JP3688012B2 - 複数のボイラを有する蒸気原動プラントの起動方法および装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、複数のボイラを有する蒸気原動プラントの起動方法および装置に係り、特に発電を目的とした都市ごみ焼却プラントに代表されるような複数台の蒸気発生設備(ボイラ)に対し、少なくとも1系列のタービン発電設備を設置するプラントに適用されるもので、ボイラを1台(または複数台)運転中に新たにもう1台または複数台起動し、新たに起動したボイラからの蒸気をタービンへ併入する際に、当該併入時間を短縮することにより無駄な熱損失を軽減し、加えて上記に起因する温度差による過大な設備負荷を軽減するのに好適な複数のボイラを有する蒸気原動プラントの制御方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1系列の蒸気タービン発電機に対し複数の蒸気発生設備を有するプラントの代表例として、2基の焼却炉からなる一般的な発電用ごみ焼却プラントの発電プロセスについて図2により説明する。
蒸気発生設備、すなわち廃熱ボイラ1は焼却炉2から発生する都市ごみ焼却炉排ガス中の顕熱(燃焼ボイラにおいては燃料入熱)を利用し、蒸気(通常は過熱蒸気)を発生する。発生した蒸気は主蒸気配管6を経由して、通常他設備に蒸気を有効に分配することを目的とした蒸気レシーバ11へと供給される。本蒸気レシーバ11はまた複数台のボイラにて発生した蒸気を1系列からなる蒸気タービン13へ供給する際、異なる発生源から供給された蒸気を有効にミキシングする役目を果たす。蒸気レシーバ11からの蒸気は引き続きタービン入口主蒸気配管12を経由して蒸気タービン13へと供給され発電に供与された後、復水器14にて復水される。その後メイクアップ用の若干の給水とともに再びボイラ給水として廃熱ボイラ1へと供給される仕組みになっている。
【0003】
一方、廃熱ボイラ1が定格負荷にて運転中にごみ焼却量の増加要求、発電ディマインドの増加、その他上記以外の要求により廃熱ボイラ1′を起動し、当該ボイラ1′からの発生蒸気を蒸気タービン13へ併入する際は、通常の昇圧過程によるボイラ起動時間を要するだけでなく、既運転中の蒸気ラインを構成するボイラ出口主蒸気管6、レシーバ11、タービン入口主蒸気管12の温度と新たに併入する廃熱ボイラからの蒸気温度の差を吸収し、過大なサーマルストレスが既運転中の蒸気ライン6、11、12と蒸気タービン13に加わらないように、また温度差により蒸気中にドレンが発生し当該ドレンを蒸気タービン13まで持ち運ばないようにするため、いわゆる暖管作業が必要となる。
【0004】
しかし、この暖管には通常新たに起動した廃熱ボイラ1′から発生した蒸気が利用される。すなわち昇圧完了後、負荷運転に入った廃熱ボイラ1′からの蒸気は即座に運転中の蒸気ライン(蒸気レシーバ11)に併入されるのではなく、ボイラ1′出口主蒸気配管6′を加熱し既運転中の主蒸気ラインへの併入点における温度差が許容値以内となるまで大気放出ライン16′により系外へと放出されるか、ブローラインにより廃水処理される。したがって、暖管作業中に廃熱ボイラ1′から発生する蒸気は無駄に廃棄され、熱エネルギーを損失するのみではなく当該蒸気の大気放出時の白煙化に対する処理が必要になる。
【0005】
特に最近の高効率発電思考のプラントにおいては、主蒸気温度の高温化により上記暖管作業に要する時間が基本的に長くなる傾向にあるものの、本作業時間を短縮する適切な運転方法、設備については現在まだ配慮されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、ボイラを1台(または複数台)運転中に新たにもう1台起動併入する際に必要となる配管等の暖管時間を短縮する方法については配慮されておらず、したがって暖管作業の間に大気放出される蒸気(またはドレンとして廃棄処理される蒸気)は無駄に廃棄されており、熱エネルギーを損失する問題があった。
