JP3689794B2 - 開閉機構用ダンパ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】
本発明は例えば排煙用窓の窓枠や天井据付式のエアコンの室内機の開閉扉等を移動部材とする開閉機構に対して設けられ、移動部材の移動方向の違いによって前記移動部材の円滑な移動と急激な移動に対する抑制とを適宜切り替えることのできる開閉機構用ダンパに関するものである。
【0002】
【発明の背景】
ドアや窓等の建具類の開閉機構や家具、仏壇、金庫、自動車等の各種扉の開閉機構あるいは洋式の水洗便器の蓋や便座、更にはピアノの蓋等の開閉機構としては、最も基本的には基材と移動部材との間に回動ヒンジを設け、この回動ヒンジにより両者を回動自在に接続するという構成がとられる。
そして本出願人にあっては、このような回動ヒンジに対し衝撃吸収作用を付与する装置としてすでに特願平6−308164号「制動装置」なる出願に及んでおり、緩慢な負荷の変化(負荷抵抗がゆっくりと徐々にかかる場合)に対しては、極めて柔軟に変形し、急激な負荷の変化(負荷抵抗が瞬時に一度にかかる場合)に対しては強い抗力を示し、原形を維持しようとする性質を有するバウンシングパテを利用することで極めて簡単な構造により所望の衝撃吸収力を得るとともに、種々の負荷の変化にも適応できるようにした極めて有用な衝撃吸収用の装置を開発している。
【0003】
更に本出願人にあっては、上記特願平6−308164号を改良し、使い勝手を更に向上させたものとして特願平7−138557号「回動接続部用ダンパ」なる出願にも及んでおり、衝撃吸収力を一方向のみに効かせるため設けられるワンウェイ可動機構の構成を見直し、その構造の簡易化、動作の確実性を向上させた衝撃吸収用の装置の開発にも成功している。
【0004】
一方、排煙用窓の窓枠のように比較的重量があり、なお且つ所定の角度(一般には60°前後)のみ回動すれば充分な移動部材3に対しては、前記回動ヒンジ4のほかに図15(a)(b)に示すような補強用ないしは拡開角度設定用の支持ステー11′を基材2との間に設けた構造の開閉機構5が採用される。そしてこのような構造の開閉機構5に対してももちろん前記衝撃吸収用の装置を適用することも可能であるが、当該装置を回動ヒンジ4に設けたのみでは、窓枠の重量が大きいことに関連し、相当大きなものとなってしまう。また前記支持ステー11′と基材2及び移動部材3との回動接続部に対しても前記衝撃吸収用の装置を適用することも可能である。しかしそのままの構成で直ちに適用することはできず、種々の部分的改良が必要となってくる。更に前記衝撃吸収用の装置は、回動ヒンジ4に対しては優れた衝撃吸収特性を示すが、必ずしも他の回動接続部に対しては、所望の衝撃吸収特性を発揮するとは限らない。これは適用部位の構造の違いに関係するものであり、当該衝撃吸収用の装置全体の構成の見直しも含め改良の必要性が指摘されていた。
【0005】
更にまたビル等の比較的大きな建造物に対しては、例えば各部屋の天井等に設けられるエアコンの室内機や照明器具も大型のものとなり、これらのメインテナンス用の扉や蛍光灯を覆う保護カバー等も当然大きなものとなる。しかしながらこれらの扉や保護カバーは一般には回動ヒンジによって基材に取り付けられているだけであって、自由端側の係止を解除したならば、自重によって急激に拡開してしまう。従ってエアコンの室内機に設けられるフィルタの洗浄や交換、蛍光灯の掃除や交換に際しては、当該扉や保護カバー等を下方から手で支えながら開閉しなければならず、その労力は大変大きなものとなり、これらの開閉機構に対しても衝撃吸収用の装置の設置が望まれていた。
【0006】
【開発を試みた技術的事項】
本発明はこのような背景の認識の上に立って案出されたものであって、上記排煙用窓や天井据付式のエアコンの室内機等に対しても適用することのできるよう、ラック・ピニオン機構を採用することで粘弾性材の捩じり応力の増大を図り、これにより衝撃吸収特性を向上させた新規な開閉機構用ダンパの開発を試みたものである。
【0007】
【発明の構成】
【目的達成の手段】
すなわち請求項1記載の開閉機構用ダンパは、基材と、これに回動自在に接続される移動部材とを具えて成る開閉機構に対して設けられる衝撃吸収用の装置において、
前記衝撃吸収用の装置は、前記基材若しくは移動部材の一方に張設されるガイドレールと、このガイドレールを摺動自在なスライダと、このスライダに一端が回動自在に接続されると共に他端が前記移動部材若しくは基材の残る一方に回動自在に接続される伝達リンクと、前記移動部材の動きに起因して生ずる前記スライダの摺動運動をラック・ピニオン機構により回転運動に変換する回転運動変換機構と、この回転運動変換機構におけるピニオンギヤまたはこのピニオンギヤに接続される伝達ギヤと同軸上に設けられるダンパユニットと、このダンパユニットへの回転運動の伝達を制御する脱着機構とを具えて成り、
更に前記ダンパユニットは、適宜の間隙を隔てて多重同芯状に組み合わされるケーシング及びダンパロータと、前記間隙に充填される粘弾性材とを具えて成り、
更に前記脱着機構は、前記伝達ギヤを前記ピニオンギヤとのみ噛み合うように構成し、一方、前記ピニオンギヤを前記伝達ギヤ及びラックの双方と噛み合うように構成するとともに、前記ピニオンギヤを伝達ギヤに対して噛合方向において一定ストローク接近、離反し得るように構成したことを特徴として成るものである。
【0008】
また請求項2記載の開閉機構用ダンパは、前記請求項1記載の要件に加え、前記粘弾性材は、バウンシングパテにより形成されていることを特徴として成るものである。
【0009】
更に請求項記載の開閉機構用ダンパは、基材と、これに回動自在に接続される移動部材とを具えて成る開閉機構に対して設けられる衝撃吸収用の装置において、
前記衝撃吸収用の装置は、前記基材若しくは移動部材の一方に張設されるガイドフレームと、このガイドフレームに対し一端の回動軸部を摺動自在に係合すると共に他端が前記移動部材若しくは基材の残る一方に回動自在に接続される伝達リンクと、前記移動部材の動きに起因して生ずる前記回動軸部の摺動運動をラック・ピニオン機構により回転運動に変換する回転運動変換機構と、この回転運動変換機構におけるピニオンギヤまたはこのピニオンギヤに接続される伝達ギヤと同軸上に設けられるダンパユニットと、このダンパユニットへの回転運動の伝達を制御する脱着機構とを具えて成り、
更に前記ダンパユニットは、適宜の間隙を隔てて多重同芯状に組み合わされるケーシング及びダンパロータと、前記間隙に充填される粘弾性材とを具えて成り、
更に前記脱着機構は、前記ガイドフレームに対し、前記回転軸部と遊嵌係合し、回転軸部の摺動方向と直交する方向への移動を許容する遊嵌ガイドラインと、この遊嵌ガイドラインに対する前記回転軸部の係合位置を前記移動部材の動きに連動させて制御する係合位置設定機構とを設けることにより構成されることを特徴として成るものである。
【0010】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパは、前記請求項記載の要件に加え、前記係合位置設定機構は、前記回転軸部の同軸上に設けられる諸部材の一部に当接ないしは係合する係合位置設定ガイド板により構成され、更にこの係合位置設定ガイド板には自由軌道を走行中の回転軸部を噛合軌道に移行する軌道移行スリットが形成されていることを特徴として成るものである。
