JP3688189B2 - 液晶表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶領域を高分子壁で実質的に取り囲んだ形態の液晶層を有する液晶表示素子において、該高分子壁と液晶領域内に存在する液晶材料との界面において該液晶の配向規制力を高めるための重合性化合物と、それを用いた液晶表示素子に関する。本発明の液晶表示素子は、例えば、ワープロ、パソコンなどの個人用表示装置、携帯情報端末などの多人数で使用する装置に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
液晶材料と高分子材料とを用いた液晶表示素子:
▲1▼ 高分子材料でカプセル化された液晶材料を有する液晶表示素子であり、該液晶材料と高分子材料との屈折率の違いにより入射光の散乱状態を表示し、および電圧印加によって液晶材料の屈折率の変化により透明状態を表示する高分子分散型液晶表示素子が特表昭58−501631号公報に開示されている。
【0003】
また、液晶材料と光硬化性樹脂との混合物に紫外線照射して、液晶材料と硬化した樹脂とを3次元的に相分離させるようにした液晶層を有する液晶表示素子が特表昭61−502128号公報に開示されている。
【0004】
これらの素子は、基本的に、液晶層の入射光の散乱−透明の変化を電気的に制御する液晶表示素子である。
【0005】
▲2▼ 特開平1−269922号公報には、光硬化性樹脂と液晶材料とを有する液晶層に対してホトマスク越しに1段目の露光を行い、さらに、ホトマスクを除いて紫外線照射することによりホトマスクの存在した部分に紫外線照射して、異なる特性の液晶領域を作成する技術が開示されている。このようにして得られる素子は基本的に散乱型素子である。
【0006】
特開平5−257135号公報には、配向規制力を有する配向膜付きの基板を一対間隙を介して対向して配設し、その間隙内に液晶材料と光硬化性樹脂との混合物を注入し、次いで該基板表面に配置したホトマスク越しに紫外線照射して得られた液晶層を有する素子が開示されている。この素子は、ホトマスクが配置されていた内側部分と外側部分とで該液晶層の閾値特性が異なり、電圧による光学特性が異なるため、絵模様が電圧で変化するスタティック駆動用素子である。
液晶表示素子の視角特性の改善の原理:
液晶表示素子の視角特性を改良するためには、絵素(液晶領域)内で少なくとも異なる3方向以上の方向に各液晶分子を配向させることが必要である。液晶層内の各液晶分子が異なる3方向以上に配向していると、中間調状態では、図1(b)に示すようにA、B両方向から絵素を見た場合、それぞれの液晶分子の見かけ上の屈折率が平均化されるので、A、B両方向からのコントラストが等しくなる。従って、図1で示すような液晶の配向状態を有する素子の視角特性は、図2で示すTNモードを有する素子の視角特性に比べて改善される。
広視角モードを有する素子の具体例:
▲1▼ 前述の高分子分散型液晶表示素子と互いに直交する偏光板を組み合わせた広視野角モードが、特開平4−338923号公報、特開平4−212928号公報に開示されている。
【0007】
▲2▼ 非散乱型で偏光板を用い液晶セルの視角特性を改善する方法として、特開平5−27242号公報には、液晶と光硬化性樹脂との混合物から相分離により、液晶と高分子体との複合材料を作成する方法が開示されている。この方法では、生成した高分子体の影響により液晶ドメインの配向状態がランダム状態になる。従って、電圧印加時に個々のドメインで液晶分子の立ち上がる方向が異なるために、各方向から見た見かけ上の屈折率が等しくなり、中間調状態での視角特性が改善される。
【0008】
▲3▼ 最近、本発明者らは、光硬化性樹脂と液晶材料とを含有する液晶組成物を有するセルに、ホトマスクを介して光照射することにより、ホトマスクが存在する箇所で液晶分子が全方向的な配向状態(渦巻き状配向)となった液晶領域が形成され、その他の箇所で主に光硬化性樹脂からなる高分子壁が形成された液晶表示素子を特願平4−286487号において提案した。この液晶表示素子では、液晶分子が電圧で制御されると、該液晶分子の渦巻き状配向が、あたかも傘が開いたり閉じたりするような動作をすることにより、視角特性が著しく改善されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記▲3▼で説明した素子において、該高分子壁と液晶との界面において、電圧印加時に液晶分子のリバースチルトによるディスクリネーションが発生する。このディスクリネーションが輝線として表示されるため表示状態が黒状態での素子の視角特性が劣化する。
【0010】
このような素子において、このディスクリネーションラインを発生させないために、液晶と光硬化性樹脂との混合物に、さらに重合性化合物を添加することを見いだした。しかし、従来の重合性化合物では、液晶領域での液晶のプレチルトが大きくなり、電圧無印加時に明るさが減少する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明者らは、重合性化合物の構造と、液晶と高分子壁との界面での液晶分子の配向状態との関係を鋭意検討した結果、ディスクリネーションラインを発生させず、かつ、電圧無印加時にも明るい特性を有する液晶表示素子が得られる化合物を見いだした。
【0012】
本発明の重合性化合物は、下記一般式(I)
【0013】
【化6】
【0014】
(Aは水素原子あるいは
【0015】
【化7】
【0016】
Bは水素原子あるいは
【0017】
【化8】
【0018】
を表し、X1、X2はそれぞれ独立に水素原子あるいはメチル基、m、nはそれぞれ独立に0〜14の整数、p、qはそれぞれ独立に0または1を表し、Y1、Y2、Y3、Y4はそれぞれ独立に水素あるいはフッ素原子を表す。ただし、A、Bは同時に水素原子であることはなく、m=0のときp=0であり、n=0のときq=0である。)
で表され、そのことにより上記目的が達成される。
【0019】
一般式(I)において、Aが
【0020】
【化9】
【0021】
Bが
【0022】
【化10】
【0023】
で表されるものが好ましい。
【0024】
一般式(I)において、A、Bのいずれか一方が水素原子で表されるものが好ましい。
【0025】
一般式(I)において、Aが水素原子あるいは、
【0026】
【化11】
【0027】
、Bが水素原子あるいは
【0028】
【化12】
【0029】
で表されるものが好ましい。
【0030】
一般式(I)において、p、qの両方が同時に1で表されるものが好ましい。
【0031】
一般式(I)において、Aが
【0032】
【化13】
【0033】
、Bが水素原子で表されるものが好ましい。
【0034】
一般式(I)において、Y1、Y2、Y3、Y4のうち少なくとも一つがフッ素であるものが好ましい。
【0035】
本発明の液晶表示素子は、少なくとも一方が透明であり、間隙を介して対向して配設される1組の基板と、該間隙内に配設される液晶層と、を有し、該液晶層は、液晶領域と、該液晶領域を取り囲むように設けられた高分子壁と、を有し、該液晶層は、液晶材料と、重合性高分子材料と、請求項1記載の重合性化合物の少なくとも1種と、を含む液晶組成物からなり、そのことにより上記目的が達成される。
