JP3688316B2 - ガイドベーン開閉装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば水力発電所等において水車等の水力機械に流入する水量を調節するガイドベーンを、一対の電動サーボモータを用いて開閉操作するガイドベーン開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水力発電所においては水車等の水力機械に流入する水量を調節するガイドベーンや入口弁、制御用弁類等を油圧装置を用いて開閉操作するようにされているが、最近の小水力発電所においては、保守・点検の容易性の向上、建設コストの低減、優れた制御性等の観点から、油圧装置が電動サーボモータ等の電動装置に置き換えられるようになってきている。
【0003】
ところで、ガイドベーンを開閉操作する電動サーボモータに電力を供給することができなくなった状態、すなわち電源喪失状態に陥った非常時には、電動サーボモータによりガイドベーンの開度を制御することができなくなるため、ガイドベーンを緊急に閉鎖する必要がある。電源喪失状態に陥った非常時にガイドベーンを緊急に閉鎖する方法としては、(1)ガイドベーンを開閉操作するガイドリングにワイヤ等を介して接続した重錘の自重により、ガイドリングを回動させてガイドベーンを全閉する。(2)圧縮空気タンクに貯えられている圧縮空気を空気モータへ送り込み、空気モータの駆動力により電動サーボモータを作動させてガイドベーンを全閉する。等の方法があるが、低価格、保守・点検の容易性、信頼性の高さ等から、上記(1)に示す重錘閉鎖方式が採用されることが多い。
【0004】
重錘によりガイドベーンを閉じる閉じ操作力の大きさは、水圧アンバランス力、摩擦力、および電動サーボモータ先端に外力を加えて電動サーボモータが動作する時の推力すなわち逆推力等を合算した値を、電動サーボモータストロークの全領域にて上回るようにしなければならないが、電動サーボモータの前記逆推力の大きさは電動サーボモータが作動ストロークのどの位置にあるかによって異なる。
しかしながら、重錘の重量はガイドベーンの閉じ操作に対する抵抗力が最も大きい場合においてもガイドベーンを閉じ操作することができるように決定されるので、前記逆推力が小さい作動ストローク領域においては、重錘によりガイドベーンを閉じる閉じ操作力に大きな余裕が生じる。
また前記逆推力は、電動サーボモータが動作するまでは静摩擦状態となって大きな値を示すが、一端動き始めた動摩擦状態になると小さな値となるため、前記逆推力が小さい作動ストローク領域においては、重錘によるガイドベーンの閉じ操作する力に更に余裕が生じることになる。
したがって、重錘を用いてガイドベーンを閉鎖する際には、重錘の降下による慣性力によりガイドベーン開閉機構や電動サーボモータ等に大きな衝撃が伝わることになるから、この衝撃を吸収する緩衝装置を設ける必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような、非常時に重錘を用いてガイドベーンを閉鎖するとともにダッシュポットを用いて重錘閉鎖時の衝撃力を吸収するようにされているガイドベーン操作装置が、実公昭61−29978号公報に開示されている。
しかしながら、このガイドベーン操作装置に用いられているダッシュポットとしてのシリンダ装置においては、ピストンにより2分割されている一対のシリンダ室の内、重錘の降下に伴うピストンの変位により容積が減少する下側のシリンダ室はピストンロッドが貫通していないので断面積が大きいが、容積が増加する上側のシリンダ室はピストンロッドが貫通する構造とされていて断面積が小さい。
これにより、ピストンの変位により作動油が下側のシリンダ室から上側のシリンダ室に配管および絞り弁を介して流入すると、上側のシリンダ室に大量の作動油が流れ込むこととなって予期せぬ大きな圧力が発生する恐れがあり、最悪の場合シリンダ装置が破損して重錘の下降変位を減衰させることができなくなり、大きな衝撃が電動サーボモータやガイドベーン開閉機構部品に作用して破損等の大きな事故が発生する恐れがある。
【0006】
また、従来、中容量から大容量の水車を用いる水力機械のガイドベーンを開閉操作する油圧サーボモータには、建設コストの低減の観点から大型で高価な一台の油圧サーボモータではなく、小型で安価な複数(通常は一対)の油圧サーボモータが採用されている。この複数の油圧サーボモータを電動サーボモータに置き換える場合の最大の問題は、複数の電動サーボモータの同期化すなわち負荷の均等化である。
この問題を解決するために複数の電動サーボモータの負荷を制御する技術が特開平3−160157号公報において提案されているが、いまだ実現していないのが現状である。これにより、複数の電動サーボモータによりガイドベーンを開閉する装置においては、電動サーボモータ間に負荷のアンバランスが生じ易い。
そして、このように電動サーボモータ間に負荷のアンバランスが生じている時に電源を喪失してガイドリングに重錘力が加わると、ガイドリングからそれぞれの電動サーボモータに加わる負荷もまたアンバランスとなり、大きな負荷が加わった電動サーボモータのボールネジが固着するなどの不具合が生じかねない。
【0007】
しかしながら、従来技術においては、複数の電動サーボモータを用いてガイドベーンを開閉する装置について、電動サーボモータの負荷の制御そのものについては言及されているが、電源喪失時におけるガイドベーンの閉鎖制御については何等言及されていないのが現状である。
【0008】
