JP3687664B2 - 液滴情報測定装置、液滴吐出装置、膜パターン形成方法、デバイス製造方法、電気光学装置の製造方法、及び電子機器の製造方法 - Google Patents

液滴情報測定装置、液滴吐出装置、膜パターン形成方法、デバイス製造方法、電気光学装置の製造方法、及び電子機器の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴情報測定装置、液滴吐出装置、膜パターン形成方法、デバイス製造方法、電気光学装置の製造方法、及び電子機器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスプレイや表示光源などとして用いられる電気光学装置や、半導体装置などの電子装置は、その製造過程において、基板上に材料を配置し、その基板上に膜を形成する工程を含む。材料の配置技術や膜形成技術は、品質や機能と密接に係わり、上記各装置の性能の向上を図る上で重要である。
【0003】
基板上に材料を配置する技術としては、吐出ヘッドに設けられたノズルを介して液体材料を液滴として吐出する方法がある(例えば、特許文献1)。この液滴吐出法は、スピンコート法などの技術に比べて、液体材料の消費に無駄が少なく、基板上に配置する液体材料の量や位置の制御を行いやすいという利点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−274671号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
液滴吐出法では、液体材料の特性に応じて吐出ヘッドからの液滴の吐出量などの吐出状態が変化しやすい。そのため、例えば液体材料のロット変更時など、使用する液体材料に対して、吐出ヘッドの駆動条件を適宜定めるのが好ましい。
【0006】
駆動条件の最適化は、例えば、基板上に液体材料をパターン配置し、その配置状態を確認することにより行う。つまり、吐出ヘッドの駆動条件を変えながら、所望の配置状態となるまで上記パターン配置の試験を繰り返すことにより行う。しかしながら、この方法では長時間を要することから、生産性の低下を招く。
【0007】
また、効率的に駆動条件の最適化を図るには、吐出ヘッドから吐出された液滴の質量等の液滴情報を直接測定し、その測定結果に基づいて駆動条件を管理するのが望ましい。しかしながら、吐出ヘッドから吐出される液滴は微小であることから、測定に多大な時間を要したり、あるいは安定した測定結果を得るのが難しい。
【0008】
例えば、液滴量(質量あるいは重量)を測定する場合において、多数滴分(例えば、5000滴分)の液滴の重量をまとめて測定し、その測定結果を液滴数で割ることにより、一滴の液滴の重量を測定する方法があるが、この方法では測定用の液滴吐出に多くの時間と材料を要する。一方、一滴の液滴の質量を精密な測定装置を用いて直接測定しようとすると、液滴の粘弾性の影響による誤差が生じやすい。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、吐出ヘッドから吐出される液滴の情報を安定して測定することができる液滴情報測定装置、及びその測定装置を備える液滴吐出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の液滴情報測定装置は、吐出ヘッドから吐出される溶媒または分散媒を含む液体材料の液滴に関する情報を測定する装置であって、前記吐出ヘッドと対向するように設けられた電極と、前記電極表面に付着した物質の質量に応じて周波数が変化する振動子と、前記液滴の付着前後における前記振動子の周波数を検出する検出部と、前記検出部の検出結果のうち、前記液滴の付着前と前記液滴の乾燥後との間の前記周波数の変化量に基づいて、前記液滴に含まれる前記溶媒または前記分散媒以外の成分の質量を算出する演算部とを有し、前記演算部はさらに、前記溶媒または前記分散媒以外の前記成分の質量の算出結果と、前記成分の前記液体材料に含まれる割合とに基づいて、前記吐出ヘッドから吐出された前記液滴の質量を算出することを特徴とする。
この液滴情報測定装置によれば、液滴の粘弾性による測定への影響が回避されており、安定した測定結果が得られる。
【0011】
上記の測定装置において、前記電極が設置されるステージと、をさらに有し、前記ステージは前記電極が設置されていない領域に基板を載置する領域を有する構成とすることができる。
【0012】
さらに、上記の測定装置において、前記演算部が、前記吐出ヘッドから前記液滴を吐出した時点と前記液滴が前記振動子に付着した時点との時間差を算出し、該時間差と前記吐出ヘッドから前記振動子までの距離とに基づいて、前記液滴の飛行速度を算出してもよい。これにより、より多くの液滴情報を得ることができる。
【0013】
また、本発明は、液滴吐出装置であって、液体材料を液滴にして吐出する吐出ヘッドと、上記記載の液滴情報測定装置と、前記液滴情報測定装置により測定される液滴情報に基づいて前記吐出ヘッドの駆動条件を制御する制御装置とを備えることを特徴とする。
この液滴吐出装置によれば、上記の液滴情報測定装置の測定結果に基づいて、吐出ヘッドの駆動条件の最適化が図られる。そのため、高い精度で安定した液滴吐出を行うことができる。
【0014】
上記の液滴吐出装置において、前記制御装置が、前記液滴情報測定装置により測定される液滴情報に基づいて、前記液滴の乾燥条件を制御してもよい。これにより、液滴の乾燥状態を制御することが可能となる。
【0015】
