JP3685952B2 - インク浸透式のネーム印 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔性のゴム印字体を備えたインク浸透式のネーム印に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のネーム印の大半は既製品として販売店に供給され、既製品に含まれない姓や、フルネームの印面が必要である場合等に限って印字体を受注生産している。既製品化されたネーム印の一群は、専用のディスプレイスタンドに収納した状態で陳列されており、1000〜3000種のネーム印を収容する大形のディスプレイスタンドもある。
【0003】
上記のように既製品化されたネーム印は、必要時に直ちに使用できる利点を有する。しかし、3000種ものネーム印を用意しても、全ての姓を網羅できる訳ではなく、常に特注のネーム印が不可欠となる。既製ネーム印の種類数をさらに増やすと、特注のネーム印の販売割合を幾分低下できるが、それでも完全に対応できる訳ではない。また、3000種のネーム印を収容するディスプレイスタンドですら、一辺が約60cm、高さが2m強の四角柱となり、店頭において大きなスペースを占めるので、ネーム印の種類数を増やそうにも陳列スペースの点で限界がある。
【0004】
地域によっては、ネーム印のユーザーの姓が数種に特定され、特定の数種のネーム印しか需要がなく、他の既製ネーム印の入れ換りがないため、大半のネーム印が長期にわたる陳列時に劣化し、販売に供し得ない事態も生じている。さらに、購売対象の姓が数種に限定される地域や組織では、姓のみによる識別が意味を為さないため、フルネームのネーム印や図形的にデザイン化されたネーム印の特注も多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、ディスプレイスタンドを用いて既製のネーム印の一群を陳列販売する形態は、ネーム印を即座に使用できる便利さがある一方、特注のネーム印が不可欠で、そのコストが既製品に比べて高く付くこと、大形のディスプレイスタンドの占有スペースが大きく、その設置スペースの確保が困難になる場合があること、長期にわたる陳列時にネーム印が劣化するおそれがあること、販売店の在庫負担が大きいこと等の弊害を免れない。
【0006】
そこで本発明者は、ネーム印において共通するケース部分のみを店頭で販売し、姓あるいは姓名などが形成される印字体を含む印字ユニットは、ユーザーまたは販売店からの発注書を受け取って加工した後、印字ユニットのみをユーザーあるいは販売店へ送付する販売形態(以下、単に印面受注方式という)を検討した。この販売形態によれば、納品までにある程度の時間が掛かるのは避けられないが、ディスプレイスタンドを廃止して広い店頭スペースを確保できること、不必要な既製ネーム印を販売店で在庫する必要がなく、その分の無駄なコストを省けること、常に良好な状態の印字ユニットを供給できること、全てのネーム印を一定の価格で提供できることなどの流通上のメリットがある。
【0007】
この種の販売形態に関して、実公平7−12306号公報の印鑑パッケージが公知である。そこでは、印面が加工されていない印材と、印鑑ケースと、発注書を兼ねる紙片と、ブリスターパックなどで印鑑パッケージを構成している。ユーザーは印鑑パッケージを購入した後、発注書に必要事項を記入した後、印鑑パッケージごと販売元へ郵送する。販売元は、発注書に基づいて印材を加工し、再び印鑑パッケージをユーザーへ返送する。
【0008】
この販売形態によれば、印鑑パッケージを購入した後に、印面加工のために印鑑パッケージの全体を販売元へ郵送し、さらに加工した印材を含む印鑑パッケージをユーザーへ返送する必要があるので、印鑑パッケージの往復郵送に手間とコストとが掛かる。購入した商品を販売元へ返送するので、商取引上のリスクをユーザー側が負担することになり、そのことがユーザーの購売意欲を鈍らせる一因にもなっている。
【0009】
