JP3688089B2 - ホッパー式汚泥濃縮槽の浮上汚泥防止方法 - Google Patents
ホッパー式汚泥濃縮槽の浮上汚泥防止方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホッパー式汚泥濃縮槽の浮上汚泥防止方法に関し、特に、下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物学的に処理を行う汚水処理施設において発生する余剰汚泥をホッパー式汚泥濃縮槽を用いて重力濃縮を行うホッパー式汚泥濃縮槽の浮上汚泥防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物学的に処理を行う場合、汚水処理施設において発生する余剰汚泥を汚泥濃縮槽を用いて重力濃縮するようにしている。
そして、小規模の汚水処理施設では、余剰汚泥を濃縮する汚泥濃縮槽に、ホッパー式汚泥濃縮槽が用いられている。
ところで、このホッパー式汚泥濃縮槽には、その構造上の理由等から、通常、汚泥の沈降を促進するための攪拌手段、例えば、ピケットフェンスや、汚泥掻寄機が設けられていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、上記従来のホッパー式汚泥濃縮槽には、濃縮汚泥中で発生した窒素ガスやメタンガス等の嫌気性ガスが汚泥に付着して、汚泥の一部と共に浮上し、汚泥の濃縮性能を低下させるという問題があった。
このような、浮上汚泥は、ゆるやかに攪拌を行うことにより、汚泥に付着している気泡を、汚泥から離脱させることにより、再び沈降させることができるが、上記のとおり、ホッパー式汚泥濃縮槽には、その構造上の理由等から、水面付近の狭い空間に有効な攪拌手段を設けることが難しく、また、狭い空間に機械的な攪拌手段を無理に設けようとすれば、設備費や維持費がかかるという問題点がった。
【0004】
本発明は、上記従来のホッパー式汚泥濃縮槽の有する問題点を解決し、機械的な攪拌手段を設けることなく、浮上汚泥に付着している気泡を分離して汚泥を沈降させることができるホッパー式汚泥濃縮槽の浮上汚泥防止方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のホッパー式汚泥濃縮槽の浮上汚泥防止方法は、ホッパー式汚泥濃縮槽の汚泥層内に空気を注入し、この注入した空気の浮上作用により槽内の汚泥を攪拌した後、4時間以上静置し、その後、余剰汚泥の投入を再開することを特徴とする。
【0006】
上記構成からなる本発明のホッパー式汚泥濃縮槽の浮上汚泥防止方法においては、ホッパー式汚泥濃縮槽の中層部から底層部にかけての汚泥層内に空気を注入することにより、この空気のエアーリフト作用により、上昇流と戻り流、すなわち、空気吐出口を起点とするゆるやかな循環流が形成され、槽内が攪拌される。
これにより、高濃度の浮上汚泥と、この浮上汚泥の下方にある汚泥をほとんど含まない中間水が混合されることによって、浮上汚泥の濃度が薄められ、汚泥に付着している気泡が離れやすくなり、浮上汚泥の沈降が促進され、撹拌後、4時間以上静置することにより、汚泥界面位置を、例えば、水面下500mm以下まで低下させることができ、余剰汚泥の投入を再開した場合に、分離水に汚泥が混入することを防止することができる。
【0007】
【発明の実施の態様】
以下、本発明のホッパー式汚泥濃縮槽の浮上汚泥防止方法の実施の態様を図面に基づいて説明する。
【0008】
図1は、本発明のホッパー式汚泥濃縮槽の浮上汚泥防止方法を実施する装置の一例を示し、下方の径を縮小して形成したホッパー式汚泥濃縮槽1の中央には、濃縮汚泥aを底部から引き抜くための汚泥引抜管4を槽1の上方から底部にかけて配設するとともに、この汚泥引抜管4の下端の汚泥吸込口は、槽内の底部近傍に位置させ、さらに、汚泥引抜管4には槽外の適宜位置に汚泥引抜ポンプ5を設けるようにする。なお、この汚泥引抜ポンプ5は水中ポンプを用いることもできる。
【0009】
汚泥引抜管4に隣接して、空気配管6を配設する。
この空気配管6は、図示の例では、槽外からホッパー式汚泥濃縮槽1の中層部まで導かれ、空気配管6の空気吐出口6aを下向きに形成し、空気がこの空気吐出口6aから下方向に吐出される構造としている。
この空気配管6の空気吐出口6aは、ホッパー式汚泥濃縮槽1の水面付近に層を形成して浮上している浮上汚泥bと、この浮上汚泥bの下方にある汚泥をほとんど含まない中間水cとを混合することができる、ホッパー式汚泥濃縮槽1の中層部から底層部の位置に設けることが望ましい。
なお、空気配管6の空気吐出口をエルボ等を用いて横向きに形成し、空気が横方向に吐出される構造とすることもできる。
また、空気配管6は、ホッパー式汚泥濃縮槽1の容量等を考慮して、空気配管を分岐して、複数の空気吐出口を形成することもできる。
【0010】
ところで、ホッパー式汚泥濃縮槽1を用いる汚水処理施設は、比較的小規模であり、他の水槽の攪拌やエアーリフトポンプのために高圧空気源を設けるのが一般的であるため、空気配管6の高圧空気源として、この既設の高圧空気源を利用することができる。
この場合、空気配管6は、高圧空気源の空気配管(図示省略)を分岐、接続して、ホッパー式汚泥濃縮槽1に導くようにし、空気配管6の途中に空気の流通を遮断する電磁弁等の作動弁7と、空気の吐出量を調整するための流量調整弁8とを設ける。
【0011】
また、ホッパー式汚泥濃縮槽1の上部には、余剰汚泥投入管2と、上澄水をオーバーフローさせるための上澄水排出管3を設ける。