また、本発明の膜パターン形成方法は、上記の液滴吐出装置を用いて、液体材料を基板上に配置することを特徴とする。
この膜パターン形成方法によれば、基板上に液体材料が正確に配置されるので、高い精度で安定的に膜パターンを形成することができる。
【0016】
また、本発明のデバイス製造方法は、上記の膜パターン形成方法を用いて、前記基板に前記膜パターンを形成することを特徴とする。
このデバイス製造方法によれば、高い精度で安定的に膜パターンが形成されることから、デバイスの低コスト化、並びに品質の向上が図られる。
【0017】
また、本発明の電気光学装置の製造方法は、上記のデバイス製造方法を用いることを特徴とする。
また、本発明の電子機器の製造方法は、上記の電気光学装置の製造方法を用いることを特徴とする。
デバイスとしては、例えば、半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子などを例示できる。
また、電気光学装置としては、例えば、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置などを例示できる。
これらの発明によれば、低コスト化や品質の向上が図られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例について図面を参照して説明する。
図1は、液滴吐出装置の構成の一例を模式的に示す図である。
図1において、液滴吐出装置100は、液滴吐出法により、液体材料を液滴状に吐出する吐出ヘッド101、ステージ102、液滴情報測定装置104、及びこれらを統括的に制御する制御装置105等を備えて構成されている。
【0019】
液滴吐出法における吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式(ピエゾ方式)、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられ、本例では、電気機械変換方式(ピエゾ方式)を用いる。ピエゾ方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出してノズルから吐出させる。ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
【0020】
吐出ヘッド101は、圧力室110と、ピエゾ素子111と、ノズル112とを有している。このうち、圧力室110は、液体材料を貯溜する不図示のタンクと連通し、タンクから供給された液体材料を一時的に貯溜する。また、ピエゾ素子111は、制御装置105から供給される駆動信号に応じて、圧力室110の内面を変形させ、圧力室110内の液体材料を増減圧する。吐出ヘッド101では、このピエゾ素子111による液体材料の増減圧に応じて、ノズル112から液体材料を液滴として吐出する。ピエゾ素子111に対する印加電圧の値の変化により、ピエゾ素子111の歪み量が制御される。また、その印加電圧の周波数の変化により、ピエゾ素子111の歪み速度が制御される。吐出ヘッド101では、ピエゾ素子111に対する駆動条件(駆動信号の波形)を制御することにより、液滴の一滴あたりの重量(質量)、液滴の飛行速度、液滴の飛行直進性など、液滴の吐出状態を制御することができる。また、吐出ヘッド101は、ヘッドキャリッジ108を介して所定の方向に移動自在に支持されている。このヘッドキャリッジ108は、不図示の駆動装置を有し、制御装置105からの指示に基づいて、吐出ヘッド101を所定の位置に位置決めする。
【0021】
ステージ102は、液体材料が配置される対象物体としてのパターニング用基板Pを支持するものであり、不図示の駆動装置を有し、制御装置105からの指示に基づいて、基板Pを所定の方向に移動させる。吐出ヘッド101と基板Pとを相対的に移動させながら、基板P上に液滴を繰り返し配置することにより、基板P上に液体材料をパターン配置することができる。また、上記相対移動の際に、複数の液滴を基板P上に連続的に並べて配置することにより、基板P上に線状のパターンを形成することができる。
【0022】
測定装置104は、圧電素子(本例では水晶振動子124)の特性を利用して、吐出ヘッド101から吐出された液滴の質量などの液滴情報を測定する装置であり、パルス発生部120、センサーチップ121、検出部としての周波数カウンタ122、及び演算部123等を備えて構成されている。パルス発生部120は、センサーチップ121にパルス信号を供給し、水晶振動子124を振動させるものである。液滴情報の測定は、例えば、液滴が所望の状態で吐出されることを確認するために行われ、例えば、吐出ヘッド101から基板P上への液体材料の配置に先立って、あるいは液体材料の配置の途中に行われる。
【0023】
図2は、センサーチップ121の構成を示す図である。
図2において、水晶振動子124は、例えばATカット水晶振動子などの圧電素子であり、その両面に、一対の電極125a,125bが略対向した状態で取り付けられている。また、絶縁体126は、導電性を有する支持体127a,127bを介して、水晶振動子124を振動自在に保持する。支持体127aは、電極125aと導通するとともに、絶縁体126に固定された端子128aと導通している。一方、支持体127bは、電極125bと導通するとともに、絶縁体126に固定された端子128bと導通している。上記構成により、パルス発生部120(図1参照)から出力されたパルス信号が、端子128a,128bを介してセンサーチップ121に入力すると、水晶振動子124が共振周波数にて振動する。