本発明者は印字ユニットのみを後からユーザーに送付する販売形態を検討した。これによれば、送付されてきた印字ユニットをユーザー自身がケース部分に組み付ける必要がある。ところが、例えば特開平8−108606号公報に見られるように、従来のこの種のゴム印判は、ケース部分がキャップと主ケースとで構成してあって、印字ユニットを構成する各部品は、主ケースに対して、上下双方から組み付ける構造になっている。しかも、組み付ける必要上、印字ユニットはインクカートリッジ、ばね、スタンド、および印判本体とに一旦分解する必要がある。そのため、印字ユニットが主ケースに対して適正に組み付けられないおそれがあり、そのことが苦情の原因になることが予想される。つまり、従来構造のままでは、流通上に問題はないが、印字ユニットの組み立て方に問題があり、さらにユーザーにとって必ずしも組み立てが容易でなない点に問題がある。
【0010】
因みに、この種のネーム印に関して、販売店での組み立てを容易化するために、ネーム印を外套体(先の主ケースに相当する)と、筒状ホルダー(先のキャップに相当する)と、印判本体(先の印字ユニットに相当する)との3部材で構成することが、実公平5−18152号公報に公知である。そこでは、筒状ホルダーが組み付け時の基体になっており、その筒下部の内面に印判本体を圧嵌装着し、さらに筒状ホルダーの筒下部の外面に外套体を圧嵌装着している。
【0011】
上記のネーム印は、外套体とその内部に装填したばねとが分離できる構造になっている。そのため取り扱い時に、ばねや摺動鞘体が外套体から外れるおそれがあり、印判本体(印字ユニット)の組み立てをユーザーに委ねることに不安が残る。また、印判本体および外套体は、それぞれ筒状ホルダーに対して下面側から組むので、組み付け時に印面に触れて手を汚すことがある。インク補給時には、外套体と印判本体とを筒状ホルダーからそれぞれ分解する必要があり、その作業が面倒である。
【0012】
多くの場合、筒状ホルダーには印面の基準位置を表わす前印が形成してあり、組み付け時にはこの前印と印面の文字の中心方向とが一致するように、印判本体を筒状ホルダーに組む必要がある。しかし、印判本体は筒状ホルダーに対して周方向の任意位置で圧嵌装着できるので、殆どのユーザーが再組み立てを余儀なくされる可能性が高い。
【0013】
本発明の目的は、印字ユニットの主ケースへの組み付けがユーザーの手で間違いなく簡単に行え、従って印面受注方式の流通形態に好適なインク浸透式のネーム印を提供することにある。
本発明の目的は、ネーム印がキャップと、印字ユニットと、主ケースとの3部材で構成されており、とくにばねおよびスタンドが主ケースに組み込んであって、各部材の取り扱い時に構成部品が分離するのを確実に防止でき、ユーザー組み立てに適したインク浸透式のネーム印を提供することにある。
本発明の目的は、印字ユニットを主ケースに対して差し込み装填し、さらにキャップを主ケースに対して差し込み装填するだけで、各部材を正しく位置決めした状態で組み立てることができる、ユーザー組み立てに適したインク浸透式のネーム印を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のインク浸透式のネーム印は、図1および図2に示すごとく主ケース1と、主ケース1に対して着脱自在に嵌合装着されるキャップ3と、主ケース1に内嵌装着される印字ユニット2とを備えている。主ケース1は、互いに挿嵌連結される上筒5と下筒6、および両筒5・6間に分離不能に組み込まれたばね8と、このばね8で下筒6の下端開口から下方へ進出付勢される円筒状のスタンド7とを有する。印字ユニット2は、ユニット本体20と、ユニット本体20の下端面に固定したゴム印字体21とを含む。そして、印字ユニット2は上筒5に対して上下遊動を規制して内嵌装着できるようにしたものである。具体的には、ユニット本体20と上筒5との間に、互いに係合する係合突起26と係合凹部16、およびユニット本体20の上下方向位置を位置決めする縦位置決め構造をそれぞれ設けてある。
【0015】
ユニット本体20の上半部周面には、図4に示すごとく筒軸心と平行な一対の弾性腕25を突設し、この弾性腕25の遊端に係合突起26を設ける。上筒5の内面には、図3に示すごとく係合突起26を受け入れる係合凹部16を設ける。
【0016】
ユニット本体20と上筒5との間には、図2に示すごとくユニット本体20を同心状に嵌合保持する嵌合部32を設けて、印字ユニット2を上筒5に対して上下いずれか一方から内嵌装着する。
【0017】