【0011】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパは、前記請求項記載の要件に加え、前記開閉機構用ダンパには、ラックに対して噛合状態にあるピニオンギヤの歯飛びを防止する歯飛び防止機構が設けられていることを特徴として成るものである。
【0012】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパは、前記請求項記載の要件に加え、前記歯飛び防止機構は、前記係合位置設定ガイド板と、この係合位置設定ガイド板に対し回転軸部が噛合軌道上を走行している状態において係合するガイド板係合部とを具えて成ることを特徴として成るものである。
【0013】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパは、前記請求項または記載の要件に加え、前記歯飛び防止機構は、ラックとピニオンギヤとの噛合位置がピニオンギヤの進行方向側において、幾分高くなるようにラックの取付角度を設定することにより構成したことを特徴として成るものである。
【0014】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパは、前記請求項3、4、5、6または7記載の要件に加え、前記粘弾性材は、バウンシングパテにより形成されていることを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記目的を達成しようとするものである。
【0015】
【発明の作用】
すなわち請求項1記載の開閉機構用ダンパによれば、移動部材の動きに起因して生ずる摺動運動を回転運動変換機構により回転運動に変換し、変換された回転運動をダンパユニットに伝達することで粘弾性材の変形量ないしは捩じり応力を増大させ、衝撃吸収力を向上させる。また脱着機構の存在によりダンパユニットへの回転運動の伝達制御が可能となり、移動部材の移動方向ないしは移動速度に応じて適宜衝撃吸収力の作動する方向、大きさ等の調整も図れる。
また脱着機構を構成するにあたり、伝達ギヤはピニオンギヤとのみ噛み合い、ピニオンギヤは伝達ギヤトラックの双方と噛み合い、ピニオンギヤは伝達ギヤに対して噛合方向に一定ストローク接近、離反し得るようにしている。これによりピニオンギヤが伝達ギヤに噛み合った状態ではラックとの噛み合いによって生ずるピニオンギヤの回転は、伝達ギヤに伝達され、伝達ギヤと同軸上に設けられるダンパユニットが作動し衝撃吸収作用が発揮される。一方、ピニオンギヤが伝達ギヤに噛み合わない状態ではピニオンギヤは空転するだけで、その回転は伝達ギヤに伝達されない。従って伝達ギヤは停止したままであり、ダンパユニットは作動しない。
【0016】
また請求項2記載の開閉機構用ダンパは、粘弾性材をバウンシングパテにより形成するという構成をとる。これにより前記機構上もたらされる作用に加え、移動部材をゆっくり移動させた場合には衝撃吸収力が低く、一方、移動部材を急激に移動させた場合には、衝撃吸収力が高くなるというバウンシングパテの材料特有の作用が付加される。
【0017】
更に請求項記載の開閉機構用ダンパは、移動部材の回動運動は伝達リンクによる揺動運動に変換された後、回転軸部とガイドフレームの係合作用によって摺動運動に変換される。また回転軸部には同軸上にピニオンギヤ及びダンパユニットが設けられているから、ラックと噛み合うことによって生ずるピニオンギヤの回転はそのままダンパユニットに伝達され、衝撃吸収作用が発揮される。
また脱着機構の存在によりダンパユニットへの回転運動の伝達制御が可能となり、移動部材の移動方向ないしは移動速度に応じて適宜衝撃吸収力の作動する方向、大きさ等の調整も図れる。
更に脱着機構をガイドフレームに対し遊嵌ガイドラインと係合位置設定機構とを設けることにより構成している。これにより回転軸部は摺動方向と直交する方向へも移動し得るようになり、回転軸部の同軸上に設けられるピニオンギヤはラックと噛み合う位置と噛み合わない位置の二種類の位置を選択できるようになる。また係合位置設定機構の存在により移動部材の回動方向に対応し、適宜ピニオンギヤは前記二種類の位置間を移動しながら案内され、移動部材の回動方向に応動した衝撃吸収作用の作動、停止の切り替えが行われる。
【0018】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパは、係合位置設定機構を軌道移行スリットの形成された係合位置設定ガイド板により構成している。これにより回転軸部はこの係合位置設定ガイド板に案内されて自由軌道または噛合軌道を摺動方向に移動するとともに、係合位置設定ガイド板の終端または軌道移行スリットに達したところで、噛合軌道から自由軌道に、または自由軌道から噛合軌道に移行するようになり、移動部材の動きに対応した衝撃吸収作用の作動、停止の切り替えが行われる。
【0019】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパは、前記構成に加え、更に歯飛び防止機構を設けるという構成をとる。これにより噛合軌道を走行中の回転軸部の浮き上がりが防止され、ラックとピニオンギヤとの噛み合いが噛合軌道全長にわたって確実となって、ダンパユニットによる衝撃吸収作用の安定化に寄与する。
【0020】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパは、歯飛び防止機構を係合位置設定ガイド板とガイド板係合部とにより構成している。これにより回転軸部が噛合軌道上を走行している間は、係合位置設定ガイド板に対しガイド板係合部が係合している状態にあるため、ピニオンギヤのラックに対する歯飛びは確実に防止される。
【0021】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパは、歯飛び防止機構をラックとピニオンギヤとの噛合位置がピニオンギヤの進行方向側において幾分高くなるようにラックの取付角度を設定するという構成をとる。これによりピニオンギヤと現時点において噛み合っているラックの歯の次の歯は現時点のラックの歯より常に上方、すなわちピニオンギヤの浮き上がり方向に位置するようになり、ラック側においてピニオンギヤの浮き上がりを減殺するように作用し、ひいてはピニオンギヤのラックに対する歯飛びの発生は防止される。
【0022】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパは、粘弾性材をバウンシングパテにより形成するという構成をとる。これにより前記機構上もたらされる作用に加え、移動部材をゆっくり移動させた場合には衝撃吸収力が低く、一方、移動部材を急激に移動させた場合には、衝撃吸収力が高くなるというバウンシングパテの材料特有の作用が付加される。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の開閉機構用ダンパについて図面に基づいて具体的に説明する。本発明の開閉機構用ダンパは、洋式の水洗便器の便座や蓋の閉鎖時の衝撃吸収、ドアや扉等の摺動運動ないしは回動運動する建具類の開閉時の衝撃吸収、あるいはこれら建具類のカテゴリーに含まれないサッシや窓枠等の開閉時の衝撃吸収(例えばビル等の排煙用窓の拡開時の衝撃吸収)、ピアノや家具類の蓋や扉の閉鎖時の衝撃吸収、ビル等の大型建造物に設けられる空調設備(例えば天井据付式のエアコンの室内機)のメインテナンス用の扉や蓋、あるいは照明器具の保護カバーの拡開時の衝撃吸収、その他各種の摺動部、回転部、または回動部に付設されるダンパ、ショックアブソーバ、シリンダ等の代用として広く使用される。
