JP3690697B2 - 加工用治具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、旋盤の主軸またはボール盤のテーブルに支持したワークにねじ切り加工または穴開け加工を施すべく、ねじ切りまたは穴開け用の工具を備えて旋盤の心押し台またはボール盤の主軸に支持されるねじ切りまたは穴開け等のための加工用治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダイスやタップを使用してワークにねじ切り加工を施す場合、ねじの直径の増加に伴う作業者の労力の軽減を図るために、従来、旋盤の主軸のチャックにワークを把持して回転させた状態で、心押し台に保持したダイスやタップ等のねじ切り工具を前記ワークに送りつつねじ切りを行う手段がとられている。その際、加工の最終段階でねじ切り工具の送り量が過大になると、ワークの端面にねじ切り工具が当接してワークからねじ切り工具に大きなトルクが作用し、ワークやねじ切り工具が損傷するという事態を招きがちであった。また、加工の最終段階でねじ切り工具の送り量が不足すると、ワークのねじ山が不完全な欠陥品となることから、ねじ切り工具の送り量を加減して適正な作業をするには、作業者の特別の熟練を要するところであった。
【0003】
そこで、この問題を解決するために、本出願人は、先に、図11に示すねじ切り加工用治具を案出し、特許出願を行った(特願平7−204753号)。このねじ切り加工用治具は、ねじ切り工具であるダイス(D)を工具固定ねじ11で固定しているねじ切り工具ホルダ12を有し、このねじ切り工具ホルダ12に圧接される軟質金属よりなる押圧部材13aを備えて治具本体10に螺入される押しねじ13からなるトルク制限手段で、ねじ切り工具ホルダ12を治具本体10に相対回転不能に固定するとともに、所定値以上のトルクが作用したときに治具本体10に対するねじ切り工具ホルダ12の相対回転を許容するようにしたものである。これにより、ねじ切り工具ホルダ12に保持したねじ切り工具によるねじ切り加工が完了すると、ねじ切り工具に作用するトルクの増大に応じて押しねじ13がねじ切り工具ホルダ12を空転させることから、ねじ切り工具の送り過ぎによるワークWやねじ切り工具の損傷を未然に防止でき、また、ねじ切り工具の送り量の不足による欠陥品の発生もなく、一応所期の目的を達成し得た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このねじ切り加工用治具においても、なお未解決の次のような問題点が残されていた。第1に、治具本体に3本の押しねじからなるトルク制限手段を螺入して、ねじ切り工具ホルダを治具本体に対し相対回転不能に固定するものであるから、3方からの押圧によるトルク制限の調整が面倒であり、ねじ切り工具ホルダへの均一な締付力を与えることが難しい。第2に、このねじ切り加工用治具は、旋盤に対して使用できるのみで、例えば穴開け加工を行うためのボール盤といった他の工作機械には適用できず、汎用性に欠ける。
【0005】
この発明は、これらの残された問題点を解決し、治具本体に対する工具ホルダのトルク制限の調整を簡単に行うことができ、かつ、旋盤以外の他の工作機械にも適用し得る加工用治具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、旋盤の主軸またはボール盤のテーブルに支持したワークにねじ切り加工または穴開け加工を施すべく、ねじ切りまたは穴開け用の工具を備えて旋盤の心押し台またはボール盤の主軸に支持されるねじ切りまたは穴開けのための加工用治具であって、治具本体と、ホルダと、アタッチメントと、トルク制限手段とを備え、前記治具本体は、旋盤の心押し台またはボール盤の主軸に軸方向移動自在に支持されたものであり、前記ホルダは、軸方向の前側にアタッチメントが装着される嵌合穴を、後側に治具本体との嵌合部を設けて、治具本体に交換自在に固定装着可能とした部材にして、その外面から内面に至るまで貫通するように切り裂かれた単一のスリットおよびこのスリットの間隔を締付け部材で調整すべくスリット形成部に穿った締付用孔を備えるものであり、前記アタッチメントは、軸方向の前側にねじ切りまたは穴開け用の工具を支持する工具支持部を、後側にホルダの嵌合穴に固定して装着される装着部を有するものであり、前記トルク制限手段は、アタッチメントをホルダに相対回転不能に固定するとともに、所定値以上のトルクが作用したときに、ホルダに対するアタッチメントの相対回転を許容するものである、ことを特徴とする加工用治具を構成した。
