JP3685894B2 - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パンツ型使い捨ておむつに関し、更に詳しくは、レッグ立体ギャザー及びウエスト立体ギャザーの機能が十分に発揮され防漏性に優れたパンツ型使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、使い捨ておむつとして、肌当接面を形成する液透過性シートと、該液透過性シートの非肌当接面側に配置される吸収体と、該吸収体の非肌当接面側に配置される液不透過性シートとを備え、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部と、背側に位置する背側部と、該腹側部及び該背側部間に位置する股下部とに区分され、上記腹側部の側縁部と上記背側部の側縁部とが左右それぞれにおいて接合されてウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されてパンツ型に形成されている、いわゆる、パンツ型の使い捨ておむつはよく知られている。このパンツ型使い捨ておむつは、立位の状態においても装着及び離脱が容易であり、幼児のおむつ離れを促進するトイレットトレーニング用として、または失禁者等の大人用のおむつ等として有用とされている。
【0003】
そしてこのパンツ型使い捨ておむつにおいては、上記背側部から上記股下部を縦断し上記腹側部にわたって装着者側へ向けて起立する1対のレッグ立体ギャザーと、上記背側部及び上記腹側部それぞれにおいて1対の該レッグ立体ギャザーを該レッグ立体ギャザーの装着者側において横切って装着者側へ向けて起立する1対のウエスト立体ギャザーとを備え、上記ウエスト立体ギャザーの自由端縁が股下部方を向くようになしてあり、あらゆる方向における漏れを回避できるようになされている。
【0004】
しかし、上述のような従来のパンツ型使い捨ておむつにおいても、ウエスト立体ギャザー部とレッグ立体ギャザー部との当接部において隙間が生じ、ここから漏れの生じる場合がある問題点がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、レッグ立体ギャザー及びウエスト立体ギャザーの機能が十分に発揮され防漏性に優れたパンツ型使い捨ておむつを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、肌当接面を形成する液透過性シートと、該液透過性シートの非肌当接面側に配置される吸収体と、該吸収体の非肌当接面側に配置される液不透過性シートとを備え、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部と、背側に位置する背側部と、該腹側部及び該背側部間に位置する股下部とに区分され、上記腹側部の側縁部と上記背側部の側縁部とが左右それぞれにおいて接合されてウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されてパンツ型に形成されており、上記背側部から上記股下部を縦断し上記腹側部にわたって装着者側へ向けて起立する1対のレッグ立体ギャザーと、上記背側部及び上記腹側部それぞれにおいて1対の該レッグ立体ギャザーを該レッグ立体ギャザーの装着者側において横切って装着者側へ向けて起立する1対のウエスト立体ギャザーとを備え、ウエスト立体ギャザーの自由端縁が上記股下部方を向いているパンツ型使い捨ておむつにおいて、上記レッグ立体ギャザーは、その両端部が、該両端部それぞれの股下部寄りの端縁を上記ウエスト立体ギャザーの装着者側に配置された自由端縁よりも上記ウエスト開口部側に位置させて固着されており、上記レッグ立体ギャザーの上記両端部は、上記股下部寄りの上記端縁を上記ウエスト立体ギャザーの上記肌当接面に固定されている固定端縁と重なるように位置させて、上記肌当接面に固着されていることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつを提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態を図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態を展開した状態で示す斜視図であり、図2は図1のI−I断面図であり、図3は図1のII−II断面図であり、図4は図1のパンツ型使い捨ておむつの要部を示す平面図である。
【0008】
本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1は、図1又は図2に示すように、肌当接面を形成する液透過性シート21と、該液透過性シート21の非肌当接面側に配置される吸収体22と、該吸収体22の非肌当接面側に配置される液不透過性シート23とを備え、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部Aと、背側に位置する背側部Bと、該腹側部A及び該背側部B間に位置する股下部Cとに区分され、上記腹側部Aの側縁部A’と上記背側部Bの側縁部B’とが左右それぞれにおいて接合されてウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されてパンツ型に形成されている。