【0024】
そして以下の説明にあたっては、一例として排煙用窓を適用対象にとってまず実施例1についてその構成並びに作動状態を説明し、次いで一例として天井据付式のエアコンの室内機を適用対象にとって実施例2についてその構成並びに作動状態を説明した後、最後にこれら実施例1及び2とはその基本的構成を異にする幾つかの他の実施例についてその構成のみについて言及する。
【0025】
【実施例1】
図2〜4において符号1に示すものが本発明の開閉機構用ダンパであって、本実施例にあっては、基材2と移動部材3と、回動ヒンジ4とを具えて成る開閉機構5に対して設けられる。この点は実施例2についても同様である。そして本実施例にあっては移動部材3として排煙用窓の窓枠を選び、この窓枠と基材2である取付枠との間に以下述べる諸部材を適用し、開閉機構用ダンパ1を構成している。
【0026】
すなわち本実施例における開閉機構用ダンパ1は、移動部材3の動きに起因して生ずる摺動運動をラック・ピニオン機構により回転運動に変換する回転運動変換機構30と、この回転運動変換機構30におけるピニオンギヤ31に接続される接続回転部材の一例である伝達ギヤ41と同軸上に設けられるダンパユニット20と、このダンパユニット20への回転運動の伝達を制御する脱着機構40と、前記移動部材3と前記回転運動変換機構30との間に設けられる摺動運動変換機構10とを具えて成る。以下摺動運動変換機構10、ダンパユニット20、回転運動変換機構30、脱着機構40の順でこれらの構成について更に具体的に説明する。
【0027】
摺動運動変換機構10は、図2、3に示すように移動部材3に対して、その一端を回動自在に接続して成る伝達リンク11と、この伝達リンク11の他端に回動自在に接続されるスライダ12と、基材2に対して設けられ、このスライダ12と係合して摺動方向(図示の実施例にあっては上下方向)にスライダ12を案内するガイドレール13とを具えて成る。そして前記スライダ12にはダンパユニット20が固定状態に設けられ、ダンパユニット20の同軸上には伝達ギヤ41が設けられている。
【0028】
なおこの摺動運動変換機構10は移動部材3の支持部材としての役割も果たすため移動部材3のこじり等が生じないように移動部材3の両側面に設けることが望ましい。これに対し後述するダンパユニット20、回転運動変換機構30、脱着機構40は衝撃吸収特性を得るために設けられる部材であるから、所望の衝撃吸収特性が得られるならば移動部材3の片側一側面のみに配置するようにすることももちろん可能である。更に開閉機構5に対し当初から上記摺動運動変換機構10と類似の構成を有する支持ステーが設けられている場合には、この支持ステーを摺動運動変換機構10として利用するようにしても差し支えない。
【0029】
またスライダ12に対するダンパユニット20の取付態様としては各々を別体に構成し、これらを爾後固定状態に組み合わせることにより構成してもよいし、一の筐体内にこれらを組み込み、一体に構成することも可能である。更に伝達ギヤ41は上述のようにピニオンギヤ31の回転をダンパユニット20に伝達するために設けられているものであって、同様の作用を奏するものであれば伝達ギヤ41に限らず他の種々の接続回転部材が適用できる。具体的には図8(a)に示すようにピニオンギヤ31及びダンパユニット20のそれぞれの同軸上に摩擦円板41aを圧接状態に設ける構成とすることもできるし、図8(b)に示すようにピニオンギヤ31及びダンパユニット20のそれぞれの同軸上にプーリ41bを設け、これらのプーリ41b間に伝達ベルト41cを巻回する構成とすることも可能である。この他、図8(c)に示すようにピニオンギヤ31の同軸上にクラッチ41dを介してダイレクトにダンパユニット20を設ける構成とすることも可能である。
【0030】
次にダンパユニット20について説明する。ダンパユニット20は適宜の間隙を隔てて多重同芯状に組み合わされるケーシング21及びダンパロータ22と、前記間隙に充填される粘弾性材Pとを具えることにより構成される。まず衝撃吸収作用を実際に行う粘弾性材Pについて説明する。粘弾性材Pとしては、所望の衝撃吸収作用を奏するものであれば、パテ状、未加硫ゴム状、あるいは粘稠状の種々の材料、例えば高粘度オイルであってもその粘稠度合いの高いものであれば適用できるものであって、その一例として以下説明するバウンシングパテが適用できる。
【0031】
ここでいうバウンシングパテ(bouncing putty)とは、緩慢な負荷の変化には極めて柔軟に変形するが、急激な負荷の変化には強い抗力を示して高い弾性ないしは剛性に近い性質を有する変形自在なパテ状物質の総称をいうものであって、例えば米国特許第2541851号等に開示されるものを包含するものである。
【0032】
このものの構造は疎水性のメチル基等を有し、その大部分が架橋しているシリコーンの網状組織と、ホウ素混合物の粘着性液体反応性生産物及びメチルシリコーン等から成る組織との二層構造を有する。そして親水性反応生成物は、架橋したシリコーンの隙間に層を作っている。またこのものの特有な性質は親水性と疎水性の基が平衡状態にあり、加えてこれら両基の間での摩擦が大きいことに起因すると考えられる。
【0033】
すなわちこのものを例えば比較的硬い面の上に落下させたときには、親水性の基と疎水性の基との間の摩擦力が大きく働く結果、各分子が滑ることがないため、弾力性のある固体のような性質を示し、更にハンマーで打つなどの鋭い衝撃下では一種の剛性に近い性質を示すのである。その一方、徐々に圧力がかかると、摩擦力に勝ってホウ素成分が網状組織の網目の間を流れ出ることができるため、極めて柔軟に変形するのである。
【0034】
バウンシングパテの成分の一例について示すと以下のようになる。
ホウ素含有シロキサン 50〜80%
顔料+二酸化ケイ素 10〜30%
ジオルガノポリシロキサン 0〜15%
高級脂肪酸 他 1%
またバウンシングパテは、オルガノポリシロキサンをホウ素の混合物で処理することによって得られ、熱や触媒のいずれか一方または双方を適宜与えることによって連続的に得られる。ここでホウ素の混合物はピロホウ酸、無水ホウ酸、ホウ酸、エチルホウ酸塩、その他ホウ酸エステル等を含むが、製品に望まれる特質によって特定のホウ素混合物を選択できる。
【0035】
以下バウンシングパテの製法の一例を示す。なお製法中使用されるオルガノポリシロキサンは、油性のメチルシロキサンであり、このものはほぼ純粋なジメチルシリコーンハロゲン化合物の加水分解等によって得られ、その構造は端部が(CH33 SiO0.5 で中間部が(CH32 SiOによって表されるものである。
【0036】