【0007】
そして、この加工用治具において、ホルダのスリットの形成位置と軸線を挟んで対称の位置をとるホルダの外壁および治具本体の前端部側の外壁に、それぞれキー溝を設け、双方のキー溝に合致するキーをはめ込んだ状態でホルダと治具本体とを締付け部材で締付け固定することを特徴とし、また、ホルダと治具本体にそれぞれ形成したキー溝を円弧状とし、かつ、同一の曲率とすることを特徴としている。加えて、前記スリットには、当該スリットを拡開させる方向に付勢力を付与する付勢手段を挿入することも特徴である。
【0008】
さらに、トルク制限手段が、ホルダの嵌合穴とアタッチメントの装着部との間に介設した軟質金属、具体的には、リン青銅または砲金からなる薄肉円筒状のトルク制限部材と、ホルダのスリットの間隔を調整する締付け部材とで構成してなることを特徴とし、また、このトルク制限手段の一部を構成する薄肉円筒状のトルク制限部材に、アタッチメントとの非接触部分を複数設けることも特徴としている。
【0009】
次に、ホルダにその外面から内面に至るまで貫通する複数の貫通孔を設け、この貫通穴にアタッチメントに圧接される押圧部材と、この押圧部材を前記アタッチメントに圧接させる押しねじ部材と、この押しねじ部材と前記押圧部材との間に嵌装された弾性部材とからなるトルク制限手段を設けることを特徴とし、前記押圧部材は、少なくともその先端部がアタッチメントに圧接される軟質金属より構成することも特徴である。
【0010】
一方、治具本体の一側に案内バー支持孔を設け、旋盤の心押し台またはボール盤の主軸に支持される案内バーとの間に、スプリングを縮設するとともに、案内バーの一部を介して、治具本体の案内バーに対する回転およびスライド量を制限および制限解除自在な工具フローティング制限部材と、治具本体の案内バーに対する回転およびスライドをロックおよびロック解除自在な工具ロック部材とを治具本体に備えることも特徴である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1ないし図5は、この発明の第1の実施形態について示すものであり、ねじ切り用の工具であるダイスを備えて旋盤の心押し台に支持されるねじ切り加工用治具を示す。図1は、ねじ切り加工用治具の分解斜視図、図2は平面図、図3は縦断面図、図4は、図3のIV−IV線矢視一部破断図、図5は、図3のV−V線矢視図である。
【0012】
図1ないし図5に示すように、旋盤の心押し台に支持され、ワークWのねじ切り加工に使用される加工用治具Jは、治具本体1と、ホルダ2と、アタッチメント3と、トルク制限手段4とを備える。
【0013】
治具本体1は、概略円筒状に形成され、軸方向前端部側に設けた段部 101(図3)を挟んで、前側にホルダ支持穴 102(図1)と、後側に延びる案内バー支持穴 103(図3)とを同軸に設けている。案内バー支持穴 103には、案内バー5が軸方向摺動自在に嵌合しており、その案内バー5は段部 101との間に縮設したスプリング 104により後方に付勢される。案内バー5は旋盤の心押し台C(図2)に支持される。治具本体1の底面に植設したアーム7(図1,図3)の先端は、旋盤の刃物台9にボルト9a(図5)で固定した断面「コ」字状の案内部材9bの案内溝9cに軸方向摺動自在に係合する。
【0014】
ホルダ2は、軸方向の前側にアタッチメント3が装着される嵌合穴 201(図1)を、後側に治具本体1との嵌合部 202(図3)を有する。ホルダ2の嵌合部 202は、治具本体1のホルダ支持穴 102(図1)に対し交換自在に固定装着可能としてある。ホルダ2は、その上部を鰭状に突出させ、その中央部を軸方向と平行に、その外面から内面に至るまで貫通するように切り裂いて1本のスリット2aを設け、スリット形成部 203としている。そして、このスリット形成部 203に、スリット2aと直交する方向に締付用孔 204を穿設し、締付け部材2bであるボルトをねじ込み、スリット2aの間隔を調整可能として、後述するトルク制限手段4の一部を構成している。締付け部材2bは前半部側にのみねじが切られ、ワッシャ 205との間に付勢手段としてのスプリング 206を縮設している。このスプリング 206は、スリット2aを拡開させる方向に付勢しているので、締付け部材2bを緩めたときにスリット2aを押し開き、トルク制限部材4によるアタッチメント3の締付を緩めて、アタッチメント3の着脱を容易にする。