【0036】
上記液晶領域内の液晶分子の配向状態は、ランダム、放射状、同心円状または渦巻状であるのが好ましい。
【0037】
上記基板上に配向膜が設けられているのが好ましい。
【0038】
上記液晶領域内の液晶分子の配向状態が、TN、STN、ECBまたはFLCであるのが好ましい。
【0039】
上記液晶表示素子において、上記重合性化合物は、一般式(I)において、A、Bのいずれか一方が水素原子で表されるのが好ましい。
【0040】
上記液晶表示素子において、上記重合性化合物は、一般式(I)において、Aが
【0041】
【化14】
【0042】
、Bが
【0043】
【化15】
【0044】
で表されるのが好ましい。
【0045】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0046】
本発明の重合性化合物は、重合性高分子材料と反応し得る官能基を有する化合物であり、単官能の重合性化合物と多官能の重合性化合物とを含む。はじめに、これらについて説明する。
▲1▼単官能の重合性化合物
(構造)
単官能の重合性化合物は、液晶性を有するメソーゲン基に重合性の官能基が結合された化合物であり、該官能基は分子内に1つ存在する。
(効果)
該重合性化合物を使用することによる効果は、主に以下の通りである。
【0047】
基板上の配向規制力を生かした表示モードを、本発明のように液晶材料と光硬化性樹脂などの重合性高分子材料との混合物から作成する場合、配向膜と液晶領域間に重合性高分子材料からなる高分子層が形成されるために、一般に配向膜の液晶分子に対する配向規制力が弱められる傾向にある。しかし、該高分子層中に本発明の重合性化合物が含まれている場合、液晶材料に類似の構造のものが該高分子層中に存在するために高分子層にも該配向膜の配向規制力を液晶領域内の液晶分子に伝える能力が発現し、液晶分子の配向状態が安定化する。
【0048】
液晶領域内に存在する液晶分子が軸(図1aで示す基板面に対して垂直方向の軸X)対称状に配向している場合、通常、電圧印加時の液晶領域外周部にリバースチルト(図3参照)によるディスクリネーションラインdが発生する。しかし、本発明の重合性化合物を添加することにより、液晶分子の基板上でのプレチルトが発生するため、電圧印加時に(液晶分子が電圧印加時に垂直配向する方向と近くなるためと推定されるが)ディスクリネーションラインの発生が制御される。
(重合性化合物の連結基の鎖長を変えたことによる影響)
上記メソーゲン基と重合性官能基との間をつなぐ連結基である−(CH2)m−または−(CH2)n−のm,n数は、作製されるセルの視角特性に影響する。
【0049】
上式において、m,nはそれぞれ0〜14である。特に、m、nはそれぞれ0又は3以上14以下が好ましく、さらに好ましくは4以上7以下である。m,nが2の場合、該化合物が反応性に富むので実用的ではなく、m,nが14を超えると高分子壁および高分子層の表面にメソーゲン部分が出現し、液晶分子と応答を共にするためと推定されるが、応答速度を低減させてしまう。ディスクリネーションラインを制御する効果は、連結基の鎖長が長いほど少量の重合性化合物で発揮されるが、同時にプレチルトも大きくなり、セルの透過率を低減させる。すなわち、ディスクリネーションラインを制御し、かつプレチルトが大きくならないような添加量、化合物の種類を選択する必要がある。
(重合性化合物をフッ素化することによる素子の視角特性に与える効果)
液晶材料と重合性高分子材料の混合物から重合反応により相分離させて液晶領域とそれを取り囲む高分子壁とが形成された液晶層を有する素子においては、以下(a)〜(d)の問題がある。
【0050】
【0051】
上記問題点の原因は、高分子壁に対する液晶分子のアンカリング強度が強いことと、高分子材料と液晶材料との相溶性がよいことにある。これらの問題は、双方ともフッ素化された重合性化合物を使用することにより解決することができる。このようなフッ素化された重合性化合物は、高分子壁および高分子層の表面に出てくることが予想されるので、液晶の配向状態を安定化し得る。
▲2▼多官能の重合性化合物
(構造)
多官能の重合性化合物は、液晶性のメソーゲン基に重合性の官能基が複数結合された化合物である。官能基数は2が好ましく、3以上では液晶組成物のゲル化速度が早くなるために液晶領域が大きく発達するまでに高分子壁が形成され、作製された液晶表示素子の電圧OFF時の透過率が低下する。
【0052】
メソーゲン基と官能基とを連結する連結基である−(CH2)m−または−(CH2)n−のm,n数は、上記単官能の重合性化合物の場合と同様であるが、特に12以下であることが好ましく、12を超えると液晶材料に対する重合性化合物の溶解性が低下する。
(効果)
多官能重合性化合物は、単官能重合性化合物と同様に液晶分子の配向を安定化する効果がある。さらに、ディスクリネーションラインの発生に関しては、単官能重合性化合物とは異なりツイストの少ない領域をもった図4のような観察像になり、電圧印加時にディスクリネーションラインは発生しない。
【0053】
フッ素化された多官能重合性化合物の使用は、単官能重合性化合物と同様の効果がある。この場合、フッ素化する場所は、メーソーゲン骨格中の炭素上であり得る。
(リタデーション:d・Δn)
偏光板を有する本発明の液晶表示素子においては、飽和電圧印加時に液晶分子が基板に対してほぼ直立(Δε>0の場合)しているために、▲1▼偏光板が視角特性を持っていること、及び▲2▼液晶層がd・Δnを持っているために偏光板の偏光軸から45゜方向に視角特性の悪い領域が存在する。
【0054】
上記▲2▼の原因は、偏光板の偏光軸方向から入った光は、液晶層の屈折率楕円体を横切る時、常光もしくは異常光のみの成分しか有さないが、偏光板の偏光軸に対して45゜方向から光が入った場合、その入射光が液晶層の屈折率楕円体を横切る時、常光と異常光との両成分を有するために(見かけ上、互いに直交した偏光板の偏光軸が互いに開いた状態に対応している。)、楕円偏光となり光の漏れが顕著になる。そのため液晶層でのリタデーションは、なるべく小さくし、楕円偏光を生じにくくすることが好ましい。しかし、電圧印加しない時の透過率T0は液晶層のリタデーションに影響されるため、液晶層のリタデーションは300nm〜650nmであることが、視角特性の全方位性とセルの明るさを確保する観点から好ましい。300nm未満では、電圧OFF時の明るさが確保できず暗い表示となる。ツイスト角は45゜〜150゜が好ましく、特に、ファーストミニマム条件を満たす90゜付近が、セルが最も明るくなるので好ましい。
(液晶表示素子)
本件発明の液晶表示素子は、図1に示すように、基板1、1を2枚間隙を介して対向して配設し、該間隙内に液晶層2を配設して構成される。該2枚の基板1、1は少なくとも一方が透明であればよい。該液晶層2は、多数の液晶領域20と、該液晶領域20を取り囲むように設けられた高分子壁21と、を有する。このような液晶表示素子は、例えば、以下のようにして作製される。
【0055】