【0024】
図1に戻り、センサーチップ121は、その一方の電極125aが、吐出ヘッド101のうち液滴吐出面と対向するように設けられている。測定装置104では、吐出ヘッド101から吐出された液滴が電極125aに付着すると、電極125aに付着した液滴の質量を算出する。なお、この測定に際して、ヘッドキャリッジ108は、液滴が電極125aの表面に付着するように、吐出ヘッド101を移動させる。
【0025】
水晶振動子124は、自身に作用する外力が一定であれば、一定の共振周波数にて振動するが、電極125aの表面に物質が付着して外力が変化すると、その変化量に応じて共振周波数が変化するという特性を有している。すなわち、電極125aに物質が付着すると、水晶振動子124は、その物質の質量に応じた共振周波数にて振動するという特性を有している。付着した物質が粘弾性を有する場合、水晶振動子124は、その物質の粘度に応じて共振周波数が変化する。なお、本例の測定装置104は、測定物質の粘弾性の影響による誤差を補正する機能を持たない、いわゆる自励式の装置である。
【0026】
周波数カウンタ122は、水晶振動子124の共振周波数を検出し、検出結果を示す振動を演算部123に供給する。演算部123は、周波数カウンタ122から出力された共振周波数を示す信号を受け取ると、それを用いて液滴の質量を求める。
【0027】
図3は、周波数カウンタ122によって検出される水晶振動子124の共振周波数変化の一例を示す図である。
図3において、時刻「T1」は吐出ヘッド101から液滴を吐出した時刻、「T2」は液滴がセンサーチップ121(電極125a)に付着した時刻、「T3」は液滴が乾燥し終えた時刻、である。このうち、液滴の吐出時刻「T1」は、吐出ヘッド101に供給する駆動信号から求められる。また、センサーチップ121に液滴が付着すると、着弾時の液滴のエネルギーによって、周波数が大きく変動する。したがって、液滴の吐出後に最初に周波数が所定の量を超えて変化した時点を検出することより、液滴がセンサーチップ121に付着した時刻「T2」を求めることができる。付着の判定基準となる周波数の変化量は、目標とする液滴の吐出量や、使用する液体材料の物性などに応じて適宜定められる。
【0028】
また、本例の測定装置104では、液滴の粘弾性の影響により、液滴から析出した固形分の質量は検出されるものの、液体分の質量は検出されにくい。そのため、液滴の乾燥中は、固形分の析出に伴う質量変化に応じて周波数が変化する。液滴の乾燥後は、固形分がすべて析出して質量変化がなくなることから、検出される周波数が時間経過に対して略一定状態となる。したがって、液滴の吐出後に、所定時間以上続く周波数の略一定状態の開始時点を検出することにより、その液滴の乾燥終了時刻「T3」を求めることができる。検出基準となる略一定状態の継続時間は、測定装置104の特性や、要求される測定精度に応じて適宜定められる。
【0029】
ここで、吐出時刻「T1」と付着時刻「T2」との時間差「T1−T2」は、液滴が吐出ヘッド101から吐出されてセンサーチップ121に着弾するまでの液滴の飛行時間である。したがって、上記時間差と、吐出ヘッド101からセンサーチップ121(電極125a)に至るまでの距離とから、液滴の飛行速度(吐出速度)を算出することができる。すなわち、上記距離をLj、液滴の飛行速度をVjとすると、Vj=Lj/|T1−T2| である。この演算は演算部123(図1参照)において行われる。
【0030】
また、乾燥後の周波数「fb」は液滴の乾燥膜に対応するものであることから、液滴の付着前の周波数「fa」と乾燥後の周波数「fb」との差「fa−fb」から、液滴の固形分の質量(固形分量)を算出することができる。すなわち、図1に示す演算部123において、上記周波数の変化量を、水晶振動子124の特性に応じた所定の算出式に代入することにより、液滴の固形分量を算出することができる。本例の測定装置104では、粘弾性の影響を補正する機能を持たないものの、上記固形分量の算出では液滴の乾燥中の測定結果を使用していないことから、液滴の粘弾性による測定への影響が回避されており、安定した測定結果が得られる。
【0031】
また、演算部123では、上述した固形分量の算出結果と、液滴の固形分濃度、つまり吐出ヘッド101に供給する液体材料の初期の固形分濃度とから、センサーチップ121に付着した液滴質量を算出する。すなわち、液体材料の固形分濃度をc(%)、測定装置104で測定された固形分量をms、液滴の質量をImとするとき、Im=(ms/c)×100 である。ここで算出される液滴の質量Imは、液滴の粘弾性の影響を含まないものであり、安定した精度を有する。なお、使用する液体材料に固形分が含まれないかもしくは固形分が含まれても極微量である場合には、液体材料の特性が大きく変化しない範囲内で液体材料に固形分を予め加えておくとよい。また、吐出ヘッド101に供給する液体材料と実際に吐出した液滴との間の濃度差を解消するために、上記液滴情報の測定に先立って、センサーチップ121とは異なる場所に吐出ヘッド101から液滴を予備的に吐出しておくとよい(フラッシング)。
【0032】
さて、吐出ヘッド101から液滴を吐出する際には、液滴吐出量(液滴量)の目標値(例えば、10ng(ナノグラム))が定められており、その目標値に応じた駆動波形(標準駆動波形)が、制御装置105から吐出ヘッド101に供給される。しかしながら、吐出ヘッド101内での液体材料の特性変化、ピエゾ素子111の応答特性の誤差、圧力室110の容量誤差、ノズル112の外径誤差などの様々な誤差により、実際の液滴量は、目標値とは異なる場合がある。実際の液滴量が目標値と異なると、基板Pへの液体材料の配置精度の低下を招く。