【0015】
アタッチメント3は、軸方向の前側にねじ切り用の工具であるダイスDを支持する工具支持部、つまりダイス支持部 301と、後側にホルダ2の嵌合穴 201に固定して装着される装着部 302とからなる。ダイス支持部 301に支持されたダイスDは1本の工具固定ねじ 303により固定される。
【0016】
トルク制限手段4は、ホルダ2の嵌合穴 201とアタッチメント3の装着部 302との間に介設された軟質金属からなる薄肉円筒状のトルク制限部材 401と、前記ホルダ2のスリット2aの間隔を調整する締付け部材2bとで構成される。薄肉円筒状のトルク制限部材 401は、その外面から内面に至るまで貫通して切り裂いた1本のスリット 401aが形成され、あらかじめホルダ2の嵌合穴 201に嵌合された状態で、上下4カ所のねじ受け 401bに小ねじ 401c(図4)を各々ねじ込んで固定される。トルク制限手段4は、アタッチメント3の装着部 302を、軟質金属からなる薄肉円筒状のトルク制限部材 401の内側に装着し、ホルダ2のスリット2aの間隔を狭めるように締付け部材2bを締め付けることにより、アタッチメント3をホルダ2に相対回転不能に固定する。この場合、締付け部材2bの締付けは、アタッチメント3に所定値以上のトルクが作用したときに、ホルダ2に対するアタッチメント3の相対回転を許容するように調整する。
【0017】
トルク制限手段4を構成する薄肉円筒状のトルク制限部材 401には、所定値以上のトルクが作用したときに容易に削れる軟質材料が用いられる。具体的には、リンを脱酸剤として添加した青銅(Cu−Sn合金)であるリン青銅や、Sn,Znを含む銅合金である砲金を挙げることができる。
なお、トルク制限部材 401には、図6に示すように、その内周面に沿って間欠的にアタッチメント3の装着部 302に対する非接触部分 401eを形成してもよい。このような非接触部分 401eを形成することにより、アタッチメント3とトルク制限部材との接触面積を変化させて、アタッチメント3が相対回転を始めるトルク値を増減調整することができるようになる。
【0018】
ホルダ2のスリット2aの形成位置と軸線を挟んで対称の位置をとるホルダ2の外壁には、キー溝 210が設けられる。また、このホルダ2のキー溝 210に対応する治具本体1の前端部側の外壁にも、同一形状のキー溝 110を設けてある。そして、双方のキー溝 210, 110に合致するキー6を嵌め込む。この状態で、キー6と双方のキー溝 210, 110に穿設した4カ所づつのねじ孔に各々締付け部材 601であるボルトをねじ込み、ホルダ2と治具本体1とを締付け固定して結合するとともに、治具本体1に対するホルダ2の相対回転を防止している。また、締付け部材 601の1つは、薄肉円筒状のトルク制限部材 401に穿設した孔 401d(図4)の内部に突出し、ホルダ2に対する薄肉円筒状のトルク制限部材 401の相対回転を防止している。
ホルダ2と治具本体1に設けたキー溝 210, 110は、その形状を円弧状とすることにより応力集中を防止してホルダ2の寿命を延ばすことができるほか、同一の曲率とすることにより、後述するように、トルク制限手段4を構成する締付け部材2bを締め付け、ホルダ2のスリット2aの間隔を狭めたとき、薄肉円筒状のトルク制限部材 401を介してアタッチメント3の装着部 302を均一な応力で締め付けることができ、有効である。
【0019】
次に、上記の構成からなるねじ切り加工用治具の実施形態の作用について説明する。
先ず、ねじ切り加工用治具Jの案内バー5を旋盤の心押し台Cに支持させるとともに、アーム7を案内部材9bの案内溝9cに係合させる。そして、あらかじめ嵌合穴 201に薄肉円筒状のトルク制限部材 401を内嵌したホルダ2の嵌合部 202を治具本体1のホルダ支持穴 102に嵌合し、双方のキー溝 210, 110にキー6を嵌め込み、締付け部材 601で締付け固定する。続いて、アタッチメント3のダイス支持部 301に所定のダイスDを嵌合させて工具固定ねじ 303で固定する。さらに、アタッチメント3の装着部 302を、ホルダ2の嵌合穴 201に内嵌した薄肉円筒状のトルク制限部材 401を介して装着し、トルク制限手段4を構成する締付け部材2bを締め付けて、所定値以上のトルクが作用したときに、ホルダ2に対するアタッチメント3の相対回転を許容するようにスリット2aの間隔を調整する。