下筒6は、上側の大径筒部6aと下側の小径筒部6bとを有して上下面が開口する段付き円筒状に形成されていて、両筒部6a・6b間の内面に段部6cを有する。上筒5は、下側に大径筒部6aに内嵌する連結筒部11を、上側にキャップ3が外嵌装着される受筒部12を有し、下筒6の大径筒部6aにスタンド7とばね8とを上方から順に挿嵌するとともに、大径筒部6aに上筒5の連結筒部11を内嵌装着し、大径筒部6aと連結筒部11とを分離不能に固定することにより、スタンド7の上端のフランジ7aが下筒6の段部6cに下方への抜け止めを図って受け止められるとともに、スタンド7のフランジ7aと連結筒部11の下端面との間にばね8が組み込まれている。
【0018】
【作用および発明の効果】
印面受注方式の販売形態を採るとき、ユーザーは主ケース1と、これに嵌合装着されたキャップ3と、主ケース1に装着された印面キャップ4とを受け取り、発注書に必要事項を記入した後、これを郵送、ファクシミリ、電子メール、あるいは電話等の通信手段を介して販売元へ送る。販売元では発注書の内容に従ってゴム印字体21を加工して、これをユニット本体20に組み、さらに他の部品を組み付けて印字ユニット2を完成し、完成した印字ユニット2をユーザーに発送する。受け取ったユーザーは、主ケース1から一旦キャップ3を外して印字ユニット2を主ケース1に組み、さらにキャップ3を主ケース1に組み付け直してネーム印を完成する。
【0019】
このとき、スタンド7とばね8とは主ケース1に予め分離不能に組み込んであるので、ユーザーは送られてきた印字ユニット2を主ケース1の上筒5に内嵌装着した後、キャップ3を主ケース1に圧嵌装着するだけでネーム印を完成できる。印字ユニット2の上筒5に対する組み付け状態を維持するために、両者2・5間に係合突起26と係合凹部16が設けられている。さらに、縦位置決め構造によって、印字ユニット2の上筒5に対する上下方向の位置決めを行っている。このように、本発明のネーム印は、ユニット部品化された印字ユニット2を、同様にユニット部品化された主ケース1に組み、さらにキャップ3を主ケース1に組むだけの簡単な操作でネーム印を完成できるので、とくに印面受注方式の流通形態を採る場合においても、ユーザー自身の手で問題なくネーム印を完成することができる。
【0020】
主ケース1を上筒5と下筒6とで構成し、上下筒5・6間に円筒状のスタンド7とばね8とが分離分能に組み込まれているので、ユーザーの取り扱い時にスタンド7やばね8が紛失するのを防止できるうえ、これらを意識する必要もなく印字ユニット2の組み立てを容易に行える。
【0021】
ユニット本体20に一対の弾性腕25を設け、その遊端に係合突起26を設けておくと、ユニット本体20を上筒5に対して内嵌操作する際に、弾性腕25が弾性変形することによって、係合突起26が係合凹部16と係合するまでの間の組み付け抵抗を減少できるうえ、係合突起26を係合凹部16にパチンと落ち込み係合させて、組み立てが正しく行えたことを確認できる。
【0022】
印字ユニット2を上筒5に対して組み付けた状態において、印字ユニット2が径方向へ遊動すると、捺印時に印面のずれや歪みを生じる。こうした印字不良の発生を防ぐために、ユニット本体20と上筒5との間に嵌合部32を設けて、印字ユニット2が径方向へ遊動するのを防止している。
【0023】
前後位置決め構造を設けておくと、印字ユニット2を上筒5に組み付ける際の周方向の位置決めを行える。さらに下筒6またはキャップ3に印面の前方表示を設けておくことによって、前後の向きを適正な状態にして、印字ユニット2を上筒5に対して組み付けることができる。
【0024】
【実施例】
図1ないし図6は本発明のネーム印の実施例を示す。図1においてネーム印は、それぞれユニット部品化された主ケース1および印字ユニット2と、主ケース1に嵌合装着されるキャップ3および印面キャップ4とで構成される。
【0025】
図3において主ケース1は、上筒5と下筒6、および両筒5・6間に組み込まれるスタンド7およびばね8からなる。下筒6は上側の大径筒部6aの下側に小径筒部6bを設けた、上下面が開口する段付き円筒状のプラスチック成形品からなり、両筒部6a・6b間の内面に段部6cを有する。スタンド7は上下面が開口する金属筒体からなり、上端周縁にばね8の下端を受け止めるための幅狭のフランジ7aが張り出し形成してある。ばね8は圧縮コイルばねからなる。
【0026】
