偏移信号を演算するドプラ演算部を備えている。検知したドプラ偏移信号から血流速度が演算され、その血流速度演算値と血流断面積とに基づいて診断部位を流れる血流量が演算されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記米国特許第4,790,322号記載の血流量測定装置にあっては、特に測定精度の点で改善の余地があった。
【0006】
というのは、この測定装置では、測定ラインが超音波ビーム走査線にほぼ直交するように設定することを要件としているため、設定した測定ラインが診断部位の血流全体を常に的確に捕捉しているとは限らない。例えば、測定ラインが血流に対して斜めにしか設定できない場合、そのラインの端部が血流に交差せず、血流がラインをバイパスしたと等価な状態になってしまう。また、測定ラインが斜めになると、測定ライン上の各点は血流方向(血管軸方向)にずれた位置になるから、その各点の血流速度に新たに血流方向の位置が変数として加わった状態でしか測定できず、一義的な血流量を測定することが難しかった。これらの要因は、常に高精度な測定精度を保証するとは限らないという状況を招いていた。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、心内から拍出される血流量をも精度良くかつ簡便に計測することができる超音波診断装置を提供することを目的とする。また、心拍出量を的確に演算できる超音波診断装置を提供することを目的とする。さらに、測定ラインを容易に且つ任意に設定でき、操作性を向上させた超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の本発明は、「被検体の心臓部位の超音波断層像上で指定した情報に応じて当該心臓の大動脈起始部を流れる血流の流量情報を提供する超音波診断装置において、前記超音波断層像上にて当該断層像に表示されている前記心臓の大動脈起始部の座標を決める位置決定手段と、前記大動脈起始部の座標に基づいて、前記血流の各位置の流れに実質的に直交し、かつ、中心が前記大動脈起始部の側にある円弧状の測定ラインを前記大動脈起始部の近傍に設定する測定ライン設定手段と、前記測定ラインを超音波ビームにより走査して前記測定ライン上の複数の測定点における超音波ドプラ信号の値を得るドプラ信号値取得手段と、前記測定点毎に、前記超音波ドプラ信号の値に、前記超音波ビームの方向と前記測定ラインとの成す角度と前記複数の測定点のうちの互いに隣接する測定点の間の距離とを反映させた係数を掛けて血流量を算出する血流量算出手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。」を提供する。
【0013】
又、請求項8記載の本発明は、「被検体の心臓部位の超音波断層像上で指定した情報に応じて当該心臓の大動脈起始部を流れる血流の流量情報を提供する超音波診断装置において、前記超音波断層像上にて当該断層像に表示されている前記心臓の大動脈起始部の座標を決める位置決定手段と、前記大動脈起始部の座標に基づいて前記血流の各位置の流れに実質的に直交する円弧状の測定ラインを前記大動脈起始部の近傍に設定するものであり、前記測定ライン上の複数の測定点の各位置の流れに実質的に直交するように前記測定ラインを設定する測定ライン設定手段と、前記測定ラインを超音波ビームにより走査して前記測定ライン上の複数の測定点における超音波ドプラ信号の値を得るドプラ信号値取得手段と、前記測定点毎に、前記超音波ドプラ信号の値に、前記超音波ビームの方向と前記測定ラインとの成す角度と前記複数の測定点のうちの互いに隣接する測定点の間の距離とを反映させた係数を掛けて血流量を算出する血流量算出手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。」を提供する。
【0015】
【作用】
本発明の超音波診断装置によれば、被検体の心臓の大動脈起始部を流れる血流の各位置における流れにほぼ垂直に交差する測定ラインが設定し、この測定ラインに基づいて血流量を求めるので血流量を精度良く求めることができる。又、大動脈起始部を基準として測定ラインの設定を行うため、測定ラインの設定にかかるオペレータの操作労力を低減できる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について説明する。
【0020】
ここでまず、本発明の原理について図1乃至図2を基に説明する。
【0021】
図1ないし図2は本発明の原理説明図である。
【0022】
図において、胸壁5の上から肋骨6の間を通るようにセクタ電子走査用の超音波プローブ10より超音波パルスを送波すると、送波された超音波パルスの生体内よりの反射波が超音波プローブ10によって受波される。走査方向を変えながら送受波を行ない、Bモードおよびカラードプラにより心臓の断層像および血流像を得る方法は市販の装置で普及しており説明を省く。ここではBモード断層層ではなく特にドプラ信号を検出し血流を計測する部分について述べる。
【0023】
図1にはBモード像映像機構により得られ観測可能な心臓断面が示されている。全身に血流を送り出すポンプ機能を果すのは左心室1であり、心筋2からなる。左心房3から血液を吸入して大動脈4から全身に血液を送る。送り出した血液が逆流しないように大動脈弁7があり、左心室と大動脈弁の境界部分を大動脈弁口または大動脈起起部(A)という。この大動脈起起部は、本実施形態では、測定ラインを設定するときの基準となる特定位置として機能する。