透明電極が設けられた基板2枚を用いスペーサにより間隙を介して配設し、セルを構成する。該セルの片面上に、図5に示すように、ホトマスク3を配置する。他方、セル中に、液晶材料と、重合性高分子材料と、上記重合性化合物の少なくとも1種とを含有する液晶組成物を注入する。次いで、透明電極間に電圧を印加しながらホトマスク側から紫外線をセルに向けて照射する。この紫外線照射により、セル内の液晶組成物中の重合性高分子材料および重合性化合物は重合反応して硬化する。この重合が進行する際に、液晶組成物中の液晶材料と重合性高分子材料とが相分離することにより、図6に示すように、上記ホトマスクに対応する部分30で、重合性高分子材料および重合性化合物よりなる高分子壁に囲まれた液晶領域20が形成される。
【0056】
上記重合性高分子材料としては公知の重合可能な樹脂が使用され、特に光硬化性樹脂が好ましく使用される。
【0057】
そのような光硬化性樹脂としては、例えば、炭素数3以上の長鎖アルキル基またはベンゼン環を有するアクリル酸及びアクリル酸エステル、さらに具体的にはアクリル酸イソブチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソアミル、n−ブチルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレート、さらにポリマーの物理的強度を高めるために2官能以上の多官能性樹脂、例えば、ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ−ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ネオペンチルジアクリレートなどがあげられる。
(駆動法)
作成された液晶表示素子は、単純マトリクス駆動、a−Si TFT、p−Si TFT、MIMなどのアクティブ駆動などの駆動法で駆動でき、駆動手段については本発明では特に限定しない。
(基板の材料)
本発明で使用される基板としては、透明固体であるガラス板、プラスチック基板などが使用でき、非透明固体としては、金属薄膜つき基板、Si基板などが使用できる。反射型の液晶表示素子においては、該金属薄膜つき基板が有効である。
【0058】
該プラスチック基板としては、可視光に吸収を持たない材料で形成するのが好ましく、例えば、PET、アクリル系ポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネートなどがあげられる。また、プラスチック基板を使用する場合、基板自身に偏光能を付与してもよい。
【0059】
さらに、これらの異種の基板を2種組み合わせた積層基板を使用しても良く、又、同種異種を問わず厚みの異なった基板を2枚組み合わせた積層基板を使用してもよい。
【0060】
次に、上記重合性化合物の合成方法について概略を説明する。以下に示す合成経路は一例であり、これらにより本発明は特定されない。
(合成経路)
合成経路1:一般式(I)で表される化合物
【0061】
【化16】
【0062】
合成経路2:一般式(I)において、AとBが同じ基の場合
【0063】
【化17】
【0064】
合成経路3:一般式(I)において、AあるいはBのいずれか一方が水素原子で表される場合
【0065】
【化18】
【0066】
合成経路4:中間体化合物の合成
【0067】
【化19】
【0068】
以下に、上記合成経路1〜4について概略を説明する。
合成経路1について:
一般式(1)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)で表される化合物は市販されており、また、Y1、Y2 が水素またはフッ素原子であっても一般式(3)で表される化合物も市販されている。
【0069】
一般式(1)で表される化合物に、C4H9Li、次いでB(OCH3)3を反応させた後、加水分解して得られる一般式(2)で表される化合物を過酸化水素を用いて酸化することにより一般式(3)で表される化合物が得られる。
【0070】
一般式(3)で表される化合物を一般式(8)で表される化合物でエーテル化して得られる一般式(16)で表される化合物を、一般式(7)で表される化合物でエステル化するか、あるいは、一般式(3)で表される化合物を一般式(7)で表される化合物で直接エステル化することにより、一般式(17)で表される化合物が得られる。
【0071】
一般式(4)で表される化合物をメトキシメチルクロライド(MOM−Cl)でエーテル化して得られる一般式(13)で表される化合物に、C4H9Li、次いでB(OCH3)3を反応させた後、加水分解して一般式(15)で表される化合物が得られる。また、一般式(5)で表される化合物をMOM−Clでエーテル化して得られる一般式(14)で表される化合物をマグネシウム(Mg)と反応させてグリニャール試薬とした後、B(OCH3)3を反応させることによっても一般式(15)で表される化合物を得ることができる。
【0072】
先の方法で得られる一般式(17)で表される化合物と一般式(15)で表される化合物をパラジウム(Pd)触媒下にカップリング反応させ、一般式(18)で表される化合物が得られる。
【0073】
一般式(18)で表される化合物を酸性条件下にメトキシメチル(MOM)基を脱離させて得られる一般式(19)で表される化合物に一般式(8)で表される化合物あるいは一般式(12)で表される化合物(合成経路4)を用いて、それぞれエステル化あるいはエーテル化すれば一般式(I)で表される化合物が得られる。
合成経路2について:
一般式(3)で表される化合物をMOM−Clでエーテル化して得られる一般式(20)で表される化合物と、上記合成経路1によって得られる一般式(15)で表される化合物とをPd触媒下にカップリング反応させ一般式(21)で表される化合物が得られる。
【0074】
一般式(21)で表される化合物を酸性条件下にMOM基を脱離させ、一般式(22)で表される化合物が得られる。一般式(21)で表される化合物に一般式(7)で表される化合物あるいは(11)で表される化合物(合成経路4)を用いて、それぞれエステル化あるいはエーテル化すれば、一般式(I)で表される化合物においてAとBが同じ基である化合物が得られる。
合成経路3について:
一般式(1)で表される化合物と一般式(15)で表される化合物とをPd触媒下にカップリング反応させて得られる一般式(23)で表される化合物を酸性条件下にMOM基を脱離させて一般式(24)で表される化合物が得られる。
【0075】
一般式(24)で表される化合物に一般式(8)あるいは(12)で表される化合物を用いて、それぞれエステル化あるいはエーテル化すれば一般式(I)で表される化合物において、AあるいはBのいずれか一方が水素原子で表される化合物を得ることができる。
合成経路4について:
市販の一般式(9)で表される化合物を一般式(7)で表される化合物でエステル化して一般式(11)で表される化合物を、また、一般式(10)で表される化合物を一般式(8)で表される化合物でエステル化して一般式(12)で表される化合物が得られる。
【0076】
【作用】