【0033】
また、上記誤差は、液滴の飛行速度にも影響を及ぼす。実際の液滴の飛行速度が目標値と異なると、吐出ヘッド101と基板Pとを相対的に移動させながらその基板P上に液滴を配置する際などにおいて、着弾位置が目標位置からずれることになる。
【0034】
本例の液滴吐出装置100では、吐出ヘッド101から吐出される液滴の情報を測定装置104によって測定し、その測定結果に基づいて、実際の液滴量、及び実際の液滴の飛行速度が目標値に近づくように、吐出ヘッド101に供給する駆動波形を決定する。すなわち、制御装置105は、測定装置104の測定結果が規格内に入る場合には現在の駆動波形(標準駆動波形)を使用する。逆に、上記測定結果が規格から外れた場合には、制御装置105は、駆動波形を変化させ、最適な吐出条件(駆動波形)を製作する。駆動波形の最適化は、例えば、予め種々の液滴情報を最適な駆動波形と関連付けて記憶しておき、その記憶したデータの中から測定装置104の測定結果に適合するものを選択することにより行う。あるいは、各液滴情報が規格内に入るように、駆動波形を変化させながら、液滴吐出と液滴情報の測定とを繰り返す(フィードバック制御)。このように、本例の液滴吐出装置100では、測定装置104の測定結果に基づいて、吐出ヘッド101に対する駆動波形の最適化を図ることにより、高い精度で安定した液滴吐出を行うことができる。
【0035】
図4は、周波数カウンタ122によって検出される水晶振動子124の共振周波数変化の他の例を示す図である。なお、図4と先の図3とでは、測定対象である液滴の乾燥過程が異なる。
【0036】
ここで、図5(a)は図3に示す周波数変動に対応する液滴の乾燥過程の一例を示す図、図5(b)は図4に示す周波数変動に対応する液滴の乾燥過程の一例を示す図である。
図5(a)に示す液滴の乾燥過程は、液滴の中央部に比べて縁における固形分濃度が早く飽和濃度に達するように、乾燥条件を定めたものである。一般に、物体上に配置された液滴は縁(エッジ)において乾燥の進行が速い。液滴の乾燥過程において、液滴の縁における固形分濃度が飽和濃度に達すると、その縁において固形分が局所的に析出する。そして、その析出した固形分によって液滴の縁がピン止めされたような状態となり、それ以降の乾燥に伴う液滴の収縮(外径の収縮)が抑制される。以後、この現象、すなわち、縁で析出した固形分によって乾燥に伴う液滴の収縮が抑制される現象を「ピニング」と呼ぶ。
【0037】
一方、図5(b)に示す液滴の乾燥過程は、液滴の全体の固形分濃度が略同時に飽和濃度に達するように、乾燥条件を定めたものである。この場合、液滴の縁での局所的な固形分の析出が生じにくいことから、上述したピニングが起こらず、乾燥過程において、液体分(溶媒、分散媒など)の蒸発に伴って液滴が収縮する。すなわち、乾燥の進行とともに、液滴の外径が小さくなる。液滴の収縮過程では、液滴内で、中央部から縁に向かう液体の流れと縁から中央部に向かう流れとを含む対流が持続的に形成され、液滴内における局所的な固形分濃度の上昇が抑制されるとともに、液滴内の固形分濃度の均一化が図られる。そして、液滴の全体の固形分濃度が飽和濃度に達することで、液滴の全体において概ね一斉に固形分の析出が起こる。以後、この現象、すなわち、乾燥時にピニングすることなく液滴が収縮する現象を「ディピニング」と呼ぶ。なお、図5(a)及び(b)に矢印で示す液滴内の液体の流れは、一例であり、実際とは異なる場合がある。
【0038】
図4に戻り、ディピニングに対応する周波数変化において、時刻「T5」は吐出ヘッド101から液滴を吐出した時刻、「T6」は液滴がセンサーチップ121(電極125a)に付着した時刻、「T7」は液滴が乾燥し終えた時刻、である。吐出ヘッド101からの液滴の吐出時刻「T5」は、前述と同様に、吐出ヘッド101に供給する駆動信号から求められる。また、液滴の吐出後に最初に周波数が所定の量を超えて変化した時点を検出することより、液滴の付着時刻「T6」を求めることができる。
【0039】
ディピニングによる液滴の乾燥過程では、液滴の全体の固形分濃度が飽和濃度に達するまでの間、固形分の析出がほとんど生じないことから、検出される周波数は略一定状態となりやすい(T6−T7)。そして、乾燥終了時刻「T7」において、上記固形分濃度が飽和濃度に達し、液滴の全体で一斉に固形分が析出するのに伴い、周波数が大きく変動する。その後、固形分が析出して質量変化がなくなるのに伴って周波数は時間変化に対して略一定状態となる。したがって、液滴の吐出後において、所定時間以上継続する共振周波数の略一定状態の開始時点を検出することにより、その液滴の乾燥終了時刻「T7」を求めることができる。なお、乾燥終了時刻「T7」を求める際に基準となる略一定状態の継続時間は、液滴の乾燥中に周波数が略一定状態となる期間「T6−T7」を超えるように定められる。
【0040】
そして、上記周波数の検出結果から、先の図3の場合と同様に、液滴の飛行速度、液滴の固形分量、及び液滴の質量を算出することができる。これらの測定結果は、液滴の粘弾性の影響を含まないものであり、安定した精度を有する。
【0041】