【0024】
本発明の原理は以下のようなものである。
【0025】
超音波パルスは走査線1の方向に、繰り返し(レート)周波数frのレートパルスに同期して複数回(n回)、例えば8回送波され、その反射波が受波される。同様に超音波パルスの送受波は心臓の左心室および大動脈の中心を切る断面内で2,3,…,Nの順にセクタ状に繰り返し行なわれる。図1示す断層面の1回(1断面)の走査に要する時間は、n×N/fr,n=8,N=16,fr=5kHzとすれば、8×16/5000=25.6(ms)となる。
【0026】
走査線「1」の方向での8レート分の受波信号は位相検波された後、デジタル信号に変換され、ドプラ信号の抽出に供される。8レート分の情報より得られるドプラ周波数fdの値は、超音波トランスジューサからビーム方向に沿って、A/D変換器のクロック(例えば1.25MHz)に対応する間隔800ns、すなわち距離に換算して約0.6mm毎の間隔で求められる。求められた点でのfdの値とその点の血流速度の超音波ビーム方向成分υとの関係は、
【数1】
Figure 0003691855
となる。ここで、fは超音波の周波数、Cは超音波の音速(約1500m/s)である。一般には超音波ビーム方向と血流速度の方向とは異なるものであり、それらのなす角度をθ、血流速度の絶対値をυとすれば、
【数2】
Figure 0003691855
なる関係にある。
【0027】
同様にして走査線2,3,…N方向についてもそれぞれの位置でのドプラ周波数fdが求められる。
【0028】
今、図1および図2のように、血流方向8,…,8にほぼ垂直な曲線(発明の測定ラインに相当する。血流方向が平行であれば直線となるが、これも曲線の一種と考える)a−aを考え、この曲線a−aと各超音波ビーム(走査線)との交点におけるドプラ周波数fdをそれぞれfd,fd,…,fdとする。
【0029】
曲線a−aとi番目の走査線との交点における血流速度の絶対値、すなわち曲線a−aに垂直な方向の速度成分をυ0iとし、曲線の中心で交差する走査線をM番目とする。図1、図2の断面は左心室1の長軸および大動脈4の中心を切る断面であり、円形をした左心室1の流出路および大動脈4の断面となっており、円形部分を垂直に、すなわち図面左上方より見れば図3(a)のように左心室流出路に対しその中心線上に交差点がある。したがって各交差点の流速υ0i(i=1,…,M,…N)が解れば以下のように血流量Qを求めることができる。
【0030】
まず、図3(a)の測定点のうち中心(M)を含む上半分について、対象性から図3(b)のように測定点を通る幅W、面積Sの円環を考え、この円環内の部分は対象性により速度が全てυ0iと仮定し、この円環を通る血流量をqとすれば、全血流量Qは、
【数3】
Figure 0003691855
となる。
【0031】
一方、下方の測定点i=M,M+1,…,Nを用いた場合の血流量Qは図3(c)のようにして、
【数4】
Figure 0003691855
となる。
【0032】
ここで、Sは内径=0の円環、すなわち円の面積とする。各交点Pにおける走査線方向(すなわち超音波ビーム方向α)と血流方向(すなわち曲線a−aに垂直な方向β)とのなす角度をθとすれば、数1、数2より数5の関係が得られる。
【0033】
【数5】
Figure 0003691855
【0034】
それぞれのfd、θおよびSを求め、数3、数4及び数5によってQ,Qが求まる。一般には血流方向と超音波ビーム方向のなす角θが小さいほど精度がよいので、図1、図2の例ではQを用い、Q=Qとすればよいが、平均値
【数6】
Figure 0003691855
を用いてもよい。
【0035】
以上は原理について述べたものであるが一般にθ,Sを求めるのはやや複雑であり、実際にはもう少し条件を整えて測定を簡単にすることが望ましく、その一例につき図4および図5を用いて以下に詳しく説明する。
【0036】
図4は、図1及び図2を座標軸上に模式的に描いたものであり、心筋2の内壁42と大動脈の内壁41の縦断面が示されている。また、図5は、図4の大動脈弁口部付近の拡大図である。
【0037】
左心室と大動脈の境界が大動脈弁口部であり、A,Aで示されている。この点A,Aを通り左心室内壁に接する直線L,Lの交点をO(X,Y)とし、そのうち一方(図では上方)の接線L上の点Aから距離DだけO点と反対方向へ進めた点をP(X00,Y00)とする。ここで、下付きの第1番目の添字0はPから始まる円弧に関する情報を表わす。
【0038】
点PとOの間の距離をRとし、O点を中心として描いた半径Rの円弧が血流速度方向にほぼ垂直な曲線a−a(円弧)となり、この曲線a−aと走査線(超音波ビーム)との交点P0i(X0i,Y0i)がトブラ信号の測定点である。2本の接線のなす角度を図5のようにHとし、測定点P0i(X0i,Y0i)を円弧上に等間隔(H/N:N=走査線数)にとる。但し、両接線に隣接する測定点P01およびP0Nと接線のなす角は夫々、H/2Nとする。中央の測定点はPOMである。各点の座標を図4、図5のように定め、X軸と超音波ビームのなす角度をα、X軸に平行な線43と線分O−P0iのなす角をβとすると、以下のような式:数7〜数15が導かれる。また、プローブ先端位置(0,0)から交点P0i(X0i,Y0i)までの距離l0iも数14のように求められる。
