JP3705281B2 - 液滴情報測定方法、膜パターン形成方法及び膜パターンの製造装置、デバイス製造方法、電気光学装置製造方法、並びに電子機器製造方法 - Google Patents

液滴情報測定方法、膜パターン形成方法及び膜パターンの製造装置、デバイス製造方法、電気光学装置製造方法、並びに電子機器製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴情報測定方法、膜パターン形成方法及び膜パターンの製造装置、デバイス製造方法、電気光学装置製造方法、並びに電子機器製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスプレイや表示光源などとして用いられる電気光学装置や、半導体装置などの電子装置は、その製造過程において、基板上に材料を配置し、その基板上に膜を形成する工程を含む。材料の配置技術や膜形成技術は、品質や機能と密接に係わり、上記各装置の性能の向上を図る上で重要である。
【0003】
基板上に材料を配置する技術としては、吐出ヘッドに設けられたノズルを介して液体材料を液滴として吐出する方法がある(例えば、特許文献1)。この液滴吐出法は、スピンコート法などの技術に比べて、液体材料の消費に無駄が少なく、基板上に配置する液体材料の量や位置の制御を行いやすいという利点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−274671号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
液滴吐出法を用いて基板上に膜を形成する技術では、基板上に複数の液滴を並べて配置する場合が多い。この場合、他の液滴から出る蒸気の影響により、液滴の乾燥状態が変化し、膜品質の低下を招くことがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の液滴を並べて配置する際に好ましく用いられる液滴情報を測定する方法及びその装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、膜品質の向上を図ることが可能な膜パターン形成方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、品質の向上が可能なデバイス製造方法、電気光学装置、並びに電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の液滴情報測定方法は、吐出ヘッドから吐出される液滴に関する液滴情報を測定する方法であって、複数の液滴を所定の間隔で並べて配置し、前記複数の液滴の乾燥時間を測定する第1工程と、前記所定の間隔を変化させながら前記第1工程を繰り返し、前記所定の間隔の変化に対して前記複数の液滴の乾燥速度が変化しなくなる境目の前記所定の間隔を、液滴の蒸気拡散距離と定める第2工程とを有することを特徴とする。
【0008】
上記の液滴情報測定方法において、前記複数の液滴の乾燥過程における質量を測定した結果に基づいて、前記複数の液滴の乾燥時間を求めるのが好ましい。
【0009】
また、本発明の液滴情報測定方法は、測定装置上に第1および第2の液滴の中心間隔を第1の液滴間距離にして前記第1および第2の液滴を配置する工程と、前記第1および第2の液滴を乾燥させ第1の乾燥速度を測定する工程と、前記測定装置上に第3および第4の液滴の中心間隔を第2の液滴間距離にして前記第3および第4の液滴を配置する工程と、前記第3および第4の液滴を乾燥させ第2の乾燥速度を測定する工程と、を有し、前記第1および第2の液滴間距離がそれぞれ異なり、かつ、前記第1および第2の乾燥速度が同じとき、当該乾燥速度を他の前記液滴から拡散する蒸気の影響を受けない前記液滴の乾燥速度とすることを特徴とする。
【0010】
本発明の液滴情報測定方法においては、前記液滴は前記測定装置が有する振動子の上方に設けられた電極に配置され、前記液滴の乾燥過程における前記振動子の周波数を検出した結果に基づいて、前記液滴の質量を求める構成とすることができる。
【0011】
本発明の膜パターン形成方法は、本発明の液滴情報測定方法を用いて測定した前記蒸気拡散距離に基づき前記液滴の配置ピッチを定める工程と、複数の前記液滴を前記配置ピッチに従い基板上に配置する工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
上記の膜パターン形成方法において、前記複数の液滴の配置ピッチは前記蒸気拡散距離に比べて長いのが好ましい。
また、前記配置ピッチは前記蒸気拡散距離に比べて短く、前記基板上に先に配置された液滴が乾燥した後に、次の液滴を配置するのが好ましい。
また、前記配置ピッチは前記蒸気拡散距離に比べて短く、前記基板上に先に配置された液滴が乾燥する前に、次の液滴を配置するのが好ましい。
【0013】
また、本発明は、基板に膜パターンが形成されてなるデバイスの製造方法であって、上記の膜パターン形成方法により、前記基板上に前記膜パターンを形成することを特徴とする。
このデバイス製造方法によれば、高品質の膜パターンが形成されることから、デバイスの品質向上が図られる。
【0014】
また、本発明の電気光学装置は、上記のデバイス製造方法を用いて製造されたデバイスを備えることを特徴とする。
デバイスとしては、例えば、半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子などを例示できる。