【0020】
この場合、ホルダ2のスリット2aの形成位置と軸線を挟んで対称の位置に円弧状のキー溝 210を設けてあるので、この部分の肉厚が他の部分と比較して薄くなり、ホルダ2の曲げ剛性を部分的に小さくしている。したがって、締付け部材2bの締付けによりスリット2aの間隔を狭めると、ホルダ2の締付用孔 204に縮設したスプリング 206の作用と相まって、締付けの応力が均一に分散され、アタッチメント3の装着部 302を薄肉円筒状のトルク制限部材 401を介して偏りなく均一な応力で締め付けることができる。
【0021】
この状態から、旋盤の図示しない主軸のチャックに固定したワークWを回転させるとともに、心押し台Cを移動させて、ねじ切り加工用治具JをワークWに接近させると、ワークWの被加工部W1 がダイスDに当接して押圧し、その荷重でスプリング 104を圧縮しながら治具本体1が案内バー5に対して後退する。その結果、スプリング 104の弾発力でワークWの被加工部W1 がダイスDに食いつき、アーム7と案内部材9bとの係合により治具本体1の回転(即ち、ダイスDの回転)が規制されていることから、回転不能なダイスDに対してワークWが回転して被加工部W1 にねじが切削される。このとき、ねじの切削に伴う治具本体1の軸方向の移動は、案内バー5に対する治具本体1の摺動により吸収される。
【0022】
ねじの切削が進み、やがてワークWの端面W2 がダイスDの前面に当接すると、ワークWからダイスDに伝達されるトルクが急激に増加し、所定値以上となって、そのトルクがダイスDを一体に支持するアタッチメント3に伝達される。薄肉円筒状のトルク制限部材 401はリン青銅、砲金等の軟質金属であるため、これがトルクに負けて削れ、その結果アタッチメント3の装着部 302がホルダ2の嵌合穴 201に対してスリップすることにより、アタッチメント3およびダイスDがワークWとともに空転する。
【0023】
このようにアタッチメント3およびダイスDがワークWとともに空転したことが確認されると、ワークWの回転を一端停止させる。そして、ワークWをゆっくりと逆回転させると、ワークWの被加工部W1 は、ダイスDから自動的に離脱してねじ切り作業が完了する。
【0024】
上記のように、本実施形態のねじ切り加工用治具を用いれば、作業者はダイスDを嵌合固定させたアタッチメント3がワークWとともに空転を始めるまで心押し台Cを移動させるだけで、ねじ切り加工が完了し、心押し台Cの移動を停止させるタイミングに特別の熟練は不要である。その結果、前記タイミングを誤ってワークWの被加工部W1 やダイスDを損傷したり、被加工部W1 のねじ切り加工が不十分となる不具合を未然に回避することができる。
【0025】
治具本体1に対してホルダ2を交換しようとする場合は、ホルダ2および治具本体1の前端部側の外壁に設けたキー溝 210, 110に嵌め込まれたキー6を、4カ所の締付け部材 601を緩めることにより取り外し、別のホルダを嵌め込むことにより行われる。
【0026】
図7ないし図9は、この発明の第2の実施形態について示すものであり、ねじ切り用の工具であるタップを備えて旋盤の心押し台に支持されるねじ切り加工用治具を示す。図7は、ねじ切り加工用治具の要部分解斜視図、図8は、要部縦断面図、図9は図8のIX−IX線矢視断面図である。
【0027】
この第2の実施形態は、基本的には、図1ないし図5に示すねじ切り用の工具としてダイスDを使用した第1の実施形態と同一構成をとり、第1の実施形態で使用した部位および部材には共通の符号を付してあり、かつ、その作用も同じであるので、これらについての詳しい説明は省略することとする。
【0028】
この第2の実施形態では、図7ないし図9に示すように、ねじ切り用の工具がタップTであることから、その基部T1 を掴持するアタッチメント3の工具支持部であるタップ支持部 304は、第1の実施形態のダイス支持部 301のようにダイス支持用の径大部を設ける必要がない。したがって、当然アタッチメント3自体の外径が小となって、これをそのままホルダ2の嵌合穴 201に装着すればよい。この場合、アタッチメント3が小径となるにしたがって、単に締付け部材2bの締付けによりホルダ2のスリット2aの間隔を狭めるだけでは、所定の締付け力を得られず、アタッチメント3に所定値以上のトルクが作用する前にホルダ2に対してアタッチメント3が相対回転してしまう恐れがある。
