JP3690654B2 - 荷役車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォークリフトのような荷役車両に関し、特に車体の旋回が可能な荷役車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フォークリフトは、車体の前方に設けられたフォークの上に荷を載置して運搬する荷役車両であって、運転者がハンドルやレバーを操作することによって、車体の進行方向を変えたり、フォークを昇降させたりすることができる。このようなフォークリフトを用いて荷を積出す場合、荷がパレットの上に積載されている場合は、フォークの先端をパレットの挿入口に差し込んで、パレットごと荷をすくい取る作業が行われる。
【0003】
図18はこの様子を示したもので、フォークリフト100およびパレット40を上面から見た図である。図において、1はフォークリフト100の車体、2a,2bは車体1の前方左右に設けられたフォーク、3はフォーク2a,2bを昇降させるためのマストである。パレット40は、図19に示すように、木製の板材42を組み合せて形成されており、両端の桁421と中央の桁422との間に、フォーク2a,2bが挿入される挿入孔41が形成されている。
【0004】
いま、フォークリフト100がパレット40に対して図18(a)のような位置にある場合、図18(b)のように、フォーク2a,2bがパレット40の挿入孔41の真正面に対応する位置までフォークリフト100を移動させる。フォークリフト100がカウンタバランス型の場合は、この状態から車体1を前方へ直進させ、フォーク2a,2bを挿入孔41に差し込む。また、フォークリフト100がリーチ型であれば、マスト3を前方へ繰り出してフォーク2a,2bを挿入孔41へ差し込む。その後フォーク2a,2bを上昇させることによって、パレット40およびその上に積載された荷(図示省略)が積出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フォークリフト100を図18(a)の位置から(b)の位置まで移動させるためには、ハンドルやレバーを操作して、車体1の向きを変えたり、横移動や前後進などを行いながら車体1を移動させる必要がある。このため、初心者にとってはスムーズに車体1を所望位置まで移動させることが難しく、特に、(a)のようにフォーク2a,2bがパレット40に接近した位置にある場合は、何回も操作をやり直す必要があり、積出し作業に非常に時間がかかっていた。また、スペースの狭い場所では、車体1の移動範囲に制約があるため、上記作業は一層効率の悪いものとなっていた。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するものであって、初心者でも効率良く簡単に積出し作業ができる荷役車両を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、通常の走行モードとは別に、車体が旋回する旋回モードを設け、モード切換手段によってこれらのモードを切換えるようにしている。そして、旋回モードにおいて、荷載置台の先端部近傍を中心として車体が旋回するようにしている。このようにすることで、車体は荷載置台の先端部近傍を中心に旋回するので、車体を荷やパレットに対して正面に位置させることが容易となり、積出し作業を短時間で行うことができる。
【0008】
車体の旋回中心としては、種々の形態が考えられる。荷載置台が車体前方の左右に設けられている場合、いずれか一方の荷載置台の先端部を旋回中心とすることができる。また、各荷載置台の先端部を結ぶ線の略中央部を旋回中心に設定してもよい。あるいは、各荷載置台の先端部より所定距離だけ前方の位置を旋回中心とすることもできる。
【0009】
また、本発明では、複数の旋回中心の中から所望の旋回中心を選択するための旋回中心選択手段を設けてもよい。この場合、旋回中心が選択されたときに、当該旋回中心を中心として車体が旋回するように、ハンドル操作でホイールを所定角度に設定するようにしてもよいし、ハンドル操作に代えて、自動的にホイールを所定角度に設定するようにしてもよい。
【0010】
また、旋回中心選択手段を設ける代わりに、旋回モードでハンドルを左旋回したときに、左側の荷載置台の先端部を旋回中心に設定し、ハンドルを右旋回したときに、右側の荷載置台の先端部を旋回中心に設定するようにしてもよい。