また、電気光学装置としては、例えば、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置などを例示できる。
また、本発明の電子機器は、上記の電気光学装置を備えることを特徴とする。
これらの発明によれば、品質の向上が図られる。
【0015】
膜パターンの製造装置は、基板を配置するステージと、前記ステージ上の前記基板を配置する場所とは異なる場所に配置される電極と、を有し、前記電極は振動子を備えているセンサーチップの一方の電極であり、前記電極の表面にヘッドから吐出した液滴の乾燥速度の測定結果に基いて前記基板上に前記ヘッドから液滴を吐出するよう設定されていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照して詳しく説明する。
図1は、本発明の液滴情報測定方法を概念的に示す図である。本発明の液滴情報測定方法は、吐出ヘッドから吐出される液体材料の液滴に関する液滴情報を測定するものであり、所定の物体上に複数の液滴を並べて配置し、それら複数の液滴の乾燥時間を測定する。そして上記測定工程を、複数の液滴の間隔(液滴間距離)を変化させながら繰り返すことにより、蒸気拡散距離を求める。
【0019】
ここで、「蒸気拡散距離」を、図1に示すように、液滴の周りに形成される蒸気拡散層の外径と定める。すなわち、「蒸気拡散距離」は、液滴の直径と蒸気拡散層の厚さとを合わせた長さであり、蒸気拡散範囲の径を示す。液滴の乾燥時、液相から気相に出て行く蒸気は、液滴を中心に3次元に拡散する。蒸気拡散層とは、液滴から蒸発した分子が拡散による移動のために、液滴近傍の気相中に濃度勾配を形成している領域をいう。ここでは、液滴表面近傍の気相中に形成され、他の液滴に影響を与える濃度を有する蒸気層のことを広義の蒸気拡散層として含むものとする。また、液滴間距離は隣り合う両液滴同士の中心間隔とする。なお、蒸気拡散層の厚さは、液体材料の物性や固形分濃度、環境温度などに応じて変化する。
【0020】
液滴が他の液滴の蒸気拡散層内に存在したり、あるいは隣り合う両液滴の蒸気拡散層が互いに一部重なると、液滴表面の蒸気濃度の変化等によって、液滴の蒸発速度が変化する。具体的には、液滴間距離が短く、蒸気拡散層の重なる距離が長いほど、液滴の蒸発速度(乾燥速度)が小さくなり、乾燥時間が長くなる。一方、蒸気拡散層が重ならない場合は、液滴間距離が変化しても、液滴の蒸発速度及び乾燥時間はほとんど変化しない。
【0021】
したがって、液滴間距離を変化させながら、液滴の乾燥時間を測定することにより、液滴の蒸気拡散距離を求めることができる。例えば、液滴間距離を徐々に変化させるとき、液滴間距離の変化に対して乾燥時間が変化しなくなる境目の液滴間距離から、蒸気拡散距離を求めることができる。この境目の液滴間距離が蒸気拡散距離となる。測定された液滴の蒸気拡散距離は、液滴の配置ピッチの最適化など、複数の液滴を並べて配置する際に好ましく用いられる。なお、この方法により測定される蒸気拡散距離は、実際の現象に基づいて得られることから、有用性が高い。
【0022】
ここで、上記の測定方法において、液滴の乾燥時間は、乾燥過程における液滴の質量を測定することにより求めることができる。すなわち、液滴の質量は、時間経過に対して、乾燥中は変化し、乾燥後は一定となる。そのため、液滴の質量が変化している期間を求めることにより、液滴の乾燥時間を求めることができる。また、液滴の質量は、振動子を用いることにより精密に計測できる。振動子を用いた液滴の質量の測定装置、及びそれを備える液滴吐出装置について以下に説明する。
【0023】
図2は、本発明の測定方法を実施するのに好適な測定装置を備えた液滴吐出装置の構成の一例を示す図である。
図2において、液滴吐出装置100は、液滴吐出法により、液体材料を液滴状に吐出する吐出ヘッド101、ステージ102、液滴情報測定装置150、及びこれらを統括的に制御する制御装置105等を備えて構成されている。
【0024】
液滴吐出法における吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式(ピエゾ方式)、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられ、本例では、電気機械変換方式(ピエゾ方式)を用いる。ピエゾ方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出してノズルから吐出させる。ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
【0025】
吐出ヘッド101は、圧力室110と、ピエゾ素子111と、ノズル112とを有している。このうち、圧力室110は、液体材料を貯溜する不図示のタンクと連通し、タンクから供給された液体材料を一時的に貯溜する。また、ピエゾ素子111は、制御装置105から供給される駆動信号に応じて、圧力室110の内面を変形させ、圧力室110内の液体材料を増減圧する。吐出ヘッド101では、このピエゾ素子111による液体材料の増減圧に応じて、ノズル112から液体材料を液滴として吐出する。ピエゾ素子111に対する印加電圧の値の変化により、ピエゾ素子111の歪み量が制御される。また、その印加電圧の周波数の変化により、ピエゾ素子111の歪み速度が制御される。吐出ヘッド101では、ピエゾ素子111に対する駆動条件(駆動信号の波形)を制御することにより、液滴の一滴あたりの重量(質量)、液滴の飛行速度、液滴の飛行直進性など、液滴の吐出状態を制御することができる。また、吐出ヘッド101は、ヘッドキャリッジ108を介して所定の方向に移動自在に支持されている。このヘッドキャリッジ108は、不図示の駆動装置を有し、制御装置105からの指示に基づいて、吐出ヘッド101を所定の位置に位置決めする。
