JP2005062150A - 液滴吐出装置、電気光学装置、および電子機器 - Google Patents

液滴吐出装置、電気光学装置、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で高精度に吐出ヘッドから吐出される液滴の重量を測定することが可能な液滴吐出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】水晶110と、当該水晶110の両面に形成された電極110a、110bとでQCMセンサ106を構成する。電極110aに振動電圧発振部111から振動電圧を印加して水晶110を振動させる。測定部112および演算部113は、吐出ヘッド103から吐出される液滴が電極110bに付着する前後での水晶110の共振周波数の変化を検出して、当該電極110bに付着した液滴の重量を測定する。制御部101は、液滴の重量の測定結果を表示部108に表示する。
【選択図】 図1



Description

本発明は、液滴吐出装置、電気光学装置、および電子機器に関し、詳細には、吐出ヘッドから吐出される液滴の重量を測定可能な液滴吐出装置、電気光学装置、および電子機器に関する。
例えば、液晶表示装置のカラーフィルタ、配向膜等の成膜に液滴吐出装置が利用されている。また、液滴吐出装置は、これ以外にも工業上の各種の分野で利用されている。液滴吐出装置は、吐出ヘッドと呼ばれる液滴吐出機構を有している。この吐出ヘッドには、規則的に複数の吐出ノズルが形成されている。液滴吐出装置では、これらの吐出ノズルから吐出材料の液滴を吐出することにより、何等かの製品の構成要素となる基板上に吐出材料からなるパターンの描画を行う。吐出ヘッドから吐出される液滴の重量を測定する装置としては、例えば、以下の微小液滴重量装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
同装置は、振動板と圧電素子を貼り合わせた圧電振動体にヒータを設け、圧電振動体にホットメルトインク(固形材料を溶かして液体にしたインク)が付着しても剥離も蒸発もしない温度に圧電振動体をコントロールした状態で、ホットメルトインクジェットを吹き付ける。ホットメルトインクが付着すると、圧電振動体の電気機械的結合係数が変わり、その付着重量に比例して圧電素子のインピーダンスが変化する。そのインピーダンスの変化量から付着重量を算出する。
特開平7−248250号公報
しかしながら、同装置では、振動板と圧電素子を貼り合わせた圧電振動体を使用しているため、圧電振動体の構成が複雑で高コストな構成となる。また、圧電振動体を加熱するヒータを設けて、圧電振動体を温度制御する構成であるので構成が複雑になるとともに制御が複雑となるという問題がある。付言すると、液滴の重量の測定は一瞬で済むものであるため、ヒータや温度制御は不要である。逆に、振動板に与えた熱が圧電素子に伝わることで、熱に弱い圧電素子の場合には測定精度に影響を与えてしまうため、高精度な重量測定を行うことができない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で高精度に吐出ヘッドから吐出される液滴の重量を測定することが可能な液滴吐出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、吐出ヘッドから液滴を吐出して描画対象物に描画する液滴吐出装置において、前記吐出ヘッドに駆動信号を印加して液滴を吐出させる吐出ヘッド制御手段と、両面に電極が形成された圧電振動子からなる検出手段と、前記電極に振動電圧を印加して前記圧電振動子を振動させる発振手段と、前記吐出ヘッドから吐出される液滴が前記電極に付着する前後での前記圧電振動子の共振周波数の変化を検出し、当該検出した圧電振動子の共振周波数の変化に基づいて、当該電極に付着した液滴の重量を測定する液滴重量測定手段と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置を提供することができる。
検出手段を圧電振動子と当該圧電振動子の両面に形成された電極とで構成する。圧電振動子に形成された電極に、外部から振動電圧を印加して圧電振動子を振動させる。吐出ヘッドから吐出される液滴が圧電振動子に形成された電極に付着する前後で圧電振動子の共振周波数は変化する。この圧電振動子の共振周波数の変化を検出して、当該電極に付着した液滴の重量を測定する。これにより、検出手段の構成を簡単かつ低コストの構成とすることができる。また、圧電振動子の共振周波数の変化を検出して、当該電極に付着した液滴の重量を測定しているので、高精度に液滴の重量を測定することができる。この結果、簡単な構成で高精度に吐出ヘッドから吐出される液滴の重量を測定することが可能な液滴吐出装置を提供することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記発振手段は、前記電極に振動電圧を印加する場合に、周波数掃引し、前記液滴重量測定手段は、前記圧電振動子のインピーダンス変化を検出して当該圧電振動子の共振周波数を検出することが望ましい。これにより、広範な周波数に対応でき、共振周波数が大きく変化した場合でも、高精度に共振周波数を測定することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記共振周波数は、直列共振周波数であることが望ましい。これにより、負荷(例えば電極)が大きい場合でも、高精度に共振周波数を測定することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記液滴重量測定手段で測定された液滴の重量を表示する表示手段を備えたことが望ましい。これにより、操作者に測定した液滴の重量を報知することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記吐出ヘッド制御手段は、前記液滴重量測定手段で測定された液滴の重量に基づいて、前記吐出ヘッドに印加する駆動信号の駆動波形を変更することが望ましい。これにより、測定した液滴の重量が目標値より小さい場合には、液滴の吐出量を増やすように駆動波形を変更し、他方、測定した液滴の重量が目標値より大きい場合には、液滴の吐出量を減らすように駆動波形を変更して、吐出ヘッドから吐出させる液滴の量を高精度に制御することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記吐出ヘッド制御手段は、異なる複数の算出用駆動電圧を前記吐出ヘッドに印加した場合の前記検出手段および前記重量測定手段による液滴の重量の測定結果に基づいて、前記異なる複数の算出用駆動電圧と液滴の重量の測定結果の関係を算出し、当該関係と予め設定された液滴の重量目標値との比較結果から前記重量目標値の液滴を吐出するための目標駆動電圧を算出することが望ましい。
これにより、吐出ヘッドに対する印加電圧と吐出ヘッドから吐出される液滴量との関係とその関係に基づいて所望の液滴量を得るための目標駆動電圧を自動的に算出するようにしたので最適液滴量を精度良く円滑に導き出すことができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記吐出ヘッド制御手段は、前記液滴重量測定手段で測定された液滴の重量に基づいて、前記吐出ヘッドの吐出ノズルの詰まりまたはインクのエンドを検出することが望ましい。測定された液滴の重量が所定値以下の場合には、吐出ヘッドの吐出ノズルの詰まりまたはインクのエンドの可能性が高い。このため、測定した液滴の重量に基づいて、吐出ヘッドの吐出ノズルの詰まりまたはインクのエンドを検出することにより、操作者に吐出ヘッドの吐出ノズルの詰まりまたはインクのエンドを報知することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記検出手段を回動させる回動機構を有し、前記回動機構は、前記検出手段をその一方の電極が前記吐出ヘッドに対向する第1位置と、その他方の電極が前記吐出ヘッドに対向する第2位置とに配置させることが望ましい。これにより、検出手段の両電極で液滴の重量を測定することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記吐出ヘッドおよび前記検出手段を複数設けることが望ましい。これにより、複数の吐出ヘッドの液滴の重量を各検出手段で同時に測定することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記液滴が付着した前記検出手段を洗浄する洗浄手段を備えたことが望ましい。これにより、自動的に検出手段の電極に付着した液滴を洗浄することができる。