【0039】
【数7】
Figure 0003691855
【数8】
Figure 0003691855
【数9】
Figure 0003691855
【数10】
Figure 0003691855
【数11】
Figure 0003691855
【数12】
Figure 0003691855
【数13】
Figure 0003691855
【数14】
Figure 0003691855
【数15】
Figure 0003691855
【0040】
これらの値を用いれば、数3および数4はそれぞれ
【数16】
Figure 0003691855
【数17】
Figure 0003691855
として求まる。
【0041】
数16,数17の中のW,θはD(PとA間の距離),O(X,Y),A(X,Y),A(X,Y)が与えられれば数7〜数13によって求めることができる値である。
【0042】
超音波ビームの走査線の角度は、最も外側の走査線の角度α01を基準にして数8から「α0i−α01」として決定され、超音波装置の走査制御回路により「α0i−α01」に対応した遅延時間を設定することにより可能になる。
【0043】
以上の例では点Pから始まる1つの円弧(1つの曲線a−a)上の走査線との交点におけるfdの計測について説明したが、後述するように各走査線上の各点で同時にfdの値が測定できるから、図6に示すように複数の円弧P,P,…,P,…を作り、それぞれの円弧上での測定により得られた値を加算平均することによりさらに精度が向上する。この時Pの座標を(Xj0,Yj0)とし、この円弧上の交点Pjiの座標を(Xji,Yji)とすれば、
【数18】
Figure 0003691855
【数19】
Figure 0003691855
となる。但し、Dは点Aと点Pの距離である。
【0044】
複数の円弧を用いると各円弧上の走査線との交点が等間隔になるとは限らない。したがって、この場合には円弧上に交点(測定点)とは異なる等間隔の点を仮想的に設定し、円弧上の各測定点での測定値から仮想した点での値を重み付き平均により推定すればよい。
【0045】
このようにPji(Xji,Yji)を仮想点(全て等間隔)で置き換えることによりP0i以外の円弧についても同様に扱える。さらに、この考えを延長して、P0iにも適用すれば、走査線と円弧との交点を円弧上に等間隔にするための前述したような特別な超音波ビームの制御は不要となる。
【0046】
以下に、図7を用いて、Pに始まるJ番目の円弧の仮想点Pji(Xji,Yji)の両側の交点(測定点)q(ξ,η),q(ξ,η)での測定値fd ,fd から、仮想点Pjiにおけるfdの値を推定する方法について説明する。
【0047】
仮想点Pjiと隣接する両側の測定点を選び、そのPji点との距離をそれぞれS,Sとすればfdは、
【数20】
Figure 0003691855
となる。ここで、
【数21】
Figure 0003691855
であり、ξ,η,ξ,ηの値はそれぞれ走査線の角度α,αを用いて、次の連立方程式により求まる。
【0048】
【数22】
Figure 0003691855
【0049】
また、数3,数4,数16,数17の演算は積和のみからなる簡単な演算であるから、ハード的に高速演算が可能であるが、次のように行なうのが処理速度の点で好ましい。以下数16を用いた場合を説明する。数16におけるW,π,C,fo,Mの値は血流量計測領域の血流量に拘らず既知の値として設定されるものであり、また、θは曲線a−aおよび交差点を指定することにより血流量測定の間一定となるものである。それ故、これらについては必ずしもリアルタイムの高速演算を行なう必要はなく、CPU27で数7〜数13までの演算を予め実行し、その演算結果Bを係数として用いることにし、数23に示す演算処理を行なうようにする。
【0050】
【数23】
Figure 0003691855
【0051】
このため、数16は、
【数24】
Figure 0003691855
として演算できる。同様に数17についても、
【数25】
Figure 0003691855
として演算できる。
【0052】
次に、図4,図5及び図8、図9を用いて実際に測定する場合の操作手順の例を示す。この操作はオペレータの指示の元に、後述するCPUで実施される。
【0053】
まず、超音波断層法(カラードプラ像を含む)で心臓長軸断面を例えば図1に示す如く描写し(図8ステップ50)、トラックボールやマウス等でマーカを図4の大動脈起始部A(X,Y)に合せ固定する(同図ステップ51)。これで、Aの座標(X,Y)が決定される。次に、対向する大動脈起始部A(X,Y)にマーカを合せ固定すると、Aの座標(X,Y)が決定される(同図ステップ52)。次に、演算より両方のマーカを結ぶ線および両起始部A,Aから大動脈方向(マーカを結ぶ線に対し垂直な方向)に線分L,Lをモニタ上に引く(同図ステップ53)。さらに、大動脈起始部A,Aから左心室方向にL,Lに対して所定の角度に設定された線分L,Lをモニタ上に引く(同図ステップ54)。
【0054】