また、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1は、上記腹側部Aから上記股下部Cを縦断し上記背側部Bにわたって装着者側へ向けて起立する1対のレッグ立体ギャザー31と、上記腹側部A及び上記背側部Bそれぞれにおいて1対の該レッグ立体ギャザー31を該レッグ立体ギャザー31の装着者側において横切って装着者側へ向けて起立する1対のウエスト立体ギャザー41とを備えており、上記ウエスト立体ギャザー41の自由端縁41aが股下部C方を向いている。
【0009】
更に詳述すると、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1は、図1及び図2に示すように、パンツ本体10と吸収部20とを備えている。
上記パンツ本体10は、本体表面シート11及び該本体表面シート11の非肌当接面側に積層された本体裏面シート12を備えている。本体表面シート11及び本体裏面シート12は、いずれも、展開した状態において長手方向略中央部の括れた砂時計断面状の形状をしている。そしてこのパンツ本体10は、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部Aと、背側に位置する背側部Bと、該腹側部A及び該背側部B間に位置する股下部Cとに区分され、上記腹側部Aの側縁部A’と背側部Bの側縁部B’とが左右それぞれにおいて接合されて、上記ウエスト開口部及び一対の上記レッグ開口部の形成されたパンツ型に形成されている。
【0010】
上記本体表面シート11としては、不織布又は不織布フィルムを用いることができ、コスト及び風合いの点で、不織布が好ましい。
上記本体裏面シート12としては、不織布又は不織布フィルムを用いることができ、コスト及び風合いの点で、不織布が好ましい。
【0011】
上記吸収部20は、縦長であって、吸収体22の肌当接面側の面全面に液透過性シート21が積層され、吸収体22の非肌当接面側の面全面に液不透過性シート23が積層されてなっている。この吸収部20は、その長手方向がパンツ本体10の長手方向と揃うように、パンツ本体10の本体表面シート11に肌当接面側から配設されており、吸収部20の両端部は腹側部A及び背側部Bに一方ずつ積なって配置されている。
上記液透過性シート21としては、従来よりパンツ型使い捨ておむつの表面シートとして用いられている液透過性シートを特に制限なく用いることができ、上記液不透過性シート23としては、従来よりパンツ型使い捨ておむつの裏面シートとして用いられている液不透過性シートを特に制限なく用いることができる。また、上記吸収体22としては、従来のパンツ型使い捨ておむつにおいて吸収体として用いられているものを特に制限なく用いることができる。
【0012】
そして、上記吸収部20の長軸方向に沿う2つの側面はそれぞれレッグ立体ギャザー形成部材30に被覆されている。このレッグ立体ギャザー形成部材30は、一方の側縁30aが吸収部20の液不透過性シート23と本体表面シート11との間に固定されており、他方の側縁30bは吸収部20の液透過性シート21側に露出されている。この他方の側縁30bには、レッグ立体ギャザー形成用の弾性部材32が該他方の側縁30bに沿って伸長された状態で配設固定されており、レッグ立体ギャザー形成用の弾性部材32の収縮によって、吸収部20の液透過性シート21側に露出した部分が装着者側に起立して上記レッグ立体ギャザー31が形成されている。このレッグ立体ギャザー31の両端部31aは吸収部20の液透過性シート21に固着されている。
上記レッグ立体ギャザー形成部材30及びレッグ立体ギャザー形成用の弾性部材32としては、従来より使い捨ておむつのレッグ立体ギャザーを形成する部材として用いられているものを特に制限なく用いることができる。
【0013】
また、パンツ本体10の腹側部A及び背側部Bには、それぞれウエスト立体ギャザー形成部材40が積層されている。このウエスト立体ギャザー形成部材40は、吸収20の配置されている部分においては該吸収20の更に装着者側に積層されており、肌当接面を形成している。このウエスト立体ギャザー形成部材40は、股下部C側の縁部40a以外の部分40cは腹側部A、背側部B及び吸収体Cのうちのいずれかに固着されている。また、そして、股下部C側の縁辺40bには、ウエスト立体ギャザー形成用の弾性部材42が該股下部C側の縁辺40bに沿って伸長された状態で配設固定されており、ウエスト立体ギャザー形成用の弾性部材42の伸縮によって、上記縁辺40bが縁部40a以外の部分40cよりも股下部C寄りに配置された状態で上記股下部C側の縁部40aが装着者側に起立して、自由端縁41aが股下部C方を向いている上記ウエスト立体ギャザー41が形成されている。
