JP3686352B2 - 毛髪脱色剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪脱色剤に関する。さらに詳しくは、頭髪などの毛髪の脱色に好適に使用しうる毛髪脱色剤、および該毛髪脱色剤を用いた毛髪染色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
毛髪脱色剤としては、アルカリ剤を用いずに酸化剤のみで毛髪を脱色する一剤式、アルカリ剤を主成分とする第1剤と酸化剤を主成分とする第2剤とを使用時に混合する二剤式、ならびに前記二剤式の第1剤および第2剤と脱色補助剤を主成分とする第3剤とを使用時に混合する三剤式がある。これらのなかでは、二剤式および三剤式は、脱色効果に優れることから、広く使用されている。
【0003】
これらの毛髪脱色剤には、一般に酸化剤として過酸化水素が使用されており、その過酸化水素の分解によって生じた酸素で毛髪中のメラニン色素を酸化分解することにより、黒髪が褐色ないし金髪に脱色される。
【0004】
しかし、これらの毛髪脱色剤を用いた場合には、脱色過程において生成した酸素によって毛髪のケラチン自体も酸化の影響を受け、通常の脱色で毛髪の-S-S- 結合の15〜22%が破壊され、特に、黒髪が金髪となるまで脱色した場合には、45%の-S-S- 結合が破壊されてしまうおそれがあることが報告されている〔Robbins et al., J. Soc. Cosmetic Chem. 20, 555(1969)〕。
【0005】
このように、毛髪中のメラニン色素の酸化分解を利用する毛髪脱色剤には、毛髪のケラチンに対して重大な損傷を与えるため、毛髪のパサツキ、ゴワツキ、断毛などが発生し、脱色後の毛髪にきしみ感が生じ、風合いがなくなってしまうという欠点がある。
【0006】
かかる欠点を解消する毛髪脱色剤として、第4級窒素含有セルロースエーテルおよびポリペプタイドが配合された毛髪脱色剤が提案されている(特公平6-41405 号公報)。しかし、この毛髪脱色剤は、脱色後の毛髪のパサツキなどの防止が不充分であり、毛髪にきしみ感が生じるため、風合いの点においては、未だ満足しうるものではない。
【0007】
また、近年、おしゃれ染め用として、毛髪を脱色した後、脱色した毛髪を酸性染毛剤で染色する染色方法が開発されている。しかしながら、この染色方法には、毛髪の染色性および堅牢性が悪いという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、脱色性に優れ、脱色後には毛髪にきしみ感を与えずに、好適な風合いを毛髪に付与する毛髪脱色剤を提供することを課題とする。
【0009】
また、本発明は、毛髪脱色剤で脱色した後、酸性染毛剤で染色したときの染色性および堅牢性に優れ、しかも毛髪のすすぎ時におけるきしみ感がなく、毛髪に好適な風合いを付与する毛髪脱色剤、ならびに該毛髪脱色剤を用いた毛髪染色方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、
(1)ポリエチレンイミンまたはその誘導体およびアンモニアを含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とを有する毛髪脱色剤、
(2)さらに、第1剤および/または第2剤が尿素系化合物を含有するものである前記毛髪脱色剤、ならびに
(3)前記毛髪脱色剤で毛髪を脱色した後、毛髪を染色することを特徴とする毛髪染色方法
に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の毛髪脱色剤は、ポリエチレンイミンまたはその誘導体およびアンモニアを含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とを有する。本発明においては、ポリエチレンイミンまたはその誘導体とアンモニアとが併用されている点に1つの大きな特徴がある。
【0012】
ポリエチレンイミンまたはその誘導体は、過酸化水素に代表される酸化剤が分解されたときに発生する酸素によって毛髪のケラチンが損傷を受けるのを防止するという優れた性質を有する。したがって、ポリエチレンイミンまたはその誘導体は、酸化剤の分解反応から毛髪を保護するという優れた効果を発現するものである。
【0013】
さらに、本発明の毛髪脱色剤で毛髪の脱色処理を行なった場合には、毛髪脱色剤に含有されているポリエチレンイミンまたはその誘導体によって毛髪中にカチオンが導入される。したがって、その脱色処理後に酸性染毛剤で染色した場合には、酸性染毛剤による染色性および堅牢性が向上するのみならず、洗髪後のすすぎ時に毛髪のきしみ感が低減されるという優れた効果も発現される。