【0011】
また、リーチ型フォークリフトのように荷載置台が車体の前後方向に移動自在に設けられている荷役車両においては、荷載置台の位置に応じて旋回中心を変える必要があるので、荷載置台が車体に対して移動した位置を検出する位置検出手段を設け、この位置検出手段が検出した荷載置台の位置に基づいて車体の旋回中心位置を算出するようにすればよい。
【0012】
さらに、本発明においては、車体の旋回が終了した後、旋回モードから走行モードへの切換えが行われ、かつ、車体の直進が可能な状態にホイールが戻るまで、車体の走行を禁止する。こうすることで、車体が予期せぬ方向へ発進するのを防止することができる。この場合、車体の直進が可能な状態になったときに走行可能を報知する報知手段を設けるとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態であるリーチ型フォークリフトを示している。図において、100は荷役車両としてのリーチ型フォークリフト(以下、単にフォークリフトと記す)、1はフォークリフト100の車体、2a,2bは車体1の前方左右に設けられた荷載置台としてのフォーク、3はフォーク2a,2bを昇降させるためのマスト、4は車体1の進行方向を変えるためのハンドルである。50は車体1の一部を構成するストラドルアーム、51はオペレータ(運転者)が立った状態で操作を行なうための運転席、52は車体1の走行やフォーク2a,2bの昇降などを行うための操作レバー、53は運転席51の上方に設けられて落下物からオペレータを保護するためのヘッドガードである。5bは車体前方に設けられたロードホイール、8は車体後方に設けられたドライブホイール、14は運転席51の前方に設けられた表示パネルである。
【0014】
図2は、フォークリフト100の要部の構成を平面図として表したものである。図において、図1と同一部分には同一符号を付してある。ロードホイール5a,5bは車体前方の左右に一対設けられており、それぞれのロードホイールを旋回させるためのステアリングモータ6a,6bが設けられている。また、各ステアリングモータには、ロードホイールの旋回角度を検出する角度センサ7a,7bが設けられている。9はハンドル4の操作と連動して回転しドライブホイール8の旋回を補助するためのステアリングモータ、10はドライブホイール8の旋回角度を検出する角度センサである。11はキャスターホイールであって、全方向にフリーに旋回するようになっている。12はフォーク2a,2bの位置を検出するための位置検出手段としてのポテンショメータ、13は各部の制御を行うコントローラ、14は前述した表示パネルである。
【0015】
図3は、上述したフォークリフト100の電気的構成を示したブロック図であって、図2と同一部分には同一符号を付してある。ここでは、本発明に関係するブロックだけを示してあり、ドライブホイール8用のステアリングモータ9および角度センサ10や、その他のモータ、操作レバー、各種スイッチ等は図示を省略してある。モード切換スイッチ20は本発明のモード切換手段を構成し、旋回中心選択スイッチ21は本発明の旋回中心選択手段を構成し、報知器22は本発明の報知手段を構成する。また、コントローラ13は本発明の旋回中心位置算出手段を構成する。
【0016】
図4は、表示パネル14における初期画面の例を示している。表示パネル14には、通常の走行モードを選択するための走行モードスイッチ23と、旋回モードを選択するための旋回モードスイッチ24とが設けられており、これらのスイッチ23,24によって、図3のモード切換スイッチ20が構成される。25は各種案内が表示される案内表示部である。
【0017】
図4において、走行モードスイッチ23を押すと、表示パネル14の画面は、図5で示したような走行モード画面に切換わる。この画面には、フォークリフト100の走行方向を選択するための走行方向選択スイッチ26が表示される。走行方向選択スイッチ26のいずれかを押すと、案内表示部25にハンドル操作を案内する文字や記号が表示されるが、本発明の要部ではないので、詳細は省略する。
【0018】