本発明は上記の実状に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、一対の電動サーボモータを用いてガイドベーンを開閉するとともに、電源喪失時には重錘を用いて支障無くガイドベーンを非常閉鎖することができるガイドベーン開閉装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のガイドベーン開閉装置は、その軸線回りに回動してガイドベーンを開閉させるガイドリングと、軸線方向に往復動する駆動軸により前記ガイドリングを回動させる一対の電動サーボモータと、その自重により前記ガイドリングを回動させて前記ガイドベーンを閉鎖する前記ガイドリングに接続された重錘と、前記駆動軸に接続されてその軸線方向の変位を減衰させる一対のシリンダ装置とを備え、前記シリンダ装置は、作動流体が充填されるシリンダと、前記シリンダを前記ガイドリングが閉じ方向に回動するときに容積が減少する第1のシリンダ室と容積が増加する第2のシリンダ室とに分割するピストンと、前記電動サーボモータの駆動軸と同軸に配設されているとともに前記第1および第2のシリンダ室をそれぞれ貫通する部分の断面積が同一とされているピストンロッドとを有しており、前記第1および第2のシリンダ室はその途中に絞り弁と逆止弁とがそれぞれ並列に設けられている一対の第1の配管により互いに連通させられており、前記逆止弁は前記第1のシリンダ室から前記第2のシリンダ室への作動流体の移動を阻止する向きに取り付けられており、かつ前記一対のシリンダ装置のそれぞれの第1のシリンダ室は第2の配管により互いに連通させられていることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に記載のガイドベーン開閉装置は、請求項1に記載の前記一対の電動サーボモータが、その駆動軸が共に押し動作若しくは引き動作をして前記ガイドリングを回動させるように、それぞれ前記ガイドリングに接続されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3に記載のガイドベーン開閉装置は、請求項1または2のいずれかに記載の前記重錘が、前記一対の電動サーボモータのそれぞれの駆動軸の自由端にそれぞれ接続されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4に記載のガイドベーン開閉装置は、請求項1から3のいずれかに記載したガイドベーン開閉装置において、前記一対の第1の配管の内の一方の配管を前記第1のシリンダ室に接続するポートが、前記ピストンの変位により閉塞されるようになっていることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項5に記載のガイドベーン開閉装置は、請求項1から4のいずれかに記載の前記一対のシリンダ装置のそれぞれに、前記ピストンを前記第1のシリンダ室側に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6に記載のガイドベーン開閉装置は、請求項5に記載の前記付勢手段が、前記電動サーボモータの作動ストロークの内、前記電動サーボモータの通常運転範囲において前記ピストンを付勢するようにされていることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項7に記載のガイドベーン開閉装置は、請求項5または6に記載の前記付勢手段が前記第2のシリンダ室内に配設されたコイルスプリングとされていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項8に記載のガイドベーン開閉装置は、その軸線回りに回動してガイドベーンを開閉させるガイドリングと、前記ガイドリング(1)を回動させる一対の電動サーボモータと、前記ガイドリング(1)の回動変位を減衰させるシリンダ装置と、その自重により前記ガイドリングを回動させて前記ガイドベーンを閉鎖する重錘とを備え、
前記シリンダ装置は、作動流体が充填されるシリンダと、前記シリンダを前記ガイドリングが閉じ方向に回動するときに容積が減少する第1のシリンダ室と容積が増加する第2のシリンダ室とに分割するピストンと、前記第1および第2のシリンダ室をそれぞれ貫通する部分の断面積が同一とされているピストンロッドとを有しており、
前記第1および第2のシリンダ室は、その途中に絞り弁と逆止弁とがそれぞれ並列に設 けられている一対の第1の配管により互いに連通させられており、
前記逆止弁は前記第1のシリンダ室から前記第2のシリンダ室への作動流体の移動を阻止する向きに取り付けられており、
前記一対の第1の配管の内の一方の配管を前記第1のシリンダ室に接続するポートが、前記ピストンの変位により閉塞されるようになっており、
前記シリンダ装置および前記重錘は、前記ガイドリングおよび前記電動サーボモータが配設されている水車ピットの外部に配設されていることを特徴とする。
【0017】
【作用】
本発明の請求項1に記載のガイドベーン開閉装置においては、シリンダ装置のピストンロッドが第1のシリンダ室と第2のシリンダ室をそれぞれ貫通する部分の断面積が等しくされているので、ピストンが変位するときの第1のシリンダ室の容積の変化量と第2のシリンダ室の容積の変化量とが等しくなる。これにより、第1のシリンダ室と第2のシリンダ室とを第1の配管を用いて連通しても、いずれのシリンダ室の圧力も異常に高まることが無い。
ガイドリングが閉じ方向に回動する際にはシリンダ装置のピストンは第1のシリンダ室側に変位するので、作動流体は第1の配管を介して第1のシリンダ室から第2のシリンダ室に流入する。この時、第1の配管に設けられている逆止弁が閉じるので作動流体は第1の配管に設けられている絞り弁により絞られる。これにより、ピストンの変位速度すなわち重錘によるガイドリングの閉じ方向の回動速度を調節して、ガイドベーンの閉鎖速度を制御することができる。