【0026】
ステージ102は、液体材料が配置される対象物体としてのパターニング用基板Pを支持するものであり、不図示の駆動装置を有し、制御装置105からの指示に基づいて、基板Pを所定の方向に移動させる。吐出ヘッド101と基板Pとを相対的に移動させながら、基板P上に液滴を繰り返し配置することにより、基板P上に液体材料をパターン配置することができる。また、上記相対移動の際に、複数の液滴を基板P上に連続的に並べて配置することにより、基板P上に線状のパターンを形成することができる。
【0027】
測定装置150は、圧電素子(本例では水晶振動子124)の特性を利用して、吐出ヘッド101から吐出された液滴の質量などの液滴情報を測定する装置であり、パルス発生部120、センサーチップ121、検出部としての周波数カウンタ122、インピーダンス演算部130、及び演算部131等を備えて構成されている。パルス発生部120は、センサーチップ121にパルス信号を供給し、水晶振動子124を振動させるものである。液滴情報の測定は、例えば、液滴が所望の状態で吐出されることを確認するために行われ、例えば、吐出ヘッド101から基板P上への液体材料の配置に先立って、あるいは液体材料の配置の途中に行われる。
【0028】
図3は、センサーチップ121の構成を示す図である。
図3において、水晶振動子124は、例えばATカット水晶振動子などの圧電素子であり、その両面に、一対の電極125a,125bが略対向した状態で取り付けられている。また、絶縁体126は、導電性を有する支持体127a,127bを介して、水晶振動子124を振動自在に保持する。支持体127aは、電極125aと導通するとともに、絶縁体126に固定された端子128aと導通している。一方、支持体127bは、電極125bと導通するとともに、絶縁体126に固定された端子128bと導通している。上記構成により、パルス発生部120(図2参照)から出力されたパルス信号が、端子128a,128bを介してセンサーチップ121に入力すると、水晶振動子124が共振周波数にて振動する。
【0029】
図4は、測定装置104のセンサーチップ121の配設例を示す図である。
図4において、センサーチップ121は、基板Pを支持するステージ102上に配設されている。具体的には、センサーチップ121は、ステージ102における基板Pの搭載面において、基板Pを配置する場所とは異なる場所に配設され、基板Pと一体的に図中のXY平面内を移動可能となっている。また、センサーチップ121は、電極125aの表面が、ステージ102上に配設された基板Pの表面高さと略同一となるように配設されている。この配設例では、センサーチップ121と基板Pとの間で環境条件に差が少なく、センサーチップ121を用いた測定結果を実処理時にも効果的に利用することができるという利点がある。
【0030】
図2に戻り、センサーチップ121は、その一方の電極125aが、吐出ヘッド101のうち液滴吐出面と対向するように設けられている。測定装置150では、吐出ヘッド101から吐出された液滴が電極125aに付着すると、電極125aに付着した液滴の質量を算出する。なお、この測定に際して、ヘッドキャリッジ108は、液滴が電極125aの表面に付着するように、吐出ヘッド101を移動させる。
【0031】
水晶振動子124は、自身に作用する外力が一定であれば、一定の共振周波数にて振動するが、電極125aの表面に物質が付着して外力が変化すると、その変化量に応じて共振周波数が変化するという特性を有している。すなわち、電極125aに物質が付着すると、水晶振動子124は、その物質の質量に応じた共振周波数にて振動するという特性を有している。また、付着した物質が粘弾性を有する場合、水晶振動子124は、その物質の粘度に応じて共振周波数が変化する。本例の測定装置150は、測定物質の粘弾性の影響による誤差を補正する機能を有する、いわゆる外部スキャン式の装置であり、液滴の質量および粘度を求めるものである。なお、水晶振動子124に加えた電圧と電流の関係から、周波数に対する水晶振動子124の電気的なインピーダンスを求めることができる。このインピーダンスは共振周波数付近で大きく変化する。インピーダンスの抵抗成分が最小となるときの周波数が共振周波数となり、その抵抗成分が共振抵抗値となる。
【0032】
インピーダンス演算部130は、水晶振動子124の共振抵抗値を演算により求め、共振抵抗値を示す信号を演算部131に供給する。また、周波数カウンタ122は、水晶振動子124の共振周波数を検出し、検出結果を示す信号を演算部131に供給する。演算部131は、インピーダンス演算部130から出力された共振抵抗値を示す信号と、周波数カウンタ122から出力された共振周波数を示す信号とを受け取ると、それらを用いて、以下のように液滴の粘度及び質量を算出する。
【0033】
共振抵抗値をRとし、電極125aに付着した液滴の粘度をηとすると、それらの関係は次式で表現できる。
【0034】