【0029】
そこで、薄肉円筒状のトルク制限部材 401の他に、押しねじ状のトルク制限部材を付加して、トルク制限の微調整を可能にしている。すなわち、図7および図9に示すように、ホルダ2に、120°間隔でその外面から内面に至るまで貫通する3つの貫通孔 207を設けて、それぞれの貫通孔 207にアタッチメント3に圧接される押圧部材208bと、この貫通穴207 に螺入することにより押圧部材208bをアタッチメント3に圧接させる押しねじ部材208cと、この押しねじ部材208cと押圧部材208bとの間に嵌装された弾性部材である皿ばね208aとからなるトルク制限部材208 を設けている。そして、薄肉円筒状のトルク制限部材 401の同一部位に形成した孔 401fから押圧部材208bの先端を突出させてアタッチメント3に圧接させている。また、押圧部材208bの先端部または押圧部材208bの全体を軟質金属で形成するものとしてもよい。なお、押圧部材208bと押しねじ部材208cとの間に皿ばね208aを嵌装したのは、アタッチメント3の表面に窪みが形成されないようにして、過大トルクが作用した場合において前記窪みに押圧部材208bが係合することによってアタッチメント3の回転が阻止されることを防止するためである。
これにより、所定値以上のトルクが作用したときに、スリット 201の間隔を調整して薄肉円筒状のトルク制限部材 401の作用により、ホルダ2に対するアタッチメント3の相対回転を許容するとともに、トルク制限部材 208の押し込みの程度により、トルク制限の微調整を可能とし、さらに小径の加工にも対応が可能となる。なお、上記したトルク制限部材208 は3箇所に限らず2箇所または4箇所以上に設けるものとしてもよい。
また、この第2の実施形態においては、第1の実施形態における付勢手段としてのスプリング206 (図1)に代えてスリット2aには図示するように皿ばね209 を挿入している。この皿ばね209 は、スリット2aを拡開させる方向に付勢しているので、締付け部材2bを緩めたときにスリット2aを押し開き、トルク制限部材4によるアタッチメント3の締付を緩めて、アタッチメント3の着脱を容易にする。
【0030】
上記した第1および第2の実施形態では、ねじ切り用の工具であるダイスおよびタップによるねじ切り加工の場合について説明したが、加工用の工具としてはこの他にドリル,エンドミルなどを使用し、穴開け加工あるいはフライス加工を行うこともできる。
【0031】
図10は、この発明の第3の実施形態について示すものであり、穴開け用の工具であるドリルを備えてボール盤の主軸に支持される穴開け加工用治具を示す斜視図である。この第3の実施形態では、アタッチメント3における軸方向の前側に穴開け用の工具であるドリルDrを支持する工具支持部、つまりドリル支持部 305と、同じく軸方向の後側にホルダ2の嵌合穴 201に固定して装着される装着部 306とを備える。アタッチメント3が、薄肉円筒状のトルク制限部材および必要により押しねじ状のトルク制限部材を介してホルダ2に固定して装着されることは、第1および第2の実施形態と同一構成であり、また、図1で説明した案内バーが、旋盤の心押し台ではなく、ボール盤の主軸に支持されることを除き、他の構成は第1および第2の実施形態と同一であるので、これらについての詳しい説明は省略する。
【0032】
この第3の実施形態の穴開け加工用治具では、案内バー5(図1参照)がボール盤の主軸に支持され、治具本体1が回転してドリルDrを回転させ、図示しないボール盤のテーブル上に支持したワークへの穴開け加工を行う。したがって、この場合は、治具本体1の案内バー5に対する回転およびスライド量を制限する必要があることから、第1の実施形態の図面である図1を参照して、治具本体1に螺入したアーム7を取り外し、治具本体1の上下の貫通孔1aに案内バー5の上下に穿設した長孔5aを介して工具フローティング制限部材7′を挿通する。