この結果、液滴重量の測定後に液滴が付着した検出手段を操作者が清掃する必要がなくなる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記洗浄手段で前記検出手段を洗浄後に、当該検出手段を乾燥させる乾燥手段を備えたことが望ましい。これにより、検出手段を洗浄後に直ちに乾燥させることができる。この結果、次の液滴重量の測定を直ちに行うことが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記液滴吐出装置は、配線、カラーフィルタ、配向膜、マイクロレンズアレイ、エレクトロルミネセンス材料、および生体物質のうちのいずれか1つのパターン形成を用途とすることが望ましい。これにより、本発明の液滴吐出装置を使用して、配線、カラーフィルタ、配向膜、マイクロレンズアレイ、エレクトロルミネセンス材料、および生体物質のうちのいずれか1つのパターン形成を行うことが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、電気光学装置は、本発明の液滴吐出装置を使用して製造されることが望ましい。これにより、液滴の吐出量を高精度に制御可能な液滴吐出装置で製造された電気光学装置を提供することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、電子機器は、本発明の電気光学装置を搭載することが望ましい。これにより、液滴の吐出量を高精度に制御可能な液滴吐出装置で製造された電気光学装置を搭載した電子機器を提供することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記液滴吐出装置は、インクジェットプリンタであることが望ましい。これにより、本発明の液滴吐出装置をインクジェットプリンタとして使用することが可能となる。
以下に、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
本発明の実施例1に係る液滴吐出装置を、[液滴吐出装置の全体構成]、[吐出ヘッド]、[QCMセンサ]、[液滴重量の測定原理]、[液滴重量の測定フロー]の順に説明する。
[液滴吐出装置の全体構成]
図1は、本発明の実施例1に係る液滴吐出装置100の全体の概略構成を示す図である。実施例1の液滴吐出装置100は、QCM(Quartz-Crystal Microbalance)と呼ばれるセンサを搭載した構成となっている。本実施例の液滴吐出装置100は、主として、制御部101と、ヘッドキャリッジ102と、吐出ヘッド103R,103G,103Bと、インクタンク104R、104G、104Bと、ステージ105と、QCMセンサ106と、計測部107と、表示部108とを備えて構成されている。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM、RAMなどからなり、液滴吐出装置100全体を制御する。具体的には、制御部101は、ステージ105上に載置された基板等の対象物Wに吐出ヘッド103R、G、Bで描画する動作の制御や、吐出ヘッド103R、G、Bから吐出される液滴の重量を測定する動作の制御を行う。ヘッドキャリッジ102は、制御部101の制御に従って、吐出ヘッド103R、103G、103Bを副走査方向(X軸方向)に搬送する。吐出ヘッド103R、103G、103Bは、ヘッドキャリッジ102に担持されてヘッドキャリッジ102とともに移動し、制御部101から入力される駆動信号に応じて、その吐出ノズルから液滴を吐出する。
インクタンク104R、104G、104Bは、R,G,Bのインクが充填されており、吐出ヘッド103R、103G、103BにR,G,Bのインクをそれぞれ供給する。ステージ105は、基板等の描画対象物Wが載置され、制御部101の制御に従って不図示の駆動機構により主走査方向(Y軸方向)に搬送する。QCMセンサ106は、圧電振動子である水晶振動子からなり、水晶110と当該水晶110の両面に形成された電極110a、110bとで構成されている。このQCMセンサ106は、吐出ヘッド103R、103G、103Bから吐出される液滴の重量を測定する場合に使用される。また、QCMセンサ106は着脱可能に設けられており、QCMセンサ106は取り外して清掃が可能になっている。計測部107は、QCMセンサ106の電極110bに液滴の付着前と付着後の水晶110の共振周波数の変化を検出して、電極110bに付着した液滴の重量を測定し、測定結果を制御部101に出力する。表示部108は、例えば、LCDモニターからなり、制御部101の制御に従って、液滴の重量の測定結果等を表示する。
[吐出ヘッド]
図2は、図1の吐出ヘッド103Rの詳細な構成を示す図である。吐出ヘッド103Rは、図2に示す如く、圧力室121と、ピエゾ素子122と、吐出ノズル123とを備えて構成されている。圧力室121は、インクタンク104R内と連通し、インクタンク103Rから供給された赤色インクを一時的に貯える。ピエゾ素子122は、周知のように電圧を印加すると、結晶構造が歪んで極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。ピエゾ素子122は、制御部101から供給される駆動信号に応じて、圧力室121の内面を変形させ、圧力室121内の赤色インクを増減圧する。吐出ヘッド103Rにおいては、このピエゾ素子122による赤色インクの増減圧に応じて、吐出ノズル123から赤色インクを液滴IPとして吐出する。
吐出ヘッド103Gは、吐出ヘッド103Rと同様な構成をしており、制御部101から供給される駆動信号に応じて、インクタンク104Gから供給を受けた緑色インクを液滴として吐出する。同様に吐出ヘッド103Bも、制御部101から供給される駆動信号に応じて、インクタンク104Bから供給を受けた青色インクを液滴として吐出する。この実施形態においては、説明の便宜上、赤色インク、緑色インクおよび青色インクは、それらの液体としての性質(例えば温度に応じた粘度特性など)が略同一に揃えられており、同一条件下では、同様な流体的挙動を示すものとする。したがって、仮に液滴吐出にかかる条件が全く同一であれば、いずれのインクを用いた場合であっても、同量の液滴にて吐出される。なお、以降の説明においては、吐出ヘッド103R、103G、103Bの各々を特に区別する必要のない場合には、吐出ヘッド103と記載し、同様に、インクタンク104R、104G、104Bの各々を特に区別する必要のない場合には、インクタンク104と記載する。
図3は、ピエゾ素子122に印加する駆動信号の駆動波形を制御することで、吐出する液滴IPの大きさを変更する原理を説明するための図である。同図において、横軸は時刻、縦軸は駆動電圧を示している。同図において、時刻「0」から時刻「T1」までの期間においては、ピエゾ素子122に供給される駆動信号は一定値「VM」をとり、この際、ピエゾ素子122は変形しない。続く、時刻「T1」から時刻「T2」まで期間において、駆動信号は、「VM」から「VH」まで上昇する。これを受けてピエゾ素子122は、圧力室121内のインクが減圧されるように変形し、インクタンク104から圧力室121にインクが流入する。
次に、時刻「T2」から時刻「T3」までの間に、駆動信号は、一定値「VH」をとり、続く、時刻「T3」から時刻「T4」まで間において、駆動信号は、「VH」から「VL」まで下降する。この駆動信号の下降により、ピエゾ素子122は、圧力室121内のインクが増圧するように変形し、圧力室121内の赤色インクが吐出ノズル123から連なった状態で吐出する。なお、以降の説明においては、時刻「T3」から時刻「T4」まで期間を、電圧下降期間ΔTと称し、当該電圧下降期間ΔTにおいて下降する電圧の量「VH−VL」を、電圧下降量ΔVと称することとする。
次いで、時刻「T4」から時刻「T5」までの間に、駆動信号は、一定値「VL」をとり、続く、時刻「T5」から時刻「T6」まで間において、駆動信号は、「VL」から「VM」まで上昇する。この駆動信号の上昇により、ピエゾ素子122は、圧力室内のインクの圧力が減少するように変形し、上述した電圧下降期間ΔTに一旦吐出されたインクが引き戻され、その一部が液滴IPとして吐出する。
ここで、説明の便宜上、駆動波形における電圧下降期間ΔTあるいは電圧下降量ΔVを調整して、液滴量を変更する技術について説明する。まず、電圧下降期間ΔTを短くすると、溶液の増圧にかかる期間が短縮されて、電圧下降時間ΔT内に吐出ノズル123から吐出するインクの勢いが増し、液滴量を増大することができる。逆に、電圧下降期間ΔTを長くすると、吐出ノズル123から吐出するインクの勢いが低下し、液滴量を減少させることができる。
一方、電圧下降量ΔVを大きくすると、インクの増圧量が増大されて、電圧下降時間ΔT内に吐出ノズル123から吐出するインクの量が増し、液滴量を増大させることができる。逆に、電圧下降量ΔVを小さくすると、吐出ノズル123から吐出するインク量が減少し、液滴量を減少させることができる。これらの技術は、例えば吐出ノズル径などの吐出ヘッド103の機械的構成を変更することなく、液滴量を任意に変更させることができるため、1つの吐出ノズル123から複数の量の液滴を選択的に吐出させる場合などに広く用いられている技術である。