また、一対のシリンダ装置の第1のシリンダ室同志が第2の配管により連通されているので、一対の第1のシリンダ室の圧力が等しくなり、もって一対のシリンダ装置がそれぞれ電動サーボモータに及ぼす減衰力を均等化することができる。
【0018】
本発明の請求項2に記載のガイドベーン開閉装置においては、一対の電動サーボモータの駆動軸が共に押し動作若しくは引き動作をしてガイドリングを回動させるようにすることにより、一対の電動サーボモータが作動するときにそれぞれの電動サーボモータに生じる摩擦力を均等化することができる。
【0019】
本発明の請求項3に記載のガイドベーン開閉装置においては、電動サーボモータに作用する重錘力を均等化することができるばかりでなく、それぞれの重錘の重量を調節することにより、一対の電動サーボモータのそれぞれに作用する外力のアンバランスを修正してそれぞれの電動サーボモータに作用する外力を均等化することができる。
【0020】
本発明の請求項4に記載のガイドベーン開閉装置においては、シリンダ装置のピストンが一対の第1の配管の内、一方の第1の配管の第1のシリンダ室への接続ポートを閉塞するまでは、第1のシリンダ室と第2のシリンダ室とは一対の第1の配管の両方により連通されるが、前記ポートがピストンにより閉塞された後は第1のシリンダ室と第2のシリンダ室とは残りの一つの第1の配管のみによって連通されから、ガイドベーンの閉鎖速度が第1段階では速く第2段階ではゆっくりとなるように、2段階に制御することができる。
【0021】
本発明の請求項5に記載のガイドベーン開閉装置においては、ピストンを第1のシリンダ室側に付勢する付勢手段がシリンダ装置に設けられているので、重錘力に付勢手段による付勢力を合算させてガイドベーンを閉じる操作力の余裕を高めることができ、もってガイドベーンを閉鎖する際の不動時間を短縮することができる。
【0022】
本発明の請求項6に記載のガイドベーン開閉装置においては、電動サーボモータの通常運転範囲の全域においてガイドベーンを閉じる操作力の余裕を高めることができ、もってガイドベーンを閉鎖する際の不動時間を短縮することができる。
【0023】
本発明の請求項7に記載のガイドベーン開閉装置においては、付勢手段がシリンダ装置の第2のシリンダ室内に配設されたコイルスプリングとされているので、シリンダ装置を小型に構成することができる。
【0024】
本発明の請求項8に記載のガイドベーン開閉装置においては、シリンダ装置および重錘が、ガイドリングおよび電動サーボモータが配設されている水車ピットの外部に配設されるので、水車ピットを小さく構成することができる。
【0025】
【実施例】
本発明に係るガイドベーン開閉装置の実施例を、以下に図1ないし図9に基づいて詳細に説明する。
ここで、図1ないし図5は本発明に係るガイドベーン開閉装置の実施例1ないし実施例5をそれぞれ示す平面図、図6は電動サーボモータのストロークを縦軸に経過時間を横軸に示すグラフ、図7は導水管に生じる水圧を縦軸に経過時間を横軸に示すグラフ、図8は水車の回転数の変化を縦軸に経過時間を横軸に示すグラフ、図9はガイドリングを開閉する操作力を説明する説明図である。
【0026】
実施例1
図1に示すように、本実施例1のガイドベーン開閉装置100は本発明の請求項1および請求項4に対応するもので、その軸線の回りに回動して図示されないガイドベーンを開閉操作するガイドリング1と、このガイドリング1に接続されてその自重により前記ガイドリングを常に閉じ方向に回動させるように付勢する重錘4と、前記ガイドリング1を開き方向および閉じ方向に回動させてガイドベーンを開閉操作する一対の電動サーボモータ10と、前記電動サーボモータ10の駆動軸14の変位を減衰させる一対のシリンダ装置20とを備えている。
【0027】
前記ガイドリング1は、図示されないガイドベーンに図示されないリンク機構を介して接続されており、図示反時計回りに回動してガイドベーンを開き、図示時計回りに回動してガイドベーンを閉じるようにされている。
前記重錘4はワイヤー3を介してガイドリング1に接続されているとともに、図示されないプーリー等により鉛直方向に吊り下げられたもので、その自重によりガイドリング1を常に図示時計回り、すなわちガイドベーン1を閉じる方向に常に付勢している。
【0028】
前記電動サーボモータ10は、電動機11の回転トルクを電動機軸12を介してギヤボックス13に伝達し、図示されないボールネジにより駆動軸14を軸線方向に押し引き動作するようにしたものである。そして前記駆動軸14は、ピン5およびロッド6を介してガイドリング1に接続され、もって駆動軸14の押し引き動作によりガイドリング1を図示時計方向および反時計方向に回動させて、図示されないガイドベーンを開閉操作することができるようにされている。
【0029】
前記シリンダ装置20は、前記電動サーボモータ10の駆動軸14の変位を減衰する装置で、作動油が充填されるシリンダ21と、このシリンダ21内を軸線方向に往復動するピストン22と、このピストン22を前記電動サーボモータ10の駆動軸14に接続するピストンロッド23とを備えている。
前記シリンダ21は前記ピストン22により、ガイドリング1が閉じ方向に回動するときに容積が減少する第1のシリンダ室24と、容積が増加する第2のシリンダ室25とに2分割されている。
前記ピストンロッド23は前記電動サーボモータ10の駆動軸14と同軸とされているとともに、前記第1のシリンダ室24および第2のシリンダ室25をそれぞれ貫通する部分26・27の断面積が同一とされている。
【0030】