【0014】
ポリエチレンイミン(以下、PEI という)またはその誘導体は、第一級アミノ基、第二級アミノ基および第三級アミノ基を有する。
【0015】
PEIまたはその誘導体は、電荷密度が高く、分子中に数多くのカチオンチャージを有しており、優れた染色性および堅牢性を毛髪に付与するのみならず、洗髪後のすすぎ時に毛髪のきしみ感の低減にも優れたものである。
【0016】
PEI の誘導体としては、例えば、PEI の第二級アミノ基または第三級エチレンイミノ基に、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、炭素数4〜22の分子鎖を有するアルキル基などが等モル以上で付加したPEI 誘導体などが挙げられる。また、PEI の誘導体は、分子末端に水酸基を有していてもよい。
【0017】
PEI またはその誘導体の数平均分子量は、毛髪の保護効果を十分に発現させる観点、ならびに酸性染毛剤による染色性および堅牢性を向上させる観点から、200〜500000、好ましくは250〜300000、より好ましくは250〜100000であることが望ましい。
【0018】
PEI の市販品としては、例えば、エポミンSP−003、エポミンSP−006、エポミンSP−200、エポミンSP−103、エポミンSP−110、エポミンP−1000〔以上、(株)日本触媒製、商品名〕、Lupasol〔BASF社製、商品名〕などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上組合せて用いることができる。
【0019】
第1剤におけるPEI またはその誘導体の含有量は、毛髪の保護効果を十分に発現させ、脱色後の毛髪に好適な風合いを付与する観点、ならびに毛髪脱色後においては、酸性染毛剤による染色性および堅牢性を向上させる観点から、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%であることが望ましい。
【0020】
アンモニアは、毛髪の脱色性に優れた化合物である。しかしその反面、特有の臭気を発する化合物でもある。
【0021】
ところが、本発明においては、アンモニアはPEI またはその誘導体と併用されているので、アンモニアに基づく特有の臭気が著しく低減されるという優れた効果が発現される。さらに、アンモニアとPEI またはその誘導体とが併用されていることにより、優れたコンディショニング効果も発現される。
【0022】
したがって、本発明の毛髪脱色剤で毛髪の脱色処理を行なった場合や、その脱色処理後にさらに酸性染毛剤で染色した場合には、洗髪後のすすぎ時に毛髪のきしみ感が低減され、好適な風合いが毛髪に付与されるという優れた効果が発現される。また、その脱色処理後に酸性染毛剤で染色した場合には、染色性および堅牢性が向上するという優れた効果が発現される。
【0023】
第1剤におけるアンモニアの含有量は、脱色性を向上させるとともに、アンモニアに特有の臭気を抑制する観点から、0.2〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%であることが望ましい。
【0024】
なお、第1剤には、総量が100重量%となるように、その残部として溶媒を使用することができる。溶媒としては、水および有機溶媒が挙げられる。
【0025】
溶媒として、通常、水を好適に使用することができるが、PEI またはその誘導体の毛髪中への浸透性を促進させる観点から、溶媒として、例えば、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドンなどのN-アルキルピロリドン;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの低級アルキレンカーボネート;ベンジルアルコール、2−ベンジルオキシエタノールなどの芳香族アルコールなどの有機溶媒を適量で用いることができる。
【0026】
第2剤の主成分である酸化剤の代表例としては、過酸化水素、過ホウ酸ナトリウム、過酸化尿素、過酸化メラミン、硫酸ナトリウム・過酸化水素付加物、ピロリン酸ナトリウム・過酸化水素付加物、第二リン酸ナトリウム・過酸化水素付加物、過炭酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの中では、過酸化水素が脱色性に優れているので好ましい。
【0027】