[QCMセンサ]
図4は、図1のQCMセンサ106の構成を示す平面図である。水晶110は、略正方形状を呈し、その両面に、一対の電極110a、110bが略対向した状態で取り付けられている。一対の電極110a、110bは、AuやPtの金属で構成することができる。また、絶縁体131は、導電性を有する支持体133a、133bによって、水晶110を振動自在に保持する。支持体133aは、電極110aと導通すると共に、絶縁体131に固定された端子132aと導通している。同様に、支持体133bは、電極110bと導通すると共に、絶縁体131に固定された端子132bと導通している。また、同図において、PEは電極110bの略中央位置を示している。
図5は、水晶110の等価回路を示している。水晶110は、電気的には、図5に示すように、抵抗R1と、コンデンサC1およびCoと、コイルL1とで構成される電気回路と等価である。ここで、並列容量であるCoは、水晶110の両面に設けられた電極110a、110bによって生成される容量成分である等価電極容量である。水晶110は電気的な固有周波数を有しており、水晶110の両側に設けた電極110a、110bを電源に接続すると、回路は固有周波数で発振を開始し、水晶110も発振周波数と同じ周波数で振動する。発振する周波数は、主に、結晶の成長軸に対して水晶110を切り出した角度と、水晶110の厚さとによって定まり、また、水晶110の振動形態は薄板を切り出した角度によって決定される。QCMでは、通常、ATカットと呼ばれる所定の角度で切り出された水晶110が用いられており、ATカットされた水晶110の振動形態は、厚みすべり振動、すなわち水晶110の表面と裏面とが、水晶110の厚み方向と直角方向に、互いにずれるように振動する形態となる。
水晶110は、自身に作用する外力が一定であれば、一定の共振周波数にて振動するが、電極110bに液滴が付着して外力が変化すると、その変化量に応じて共振周波数が変化するという特性を有している。換言すると、電極110bに液滴が付着すると、水晶110は、その液滴の重量および粘度に応じた共振周波数にて振動するという特性を有している。また、水晶110は、電極110bに液体が付着すると、付着した液体の粘度に応じて、その共振抵抗値が変化するという特性を有している。後述するように、計測部107は、これらの水晶110の特性を利用して、液滴の重量および粘度を算出する。
[液滴重量の測定原理]
図6は、図1の計測部107の概念図を示している。本実施例の計測部107は外部発振方式を使用している。図6において、計測部107では、水晶110の一方の電極110aに、発振器150で(振動電圧発振部111に対応)振動電圧Vinを印加して水晶110を励起する。RF電圧計151(測定部112に対応)は、励起された水晶110の他方の電極110bから流れる電流Iq=(Vq/RL)を測定する。これにより、印加した振動電圧と水晶110を流れる電流の関係からその周波数に対する水晶110の電気的なインピーダンスを求めることができる。インピーダンスは、共振周波数付近で大きく変化する。そこで、計測部107では、印加する振動電圧の周波数を掃引しながらインピーダンスを測定し、そのインピーダンスが最小となる周波数を求める。この周波数が直列共振周波数(fs)であり、このときの抵抗成分が共振抵抗となる。
図7は、水晶110の共振周波数を測定する場合に使用される帰還型の自励式発振方式(従来方式)の概念図を示している。本実施例の外部発振方式を、図7に示す帰還型の自励式発振方式と比較して説明する。図7において、帰還型の自励式発振方式では、水晶110を含む発振回路を共振状態としておき、電極に液滴が付着したことによって変化する共振周波数を周波数カウンタ160で計測する。そして、測定した共振周波数に基づいて、水晶振動子の電極面に付着した物質の重量を測定する。しかしながら、上述したように、水晶110の共振周波数は付着した物質の粘弾性によっても変化する。このため、粘弾性的な特性を併せ持った物質が付着した場合、どちらかの影響によって変化したのか判別することができない。他方、共振抵抗は、主に粘弾性に比例することが知られている。本実施例の計測部107では、共振周波数と共振抵抗の両者を測定して、その変化が重量に起因するものか、粘弾性に起因するものかを判別している。
図8は、水晶110のアドミッタンス線図を示している。上記図5の等価回路で表される水晶振動子のインピーダンスについて、周波数特性を測定し、これをX軸にG(コンダクタンス)、Y軸にB(サセプタンス)成分を取ったインピーダンス平面上にプロットしたものである。同図に示すように、等価電極容量Coの影響によって、曲線は、全体がB軸上をωCo分ずれてしまう。帰還型の自励式発振方式の共振点は、位相ずれが「0」になる点、すなわち、B成分が「0」になる点であるので、同図でfrで示している。Coのために共振点は、本来の水晶振動子の共振点であるfs(直列共振周波数)からfr(一般的に共振周波数と言う場合はfrを言う)にずれてしまう。
ここで、重量と周波数の比例関係はあくまでもfsについて成立する。したがって、frを基準とした帰還型の自励式発振方式では、重量と周波数の関係に誤差が生じる。具体的には、同図の(a)に示すように、負荷が小さくGが大きいうちは(共振抵抗Rが小さいうち)は、円の半径が大きいためfsとfrの値にはあまり差がない。これに対して、同図の(b)に示すように、負荷が増えてGが極端に小さく(Rが大きく)なると、両者はずれで大きくなる。このため、frを共振周波数として測定する帰還型の自励式発振方式では、負荷が増えるにしたがって直線性が悪化する。これに対して、本実施例のような外部発振方式でfsを測定する方式では、このような直線性の劣化は生じない。
さらに、負荷が増えて、同図の(c)のようになると、fr点が消えてしまうため、従来の帰還型の自励発振方式では発振することができなくなる。これに対して、本実施例の外部発振方式では、fsを測定するため等価電極容量Coの影響がない。したがって、この場合でも共振点を見つけ出すことが可能となる。すなわち、本実施例の外部発振方式では、帰還型の自励発振方式に比して、重負荷での測定が可能となる。また、帰還型の自励発振方式では、発振の安定と精度の両方を得るためには使用する周波数に応じて発振回路をチューニングする必要がある。このため、同じ発振回路で広範な発振周波数に対応することが困難である。これに対して、本実施例の外部発振方式では、水晶110を振動させる振動電圧を外部で生成するため、広範な周波数に回路変更なしで対応可能である。
つぎに、図1の計測部107を詳細に説明する。振動電圧発振部111は、QCMセンサ106の一方の電極110aに振動電圧を印加して、水晶110を振動させる。その際、振動電圧の周波数を低周波数から高周波数へと少しずつ変更して周波数の掃引を行う。測定部112は、QCMセンサ106の他方の電極110bから流れる電流Iq=(Vq/RL)を測定し、印加した振動電圧と水晶110を流れる電流の関係からその周波数に対する水晶110の電気的なインピーダンスを算出する。そして、測定部112は、測定したインピーダンスが最小となる周波数(上述の直列共振周波数fs)を共振周波数値として算出し、このときのインピーダンスを共振抵抗値として算出する。測定部112は、算出した共振周波数値および共振抵抗値を演算部113に出力する。この場合、測定部112は、電極110bへの液滴の付着前における共振周波数fbeforeと、付着後における共振周波数fafterを演算部113に出力する。演算部113は、以下のようにして、測定部112から入力される共振周波数fbefore、fafterに基づいて、液滴の重量を算出し、また、測定部112から入力される共振抵抗に基づいて、液滴の粘度を算出する。
ここで、電極110bに付着した液滴の重量をImとし、液滴の付着前後における共振周波数の変化量Δfreqとすると、液滴の重量Imと、液滴の付着前後における共振周波数の変化量Δfreqの関係は、下式(1)のように表すことができる。
Figure 2005062150
また、共振抵抗値をRとし、電極110bに付着した液滴の粘度をηとすると、これらの関係は、下式(2)で表すことができる。
Figure 2005062150
演算部113は、測定部112から供給される電極110bへの液滴の付着前における共振周波数fbefore、付着後における共振周波数fafterからその変化量Δfreq=fbefore−fafterを算出した後、変化量Δfreqを上記式(1)に代入して、液滴の重量Imを算出する。また、演算部113は、測定部112から入力される電極110bに液滴の付着後の共振抵抗値Rを、上記式(2)に代入して、液滴の粘度ηを算出する。演算部113は、算出した液滴の粘度ηおよび重量Imを制御部101に出力する。なお、このように、液滴の重量Imは、共振周波数のみで算出することができるが、共振周波数に加えて共振抵抗の値も利用することでより精度良く算出することができる。