図4において、旋回モードスイッチ24を押すと、表示パネル14の画面は、図6で示したような旋回モード画面に切換わる。この画面には、図3で示した旋回中心選択スイッチ21が表示され、荷の積出しを行う場合に、このスイッチ21によってフォークリフト100の旋回中心を選択する。ここでは、旋回中心として「右」、「左」、「中」の3つを選択できるようになっており、それぞれに対応して合計3個の旋回中心選択スイッチ21a〜21cが設けられている。28はパレットの積重ねを行う場合の旋回中心を設定するスイッチであるが、本発明の要部ではないので、詳細説明は省略する。29は旋回モードから通常の走行モードに戻して、車両を直進可能な状態(標準モード)にするための標準モードスイッチである。この標準モードスイッチ29も、図4のスイッチ23,24とともに本発明のモード切換手段を構成している。
【0019】
ここで、車体1の旋回について述べると、たとえば「左」を旋回中心とした場合は、図10(a)に示すように、車体1は左側のフォーク2bの先端部Bを中心として矢印Y方向に旋回する。また、「右」を旋回中心とした場合は、図11に示すように、車体1は右側のフォーク2aの先端部Aを中心として矢印Y方向に旋回する。さらに、「中」を旋回中心とした場合は、図12に示すように、車体1はフォーク2aの先端部Aとフォーク2bの先端部Bとを結ぶ線の中央部Cを旋回中心として矢印Y方向に旋回する。これらの各図についての詳細は後述する。
【0020】
図7および図8は、旋回中心選択スイッチ21を押した後に、案内表示部25に表示される画面の例を示しているが、これらについても後で詳しく説明する。
【0021】
図9は、フォークリフト100を旋回させる場合の手順を示したフローチャートである。以下、このフローチャートに従って動作を説明する。図4に示した表示パネル14の初期画面において、モード切換スイッチ20を押すと(ステップS1)、いずれのスイッチが押されたかが判定される(ステップS2)。走行モードスイッチ23が押された場合は(ステップS2;NO)、通常の走行動作に移り、旋回モードスイッチ24が押された場合は(ステップS2;YES)、表示パネル14に図6の旋回モード画面を表示する(ステップS3)。
【0022】
次に、図6の画面において、旋回中心選択スイッチ21のいずれかを押して(ステップS4)、車体1の旋回中心を選択する。ここでは、スイッチ21bが押され、旋回中心として「左」が選択されたとする。旋回中心が選択されると、これがコントローラ13に読み込まれ、コントローラ13はあらかじめメモリ(図示省略)に記憶されているデータに基づいて旋回中心を決定する(ステップS5)。続いて、表示パネル14の案内表示部25に、図7に示したようなハンドルの操作案内メッセージ31が文字と図形により表示される(ステップS6)。
【0023】
オペレータがこの操作案内メッセージ31に従ってハンドル4を回すと(この例では右に回す)、ハンドル4に連動してドライブホイール8が旋回する(ステップS7)。そして、ドライブホイール8があらかじめ設定された所定角度まで旋回したか否かを角度センサ10の出力をみて判定し(ステップS8)、設定位置まで旋回していなければ(ステップS8;NO)、ハンドル4の操作を続ける(ステップS7)。ドライブホイール8が設定位置まで旋回すると(ステップS8;YES)、次に、ロードホイール5a,5bを設定位置まで旋回させる(ステップS9)。この旋回は、ステアリングモータ6a,6bによって自動的に行われる。すなわち、コントローラ13は、角度センサ7a,7bの出力をみながら、ロードホイール5a、5bがあらかじめ設定された所定角度になるまでステアリングモータ6a,6bを駆動する。ロードホイール5a,5bが設定位置まで旋回すると、案内表示部25に図8のようなモード設定完了画面が表示され(ステップS10)、旋回中心が「左」に設定されたことを知らせる。この画面には、モードおよび旋回中心32と、ホイールの向きなどを表すイラスト33とが表示されている。
【0024】
この状態では、各ホイールは旋回中心Bに対して、図10(a)に示す向きに設定されている。すなわち、ロードホイール5aは、旋回中心Bを中心とする半径r1の円周R1に沿う向きに設定され、ロードホイール5bは、旋回中心Bを中心とする半径r2の円周R2に沿う向きに設定され、ドライブホイール8は、旋回中心Bを中心とする半径r3の円周R3に沿う向きに設定されている。
【0025】