【0007】
加えて、特にごみ焼却プラントにおいては、地域住民等に与える環境面での心的負荷を低減すべく、例えば蒸気といえどもプラントから発生する白煙に対しては徹底的に対策されており、本目的からも少しでも暖管により蒸気を排出する時間を極力短くすべきところである。
本発明の目的は、上記した従来の暖管作業における蒸気放出による熱損失を除くとともに、発生する白煙による環境負荷の軽減を図ることができる複数のボイラを有する蒸気原動プラントの起動方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)複数台のボイラからの蒸気を主蒸気供給系統を介して少なくとも1台以上の蒸気タービンに供給する蒸気原動プラントの起動方法において、1台以上のボイラから所定温度の蒸気を共通の主蒸気供給系統を介して前記蒸気タービンに供給する動力発生中に、新たに1台以上のボイラを起動してこの新起動ボイラからの蒸気を前記主蒸気供給系統を介して前記蒸気タービンに供給併入するに際し、既稼働中のボイラの出口蒸気温度を前記所定温度より減温して蒸気タービンの運転を継続するとともに、新起動ボイラを起動して発生した蒸気により該ボイラと前記共通主蒸気供給系統との連絡蒸気管の暖管を実施し、該ボイラ出口蒸気温度が既稼働中のボイラ出口蒸気温度に対し併入可能温度なったときに、新起動ボイラを併入することを特徴とする複数のボイラを有する蒸気原動プラントの起動方法。
【0009】
(2)過熱器と過熱器出口蒸気温度を制御する蒸気温度制御装置とを有する複数台のボイラと、該ボイラからの蒸気を受入れる蒸気レシーバと、該レシーバ内の蒸気が主蒸気管を介して供給される1台以上の蒸気タービンとを備え、既稼働ボイラから所定温度の蒸気を蒸気タービンに供給する時に、新たにボイラを起動併入する、複数ボイラを有する蒸気原動プラントの起動装置において、稼働中の蒸気タービン入口蒸気温度検出手段と、該手段による検出値に基づき該タービン出口蒸気の湿り度を許容値になるように、既稼働ボイラの過熱器出口蒸気温度を前記所定温度以下の低減温度に制御する手段と、併入すべき新ボイラを起動してその出口蒸気温度を前記低減温度まで昇温する手段と、新ボイラ出口蒸気温度が低減温度付近に達して併入可能となったことを検知する手段と、該検知結果に基づき新ボイラの出口蒸気を前記蒸気レシーバに連通させて併入する手段と、併入後、既稼働ボイラと新併入ボイラの出口蒸気温度を前記所定温度まで昇温する手段とを備えたことを特徴とする複数のボイラを有する蒸気原動プラントの起動装置。
【0010】
【作用】
タービン入口の蒸気温度の許容値は、タービンの仕様、構造、材質などにより一概に決まらないが、一般的にはタービン出口の蒸気条件として湿り度を許容できる範囲内に抑えることが可能な入口蒸気温度となる。
【0011】
【数1】
t min=f(排気湿り度)
t min:タービン入口許容蒸気温度
一例を挙げると、今入口蒸気条件が下記にて発電出力3000kw達成できる蒸気タービン発電設備があるとすると、出口蒸気圧力は0.5ataの排気復水タービンとなる。本設備の排気湿り度は2%から3%程度であるため、湿り度10%まで許容できるものとすれば、入口蒸気温度としては290℃程度まで低減できることとなる。
【0012】
入口蒸気条件:40ata×400℃
飲込蒸気流量:19t/h