まずジメチルシリコーンオイル75部(重量部を表す。以下同じ)とピロホウ酸10部とを混合し、この混合物を150℃で2時間オーブンで加熱する。加熱の終わり頃には混合物はある程度弾力性のあるゲルになる。このゲル45部に対して90部のリトポン(白色顔料)と0.9部の過酸化ベンゾイルとを固まりになるまで混ぜ合わせるとともに、このものに更に45部のジメチルシリコーンオイルと0.9部の過酸化ベンゾイルを加えて更に固まり状にする。
【0037】
固まったものを100℃〜150℃でオーブンで2時間加熱する。このようにして出来上がったものを手の指でこねることによりパテ状になり高い粘着性と反発力とを有するようになる。なお加水分解できるアルキルホウ酸塩または同量の触媒を使うとメチルシリコーンオイル中にホウ素混合物を分散させる場合に便利である。
【0038】
なおホウ素混合物の量や触媒量、更には加熱時間等を変えることによって、親水性と疎水性との成分割合が変化するので、その結果、衝撃吸収手段としてのバウンシングパテの弾力性と柔軟性とをコントロールすることができるようになる。またグリセリンやオレイン酸等の親水性や疎水性の物質を追加することによっても、その弾力性や柔軟性を調整することができる。
【0039】
またこのようなバウンシングパテは、もちろんそれ自体単独で使用してもよいが、各種フィラーを添加することも可能である。このようなフィラーとして好適なものに有弾性微小中空球体や煙霧状シリカが例示できる。有弾性微小中空球体の場合、バウンシングパテの調整いかんにもよるが、通常バウンシングパテを100(重量)部に対し、1〜10部が添加混合される。因みにバウンシングパテは前述したようにそれ単体では自己保形性が弱く、放置しておくと流動してしまうが、これに有弾性微小中空球体を混入することにより自己保形性を有するようになる。
【0040】
また粘弾性材Pとしては、上記バウンシングパテのほか、シリコーンゴム、未加硫ゴム(ゴムコンパウンド)、ガム、粘着剤、高粘度オイル等、種々の粘稠物質を適用し得る。なおシリコーンバウンシングパテとしては信越化学工業株式会社のX−30−1016−22、KE−SA−P、シリコーンゴムとしては東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社のSH831、未加硫ゴム(ゴムコンパウンド)としては信越化学工業株式会社のKE−5540、KE−574−U、KE−931−U、KE−520−U、日信化学工業株式会社のFR−601、粘着剤としては東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社のトレファーム等が一例として使用できる。
【0041】
次にこのような粘弾性材Pを具える衝撃吸収部10の他の構成部材であるケーシング21及びダンパロータ22について説明する。ケーシング21は図3(b)に示すように筒状を有し、このケーシング21に対しては、図3(b)に示すようにその周面を幾分凹陥させて成る円柱状のダンパロータ22が内嵌されるという構成となっている。なお前記ダンパロータ22の周面に形成される凹陥部は、前記粘弾性材Pの充填空間を確保する目的で設けられるものであり、従ってこの凹陥部はダンパロータ22側に設けず、ケーシング21側に設けるようにすることも可能であるし、ダンパロータ22とケーシング21の双方に設けるようにしても構わない。またこのようなダンパロータ22の一方の端面には、ダンパロータ22と同一の回転中心を通る入力軸23が突出状態に設けられており、その端部には伝達ギヤ41(後述の実施例2にあってはピニオンギヤ31)が接続されるという構成になっている。
【0042】
これらケーシング21及びダンパロータ22の材質としては真鍮、ステンレス、アルミ等の金属あるいは機械的強度の高い各種の工業用プラスチックや他の合成樹脂、合成ゴム等が採用できる。更に前記ケーシング21とダンパロータ22との接続部等の気密性が不充分で、充填される粘弾性材Pの流出のおそれがあるときには、例えばOリング等の簡易なシール機構を付設することも可能である。
【0043】
更に前記粘弾性材Pは、その設置部位であるケーシング21とダンパロータ22との間に形成される間隙に充填され、これらと強固に接着されるのが望ましい。なおここで述べた「強固に接着」とは、以下述べるような接着強化手段を意味するものであり、その一例としてプライマー、接着剤等による化学的接着強化手段が採用できる。なおこの接着強化手段は、粘弾性材Pがケーシング21及びダンパロータ22に対し何らの規制も受けずに回転してしまい、本来の作用を発揮し得ない状態となることを防止するためにとられる手段であり、特に粘弾性材Pとしてバウンシングパテ、未加硫ゴム(ゴムコンパウンド)、ガム等を採用したときに有効である。
【0044】
更に前記粘弾性材Pは、その設置部位であるケーシング21とダンパロータ22との間に形成される間隙に充填され、これらと強固に接着される。
なおここで述べた「強固に接着」とは、以下述べるような接着強化手段を意味するものであり、その一例としてプライマー、接着剤等による化学的接着強化手段が採用できる。なおこの接着強化手段は、粘弾性材Pがケーシング21及びダンパロータ22に対し何らの規制も受けずに回転してしまい、本来の作用を発揮し得ない状態となることを防止するためにとられる手段である。このために例えば前記化学的接着強化手段を採用し、ケーシング21あるいはダンパロータ22との材質の関係で、例えば金属とシリコーン(バウンシングパテ)、ポリカーボネート等の硬質樹脂とシリコーン(バウンシングパテ)といったそれぞれの接合に好適なプライマー、接着剤を塗布した後、前記粘弾性材Pを充填することが望ましい。具体的には東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社のプライマーA〜Dや粘着剤である前記トレファーム、東芝シリコーン株式会社のFC10α、β、あるいは信越化学工業株式会社の一液性加熱硬化型シリコーン接着剤であるKE−1820等が使用できる。
【0045】
また前記化学的接着強化手段に加え、以下述べるような機械的接着強化手段を併用することも可能である。具体的にはケーシング21とダンパロータ22との表面粗さを粗く形成したり、軸方向に溝やヒダを入れて粘弾性材Pの設置部位に凹凸を設ける等の機械的接着強化手段が採用できる。因みに軸方向に溝やヒダを入れた場合には、これら溝やヒダに対し粘弾性材Pが入り込み、これがダンパロータ22が回転する際の抵抗となって、粘弾性材Pのスリップが効果的に防止されるようになるのである。すなわち前記化学的接着強化手段を補完するように作用するのである。
【0046】
次に本発明の特徴的構成の一つである回転運動変換機構30について説明する。本実施例ではラック・ピニオン機構を採用し、前記摺動運動変換機構10におけるガイドレール13の側傍に歯面が移動部材3側を向くようなラック32を設けるとともに、このラック32に噛み合うピニオンギヤ31を後述する脱着機構40を介して前記伝達ギヤ41に噛み合うように設けて成るものである。
【0047】
そして本発明の特徴的構成の他の一つである脱着機構40は、前記回転運動変換機構30と密接に関係するものであって、一部の構成部材については重複し、共用される関係にある。すなわち脱着機構40は伝達ギヤ41をピニオンギヤ31とのみ噛み合うように構成し、一方、ピニオンギヤ31を伝達ギヤ41及びラック32の双方と噛み合うように構成するとともに、ピニオンギヤ31を伝達ギヤ41に対して噛合方向において一定ストローク接近、離反し得るように構成して成る。