基板上の配向規制力を生かした表示モードを、液晶材料と光硬化性樹脂などの重合性高分子材料との混合物から作成する場合、配向膜と液晶領域間に重合性高分子材料からなる高分子層が形成されるために、一般に配向膜の液晶分子に対する配向規制力が弱められる傾向にある。しかし、該高分子層中に本発明の重合性化合物が含まれていることにより、液晶材料に類似の構造が高分子層中に存在することになるために高分子層にも該配向膜の配向規制力を液晶領域内の液晶分子に伝える能力が発現する。その結果、液晶の配向状態が安定化する。
【0077】
液晶領域内に存在する液晶分子が軸(基板面に対して垂直方向の軸)対称状に配向した液晶表示素子において、通常、電圧印加時の液晶領域外周部にリバースチルト(図2参照)によるディスクリネーションラインが発生する。しかし、本発明の重合性化合物を液晶組成物に添加することにより、液晶分子の基板上でのプレチルトが発生するため、黒表示レベルを悪化させていた電圧印加時のディスクリネーションラインの発生を抑えることができる。このことにより、表示素子のコントラストを飛躍的に向上させることができる。
【0078】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0079】
なお、本実施例中に記載の略記号は下記のことを意味する。
【0080】
GC: ガスクロマトグラフィー
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
TLC: 薄層クロマトグラフィー
IR: 赤外線吸収スペクトル
Mass: 質量スペクトル
b.p: 沸点
m.p: 融点
GTO: ガラスチューブオーブン
Y: 収率
(参考例1)
(a)
【0081】
【化20】
【0082】
の合成
反応器にp−ブロムフェノール 40g並びにDMF(ジメチルホルムアミド)200mlを仕込み、これに60%NaH(水素化ナトリウム)10gを徐々に投入した。この溶液にクロロメチルメチルエーテル 18gを撹拌下30℃以下で滴下し、室温にて一夜反応させた。反応液を水に注下し、ベンゼンで抽出し、水洗し、芒硝で脱水した後、溶媒を留去し、残留分を減圧蒸留してメトキシメチル−4−ブロムフェニルエーテル 38.4g(Y. 79.3%)を得た。
【0083】
b.p 65〜67℃/0.6mmHg
GC 99.4%
(b)
【0084】
【化21】
【0085】
の合成
アルゴン気流下、反応器に1,2−ジフルオロベンゼン100g並びにTHF(テトラヒドロフラン)350mlを仕込み、撹拌下に−50℃〜−60℃で1.6M C4H9Li(ブチルリチウム)/ヘキサン溶液700mlを滴下し、同温度で1時間撹拌し、続いて、(CH3O)3B(トリメチルボレート)175gを滴下し、同温度で1時間撹拌した。
【0086】
徐々に室温に戻し、一夜撹拌した後、再び0℃まで冷却し、希塩酸を滴下した。
【0087】
反応液をトルエンで抽出し、水洗し、芒硝で脱水後、溶媒を留去し、結晶した残留分を熱ヘキサンで浸漬洗浄して、2,3−ジフルオロフェニルボロン酸80.8g(収率56.6%)を得た。
【0088】
HPLC 99.5%
(c)
【0089】
【化22】
【0090】
の合成
アルゴン気流下、反応器に、Pd(PPh3)4(テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム)5.1g、上記合成(a)で得たメトキシメチル−4−ブロムフェニルエーテル 33gのベンゼン溶液210ml、2M Na2CO3水溶液135ml並びに上記合成(b)で得た2,3−ジフルオロフェニルボロン酸24gのエタノール溶液120mlを仕込み、還流下に6時間撹拌した後、反応液を水に注加し、トルエンで抽出し、水洗し、芒硝で脱水し、溶媒を留去した残留分を減圧蒸留して、2,3−ジフルオロ−4’−(メトキシメチル)オキシ−ビフェニル20.1g(Y. 53.6%)を得た。
【0091】
b.p 110〜120℃/0.25mmHg
GC 96.0%
(d)
【0092】
【化23】
【0093】
の合成
反応器に、上記合成(c)で得た2,3−ジフルオロ−4’−(メトキシメチル)オキシ−ビフェニル 20.1g、TFT 60ml並びに6N−HCl 90mlを仕込み、還流下に3時間撹拌した。反応液を冷却後、トルエンで抽出し、水洗し、芒硝で脱水し、溶媒を留去した残留分を減圧蒸留して、2,3−ジフルオロ−4’−ヒドロキシビフェニル 9.0g(Y. 54.3%)を得た。
【0094】
b.p 160〜170℃/18mmHg
m.p 132〜134.4℃
GC 99.7%
(e)
【0095】
【化24】
【0096】
の合成
反応器に、上記合成(d)で得られた2,3−ジフルオロ−4’−ヒドロキシビフェニル 4.0g、トリエチルアミン 2.0g並びにベンゼン 300mlを仕込んで溶解し、これにアクリル酸クロライド 1.9gのベンゼン 100ml溶液を氷冷撹拌下に滴下し、5時間撹拌した。反応液を3N−塩酸で洗い、次いで水洗後、芒硝で脱水し、溶媒を留去し、残留分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 トルエン)で精製し、次いで、ヘキサンで再結晶して2,3−ジフルオロビフェニル−4’−イル アクリレート 4.5g(Y. 88.5%)を得た。
【0097】
m.p 88.4〜90.0℃
この物の純度はGCで99.2%、HPLCで99.5%であり、TLCで1スポットであった。また、IR測定の結果、及び、Mass分析で260に分子イオンピークが認められたこと並びに用いた原料の関係から得られた物質が標記化合物であることを確認した。
(実施例2)
(a)
【0098】
【化25】
【0099】
の合成
反応器に6−ブロモ−1−ヘキサノール 30g、トリエチルアミン 18.4g並びにベンゼン 500mlを仕込み、氷冷撹拌下にアクリル酸クロライド16.5gのベンゼン 200ml溶液を滴下し、さらに3時間撹拌した後、反応液を3N−HCl、次いで、水で洗浄し、芒硝で脱水後、溶媒を留去し、残留分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 トルエン)で精製し、6−ブロモヘキシル アクリレート 25.4g(Y. 65.1%)を得た。
【0100】
GC 95.9%
(b)
【0101】
【化26】
【0102】
の合成
反応器に、参考例1の合成(d)で得られた2,3−ジフルオロ−4’−ヒドロキシビフェニル4g、上記合成(a)で得られた6−ブロモヘキシルアクリレート5.0g、K2CO35.4g並びに2−ブタノン400mlを仕込み、28時間撹拌還流した。
【0103】
反応液を水に注加し、トルエンで抽出し、水洗し、芒硝で脱水後、溶媒を留去し、残留分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 トルエン)で精製し、次いでヘキサンで2回再結晶して2,3−ジフルオロ−4’−(6−アクリロイルオキシヘキシル)オキシ−ビフェニル 5.35g(Y. 76.5%)を得た。
【0104】
m.p 45.6〜46.8℃