【数1】
Figure 0003705281
【0035】
ここで、Kは、圧電材料や磁歪材料について電気系と機械系との結合の程度を示す電気機械結合定数であり、Aは、水晶振動子124の表面積であり、Fは、水晶振動子124の基本周波数であり、ρは、液滴(インク)の密度である。また、液滴の付着前後における共振周波数の変化量をΔfreqとした場合、変化量Δfreqと、粘度ηとの関係は次式で表される。
【0036】
【数2】
Figure 0003705281
【0037】
ここで、ρは、水晶振動子124の密度であり、μは、水晶振動子124の弾性率である。
一方、電極125aに付着した液滴の質量をImとすると、質量Imと、共振周波数の変化量Δfreqとの関係は次式のようになる。
【0038】
【数3】
Figure 0003705281
【0039】
ここで、μQは、ATカット水晶振動子定数である。
共振抵抗値は、液滴の粘度ηに応じて変化し(式(1)参照)、一方の共振周波数の変化量Δfreqは、液滴の粘度ηと質量Imとの両方に応じて変化する(式(2)、式(3)参照)。したがって、演算部131においては、まず、インピーダンス演算部130から供給された共振抵抗値を式(1)に代入して、液滴の粘度ηを求める。
次に、演算部131は、周波数カウンタ122から供給される共振周波数を用いて、液滴の付着前後における水晶振動子124の共振周波数の変化量Δfreqを算出し、変化量Δfreq及び粘度ηを用いて、式(2)及び式(3)を演算し、液滴の質量Imを得る。
なお、演算部131は、液滴の粘度η及び質量Imを求めると、それらを示す液滴情報を制御装置105に供給する。
【0040】
図5は、本例の測定装置150における水晶振動子124の共振周波数変化の一例を示す図である。図5に示す共振周波数は、液滴の粘弾性による影響が考慮されたものである。
図5において、時刻「T11」は吐出ヘッド101から液滴を吐出した時刻、「T12」は液滴がセンサーチップ121(電極125a)に付着した時刻、「T13」は液滴が乾燥し終えた時刻、である。このうち、液滴の吐出時刻「T11」は、吐出ヘッド101に供給する駆動信号から求められる。また、液滴の吐出後に最初に周波数が所定の量を超えて変化した時点を検出することより、付着時刻「T12」を求めることができる。付着の判定基準となる周波数の変化量は、目標とする液滴の吐出量や、使用する液体材料の物性などに応じて適宜定められる。
【0041】
また、液滴の乾燥中は、液滴の液体分(溶媒、分散媒など)の蒸発による質量変化に応じて周波数が変化する。さらに、液滴の乾燥後は、液体分がすべて蒸発して質量変化がなくなることから、周波数が時間経過に対して略一定状態となる。したがって、液滴の吐出後に、所定時間以上続く周波数の略一定状態の開始時点を検出することにより、その液滴の乾燥終了時刻「T13」を求めることができる。検出基準となる略一定状態の継続時間は、測定装置150の特性や、要求される測定精度に応じて適宜定められる。
【0042】
周波数の検出結果のうち、液滴の付着前の周波数「fa」と、液滴の付着時(付着時刻「T12」)の周波数「fc」との差「fa−fc」から、付着時の液滴の質量(吐出量)を算出することができる。すなわち、上記周波数の差「fa−fc」を周波数変化量Δfreqとして、前記式に代入することにより、液滴の質量を求めることができる。また同様に、液滴の付着前の周波数「fa」と、所定の時点(例えば、時刻「Ta」)での周波数「fd」との差「fa−fd」から、乾燥中における所定の時点での液滴の質量を算出することができる。この演算は演算部131(図2参照)において行われる。
【0043】
ここで、付着時刻「T12」から乾燥終了時刻「T13」までの期間は、液滴の乾燥に要する時間(乾燥時間)である。また、この期間「T12−T13」における周波数の変化量「fb−fc」は、乾燥過程における液滴の質量変化に対応するものである。したがって、期間「T12−T13」における単位時間あたりの周波数の変化量「fb−fc」に基づいて、乾燥期間中の平均乾燥速度を求めることができる。すなわち、平均乾燥速度をVaとすると、Va=|fb−fc|/|T12−T13| である。また、乾燥期間中の所定の時刻(例えば時刻「Ta」)における周波数の変化を表すグラフの傾きを算出することにより、その時刻における液滴の乾燥速度を求めることができる。
【0044】
次に、上記液滴吐出装置100を用いて液滴の蒸気拡散距離を求める方法について説明する。
図6は、液滴の蒸気拡散距離を求める手順の一例を示すフローチャート図である。
【0045】
まず、液滴吐出装置100は、吐出ヘッド101(図2参照)から液滴を吐出し、センサーチップ121(電極125a)上に所定の間隔で複数(本例では2滴)の液滴を配置する(ステップ201)。この液滴配置は、センサーチップ121に対して吐出ヘッド101を相対的に移動させることにより行う。
【0046】
センサーチップ121上に複数の液滴が配置されると、測定装置150は、その複数の液滴の乾燥時間を測定する(ステップ202)。この乾燥時間の測定は、前述したように、複数の液滴の付着前後における水晶振動子124の周波数を検出した結果に基づいて行われる。なお、その測定結果は、液滴間距離に関するデータと関連付けて所定の記憶部に記憶される。液滴吐出装置100では、液滴の配置間隔(液滴間距離)を変化させながら、上記液滴配置と上記乾燥時間の測定とを所定回数繰り返す(ステップ203、204)。