【0048】
具体的には伝達ギヤ41がラック32に噛み合わないようにピニオンギヤ31より小径に伝達ギヤ41を形成するとともに、ピニオンギヤ31の支承部材であるスライド支承体33に対しダンパユニット20側から延長形成される案内軸体42を遊嵌状態に受け入れる受入孔34を形成し、この受入孔34を貫通する案内軸体42の先端にはピニオンギヤ31の離反端を設定するストッパ43を設け、一方、ダンパユニット20とスライド支承体33との間には、ピニオンギヤの接近端を設定するスペーサ44を設けることによって構成している。
【0049】
なお図9(a)に示すように伝達ギヤ41をピニオンギヤ31よりも大径に形成することも可能である。ただし図9(b)に示すように伝達ギヤ41とラック32とが噛み合わないように、例えばピニオンギヤ31の歯厚を伝達ギヤ41の歯厚よりも厚くする等の措置が必要となる。また伝達ギヤ41とピニオンギヤ31とのギヤ比は衝撃吸収力との関係で種々選択できるものであって、移動部材3の重量等を勘案し適宜選択すればよい。
更にダンパユニット20とスライド支承体33との接続は前記案内軸体42と受入孔34とによる嵌合接続に限られるものではなく、図10(a)に示すようなガイドレール45と、このガイドレール45に係合するスライダ35とから成る係合接続であってもよい。また上記嵌合接続を採用する場合にあっても図10(b)に示すように案内軸体42及び受入孔34を複数個所にわたって設けるようにすることも可能である。
【0050】
この他、前記ストッパ43は、案内軸体42に対し固定状態に設けるほか、取付位置を調節自在とし、ピニオンギヤ31のストローク調整に利用できるように構成してもよいし、スペーサ44は特に設けずに図10(c)に示すようにスライド支承体33の一部をダンパユニット20側に突出させた当接部36を設け、これによりピニオンギヤ31の接近端の位置設定を図るようにすることも可能である。
【0051】
次にこのようにして成る開閉機構用ダンパ1の作動状態について説明する。なお以下の説明にあたっては、移動部材3たる窓枠が閉塞状態にあるときを出発状態として説明する。まず出発状態にあっては、図4(a)に示すようにピニオンギヤ31は伝達ギヤ41に対して離反状態にある。この状態において移動部材3を拡開方向に移動していくと、摺動運動変換機構10が働くようになり、スライダ12と共に伝達ギヤ41は下降する。なおこのときピニオンギヤ31はラック32によって係止されている状態にあるから、図4(b)に示す噛合位置に至るまでそのままの位置で待機している。なおこの間はダンパユニット20は働かず、移動部材3は何の抵抗も受けず回動する。
【0052】
そしてこの状態から更に移動部材3を回動させるとスライダ12は図4(c)に示すようにダンパユニット20及びスライド支承体33を伴って移動部材3の拡開端に至るまで下降を続ける。なおこの間はスライダ12の下降に伴いピニオンギヤ31はラック32に噛み合いながら回転し、このピニオンギヤ31に噛み合う伝達ギヤ41を回転させる。従ってこの伝達ギヤ41に接続されているダンパユニット20が働き、その衝撃吸収作用により移動部材3は急激に拡開することなく、ゆっくりと静かに拡開端に至る。
【0053】
次に図2中、実線に示す拡開状態にある移動部材3を閉塞方向に回動させていく場合の作動状態について説明する。まず拡開状態では図4(c)に示すように伝達ギヤ41とピニオンギヤ31とは噛合状態にある。この状態から移動部材3を回動させていくと、スライド支承体33の端面がストッパ43に当接する図4(d)に示す状態に至るまではスライダ12及び伝達ギヤ41のみが上昇し、ピニオンギヤ31はラック32により係止されているため、回転せずにそのままの位置を維持している。なおこの間、当然ダンパユニット20は作動せず、移動部材3は円滑に回動する。
【0054】
そして移動部材3を更に閉塞方向に向けて回動させると、図4(e)に示すようにピニオンギヤ31はラック32に噛み合って回転するが、伝達ギヤ41はピニオンギヤ31と噛み合っていないため、ピニオンギヤ31は遊転するだけで、伝達ギヤ41には回転は伝達されない。従ってダンパユニット20は働かず、図2中、仮想線に示す閉塞状態に至るまで移動部材3は円滑に回動する。
【0055】
【実施例2】
次に図5〜7に示す本発明の開閉機構用ダンパ1の第二の実施例について説明する。なお本実施例にあっては、天井据付式のエアコンの室内機におけるメインテナンス用の扉を例にとり、これを移動部材3とする場合を前提に説明する。また摺動運動変換機構10、ダンパユニット20、回転運動変換機構30及び脱着機構40を具えることにより構成される点、回動する移動部材3に適用される点等については前記実施例と共通する。従って以下の説明では実施例1との構成の差異を中心に説明する。
【0056】
まず摺動運動変換機構10について説明する。摺動運動変換機構10は移動部材3に対してその一端を回動自在に接続して成る伝達リンク11と、この伝達リンク11の他端に設けられる回転軸部14と、基材2に対して設けられ、この回転軸部14と係合して摺動方向に回転軸部14を案内するガイドフレーム15とを具えることにより構成される。そして図5〜7に示す実施例にあっては、伝達リンク11の他端に設けられる回転軸14aをそのまま回転軸部14とし、この回転軸14aと係合する長穴状の係合部(この係合部が後述する遊嵌ガイドライン46となる)をガイドフレーム15に形成して成る。なお回転軸部14及び遊嵌ガイドライン46の具体的構成についてはここでは省略し、脱着機構40の説明の中で説明する。
【0057】
また回転軸部14の同軸上にはピニオンギヤ31及びダンパユニット20が設けられるものであって、図5〜7に示す実施例にあってはダンパユニット20におけるダンパロータ22の入力軸23に対し回転軸14aを延長接続し、この回転軸14aに対しダンパユニット20寄りにピニオンギヤ31を固定状態に取り付け、更にガイドフレーム15における前記係合部を貫通させた後、必要に応じスペーサ16を介して前記伝達リンク11の他端に遊転自在に支承させるという構成をとっている。なお回転軸14aを伝達リンク11に固定状態に取り付けるようにすることも可能であり、このようにする場合には、例えば図11に示すようにダンパロータ22の入力軸23とピニオンギヤ31のみを固定状態に接続し、回転軸14aをピニオンギヤ31及び入力軸23と遊嵌接続するようにする。
【0058】
次にダンパユニット20並びに回転運動変換機構30について説明する。これらの構成については前述した実施例1と基本的に同様であるので、その詳細は省略し、ここでは配設態様のみについて言及する。ダンパユニット20は上述したように、本実施例ではピニオンギヤ31の同軸上に直接設けている。しかし実施例1の説明で述べたように伝達ギヤ41等の接続回転部材を介してダンパユニット20を配設するようにすることももちろん可能である。
【0059】