この物の純度はGCで99.0%、HPLCで99.0%であり、TLCで1スポットであった。また、IR測定の結果、及び、Mass分析で360に分子イオンピークが認められたこと並びに用いられた原料の関係から得られた物質が標記化合物であることを確認した。
(実施例3)
(a)
【0105】
【化27】
【0106】
の合成
実施例2の合成(a)において、6−ブロモ−1−ヘキサノール 30gに替えて、12−ブロモ−1−ドデカノール 44.0gを用い、他は実施例2の合成(a)と同様に操作して、12−ブロモドデシル アクリレート 39.8g(Y. 75.1%)を得た。
(b)
【0107】
【化28】
【0108】
の合成
実施例2の合成(b)において、6−ブロモヘキシル アクリレート 5.0gに替えて、上記合成(a)で得た12−ブロモドデシル アクリレート 6.7gを用い、他は実施例2の合成(b)と同様に操作して、2,3−ジフルオロ−4’−(12−アクリロイルオキシドデシル)オキシ−ビフェニル 2.1g(Y. 24.1%)を得た。
【0109】
m.p 59.7〜60.7℃
この物の純度はHPLCで99.4%であり、TLCで1スポットであった。また、IR測定の結果、及び、Mass分析で444に分子イオンピークが認められたこと並びに用いた原料の関係から得られた物質が標記化合物であることを確認した。
(参考例2)
(a)
【0110】
【化29】
【0111】
の合成
反応器に4−ブロモフェノール 10.0g、エチレンブロモヒドリン 7.95g、K2CO3 16.0g並びにアセトン 300mlを仕込み、50時間撹拌還流した。反応液を水に注加し、トルエンで抽出し、水洗後、芒硝で脱水し、溶媒を留去し、残留分をGTO(ガラスチューブオーブン)にて減圧蒸留して4−(2−ヒドロキシエチル)オキシ−ブロモベンゼン 5.55g(Y. 44.3%)を得た。
【0112】
GC 96.8%
b.p 100℃/0.1mmHg(GTO設定温度)
(b)
【0113】
【化30】
【0114】
の合成
アルゴン気流下、反応器に4−(2−ヒドロキシエチル)オキシ−ブロモベンゼン 5.0gのベンゼン150ml溶液、参考例1の合成(b)で得られた2,3−ジフルオロフェニルボロン酸7.2g、2M−Na2CO3水溶液68ml並びにPd(PPh3)4 1.0gを仕込み、9時間撹拌還流した。反応液を水に注加し、ベンゼン層を水洗し、芒硝で脱水後、溶媒を留去し、残留分をGTOで減圧蒸留し、エタノール/ヘキサン(=1/1)混合溶媒で再結合して2,3−ジフルオロ−4’−(2−ヒドロキシエチル)オキシビフェニル 4.2g(Y. 72.7%)を得た。
(C)
【0115】
【化31】
【0116】
の合成
反応器に、上記合成(b)で得た2,3−ジフルオロ−4’−(2−ヒドロキシエチル)オキシビフェニル 2.0g、トリエチルアミン 0.9g並びにジエチルエーテル300mlを仕込み、これにアクリル酸クロライド 0.8gのジエチルエーテル 100ml溶液を氷冷撹拌下に滴下し、4時間撹拌した。反応液を希塩酸、次いで水で洗浄し、芒硝で脱水後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 トルエン)で精製して2,3−ジフルオロ−4’−(2−アクリロイルオキシエチルオキシ)−ビフェニル 0.72g(Y. 29.6%)を得た。
【0117】
m.p 47.4〜50.1℃
この物の純度はHPLCで99.4%であり、TLCで1スポットであった。また、IR測定の結果、及び、Mass分析で304に分子イオンピークが認められたこと並びに用いた原料の関係から得られた物質が標記化合物であることを確認した。
(実施例5)
(a)
【0118】
【化32】
【0119】
の合成
アルゴン気流下、反応器にPd(PPh3)42.1g、1,2−ジフルオロブロモベンゼン 11.6gのベンゼン100ml溶液、2M−Na2CO3水溶液60ml並びに参考例1の合成(b)で得た2,3−ジフルオロフェニルボロン酸13.3gのエタノール100ml溶液を仕込み、還流下に6時間撹拌した後、反応液を水に注加し、トルエンで抽出し、水洗し、芒硝で脱水し、溶媒を留去した残留分を減圧蒸留して、2,2’,3,3’−テトラフルオロビフェニル5.7g(Y.42%)を得た。
(b)
【0120】
【化33】
【0121】
の合成
アルゴン気流下、反応器に上記合成(a)で得た2,2’,3,3’−テトラフルオロビフェニル 5.7g並びにTHF50mlを仕込み、撹拌下に−50℃以下で1.6M−C4H9Li/ヘキサン溶液38mlを滴下し、同室温で2時間撹拌した後、(CH3O)3B(トリメチルボレート)10gを滴下し、室温まで徐々に昇温し、一夜撹拌した。
【0122】
これに冷希硫酸を添加して1時間撹拌した後、エーテルで抽出し、水洗し、芒硝で脱水し、溶媒を留去した。残留分にヘキサンを添加、浸漬洗浄して得られた結晶にTHF50mlを加えて溶解し、これに10%H2O2水溶液40mlを加え、室温で一夜撹拌した。反応液にトルエンを添加して抽出し、水洗し、芒硝で脱水後、溶媒を留去し、残留分(粗2,2’,3,3’−テトラフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル 4.3g)を得た。
【0123】
GC 92%
(c)
【0124】
【化34】
【0125】
の合成
実施例2の合成(a)において、6−ブロモ−1−ヘキサノール 30gに替えて、8−ブロモ−1−オクタノール 34.7gを用い、他は実施例2の合成(a)と同様に操作して、8−アクリロイルオキシ−1−ブロモオクタン 34.1g(Y. 78%)を得た
GC 97%
(d)
【0126】
【化35】
【0127】
の合成
反応器に上記合成(b)で得た粗2,2’,3,3’−テトラフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル 4.3g、上記合成(c)で得た8−アクリロイルオキシ−1−ブロモオクタン 10.0g、K2CO3 7.8g並びにアセトン30mlを仕込、16時間還流撹拌した。
【0128】
反応液を濾過助剤(ハイフロー)を通して濾過し、濾液にトルエンを加え、水洗し、芒硝で脱水し、溶媒を留去した後、残留分をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液 トルエン/酢酸エチル=20/1)で2回精製し、さらにアセトンで再結晶して2,2’,3,3’−テトラフルオロ−4,4’−ジ−(8−アクリロイルオキシオクチル)オキシ−ビフェニル 1.28g(Y. 12.9%)を得た。
【0129】
m.p 60.5〜61.4℃
この物の純度はHPLCで99.7%であり、TLCで1スポットであった。また、IR測定の結果、及び、Mass分析で622に分子イオンピークが認められたこと並びに用いた原料の関係から得られた物質が標記化合物であることを認識した。
(実施例6)
(a)
【0130】
【化36】
【0131】
の合成
参考例1の合成(a)において、p−ブロムフェノール 40gに替えて2,3−ジフルオロフェノール30gを用い、他は参考例1の合成(a)と同様に操作して、メトキシメチル2,3−ジフルオロフェニルエーテル32.6g(Y. 81.4%)を得た。