【0047】
次に、測定装置150は、各液滴間距離における複数の液滴の乾燥時間の測定データを基に、液滴の蒸気拡散距離を算出する(ステップ205)。
ここで、図7は、液滴間距離が異なる複数の条件(a)〜(d)について、複数の液滴を検出した際の水晶振動子124の共振周波数変化の様子を示している。
【0048】
図7に示すように、条件(a)〜(d)のうち、(a)が最も液滴間距離が短く、(b)、(c)、(d)の順に液滴間距離が長い。各条件(a)〜(d)のそれぞれの乾燥時間は、前述したように共振周波数の変化の様子から求められ、(a)が最も長く、次に(b)が長い。また、(c)及び(d)の乾燥時間は、ほぼ同じであり、かつ(b)に比べて長い。このとき、液滴間距離の変化に対して乾燥時間が変化しなくなる境目である条件(c)の液滴間距離から、蒸気拡散距離を求めることができる。すなわち、本例では、条件(c)の液滴間距離を、蒸気拡散距離と定める。
【0049】
なお、実際には、上記乾燥時間の変化の境目は、条件(b)と(c)との間である可能性があることから、これらの条件(b),(c)に近い液滴間距離についてさらに乾燥時間を調べることで、より正確な蒸気拡散距離を求めることが可能である。また、ここでは、蒸気拡散距離を求めるために、液滴の付着時刻から乾燥終了時刻までの乾燥時間を比較しているがこれに限定されない。例えば、液滴の付着時刻から、周波数の変化量が所定の割合(例えば20%)に達するまでの時間を比較することによって蒸気拡散距離を求めてもよい。
【0050】
図8(a)〜(c)は、膜パターン形成方法の一例として、上述した液滴吐出装置100を用いて、基板上に線状の膜パターンを形成する方法の手順の一例を示している。
この膜パターン形成方法では、吐出ヘッド101から液体材料を液滴にして吐出し、その液滴を一定の距離(ピッチ)ごとに基板P上に配置する。そして、この液滴の配置動作を繰り返すことにより、基板P上に線状の膜パターンを形成する。
【0051】
具体的には、まず、図8(a)に示すように、吐出ヘッド101から吐出した液滴L1を、一定の間隔をあけて基板P上に順次配置する。
本例では、液滴の配置ピッチP1は、隣り合う両液滴の蒸気拡散層が互いに重ならないように定められる。すなわち、吐出ヘッド101から基板P上への液体材料の配置に先立って、測定装置150によって基板P上に配置する液滴と同じ材料並びに量からなる液滴の蒸気拡散距離を測定する。そして、配置ピッチP1(液滴間距離)を、蒸気拡散距離に比べて長い距離に定める。
【0052】
基板P上に液滴L1を配置した後、液体分(溶媒、分散媒など)の除去を行うために、必要に応じて乾燥処理を行う。乾燥処理は、例えばホットプレート、電気炉、熱風発生機、ランプアニールなどの加熱手段を用いた一般的な加熱処理の他に、基板Pを搭載したステージを移動させることにより行ってもよい。
【0053】
次に、図8(b)に示すように、上述した液滴の配置動作を繰り返す。すなわち、図8(a)に示した前回と同様に、吐出ヘッド101から液体材料を液滴L2にして吐出し、その液滴L2を一定距離ごとに基板Pに配置する。このとき、液滴L2の量(1滴あたりの液体材料の量)、及びその配置ピッチP2は前回の液滴L1と同じである。また、液滴L2の配置位置を前回の液滴L1から所定距離S1だけシフトさせる。すなわち、基板P上に配置された前回の液滴L1の中心位置と、今回の液滴L2の中心位置とは上記距離S1だけ離れた位置関係となる。このシフト量S1は、本例では、上記ピッチP1,P2よりも狭く(S1<P1=P2)、かつ先に基板Pに配置された液滴L1に次の液滴L2が一部重なるように定められている。
【0054】
またこのとき、今回の液滴L2と前回の液滴L1とが接するが、前回の液滴L1はすでに液体分が完全に又はある程度除去されているので、両者が合体して基板P上で広がることはほとんどない。液滴L2を基板P上に配置した後、液体分の除去を行うために、前回と同様に、必要に応じて乾燥処理を行う。
【0055】
この後、図8(c)に示すように、上述した液滴の配置動作を複数回繰り返す。各回において、配置する液滴Ln同士の距離間隔(ピッチPn)は、最初の回の距離と同じ(ピッチPn=P1)で、常に一定である。また、液滴の配置動作を複数回繰り返す際、各回ごとに、液滴Lnの配置を開始する位置を、前回の液滴が配置された位置から所定距離だけずらす。この液滴の配置動作の繰り返しにより、基板P上に配置された液滴同士の隙間が埋まり、線状の連続したパターンが形成される。また、基板上に形成される膜パターンは、常に同じピッチによる液滴配置によって形成され、全体がほぼ等しい形成過程を経ているため、構造が均質なものとなる。
【0056】
本例の膜パターン形成では、液滴の配置ピッチP1,P2が蒸気拡散距離に比べて長く、隣り合う両液滴の蒸気拡散層が互いに重ならないことから、隣接する液滴の間での蒸気の影響が回避され、膜の均質性の向上が図られる。また、基板P上に先に配置された液滴L1と後に配置された液滴L2との液滴間距離は蒸気拡散距離に比べて短いものの、先に配置された液滴L1が乾燥した後に、次の液滴L2が配置されていることから、隣り合う液滴の間での蒸気の影響が回避されている。そのため、基板上に配置された各液滴について、所望の乾燥膜が形成され、高い精度で安定的に膜パターンを形成することができる。
【0057】