この場合において、上澄水排出管3の流入部(排出口)は、図1に示すように、水面に浮遊するスカムが混入しないように水面下100mm程度の位置に配置するようにする。
なお、排水中にスカムが混入しないようにするために、沈殿槽のように、越流堰と越流トラフを介して上澄水を排出管へ導くように構成してもよい。
【0012】
次に、このホッパー式汚泥濃縮槽1を用いたホッパー式汚泥濃縮槽の浮上汚泥防止方法について、図2に示す測定データに基づいて説明する。
図2は、水深約2.1m、容量2m3のホッパー式汚泥濃縮槽1において、水面から200mm程度の浮上汚泥が発生した時に、20リットル/分の空気量で10分間攪拌を行った後、静置させ、2、4、6時間後に水深方向の汚泥濃度の分布を測定した結果を示したものである。
図2において、時間の経過とともに、浮上汚泥が沈降しているが、2時間静置後では、汚泥界面が十分低下しておらず、この状態で余剰汚泥の投入を再開すると、余剰汚泥投入管2から余剰汚泥が流入するのと同時に、上澄水排出管3から十分沈降していない汚泥が上澄水に混入して流出してしまうことになる。
図1に示すように、水面下100mm程度の位置から上澄水を排出する場合、汚泥界面位置が少なくとも水面下500mm以下に低下していれば、汚泥が混入することなく上澄水を排出することができるが、図2に示すように、4時間静置後においては、汚泥界面が水面下600mm程度まで低下しているため、汚泥の性状の変動等を考慮しても、少なくとも4時間以上静置すれば、上澄水に汚泥が混入しない程度まで、汚泥界面を下げることが可能となることが明らかとなった。
【0013】
ところで、一般的に、小規模の汚水処理施設における汚泥の発生量は少ないため、ホッパー式汚泥濃縮槽1への余剰汚泥の投入は間欠運転となり、フル稼動の状態でも10分程度の運転を1日数回行うだけでよい。
したがって、運転時間は、汚泥発生量と余剰汚泥の投入ポンプの容量によって決まるが、多くても2時間に1回運転を行う程度となる。
この時、濃縮汚泥の引き抜きは、余剰汚泥の投入に対応して行うが、濃縮により1/3〜1/5に減容化されているため、引き抜き間隔を短くすることができる。例えば、4時間あるいは6時間に1回程度とすることも可能である。
いずれにしても、タイマー制御等により余剰汚泥を投入した後、静置して濃縮を行い、底部の濃縮汚泥の一部を引き抜いて次の投入を行うというサイクル運動を繰り返す。
【0014】
このような運転を続けることにより、上澄水と濃縮汚泥の量がバランスし、汚泥界面の位置が安定化するが、夏場のように高水温期には、沈降している汚泥中で脱窒やメタン化などの反応により、窒素ガスや嫌気性のガスが生成して気泡となり汚泥に付着するため、汚泥の一部が軽くなって浮上し始める。
このようにして、浮上汚泥bが発生する時期には、1日1〜2回又は数日に1回程度、作動弁7を開いて空気配管6の空気吐出口6aより空気を注入する。
このように、汚泥層a内に空気を注入することにより、この空気のエアーリフト作用により、上昇流と戻り流、すなわち、空気吐出口6aを起点とするゆるやかな循環流が形成され、槽内が攪拌され、高濃度の浮上汚泥bと、この浮上汚泥bの下方にある汚泥をほとんど含まない中間水cが混合されることによって、浮上汚泥bの濃度が薄められ、汚泥に付着している気泡が離れやすくなり、数分〜20分程度の攪拌を行うと気泡を含まない汚泥となって沈降が促進される。
撹拌後、4時間以上静置することにより、汚泥界面位置を、例えば、水面下500mm以下まで低下させることができ、余剰汚泥の投入を再開した場合に、分離水に汚泥が混入することを防止することができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明のホッパー式汚泥濃縮槽の浮上汚泥防止方法によれば、水面付近の狭い空間に機械的な攪拌手段を設ける必要がなく、空気配管という簡易かつ低廉な設備を用いて、浮上汚泥に付着している気泡を分離して汚泥を沈降させることにより、浮上汚泥の蓄積及び分離水への汚泥の混入を防止して、安定した濃縮性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のホッパー式汚泥濃縮槽の浮上汚泥防止方法を実施する装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】 撹拌後の槽内の水深方向の汚泥濃度の分布を測定した結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 ホッパー式汚泥濃縮槽
2 余剰汚泥投入管
3 上澄水排出管
4 汚泥引抜管
5 汚泥引抜ポンプ
6 空気配管
Claims (1)
- ホッパー式汚泥濃縮槽の汚泥層内に空気を注入し、この注入した空気の浮上作用により槽内の汚泥を攪拌した後、4時間以上静置し、その後、余剰汚泥の投入を再開することを特徴とするホッパー式汚泥濃縮槽の浮上汚泥防止方法。
縮槽の浮上汚泥防止方法。
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JPH10216409A JPH10216409A (ja) | 1998-08-18 |
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- 1997-02-04 JP JP03553297A patent/JP3688089B2/ja not_active Expired - Fee Related
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