この線分L,Lの交点O(X,Y)を中心とし、線分L上でAから一定距離Dだけ離れた点をP(X00,Y00)とする(同図ステップ55)。次に、トラックボール等で点O(X,Y)の位置すなわち座標(X,Y)を動かし、線分LおよびLが左心室内壁に接するように調節し固定する。ここで座標(X,Y)が決まる(同図ステップ56)。
【0055】
この操作が完了すると、O(X,Y)を中心とし、P(X00,Y00)から始まり、線分Lとの交点で終る円弧a−a(曲線)を引き(同図ステップ57)、この円弧上に等間隔のN個の点P0i(i=1,2,…,M,…,N)を設ける(同図ステップ58)。これらの点の間隔はL,Lのなす角度をHとすれば、H・R/N(角度表示ではH/N)とし、ここでRは数10に示すように点O(X,Y)とP(X00,Y00)の距離である。また、点Pとp0iとの間隔は、隣接するp0iの間隔の1/2すなわち、H・R/2Nとし、円弧の終点の部分も同様に、H・R/2Nとする。ここでP0iの座標(X0i,Y0i)が決定され、数8により超音波ビームの走査角度(α−α)が計算される(同図ステップ59)。これにより、超音波ビームの走査線が点P0iを通るように調整できる。
【0056】
次いで、設定した円弧a−aに対して観測データ番号を演算する(同図ステップ59)。例えば、図1の走査線1方向についてfdの値は1.25MHz、すなわち0.8μs(距離で0.6mmに相当)毎に出力され、したがって、256個のデータを採用するものとすれば、205μs(0.8μs×256)の間(距離にして15.4cmに相当)がデータにより埋められる。これを便宜上fd11,fd21,…fd2561と表わす。図9は、その様子を示したものであり、同図の走査線「1」方向は図1の走査線「1」方向に相当する。横軸は時間t(X)である。走査線「2」についても同様にfd12,fd22,…fd2562なるデータが得られる。走査線「3,…,N」についても同様である。そこで、図9のデータマップ上で、設定した円弧a−aに対応して観測すべきデータの番号が演算される。つまり、各fdにつき256の点がある中から丁度、円弧a−aと交差するクロックの番号(観測データ番号)が演算で求められる。
【0057】
次いで、前述した演算簡単化のための係数Bが演算される(同図ステップ61)。この後、血流量測定がCPUにより指令される(同図ステップ62)。つまり、この状態で、fdの測定を行ない、数24、数25及び数6により血流量を演算し、ディスプレイまたはチャートレコーダ等に表示・記録する。
【0058】
なお、血流量は、数3、4、6又は数16、17、6に拠って演算してもよいし、数3又は数16のみによって演算してもよい。
【0059】
次に、上記原理に則った本発明のシステム構成例について説明する。
【0060】
図10は本発明の一実施例たる超音波診断装置のブロック図である。
【0061】
11はクロック発生器であり、本実施例装置の基本クロック(例えば40MHz)を発生する。12はレートパルス発生器であり、前記クロック発生器11からの基本クロックを基に例えば5kHzのレートパルスを発生する。13はレートパルスを所定時間遅延させる送信遅延回路であり、15は送信遅延回路13の出力により超音波トランスジューサの励振パルスを発生する励振パルス発生部である。この励振パルス発生部15は複数のパルサより成り、各パルサのパルス発生のタイミングは送信遅延回路13の出力により決定される。10は前記励起パルス発生部15からの励振パルスの印加により超音波を送波すると共に、送波した超音波の被検体からの反射波を受波する超音波トランスジューサから成る超音波プローブである。
【0062】
17は超音波プローブ10によって受波された反射波による受信信号を増幅するアンプであり、14はこのアンプ17の出力を所定時間遅延した後に加算して出力する受信遅延回路である。19はミキサであり、このミキサ19は参照信号発生器18からの参照信号(例えば2.5MHz)と前記受信遅延回路14の出力との乗算を行ない、受信信号の位相検波を行なうものである。ミキサ19は受信信号より、血流のドプラ信号の順逆の方向を求めるための2チャンネルのミキサ部で構成されている。各チャンネルには、位相が正確に90°異なる参照信号が入力されており、入力された受信信号に、この位相の90°異なる参照信号をそれぞれ掛け合せることにより位相検波を行なう。
【0063】
20は不必要な高域成分を取り除くローパスフィルタ、21はこのローパスフィルタ20の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器である。22はMTIフィルタであり、例えば心筋等の動きの遅い部位からの反射波成分を除去するものである。23はドプラ偏移周波数fdを計算するドプラ演算部、24はこのドプラ演算部23の出力を用い、各走査線1,2,…,Nと血流速度方向に垂直な曲線とが交差する点でのfdの値から、数7〜数17を用いて血流量を算出する流量演算部である。この流量演算部24および前記送信遅延回路13、前記送信遅延回路14の動作はCPU(中央処理装置)27により制御される。流量演算部24の演算結果をDSC(デジタル・スキャン・コンバータ)46を介してチャートレコーダ25に記録し、またディスプレイ26に表示する。
【0064】