また、上記周波数の検出結果のうち、付着時刻「T6」から乾燥終了時刻「T7」までの期間(乾燥期間「T6−T7」)の周波数の変化から、液滴の乾燥過程の状態を確認することができる。すなわち、先の図3に示す乾燥期間「T2−T3」では、時間の経過とともに周波数が変化するのに対して、図4に示す乾燥機関「T6−T7」では、時間経過に対して周波数が略一定状態となる。したがって、この乾燥期間における周波数の変化量(周波数変化のグラフの傾き)を検出することにより、ピニング及びディピニングのうちのいずれの現象が生じているかを求めることができる。より具体的には、例えば、乾燥期間における所定時間あたりの周波数の変化量が、規定値を超える場合はピニング、規定値以下である場合はディピニングと判別することができる。
【0042】
本例の液滴吐出装置100では、測定装置104で測定される液滴情報のうち、上記液滴の乾燥過程に関する情報に基づいて、液滴に対する乾燥条件を制御する。すなわち、制御装置105は、測定装置104の測定結果から求まる液滴の乾燥過程が目標とする状態であるか否か、具体的にはピニング及びディピニングのうちのいずれであるかを確認する。そして、目標とする乾燥過程と異なる場合には、液滴に対する乾燥条件を制御する。乾燥条件の制御は、例えば、送風機、ランプアニール、ホットプレート、電気炉などの不図示の乾燥装置を介して行われる。また、乾燥条件は、次に説明するように、大気に対する液滴の相対的な移動速度を変化させることで制御することも可能である。
【0043】
図6は、測定装置104のセンサーチップ121の配設例を示す図である。
図6において、センサーチップ121は、基板Pを支持するステージ102上に配設されている。具体的には、センサーチップ121は、ステージ102における基板Pの搭載面において、基板Pを配置する場所とは異なる場所に配設され、基板Pと一体的に図中のXY平面内を移動可能となっている。また、センサーチップ121は、電極125aの表面が、ステージ102上に配設された基板Pの表面高さと略同一となるように配設されている。
【0044】
液滴情報の測定に際して、センサーチップ121(電極125a)上に液滴が配置されると、上記ステージ102が所定の速度でXY平面内を移動する。ステージ102が移動すると、液滴近傍の気相の蒸気濃度が低下するなどにより、液滴の乾燥が促進される。ステージ102の移動速度が大きいほど、大気に対する液滴の相対的な移動速度が大きくなり、液滴の乾燥速度が大きくなる。また、液滴の乾燥過程において、液滴中央部に比べて液滴縁の乾燥速度が大きいほどピニングが起こりやすく、液滴縁の乾燥速度が小さいほどディピニングが起こりやすい。
【0045】
乾燥条件の制御としては、例えば、目標とする液滴の乾燥過程がピニングであるにもかかわらず、実際の乾燥過程がディピニングであることが確認された際に、ステージ102の移動速度を現時点よりも大きくする。逆に、目標とする液滴の乾燥過程がディピニングであるにもかかわらず、実際の乾燥過程がピニングであることが確認された際に、ステージ102の移動速度を現時点よりも小さくする。これにより、液滴の乾燥膜を所望の状態に制御することが可能となる。
【0046】
このように、本例の液滴吐出装置100では、測定装置104で測定される液滴情報に基づいて、液滴の乾燥条件を制御し、これにより、液滴の乾燥状態を制御する。その結果、基板P上に液体材料を配置する際の乾燥条件の最適化を図ることができる。
【0047】
なお、図6に示す例では、センサーチップ121と実処理用の基板Pとが同一のステージ102上で一体的に移動し、しかも液滴が付着する面の高さが互いに略同一である。そのため、センサーチップ121と基板Pとの間で環境条件に差が少なく、センサーチップ121を用いた測定結果を実処理時にも効果的に利用することができるという利点がある。
【0048】
図7は、液滴情報測定装置の他の例(測定装置150)を示す図である。なお、測定装置150の構成要素について、先の図1及び図2に示した測定装置104と同様の機能を有するものには同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図7に示す測定装置150は、先の測定装置104と異なり、測定物質の粘弾性の影響を補正可能な、いわゆる外部スキャン式の装置である。
【0049】
図7において、測定装置150は、パルス発生部120、センサーチップ121、周波数カウンタ122、インピーダンス演算部130、及び演算部131等を備えて構成されている。水晶振動子は、前述したように、液滴の質量に応じた共振周波数で振動するとともに、その物質の粘度に応じて共振周波数が変化するという特性を有している。測定装置150は、この水晶振動子の特性を利用して、液滴の質量および粘度を求めるものである。なお、水晶振動子124に加えた電圧と電流の関係から、周波数に対する水晶振動子124の電気的なインピーダンスを求めることができる。このインピーダンスは共振周波数付近で大きく変化する。インピーダンスの抵抗成分が最小となるときの周波数が共振周波数となり、その抵抗成分が共振抵抗値となる。
【0050】
インピーダンス演算部130は、水晶振動子124の共振抵抗値を演算により求め、共振抵抗値を示す信号を演算部131に供給する。また、周波数カウンタ122は、水晶振動子124の共振周波数を検出し、検出結果を示す信号を演算部131に供給する。演算部131は、インピーダンス演算部130から出力された共振抵抗値を示す信号と、周波数カウンタ122から出力された共振周波数を示す信号とを受け取ると、それらを用いて、以下のように液滴の粘度及び質量を算出する。
【0051】
共振抵抗値をRとし、電極125aに付着した液滴の粘度をηとすると、それらの関係は次式で表現できる。