[液滴重量の測定フロー]
図9は、図1の液滴吐出装置100の液滴重量の測定フローを示す図である。なお、吐出ヘッド103は、QCMセンサ106上になく待機位置にあるものとする。図9において、まず、計測部107では、振動電圧発振部111は、QCMセンサ106の電極110aに振動電圧を周波数掃引しながら印加する(ステップS1)。測定部112は、QCMセンサ106の電極110bに流れる電流を検出してインピーダンスの変化を検出し、QCMセンサ106の電極110aに液滴の付着前の共振周波数fbeforeを算出して、演算部113に出力する(ステップS2)。なお、電極110aに液滴の付着前の共振周波数fbeforeは、毎回測定しないで予め演算部113に記憶しておくことにしても良い。
つぎに、制御部101は、吐出ヘッド103から吐出された液滴が、水晶110の電極110bの略中央位置(図4の地点PE参照)に付着するような位置まで、ヘッドキャリッジ102により吐出ヘッド103を搬送する(ステップS3)。ここで、電極110bの略中央位置としているのは、電極110bの略中央位置に液滴を付着させた場合、検出精度が向上するためである。
続いて、制御部101は、標準駆動波形に従って、吐出ヘッド103に含まれるピエゾ素子122に駆動信号を供給して、吐出ヘッド103から電極110bのPEに向けて液滴を吐出させる(ステップS4)。この後、制御部101は、ヘッドキャリッジ102により吐出ヘッド103を待機位置まで搬送する(ステップS5)。ここで、吐出ヘッド103を待機位置まで搬送しているのは、吐出ヘッド103がQCMセンサ106の上方にある場合には、吐出ヘッド103の浮遊容量や吐出ヘッド103による温度変化等の外乱によりQCMセンサ106の出力が不安定になるからである。
この後、計測部107では、振動電圧発振部111は、QCMセンサ106の電極110aに振動電圧を周波数掃引しながら印加する(ステップS6)。測定部112は、QCMセンサ106の電極110bに流れる電流を検出してインピーダンスの変化を検出し、QCMセンサ106の電極110bに液滴の付着後の共振周波数fafterと、そのときの共振抵抗Rを算出して、演算部113に出力する(ステップS7)。
演算部113は、共振周波数fbefore、fafterに基づいて、共振周波数の変化量Δfreq=fbefore−fafterを算出し、算出したΔfreqを上述した式(1)を用いて液滴の重量Imを算出する(ステップS8)。また、演算部107は、共振抵抗Rに基づいて、上述した式(2)を用いて液滴の粘度η算出する。演算部107は、算出した液滴の重量Imおよび粘度ηを制御部101に出力する。制御部101は、算出された液滴の重量Imおよび液滴の粘度ηを表示部108に表示する(ステップS9)。また、制御部101は、算出した液滴の重量Imが所定値以下であるか否かを判断する(ステップS10)。この判断の結果、算出した液滴の重量Imが所定値以下である場合には、制御部101は、吐出ヘッド103の吐出ノズル詰まりまたはインクのエンドの可能性があると判断して、”吐出ノズル詰まりまたはインクのエンド”の可能性がある旨を表示部108に表示する(ステップS11)。制御部101は、以上のようにして測定した標準駆動波形の駆動信号で形成された液滴の重量Imに基づいて、吐出ヘッド103で描画対象物Wに描画を行う場合に、吐出ヘッド103に印加する駆動信号の駆動波形を変更する。測定終了後には、操作者はQCMセンサ106を取り外して、電極110bに付着した液滴を清掃して次の測定に備える。
実施例1の液滴吐出装置100によれば、水晶110と、当該水晶110の両面に形成された電極110a、110bとでQCMセンサ106を構成し、電極110aに振動電圧発振部111から振動電圧を印加して水晶110を振動させ、測定部112および演算部113は、吐出ヘッド103から吐出される液滴が電極110bに付着する前後での水晶110の共振周波数の変化を検出して、当該電極110bに付着した液滴の重量を測定する。これにより、検出部を簡単な構成で構成でき、高精度に吐出ヘッドから吐出される液滴の重量を測定することが可能となる。付言すると、ヒータ等を設ける必要がなく、温度制御等は不要である。
また振動電圧発振部111は、電極110aに振動電圧を印加する場合に、周波数掃引し、測定部112は、水晶110のインピーダンス変化を検出してその共振周波数を検出することとしたので、広範な周波数に対応でき、共振周波数が大きく変化した場合でも、高精度に共振周波数を測定することが可能となる。また、液滴の重量を測定する場合に使用する共振周波数として、直列共振周波数(fs)を使用することとしたので、負荷(例えば電極)が大きい場合でも、高精度に共振周波数を測定することが可能となる。また、測定された液滴の重量を表示部108に表示することとしたので、操作者に測定した液滴の重量を報知することが可能となる。
また、制御部101は、測定された液滴の重量に基づいて、吐出ヘッド103に印加する駆動信号の駆動波形を変更する。これにより、測定した液滴の重量が目標値より小さい場合には、液滴の吐出量を増やすように駆動波形を変更し、他方、測定した液滴の重量が目標値より大きい場合には、液滴の吐出量を減らすように駆動波形を変更して、吐出ヘッド103から吐出させる液滴の量を高精度に制御することが可能となる。また、制御部101は、測定された液滴の重量が所定値以下の場合には、吐出ヘッド103の吐出ノズルの詰まりまたはインクタンク104のインクエンドである旨を表示部108に表示することとしたので、操作者に吐出ヘッド103の吐出ノズル123の詰まりまたはインクタンク104のインクのエンドを報知することが可能となる。
実施例2に係る液滴吐出装置100を図10〜図13を参照して説明する。実施例2に係る液滴吐出装置の本体構成は図1に示す実施例1の液滴吐出装置100と同様であるのでその説明は省略する。実施例2に係る液滴吐出装置100では、吐出ヘッドに印加する印加電圧を変更し、その印加電圧と吐出ヘッドから吐出される液滴量との関係に基づいて、所望の液滴量を得るための目標駆動電圧を算出する。
実施例2に係る液滴吐出装置100では、制御部101は、吐出ヘッド103から吐出される液滴の材料特性、吐出ヘッド103の吐出特性に関する情報、液滴に含まれる液体成分(溶媒成分)の単位時間あたりの揮発量に関する情報等をROMに記憶している。
次に、実施例2に係る液滴吐出装置100の駆動方法を図10〜図13を参照して説明する。図10は、実施例2に係る液滴吐出装置100の駆動方法を説明するためのフローチャート、図11は、表示部108に表示される駆動電圧設定画面の一例を示す図、図12は、印加電圧と1滴あたりの液滴の重量との関係を示す図、図13は、駆動電圧を設定するための処理を説明するための図である。
実施例2に係る液滴吐出装置100の駆動方法は、図10に示すように、デバイスを製造するための最適液滴量を得るための駆動電圧の設定に関する処理を行う工程と、設定した駆動電圧で吐出ヘッド103を駆動してデバイスを製造するデバイス製造工程とを有する。また、駆動電圧の設定に関する処理工程は、制御部101より吐出ヘッド103に対して互いに異なる少なくとも2値の算出用電圧V1、V2を設定して印加する工程と、2値の算出用電圧V1、V2に基づき吐出された液滴のそれぞれの重量をQCMセンサ106および計測部107で測定する測定工程と、計測部107の測定結果に基づいて、吐出ヘッド103に対して印加する電圧と吐出ヘッド103から吐出される液滴の重量との関係を算出する算出工程と、算出工程で求めた関係に基づいて予め設定された液滴の重量の目標値に対応する駆動電圧VHを設定する設定工程とを有している。
液滴の重量の測定方法は、実施例1と同様であるのでその詳細な説明は省略する。以下に説明する駆動電圧の設定に関する処理は制御部101の制御のもとで自動的に行われ、この処理に関する情報は図11に示すように表示部108に出力される。なお、以下の説明における「液滴量」とは「1滴あたりの液滴の重量」である。
まず、作業者が表示部108を参照し、不図示の入力手段を介して表示部108の入力位置Aに目標液滴量を入力する。位置Aには目標液滴量が表示される。そして、制御部101のもとで処理の自動実行が開始される(ステップS30)。