上筒5は上下面が開口する円筒状のプラスチック成形品からなり、その外周面の下端寄りに受壁10が周回状に突設してある。受壁10の下側には先の大径筒部6aに内嵌する連結筒部11を設け、受壁10の上側にはキャップ3が外嵌装着される受筒部12を設ける。さらに受筒部12の上側に受筒部12より小径の係合筒部13を設け、その上端周縁に接当部14を張り出し形成する。係合筒部13の対向周面の2個所には、筒軸心と平行な溝15を筒部上端から下向きに形成し、その下端に連続して係合凹部16を形成する。一対の溝15を設けることにより、係合筒部13は前後に二分されて、溝15の隙間を縮めるように弾性変形できる。
【0027】
下筒6の大径筒部6aにスタンド7とばね8とを上方から順に挿嵌し、さらに上筒5の連結筒部11を大径筒部6aに内嵌装着することにより、スタンド7のフランジ7aを段部6cで下方へは抜け止め状に受け止め、スタンド7のフランシ7aと連結筒部11の下端面との間にばね8を分離不能に組み込み、これで主ケース1を1個のユニット部品とすることができる。この状態において、スタンド7は前記ばね8で下向きに進出付勢されており、スタンド7の下端は下筒6の下端よりも突出している。なお、互いに挿嵌連結した連結筒部11と大径筒部6aとは、接着剤を用いて分離不能に固定してもよいし、あるいは両筒部11・6aの嵌合面で凹凸係合する突起と凹部とで分離不能に係合固定してもよい。
【0028】
キャップ3は下向きに開口する円筒状のプラスチック成形品からなり、その下端周面の一個所に図外の前印18が設けてある。キャップ3の上端には装飾用のボタンが圧嵌装着してある。印面キャップ4は上向きに開口する有底円筒状のプラスチック成形品からなる。両キャップ3・4のうち、キャップ3は上筒5に設けた受筒部12の外周面に圧嵌装着し、印面キャップ4は先の下筒6に設けた小径筒部6bの外周面に嵌合装着する。キャップ3を受筒部12に装着するのに伴って、係合筒部13に設けた接当部14がキャップ3の筒壁内面と接当して、係合筒部13が僅かに縮径状に弾性変形して、キャップ3の抜け落ちを阻止している。そのため、キャップ3は受筒部12に対して着脱可能ではあるが、ある程度強い力で引っ張らない限りは、主ケース1から分離できない。
【0029】
印面受注式の販売形態を採るときには、上記のように、主ケース1にキャップ3と印面キャップ4とが装着された状態の半製品をユーザーに販売し、印字ユニット2はユーザーからの発注内容に応じて印面の加工を行った後に別送する。
【0030】
図4において印字ユニット2は、プラスチック成形品からなるユニット本体20を基体にして、これにゴム印字体21やインク吸蔵体22などを組み込んでユニット部品化してある。ユニット本体20の下半部周面には先の上筒5に内嵌する軸部23が設けてあり、この軸部23の上側に断面太鼓形の支軸部24を突設し、支軸部24の一対の平坦面に沿って一対の弾性腕25を下向きに突設する。弾性腕25の外面下端寄りには、前記係合凹部16と係合する係合突起26を一体に設け、係合突起26より上側に前記溝15と係合するリブ状の突起27を一体に設ける。支軸部24の円弧周面の上端には位置決め用の鍔壁28が張り出し形成してある。
【0031】
ユニット本体20の下端に設けた凹部内にインク吸蔵体22を嵌め込み、さらにその下面にゴム印字体21を密着状に配置する。ゴム印字体21は、ユニット本体20に下面側から圧嵌装着される印面金具29に保持されて、ユニット本体20と一体化される。インク吸蔵体22は硬質マットで形成してある。符号30はインク補給口であり、その上端開口は着脱自在な補給口キャップ31で塞がれる。ゴム印字体21は連続気孔を有するポーラスゴムで形成してあり、その下面には、ユーザー指定の姓または姓名が形成された印面が形成されている。
【0032】
以上のように構成した印字ユニット2は、袋内にパックし、あるいは保護ケースに収容した状態で発注先のユーザーに例えば郵送によって送られる。これを手にしたユーザーは、少なくともキャップ3を主ケース1から取り外した後、印字ユニット2を主ケース1に上方から内嵌装着する。詳しくは、ゴム印字体21の側を下向きの差し込み始端にして、印字ユニット2を上筒5内に上方から差し込む。このとき、一対の突起27が溝15内へ嵌まり込むように、印字ユニット2を上筒5に対して位置合せをし、その状態のままで印字ユニット2を差し込むと、軸部23、次いで係合突起26が上筒5内に入り込む。これに伴い弾性腕25が弾性変形して、係合突起26のくぐり抜けを容易化する。
【0033】