一方、蒸気発生設備(廃熱ボイラ1)には、過熱器の出口蒸気の温度を一定温度に制御するために過熱器減温器4が設置される。通常運転時は、本減温器は過熱器出口の蒸気温度を該温度検出器5により検出することにより温度制御を行うこととしているが、本機能とは別に中操(中央操作室)などの温度設定変換器により任意の温度に制御するため、接点変更できる機能を付加しておく。
【0013】
今、本機能を有する過熱器減温器4を設置した2系列のボイラからなる発電プラントにおいて、1系列のボイラ運転中に新たにもう1系列のボイラを起動する方法を図1を参照しながら以下に説明する。
廃熱ボイラ1は定格負荷にて運転中である一方で、廃熱ボイラ1′を冷缶より立ち上げる場合、炉内に設置されるバーナにてまず昇圧作業に入る。図1に示すように廃熱ボイラ1′が昇圧作業に入った後、既運転中の廃熱ボイラ1には温度設定変換器より蒸気温度を低減する信号が発信される。本信号に基づき廃熱ボイラ1の蒸気温度は過熱器減温器4により低減される。本作業においては、蒸気温度の急変は蒸気タービン13に過大なサーマルストレスを与えることとなるため、ある程度の遷移時間を確保しながら(通常は5℃/min程度)低減作業を行うよう接点調整するシーケンスとする。また、タービン保護の観点よりタービン入口の蒸気温度を厳しく管理することが重要であるため、タービン入口には蒸気温度の検出接点18を設け、本検出器18よりの温度は温度低減作業中常にフィードバックするような制御とする。本プロセスにより既運転中の廃熱ボイラ1は新たに起動する廃熱ボイラ1′の昇圧が完了するまでに主蒸気温度を定格温度からタービン入口の蒸気温度の下限値まで低減する。先述の例においては定格温度400℃にて運転していた廃熱ボイラ1が新たに起動する廃熱ボイラ1′の昇圧が完了する前に主蒸気温度は290℃まで低減されることとなる。
【0014】
新たに起動する廃熱ボイラ1′の昇圧完了後は、廃熱ボイラ1′の内圧と主蒸気配管6′の圧力が同じとなり次第主蒸気止め弁17′微開となり、引き続き昇温過程となる。本時点においては上記のように既運転中のボイラ1の運転温度はすでにタービン入口の下限温度(上記例においては290℃)となっているため、本来定格温度(上記例においては400℃)まで昇温する必要があった暖管過程がタービン入口下限温度(上記例においては290℃)まで昇温することで済むため、暖管に必要となる発生蒸気の大気放出時間を短縮することが可能となる。
【0015】
前記した従来技術の問題点を解決するために、できるだけ暖管用の蒸気放出時間を短くすることにより熱損失をなくし、蒸気放出による白煙発生時間の軽減を図る起動方法を提案する。
通常蒸気発生設備(図1によると廃熱ボイラ1、1′)には発生する蒸気温度を設定した計画温度に制御するために過熱器減温器4が設置される。当該減温器4は通常運転時においては過熱器出口の蒸気温度を検出し、本温度を計画温度一定に制御するよう作動するが、本機能の他に中操(中央操作室)等の温度設定変換器からの指令により温度接点を変更し、任意の温度に制御変更できる仕組みとしておく。
【0016】
一方、タービン13入口の蒸気温度は、タービン出口の蒸気の湿り度がある一定範囲内であれば、急激な温度変化をさせない限り下げることが可能である。
したがって、既運転中の蒸気温度を上記のタービン入口許容温度まで前述の過熱器減温器4の機能にて下げることで新たに起動した蒸気発生設備の暖管に要する時間を短縮することが可能となる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例につき詳細に説明する。
図1に、本発明による過熱器減温器4および大気放出ライン16よりなる暖管系統を設けた2系列の廃熱ボイラに対し、1系列のタービン発電機を設置する都市ごみ焼却炉用発電設備の系統を示す。
【0018】