【0052】
【数1】
Figure 0003687664
【0053】
ここで、Kは、圧電材料や磁歪材料について電気系と機械系との結合の程度を示す電気機械結合定数であり、Aは、水晶振動子124の表面積であり、Fは、水晶振動子124の基本周波数であり、ρは、液滴(インク)の密度である。また、液滴の付着前後における共振周波数の変化量をΔfreqとした場合、変化量Δfreqと、粘度ηとの関係は次式で表される。
【0054】
【数2】
Figure 0003687664
【0055】
ここで、ρは、水晶振動子124の密度であり、μは、水晶振動子124の弾性率である。
一方、電極125aに付着した液滴の質量をImとすると、質量Imと、共振周波数の変化量Δfreqとの関係は次式のようになる。
【0056】
【数3】
Figure 0003687664
【0057】
ここで、μQは、ATカット水晶振動子定数である。
共振抵抗値は、液滴の粘度ηに応じて変化し(式(1)参照)、一方の共振周波数の変化量Δfreqは、液滴の粘度ηと質量Imとの両方に応じて変化する(式(2)、式(3)参照)。したがって、演算部131においては、まず、インピーダンス演算部130から供給された共振抵抗値を式(1)に代入して、液滴の粘度ηを求める。
次に、演算部131は、周波数カウンタ122から供給される共振周波数を用いて、液滴の付着前後における水晶振動子124の共振周波数の変化量Δfreqを算出し、変化量Δfreq及び粘度ηを用いて、式(2)及び式(3)を演算し、液滴の質量Imを得る。
なお、演算部131は、液滴の粘度η及び質量Imを求めると、それらを示す液滴情報を制御装置105に供給する。
【0058】
図8は、本例の測定装置150における水晶振動子124の共振周波数変化の一例を示す図である。図3に示す共振周波数は、液滴の粘弾性による影響が考慮されたものである。
図8において、時刻「T11」は吐出ヘッド101から液滴を吐出した時刻、「T12」は液滴がセンサーチップ121(電極125a)に付着した時刻、「T13」は液滴が乾燥し終えた時刻、である。このうち、液滴の吐出時刻「T11」は、前述と同様に、吐出ヘッド101に供給する駆動信号から求められる。また、液滴の吐出後に最初に周波数が所定の量を超えて変化した時点を検出することより、付着時刻「T12」を求めることができる。
【0059】
また、本例の測定装置150では、液滴の粘弾性が考慮されることにより、液滴の固形分に加え、液滴の液体分の質量も検出される。そのため、液滴の乾燥中は、液滴の液体分(溶媒、分散媒など)の蒸発による質量変化に応じて周波数が変化する。さらに、液滴の乾燥後は、液体分がすべて蒸発して質量変化がなくなることから、周波数が時間経過に対して略一定状態となる。したがって、液滴の吐出後に、所定時間以上続く周波数の略一定状態の開始時点を検出することにより、その液滴の乾燥終了時刻「T13」を求めることができる。
【0060】
そして、上記周波数の検出結果から、先の図3の場合と同様に、液滴の飛行速度、及び液滴の固形分量を算出することができる。
すなわち、吐出ヘッド101からセンサーチップ121(電極125a)に至るまでの距離をLj、液滴の飛行速度をVjとするとき、Vj=Lj/|T11−T12| である。
また、乾燥後の周波数「fb」は液滴の乾燥膜に対応するものであることから、液滴の付着前の周波数「fa」と乾燥後の周波数「fb」との差「fa−fb」から、液滴の固形分の質量(固形分量)を算出することができる。
【0061】
また、上記周波数の検出結果のうち、液滴の付着前の周波数「fa」と、液滴の付着時の周波数「fc」との差「fa−fc」から、液滴の質量(吐出量)を算出することができる。すなわち、上記周波数の差「fa−fc」を周波数変化量Δfreqとして、前記式に代入することにより、液滴の質量を求めることができる。また同様に、液滴の付着前の周波数「fa」と、所定の時点(例えば、時刻「Ta」)での周波数「fd」との差「fa−fd」から、乾燥中の所定の時点での液滴の質量を算出することができる。
【0062】
このように、本例の測定装置150においても、吐出ヘッド101から吐出された実際の液滴量、及び実際の液滴の飛行速度などを算出することができる。したがって、この測定装置150を用いることで、先の図1に示した吐出ヘッド101に供給する駆動波形の最適化を図ることができる。
【0063】
図9(a)〜(c)は、膜パターン形成方法の一例として、上述した液滴吐出装置100を用いて、基板上に線状の膜パターンを形成する方法の手順の一例を示している。
この膜パターン形成方法では、吐出ヘッド101から液体材料を液滴にして吐出し、その液滴を一定の距離(ピッチ)ごとに基板P上に配置する。そして、この液滴の配置動作を繰り返すことにより、基板P上に線状の膜パターンを形成する。
【0064】
具体的には、まず、図9(a)に示すように、吐出ヘッド101から吐出した液滴L1を、一定の間隔をあけて基板P上に順次配置する。本例では、液滴L1の配置ピッチP1は、基板P上に配置した直後の液滴L1の直径(着弾径)よりも大きくなるように定められている。これにより、基板P上に配置された直後の液滴L1同士が互いに接することがなく、液滴L1同士が合体して基板P上で広がることが防止される。
【0065】
基板P上に液滴L1を配置した後、液体分(溶媒、分散媒など)の除去を行うために、必要に応じて乾燥処理を行う。乾燥処理は、例えばホットプレート、電気炉、熱風発生機、ランプアニールなどの加熱手段を用いた一般的な加熱処理の他に、基板Pを搭載したステージを移動させることにより行ってもよい。