したがって、この状態から走行モータ(図示省略)を回転させてドライブホイール8を駆動すると、ロードホイール5a,5bおよびドライブホイール8が、旋回中心Bを中心とする円周に沿って移動するので、これによって車体1は旋回中心Bを中心として、矢印Y方向に旋回する(Yと逆方向の旋回も可能)。そして、車体1がパレット40に対して真正面となる図10(b)の位置に来たときに旋回を停止させる。パレット40は、図19に示したものと同じである。この状態で、操作レバー52(図1)を操作してマスト3を前方へ繰り出すと(リーチアウト)、図10(c)のように、フォーク2a,2bがパレット40の挿入孔41に差し込まれる。その後、操作レバー52を操作してフォーク2a,2bを上昇させ、マスト3を後方へ戻すことによって(リーチイン)、パレット40およびその上に積載された荷(図示省略)が積出される。積出しが終わると、表示パネル14の標準モードスイッチ29(図6)を押して、モードを旋回モードから走行モードにおける標準モードに切換え、ロードホイール5a,5bおよびドライブホイール8の旋回角度をゼロに戻して、車体1を前方または後方へ直進させる。
【0026】
このようにして、上記実施形態によれば、車体1がフォーク2bの先端部Bを中心として旋回するので、先端部Bがパレット40の挿入孔41の直前位置まで来るようにフォークリフト100を移動すれば、車体1がどの方向を向いていても、旋回によって容易にパレット40の正面に車体1を位置させることができ、フォーク2a,2bを挿入孔41に対して迅速に位置決めできる。したがって、初心者であっても、フォーク2a,2bを挿入孔41に差込む作業を短時間で行うことができ、積出し作業の効率が向上する。
【0027】
なお、以上の例はリーチ型フォークリフトの場合であるが、カウンタバランス型フォークリフトの場合は、図10(b)の状態になったときにモードを旋回モードから走行モードに切換え、ロードホイール5a,5bおよびドライブホイール8の旋回角度をゼロに戻してから、車体1を前方へ直進させることによって、フォーク2a,2bがパレット40の挿入孔41に差し込まれ、荷の積出しを行うことができる。
【0028】
また、上記の例では、旋回中心選択スイッチ21bによってフォーク2bの先端部Bを旋回中心として選択したが、旋回中心選択スイッチ21aを押した場合は、図11のように、フォーク2aの先端部Aが旋回中心となるように、ロードホイール5a,5bおよびドライブホイール8の向きが設定され、車体1は先端部Aを中心として矢印Y方向に旋回する。
【0029】
また、旋回中心選択スイッチ21cを押した場合は、図12のように、フォーク2aの先端部Aとフォーク2bの先端部Bとを結ぶ線の中央部Cが旋回中心となるように、ロードホイール5a,5bおよびドライブホイール8の向きが設定され、車体1は中央部Cを中心として矢印Y方向に旋回する。
【0030】
さらに、旋回中心選択スイッチ21にスイッチを追加して、図13のように、フォーク2aの先端部Aとフォーク2bの先端部Bから所定距離xだけ前方の位置Dが旋回中心となるように、ロードホイール5a,5bおよびドライブホイール8の向きを設定し、前方位置Dを中心として車体1を旋回させるようにしてもよい。
【0031】
図11〜図13のいずれの場合においても、図10と同様に、ロードホイール5a,5bおよびドライブホイール8は、旋回中心を中心とする円周に沿った向きに設定される。
【0032】
ところで、図9の例では、旋回中心選択スイッチ21を押して旋回中心が決定された後、表示パネル14に表示されるハンドル操作案内に従って、オペレータが手動でハンドル4を操作してドライブホイール8を所定角度まで旋回させたが、これを自動で行うこともできる。図14はこの場合のフローチャートを示しており、図9と同一ステップには同一符号を付してある。
【0033】
図14において、表示パネル14のモード切換スイッチ20を押すと(ステップS1)、いずれのスイッチが押されたかが判定され(ステップS2)、旋回モードスイッチ24が押された場合は表示パネル14に旋回モード画面を表示し(ステップS3)、旋回中心選択スイッチ21で旋回中心を選択すると(ステップS4)、コントローラ13が旋回中心を決定する(ステップS5)。以上のステップは、図9と全く同じである。
【0034】