まず、制御部101は、M=1を設定した後(ステップS31)、吐出ヘッド103に対する算出用駆動電圧V1を設定し(ステップS32)、吐出ヘッド103に駆動電圧を印加する(ステップS33)。このときの吐出ヘッド103の吐出周波数および吐出回数は制御部101により自動設定される。そして、制御部101はこの算出用電圧V1に基づき吐出された液滴の重量をQCMセンサ106および計測部107で測定する(ステップS34)。制御部101はM=M+1とし(ステップS35)、M=2であるか否かを判別する(ステップS36)。
制御部101は、M=2であると判断した場合には、前記算出用電圧V1とは異なる値の算出用電圧V2を設定し(ステップS37)、吐出ヘッド103に対して印加し(ステップS33)、このとき吐出された液滴の重量をQCMセンサ106および計測部107で測定する(ステップS34)。ここで、算出用電圧V1、V2のそれぞれに基づく吐出動作の際の吐出周波数および吐出回数は同じ値である。具体的には、制御部101は、ROMに記憶されている液滴の材料特性および吐出ヘッド103の吐出特性に関する情報に基づいて、算出用電圧V1、V2の値を設定する。
すなわち、吐出ヘッドに対する印加電圧と吐出される液滴量とはほぼ比例関係にあるが、図12の模式図に示すように、印加する電圧値が低すぎたり高すぎたりする電圧の範囲(不適正範囲)では比例関係にならない。例えば低すぎる場合は液滴が所望量吐出されず、高すぎる場合は液滴量が飽和するとともに吐出ヘッド103の破損を招く。一方、この不適正範囲以外の適正範囲ではほぼ比例関係となる。そして、この適正範囲は、液滴の材料特性(用いられる材料や液滴の粘度など)や、吐出ヘッドの吐出特性(圧電体素子の特性やキャビティの容量など)に応じて変化する。上述したように、制御部101のROMには、この液滴の材料特性および吐出ヘッドの吐出特性に応じた電圧の適正範囲に関する情報が予め記憶されている。この情報は予め実験を行うことにより求めることができる。制御部101は、ROMに記憶されている前記情報に基づいて、印加する算出用電圧V1、V2が前記適正範囲内となるように設定する。これにより、算出工程における算出処理を正確且つ効率良く行うことができる。
なお、ここでは、算出用電圧V1、V2の設定は制御部101により自動的に設定する構成であるが、作業者が設定してもよい。ここで、作業者は表示部108の表示上、例えば入力位置B、Cに入力できる。表示部108(制御部101)は外部からの入力手段90による入力を位置B、Cを介して受け付ける。そして、表示部108にはこの算出用電圧V1、V2が表示される。同様に、吐出ヘッド103で吐出する際の吐出周波数および吐出回数も、作業者は表示部108の表示上、例えば入力位置D、Eに入力できる。
ここで、吐出ヘッド103は液滴を吐出する吐出ノズル123を複数備えている。制御部101は、複数の吐出ノズル123のうちパターンを形成するために使用する吐出ノズルを指定し、この指定した吐出ノズル123に対して選択的に処理を実行することができる。例えば、本実施例では、制御部101は、吐出ノズル123を全て使用するか、あるいは、印字パターンで使用する吐出ノズル123のみを使用するかを指定し、吐出動作を行う。なお、使用する吐出ノズル123の指定は、作業者により行われてもよい。作業者は表示部108の表示上、例えば入力位置Fで液滴の重量測定を行う際に使用する吐出ノズルの数および組み合わせを選択入力することができる。
制御部101は、計測部107の測定結果および吐出回数に基づいて、算出用電圧V1、V2に対応する液滴量(1滴あたりの液滴の重量)の平均値を算出する。制御部101は、表示部108に、算出用電圧V1、V2、およびこれに対応する液滴量をプロットする(図11中、符号G、H参照)。また、表示部108の位置Q、Rには、算出用電圧V1、V2に対応する液滴量が数値として表示される。そして、制御部101は、算出用電圧V1、V2に基づき吐出された液滴量の測定結果に基づいて、吐出ヘッド103に対する印加電圧と吐出ヘッド103から吐出される液滴量との関係を算出する。具体的には、制御部101は、2つの測定値に基づいて比例計算し、印加電圧と液滴量との関係を求め、図11に示すように表示部108にラインLとして表示する。
次いで、制御部101は、予め設定された液滴の重量の目標値(目標液滴量)と、求めた前記関係とに基づいて、目標液滴量に対応する駆動電圧VHを求める(ステップ3S8)。表示部108には、この設定した駆動電圧VHに関する情報が、例えば位置Jおよび位置Sに表示される。
なお、ここでは、算出工程や設定工程は制御部101のもとで自動的に行われる構成であるが、例えば、表示部108の表示上、「実行」ポインタ(符号K参照)を介して作業者が算出工程および設定工程の実行指令を入力する構成でもよい。また、表示部108の表示上、「中断」ポインタ(符号M参照)を介して処理の中断指令を作業者が入力することもできる。
制御部101は、駆動電圧VHを設定し(ステップS39)、設定した駆動電圧VHを吐出ヘッド103に印加し(ステップS40)、液滴を吐出する。そして、制御部101はこのときの液滴量をQCMセンサ106および計測部107で測定する(ステップS41)。表示部108には、駆動電圧VHに基づき吐出された液滴量の測定値が位置Tに表示されるとともに、駆動電圧VHに基づく液滴量がプロットされる(符号N参照)。
制御部101は、ステップS41での液滴量の測定値と目標値(目標液滴量)とを比較し、測定値と目標値との差を求める。そして、制御部101は、求めた差が予め設定されている許容範囲内であるか否かを判別する(ステップS42)。なお、このときの測定値と目標値との差の情報は、表示部108上にメッセージボックス(符号Z参照)として表示される。ステップS42において、測定値と目標値との差が許容範囲内であると判断した場合、すなわち、駆動電圧VHのもとで吐出した液滴量が目標液滴量と一致(もしくはほぼ一致)したと判断した場合には、制御部101は、前記求めた駆動電圧VHのもとでデバイスを製造するための吐出動作を行い(ステップS43)、処理を終了する(ステップS44)。
一方、ステップS42において、測定値と目標値との差が許容範囲外であると判断した場合、すなわち、駆動電圧VHのもとで吐出した液適量が目標液滴量と大きく異なっていると判断した場合には、制御部101は駆動電圧と液滴量との関係の補正のため、直前の駆動電圧とその液滴量との情報に基づいて、目標液滴量に対応する駆動電圧VHを再度算出する(ステップS38)。具体的には、制御部101は、算出用電圧V1、V2および駆動電圧VHとこれに対応する液滴量とに基づいて前記関係Lを補正する。すなわち、図13に示すように、駆動電圧VHに基づき吐出した液滴量の測定値Nの目標値Nrに対する誤差が大きい場合、制御部101は、電圧V1、V2、およびVHとこれに対応する液滴量の測定値とに基づいて、すなわち、3つの測定点G、N、Hに基づいて、これら3つの測定点G、N、Hを近似的に通るライン(印加電圧と液滴量との関係)L’を算出する。このように、制御部101は、算出用電圧V1、V2および駆動電圧VHとこれに対応する液適量の測定値とに基づいて、ラインLを補正してラインL’を求める。そして、制御部101は、補正されたライン(関係)L’に基づいて、目標液滴量を得るための駆動電圧VHの再度求める。そして、制御部101は、駆動電圧VH’を再設定した後(ステップS39)、吐出ヘッド103に駆動電圧VH’を印加する(ステップS40)。そして、この駆動電圧VH’に基づき吐出動作を行い、このときの液滴量を測定する(ステップS41)。そして、このときの測定値N2と目標値Nrとの差が許容範囲内となるまで制御部101は処理を繰り返す。なお、再設定した駆動電圧VH’および液滴量に基づいて、表示部108は位置T、Sの表示を更新する。
ところで、制御部101は、図10を用いて説明した一連の処理(ステップS30〜S44)を定期的に自動的に実行することができる。これにより、液体材料の特性(例えば粘度など)が経時変化するような場合でも、最適液適量を得るための駆動電圧の設定に関する処理を定期的に自動的に行うことで、常に最適液適量で液滴を吐出することができる。同様に、制御部101は、吐出する液滴の材料変更時に前記処理を実行することによっても常に最適液適量で液滴を吐出することができる。更に、制御部101は、デバイスを製造するためのパターンが変更される毎に処理を実行することができる。すなわち、形成するパターンが変更されると使用する吐出ノズルの数および組み合わせも変更されるが、この場合、吐出ノズルのそれぞれに対応して設けられている複数の圧電体素子の振動の相互作用により、吐出ノズルから吐出される液滴量がパターンが変更する毎に僅かに変化する場合がある。したがって、基板P上に形成するパターンを変更する毎に、最適液滴量を得るための駆動電圧の設定に関する処理を自動的に行うことにより、パターンが変更しても常に最適液適量で液滴を吐出することができる。また、制御部101は、温度や湿度などの環境条件が変化する毎においても一連の処理を自動的に実行する。すなわち、制御部101は、上述したような、印加電圧と液適量との関係が変化する条件となったら処理を実行する。