【0066】
次に、図9(b)に示すように、上述した液滴の配置動作を繰り返す。すなわち、図9(a)に示した前回と同様に、吐出ヘッド101から液体材料を液滴L2にして吐出し、その液滴L2を一定距離ごとに基板Pに配置する。このとき、液滴L2の量(1つの液滴あたりの液体材料の量)、及びその配置ピッチP2は前回の液滴L1と同じである。また、液滴L2の配置位置を前回の液滴L1から1/2ピッチだけシフトさせ、基板P上に配置されている前回の液滴L1同士の中間位置に今回の液滴L2を配置する。液滴L1の中間位置に液滴L2が配置されることにより、液滴L1に液滴L2が一部なり、液滴L1同士の間の隙間が埋まる。
【0067】
またこのとき、今回の液滴L2と前回の液滴L1とが接するが、前回の液滴L1はすでに液体分が完全に又はある程度除去されているので、両者が合体して基板P上で広がることは少ない。液滴L2を基板P上に配置した後、液体分の除去を行うために、前回と同様に、必要に応じて乾燥処理を行う。
【0068】
こうした一連の液滴の配置動作を複数回繰り返すことにより、基板P上に配置される液滴同士の隙間が埋まり、図9(c)に示すように、線状の連続したパターンが基板P上に形成される。この場合、液滴の配置動作の繰り返し回数を増やすことにより、基板P上に液滴が順次なり、線状パターンの膜厚、すなわち基板Pの表面からの高さ(厚み)が増す。線状パターンの高さ(厚み)は、最終的な膜パターンに必要とされる所望の膜厚に応じて定められ、それに応じて、上記液滴の配置動作の繰り返し回数が定められる。
【0069】
上記の膜パターン形成に際しては、吐出ヘッド101から基板P上への液体材料の配置に先立って、あるいは液体材料の配置の途中に、吐出ヘッド101から吐出される液滴の情報を測定装置104(図1参照)によって測定し、その測定結果に基づいて、実際の液滴量、及び実際の液滴の飛行速度が目標値に近づくように、吐出ヘッド101に供給する駆動波形を決定する。さらに、液体材料の配置に先立って、液滴に対する乾燥条件の最適化も行う。これにより、本例の膜パターン形成方法では、液滴が、目標とする位置及び質量で基板P上に正確に配置されるとともに、所望の乾燥膜が形成される。そのため、高い精度で安定的に膜パターンを形成することができる。
【0070】
なお、線状パターンの形成方法は、図9(a)〜(c)に示したものに限定されない。例えば、液滴の配置ピッチや、繰り返しの際のシフト量などは任意に設定可能である。
【0071】
図10は、本発明の液滴吐出装置を用いて製造されたカラーフィルタを搭載した液晶表示装置の構成を例示する斜視図である。
本実施形態に係る液晶表示装置400は、液晶駆動用IC(図示略)、配線類(図示略)、光源470、支持体(図示略)などの付帯要素が装着されている。液晶表示装置400の構成を簡単に説明する。液晶表示装置400は、互いに対向するように配置された、カラーフィルタ460、及びガラス基板414と、これらの間に挟持された図示略の液晶層と、カラーフィルタ460の上面側(観察者側)に付設された偏光板416と、ガラス基板414の下面側に付設された図示略の偏光板とを主体として構成されている。カラーフィルタ460は透明なガラスからなる基板461を具備し、観察者側に設けられた基板であり、ガラス基板414はその反対側に設けられる透明な基板である。
【0072】
基板461の下側には、黒色感光性樹脂膜からなる隔壁462と、着色部463、及びオーバーコート層464が順次形成され、さらにオーバーコート層464の下側に駆動用の電極418が形成されている。なお、実際の液晶装置においては、電極418を覆って液晶層側と、ガラス基板414側の後述する電極432上に、配向膜が設けられるが、図示、及び説明を省略する。
カラーフィルタ460の液晶層側に形成された液晶駆動用の電極418は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料を、オーバーコート層464の全面に形成させたものである。
【0073】
ガラス基板414上には、絶縁層425が形成され、この絶縁層425の上には、スイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor)と、画素電極432とが形成されている。
ガラス基板414上に形成された絶縁層425上には、マトリクス状に走査線451と、信号線452とが形成され、走査線451と信号線452とに囲まれた領域毎に画素電極432が設けられている。各画素電極432のコーナー部分と走査線451と信号線452との間部分にはTFTが組み込まれており、走査線451と信号線452に対する信号の印加によってTFTはオン、又はオフの状態となって画素電極432への通電が制御される。
【0074】
図11は、上記液晶表示装置を用いた電子機器の一例たる携帯電話機の構成を例示する斜視図である。同図において、携帯電話機92は複数の操作ボタン921のほか、受話口922、送話口923とともに、上述した液晶表示装置400を備えるものである。
【0075】
なお、液滴吐出装置の用途は、電気光学装置に用いられるカラーフィルタのパターニングに限定されず、次のような様々な膜パターンの形成に用いることができる。例えば、有機EL(エレクトロルミネセンス)表示パネルに含まれる有機EL層や、正孔注入層などの薄膜形成に用いることができる。有機EL層を形成する場合には、例えばポリチオフェン系の導電性高分子などの有機EL材料を含む液滴を、基板上に形成された隔壁により仕切られる領域に向けて吐出し、液滴をその領域に配置する。このように配置された液体材料が乾燥することにより、有機EL層が形成される。