更に印字ユニット2を深く差し込むと、係合突起26が弾性腕25の変形力を受けて、上筒5の係合凹部16にパチンと落ち込み係合する。と同時に、印字ユニット2の上端に張り出した鍔部28が係合筒部13の上端面で受け止められる。このとき、軸部23は上筒5の内面下端に密着して径方向へは遊動不能に保持され、両者の嵌合部32で同心状に保持される。
【0034】
上記の説明から理解できるように、ユニット本体20を上筒5に組み込んだ状態においては、鍔部28と上筒5の上端面との接当によって、ユニット本体20の下方移動が規制され、係合突起26と係合凹部16との係合によってユニット本体20の上方移動が規制される。つまり、これらの部材によって縦位置決め構造を構成している。なお、ゴム印字体21の差し換え等を要するときは、係合突起26を内側に押し込んで係合凹部16との係合を解くことにより、ユニット本体20を上筒5から上方へ抜き外すことができる。また、溝15とこれに係合する突起27とによって、ユニット本体20の周方向の位置決めが図られている。印字ユニット2を主ケース1に組み付けた後、キャップ3を主ケース1に圧嵌装着するが、このとき、前印を印面の文字の向きに合致させる。
【0035】
主ケース1に組み込んだ印字ユニット2は、そのゴム印字体21の印面が、スタンド7の下端開口より僅かに上方に位置している。従って、スタンド7の下端を捺印すべき紙面に当てがい、さらに全体をばね8の弾性に抗して押し下げ操作しない限りは、印面のインクを紙面に転写できない。不使用時には、印面キャップ4を主ケース1に装着しておく。
【0036】
図7ないし図9は本発明の別の実施例を示す。先の実施例では、印字ユニット2を上筒5に対して、上方から差し込んで組みつけるようにしたが、この実施例では印字ユニット2を上筒5に下方から組み付けられるようにした。具体的には、係合筒部13の内面直径を嵌合部32(又は軸部23)の直径寸法より小さく設定して、嵌合部32の上段に印字ユニット2の上方への差し込み限界を規定する段部35を設けた。さらに、係合突起26の下端に係合凹部16の下端面と接当する抜止部36を設けた。これら両者35・36によって上筒5に組み付けた印字ユニット2の縦位置決め構造を構成した。
【0037】
また、この実施例においては、先の実施例における溝15と突起27との凹凸係合の関係を、上筒5とユニット本体20とで逆に設定し、さらにその形成位置を弾性腕25の形成位置から周方向へ90度ずらすようにした。詳しくは、図9に示すように、上筒5の係合筒部13の内面に突起27aを設け、ユニット本体20の支軸部24の円弧周面の中央に溝15aを設けた。これら両者15a・27aの係合によって、上筒5とユニット本体20とは周方向への回り止めが図られてに位置決めされる。図8において符号37は、キャップ3の筒壁内面に周回状に膨出形成した係合部である。キャップ3を上筒5に圧嵌装着した状態において、係合筒部13の上端周縁に張り出した接当部14は、係合部37を上方へ乗り越えてキャップ3を抜け止め保持する。他は先の実施例と同じであるので、同一部材に同じ符号を付して説明を省略する。
【0038】
上記の実施例では、インク吸蔵体22にインクを吸蔵させて、補給口30からインクを滴下し補給できるようにしたが、補給口キャップ31で支持した棒状の吸蔵体にインクを含浸させておき、その下端をインク吸蔵体22に接当することによりインク補給を行ってもよい。補給口キャップ31と棒状の吸蔵体とはカートリッジ化されている既存品をそのまま適用できる。
【0039】
上筒5と下筒6とは、下筒6の上部外面に上筒5の下部が外嵌する連結構造にしてもよい。弾性腕25は、上記の実施例とは逆向きに支軸部24の下端側から上向きに突設することができる。場合によっては弾性腕25は省略してもよい。例えば、係合筒部13の内面に係合突起26を設け、支軸部24の側に係合凹部16を設ける場合には、係合筒部13が外拡がり状に弾性変形して弾性腕25と同様の機能を発揮できるので、こうした場合には弾性腕25を省略できる。
【0040】
印字ユニット2の上筒5に対する上下方向の位置決めと、周方向の位置決めとは、それぞれ実施例以外の構造を採ることができる。例えば、ユニット本体20の周面の中途部に設けた段部や下端面を上筒5で受け止めることができる。また、溝15をユニット本体20側に設け、突起27を上筒5側に設けることができる。印字ユニット2は、上筒5に対して主ケース1の下面開口側から組み付けるように構成することができる。本発明のネーム印は、印面受注方式の販売形態を採る際に、ユーザーが自ら組み立てを行うのに特に好適であるが、その組み立てを容易に行える点は製造過程にも反映できるので、既製品のネーム印を供給する際にも利用できる。突起27と溝15は係合突起26と係合凹部16の形成位置とは異なる位相位置に設けることができる。