次に、決定された旋回中心に基づいてドライブホイール8をフォーク5bの先端部Bを中心とする円周に沿う位置まで旋回させる(ステップS8a)。この旋回のために、ステアリングモータ9とは別のステアリングモータ(図示省略)が設けられる。そして、コントローラ13は、角度センサ10でドライブホイール8の旋回角度を監視しながらステアリングモータを駆動し、旋回角度が設定値になるとモータを停止する。その後、図9の場合と同様に、ステアリングモータ6a,6bによってロードホイール5a,5bを設定位置まで旋回させ(ステップS9)、旋回が終了すると、案内表示部25に図8のモード設定完了画面を表示
する(ステップS10)。
【0035】
図14の実施形態によれば、旋回中心選択スイッチ21を押して旋回中心を選択するだけで、あとは自動的にドライブホイール8およびロードホイール5a,5bが旋回して、選択された旋回中心を中心として車体1が旋回可能な状態にセットされるので、オペレータの作業負担が一層軽減される。
【0036】
図15は、本発明の他の実施形態に係るフローチャートを示している。先の例では、旋回中心選択スイッチ21のいずれかが押されることによって旋回中心が決定されたが、図15ではハンドルを回す方向によって旋回中心を決定するようにしている。この場合は、旋回中心はフォーク2aの先端部Aとフォーク2bの先端部Bのいずれかとなる。
【0037】
図15において、モード切換スイッチ20を押すと(ステップS21)、いずれのスイッチが押されたかが判定され(ステップS2)、走行モードスイッチ23が押された場合は(ステップS22;NO)、通常の走行動作に移る。旋回モードスイッチ24が押された場合は(ステップS22;YES)、図6の表示パネル14において、旋回中心選択スイッチ21に代えて、ハンドルの右旋回または左旋回の案内表示がされ、オペレータはいずれかの方向にハンドル4を回す(ステップS23)。コントローラ13は、このときのハンドル4の回転方向を判定し(ステップS24)、ハンドル4が左側に旋回された場合は、図10の場合のように、フォーク2bの先端部Bを旋回中心として決定する(ステップS25)。また、ハンドル4が右側に旋回された場合は、図11の場合のように、フォーク2aの先端部Aを旋回中心として決定する(ステップS26)。
【0038】
その後の動作は図14の場合と同様であり、決定された旋回中心に基づいてドライブホイール8を設定位置、すなわちフォーク5aまたは5bの先端部AまたはBを中心とする円周に沿う位置まで旋回させ(ステップS27)、ロードホイール5a,5bを同様に設定位置まで旋回させる(ステップS28)。そして、各ホイールの旋回が終了すると、案内表示部25に図8のモード設定完了画面を表示する(ステップS29)。なお、ここではドライブホイール8を自動的に旋回させる手順としたが、図9で説明したようなハンドル操作によってドライブホイール8を旋回させてもよい。
【0039】
図15の実施形態によれば、旋回中心選択スイッチ21が不要となり、ハンドルをいずれかの方向に回すだけで、回した側のフォークの先端部が旋回中心として自動的に設定されるから、操作がより簡単なものとなる。
【0040】
ところで、フォークリフト100がリーチ型の場合は、フォーク2a,2bが車体1の前後方向に移動自在に設けられているため、図16(a)に示したリーチインの状態と、図16(b)に示したリーチアウトの状態とでは、フォーク2a,2bの先端部A,Bの位置が変化する。そこで、本発明の他の実施形態として、フォーク2a,2bが車体1に対して移動した位置に応じて、旋回中心を決定することが考えられる。
【0041】
この場合、フォーク2a,2bの位置は、フォーク位置検出用のポテンショメータ12(図2、図3)によって検出することができる。その具体的構成としては、たとえば、ワイヤ(図示省略)の一端をマスト3の下端部に接続するとともに、ワイヤの他端を車体1に設けられた巻取リール(図示省略)に巻回し、マスト3の移動に伴って回転する巻取リールの回転数をポテンショメータ12で検出することが考えられる。フォーク位置の検出手段としては、ポテンショメータ12に代えて、エンコーダを用いることもできる。
【0042】