【0076】
また、その他の液滴吐出装置の用途としては、プラズマディスプレイに含まれる透明電極の補助配線や、IC(integrated circuit)カードなどに含まれるアンテナなどのデバイスの形成などがある。具体的には、テトラデカンなどの有機溶液に、銀微粒子などの導電性微粒子を混合した溶液を液滴吐出装置を用いてパターニングした後、有機溶液が乾燥すると、金属薄膜層が形成される。
【0077】
上記以外にも、液滴吐出装置は、例えば、立体造形に用いられる熱硬化樹脂や、紫外線硬化樹脂などの他、マイクロレンズアレイ材料、また、DNA(deoxyribonucleic acid)やたんぱく質といった生体物質などの様々な材料の配置にも用いることが可能である。
【0078】
また、電子機器としては、携帯電話機の他にも、コンピュータや、プロジェクタ、デジタルカメラ、ムービーカメラ、PDA(Personal Digital Assistant)、車載機器、複写機、オーディオ機器などが挙げられる。
【0079】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 液滴吐出装置の構成の一例を模式的に示す図。
【図2】 センサーチップの構成を示す図。
【図3】 水晶振動子の共振周波数変化の一例を示す図。
【図4】 水晶振動子の共振周波数変化の他の例を示す図。
【図5】 (a)は図3に示す周波数変動に対応する液滴の乾燥過程の一例を示す図、(b)は図4に示す周波数変動に対応する液滴の乾燥過程の一例を示す図。
【図6】 センサーチップの配設例を示す図。
【図7】 液滴情報測定装置の他の例を示す図。
【図8】 水晶振動子の共振周波数変化の別の例を示す図。
【図9】 基板上に線状の膜パターンを形成する方法の手順の一例を示す図。
【図10】 本発明の液滴吐出装置を用いて製造されたカラーフィルタを搭載した液晶表示装置の構成を例示する斜視図。
【図11】 液晶表示装置を用いた電子機器の一例たる携帯電話機の構成を例示する斜視図。
【符号の説明】
P…基板、100…液滴吐出装置、101…吐出ヘッド、102…ステージ、104,150…液滴情報測定装置、105…制御装置、112…ノズル、121…センサーチップ、122…周波数カウンタ(検出部)、123,131…演算部、124…水晶振動子、130…インピーダンス演算部。

Claims (9)

  1. 吐出ヘッドから吐出される溶媒または分散媒を含む液体材料の液滴に関する情報を測定する装置であって、
    前記吐出ヘッドと対向するように設けられた電極と、
    前記電極表面に付着した物質の質量に応じて周波数が変化する振動子と、
    前記液滴の付着前後における前記振動子の周波数を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果のうち、前記液滴の付着前と前記液滴の乾燥後との間の前記周波数の変化量に基づいて、前記液滴に含まれる前記溶媒または前記分散媒以外の成分の質量を算出する演算部とを有し、
    前記演算部はさらに、前記溶媒または前記分散媒以外の前記成分の質量の算出結果と、前記成分の前記液体材料に含まれる割合とに基づいて、前記吐出ヘッドから吐出された前記液滴の質量を算出することを特徴とする液滴情報測定装置。
  2. 請求項1に記載の液滴情報測定装置において、
    前記電極が設置されるステージと、をさらに有し、
    前記ステージは前記電極が設置されていない領域に基板を載置する領域を有することを特徴とする液滴情報測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の液滴情報測定装置において、
    前記演算部はさらに、前記吐出ヘッドから前記液滴を吐出した時点と前記液滴が前記振動子に付着した時点との時間差を算出し、該時間差と前記吐出ヘッドから前記振動子までの距離とに基づいて、前記液滴の飛行速度を算出することを特徴とする液滴情報測定装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴情報測定装置と、
    液体材料を液滴にして吐出する吐出ヘッドと、
    前記液滴情報測定装置により測定される液滴情報に基づいて、前記吐出ヘッドの駆動条件を制御する制御装置とを備えることを特徴とする液滴吐出装置。
  5. 請求項4に記載の液滴吐出装置において、
    前記制御装置は、前記液滴情報測定装置により測定される液滴情報に基づいて、前記液滴の乾燥条件を制御することを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 請求項4または5に記載の液滴吐出装置を用いて、液体材料を基板上に配置することを特徴とする膜パターン形成方法。
  7. 請求項6に記載の膜パターン形成方法を用いて、前記基板に前記膜パターンを形成することを特徴とするデバイス製造方法。
  8. 請求項7に記載のデバイス製造方法を用いることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  9. 請求項8に記載の電気光学装置の製造方法を用いることを特徴とする電子機器の製造方法。
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