【0014】
また、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1においては、ウエスト用の弾性部材13が、パンツ本体10の腹側部A及び背側部Bにおいて、本体表面シート11と本体裏面シート12の間に、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおけるウエスト開口部の開口部縁に平行に配設されており、腹側部Aの側縁部A’と背側部Bの側縁部B’とが接合された接合部において同一のウエスト用の弾性部材13の端部どうしが重複してウエスト開口部の周縁部の略全周にわたって配置され、ウエスト開口部の周縁部の略全周にわたって配置されてウエストギャザー部14が形成されている。
更に、一対のレッグ開口部の周縁部には、レッグ用の弾性部材15a,15bが該レッグ開口部の周縁部の略全周にわたって配置されてレッグギャザー部16が形成されている。上記レッグ用の弾性部材15a,15bは、そのうちの一方(レッグ用の弾性部材15a)は、パンツ本体10の腹側部Aの一方の側縁部A’に沿い且つ股下部Cを横断し、他方の側縁部A’に沿うように本体表面シート11と本体裏面シート12との間に配設されており、他方(レッグ用の弾性部材15b)は、パンツ本体10の背側部Bの一方の側縁部B’に沿い且つ股下部Cを横断し、他方の側縁部B’に沿うように、本体表面シート11と本体裏面シート12の間に配設されている。これらのレッグ用の弾性部材15a,15bは股下部Cにおいて交差せずに配設されている。
【0015】
上記ウエスト用の弾性部材13及びレッグ用の弾性部材15としては、従来より使い捨ておむつのウエスト用の弾性部材及びレッグ用の弾性部材として用いられているものを特に制限なく用いることができる。
【0016】
更に、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1では、胴周り部(ウエスト開口部よりも股下側)に胴まわり用の弾性部材18が、パンツ本体10の腹側部A及び背側部Bにおいて、本体表面シート11と本体裏面シート12の間に、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおけるウエスト開口部の開口部縁に平行に配設されており、腹側部Aの側縁部A’と背側部Bの側縁部B’とが接合された接合部において同一の胴まわり用の弾性部材18の端部どうしが重複して胴周り部の周縁部の略全周にわたって配置されて胴まわりギャザー部19が形成されている。
上記胴周り用の弾性部材18としては、従来より使い捨ておむつの胴周り用の弾性部材及びレッグ用の弾性部材として用いられているものを特に制限なく用いることができる。
【0017】
これらの構成は従来技術と同じである。
【0018】
而して、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1では、図4に示すように、上記レッグ立体ギャザー31は、その両端部31aが、該両端部31aそれぞれの股下部C寄りの端縁31bを上記ウエスト立体ギャザー41の装着者側に配置された自由端縁41aよりも上記ウエスト開口部側に位置させて固着されている。
【0019】
以下、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1の特徴部分について詳述すると、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1においては、ウエスト立体ギャザー41の幅(装着者側に配置された上記自由端縁41aと上記肌当接面に固定されている固定端縁41bとの距離)Wは15mmとなっている。
そして、レッグ立体ギャザー31の上記両端部31aは、レッグ立体ギャザー31の幅方向においては該幅の略全体にわたって、上記液透過性シートに固着されている。また上記両端部31aは、長さ方向において上記ウエスト立体ギャザー41の上記肌当接面に固定されている固定端縁41bと同じ位置からウエスト開口部寄りが略全長にわたって固着されており、固着された上記両端部31aの上記股下部C寄りの上記端縁31bが、上記ウエスト立体ギャザー41の上記肌当接面に固定されている固定端縁41bと重なるように位置している。
【0020】
本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1によると、上記レッグ立体ギャザー31の固着された両端部31aの股下部C寄りの端縁31bが、ウエスト立体ギャザー41の装着者側に配置された自由端縁41aよりも上記ウエスト開口部側に位置ており、レッグ立体ギャザー31とウエスト立体ギャザー41とが実質的に連続して起立形成されるので、レッグ立体ギャザー31及びウエスト立体ギャザー41の機能が吸収体の周囲においてもれなく発揮され、優れた防漏性が得られる。