【0132】
GC 99.6%
b.p 82〜84℃/14mmHg
(b)
【0133】
【化37】
【0134】
の合成
参考例1の合成(b)において、1,2−ジフルオロベンゼン100gに替えて、上記合成(a)で得られたメトキシメチル2,3−ジフルオロフェニルエーテル152.5gを用い、他は参考例1の合成(b)と同様に操作して、2,3−ジフルオロ−4−(メトキシメチル)オキシフェニルボロン酸150.6g(Y.78.8%)を得た。
【0135】
HPLC 97.4%
(c)
【0136】
【化38】
【0137】
の合成
参考例1の合成(c)において、2,3−ジフルオロフェニルボロン酸24gに替えて、上記合成(b)で得た2,3−ジフルオロ−4−(メトキシメチル)オキシフェニルボロン酸32.7gを用い、他は参考例1の合成(c)と同様に操作して、2,3−ジフルオロ−4,4’−ジ−(メトキシメチル)オキシ−ビフェニル23.4g(Y.95.0%)を得た。
【0138】
GC 96%
(d)
【0139】
【化39】
【0140】
の合成
参考例1の合成(d)において、2,3−ジフルオロ−4’−(メトキシメチル)オキシ−ビフェニル20.1gに替えて、上記合成(c)で得た2,3−ジフルオロ−4,4’−ジ−(メトキシメチル)オキシ−ビフェニル24.2gを用い、他は参考例1の合成(d)と同様に溶媒留去までの操作を行い、残留分(粗2,3−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル)17gを得た。
(e)
【0141】
【化40】
【0142】
の合成
実施例5の合成(d)において、2,2’,3,3’−テトラフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル 4.3gに替えて、上記合成(d)で得た粗 2,3−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル3.6gを用い、他は実施例5の合成(d)と同様に操作して、2,3−ジフルオロ−4,4’−ジ(8−アクリロイルオキシオクチル)オキシ−ビフェニル 1.0g(Y. 10.5%)を得た。
【0143】
m.p 室温で液体
この物の純度はHPLCで99.0%であり、TLCで1スポットであった。また、IR測定の結果、及び、Mass分析で586に分子イオンピークが認められたこと並びに用いた原料の関係から得られた物質が標記化合物であることを確認した。
(参考例3)
(a)
【0144】
【化41】
【0145】
の合成
参考例1の合成(a)において、p−ブロムフェノール40gに替えて2−フルオロ−4−ブロモフェノール43.9gを用い、他は参考例1の合成(a)と同様に操作して、メトキシメチル2−フルオロ−4−ブロモフェニルエーテル46.7g(Y.86.4%)を得た。
【0146】
GC 97.2%
b.p 118〜120℃/14mmHg
(b)
【0147】
【化42】
【0148】
の合成
反応器にMg 8g並びに少量のヨウ素片を仕込み、これに上記合成(a)で得たメトキシメチル2−フルオロ−4−ブロモフェニルエーテル 66gのTHF300ml溶液を少量を滴下(必要により過熱)して反応を開始させた後、残りのTHF溶液を撹拌還流しながら滴下した。滴下終了後、さらに4時間撹拌還流してグリニャール試薬を調製した。
【0149】
別の反応器に、(CH3O)3B 54g並びにTHF200mlを仕込み、撹拌下に0℃以下で、先に調製したグリニャール試薬を滴下し、徐々に室温に戻した後、一夜撹拌した。反応液を希硫酸に注加し、エーテルで抽出し、冷水で洗浄後、芒硝で脱水し、溶媒を留去し、残留分をヘキサンで浸漬洗浄して、3−フルオロ−4−(メトキシメチル)オキシフェニルボロン酸 47.2g(Y. 84.0%)を得た。
【0150】
HPLC 88.8%
(c)
【0151】
【化43】
【0152】
の合成
参考例1の合成(c)において、2,3−ジフルオロフェニルボロン酸24gを上記合成(b)で得た3−フルオロ−4−(メトキシメチル)オキシフェニルボロン酸30gに、又、メトキシメチル−4−ブロモフェニルエーテル33gを上記合成(a)で得たメトキシメチル2−フルオロ−4−ブロモフェニルエーテル35.3gを用い、他は参考例1の合成(c)と同様に操作して、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジ−(メトキシメチル)オキシ−ビフェニル31.9g(Y. 68.7%)を得た。
【0153】
GC 99%
m.p 76.3〜77.3℃
(d)
【0154】
【化44】
【0155】
の合成
参考例1の合成(d)において、2,3−ジフルオロ−4’−(メトキシメチル)オキシ−ビフェニル20.1gに替えて、上記合成(c)で得た3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジ−(メトキシメチル)オキシ−ビフェニル24gを用い、他は参考例1の合成(d)と同様に溶媒留去までの操作を行い、粗3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル17.0g(Y.98%)を得た。
【0156】
GC 99.6%
(e)
【0157】
【化45】
【0158】
の合成
実施例5の合成(d)において、2,2’,3,3’−テトラフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル 4.3gに替えて、上記合成(d)で得た粗 3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル 3.6gを用い、他は実施例5の合成(d)と同様に操作して、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジ−(8−アクリロイルオキシオクチル)オキシ−ビフェニル 0.34g(Y. 3.6%)を得た。
【0159】
m.p 56.1〜57.9℃
この物の純度はHPLCで99.5%であり、TLCで1スポットであった。また、IR測定の結果、及び、Mass分析で586に分子イオンピークが認められたこと並びに用いた原料の関係から得られた物質が標記化合物であることを確認した。
(実施例8)
(a)
【0160】
【化46】
【0161】
の合成
参考例1の合成(c)において、2,3−ジフルオロフェニルボロン酸 24gを実施例6の合成(b)で得られる2,3−ジフルオロ−4−(メトキシメチル)オキシフェニルボロン酸32.7gに、又、メトキシメチル−4−ブロモフェニルエーテル33gを参考例3の合成(a)で得られるメトキシメチル2−フルオロ−4−ブロモフェニルエーテル35.7gを用い、他は参考例1の合成(c)と同様に操作して、2,3,3’−トリフルオロ−4,4’−ジ−(メトキシメチル)オキシ−ビフェニル20.5g(Y.50%)を得た。
【0162】
GC 95%
(b)
【0163】
【化47】
【0164】
の合成