前記第1のシリンダ室24および第2のシリンダ室25は、一対の第1の配管31・32により互いに連通させられている。これら一対の第1の配管31・32が前記第1のシリンダ室24にそれぞれ接続されるポート33・34は、シリンダ21の軸線方向に位置がずらされている。これによりピストン22が第1のシリンダ室24側に所定の距離だけ変位すると、一方の第1の配管31のポート33が閉塞され、第1のシリンダ室24と第2のシリンダ室25とは他方の第1の配管32のみを介して連通させられる。
また、前記一対の配管31・32の途中には、それぞれ絞り弁35・36および逆止弁37・38が並列に介装されている。これにより、ピストン22が第1のシリンダ室24側に変位する際には、第1のシリンダ室24内の作動油は第1の配管31・32を介して第2のシリンダ室25に移動しようとするが、この時には前記逆止弁37・38が閉じるので作動油は全量絞り弁35・36を通過することとなり、もってピストン21の変位を減衰することができる。
これとは反対に、ピストン22が第2のシリンダ室25側に変位する際には、第1のシリンダ室25内の作動油は第1の配管31・32を介して第1のシリンダ室24に移動しようとするが、この時には逆止弁37・38が開くので作動油は速やかに第2のシリンダ室25から第1のシリンダ室24に移動し、もってピストン21の変位が減衰されることは無い。
【0031】
前記一対のシリンダ装置20は、その第1のシリンダ室24同士が、途中に弁42が設けられている第2の配管41により互いに連通させられている。これにより、それぞれのシリンダ装置20の第1のシリンダ室24内の圧力は等しくなり、もってそれぞれのシリンダ装置20がそれぞれの電動サーボモータ10に及ぼす減衰力は等しくなるようにされている。
【0032】
また、前記一対のシリンダ装置20の第2のシリンダ室25には、ギヤボックス13内の作動油が配管28を介して自然流下するようになっており、ピストン22の作動により作動油が不足してシリンダ21内に空気が混入することが無いようにされている。
【0033】
次に、上述のように構成されている本実施例1のガイドベーン開閉装置100の作動について説明する。
起動指令により発電機が起動させられて水車が所定の定格回転速度に達すると、ガイドベーンは全閉状態から徐々に開かれる。このとき本実施例1のガイドベーン開閉装置100においては、一対の電動サーボモータ10の内、図示左方側の電動サーボモータ10が引き動作により、図示右方側の電動サーボモータ10が押し動作によりそれぞれガイドリング1を図示反時計方向に回動させる。
電動サーボモータ10の作動に伴って、それぞれのシリンダ装置20のピストン22は第2のシリンダ室25側に変位させられるので、第2のシリンダ室25内の作動油は一対の第1の配管31・32を介して第1のシリンダ室24に流入しようとする。この場合は逆止弁37・38が開くので、作動油は絞り弁35・36をほとんど通過すること無く第2のシリンダ室25から第1のシリンダ室24に速やかに移動する。
【0034】
ガイドリング1を開き操作する際のピストン22の変位は、短時間に大きくストロークするような急激なものでは無いので、第1のシリンダ室24および第2のシリンダ室25内の作動油の圧力が大きく上昇したり低下することは無い。
しかしながら、一対のシリンダ装置20の第1のシリンダ室24内の作動油が第2の配管41を介して往復動し振動を誘発する恐れがあるならば、第2の配管41の途中に設けられている弁42を閉じれば良い。なお、この弁42を電磁弁として通常時には閉じ、電源を喪失して重錘4によりガイドベーンを閉鎖する時には開くこととするのが好ましい。
【0035】
これとは反対にガイドリング1を閉じ操作する際、電動サーボモータ10に電力を供給可能な場合には、電動サーボモータ10を作動させてガイドリング1を回動させる。
電動サーボモータ10の閉じ動作に伴ってシリンダ装置20のピストン22が第1のシリンダ室24側に変位するので、第1のシリンダ室24内の作動油は第1の配管31・32を介して第2のシリンダ室25に移動する。この時、ピストン22が一方の配管31のポート33に達するまでは、第1のシリンダ室24内の作動油は一対の配管31・32の両方を通って第2のシリンダ室25に流入するが、ピストン22が所定のストロークだけ変位して前記ポート33を閉塞した後は、第1のシリンダ室24内の作動油は配管32のみを通って第2のシリンダ室25に移動する。
これにより、ガイドベーンが第1段階では速く、第2段階ではゆっくりと閉じるように2段階に制御することができる。そして、各段階におけるガイドベーンの閉じる速度は、配管31・32の途中に設けられている絞り弁35・36の絞り量を適宜設定することにより調節することができる。
【0036】
シリンダ装置20を用いて上述のように電動サーボモータ10の閉じ動作速度を2段階に制御すると、図6中に「スプリング有り」として示すグラフと同様に、ガイドベーンは閉鎖指令後ある不動時間b’が経過した後、まず第1段の速度でa’まで閉じ、その後よりゆっくりした第2段の速度で全閉に至る。これにより、ガイドベーンを閉じることにより導水管に生じる水圧の上昇と水車の回転速度の上昇を保証範囲以内に抑えることが可能となる。
【0037】
また、一対のシリンダ装置20のそれぞれの第1のシリンダ室24同士は第2の配管40により互いに連通させられて、それぞれの第1のシリンダ室24内の圧力は等しくなるようにされている。これにより、一対のシリンダ装置20がそれぞれ電動サーボモータ10に及ぼす減衰力を均等化することができる。
【0038】