コントローラ13は、こうして検出されたフォーク2a,2bの位置に基づいて、車体1の旋回中心を算出し、ロードホイール5a,5bおよびドライブホイール8を、その旋回中心を中心とする円周に沿う向きにセットする。このようにすれば、フォーク2a,2bが車体1に対してどの位置にあっても、常に旋回中心を正確に決定することができる。
【0043】
また、両フォークを互いに逆方向に左右動させてその間隔を自由に変更できるもの、および両フォークを間隔一定のまま同一方向に左右動できるものについては、フォークの左右位置を検出する装置(たとえばポテンショメータ)を設けておき、フォークの左右動時にはこの検出装置からの出力を演算要素として用いることによって、旋回中心を適切に定め得るようにしてもよい。
【0044】
ところで、車体1が旋回可能な状態にセットされた後は、前述のように、走行モータを駆動して車体1を旋回させ、パレット40の正面位置で停止させて積出しを行うが、作業が終了してフォークリフト100を再び走行させる場合は、車体1が直進可能な状態となっていなければならない。しかるに、オペレータがうっかりして、モードを旋回モードから走行モードに戻すのを忘れたり、あるいは走行モードに戻したが、各ホイールが完全に直進状態まで戻らないうちに走行を開始した場合は、車体1が旋回したり、予期せぬ方向へ突然発進したりして、きわめて危険である。
【0045】
そこで、このような危険を回避するために、車体1の旋回終了後にモードが旋回モードから走行モードに戻され、かつ、車体の直進が可能な状態にホイールが戻るまで、車体1の走行を禁止することが望ましい。
【0046】
図17は、この場合の手順を示したフローチャートであって、リーチ型フォークリフトの場合を例に挙げている。まず車体1を旋回させ(ステップS31)、旋回が終了すれば(ステップS32;YES)、リーチアウト操作をしてフォーク2a,2bで積出し作業を行う(ステップS33)。積出し作業が完了すると(ステップS34;YES)、旋回モードから走行モードへの切換えが行われたか否かを判定する(ステップS35)。走行モードへの切換えが行われなければ、切換えが行われるまで待ち(ステップS35;NO)、走行モードへの切換えが行われれば(ステップS35;YES)、走行モータの電磁ブレーキを作動させて走行禁止の状態とする(ステップS36)。その後、ロードホイール5a,5bおよびドライブホイール8を直進状態(旋回角ゼロ)に戻す(ステップS37)。
【0047】
各ホイールが直進状態に戻ると、車体1は直進が可能な状態となり(ステップS38;YES)、この時点で、フォークリフト100が走行可能になったことを報知器22(図3)がオペレータに報知する(ステップS39)。この報知器22はたとえばブザーで構成され、ブザーが鳴るまでは走行操作を行なっても、車体1は発進しない。オペレータがブザーを聞いて走行操作を行うと(ステップS40)、車体1は前方または後方への直進走行を開始する(ステップS41)。なお、報知器22としてはブザーに代えてチャイムを用いてもよい。また、報知器22で音により報知することに代えて、もしくはこれに加えて、表示パネル14に走行可能の旨を表示するようにしてもよい。この場合、表示パネル14は本発明の報知手段を構成する。
【0048】
このようにして、図17の実施形態によれば、車体旋回後に走行モードへの切換えが行われ(ステップS35)、かつ、各ホイールが直進状態に戻った(ステップS38)ことを条件として、車体1の走行を可能としているので、オペレータの不注意によって、車体1が旋回したり予期せぬ方向へ発進したりするのを防止して安全が確保される。また、フォークリフトが走行可能になったことを音や表示で報知するので、オペレータは円滑に走行操作を行うことができる。
【0049】
なお、フォークリフト100がカウンタバランス型の場合は、図17において、ステップS32で旋回が終了するとステップS35に移行し、ステップS33の積出し作業はステップS41の次に移動することになる。
【0050】
上記実施形態ではフォークが2本の場合を例に挙げたが、本発明は3本以上のフォークを有する荷役車両にも適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、荷載置台の先端部近傍を中心として車体を旋回させることで、車体を荷やパレットに対して容易に位置決めできるので、初心者であっても積出し作業を短時間で効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるリーチ型フォークリフトの斜視図である。