回転運動変換機構30の配設態様としては、前記ガイドフレーム15における係合部に沿ってラック32を設けるものであって、図5〜7に示す実施例にあっては、前記係合部の下方近傍に歯面が上方に向くようにラック32を配している。一方、このラック32に噛み合うピニオンギヤ31は上述のように回転軸14aに支持されるものであって、後述する回転軸部14と嵌合ガイドライン46との作用によってラック32に対して一定ストローク接近、離反し得る構成となっている。なお上記ラック32の形成範囲は拡開時における移動部材3の回動範囲の全範囲に対して衝撃吸収作用が及ぶように設定することもできるし、例えば移動部材3が30〜45°程度回動するまでの範囲においてのみ衝撃吸収作用を得たい場合には、一例として図13(a)に示すようなラック32の歯の形成されていない滑面32aを形成し、これによりダンパユニット20への回転伝達を遮断する構成とすることも可能である。
【0060】
次に脱着機構40について説明する。本実施例における脱着機構40はガイドフレーム15に対し、前記回転軸部14と遊嵌係合し、回転軸部14の摺動方向と直交する方向への移動を許容する遊嵌ガイドライン46と、この遊嵌ガイドライン46に対する前記回転軸部14の係合位置を移動部材3の動きに連動させて制御する係合位置設定機構47とを設けることによって構成される。このうち遊嵌ガイドライン46は一例として図5に示すような長穴状の遊嵌ガイド溝46aにより構成し、これに回転軸14aを遊嵌係合させることにより構成する。もっとも、遊嵌ガイドライン46と回転軸部14との構成はこれに限らず種々採用できるものであって、例えば図12に示すように遊嵌ガイドライン46を突起状の長尺なガイドレール46bにより構成し、これに遊嵌係合する回転軸部14を同図に示すような遊嵌係合凹部14bとすることも可能である。
【0061】
一方、係合位置設定機構47は、一例として図6(a)に示すような軌道移行スリット48の形成された係合位置設定ガイド板49により構成される。すなわち前記回転軸部14と同軸上に設けられる回転軸部14それ自体、あるいはピニオンギヤ31ないしはダンパユニット20の一部には前記係合位置設定ガイド板49に当接ないし係合するガイド板係合部49aが設けられ、このガイド板係合部49aが移動部材3の動きに連動し、係合位置設定ガイド板49に対する相対位置を適宜変更しながら係合位置設定ガイド板49に沿って摺動することにより、前記遊嵌ガイドライン46に対する回転軸部14の係合位置を設定しているのである。
【0062】
そしてこのような係合位置設定ガイド板49には、ピニオンギヤ31がラック32に噛み合っていない状態における回転軸部14の移動軌道(以下自由軌道という)からピニオンギヤ31がラック32に噛み合っている状態における回転軸部14の移動軌道(以下噛合軌道という)へ回転軸部14を移行する軌道移行スリット48が形成されている。すなわち係合位置設定ガイド板49上を当接状態で走行するガイド板係合部49aを、この軌道移行スリット48により下方に落下させ、ガイド板係合部49aが係合位置設定ガイド板49に係合することのできる位置に至らせるのである。
【0063】
また係合位置設定機構47の他の構成としては、図13(b)に示すように遊嵌ガイドライン46を回転軸部14の移動する軌跡に合わせてループ状に複線化し、遊嵌ガイドライン46の案内作用のみにより摺動方向並びに摺動方向と直交する方向への二方向の動きを併せて行うようにすることも可能である。因みにこの実施例の場合には遊嵌ガイドライン46と回転軸部14との係合状態は回転軸部14が移動できる程度に比較的密に設定する。
【0064】
更にこのようにして成る開閉機構用ダンパ1に対し、ラック32に対して噛み合い状態にあるピニオンギヤ31の歯飛びを防止する歯飛び防止機構50を設けることも可能である。因みにこの歯飛びは移動部材3たるメインテナンス用の扉が閉塞状態にあるときを出発状態とした場合の回動開始点において主に発生するものであって、以下述べる歯飛び防止機構50によって防止されるのである。
【0065】
そして図5〜7に示す実施例2にあっては、一例として二種類の歯飛び防止機構50が設けられているが、これらのいずれか一方のみを設けるようにすることもできるし、これらの一方、あるいは前部を他の歯飛び防止機構50に置き換えたり、前記二種類の歯飛び防止機構50に加えて他の歯飛び防止機構50を組み込んだ構成とすることも可能である。以下これらの歯飛び防止機構50について具体的に説明する。まず歯飛び防止機構50の第一の実施例は前記係合位置設定ガイド板49と、この係合位置設定ガイド板49に対し回転軸部14が噛合軌道上を走行している状態において係合するガイド板係合部49aとによって構成されている。すなわち前記回動開始点において主に発生するピニオンギヤ31の歯飛びは係合位置設定ガイド板49とガイド板係合部49aとの係合によって効果的に防止されるのである。
【0066】
また歯飛び防止機構50の第二の実施例は、ラック32とピニオンギヤ31との噛合位置がピニオンギヤ31の進行方向側において幾分高くなるようにラック32の取付角度を設定したものである。因みにこのような構成とした場合には、ピニオンギヤ31と現時点において噛み合っているラック32の歯の次の歯(ピニオンギヤ31が次に噛み合うラック32の歯)は現時点のラック32の歯よりも常に上方、すなわちピニオンギヤ31の浮き上がり方向に位置するようになり、ラック32側においてピニオンギヤ31の浮き上がりを減殺するように作用するから、この構成によってもピニオンギヤ31のラック32に対する歯飛びの発生は防止される。
【0067】
この他、前記回動開始点において歯飛びが発生する実状を考えれば、図13(c)に示すように回動開始点における回転軸部14の上方に当接板51を設けておき、回転軸部14の浮き上がりをこの当接板51により上方から押さえ付けて規制する歯飛び防止機構50を採用することも可能である。更に移動部材3を所定の角度に拡開した後、閉塞方向へ回動させるに際しても前記回転軸部14の浮き上がりは発生する。しかし本実施例にあってはこの浮き上がりを利用することによって回転軸部14を噛合位置から自由位置に移行しているのであって、このような作用をより確実にする目的で図13(d)に示すように遊嵌ガイドライン46の当該作用端部に噛合軌道に存する回転軸部14を自由軌道に案内する案内傾斜面46cを形成しておくことも可能である。
【0068】
次にこのようにして成る開閉機構用ダンパ1の作動状態について説明する。なお以下の説明にあたっては、移動部材3たる天井据付式のエアコンの室内機の扉が閉塞状態にあるときを出発状態として説明する。まず出発状態にあっては、図6(b)に示すように係合位置設定ガイド板49にガイド板係合部49aが係合した状態にあるから、回動開始点において生ずる回転軸部14の浮き上がりは防止された状態にある。
【0069】
そしてこの状態から移動部材3を拡開方向に回動していくと移動部材3の荷重は伝達リンク11、そしてその自由端の回転軸部14を介してピニオンギヤ31にかかり、ピニオンギヤ31をラック32に押し付ける方向に作用しているから、図7(a)に示すようにピニオンギヤ31とラック32とは確実に噛み合い、ピニオンギヤ31は回転しながらラック32上を移動していく。
従ってこの状態にあっては、ダンパユニット20が作動し、その衝撃吸収作用により移動部材3の急激な拡開は防止されているから、移動部材3はゆっくり静かに拡開する。
【0070】