一方、電動サーボモータ10に電力を供給することができない状態、すなわち電源喪失状態でガイドベーンを閉じる場合は、重錘4の重量によりガイドリング1を回動させる。ガイドリング1が回動すると、ガイドリング1に接続されている一対の電動サーボモータ10の内、図示左方側の電動サーボモータ10の駆動軸14には引張り力が、図示右方側の電動サーボモータ10の駆動軸14には押し込み力がそれぞれ外力として作用し、駆動軸14は徐々に閉じ側に変位する。駆動軸14の変位に伴い、駆動軸14にそれぞれ接続されているシリンダ装置20は減衰力を発生し、重錘4によるガイドリング1の回動変位を減衰する。
【0039】
このとき、一対のシリンダ装置20の第1のシリンダ室24同士は、第2の配管41により互いに連通させられているので、第1のシリンダ室24同士の圧力はバランスする。これにより、一対のシリンダ装置20のそれぞれが一対の電動サーボモータ10に及ぼす減衰力を均等化することができる。
【0040】
すなわち、本実施例1のガイドベーン開閉装置100においては、電動サーボモータ10の駆動軸14の変位を減衰するシリンダ装置20に、第1のシリンダ室24と第2のシリンダ室25とを連通する一対の配管31・32を設けるとともに、一方の配管31が第1のシリンダ室24に接続されるポート33を、ピストン22が所定のストローク変位すると閉塞するようにしたので、ガイドベーンを第1段階では早く閉じ第2段階ではゆっくりと閉じるように2段階に制御することができることとなって、ガイドベーンを閉じることにより導水管に生じる水圧の上昇と水車の回転速度の上昇を、共に保証範囲以内に抑えることができる。
また、一対のシリンダ装置20の第1のシリンダ室24同士は、第2の配管41により互いに連通させられているので、それぞれの第1のシリンダ室24の圧力は等しくなり、もって一対のシリンダ装置20のそれぞれが一対の電動サーボモータ10に及ぼす減衰力を均等化することができる。
【0041】
実施例2
本実施例2のガイドベーン開閉装置は、本発明の請求項2および請求項3に対応するものである。
すなわち、図2に示すように、本実施例2のガイドベーン開閉装置200においては、一対の電動サーボモータ10は、それぞれの駆動軸14が共に押し動作することによりガイドリング1を図示時計方向に回動させてガイドベーンを開き、それぞれの駆動軸14が共に引き動作することによりガイドリング1を図示反時計方向に回動させてガイドベーン閉じるように、それぞれガイドリング1に接続されている。
また、電動サーボモータ10に電力を供給することができなくなった場合にガイドリング1を閉じ方向に回動させる重錘は、シリンダ装置20のピストンロッド23の自由端にそれぞれ接続されている。
【0042】
電動サーボモータ10は、通常、駆動軸14を押し動作する場合と引き動作する場合とで内部摩擦等が異なるため、負荷が異なってくる。
しかしながら、本実施例2のガイドベーン開閉装置200においては、一対の電動サーボモータ10は、それぞれの駆動軸14が共に押し動作しかつ共に引き動作をしてガイドリング1を回動させるようになっているので、それぞれの電動サーボモータ10が作動する際の内部摩擦がほぼ等しくなり、一対の電動サーボモータ10に作用する摩擦力を均等化することができる。
【0043】
また、電動サーボモータ10を作動させてガイドベーンを開閉操作する際には、ガイドベーンに作用する水圧アンバランス力やガイドベーンを開閉するリンク機構摺動部の摩擦力等がガイドリング1を経由して、また重錘4の重量がシリンダ装置20を経由して、それぞれ電動サーボモータ10に外力として作用する。
この時、一対の電動サーボモータ10にそれぞれ作用する外力を均等化すればするほど、一対の電動サーボモータ10の負荷を均等化することができる。この時、本実施例2においては、一対の電動サーボモータ10のそれぞれの駆動軸14に、シリンダ装置20のピストンロッド23を介して同一重量の重錘4をそれぞれ接続しているので、一対の電動サーボモータ10にそれぞれ作用する重錘力を均等化させることができる。
【0044】
しかしながら、機械としての特性上、一対の電動サーボモータ10のそれぞれに作用する摩擦力等の外力を等しくすることができない場合には、重錘4の重量を調整することにより、電動サーボモータ10のそれぞれに作用する外力を均等化することができる。すなわち、設計上の重錘4の重量をXとし、調整量を△Xとすると、一対の電動サーボモータ10の一方に接続する重錘4の重量を(X+△X)とし、他方に接続する重錘4の重量を(X−△X)とすれば良い。
【0045】
一対の電動サーボモータ10を用いてガイドベーンを開閉操作する場合、それぞれの電動サーボモータ10に流れる電流値のアンバランスが生じると、それを均等化させる電流制御は非常に困難となる。
しかしながら、本実施例2のガイドベーン開閉装置200においては、上述のように電動サーボモータ10に作用する外力を均等化することができるように構成されているので、それぞれの電動サーボモータ10に流れる電流値のアンバランスを最小にすることができる。これにより、電流制御手段による電動サーボモータ10に流れる電流制御を容易なものとすることができ、ガイドベーンの開閉制御をスムーズなものとすることができる。
【0046】
なお、本実施例2においては、一方の電動サーボモータ10がガイドリング1の図示上側に配設され、他方の電動サーボモータ10がガイドリング1の図示下側に配設されているが、これにとらわれる必要はなく、一対の電動サーボモータ10の駆動軸14が共に押し動作し若しくは共に引き動作することによりガイドリング1を回動させるようにガイドリング1に接続されているならば、電動サーボモータ10を配設する位置を適宜変更することができる。
【0047】
実施例3