焼却炉2において燃焼された都市ごみから発生した排ガスは廃熱ボイラ1へと導入され、当該排ガスの顕熱により廃熱ボイラ1においては蒸気が発生する。発生蒸気は、通常発電目的に利用される場合、発電出力を向上するために過熱器3において過熱される。過熱蒸気の温度を設計値一定とするよう当該過熱器においては減温装置4が設置され、通常運転時は過熱器出口蒸気温度を同温度検出、制御器5により検出することにより蒸気温度を一定制御する仕組みになっている。一方、当該減温器4には過熱器出口の蒸気温度検出、制御器5とは別に、温度設定変換器からの信号により制御温度を変更する仕組みとしておき、廃熱ボイラ1′を冷缶状態から起動する際は、当該温度設定変換器の信号により制御する蒸気温度を設計定格温度から蒸気タービン入口において許容できる下限温度となるまで下げることが可能となる仕組みとする。また、蒸気タービン13入口においてはタービン入口の蒸気温度を検出する検出器18を設けておき、上記過熱蒸気温度を低減する運転中常にタービン入口の蒸気温度をフィードバックするよう配慮し、常に減温温度がタービン入口温度許容値を下回らないよう配慮する仕組みとしておく。
【0019】
廃熱ボイラ1からの主蒸気配管6は蒸気レシーバ11へと導入され、本レシーバ11にて発生蒸気はミキシングした上、蒸気タービン13を含めた他設備へと蒸気を供給する仕組みとなっている。蒸気レシーバ11の主蒸気配管6、6′取り入れ口近傍には主蒸気配管の暖管を目的として、大気放出ライン16、16′が設けられる。1系列定常運転中はボイラ1、ボイラ出口主蒸気配管6、蒸気レシーバ11、タービン入口主蒸気配管12および蒸気タービン13まで定格蒸気温度に基づく設備温度となっているため、新たに廃熱ボイラ1′を起動する際は発生蒸気が当該定格温度と同じレベルとなるまで併入することができない。したがって、新たにもう1系列の蒸気系統を起動する際は、本大気放出ライン16′を開とし、廃熱ボイラ1′より蒸気レシーバ11までの蒸気ラインを暖管する仕組みとしておく。
【0020】
本ケースにおいて、既運転中の廃熱ボイラ1を無対策としておく場合、上記大気放出ライン16′は新たに起動した配管設備6′が定格温度となるまで開としておく必要があった。ところが、上記のように既運転中のボイラ1から発生する過熱蒸気の温度をあらかじめタービン許容値まで下げる対策をしておけば、本大気放出時間を著しく低減することが可能となる。
【0021】
図1で廃熱ボイラ1が定常状態で運転中に廃熱ボイラ1′を起動する際はまず廃熱ボイラ1′が昇圧過程に入る。廃熱ボイラ1′を昇圧する一方で既運転中の廃熱ボイラ1の減温器4には出口蒸気温度をタービン入口において許容できる温度まで下げるべく制御温度を下げる命令が出される。
廃熱ボイラ1′の昇圧完了後、廃熱ボイラ1′と主蒸気配管6′の内圧が同じとなり次第主蒸気止め弁17′は微開となり、発生蒸気はボイラ出口主蒸気配管6′内を流れる。該主蒸気配管6′が充分冷却された状態では発生蒸気の一部はドレンとなるため、本ドレンが発生しなくなるまでの間ドレンバルブ7′が開となっており、発生したドレンをここから配管外へと排出する。前記配管6′が暖まりドレンの発生がなくなり次第ドレンバルブ7′を閉とし、代わりに大気放出弁9′が開となる。発生蒸気が大気放出ライン16′より排出されている間、ボイラ出口主蒸気配管6′は昇温される。該主蒸気配管6′内の蒸気温度が運転中の蒸気レシーバ11の運転温度と同じレベルとなり次第大気放出弁9′は閉となり、代わりに蒸気レシーバ入口止め弁10′が開となり、廃熱ボイラ1′からの蒸気は併入される。
【0022】
ただし、本時点においては先行操作として上記のように既運転中の廃熱ボイラ1の出口蒸気温度が可能な限り下げられているため、大気放出弁9′が開となってから蒸気レシーバ11に併入されるまでの時間は無対策に既運転中の廃熱ボイラ1を運転する場合と較べて短縮することができる。