なお、線状パターンの形成方法は、図8(a)〜(c)に示したものに限定されない。例えば、液滴の配置ピッチや、繰り返しの際のシフト量などは任意に設定可能である。
【0058】
図9は、膜パターン形成方法の他の例であり、液滴の配置ピッチP3を蒸気拡散距離に比べて短く定めたものである。また、基板P上に先に配置された液滴L3が乾燥する前に、次の液滴L3を配置する。
この膜パターン形成方法では、隣り合う両液滴の蒸気拡散層が重なることから、液滴の乾燥速度が小さく抑制される。このように、液滴の乾燥速度を制御することにより、液滴の乾燥膜を所望の形状に制御することが可能となる。特に、本例では、同じ基板上に配置される液滴の蒸気によって乾燥速度を制御することから、液滴の縁における蒸発が抑制され、乾燥膜の形状の制御に有利である。
【0059】
図10は、液滴情報測定装置の他の例(測定装置104)を示す図、図11は、測定装置104で検出される水晶振動子の共振周波数変化の一例を示す図である。なお、測定装置104の構成要素について、先の図2及び図3に示した測定装置150と同様の機能を有するものには同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
【0060】
図10に示す測定装置104は、パルス発生部120、センサーチップ121、周波数カウンタ122、及び演算部123等を備えて構成されている。演算部123は、周波数カウンタ122から出力された共振周波数を示す信号を受け取ると、それを用いて液滴の質量を求める。本例の測定装置104は、先の測定装置150と異なり、測定物質の粘弾性の影響を補正する機能を持たない、いわゆる自励式の装置である。以下、測定装置104における乾燥時間の算出方法について説明する。
【0061】
図11において、時刻「T1」は吐出ヘッド101から液滴を吐出した時刻、「T2」は液滴がセンサーチップ121(電極125a)に付着した時刻、「T3」は液滴が乾燥し終えた時刻、である。このうち、液滴の吐出時刻「T1」は、吐出ヘッド101に供給する駆動信号から求められる。また、センサーチップ121に液滴が付着すると、着弾時の液滴のエネルギーによって、周波数が大きく変動する。したがって、液滴の吐出後に最初に周波数が所定の量を超えて変化した時点を検出することより、液滴がセンサーチップ121に付着した時刻「T2」を求めることができる。付着の判定基準となる周波数の変化量は、目標とする液滴の吐出量や、使用する液体材料の物性などに応じて適宜定められる。
【0062】
また、本例の測定装置104では、液滴の粘弾性の影響により、液滴から析出した固形分の質量は検出されるものの、液体分の質量は検出されにくい。そのため、液滴の乾燥中は、固形分の析出に伴う質量変化に応じて周波数が変化する。液滴の乾燥後は、固形分がすべて析出して質量変化がなくなることから、検出される周波数が時間経過に対して略一定状態となる。したがって、液滴の吐出後に、所定時間以上続く周波数の略一定状態の開始時点を検出することにより、その液滴の乾燥終了時刻「T3」を求めることができる。そして、付着時刻「T1」から乾燥終了時刻「T3」までの期間が、液滴の乾燥に要する時間(乾燥時間)である。
【0063】
図12は、測定装置104で検出される水晶振動子の共振周波数変化の他の例を示す図である。なお、図12と先の図11とでは、測定対象である液滴の乾燥過程が異なる。
【0064】
ここで、図13(a)は図11に示す周波数変動に対応する液滴の乾燥過程の一例を示す図、図13(b)は図12に示す周波数変動に対応する液滴の乾燥過程の一例を示す図である。
図13(a)に示す液滴の乾燥過程は、液滴の中央部に比べて縁における固形分濃度が早く飽和濃度に達するように、乾燥条件を定めたものである。一般に、物体上に配置された液滴は縁(エッジ)において乾燥の進行が速い。液滴の乾燥過程において、液滴の縁における固形分濃度が飽和濃度に達すると、その縁において固形分が局所的に析出する。そして、その析出した固形分によって液滴の縁がピン止めされたような状態となり、それ以降の乾燥に伴う液滴の収縮(外径の収縮)が抑制される。以後、この現象、すなわち、縁で析出した固形分によって乾燥に伴う液滴の収縮が抑制された現象を「ピニング」と呼ぶ。
【0065】
一方、図13(b)に示す液滴の乾燥過程は、液滴の全体の固形分濃度が略同時に飽和濃度に達するように、乾燥条件を定めたものである。この場合、液滴の縁での局所的な固形分の析出が生じにくいことから、上述したピニングが起こらず、乾燥過程において、液体分(溶媒、分散媒など)の蒸発に伴って液滴が収縮する。すなわち、乾燥の進行とともに、液滴の外径が小さくなる。液滴の収縮過程では、液滴内で、中央部から縁に向かう液体の流れと縁から中央部に向かう流れとを含む対流が持続的に形成され、液滴内における局所的な固形分濃度の上昇が抑制されるとともに、液滴内の固形分濃度の均一化が図られる。そして、液滴の全体の固形分濃度が飽和濃度に達することで、液滴の全体において概ね一斉に固形分の析出が起こる。以後、この現象、すなわち、乾燥時にピニングすることなく液滴が収縮する現象を「ディピニング」と呼ぶ。なお、図13(a)及び(b)に矢印で示す液滴内の液体の流れは、一例であり、実際とは異なる場合がある。
【0066】