次に図5中、実線に示す拡開状態から移動部材3を閉塞方向に回動させていく場合の作動状態について説明する。なお拡開状態にあっては図7(b)に示すように係合位置設定ガイド板49に対するガイド板係合部49aの係合は解除された状態にある。従ってこの状態から移動部材3を閉塞方向に回動させていくと、まず図7(b)に示すように伝達リンク11を介して回転軸部14が突き上げられるように上方に移動し、噛合軌道から自由軌道に移行する。そして更に移動部材3を回動させていくと、ガイド板係合部49aが係合位置設定ガイド板49上に載り上げた図7(c)に示す状態となる。なおこの状態にあってはピニオンギヤ31はラック32に噛み合わないため、ダンパユニット20は作動せず、移動部材3は円滑な動きとなる。
【0071】
そして更に移動部材3を回動させていくと、図7(d)に示すように回転軸部14は軌道移行スリット48上に至り、自重により落下し、自由軌道から噛合軌道に移行する。そして更に移動部材3を回動させていくと、再び係合位置設定ガイド板49に対してガイド板係合部49aが係合し、最終的に図7(e)に示す出発状態に戻る。なおこの間、ピニオンギヤ31はラック32に噛み合い、ダンパユニット20が作動してしまい、移動部材3の動きが重くなることも予想されるが、これを嫌う場合には本出願の出願に係る特願平7−138557号「回動接続部用ダンパ」等において開示した例えばラチェット機構から成るワンウェイ可動機構をダンパユニット20に対し適用することにより、いずれか一方の回転の差異のみに衝撃吸収作用が奏するような構成とすればよい。
【0072】
【他の実施例】
次に上記二つの実施例とは基本的構成を異にする他の実施例の構成について説明する。図14に示す実施例は回転運動変換機構30においてピニオンギヤ31とラック32との配置態様を逆転させ、移動部材3側にラック32を設け、基材2側にピニオンギヤ31を配設した実施例である。なお図14では構成の変更点を骨格的に図示しているのみであるが、当然、脱着機構40の存在は不可欠である。
【0073】
【発明の効果】
本発明の開閉機構用ダンパ1は、以上述べたような構成を有することによって成るものであって、このような構成を有することによって以下のような効果が発揮される。
すなわち請求項1記載の開閉機構用ダンパ1は、移動部材3の動きに起因して生ずる摺動運動を回転運動変換機構30により回転運動に変換し、変換された回転運動をダンパユニット20に伝達することで粘弾性材Pの変形量ないしは捩じり応力を増大させ、衝撃吸収力を向上させる。また脱着機構40の存在によりダンパユニット20への回転運動の伝達制御が可能となり、移動部材3の移動方向ないしは移動速度に応じて適宜衝撃吸収力の作動する方向、大きさ等の調整も図れる。
更に脱着機構40を構成するにあたり、伝達ギヤ41はピニオンギヤ31とのみ噛み合い、ピニオンギヤ31は伝達ギヤ41とラック32の双方と噛み合い、ピニオンギヤ31は伝達ギヤ41に対して噛合方向に一定ストローク接近、離反し得るようにしている。これによりピニオンギヤ31が伝達ギヤ41に噛み合った状態ではラック32との噛み合いによって生ずるピニオンギヤ31の回転は、伝達ギヤ41に伝達され、伝達ギヤ41と同軸上に設けられるダンパユニット20が作動し衝撃吸収作用が発揮される。一方、ピニオンギヤ31が伝達ギヤ41に噛み合わない状態ではピニオンギヤ31は空転するだけで、その回転は伝達ギヤ41に伝達されない。従って伝達ギヤ41は停止したままであり、ダンパユニット20は作動しない。
【0074】
更にまた請求項2記載の開閉機構用ダンパ1は、粘弾性材Pをバウンシングパテにより形成するという構成をとる。これにより前記機構上もたらされる効果に加え、移動部材3をゆっくり移動させた場合には衝撃吸収力が低く、一方、移動部材3を急激に移動させた場合には、衝撃吸収力が高くなるというバウンシングパテの材料特有の効果が付加される。
【0075】
更に請求項3記載の開閉機構用ダンパ1は、移動部材3の回動運動は伝達リンク11による揺動運動に変換された後、回転軸部14とガイドフレーム15の係合作用によって摺動運動に変換される。また回転軸部14には同軸上にピニオンギヤ31及びダンパユニット20が設けられているから、ラック32と噛み合うことによって生ずるピニオンギヤ31の回転はそのままダンパユニット20に伝達され、衝撃吸収作用が発揮される。
更に脱着機構40の存在によりダンパユニット20への回転運動の伝達制御が可能となり、移動部材3の移動方向ないしは移動速度に応じて適宜衝撃吸収力の作動する方向、大きさ等の調整も図れる。
また脱着機構40をガイドフレーム15に対し遊嵌ガイドライン46と係合位置設定機構47とを設けることにより構成している。これにより回転軸部14は摺動方向と直交する方向へも移動し得るようになり、回転軸部14の同軸上に設けられるピニオンギヤ31はラック32と噛み合う位置と噛み合わない位置の二種類の位置を選択できるようになる。また係合位置設定機構47の存在により移動部材3の回動方向に対応し、適宜ピニオンギヤ31は前記二種類の位置間を移動しながら案内され、移動部材3の回動方向に応動した衝撃吸収作用の作動、停止の切り替えが行われる。
【0076】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパ1は、係合位置設定機構47を軌道移行スリット48の形成された係合位置設定ガイド板49により構成している。これにより回転軸部14はこの係合位置設定ガイド板49に案内されて自由軌道または噛合軌道を摺動方向に移動するとともに、係合位置設定ガイド板49の終端または軌道移行スリット48に達したところで、噛合軌道から自由軌道に、または自由軌道から噛合軌道に移行するようになり、移動部材3の動きに対応した衝撃吸収作用の作動、停止の切り替えが行われる。
【0077】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパ1は、前記構成に加え、更に歯飛び防止機構50を設けるという構成をとる。これにより噛合軌道を走行中の回転軸部14の浮き上がりが防止され、ラック32とピニオンギヤ31との噛み合いが噛合軌道全長にわたって確実となって、ダンパユニット20による衝撃吸収作用の安定化に寄与する。
【0078】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパ1は、歯飛び防止機構50を係合位置設定ガイド板49とガイド板係合部49aとにより構成している。これにより回転軸部14が噛合軌道上を走行している間は、係合位置設定ガイド板49に対しガイド板係合部49aが係合している状態にあるため、ピニオンギヤ31のラック32に対する歯飛びは確実に防止される。
【0079】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパ1は、歯飛び防止機構50をラック32とピニオンギヤ31との噛合位置がピニオンギヤ31の進行方向側において幾分高くなるようにラック32の取付角度を設定するという構成をとる。これによりピニオンギヤ31と現時点において噛み合っているラック32の歯の次の歯は現時点のラック32の歯より常に上方、すなわちピニオンギヤ31の浮き上がり方向に位置するようになり、ラック32側においてピニオンギヤ31の浮き上がりを減殺するように作用し、ひいてはピニオンギヤ31のラック32に対する歯飛びの発生は防止される。