一方、受信遅延回路14及びローパスフィルタ20の出力側は、Bモード断層像及びカラー血流像のためのイメージング部45に接続され、このイメージング部45からの画像データがDSC46を介してチャートレコーダ25及びディスプレイ26に接続されている。また、CPU27にはオペレータが操作するトラックボール、マウスなどの入力器28が接続されている。
【0065】
次に、前記流量演算部24の詳細な構成について説明する。
【0066】
図11は本実施例装置における流量演算部24の詳細な構成を示すブロック図である。
【0067】
32は、予めCPU27により演算しておいた係数Bを記憶しておくための第1のメモリである。33はこの第1のメモリ32の出力と前記ドプラ演算部23よりのドプラ偏移周波数fdとの乗算を行なう乗算器である。この乗算器33には、CPU27で演算された、前述する観測データ番号の情報が与えられている。
【0068】
乗算器33の出力は一旦第2のメモリ34に蓄えられる。40はこの第2のメモリ34の出力を加算する加算器であり、この加算器40の出力をチャートレコーダ25及びディスプレイ26に出力する。また、第2のメモリ34の出力も直接でチャートレコーダ25及びディスプレイ26に至る。
【0069】
次に、以上のように構成された実施例装置の作用について説明する。
【0070】
クロック発生器11より出力された基本クロックを基に、レートパルス発生器12より5kHzのレートパルスが出力される。出力されたレートパルスは送信遅延回路13により所定時間遅延された後、励振パルス発生部15に入力される。すると励振パルス発生部5より励振パルスが出力され、これにより超音波プローブ10における超音波トランスジューサが励振される。超音波トランスジューサの励振により超音波プローブ10より被検体に向って超音波が送波され、送波された超音波の被検体よりの反射波は超音波プローブ10により受波される。
【0071】
受波された電気信号はアンプ17により増幅され、受信遅延回路14により送信時に等しい遅延時間が与えられた後に加算されて出力される。この受信遅延回路14の出力はイメージング部45の振幅検波回路により振幅検波され通常のリアルタイムBモード像としてディスプレイ26の表示に供されると共に、ミキサ19に入力され受信信号の位相検波に供される。位相検波された受信信号はローパルスフィルタ20を介してA/D変換器21に入力され、例えばクロック周波数1.25MHzでA/D変換された後、MTIフィルタ22を介してドプラ演算部23に入力される。イメージング部45では、ローパルスフィルタ20の出力を使って血流カラー像のデータが形成され、Bモード像に重畳表示される。
【0072】
前記超音波プローブ10から1つのレートパルスで送波された超音波パルスは被検体内を所定方向に進み、これに伴い生体組織より反射波が次々と超音波プローブ10に返ってくる。体表より奥へ行く程、反射波の到達時間は遅く、この時間は体表からの距離に比例する。本実施例においては1.25MHzで受信信号のA/D変換をしているが、1.25MHzのデータサンプリングは音速を1500m/sとすると距離に換算して0.6mmに相当する。超音波のビーム方向の制御は図1を基に既に説明したように行なわれる。例えば、図1の走査線「1」方向で8レート分の超音波送受波が行なわれ、体表より0.6mm間隔で、それぞれの各距離毎に計8個のデータが得られることになる。
【0073】
ドプラ演算部23は入力された受信信号よりドプラ偏移周波数fdを算出する。このドプラ偏移周波数fdの算出は走査線「1」〜「N」のそれぞれにおいて、0.6mm間隔の各点について行なわれ、その算出結果は流量演算部24に入力され、血流量の演算に供される。
【0074】
本実施例装置における流量演算部24は数24、数25及び数6の演算を実行するものである。
【0075】
つまり、ドプラ演算部23から時事刻々、走査線「1」〜「N」の各点の血流速度を表すドプラ偏移周波数fdが乗算器33に入力する。乗算器33には前述したように、各走査線「1」〜「N」毎の係数Bと、設定した円弧a−aに対応した各走査線「1」〜「N」毎の観測位置、即ち観測データ番号が与えられている。このため、乗算器33は指令された観測データ番号(クロック番号)に相当したドプラ偏移周波数fdが入力したとき数24及び数25の「fd・B」の乗算を行う。
【0076】
円弧a−aと観測データ番号との交点(図9参照)は各走査線で異なるが、クロック発生器11よりの1.25MHzのクロック毎に0.6mmずつ増え丁度、円弧a−aと交差したクロックでのfdの値が、上記乗算に用いられる。
【0077】
乗算器33での乗算結果は一度、第2のメモリ34に記憶された後、加算器40に出力される。加算器40では数24、25に基づいてパラメータ「i」についての加算が実行され、且つ、数6に基づいて平均され、診断部位の血流量Qとしてチャートレコーダ25及びディスプレイ26に出力される。これらの表示手段では、横軸を経過時間、縦軸を血流量の瞬時値として例えば図11の如く表示される。前述の如く、1断面の走査に要する時間はここでは25.6msであるから、25.6ms毎に血流量がリアルタイム算出され、表示される。
【0078】
また、乗算器33の出力をそのまま記録・表示することで、血管内の径方向の空間血流分布も分かる。さらに、ドプラ演算部23などの演算結果を用いて、横軸を時間、縦軸を観測点のリアルタイムの血流速度として表示される。
【0079】