本実施例3のガイドベーン開閉装置は、本発明の請求項5および請求項7に対応するものである。
すなわち、図3および図4に示すように、本実施例3のガイドベーン開閉装置300・400においては、そのシリンダ装置20の第2のシリンダ室25内にピストン22を第1のシリンダ室24に向かって付勢するコイルスプリング50が配設されている。そして、それ以外の構成は上述した実施例1および実施例2のガイドベーン開閉装置100・200とそれぞれ同一とされている。
【0048】
図9に示すように、ガイドベーンが全開とされている場合には、重錘4による重錘力でガイドベーンを非常閉鎖する場合の閉じ操作力の余裕Aは小さいものとなっている。これにより、実際にガイドベーンが閉じ動作を始めるまでの不動時間、すなわちガイドベーンを開閉操作する機構各部のガタが詰まるまでに要する時間は、電動サーボモータ10によりガイドベーンを閉じる場合に比較して長くなる。
【0049】
ところで、ガイドベーンを閉じる際に生じる水車の回転速度の上昇はガイドベーン閉鎖時間と不動時間との和に比例し、導水管の水圧上昇はガイドベーン閉鎖時間に反比例することが知られている。
したがって、導水管に生じる水圧上昇を保証範囲内に入れて導水管の破損等の大事故を防止するためには、ガイドベーンの閉鎖に要する時間をある程度長く設定する必要がある。これにより、水車の最大回転速度を保証範囲内に入れるためには不動時間を短縮する必要がある。
【0050】
この問題を解決するために、本実施例3のガイドベーン開閉装置300・4000においては、シリンダ装置20の第2のシリンダ室25にピストン22を第1のシリンダ室側に付勢するコイルスプリング50が設けられている。前記コイルスプリング50は、電動サーボモータ10によるピストン22の第2のシリンダ室25側への変位により圧縮されて蓄勢するようにされている。これにより、ピストン22はコイルスプリング50により常に第1のシリンダ室24側に付勢されることとなる。
したがって、電源を喪失して重錘4によりガイドベーンを閉鎖する際には、コイルスプリング50による付勢力が重錘4の重錘力に合算されるから、ガイドベーンが全開状態における閉じ操作力の余裕は、図9に示すように余裕Aから余裕Cへと大きくなり、ガイドベーンの閉鎖が始まるまでの不動時間を短縮することができる。
【0051】
これにより、本実施例3のガイドベーン開閉装置300・400においては、シリンダ装置20のピストン22をコイルスプリング50により付勢するようにしたので、ガイドベーンの閉鎖が始まるまでの不動時間を短縮することができることとなり、もって図7および図8に示すように、ガイドベーンを閉じる際に生じる水車の回転速度の上昇と導水管の水圧上昇とが共に保証範囲内に入るように制御することができる。
【0052】
なお、本実施例3においては、付勢手段をシリンダ装置20の第2のシリンダ室25内に設けられたコイルスプリング50としているが、これにとらわれる必要はなく、例えば付勢手段をシリンダ装置20の外部に設けたり、付勢手段を流体アクチュエータ若しくは電気的なアクチュエータとすることができることは言うまでもない。
【0053】
実施例4
本実施例4のガイドベーン開閉装置は、本発明の請求項6に対応するものであり、上述した実施例3のガイドベーン開閉装置300・400に設けられているコイルスプリング50が、電動サーボモータ10の作動ストロークの内、電動サーボモータ10の通常運転範囲において前記ピストン22を付勢するようにしたものである。
【0054】
すなわち、図9に示すように、電動サーボモータ10の全作動ストロークの内、全開位置と全開位置から全閉位置に向かって例えば3分の1ストロークした点Sとの間で前記コイルスプリング50の付勢力を効かせることとすると、全開位置と前記点Sとの間では、ガイドベーンをの閉じ操作力の余裕としてほぼ一定の余裕Cを得ることができる。
したがって、電動サーボモータ10の作動ストロークの内、電動サーボモータ10の通常運転範囲においてコイルスプリング50を用いて前記ピストン22を付勢するようにすることにより、電動サーボモータ10の通常運転範囲の全域において、電源喪失時にガイドベーンを閉じ操作する際のガイドベーンの不動時間を短縮することができる。
【0055】
実施例5
本実施例5のガイドベーン開閉装置は、本発明の請求項8に対応するものであり、水車ピットを広く取ることができ無いために電動サーボモータとシリンダ装置とを一体に据え付けることができない場合に好適なものである。
すなわち、図5に示すように、本実施例5のガイドベーン開閉装置500は、その軸線回りに回動してガイドベーンを開閉させるガイドリング1と、ガイドリングを回動させる一対の電動サーボモータ10と、ガイドリング1の回動変位を減衰させるシリンダ装置20と、その自重によりガイドリング1を回動させてガイドベーンを閉鎖させる重錘4とを備え、シリンダ装置20および重錘4が、ガイドリング1および電動サーボモータ10が配設されている水車ピット70の外部に配設されている。
そして、前記シリンダ装置20は、上述した実施例1のガイドベーン開閉装置100のシリンダ装置20と同一の構成とされているが、第2の配管40が接続されていない点と、第2のシリンダ室25には給油槽61から弁62が途中に設けられている配管63を介して作動油が供給されるようになっている点のみが異なっている。
【0056】
したがって、本実施例5のガイドベーン開閉装置500によれば、水車ピット70を広く取ることができないために電動サーボモータ10とシリンダ装置20とを一体化することができない場合であっても、シリンダ装置20および重錘4が水車ピット70の外部に配設することにより、ガイドベーン開閉装置500を構成することができる。