図3に従来の起動時のタイムスケジュールを、図4に本発明を採用した場合のタイムスケジュールを示す。従来の起動方法で起動した場合ABCDで囲まれた面積に相当する蒸気が放出されるが、本発明を採用した場合ではA′B′C′D′で囲まれた面積に相当する蒸気を排出するだけで済む。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、新規起動の蒸気発生設備1′の昇温過程に必要となる大気放出時間が縮小されるため、大気放出として無駄に捨てられた熱エネルギーを低減することが可能となる。
本発明によれば、単に蒸気の大気放出による無駄な熱損失を軽減するのみでなく、加えて蒸気放出に起因する白煙放出時間(蒸気の冷却またはファン等による強制拡散等の白煙防止対策を実施する場合は対策時間)を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による都市ごみ発電プラントの実施例系統図。
【図2】従来技術による都市ごみ発電プラントの系統図。
【図3】従来技術による起動のタイムスケジュールを示す図。
【図4】本発明による起動のタイムスケジュールを示す図。
【符号の説明】
1、1′…廃熱ボイラ、2、2′…焼却炉、3、3′…過熱器、4、4′…過熱器減温器、5、5′…過熱器出口蒸気温度検出器、6、6′…ボイラ出口主蒸気配管、7、7′…ドレンバルブ、8…大気放出サイレンサ、9、9′…大気放出弁、10、10′…蒸気レシーバ止め弁、11…蒸気レシーバ、12…タービン入口主蒸気配管、13…蒸気タービン、14…復水器、15…復水タンク、16、16′…大気放出ライン、17、17′…主蒸気止め弁、18…タービン入口蒸気温度検出器。
Claims (2)
- 複数台のボイラからの蒸気を主蒸気供給系統を介して少なくとも1台以上の蒸気タービンに供給する蒸気原動プラントの起動方法において、1台以上のボイラから所定温度の蒸気を共通の主蒸気供給系統を介して前記蒸気タービンに供給する動力発生中に、新たに1台以上のボイラを起動してこの新起動ボイラからの蒸気を前記主蒸気供給系統を介して前記蒸気タービンに供給併入するに際し、既稼働中のボイラの出口蒸気温度を前記所定温度より減温して蒸気タービンの運転を継続するとともに、新起動ボイラを起動して発生した蒸気により該ボイラと前記共通主蒸気供給系統との連絡蒸気管の暖管を実施し、該ボイラ出口蒸気温度が既稼働中のボイラ出口蒸気温度に対し併入可能温度なったときに、新起動ボイラを併入することを特徴とする複数のボイラを有する蒸気原動プラントの起動方法。
- 過熱器と過熱器出口蒸気温度を制御する蒸気温度制御装置とを有する複数台のボイラと、該ボイラからの蒸気を受入れる蒸気レシーバと、該レシーバ内の蒸気が主蒸気管を介して供給される1台以上の蒸気タービンとを備え、既稼働ボイラから所定温度の蒸気を蒸気タービンに供給する時に、新たにボイラを起動併入する、複数ボイラを有する蒸気原動プラントの起動装置において、稼働中の蒸気タービン入口蒸気温度検出手段と、該手段による検出値に基づき該タービン出口蒸気の湿り度を許容値になるように、既稼働ボイラの過熱器出口蒸気温度を前記所定温度以下の低減温度に制御する手段と、併入すべき新ボイラを起動してその出口蒸気温度を前記低減温度まで昇温する手段と、新ボイラ出口蒸気温度が低減温度付近に達して併入可能となったことを検知する手段と、該検知結果に基づき新ボイラの出口蒸気を前記蒸気レシーバに連通させて併入する手段と、併入後、既稼働ボイラと新併入ボイラの出口蒸気温度を前記所定温度まで昇温する手段とを備えたことを特徴とする複数のボイラを有する蒸気原動プラントの起動装置。
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