参考例1の合成(d)において、2,3−ジフルオロ−4’−(メトキシメチル)オキシ−ビフェニル20.1gに替えて、上記合成(a)で得た2,3,3’−トリフルオロ−4,4’−ジ−(メトキシメチル)オキシ−ビフェニル21.7gを用い、他は参考例1の合成(d)と同様に溶媒留去までの操作を行い、粗2,3,3’−トリフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル14.7gを得た。
(c)
【0165】
【化48】
【0166】
の合成
実施例5の合成(d)において、2,2’,3,3’−テトラフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル 4.3gに替えて、上記合成(b)で得た粗 2,3,3’−トリフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル 3.4gを用い、他は実施例5の合成(d)と同様に操作して、2,3,3’−トリフルオロ−4,4’−ジ−(8−アクリロイルオキシオクチル)オキシ−ビフェニル 9g(Y. 90%)を得た。
【0167】
m.p 室温で液体
この物の純度はHPLCで99%であり、TLCで1スポットであった。また、IR測定の結果、及び、Mass分析で604に分子イオンピークが認められたこと並びに用いた原料の関係から得られた物質が標記化合物であることを確認した。
(実施例9〜11)(単官能液晶性重合材料を用いた液晶表示素子)
ITO(酸化インジュウムおよび酸化スズの混合物、厚み500オングストローム)を透明電極とする1.1mm厚のガラス基板2枚を用い、5μmのスペーサによりセル厚を保たせることによりセルを構成した。作成したセルの片面上に図5に示すようにホトマスク3を配置し、さらにセル中に、ステアリルアクリレート0.65g、1,4−ブタンジオールアクリレート0.15g、スチレン0.10g、表1に示す重合性化合物X0.10g、
【0168】
【表1】
【0169】
さらに液晶材料ZLI−4792(メルク社製:Δn=0.094)13.3gと光開始剤Irugacure651 0.04gの均一混合物を毛管注入した。
【0170】
その後、透明電極間に±4Vの電圧を印加しながらホトマスク側から平行光線を高圧水銀ランプ下10mW/cm2のところで100℃、8分照射した(この状態で、紫外線は、セルに対して空間的に規則性を有したパターンとして照射されている。)。
【0171】
その後(電圧は、そのまま印加した状態で)、25℃(液晶はネマティック状態)にセルを徐々に冷却し(10℃/hrの冷却速度)、さらに3分間連続でセルに紫外線を照射し樹脂を硬化させた。
【0172】
得られたセルを偏光顕微鏡で観察したところ図6に示すように、ほぼホトマスクに対応した箇所に液晶領域20が形成され、かつ、液晶分子が液晶領域20の中央を中心軸とした渦巻き状に配向していることが観察された。
【0173】
このセルの各基板に偏光板を互いに直交するように、貼り合わせた。実施例11で得られたセルの電気光学特性は、図7に示した。他の実施例(9、10)で得られたセルの電気光学特性も、図7とほぼ同じ傾向であった。
【0174】
ディスクリネーションラインの発生状況は、実施例9〜11のセルでは完全に抑制されており、比較例2、3のセルでは若干のディスクリネーションラインが発生していた。さらに電圧OFF時の透過率は、表2に示すごとく、実施例9のセルでは低下が著しく、n数が大きいほど大きな値となっている。
【0175】
【表2】
【0176】
(実施例14〜17)(2官能液晶性重合材料を用いた液晶表示素子)
実施例9〜11と同様のセルを使用し、実施例9〜11と同様のホトマスクを被せ、さらにセル中に、ステアリルアクリレート0.75g、スチレン0.10g、表3に示す重合性化合物Y0.15g、さらに液晶材料ZLI−4792(メルク社製:Δn=0.094)13.3gと光開始剤Irugacure651 0.04gの均一混合物を毛管注入した。
【0177】
【表3】
【0178】
混合物が注入されたセルを実施例9〜11と同様に電圧を印加しながら紫外線照射を行った。
【0179】
得られたセルを偏光顕微鏡で観察したところ図4に示すように、ホトマスクにほぼ対応した位置に液晶領域20が形成され、かつ、液晶分子が液晶領域20の中心を中心軸として渦巻き状に配向しており、かつ、ツイスト量の少ない領域が液晶領域周辺に形成されていることが観察された。このセルの各基板に偏光軸が互いに直交するように偏光板を貼り合わせ、観察したところ、実施例9〜11と同様の視角特性が得られた。
【0180】
さらに、得られたセルに電圧を引加して観察したところ、ディスクリネーションラインの発生は観察されなかった。作成したセルの電気光学特性を表4に示す。
【0181】
【表4】
【0182】
表4から、2官能液晶性重合性モノマーをフッ素化した実施例17のセルでは、電圧印加時の透過率が低く良好な表示特性を示した。この原因としては、電圧印加時の偏光顕微鏡による観察結果から、実施例9〜11のセルに比べ残留の液晶材料の複屈折が多いことが確認され、フッ素化された液晶材料を用いることにより該液晶分子が基板上に付着している高分子膜に溶け込みにくい、または、高分子膜表面に対するアンカリング強度を低下させている事が考えられる。
(比較例1)
実施例9で作成したセルの上に、図5に示すようにホトマスク3を配置し、さらに該セル中に、ステアリルアクリレート0.75g、1,4−ブタンジオールアクリレート0.15g、スチレン0.10g、さらに液晶材料ZLI−4792(メルク社製:Δn=0.094)13.3gと光開始剤Irugacure651 0.04gの均一混合物を毛管注入した。
【0183】
その後実施例9〜11と同様に電圧を印加しながら、セルに紫外線照射を行った。
【0184】
作成したセルを電圧印加しながら偏光顕微鏡で観察したところ、ディスクリネーションラインの発生が観察された。さらに、セルの電気光学特性を測定すると、電圧印加時(10V)の透過率が2.2%であった。この値は、実施例14〜17のセルの値よりも大きいので、ディスクリネーションラインの発生が原因であると思われる。
(実施例18)
ITO(酸化インジュウムおよび酸化スズの混合物、厚み500オングストローム)を透明電極とする1.1mm厚のガラス基板上に、ポリイミド膜(AL4552:日本合成ゴム社製)をスピンコートで塗布し、ナイロン布によりラビング処理を行った。作成した2枚の基板を互いにラビング方向が直交するように5μmのスペーサーを介して貼り合わせた。
【0185】
作成したセルの表面上に、図5に示すようにホトマスク3を配置した。さらに、セル中に、ステアリルアクリレート0.55g、1,4−ブタンジオールアクリレート 0.15g、スチレン0.20g、実施例11で使用した重合性化合物X 0.10g、さらに液晶材料ZLI−4792(メルク社製:Δn=0.094、カイラル剤S811を用いてツイスト角90°となるように調整)13.3gと光開始剤Irugacure651 0.04gの均一混合物を毛管注入した。その後、実施例9〜11と同様にして高分子壁に取り囲まれた液晶領域を有するTNモードのセルを作成した。
【0186】