図12に戻り、ディピニングに対応する周波数変化において、時刻「T5」は吐出ヘッド101から液滴を吐出した時刻、「T6」は液滴がセンサーチップ121(電極125a)に付着した時刻、「T7」は液滴が乾燥し終えた時刻、である。吐出ヘッド101からの液滴の吐出時刻「T5」は、前述と同様に、吐出ヘッド101に供給する駆動信号から求められる。また、液滴の吐出後に最初に周波数が所定の量を超えて変化した時点を検出することより、液滴の付着時刻「T6」を求めることができる。
【0067】
ディピニングによる液滴の乾燥過程では、液滴の全体の固形分濃度が飽和濃度に達するまでの間、固形分の析出がほとんど生じないことから、検出される周波数は略一定状態となりやすい(T6−T7)。そして、乾燥終了時刻「T7」において、上記固形分濃度が飽和濃度に達し、液滴の全体で一斉に固形分が析出するのに伴い、周波数が大きく変動する。その後、固形分が析出して質量変化がなくなるのに伴って周波数は時間変化に対して略一定状態となる。したがって、液滴の吐出後において、所定時間以上継続する共振周波数の略一定状態の開始時点を検出することにより、その液滴の乾燥終了時刻「T7」を求めることができる。そして、付着時刻「T6」から乾燥終了時刻「T7」までの期間が、液滴の乾燥に要する時間(乾燥時間)である。なお、乾燥終了時刻「T7」を求める際に基準となる略一定状態の継続時間は、液滴の乾燥中に周波数が略一定状態となる期間「T6−T7」を超えるように定められる。
【0068】
図14は、本発明の液滴吐出装置を用いて製造されたカラーフィルタを搭載した液晶表示装置の構成を例示する斜視図である。
本実施形態に係る液晶表示装置400は、液晶駆動用IC(図示略)、配線類(図示略)、光源470、支持体(図示略)などの付帯要素が装着されている。
液晶表示装置400の構成を簡単に説明する。液晶表示装置400は、互いに対向するように配置された、カラーフィルタ460、及びガラス基板414と、これらの間に挟持された図示略の液晶層と、カラーフィルタ460の上面側(観察者側)に付設された偏光板416と、ガラス基板414の下面側に付設された図示略の偏光板とを主体として構成されている。カラーフィルタ460は透明なガラスからなる基板461を具備し、観察者側に設けられた基板であり、ガラス基板414はその反対側に設けられる透明な基板である。
【0069】
基板461の下側には、黒色感光性樹脂膜からなる隔壁462と、着色部463、及びオーバーコート層464が順次形成され、さらにオーバーコート層464の下側に駆動用の電極418が形成されている。なお、実際の液晶装置においては、電極418を覆って液晶層側と、ガラス基板414側の後述する電極432上に、配向膜が設けられるが、図示、及び説明を省略する。
カラーフィルタ460の液晶層側に形成された液晶駆動用の電極418は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料を、オーバーコート層464の全面に形成させたものである。
【0070】
ガラス基板414上には、絶縁層425が形成され、この絶縁層425の上には、スイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor)と、画素電極432とが形成されている。
ガラス基板414上に形成された絶縁層425上には、マトリクス状に走査線451と、信号線452とが形成され、走査線451と信号線452とに囲まれた領域毎に画素電極432が設けられている。各画素電極432のコーナー部分と走査線451と信号線452との間部分にはTFTが組み込まれており、走査線451と信号線452に対する信号の印加によってTFTはオン、又はオフの状態となって画素電極432への通電が制御される。
【0071】
図15は、上記液晶表示装置を用いた電子機器の一例たる携帯電話機の構成を例示する斜視図である。同図において、携帯電話機92は複数の操作ボタン921のほか、受話口922、送話口923とともに、上述した液晶表示装置400を備えるものである。
【0072】
なお、液滴吐出装置の用途は、電気光学装置に用いられるカラーフィルタのパターニングに限定されず、次のような様々な膜パターンの形成に用いることができる。例えば、有機EL(エレクトロルミネセンス)表示パネルに含まれる有機EL層や、正孔注入層などの薄膜形成に用いることができる。有機EL層を形成する場合には、例えばポリチオフェン系の導電性高分子などの有機EL材料を含む液滴を、基板上に形成された隔壁により仕切られる領域に向けて吐出し、液滴をその領域に配置する。このように配置された液体材料が乾燥することにより、有機EL層が形成される。
【0073】
また、その他の液滴吐出装置の用途としては、プラズマディスプレイに含まれる透明電極の補助配線や、IC(integrated circuit)カードなどに含まれるアンテナなどのデバイスの形成などがある。具体的には、テトラデカンなどの有機溶液に、銀微粒子などの導電性微粒子を混合した溶液を液滴吐出装置を用いてパターニングした後、有機溶液が乾燥すると、金属薄膜層が形成される。
【0074】
上記以外にも、液滴吐出装置は、例えば、立体造形に用いられる熱硬化樹脂や、紫外線硬化樹脂などの他、マイクロレンズアレイ材料、また、DNA(deoxyribonucleic acid)やたんぱく質といった生体物質などの様々な材料の配置にも用いることが可能である。
【0075】
また、電子機器としては、携帯電話機の他にも、コンピュータや、プロジェクタ、デジタルカメラ、ムービーカメラ、PDA(Personal Digital Assistant)、車載機器、複写機、オーディオ機器などが挙げられる。