第2剤における酸化剤の含有量は、脱色性を高めるとともに、配合量の法規制を考慮すれば、1〜6重量%、好ましくは3〜6重量%であることが望ましい。
【0028】
なお、第2剤には、第1剤と同様に、総量が100重量%となるように、その残部として溶媒を使用することができる。溶媒は、第1剤で使用される溶媒と同様であればよい。
【0029】
なお、第1剤および/または第2剤には、毛髪を保護するとともに、毛髪の脱色処理を行なった後に酸性染毛剤で染色した際の染色性および堅牢性を向上させる観点から、尿素系化合物を含有させることが好ましい。
【0030】
尿素系化合物の好適な例としては、尿素、チオ尿素、チオアセタミド、シアナミド、テトラメチルチオ尿素、ジシアナミド、アセタミド、ホルムアミドなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの尿素系化合物のなかでは、酸性染毛剤で染色した後の染色の堅牢性を高める観点から、尿素およびチオ尿素が好ましい。
【0031】
尿素系化合物は、毛髪保護効果を向上させるとともに、本発明の毛髪脱色剤で毛髪の脱色処理を行なった後、酸性染毛剤で染色した際に、酸性染毛剤による染色性および堅牢性を向上させる観点から、毛髪脱色剤全体における含有量が0.5〜40重量%、好ましくは2〜20重量%となるように、第1剤および/または第2剤に含有させることが望ましい。
【0032】
また、本発明においては、毛髪の脱色力をより一層向上させるために、脱色補助剤を含有する第3剤を用いることができる。
【0033】
脱色補助剤の代表例としては、過硫酸塩などが挙げられる。過硫酸塩の具体例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0034】
脱色補助剤は、脱色性を向上させ、かつ安全性を考慮すれば、毛髪脱色剤全体における含有量が5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%となるように、第3剤に含有させることが望ましい。
【0035】
本発明においては、第1剤、第2剤および第3剤には、必要により、例えば、界面活性剤、増粘剤、pH調整剤、安定剤、キレート剤などを本発明の目的が阻害されない範囲内で配合してもよい。
【0036】
界面活性剤としては、例えば、高級アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルキルリン酸エステルなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0037】
増粘剤としては、例えば、デンプン、海藻類、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、グァーガム、キサンタンガムなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0038】
pH調整剤としては、例えば、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸第一アンモニウム、リン酸第二アンモニウム、リン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、コハク酸などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0039】
安定剤としては、例えば、フェナセチン、アセトアニリド、スズ酸ナトリウムなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0040】
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸)、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩などの金属塩などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0041】
なお、本発明の毛髪脱色剤は、製品としての外観面から、例えば、トリフェニルメタン染料、キノリン染料、アゾ染料、アントラキノン染料、スチルベン染料、チアゾール染料などの着色剤によって着色されていてもよい。かかる着色剤は、必要により、第1剤、第2剤および第3剤のいずれに含有されていてもよい。
【0042】
本発明の毛髪脱色剤においては、前述したように、第1剤、第2剤、および必要により第3剤がそれぞれ分離されているので、例えば、PEI またはその誘導体およびアンモニアと酸化剤との反応が回避されるなど、それぞれに含有されている成分の安定性が高められている。