ところで、液体材料は機能材料(固体成分)と溶媒成分(液体成分)とを含んで構成されているのが一般であり、そのため、液体材料からは溶媒成分が揮発する。ここで、計測部107での測定処理が時間を要する場合、揮発した溶媒成分により測定値に誤差が生じる場合がある。そこで、制御部101は、吐出ヘッド103から吐出された液滴に含まれる溶媒成分の単位時間当たりの揮発量に関する情報をROMに予め記憶させておき、制御部101は、揮発量に関する情報に基づいて測定値を補正することにより、測定値の誤差をキャンセルできる。なお、インクタンク104の重量を測定し、インクタンク104の減量分を吐出した液滴の重量としてもよい。
なお、上記実施形態では算出用電圧はV1およびV2の2値であるが3値以上の複数であっても構わない。3値以上の複数の算出用電圧をもとに算出動作を行う構成は、印加電圧と液滴量とが比例関係にならない特性を有する吐出ヘッドの印加電圧と液滴量との関係を求める場合、あるいは図12に示した適正範囲と不適正範囲との境界部といった変曲点近傍における前記関係を求める際に有効である。このように、液滴の材料特性や吐出ヘッドの特性に応じて、印加する算出用電圧の値の数(測定点数)を変更することができる。
以上説明したように、実施例2に係る液滴吐出装置によれば、制御部101は、吐出ヘッド103に対する印加電圧と吐出ヘッド103から吐出される液滴量との関係を算出し、この関係に基づいて所望の液滴量を得るための目標駆動電圧を算出するようにしたので最適液滴量を精度良く円滑に導き出すことができる。
また、実施例2に係る液滴吐出装置100によれば、制御部101は、算出した目標駆動電圧を設定して吐出ヘッド103から吐出した液滴の液滴量の測定値が目標値に対して大きく異なる場合、算出動作を再実行することにより関係を求めなおし、最適液滴量を得るための駆動電圧値を再度算出することとしたので、より高精度に液滴吐出量を決定することができる。
図14は、本発明の実施例3に係る液滴吐出装置300の全体の概略構成を示す図である。図14において、図1と同等機能を有する部位には同一符号を付してある。実施例1の液滴吐出装置100では、QCMセンサ106の電極110bを吐出ヘッド103のノズル面に対向させて配置し、電極110bに液滴を滴下して、その重量を測定する構成である。これに対して、実施例3に係る液滴吐出装置300は、QCMセンサ106を回動させる回動機構301を設け、この回動機構301でQCMセンサ106を回動させて、QCMセンサ106の両電極110a、110bにそれぞれ液滴を滴下して液滴の重量の測定を可能とした構成である。図15は、QCMセンサ106と吐出ヘッド103の位置関係を示す模式図である。
図14において、回動機構301は、QCMセンサ106を支持しており、QCMセンサ106とともに回動する。回動機構301は、制御部101から入力される制御信号に応じて回動する。回動機構301は、制御部101の制御に従って、QCMセンサ106の電極110bが吐出ヘッド103の吐出ノズル面に対向する第1位置(図15−1参照)と、QCMセンサ106の電極110aが吐出ヘッド103のノズル面に対向する第2位置(図15−2参照)とを切り替える。液滴の重量を測定する場合には、QCMセンサ106の電極110aと、電極110bとを使用して液滴の重量の測定を行う。これにより、実施例1においては、QCMセンサ106を液滴重量の測定を一回行うごとに清掃しなければならないが、実施例3の液滴吐出装置によれば、両面の電極110a、110bを使用して、2回分液滴重量の測定を行うことが可能となる。
図16は、本発明の実施例4に係る液滴吐出装置400の全体の概略構成を示す図である。図16において、図1と同等機能を有する部位には同一符号を付してある。実施例1の液滴吐出装置100では、QCMセンサを1つ設けた構成であるが、実施例4では、QCMセンサを複数設けた構成である。
図16において、実施例4の液滴吐出装置400は、複数のQCMセンサ106R,106G,106Bを有している。QCMセンサ106R,106G,106Bは、それぞれ、吐出ヘッド103R、103G、103Bの液滴の重量を測定するために使用される。
実施例4に係る液滴吐出装置400によれば、複数の吐出ヘッド103R、103G、103Bに対応させて複数のQCMセンサ106R,106G,106Bを有しているので、複数の吐出ヘッド103R、103G、103Bから吐出される液滴の重量を一度にパラレルに測定することが可能となる。
(変形例)
図17は、本発明の実施例3、4の変形例に係る液滴吐出装置を説明するための模式図である。変形例に係る液滴吐出装置は、回動機構401に4つのQCMセンサ106a、106b、106c、106dを取り付けた構成である。回動機構401は、制御部106の制御信号に応じて、QCMセンサ106a,b,c,dの電極110bの位置が、それぞれ吐出ヘッド103のノズル面に対向する位置に切り替える。これにより、4回分の液滴重量の測定が可能となる。
図18は、本発明の実施例5に係る液滴吐出装置500の全体の概略構成を示す図である。図18において、図1と同等機能を有する部位には同一符号を付してある。実施例1の液滴吐出装置100では、液滴重量の測定後に液滴が付着したQCMセンサ106を操作者が清掃しなければならない。これに対して、実施例5の液滴吐出装置500は、液滴が付着したQCMセンサ106を洗浄する洗浄機構と、洗浄後にQCMセンサ106を乾燥させる乾燥機構とを搭載してQCMセンサ106を自動で洗浄および乾燥させる構成である。
図18において、センサキャリッジ501は、制御部101の制御に従って、QCMセンサ106を主走査方向に搬送する。洗浄部502は、制御部101の制御に従って、QCMセンサ106に洗浄液を噴射してQCMセンサ106の電極110bの洗浄を行う。ここで、洗浄液としては、エタノール、イソプロピルアルコール、水等の溶媒を使用することができる。乾燥部503は、送風器等からなり、制御部101の制御に従って、洗浄部502で洗浄されたQCMセンサ106に送風して、QCMセンサ106を乾燥させる。
図19は、図18の液滴吐出装置200の液滴重量の測定フローを示す図である。図18において、図9と同一の処理を行うステップは、同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。図19において、ステップS21では、制御部101は、洗浄部502の下方位置まで、センサキャリッジ501によりQCMセンサ106を搬送する。続いて、制御部101は、洗浄部202に、QCMセンサ106の電極110bに向けて洗浄液を噴射させる(ステップS22)。そして、制御部101は、乾燥部503の下方位置まで、センサキャリッジ501によりQCMセンサ106を搬送する(ステップS23)。制御部101は、乾燥部503に、QCMセンサ106の電極110bに向けて送風させる(ステップS24)。この後、制御部101は、センサキャリッジ501によりQCMセンサ106を待機位置まで搬送する(ステップS25)。
以上説明したように、実施例5に係る液滴吐出装置500によれば、洗浄部502は、QCMセンサ106に洗浄液を噴射してQCMセンサ106の電極110bに付着した液滴を洗浄する構成であるので、自動的にQCMセンサ106の電極110bに付着した液滴を洗浄すること可能となる。この結果、液滴重量の測定後に液滴が付着したQCMセンサ106を操作者が清掃する必要がなくなる。また、乾燥部503は、洗浄部202で洗浄されたQCMセンサ106に送風してQCMセンサ106を乾燥させる構成であるので、QCMセンサ106を洗浄後に直ちに乾燥させることが可能となる。この結果、次の液滴重量の測定を直ちに行うことができる。
実施例1〜実施例5の液滴吐出装置は、工業用のインクジェット装置として使用することができ、例えば、配線、カラーフィルタ、液晶材料、配向膜、マイクロレンズアレイ、エレクトロルミネセンス材料、および生体物質等のパターン形成に使用することができる。
[電気光学装置への適用例]
上記の液滴吐出装置を液晶表示装置の製造に適用した場合について説明する。図20は、液晶表示装置1100の断面構造を表している。同図に示すように、液晶表示装置1100は、ガラス基板を主体として対向面に透明導電膜(ITO膜)1103および配向膜1104を形成した上基板1101および下基板1102と、この上下両基板1101、1102間に介設した多数のスペーサ1105と、上下両基板1101、1102間を封止するシール材1106と、上下両基板1101、1102間に充填した液晶1107とで構成されると共に、上基板1101の背面に位相基板1108および偏光板1109を積層し、且つ下基板1102の背面に偏光板1109およびバックライト1110を積層して構成されている。