この工具フローティング制限部材7′は、取付け、取外しができ、前記回転およびスライド量の制限および制限解除を自在としている。また、治具本体1の上部にねじ孔1bを、かつ、案内バー5の外側面に切欠5bを設け、ねじ孔1bに工具ロック部材7″を切欠5bに達するまでねじ込み固定することにより、治具本体1の案内バー5に対する回転およびスライドのロックおよびロック解除を自在としている。
【0033】
この穴開け加工用治具を用いて穴開け加工を行う場合は、治具本体1を回転させ、図10のドリルDrによりワークに穿孔作業を行い、ドリルDrがワークを貫通してドリル支持部 305がワークに当接すると、アタッチメント3に所定値以上のトルクが作用し、ホルダ2に対するアタッチメント3の相対回転を許容するものである。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る加工用治具によれば、次のような効果がある。
第1に、ホルダにスリットを形成し、このスリットの間隔を締付け部材で調整するようにし、アタッチメントを軟質金属からなる薄肉円筒状のトルク制限部材を介してホルダの嵌合穴に相対回転不能に固定するとともに、所定値以上のトルクが作用したときに薄肉円筒状のトルク制限部材からなるトルク制限手段がホルダに対するアタッチメントの相対回転を許容する構成としたので、ホルダに形成したスリットの間隔を調整する締付け部材の締付けの程度により、薄肉円筒状のトルク制限部材に作用するアタッチメントの回転トルクを如何様にも調整することができる。したがって、トルク制限の調整が簡単に行え、かつ、アタッチメントへの均一な締付力が得られる。
【0035】
第2に、ねじ切り用あるいは穴開け用の工具をアタッチメントに支持し、このアタッチメントをホルダに対し交換自在としているので、旋盤に対する使用はもちろん、例えばボール盤その他の工作機械に対しても使用でき、その適用範囲を広げることができた。この場合、ホルダの外壁および治具本体の前端部側の外壁にキー溝を設け、双方のキー溝に合致するキーをはめ込んだ状態でホルダと治具本体とを連結する構成とすれば、キー1本の取り外し、取り付けで治具本体に対するホルダの着脱ができ、より敏速に交換が行える。
【0036】
第3に、ホルダに貫通穴を設け、この貫通穴に押圧部材と、この押圧部材を前記アタッチメントに圧接させる押しねじ部材と、この押しねじ部材と前記押圧部材との間に嵌装された弾性部材とからなるトルク制限部材を前記トルク制限手段に補助的に設けたものは、トルク制限部材の押し込みの程度によりトルク制限の微調整を可能とし、さらに小径の加工にも対応が可能となる。
【0037】
第4に、スリットを拡開方向に付勢する付勢手段を設けたものは、締付け部材を緩めたときにスリットを強制的に拡開させるので、アタッチメントの着脱が容易になる。
第5に、トルク制限手段の一部を構成する薄肉円筒状のトルク制限部材に、アタッチメンとの非接触部分を複数設けたものは、アタッチメント3との接触面積を変化させて、アタッチメント3が相対回転を始めるトルク値を増減調整することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態について示すねじ切り加工用治具の分解斜視図である。
【図2】図1のねじ切り加工用治具の平面図である。
【図3】図2のねじ切り加工用治具の縦断面図である。
【図4】図3のIV−IV線矢視一部破断図である。
【図5】図3のV−V線矢視図である。
【図6】薄肉円筒状のトルク制限部材の断面図である。
【図7】この発明の第2の実施形態について示すねじ切り加工用治具の要部分解斜視図である。
【図8】図7のねじ切り加工用治具の要部縦断面図である。
【図9】図8のIX−IX線矢視断面図である。
【図10】この発明の第3の実施形態について示す穴開け加工用治具の要部分解斜視図である。
【図11】従来のねじ切り加工用治具の縦断面図である。
【符号の説明】
1 …治具本体
103 …案内バー支持穴
104 …スプリング
110 …キー溝
2 …ホルダ
2a…スリット
2b…締付け部材
201 …嵌合穴
203 …スリット形成部
204 …締付用孔
206 …スプリング(付勢手段)
207 …貫通孔
208 …押しねじ状のトルク制限部材
208a …皿ばね(弾性部材)
208b …押圧部材
208c …押しねじ部材
209 …皿ばね(付勢手段)
210 …キー溝
3 …アタッチメント
301 …ダイス支持部
302 …装着部
303 …工具固定ねじ
304 …タップ支持部