このように本実施例装置にあっては、被検体に向って超音波の送受波を行なうことにより得られた受信信号よりドプラ信号を検出し、血流にほぼ垂直に交差する曲線上のドプラ信号を基に既述した演算処理を行なうことにより、血管内の血流量はもとより、心臓内等のように血流方向が必ずしも明確でない臓器内の血流量をも自動的に時々刻々リアルタイムで計測し表示することができ、心臓の動きや心内の空間的な血流の状態をも同時に観測することができる。
【0080】
また、通常の超音波診断装置の機能をも具備するものであり、受信遅延回路14の出力を振幅検波することで被検体のリアルタイムBモード像を表示し、表示像を観測しながら所望部位の血流量を計測することができるものであるから、医師等の行なう医用診断に極めて有益な情報を提供できるものと考えられる。さらに、超音波を用いているため被検体に対して無侵襲であり、かつ極めて簡便であるから、被検体が重症患者の場合であっても何度でも血流量の計測を行なうことができるものである。
【0081】
とくに、前述した米国特許第4,790,322号記載の装置は、測定ラインが超音波ビーム走査線に直交するように設定されるだけであったから、測定精度や測定安定性の面で改善の余地があった。しかし、この実施例に係る超音波診断装置では、医師などのオペレータの意思に沿って、測定ラインが血流方向に少なくともほぼ直交した状態で自在に設定される。このため、従来のように血管の径方向端部における血流の一部が測定ラインに掛からないという状態を排除でき、測定したい位置の血流をほぼ完全に捕捉できる。また、測定ラインが血管に対して斜めになるということが無いから、同じ測定ライン上であっても各測定点毎に血流方向の位置が異なるという事態を回避でき、殆ど同じ血流方向位置での血流量を演算できる。これらの測定上の優位点に拠って、上記米国特許第4,790,322号記載の装置のものよりも、優れた測定精度が得られる。
【0082】
さらに、図13に、心拍出量を演算する機構を付加した実施例を示す。心拍出量を求めるには最低1心拍分の血流量の平均を求める必要があるが、さらに複数心拍分、例えば10拍分を平均して心拍出量を求め測定精度を上げることができる。
【0083】
そこで、超音波診断装置は心拍出量演算部70を図13の如く備えている。心拍出量演算部70は平均回路71及び乗算器72を備え、これらの回路が加算器40と表示系との間に介挿されている。平均回路71及び乗算器72は、心周期などの情報を受けたCPU27の制御下に置かれる。
【0084】
平均回路71は、10心拍分の間、血流量データを流量演算部24から受け、それらのデータを平均化して1心拍当たりの血流量を演算する。乗算器72にはCPU27から1分間当たりの心拍数が与えられるから、平均回路71の出力データにその心拍数を乗算することで、心拍出量が演算される。
【0085】
これにより、高精度な血流量のみならず、心拍出量も的確に表示される。
【0086】
さらに、測定ラインを複数設定して、測定の高精度化を一層押し進めた例を図14〜図16に基づいて説明する。
【0087】
つまり、測定ラインとしての円弧(曲線)は、図14のデータマップ(図9と同じ)上で、0.6mm間隔で何本でも(例えば256本まで)選べることから、例えば8本の曲線a−a,…,a′−a′についてそれぞれ数24、25、6(数3,4,6又は数16,17,6でも可。数3又は数16のみでも可)による演算処理を行ない、その平均値を採るのが血流量の精度上好ましい。例えばレートパルス周波数を5kHz、8レートで1走査線を形成し、走査線数Nを16として超音波の送受波を繰り返すものとすれば、流量演算部24の出力より、1つの曲線a−aについては25.6ms毎に1個のデータ、すなわち毎秒39個のデータが得られ、4本のデータの曲線aa′−aa′の場合は、同じ時間でその4倍のデータが得られる。
【0088】
図15に複数測定ラインの場合のブロック構成を、図16にそのときのCPU27の処理の概要を示す。なお、図16の各ステップにおいてステップ55、80〜87の処理が、とくに、以下に説明する測定のためにもので、いずれも血流量演算前にCPU27により処理される。
【0089】
図15の構成には、ドプラ演算部23と流量演算部24の間に速度推定部93が介挿され、流量演算部24の出力側に新たな平均回路92が挿入されている。速度推定部93は、第3のメモリ90と重み付き平均回路91とを有する。ドプラ演算部23で演算されたドプラ偏移周波数は、複数の円弧a−a,…,a′−a′の各々についての等間隔な測定点の値ではないので、一度第3のメモリ90に格納される。重み付き平均回路91には、前述した測定原理の中の数18〜22に係る仮想観測点(各円弧上で等間隔な仮想上の点)と、その仮想点に隣接する実測定点との間の距離(図7参照)がCPU27より与えられる。これにより、重み付き平均回路91は、数20の演算を行って、各円弧a−a(…a′−a′)毎に仮想観測点のドプラ偏移周波数、即ち血流速度を推定する。
【0090】
この各円弧a−a(…a′−a′)毎の推定値は、前述したように流量演算部24の乗算器33で係数Bの乗算が行われ、加算器40で数24、25、6の演算が実施される。これより、各円弧a−a(…a′−a′)毎の血流量が各々演算される。この血流量の夫々は更に平均回路92にて平均化されて、一つの高精度な血流量データになる。この演算処理結果は、チャートレコーダ25に記録され、ディスプレイ26に表示される。