通常の製造工程では、それぞれ透明導電膜1103のパターニングおよび配向膜1104の塗布を行って上基板1101および下基板1102を別々に作製した後、下基板1102にスペーサ1105およびシール材1106を作り込み、この状態で上基板1101を貼り合わせる。次いで、シール材1106の注入口から液晶1107を注入し、注入口を閉止する。その後、位相基板1108、両偏光板1109およびバックライト1110を積層する。
上記実施例の液滴吐出装置は、例えば、スペーサ1105の形成や、液晶1107の注入に利用することができる。具体的には、塗布液11として、セルギャップを構成するスペーサ材料(例えば、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂)や液晶を導入し、これらを所定の位置に均一に吐出(塗布)させていく。先ずシール材1106を環状に印刷した下基板1102を基板ステージ16にセットし、この下基板1102上にスペーサ材料を粗い間隔で吐出し、紫外線照射してスペーサ材料を凝固させる。次に、下基板1102のシール材1106の内側に、液晶1107を所定量だけ均一に吐出して注入する。その後、別途準備した上基板1101と、液晶を所定量塗布した下基板1102を真空中に導入して貼り合わせる。
このように、上基板1101と下基板1102とを貼り合わせる前に、液晶1107をセルの中に均一に塗布(充填)するようにしているため、液晶1107がセルの隅など細部に行き渡らない等の不具合を解消することができる。
なお、機能液(シール材用材料)として紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることで、上記のシール材1106の印刷をこの液滴吐出装置で行うことも可能である。同様に、機能液(配向膜材料)としてポリイミド樹脂を導入することで、配向膜1104を液滴吐出装置で作成することも可能である。
以上のように、本発明の液滴吐出装置を用いて液晶表示装置1100を製造する場合、上記した液滴吐出装置では、塗布液11を一定の温度に加熱して、その粘度を一定の低粘度とすることにより、塗布量を一定に制御できるので、高精度に液晶表示装置1100を製造することができる。
ところで、このように構成された液滴吐出装置は、上記の液晶表示装置1100の他、各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることが可能である。すなわち、有機EL装置、FED装置、PDP装置および電気泳動表示装置等の製造に適用することができる。
有機EL装置の製造に、上記した液滴吐出装置を応用した例を簡単に説明する。図21は、有機EL装置1200の断面構造を表している。有機EL装置1200は、図21に示すように、基板1202、回路素子部1203、画素電極1204、バンク部1205、発光素子1206、陰極1207(対向電極)、および封止用基板1208から構成された有機EL素子1201に、フレキシブル基板(図示省略)の配線および駆動IC(図示省略)を接続したものである。回路素子部1203は基板1202上に形成され、複数の画素電極1204が回路素子部1203上に整列している。そして、各画素電極1204間にはバンク部1205が格子状に形成されており、バンク部1205により生じた凹部開口1209に、発光素子1206が形成されている。陰極1207は、バンク部1205および発光素子1206の上部全面に形成され、陰極1207の上には、封止用基板1208が積層されている。
有機EL装置1200の製造工程では、予め回路素子部1203上および画素電極1204が形成されている基板1202上の所定の位置にバンク部1205が形成された後、発光素子1206を適切に形成するためのプラズマ処理が行われ、その後に発光素子1206および陰極1207(対向電極)を形成される。そして、封止用基板1208を陰極1207上に積層して封止して、有機EL素子1201を得た後、この有機EL素子1201の陰極1207をフレキシブル基板の配線に接続すると共に、駆動ICに回路素子部1203の配線を接続することにより、有機EL装置1200が製造される。
液滴吐出装置1は、発光素子1204の形成に用いられる。具体的には、吐出ヘッド103に発光素子材料(塗布液11)を導入し、バンク部1205が形成された基板1202の画素電極1204の位置に対応して、発光素子材料を吐出させ、これを乾燥させることで発光素子1206を形成する。なお、上記した画素電極1204や陰極1207の形成等においても、それぞれに対応する液体材料を用いることで、液滴吐出装置を利用して作成することも可能である。
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられ、上記液晶表示装置や有機ELエレクトロルミネッセンス装置の他、有機TFT装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動表示装置、電子放出表示装置(Field Emission DisplayおよびSurface-Conduction Electoron-Emitter Display等)、LED(ライトエミッティングダイオード)表示装置、エレクトロミック調光ガラス装置、電子ペーパー装置等に広く適用することができる。上記した液滴吐出装置を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、液滴の塗布量の一定制御等ができるので、製造コストの削減と高精度の成膜を行うことが可能となる。
[電子機器への適用例]
次に、本発明に係る電気光学装置を適用可能な電子機器の具体例について図22を参照して説明する。図22−1は、本発明に係る電気光学装置を可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)1300の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ1300は、キーボード1301を備えた本体部1302と、本発明に係る電気光学装置を適用した表示部1303とを備えている。図22−2は、本発明に係る電気光学装置を携帯電話機1400の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機1400は、複数の操作ボタン1401のほか、受話口1402、送話口1403とともに、本発明に係る電気光学装置を適用した表示部1404を備えている。
本発明に係る電気光学装置は、上述した携帯電話機やノートパソコン以外にも、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、およびPOS端末機などの電子機器に広く適用することができる。
図23は、本発明の実施例6に係る液滴吐出装置600の概略構成を示す図である。実施例6に係る液滴吐出装置600は、インクジェットプリンタとしたものである。実施例3に係る液滴吐出装置600は、用紙搬送路604の一部にQCMセンサ601が設けられており、また、キャリッジ602に吐出ヘッドが搭載されている。この吐出ヘッドから吐出される液滴(インク滴)の重量の測定原理は、実施例1と同様であるのでその説明は省略する。実施例6に係る液滴吐出装置600は、印刷用紙上でキャリッジ602を往復動させながら微細なインク滴を吐出することによって、印刷用紙上にインクドットを形成して画像を印刷するインクジェットプリンタである。
図23を参照して、液滴吐出装置600が用紙に画像を印刷する動作を簡単に説明する。キャリッジ602には、インク滴を吐出するための吐出ヘッドが内蔵されている。キャリッジ602の上面側に装着されたインクカートリッジ608は吐出ヘッドにインクを供給する。印刷用紙は紙送りローラ603によってキャリッジ602の下側の所定位置に搬送される。印刷用紙が所定位置にセットされると、キャリッジ602は印刷用紙上を往復動しながら吐出ヘッドからインク滴を吐出させる。キャリッジ602は、図示するように2本のガイドレール605に導かれ、駆動ベルト606を介してキャリッジモータ607によって駆動される。このように、キャリッジ602を往復動させる動作は主走査と呼ばれる。
キャリッジ602の主走査に同期させて紙送りローラ603を駆動し、印刷用紙を主走査方向と直角方向に少しずつ移動させる。このように、主走査方向と交差する方向に、吐出ヘッドと印刷用紙とを相対的に移動させる動作は副走査と呼ばれる。こうして、キャリッジ602を主走査させながら印刷用紙を副走査させ、これにあわせてインク滴を適切なタイミングで吐出することで印刷用紙上にインクドットを形成し、これによって画像を印刷している。