【図2】フォークリフトの要部の構成を表した平面図である。
【図3】フォークリフトの電気的構成を示したブロック図である。
【図4】表示パネルにおける初期画面の例である。
【図5】走行モード画面の例である。
【図6】旋回モード画面の例である。
【図7】案内表示部に表示される画面の例である。
【図8】案内表示部に表示される画面の例である。
【図9】フォークリフトを旋回させる場合の手順を示したフローチャートである。
【図10】旋回動作を説明する図である。
【図11】旋回動作の他の例を説明する図である。
【図12】旋回動作の他の例を説明する図である。
【図13】旋回動作の他の例を説明する図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係るフローチャートである。
【図15】本発明の他の実施形態に係るフローチャートである。
【図16】フォークのリーチイン、リーチアウトを説明する図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係るフローチャートである。
【図18】従来の積出し作業を説明する図である。
【図19】パレットの斜視図である。
【符号の説明】
1 車体
2a,2b フォーク
3 マスト
4 ハンドル
5a,5b ロードホイール
8 ドライブホイール
12 ポテンショメータ
13 コントローラ
14 表示パネル
20 モード切換スイッチ
21 旋回中心選択スイッチ
22 報知器
40 パレット
A,B 先端部(旋回中心)
100 フォークリフト
Claims (7)
- 車両のホイールを旋回させるためのステアリングモータと該モータを制御するコントローラとを備えると共に、前記モータにより車両が直進可能となるようにホイール角度を設定する通常の走行モードと前記モータにより車両が所定位置を中心に旋回するようにホイール角度を設定する旋回モードとを切り換えるモード切換手段を備え、前記旋回モードが、車体の旋回中心が荷を載置するための荷載置台の先端部近傍となるようにホイール角度を設定するモードであることを特徴とする荷役車両。
- 請求項1に記載の荷役車両において、荷載置台は車体前方の左右に設けられており、前記旋回モードが、車体の旋回中心がいずれか一方の荷載置台の先端部となるようにホイール角度を設定するモードであることを特徴とする荷役車両。
- 請求項1に記載の荷役車両において、荷載置台は車体前方の左右に設けられており、前記旋回モードが、車体の旋回中心が各荷載置台の先端部を結ぶ線の略中央部となるようにホイール角度を設定するモードであることを特徴とする荷役車両。
- 請求項1に記載の荷役車両において、荷載置台は車体前方の左右に設けられており、前記旋回モードが、車体の旋回中心が各荷載置台の先端部より所定距離だけ前方の位置となるようにホイール角度を設定するモードであることを特徴とする荷役車両。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の荷役車両において、荷載置台は車体の前後方向に移動自在に設けられており、前記荷載置台が車体に対して移動した位置を検出する位置検出手段と、この位置検出手段が検出した荷載置台の位置に基づいて車体の旋回中心位置を算出する旋回中心位置算出手段とを備えたことを特徴とする荷役車両。
- 車両のホイールを旋回させるためのステアリングモータと該モータを制御するコントローラとを備えると共に、前記モータにより車両が直進可能となるようにホイール角度を設定する通常の走行モードと前記モータにより車両が所定位置を中心に旋回するようにホイール角度を設定する旋回モードとを切り換えるモード切換手段を備え、前記旋回モードによる車体の旋回が終了した後、前記モード切換手段によって旋回モードから走行モードへの切換えが行われ、かつ、車体の直進が可能な状態にホイールが戻るまで、車体のブレーキを作動させて走行を禁止することを特徴とする荷役車両。
- 請求項6に記載の荷役車両において、車体の直進が可能な状態になったときに走行可能を報知する報知手段を設けたことを特徴とする荷役車両。
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