【0091】
ここでは、Nレートに要する時間は既述したように25.6msであるから、25.6ms毎に時々刻々、複数曲線a−a,…,a′−a′について血流量Qが得られ、これが平均化されて前述したと同様に表示される(図12参照)。その他、適当な同心円上の曲線a−aから曲線a′−a′までの平均値を算出したり、あるいは一心拍について積分し、これに心拍数を乗算することにより心拍出量を算出する等、診断上必要となる生理学的な値の算出は既存の技術により容易に行ない得るものである。
【0092】
図17に、操作性を考慮した超音波診断装置の例を示す。同図に示す装置は、上記図15に示した構成に、更に、2つのデータメモリ110、111及び2つの電子式スイッチ(2端子)112、113を備えており、これらは共にCPU27により制御される。
【0093】
詳しくは、イメージング部45の出力端が、一方のデータメモリ110の入力端及び一方のスイッチ112の一方のスイッチング端1に接続される。データメモリ110の出力端は、スイッチ112の他方のスイッチング端2に接続され、そのスイッチ112の共通端はDSC46に至る。一方、ドプラ演算部23の出力端は、他方のデータメモリ111の入力端及び他方のスイッチ113の一方のスイッチング端1に接続される。データメモリ111の出力端はスイッチ113の他方のスイッチング端2に至り、そのスイッチ113の共通端は速度推定部93を介して流量演算部24に至る。
【0094】
測定に際しては、CPU27により、スイッチ112、113は共にスイッチング端1の方に倒され、ディスプレイ26上に断層像及びドプラ信号計測用の超音波ビームのマーカーが表示される。そこで、オペレータはビーム方向を適切に選択する。そして、超音波ビームの送受がCPU27の指令により行われ、一方のデータメモリ110に断層データが、他方のデータメモリ111にドプラ信号データが夫々、数心拍分(例えば10心拍分)記憶される。
【0095】
次いでスイッチ112、113が共にスイッチング端2の方に切り換えられる。そして、データメモリ110、111の記憶データを繰り返し出力することにより、リアルタイム計測時と同様な断層像がディスプレイ26上に、ドプラ信号が流量演算部24に入力する。この後は、リアルタイム入力時と同様の演算が行われ、血流量や心拍出量が演算され、表示される。
【0096】
これにより、リアルタイムの入力信号が数心拍分の繰り返し信号に置き代わったことになる。
【0097】
リアルタイムで断層像を観測しながら、体内血流路に測定ラインを設定するには、通常、医師は右手(左手)でプローブを患者に当てながら左手(右手)でトラックボールなどを操作することになる。つまり両手を同時に使わなければならないので、不便である。しかし、本実施例のように、超音波断層像及びドプラ信号を夫々、一旦データメモリに記憶させ、その情報を繰り返して読み出しながら表示すると、右手(左手)で画面上に測定ラインを設定できる。つまり、片手の操作で済むから、操作性も良く、落ち着いたライン設定が可能になり、測定精度の向上にも寄与する。
【0098】
なお、上記図17記載の装置では、単一の測定ラインの構成、複数の測定ラインの構成なども当然に適用可能である。
【0099】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で便宜に変形実施が可能であるのはいうまでもない。
【0100】
例えば、上記実施例においては超音波のセクタ電子走査を行なうものについて説明したが、セクタ電子走査に限定されものではなく、種々の走査方式を適用することかできる。例えば、リニアアレイトランスジューサを用いた斜め走査は頚動脈や腹部血管の血流量あるいは胎児の血流量の計測に適している。
【0101】
図18は斜め走査を行なうことにより血流量を計測する場合の説明図であり、101はリニアアレイトランスジューサを有して成る超音波プローブ、102は被検体表面、103は肝臓、104は肝静脈である。肝臓103のリアルタイムBモード像を見ながら走査線1ないしNと流速方向に垂直な直線a−a,…,a′−a′を設定することにより、上記実施例と同様の原理により肝臓静脈104の血流量を計測することができる。
【0102】
【発明の効果】
本発明の超音波診断装置によれば、被検体の心臓の大動脈起始部を流れる血流の各位置における流れにほぼ垂直に交差する測定ラインを設定し、この測定ラインに基づいて血流量を求めるので血流量を精度良く求めることができる。又、大動脈起始部を基準として測定ラインの設定を行うため、測定ラインの設定にかかるオペレータの操作労力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図。
【図2】図1の主要部の拡大図。
【図3】(a)〜(c)は本発明の原理説明図。
【図4】本発明の原理説明に係る模式図。
【図5】図4の主要部の拡大図。
【図6】複数の測定ラインを用いて測定を行なう場合の原理説明図。
【図7】重み付け平均の原理説明図。
【図8】測定ラインの設定処理を説明するフローチャート。
【図9】模式的なデータマップと単一の測定ラインとの関係を示す説明図。
【図10】本発明の一実施例たる超音波診断装置のブロック図。
【図11】流量演算部の構成を示すブロック図。
【図12】血流量の表示例を示すグラフ。