【0041】
本発明ではネーム印というも、そのネームが人の姓、名または姓名のいずれかにのみ限定される訳ではなく、持ち主の個有性を示すものであれば図柄的なものをも含む。この意味において印字ユニット2、ゴム印字体21というも同趣旨に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ネーム印を分解した状態での縦断面図である。
【図2】ネーム印の縦断正面図である。
【図3】主ケースの分解斜視図である。
【図4】印字ユニットの分解斜視図である。
【図5】図2におけるA−A線断面図である。
【図6】図2におけるB−B線断面図である。
【図7】ネーム印の別実施例を示す縦断面図である。
【図8】図7における印字ユニットと主ケースとを組み付けた状態の縦断面図である。
【図9】図8におけるC−C線断面図である。
【符号の説明】
1 主ケース
2 印字ユニット
3 キャップ
5 上筒
6 下筒
7 スタンド
8 ばね
16 係合凹部
20 ユニット本体
21 ゴム印字体
22 インク吸蔵体
25 弾性腕
26 係合突起
Claims (4)
- 主ケース(1)と、主ケース(1)に対して着脱自在に嵌合装着されるキャップ(3)と、主ケース(1)に上方または下方から差し込んで内嵌装着される印字ユニット(2)とを備えており、
主ケース(1)は、互いに挿嵌連結される上筒(5)と下筒(6)、および両筒(5・6)間に分離不能に組み込まれたばね(8)と、このばね(8)で下筒(6)の下端開口から下方へ進出付勢される円筒状のスタンド(7)とを有し、
印字ユニット(2)は、ユニット本体(20)と、ユニット本体(20)の下端面に固定したゴム印字体(21)とを含み、
印字ユニット(2)は、上筒(5)に対して上下遊動を規制して内嵌装着できるようになっており、
ユニット本体(20)と上筒(5)との間には、上筒(5)に対するユニット本体(20)の前記差込方向への移動を規制するために、互いに係合する係合突起(26)と係合凹部(16)とがそれぞれ設けてあるインク浸透式のネーム印。 - ユニット本体(20)の上半部周面に筒軸心と平行な一対の弾性腕(25)が突設され、この弾性腕(25)の遊端に係合突起(26)が設けられており、
上筒(5)に係合突起(26)を受け入れる係合凹部(16)が設けられている請求項1記載のインク浸透式のネーム印。 - 印字ユニット(2)が上筒(5)に対して上下いずれか一方から内嵌装着されており、
ユニット本体(20)に設けた軸部(23)が上筒(5)の内面に密着して径方向へは遊動不能に保持され、上筒(5)にユニット本体(20)が同心状に嵌合保持されている請求項1記載のインク浸透式のネーム印。 - 下筒(6)は、上側の大径筒部(6a)と下側の小径筒部(6b)とを有して上下面が開口する段付き円筒状に形成されていて、両筒部(6a)・(6b)間の内面に段部(6c)を有し、
上筒(5)は、下側に大径筒部(6a)に内嵌する連結筒部(11)を、上側にキャップ(3)が外嵌装着される受筒部(12)を有し、
下筒(6)の大径筒部(6a)にスタンド(7)とばね(8)とを上方から順に挿嵌するとともに、大径筒部(6a)に上筒(5)の連結筒部(11)を内嵌装着し、大径筒部(6a)と連結筒部(11)とを分離不能に固定することにより、
スタンド(7)の上端のフランジ(7a)が下筒(6)の段部(6c)に下方への抜け止めを図って受け止められるとともに、スタンド(7)のフランジ(7a)と連結筒部(11)の下端面との間にばね(8)が組み込まれている請求項1記載のインク浸透式のネーム印。
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JP (1) | JP3685952B2 (ja) |
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1999
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