このように、本発明の液滴吐出装置は、インクジェットプリンタにも好適に使用することが可能である。なお、インク滴の代わりに試料液体の重量を測定する場合には、インクカートリッジ608を取り外して、インクの代わりに試料液体が収納された容器をキャリッジ602に装着することにすれば良い。本発明は、上記した実施例1〜実施例7に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施可能である。
本発明に係る液滴吐出装置は、工業用のインクジェット装置やインクジェットプリンタに利用することができ、また、工業上の各種分野の成膜に広く利用することができる。また、本発明に係る電気光学装置は、有機ELエレクトロルミネッセンス、液晶表示装置、有機TFT装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動表示装置、電子放出表示装置(Field Emission DisplayおよびSurface-Conduction Electoron-Emitter Display等)、LED(ライトエミッティングダイオード)表示装置、エレクトロミック調光ガラス装置、および電子ペーパー装置の電気光学装置に広く利用可能である。また、本発明に係る電子機器は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯型パーソナルコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、およびPOS端末機などの電子機器に広く利用することができる。
本発明の実施例1に係る液滴吐出装置の全体の概略構成を示す図。 吐出ヘッドの詳細な構成を示す図。 吐出ヘッドから吐出する液滴の大きさを変更する原理を説明するための図。 QCMセンサの構成を示す平面図。 水晶振動子の等価回路を示す図。 計測部の概念図。 帰還型の自励発振方式の概念図。 水晶振動子のアドミッタンス線図。 本発明の実施例1に係る液滴吐出装置の液滴重量の測定フローを示す図。 本発明の実施例2に係る液滴吐出装置の駆動方法を説明するためのフローチャート。 表示部に表示される駆動電圧設定画面の一例を示す図。 印加電圧と1滴あたりの液滴の重量との関係を示す図。 駆動電圧を設定するための処理を説明するための図。 本発明の実施例3に係る液滴吐出装置の全体の概略構成を示す図。 QCMセンサと吐出ヘッドの位置関係を示す模式図。 QCMセンサと吐出ヘッドの位置関係を示す模式図。 本発明の実施例4に係る液滴吐出装置の全体の概略構成を示す図。 本発明の実施例3、4の変形例に係る液滴吐出装置を説明するための模式図。 本発明の実施例5に係る液滴吐出装置の全体の概略構成を示す図。 本発明の実施例5に係る液滴吐出装置の液滴重量の測定フローを示す図。 実施例に係る液晶表示装置の断面構造を示す図。 実施例に係る有機EL表示装置の断面構造を示す図。 実施例に係る電気光学装置を備えたパソコンの斜視図。 実施例に係る電気光学装置を備えた携帯電話機の斜視図。 本発明の実施例6に係る液滴吐出装置の全体の概略構成を示す図。
符号の説明
100 液滴吐出装置、101 制御部、102 ヘッドキャリッジ、103R、103G、103B 吐出ヘッド、104R、104G,104B インクタンク、105 ステージ、106 QCMセンサ、107 計測部、108 表示部、 110 水晶、110a、110b 電極、111 振動電圧発振部、112 測定部、113 演算部、121 圧力室、122、ピエゾ素子、123 吐出ノズル、131 絶縁体、132a、132b 支持体、133a、133b 端子、300 液滴吐出装置、301 回動機構、400 液滴吐出装置、401 回動機構、500 液滴吐出装置、501 センサキャリッジ、502 洗浄部、503 乾燥部、600 液滴吐出装置、601 QCMセンサ、602 キャリッジ、603 紙送りローラ、604 用紙搬送路、605 ガイドレール、606 駆動ベルト、607 キャリッジモータ、608 インクカートリッジ、1100 液晶表示装置、1101 上基板、1102 下基板、1103 透明導電膜(ITO膜)、1104 配向膜、1105 スペーサ、1106 シール材、1107 液晶、1108 位相基板、1109 偏光板、1110 バックライト、1200 有機EL装置、1201 有機EL素子、1202 基板、1203 回路素子部、1204 画素電極、1205 バンク部、1206 発光素子、1207 陰極(対向電極)、1208 封止用基板、1209 凹部開口、1300 パーソナルコンピュータ、1301 キーボード、1302 本体部、1303 表示部、1400 携帯電話機、1401 操作ボタン、1402 受話口、1403 送話口、1404 表示部

Claims (15)

  1. 吐出ヘッドから液滴を吐出して描画対象物に描画する液滴吐出装置において、
    前記吐出ヘッドに駆動信号を印加して液滴を吐出させる吐出ヘッド制御手段と、
    両面に電極が形成された圧電振動子からなる検出手段と、
    前記電極に振動電圧を印加して前記圧電振動子を振動させる発振手段と、
    前記吐出ヘッドから吐出される液滴が前記電極に付着する前後での前記圧電振動子の共振周波数の変化を検出し、当該検出した圧電振動子の共振周波数の変化に基づいて、当該電極に付着した液滴の重量を測定する液滴重量測定手段と、
    を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記発振手段は、前記電極に振動電圧を印加する場合に、周波数掃引し、
    前記液滴重量測定手段は、前記圧電振動子のインピーダンスの変化を検出して当該圧電振動子の共振周波数を検出することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記共振周波数は、直列共振周波数であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記重量測定手段で測定された液滴の重量を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
  5. 前記吐出ヘッド制御手段は、前記液滴重量測定手段で測定された液滴の重量に基づいて、前記吐出ヘッドに印加する駆動信号の駆動波形を変更することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
  6. 前記吐出ヘッド制御手段は、異なる複数の算出用駆動電圧を前記吐出ヘッドに印加した場合の前記検出手段および前記液滴重量測定手段による液滴の重量の測定結果に基づいて、前記異なる複数の算出用駆動電圧と液滴の重量の測定結果の関係を算出し、当該関係と予め設定された液滴の重量目標値との比較結果から前記重量目標値の液滴を吐出するための目標駆動電圧を算出することを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記吐出ヘッド制御手段は、前記液滴重量測定手段で測定された液滴の重量に基づいて、前記吐出ヘッドの吐出ノズルの詰まりまたはインクのエンドを検出することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
  8. 前記検出手段を回動させる回動機構を有し、
    前記回動機構は、前記検出手段をその一方の電極が前記吐出ヘッドに対向する第1位置と、その他方の電極が前記吐出ヘッドに対向する第2位置とに配置することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
  9. 前記吐出ヘッドおよび前記検出手段を複数設けたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
  10. 前記液滴が付着した前記検出手段を洗浄する洗浄手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
  11. 前記洗浄手段で前記検出手段を洗浄後に、当該検出手段を乾燥させる乾燥手段を備えたことを特徴とする請求項10に記載の液滴吐出装置。
  12. 前記液滴吐出装置は、配線、カラーフィルタ、液晶材料、配向膜、マイクロレンズアレイ、エレクトロルミネセンス材料、および生体物質のうちのいずれか1つのパターン形成を用途とすることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれか1つに記載の液滴吐出装置を使用して製造されたことを特徴とする電気光学装置。
  14. 請求項13に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
  15. 前記液滴吐出装置は、インクジェットプリンタであることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の液滴吐出装置。
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