305 …ドリル支持部
306 …装着部
4 …トルク制限手段
401 …薄肉円筒状のトルク制限部材
401a…スリット
401b…ねじ受け
401c…小ねじ
401d…孔
401e…非接触部分
5 …案内バー
6 …キー
601 …締付け部材
7 …アーム
7′…工具フローティング制限部材
7″…工具ロック部材
J …加工用治具
W …ワーク
D …ダイス
T …タップ
Dr…ドリル

Claims (10)

  1. 旋盤の主軸またはボール盤のテーブルに支持したワークにねじ切り加工または穴開け加工を施すべく、ねじ切りまたは穴開け用の工具を備えて旋盤の心押し台またはボール盤の主軸に支持されるねじ切りまたは穴開けのための加工用治具であって、
    治具本体と、ホルダと、アタッチメントと、トルク制限手段とを備え、
    前記治具本体は、旋盤の心押し台またはボール盤の主軸に軸方向移動自在に支持されたものであり、
    前記ホルダは、軸方向の前側にアタッチメントが装着される嵌合穴を、後側に治具本体との嵌合部を設けて、治具本体に交換自在に固定装着可能とした部材にして、その外面から内面に至るまで貫通するように切り裂かれた単一のスリットおよびこのスリットの間隔を締付け部材で調整すべくスリット形成部に穿った締付用孔を備えるものであり、
    前記アタッチメントは、軸方向の前側にねじ切りまたは穴開け用の工具を支持する工具支持部を、後側にホルダの嵌合穴に固定して装着される装着部を有するものであり、
    前記トルク制限手段は、アタッチメントをホルダに相対回転不能に固定するとともに、所定値以上のトルクが作用したときに、ホルダに対するアタッチメントの相対回転を許容するものである、
    ことを特徴とする加工用治具。
  2. ホルダのスリットの形成位置と軸線を挟んで対称の位置をとるホルダの外壁および治具本体の前端部側の外壁に、それぞれキー溝を設け、双方のキー溝に合致するキーをはめ込んだ状態でホルダと治具本体とを締付け部材で締付け固定してなる請求項1に記載の加工用治具。
  3. ホルダと治具本体にそれぞれ形成したキー溝を円弧状とし、かつ、同一の曲率とした請求項2に記載の加工用治具。
  4. 前記スリットには、当該スリットを拡開させる方向に付勢力を付与する付勢手段を挿入した請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の加工用治具。
  5. トルク制限手段が、ホルダの嵌合穴とアタッチメントの装着部との間に介設した軟質金属からなる薄肉円筒状のトルク制限部材と、ホルダのスリットの間隔を調整する締付け部材とで構成してなる請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の加工用治具。
  6. 軟質金属が、リン青銅または砲金である請求項4に記載の加工用治具。
  7. トルク制限手段の一部を構成する薄肉円筒状のトルク制限部材に、アタッチメントとの非接触部分を複数設けた請求項5または請求項6に記載の加工用治具。
  8. ホルダにその外面から内面に至るまで貫通する複数の貫通孔を設け、この貫通穴にアタッチメントに圧接される押圧部材と、この押圧部材を前記アタッチメントに圧接させる押しねじ部材と、この押しねじ部材と前記押圧部材との間に嵌装された弾性部材とからなるトルク制限部材を前記トルク制限手段に設けた請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の加工用治具。
  9. 前記押圧部材は、少なくともその先端部がアタッチメントに圧接される軟質金属よりなる請求項8に記載の加工用治具。
  10. 治具本体の一側に案内バー支持孔を設け、旋盤の心押し台またはボール盤の主軸に支持される案内バーとの間に、スプリングを縮設するとともに、案内バーの一部を介して、治具本体の案内バーに対する回転およびスライド量を制限および制限解除自在な工具フローティング制限部材と、治具本体の案内バーに対する回転およびスライドをロックおよびロック解除自在な工具ロック部材とを治具本体に備えてなる請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の加工用治具。
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