なお、上述の構成においては、ガイドリング1にワイヤー3を介してシリンダ装置20を接続するとともに、シリンダ装置20のピストンロッド23の端部にやはりワイヤーを介して重錘4を接続しているが、これにとらわれる必要はなく、例えばガイドリング1にワイヤー3を介して重錘4を接続するとともに、この重錘にロッドを介してシリンダ装置20を接続することとしても良い。
また、シリンダ装置20と重錘4とを鉛直方向に重なるように配設することとすれば、シリンダ装置20と重錘4との設置スペースをより一層小さくすることができる。
【0057】
以上、本発明のガイドベーン開閉装置について実施例1ないし実施例5により説明したが、本発明は上述した実施例によって限定されるものではなく、本発明の主旨に基づいて種々の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、電動サーボモータやシリンダ装置の形式や構造を適宜変更することは、当業者にとって容易なことである。
【0058】
【発明の効果】
本発明のガイドベーン開閉装置は上述のように構成したので、以下のような優れた効果を上げることができた。
すなわち、本発明のガイドベーン開閉装置においては、シリンダ装置のピストンロッドが第1のシリンダ室と第2のシリンダ室をそれぞれ貫通する部分の断面積を等しくしたので、ピストンの変位により作動油が第1の配管を介して一方のシリンダ室から他方のシリンダ室に移動しても、いずれのシリンダ室の圧力も異常に高まることが無く、シリンダ装置が破損してガイドベーンを重錘閉鎖する時の衝撃を吸収できなくなることが無い。
【0059】
また、本発明のガイドベーン開閉装置においては、シリンダ装置の第1のシリンダ室と第2のシリンダ室とを連通する第1の配管が一対設けられており、かつ一方の配管が第1のシリンダ室に接続されるポートがピストンの変位により閉塞されるようにしたので、ガイドベーンの閉鎖速度を第1段階では速く第2段階ではゆっくりとなるように2段階に制御することができ、ガイドベーンを閉じることにより導水管に生じる水圧の上昇と水車の回転速度の上昇を、共に保証範囲以内に抑えることができる。
【0060】
また、本発明のガイドベーン開閉装置においては、一対のシリンダ装置の第1のシリンダ室同士を、第2の配管により互いに連通しているので、それぞれの第1のシリンダ室の圧力は等しくなり、もって一対のシリンダ装置がそれぞれ電動サーボモータに及ぼす減衰力を均等化することができる。
また、本発明のガイドベーン開閉装置においては、一対の電動サーボモータの駆動軸が共に押し動作若しくは引き動作をしてガイドリングを回動させるようにしているので、一対の電動サーボモータが作動するときにそれぞれの電動サーボモータに生じる摩擦力を均等化することができる。
さらに、本発明のガイドベーン開閉装置においては、一対の電動サーボモータの駆動軸にそれぞれ重錘を接続するので、電動サーボモータに作用する重錘力を均等化することができる。また、これらの重錘の重量を調節することにより電動サーボモータに作用する摩擦力等の外力のアンバランスを修正し、電動サーボモータに作用する外力を均等化することができる。
したがって、本発明によれば、それぞれの電動サーボモータの負荷を均等化することができて電動サーボモータに流れる電流値のアンバランスを最小にすることができるから、電流制御手段による電動サーボモータに流れる電流の制御を容易なものとすることができるばかりでなく、ガイドベーンの開閉制御をスムーズなものとすることができる。
【0061】
また、本発明のガイドベーン開閉装置においては、シリンダ装置のピストンを付勢手段により付勢するようにしたので、ガイドベーンの閉鎖が始まるまでの不動時間を短縮することができることとなり、もってガイドベーンを閉じる際に生じる水車の回転速度の上昇と導水管の水圧上昇とを、共に保証範囲内に入るように制御することができる。
【0062】
また、本発明のガイドベーン開閉装置においては、ガイドリングおよび電動サーボモータが配設されている水車ピットの外部にシリンダ装置および重錘を配設するので、水車ピットが狭い場合にも対応することができる。
【0063】
したがって、本発明によれば、一対の電動サーボモータを用いてガイドベーンを開閉するとともに、電源喪失時には重錘を用いて支障無くガイドベーンを非常閉鎖することができるガイドベーン開閉装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施例1のガイドベーン開閉装置を示す平面図である。
【図2】 本発明に係る実施例2のガイドベーン開閉装置を示す平面図である。
【図3】 本発明に係る実施例3のガイドベーン開閉装置を示す平面図である。
【図4】 本発明に係る実施例4のガイドベーン開閉装置を示す平面図である。
【図5】 本発明に係る実施例5のガイドベーン開閉装置を示す平面図である。
【図6】 電動サーボモータのストロークを縦軸に経過時間を横軸に示すグラフである。
【図7】 導水管に生じる水圧を縦軸に経過時間を横軸に示すグラフである。
【図8】 水車の回転数の変化を縦軸に経過時間を横軸に示すグラフである。
【図9】 ガイドリングを開閉する操作力を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 ガイドリング
3 ワイヤ
4 重錘
5 ピン
6 ロッド
10 電動サーボモータ
11 電動機
12 電動機軸
13 ギヤボックス
14 駆動軸
20 シリンダ装置
21 シリンダ
22 ピストン
23 ピストンロッド
24 第1のシリンダ室
25 第2のシリンダ室
26 貫通部分
27 貫通部分
28 給油管
31、32 第1の配管
33、34 ポート