特に、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1によると、上記レッグ立体ギャザー31の固着された両端部31aの股下部C寄りの端縁31bが上記ウエスト立体ギャザー41の上記肌当接面に固定されている固定端縁41bと長手方向において重なって配置されているので、レッグ立体ギャザー31とウエスト立体ギャザー41とが、ほぼ完全に起立した状態で実質的に連続して形成され、特に、優れた防漏性が得られる。
【0021】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、各部材の具体的な形状、寸法、材料等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更可能である。
例えば、上記吸収部20は、吸収体22と液透過性シート21と、又は吸収体22と液不透過性シート23とを一体に形成したものとすることもできる。
上記パンツ型使い捨ておむつ1は、胴周り部に弾性部材が配設されていないものとすることもできる。また、液透過性シート21、吸収体22、及び液不透過性シート23が、それぞれの長手方向中央部の括れた砂時計断面状に形成されており、吸収体22が液透過性シート21と液不透過性シート23との間に介在配置されており、液透過性シート21が上記実施形態における本体表面シートを兼ね、液不透過性シートが上記実施形態における本体裏面シート12を兼ねているものとすることもできる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパンツ型使い捨ておむつによれば、レッグ立体ギャザー及びウエスト立体ギャザーの機能が十分に発揮され、優れた防漏性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態を展開した状態で示す斜視図である。
【図2】図1のI−I断面図である。
【図3】図1のII−II断面図である。
【図4】図1のパンツ型使い捨ておむつの要部を示す平面図である。
【符号の説明】
1 パンツ型使い捨ておむつ
10 パンツ本体
11 本体表面シート
12 本体裏面シート
13 (ウエスト用の)弾性部材
14 ウエストギャザー部
15a (レッグ用の)弾性部材
15b (レッグ用の)弾性部材
16 レッグギャザー部
18 (胴まわり用の)弾性部材
19 胴まわりギャザー部
20 吸収部
21 液透過性シート
22 吸収体
23 液不透過性シート
30 レッグ立体ギャザー形成部材
31 レッグ立体ギャザー
31a (レッグ立体ギャザーの)端部
31b (レッグ立体ギャザーの端部の股下部寄りの)端縁
32 (レッグ立体ギャザー形成用の)弾性部材
40 ウエスト立体ギャザー形成部材
40a (ウエスト立体ギャザー形成部材の)縁部
40b (ウエスト立体ギャザー形成部材の)縁辺
40c (ウエスト立体ギャザー形成部材の)縁部以外の部分
41 ウエスト立体ギャザー
41a 自由端縁
41b 固定端縁
42 (ウエスト立体ギャザー形成用の)弾性部材
A 腹側部
A’ (腹側部)の側縁部
B 背側部
B’ (背側部)の側縁部
C 股下部

Claims (1)

  1. 肌当接面を形成する液透過性シートと、該液透過性シートの非肌当接面側に配置される吸収体と、該吸収体の非肌当接面側に配置される液不透過性シートとを備え、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部と、背側に位置する背側部と、該腹側部及び該背側部間に位置する股下部とに区分され、上記腹側部の側縁部と上記背側部の側縁部とが左右それぞれにおいて接合されてウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されてパンツ型に形成されており、
    上記背側部から上記股下部を縦断し上記腹側部にわたって装着者側へ向けて起立する1対のレッグ立体ギャザーと、上記背側部及び上記腹側部それぞれにおいて1対の該レッグ立体ギャザーを該レッグ立体ギャザーの装着者側において横切って装着者側へ向けて起立する1対のウエスト立体ギャザーとを備え、ウエスト立体ギャザーの自由端縁が上記股下部方を向いているパンツ型使い捨ておむつにおいて、
    上記レッグ立体ギャザーは、その両端部が、該両端部それぞれの股下部寄りの端縁を上記ウエスト立体ギャザーの装着者側に配置された自由端縁よりも上記ウエスト開口部側に位置させて固着されており、
    上記レッグ立体ギャザーの上記両端部は、上記股下部寄りの上記端縁を上記ウエスト立体ギャザーの上記肌当接面に固定されている固定端縁と重なるように位置させて、上記肌当接面に固着されている
    ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
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