【0076】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液滴情報測定方法を概念的に示す図。
【図2】 液滴吐出装置の構成の一例を模式的に示す図。
【図3】 センサーチップの構成を示す図。
【図4】 センサーチップの配設例を示す図。
【図5】 水晶振動子の共振周波数変化の一例を示す図。
【図6】 液滴の蒸気拡散距離を求める手順の一例を示すフローチャート図。
【図7】 液滴間距離が異なる複数の条件(a)〜(d)について、複数の液滴を検出した際の水晶振動子の共振周波数変化を示す図。
【図8】 基板上に線状の膜パターンを形成する方法の手順の一例を示す図。
【図9】 基板上に線状の膜パターンを形成する方法の手順の他の例を示す図。
【図10】 液滴情報測定装置の他の例を示す図。
【図11】 図10の測定装置による水晶振動子の共振周波数変化の一例を示す図。
【図12】 水晶振動子の共振周波数変化の他の例を示す図。
【図13】 (a)は図11に示す周波数変動に対応する液滴の乾燥過程の一例を示す図、(b)は図12に示す周波数変動に対応する液滴の乾燥過程の一例を示す図。
【図14】 本発明の液滴吐出装置を用いて製造されたカラーフィルタを搭載した液晶表示装置の構成を例示する斜視図。
【図15】 液晶表示装置を用いた電子機器の一例たる携帯電話機の構成を例示する斜視図。
【符号の説明】
P…基板、100…液滴吐出装置、101…吐出ヘッド、102…ステージ、104,150…液滴情報測定装置、105…制御装置、112…ノズル、121…センサーチップ、122…周波数カウンタ(検出部)、123,131…演算部、124…水晶振動子、130…インピーダンス演算部。

Claims (12)

  1. 吐出ヘッドから吐出される液滴に関する液滴情報を測定する方法であって、
    複数の液滴を所定の間隔で並べて配置し、前記複数の液滴の乾燥時間を測定する第1工程と、
    前記所定の間隔を変化させながら前記第1工程を繰り返し、前記所定の間隔の変化に対して前記複数の液滴の乾燥速度が変化しなくなる境目の前記所定の間隔を、液滴の蒸気拡散距離と定める第2工程とを有することを特徴とする液滴情報測定方法。
  2. 請求項1に記載の液滴情報測定方法において、
    前記複数の液滴の乾燥過程における質量を測定した結果に基づいて、前記複数の液滴の乾燥時間を求めることを特徴とする液滴情報測定方法。
  3. 測定装置上に第1および第2の液滴の中心間隔を第1の液滴間距離にして前記第1および第2の液滴を配置する工程と、
    前記第1および第2の液滴を乾燥させ第1の乾燥速度を測定する工程と、
    前記測定装置上に第3および第4の液滴の中心間隔を第2の液滴間距離にして前記第3および第4の液滴を配置する工程と、
    前記第3および第4の液滴を乾燥させ第2の乾燥速度を測定する工程と、を有し、
    前記第1および第2の液滴間距離がそれぞれ異なり、かつ、前記第1および第2の乾燥速度が同じとき、当該乾燥速度を他の前記液滴から拡散する蒸気の影響を受けない前記液滴の乾燥速度とすることを特徴とする液滴情報測定方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴情報測定方法において、
    前記液滴は前記測定装置が有する振動子の上方に設けられた電極に配置され、
    前記液滴の乾燥過程における前記振動子の周波数を検出した結果に基づいて、前記液滴の質量を求めることを特徴とする液滴情報測定方法。
  5. 請求項1に記載の液滴情報測定方法を用いて測定した前記蒸気拡散距離に基づき前記液滴の配置ピッチを定める工程と、
    複数の前記液滴を前記配置ピッチに従い基板上に配置する工程と、を有することを特徴とする膜パターン形成方法。
  6. 請求項5に記載の膜パターン形成方法において、
    前記複数の液滴の配置ピッチは前記蒸気拡散距離に比べて長いことを特徴とする膜パターン形成方法。
  7. 請求項6に記載の膜パターン形成方法において、
    前記配置ピッチは前記蒸気拡散距離に比べて短く、前記基板上に先に配置された液滴が乾燥した後に、次の液滴を配置することを特徴とする膜パターン形成方法。
  8. 請求項7に記載の膜パターン形成方法において、
    前記配置ピッチは前記蒸気拡散距離に比べて短く、前記基板上に先に配置された液滴が乾燥する前に、次の液滴を配置することを特徴とする膜パターン形成方法。
  9. 請求項5乃至8のいずれかに記載の膜パターン形成方法を用いることを特徴とするデバイス製造方法。
  10. 請求項9に記載のデバイス製造方法を用いることを特徴とする電気光学装置製造方法。
  11. 請求項10に記載の電気光学装置製造方法を用いることを特徴とする電子機器製造方法。
  12. 基板を配置するステージと、
    前記ステージ上の前記基板を配置する場所とは異なる場所に配置される電極と、を有し、
    前記電極は振動子を備えているセンサーチップの一方の電極であり、
    前記電極の表面にヘッドから吐出した液滴の乾燥速度の測定結果に基いて前記基板上に前記ヘッドから液滴を吐出するよう設定されていることを特徴とする膜パターンの製造装置。
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