【0043】
なお、第1剤と第2剤との割合は、優れた脱色性を付与し、脱色後には毛髪にきしみ感を与えずに、好適な風合いを毛髪に付与するために、第1剤に含有されているアンモニア100重量部に対して、第2剤に含有されている酸化剤100〜1000重量部、好ましくは200〜500重量部となるように調整することが望ましい。
【0044】
本発明の毛髪脱色剤の使用に際しては、第1剤、第2剤、および必要により第3剤を適量で混合すればよい。
【0045】
かくして毛髪脱色剤が得られるが、本発明の毛髪脱色剤による毛髪の脱色は、従来使用されている毛髪脱色剤と同様、毛髪に毛髪脱色剤を付着させ、毛髪を脱色させるという簡単な操作で行なうことができる。脱色後には、シャンプーやリンスなどを用いて洗浄し、濯げばよい。
【0046】
また、本発明の毛髪染色方法によれば、前述したように、毛髪脱色剤で毛髪を脱色した後、毛髪を染色することにより、毛髪を着色することができる。
【0047】
毛髪を染色する際には、染毛剤を用いることができる。染毛剤の種類には、特に限定がなく、通常使用されているものであればよい。染毛剤の中では、酸性染毛剤が好ましい。本発明の毛髪脱色剤で毛髪を脱色した後、酸性染毛剤で毛髪を染色した場合には、酸性染毛剤による染色性が高められ、しかも染色後には、その染色の堅牢性が高められるという優れた効果が発現される。
【0048】
酸性染毛剤としては、特に限定がなく、通常使用されているものであればよい。その代表例としては、(株)ピアセラボ製、商品名:ヘアメイクカラーリシェードなどが挙げられる。
【0049】
以上説明したように、本発明の毛髪脱色剤によれば、毛髪を効率よく脱色することができ、しかも毛髪に対して損傷を与えがたいという優れた効果が発現される。
【0050】
また、本発明の毛髪染色方法によれば、前記毛髪脱色剤が用いられているので、該毛髪脱色剤で脱色した後、染色したときの染色性および堅牢性に優れ、しかもすすぎ時のきしみ感がなく、毛髪の風合いが好適となるという効果が発現される。
【0051】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0052】
まず、本発明の毛髪脱色剤で脱色したときの毛髪の脱色性および脱色後の毛髪のきしみ感について、評価した。
【0053】
実施例1〜3および比較例1
(1)第1剤(PEI含有物)の調製
25%アンモニア水6重量部、ポリオキシエチレンセチルエーテル(エチレンオキシド付加モル数:40モル)4重量部、セタノール8重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩0.2重量部、表1に示す量のPEI 〔(株)日本触媒製、商品名:エポミンSP−006(数平均分子量600)〕、および総量を100重量部とするための残部水を混合して第1剤を得た。
【0054】
(2)第2剤(酸化剤含有物)の調製
35%過酸化水素水17重量部、85%リン酸0.2重量部、フェナセチン0.1重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩0.2重量部および総量を100重量部とするための残部水を混合して第2剤を得た。
【0055】
(3)毛髪脱色剤の調製
前記で得られた第1剤3gと、第2剤7gとを混合して毛髪用脱色剤を得た。得られた毛髪脱色剤の物性を以下の方法に準じて調べた。その結果を表1に示す。
【0056】
A.脱色性
乾燥した人毛(黒毛束)1gに、各実施例および比較例で得られた毛髪脱色剤2gを塗布し、25℃で30分間放置した。その後、1分間水洗した後、キムタオルで毛束中の水分を拭き取り、目視により毛髪の脱色性を評価した。
【0057】
(評価基準)
◎:斑なく十分に脱色されている
○:脱色されている
△:脱色はされるが斑がある
×:殆ど脱色されない
【0058】
B.きしみ感
前記評価後の毛束のきしみ感を専門パネラー5名により下記評価基準に基づいて官能評価した。
【0059】
(評価基準)
◎:非常に良好(5名中4名または5名がよいと判断)
○:良好(5名中3名がよいと判断)
△:やや悪い(5名中2名がよいと判断)
×:悪い(5名中1名または0名がよいと判断)
【0060】
【表1】
【0061】
表1に示された結果から、実施例1〜3で得られた毛髪脱色剤では、 PEI およびアンモニアが併用されているので、比較例1で得られた毛髪脱色剤と対比して、好適な脱色性が維持されつつ、脱色後の毛髪のきしみ感の発生がほとんどなく、風合いに優れた効果が発現されることがわかる。