【0080】
更にまた請求項記載の開閉機構用ダンパ1は、粘弾性材Pをバウンシングパテにより形成するという構成をとる。これにより前記機構上もたらされる効果に加え、移動部材3をゆっくり移動させた場合には衝撃吸収力が低く、一方、移動部材3を急激に移動させた場合には、衝撃吸収力が高くなるというバウンシングパテの材料特有の効果が付加される。
そしてこのような各請求項記載の構成により、もたらされる効果が相乗的に作用することにより排煙用窓や天井据付式のエアコンの室内機等の開閉機構5に対しても適用でき、しかも充分な衝撃吸収作用の得られる極めて有用な開閉機構用ダンパ1の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の開閉機構用ダンパを適用した開閉機構の一例を示す斜視図である。
【図2】 本発明の開閉機構用ダンパの第一の実施例を示す縦断側面図である。
【図3】 同上要部を拡大して示す側面図並びに縦断背面図である。
【図4】 同上作動状態を階段的に示す説明図である。
【図5】 本発明の開閉機構用ダンパの第二の実施例を示す縦断側面図である。
【図6】 同上要部を拡大して示す平面図並びに縦断背面図である。
【図7】 同上作動状態を段階的に示す説明図である。
【図8】 接続回転部材の他の種々の実施例を骨格的に示す側面図である。
【図9】 伝達ギヤとピニオンギヤとのギヤ比を異ならせた実施例を骨格的に示す正面図並びに側面図である。
【図10】 スライド支承体の構成を異ならせた他の種々の実施例を骨格的に示す側面図並びに正面図である。
【図11】 回転軸を伝達リンクに固定状態に設けた実施例を示す骨格的平面図である。
【図12】 遊嵌ガイドラインと回転軸部の構成を異ならせた他の実施例を示す骨格的側面図である。
【図13】 係合位置設定機構、遊嵌ガイドライン、歯飛び防止機構またはラックの構成を異ならせた他の種々の実施例を示す骨格的側面図である。
【図14】 本発明の開閉機構用ダンパの他の実施例を示す説明図であって、このうちラックとピニオンの配置を逆転させた三種の実施例を示す骨格的側面図である。
【図15】 排煙用窓に設けられる二種の支持ステーの構成を示す骨格的側面図である。
【符号の説明】
1 開閉機構用ダンパ
2 基材
3 移動部材
4 回動ヒンジ
5 開閉機構
10 摺動運動変換機構
11 伝達リンク
12 スライダ
13 ガイドレール
14 回転軸部
14a 回転軸
14b 遊嵌係合凹部
15 ガイドフレーム
16 スペーサ
20 ダンパユニット
21 ケーシング
22 ダンパロータ
23 入力軸
30 回転運動変換機構
31 ピニオンギヤ
32 ラック
32a 滑面
33 スライド支承体
34 受入孔
35 スライダ
36 当接部
40 脱着機構
41 伝達ギヤ
41a 摩擦円板
41b プーリ
41c 伝達ベルト
41d クラッチ
42 案内軸体
43 ストッパ
44 スペーサ
45 ガイドレール
46 遊嵌ガイドライン
46a 遊嵌ガイド溝
46b ガイドレール
46c 案内傾斜面
47 係合位置設定機構
48 軌道移行スリット
49 係合位置設定ガイド板
49a ガイド板係合部
50 歯飛び防止機構
51 当接板
P 粘弾性材

Claims (8)

  1. 基材と、これに回動自在に接続される移動部材とを具えて成る開閉機構に対して設けられる衝撃吸収用の装置において、
    前記衝撃吸収用の装置は、前記基材若しくは移動部材の一方に張設されるガイドレールと、このガイドレールを摺動自在なスライダと、このスライダに一端が回動自在に接続されると共に他端が前記移動部材若しくは基材の残る一方に回動自在に接続される伝達リンクと、前記移動部材の動きに起因して生ずる前記スライダの摺動運動をラック・ピニオン機構により回転運動に変換する回転運動変換機構と、この回転運動変換機構におけるピニオンギヤまたはこのピニオンギヤに接続される伝達ギヤと同軸上に設けられるダンパユニットと、このダンパユニットへの回転運動の伝達を制御する脱着機構とを具えて成り、
    更に前記ダンパユニットは、適宜の間隙を隔てて多重同芯状に組み合わされるケーシング及びダンパロータと、前記間隙に充填される粘弾性材とを具えて成り、
    更に前記脱着機構は、前記伝達ギヤを前記ピニオンギヤとのみ噛み合うように構成し、一方、前記ピニオンギヤを前記伝達ギヤ及びラックの双方と噛み合うように構成するとともに、前記ピニオンギヤを伝達ギヤに対して噛合方向において一定ストローク接近、離反し得るように構成したことを特徴とする開閉機構用ダンパ。
  2. 前記粘弾性材は、バウンシングパテにより形成されていることを特徴とする請求項1記載の開閉機構用ダンパ
  3. 基材と、これに回動自在に接続される移動部材とを具えて成る開閉機構に対して設けられる衝撃吸収用の装置において、
    前記衝撃吸収用の装置は、前記基材若しくは移動部材の一方に張設されるガイドフレームと、このガイドフレームに対し一端の回動軸部を摺動自在に係合すると共に他端が前記移動部材若しくは基材の残る一方に回動自在に接続される伝達リンクと、前記移動部材の動きに起因して生ずる前記回動軸部の摺動運動をラック・ピニオン機構により回転運動に変換する回転運動変換機構と、この回転運動変換機構におけるピニオンギヤまたはこのピニオンギヤに接続される伝達ギヤと同軸上に設けられるダンパユニットと、このダンパユニットへの回転運動の伝達を制御する脱着機構とを具えて成り、
    更に前記ダンパユニットは、適宜の間隙を隔てて多重同芯状に組み合わされるケーシング及びダンパロータと、前記間隙に充填される粘弾性材とを具えて成り、
    更に前記脱着機構は、前記ガイドフレームに対し、前記回転軸部と遊嵌係合し、回転軸部の摺動方向と直交する方向への移動を許容する遊嵌ガイドラインと、この遊嵌ガイドラインに対する前記回転軸部の係合位置を前記移動部材の動きに連動させて制御する係合位置設定機構とを設けることにより構成されることを特徴とする開閉機構用ダンパ。
  4. 前記係合位置設定機構は、前記回転軸部の同軸上に設けられる諸部材の一部に当接ないしは係合する係合位置設定ガイド板により構成され、更にこの係合位置設定ガイド板には自由軌道を走行中の回転軸部を噛合軌道に移行する軌道移行スリットが形成されていることを特徴とする請求項記載の開閉機構用ダンパ。
  5. 前記開閉機構用ダンパには、ラックに対して噛合状態にあるピニオンギヤの歯飛びを防止する歯飛び防止機構が設けられていることを特徴とする請求項記載の開閉機構用ダンパ。
  6. 前記歯飛び防止機構は、前記係合位置設定ガイド板と、この係合位置設定ガイド板に対し回転軸部が噛合軌道上を走行している状態において係合するガイド板係合部とを具えて成ることを特徴とする請求項記載の開閉機構用ダンパ。
  7. 前記歯飛び防止機構は、ラックとピニオンギヤとの噛合位置がピニオンギヤの進行方向側において、幾分高くなるようにラックの取付角度を設定することにより構成したことを特徴とする請求項5または6記載の開閉機構用ダンパ。
  8. 前記粘弾性材は、バウンシングパテにより形成されていることを特徴とする請求項3、4、5、6または7記載の開閉機構用ダンパ。
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