35、36 絞り弁
37、38 逆止弁
40 第2の配管
41 配管
42 弁
50 スプリング
61 給油槽
62 バルブ
63 給油管
70 水車ピット
100 実施例1のガイドベーン開閉装置
200 実施例2のガイドベーン開閉装置
300 実施例3のガイドベーン開閉装置
400 実施例4のガイドベーン開閉装置
500 実施例5のガイドベーン開閉装置
Claims (8)
- その軸線回りに回動してガイドベーンを開閉させるガイドリング(1) と、
軸線方向に往復動する駆動軸(14)により前記ガイドリング(1) を回動させる一対の電動サーボモータ(10)と、
その自重により前記ガイドリング(1) を回動させて前記ガイドベーンを閉鎖する前記ガイドリング(1) に接続された重錘(4) と、
前記駆動軸(14)に接続されてその軸線方向の変位を減衰させる一対のシリンダ装置(20)とを備え、
前記シリンダ装置(20)は、作動流体が充填されるシリンダ(21)と、前記シリンダ(21)を前記ガイドリング(1) が閉じ方向に回動するときに容積が減少する第1のシリンダ室(24)と容積が増加する第2のシリンダ室(25)とに分割するピストン(22)と、前記電動サーボモータ(10)の駆動軸(14)と同軸に配設されているとともに前記第1および第2のシリンダ室(24,25) をそれぞれ貫通する部分(26,27) の断面積が同一とされているピストンロッド(23)とを有しており、
前記第1および第2のシリンダ室(24,25) はその途中に絞り弁(35,36) と逆止弁(37,38) とがそれぞれ並列に設けられている一対の第1の配管(31,32) により互いに連通させられており、
前記逆止弁(37,38) は前記第1のシリンダ室(24)から前記第2のシリンダ室(25)への作動流体の移動を阻止する向きに取り付けられており、
かつ前記一対のシリンダ装置(20)のそれぞれの第1のシリンダ室(24)は第2の配管により互いに連通させられていることを特徴とするガイドベーン開閉装置(100)。 - 前記一対の電動サーボモータ(10)が、その駆動軸(14)が共に押し動作若しくは引き動作をして前記ガイドリング(1) を回動させるように、それぞれ前記ガイドリング(1) に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のガイドベーン開閉装置(200) 。
- 前記重錘(4) が、前記一対の電動サーボモータ(10)のそれぞれの駆動軸(14)の自由端にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のガイドベーン開閉装置(200) 。
- 前記一対の第1の配管(31,32) の内の一方の配管(31)を前記第1のシリンダ室(24)に接続するポート(33)が、前記ピストン(22)の変位により閉塞されるようになっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のガイドベーン開閉装置(100,200)。
- 前記シリンダ装置(20)に、前記ピストンを前記第1のシリンダ室側に付勢する付勢手段(50)が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のガイドベーン開閉装置(300,400)。
- 前記付勢手段(50)が、前記電動サーボモータ(10)の作動ストロークの内、前記電動サーボモータ(10)の通常運転範囲において前記ピストン(22)を付勢するようにされていることを特徴とする請求項5に記載のガイドベーン開閉装置(300,400)。
- 前記付勢手段(50)が前記第2のシリンダ室(25)内に配設されたコイルスプリング(50)とされていることを特徴とする請求項5または6に記載のガイドベーン開閉装置 (300,400) 。
- その軸線回りに回動してガイドベーンを開閉させるガイドリング(1)と、
前記ガイドリング(1)を回動させる一対の電動サーボモータ(10)と、
前記ガイドリング(1)の回動変位を減衰させるシリンダ装置(20)と、
その自重により前記ガイドリング(1)を回動させて前記ガイドベーンを閉鎖する重錘(4)とを備え、
前記シリンダ装置 (20) は、作動流体が充填されるシリンダ (21) と、前記シリンダ (21) を前記ガイドリング (1) が閉じ方向に回動するときに容積が減少する第1のシリンダ室 (24) と容積が増加する第2のシリンダ室 (25) とに分割するピストン (22) と、前記第1および第2のシリンダ室 (24,25) をそれぞれ貫通する部分 (26,27) の断面積が同一とされているピストンロッド (23) とを有しており、
前記第1および第2のシリンダ室 (24,25) は、その途中に絞り弁 (35,36) と逆止弁 (37,38) とがそれぞれ並列に設けられている一対の第1の配管 (31,32) により互いに連通させられており、
前記逆止弁 (37,38) は前記第1のシリンダ室 (24) から前記第2のシリンダ室 (25) への作動流体の移動を阻止する向きに取り付けられており、
前記一対の第1の配管 (31,32) の内の一方の配管 (31) を前記第1のシリンダ室 (24) に接続するポート (33) が、前記ピストン (22) の変位により閉塞されるようになっており、
前記シリンダ装置(20)および前記重錘(4)が、前記ガイドリング(1) および前記電動サーボモータ(10)が配設されている水車ピット(70)の外部に配設されていることを特徴とするガイドベーン開閉装置(500)。
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