【図13】本発明の他の実施例に係る心拍出量演算部のブロック図。
【図14】模式的なデータマップと複数の測定ラインとの関係を示す説明図。
【図15】本発明の他の実施例に係る速度推定部のブロック図。
【図16】複数の測定ラインの設定処理を説明するフローチャート。
【図17】本発明の他の実施例に係る測定ライン設定機構のブロック図。
【図18】本発明の他の実施例に係るリニアアレイトランスジューサを用いた斜め走査を示す説明図。
【符号の説明】
10 超音波プローブ
11 クロック発生器
12 レートパルス発生器
13 送信遅延回路
14 受信遅延回路
15 励振パルス発生部
17 アンプ
18 参照信号発生器
19 ミキサ回路
20 ローパスフィルタ
21 A/D変換器
22 MTIフィルタ
23 ドプラ演算部
24 流量演算部
25 チャートレコーダ
26 ディスプレイ
27 CPU
28 入力器
45 イメージング部
46 DSC
70 心拍出量演算部
93 速度推定部
110,111 データメモリ
112,113 スイッチ

Claims (8)

  1. 被検体の心臓部位の超音波断層像上で指定した情報に応じて当該心臓の大動脈起始部を流れる血流の流量情報を提供する超音波診断装置において、
    前記超音波断層像上にて当該断層像に表示されている前記心臓の大動脈起始部の座標を決める位置決定手段と、
    前記大動脈起始部の座標に基づいて、前記血流の各位置の流れに実質的に直交し、かつ、中心が前記大動脈起始部の側にある円弧状の測定ラインを前記大動脈起始部の近傍に設定する測定ライン設定手段と、
    前記測定ラインを超音波ビームにより走査して前記測定ライン上の複数の測定点における超音波ドプラ信号の値を得るドプラ信号値取得手段と、
    前記測定点毎に、前記超音波ドプラ信号の値に、前記超音波ビームの方向と前記測定ラインとの成す角度と前記複数の測定点のうちの互いに隣接する測定点の間の距離とを反映させた係数を掛けて血流量を算出する血流量算出手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記測定ライン設定手段は、2つの前記大動脈起始部から大動脈に沿った方向に2本の第1の線分を夫々引く手段と、この2本の第1の線分に対して所定角度の2本の第2の線分を夫々引く手段と、この2本の第2の線分の交点を求める手段と、この交点に基づいて前記円弧状の測定ラインを引く手段とを含む請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記交点を求める手段は、前記交点の位置を調整して前記2本の第2の線分を前記心臓の左心室内壁に当接させる手段を含む請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記測定ラインを引く手段は、前記第2の線分のうちの一方の線分上における前記大動脈起始部を表す一方の位置よりも所定距離だけ前記交点よりも遠い側に離間した位置を決める手段と、この位置から前記交点を中心にして他方の前記第2の線分に向かって円弧を引く手段とを含む請求項3記載の超音波診断装置。
  5. 前記血流量算出手段により算出される血流量を時間軸に沿って表示する表示手段を備えた請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の超音波診断装置。
  6. 前記被検体の心臓の2心拍以上にわたって前記血流量算出手段により算出された血流量を加算平均して心拍出量を算出する心拍出量算出手段を備えた請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の超音波診断装置。
  7. 前記測定ライン設定手段は、複数の相互に平行な円弧状の測定ラインを設定するものであり、
    前記血流量演算手段は、前記測定ライン上に等間隔に設定された仮想点における値を前記ドプラ信号の値に基づいて推定し、この仮想点の値を用いて複数の前記測定ラインの血流量の平均値を演算することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の超音波診断装置。
  8. 被検体の心臓部位の超音波断層像上で指定した情報に応じて当該心臓の大動脈起始部を流れる血流の流量情報を提供する超音波診断装置において、
    前記超音波断層像上にて当該断層像に表示されている前記心臓の大動脈起始部の座標を決める位置決定手段と、
    前記大動脈起始部の座標に基づいて前記血流の各位置の流れに実質的に直交する円弧状の測定ラインを前記大動脈起始部の近傍に設定するものであり、前記測定ライン上の複数の測定点の各位置の流れに実質的に直交するように前記測定ラインを設定する測定ライン設定手段と、
    前記測定ラインを超音波ビームにより走査して前記測定ライン上の複数の測定点における超音波ドプラ信号の値を得るドプラ信号値取得手段と、
    前記測定点毎に、前記超音波ドプラ信号の値に、前記超音波ビームの方向と前記測定ラインとの成す角度と前記複数の測定点のうちの互いに隣接する測定点の間の距離とを反映させた係数を掛けて血流量を算出する血流量算出手段とを備えたことを特徴とする超音波 診断装置。
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