作成したセルの両表面に、偏光板の偏光軸がラビング方向と一致するようにそれぞれ偏光板を貼り合わせた。
【0187】
作成したセルにおいては、液晶がTN配向しており、かつ、均一な配向状態であった。さらに、セルの外表面をペンで押してもその表示特性に変化はなかった。
(実施例19)
ITO(酸化インジュウムおよび酸化スズの混合物、厚み500オングストローム)を透明電極とする1.1mm厚のガラス基板上に、ポリイミド膜(サンエバー:日産化学社製)をスピンコートで塗布し、ナイロン布によりラビング処理を行った。作成した2枚の基板を互いにラビング方向が240゜になるように9μmのスペーサーを介して貼り合わせた。
【0188】
作成したセルの表面上に、図5に示すようにホトマスク3を配置した。さらに、セル中に、ステアリルアクリレート0.55g、1,4−ブタンジオールアクリレート0.15g、スチレン0.20g、実施例11で使用した重合性化合物X0.10g、さらに液晶材料ZLI−4427(メルク社製、カイラル剤S811を用いてツイスト角240°となるように調整)13.3gと光開始剤Irugacure651 0.04gの均一混合物を毛管注入した。その後、実施例9〜11と同様にして高分子壁に取り囲まれた液晶領域を有するSTNモードのセルを作成した。
【0189】
作成したセルの両表面に、偏光軸がラビング方向から45゜、かつ、互いに105゜となるように偏光板をそれぞれ貼り合わせた。
【0190】
作成したセルにおいては、液晶がSTN配向しており、かつ、均一な配向状態であった。さらに、ペンでセル表面を押しても表示特性に変化はなかった。
(実施例20)
ITO(酸化インジュウムおよび酸化スズの混合物、厚み500オングストローム)を透明電極とする1.1mm厚のガラス基板上に、ポリイミド膜(サンエバー:日産化学社製)をスピンコートで塗布し、ナイロン布によりラビング処理を行った。作成した2枚の基板を互いにラビング方向が直交するように2μmのスペーサーを介して貼り合わせた。
【0191】
作成したセルの表面上に、図5に示すようにホトマスク3を配置した。さらに、セル中に、ポリエチレングリコールジアクリレート(NKエステルA−200、新中村化学工業社製)0.02g、ラウリルアクリレート0.09g、スチレン0.01g、実施例11で使用した重合性化合物X0.08g、さらに液晶材料ZLI−4003(メルク社)0.80gと光開始剤Irugacure6510.005gの均一混合物を毛管注入した。その後、実施例9〜11と同様にして高分子壁に取り囲まれた液晶領域を有するFLCモード(SSF型の配向)のセルを作成した。
【0192】
作成したセルの両表面に、偏光軸が互いに90゜になるように偏光板をそれぞれ貼り合わせた。
【0193】
作成したセルにおいては、偏光顕微鏡で観察したところ液晶がSSF配向しており、かつ、均一な配向状態であった。さらに、ペンでセルの表面を押しても表示特性に変化はなかった。さらに、通常のFLCモードのセルで起こる外力による配向乱れが、セルの表面を押しても起こらなかった。
【0194】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果がある。
【0195】
▲1▼液晶領域を高分子壁で取り囲むため、高分子壁で両基板間隔を保持できる。従って、外力に対する液晶表示素子の変形を抑えることが可能となり、特に、ペン入力時の色変化を抑えることができる。
【0196】
▲2▼また、大画面の液晶表示素子において、従来の液晶表示素子では、重力により、上下方向に配設した液晶表示素子のセル厚が該液晶表示素子の上部と下部とでは異なり、そのことによって表示むらが生じていた。しかし、本発明の液晶表示素子では、液晶表示素子全面にわたって基板間が接着されているためにセル厚変化が起こりにくい。
【0197】
▲3▼液晶組成物の硬化時における液晶材料と、主に該重合性高分子材料からなる高分子壁との相分離を有効に利用することにより、液晶領域での液晶分子の配向状態をランダム、同心円状、放射状、渦巻き状にすることができる。このように液晶領域の液晶が軸対称状の配向状態をしているために、視角特性の優れた液晶表示素子が得られる。
【0198】
▲4▼本発明の重合性化合物を使用することにより、液晶材料と高分子層との界面での配向規制力を強化することができる。
【0199】
▲5▼本件発明の液晶表示素子は、具体的には、ワープロ、パソコンなどの個人用表示装置、携帯情報端末などの多人数で使用する装置(特に、2〜4人で机上で囲んで使用する場合)などに好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の液晶表示素子の液晶領域を示した拡大図。
【図2】 図2は、TNモードの視角特性を示した説明図。
【図3】図3は、電圧印加時のディスクリネーションラインの発生状況を示す説明図。
【図4】図4は、2官能重合性化合物を使用した場合の、液晶領域を示す拡大説明図。
【図5】 図5は、実施例9で使用したホトマスクの説明図。
【図6】図6は、実施例9で作成されたセルの拡大説明図。
【図7】 図7は、実施例9で作成されたセルの電気光学特性(視角特性)を示す図。
【図8】図8は、TNセルの電気光学特性(視角特性)を示す図。
【符号の説明】
1 基板
2 液晶層
3 ホトマスク
20 液晶領域
21 高分子壁
a ポリマー領域
b 液晶領域
c ホトマスクのあった位置
d ディスクリネーションライン
e ツイスト量の少ない領域
f 遮光部
g 透過部
Claims (7)
- 少なくとも一方が透明であり、間隙を介して対向して配設される1組の基板と、該間隙内に配設される液晶層と、を有し、該液晶層は、液晶領域と、該液晶領域を取り囲むように設けられた高分子壁と、を有する液晶表示素子であって、
該液晶層は、液晶材料と、重合性高分子材料と、重合性化合物の少なくとも1種と、を含む液晶組成物からなる液晶表示素子であって、該重合性化合物が、下記一般式(I)
m、nは、Aが
Aが
p、qはそれぞれ独立に0または1を表し、Y1、Y2、Y3、Y4はそれぞれ独立に水素あるいはフッ素原子を表す。ここで、該Y1、Y2、Y3、Y4のうち、2つ以上がフッ素原子であり、かつ、二フッ素置換の場合、Y1およびY2がフッ素原子、Y1およびY3がフッ素原子、Y2およびY3がフッ素原子、またはY2およびY4がフッ素原子のいずれかである。ただし、A、Bは同時に水素原子であることはない。)
で表される、液晶表示素子。 - 前記液晶領域内の液晶分子の配向状態が、ランダム、放射状、同心円状または渦巻状である請求項1に記載の液晶表示素子。
- 前記基板上に配向膜が設けられている請求項1に記載の液晶表示素子。
- 前記液晶領域内の液晶分子の配向状態が、TN、STN、ECBまたはFLCである請求項1に記載の液晶表示素子。
- 前記重合性高分子材料が光硬化性樹脂である請求項1に記載の液晶表示素子。
- 前記重合性化合物が、一般式(I)において、A、Bのいずれか一方が水素原子で表されるものである請求項1に記載の液晶表示素子。
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