【0062】
次に、本発明の毛髪脱色剤で脱色した後、酸性染毛剤で染色したときの染色性、堅牢性および染色後の毛髪のきしみ感について、評価した。
【0063】
実施例4〜8および比較例2
25%アンモニア水6重量部、ポリオキシエチレンセチルエーテル(エチレンオキシド付加モル数:40モル)4重量部、セタノール8重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩0.2重量部、表2に示す量のPEI 〔(株)日本触媒製、商品名:エポミンSP−006(数平均分子量600)〕および尿素、ならびに総量を100重量部とするための残部水を混合して第1剤(PEI含有物)を得た。
【0064】
また、第2剤(酸化剤含有物)を実施例1〜3および比較例1と同様にして調製した。
【0065】
次に、前記で得られた第1剤3gと、第2剤7gとを混合して毛髪用脱色剤を得た。得られた毛髪脱色剤の物性を以下の方法に従って調べた。その結果を表2に示す。
【0066】
C.染色性
乾燥した人毛(白髪毛束)1gに毛髪脱色剤2gを塗布し、25℃で30分間放置した。その後、1分間水洗した後、キムタオルで毛束中の水分を拭き取った。
【0067】
次に、酸性染毛剤〔(株)ピアセラボ製、商品名:ヘアメイクカラーリシェード〕2gをこの毛束に塗布し、25℃で20分間放置した。その後、この毛束を1分間水洗し、十分に乾燥させることにより、染色毛束を得た。
【0068】
得られた染色毛束を分光測色計〔ミノルタ(株)製、商品名:CM-3610d〕を用いて測定し、未染色毛束との色差(ΔE)を算出し、染色性を評価した。なお、ΔE値が大きいほど、染色性がよいことを示す。
【0069】
D.堅牢性およびきしみ感
前記「C.染色性」を評価するために作製した染色毛束を40℃の3重量%界面活性剤〔ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エチレンオキシド付加モル数:3モル)、花王(株)製、商品名:エマール20C 〕水溶液中に3時間(浴比15倍)浸漬した。
【0070】
次に、その染色毛束を1分間水洗し、室温にて乾燥させた後、分光測色計〔ミノルタ(株)製、品番:CM3610d 〕を用いて測定し、未染色毛束との色差(ΔE)を算出した。なお、前記染色毛束のΔE値と本洗浄後の毛束のΔE値との差が小さいほど、堅牢性がよいことを示す。
【0071】
また、各染色毛束における前記界面活性剤水溶液で水洗した際のきしみ感は、前記「B.きしみ感」と同様にして調べた。
【0072】
【表2】
【0073】
表2に示された結果から、実施例4〜8で得られた毛髪脱色剤を用いた場合には、比較例2と対比して、PEIが用いられているので、好適な染色性が維持され、堅牢性が向上するとともに、きしみ感の発生がほとんどないことがわかる。
【0074】
また、さらに尿素系化合物(尿素)が含有されている場合には、実施例7〜8に示されるように、堅牢性がより向上することがわかる。
【0075】
【発明の効果】
本発明の毛髪脱色剤は、脱色性に優れ、脱色時には毛髪に損傷を与えないので、好適な風合いを毛髪に付与するという効果を奏する。
【0076】
また、本発明の毛髪脱色剤で脱色した後、酸性染毛剤で染色したときには、染色性および堅牢性に優れ、しかもすすぎ時のきしみ感がなく、好適な風合いが毛髪に付与される。
Claims (8)
- ポリエチレンイミンまたはその誘導体およびアンモニアを含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とを有する毛髪脱色剤。
- 第1剤におけるポリエチレンイミンまたはその誘導体の含有量が0.01〜20重量%である請求項1記載の毛髪脱色剤。
- ポリエチレンイミンまたはその誘導体の数平均分子量が200〜500000である請求項1または2記載の毛髪脱色剤。
- 第1剤におけるアンモニアの含有量が0.2〜5重量%である請求項1〜3いずれか記載の毛髪脱色剤。
- さらに、第1剤および/または第2剤が尿素系化合物を含有するものである請求項1〜4いずれか記載の毛髪脱色剤。
- 尿素系化合物が尿素またはチオ尿素である請求項5記載の毛髪脱色剤。
- 請求項1〜6のいずれか記載の毛髪脱色剤で毛髪を脱色した後、毛髪を染色することを特徴とする毛髪染色方法。
- 染毛剤として酸性染毛剤を用いて毛髪を染色する請求項7記載の毛髪染色方法。
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