JP3685661B2 - アンギュラ型の総玉軸受装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は総玉軸受装置に関し、より詳細には、真空あるいは高温環境下で回転軸を回転可能に担持するのに最適なアンギュラ型の総玉軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の総玉軸受は、磁気軸受装置のタッチダウン軸受、ターボ分子ポンプ用軸受、および回転陽極X線管用軸受等、高速回転用の転がり軸受として好適に用いられるものである。
図6は、そのような総玉軸受を一般的な回転陽極X線管に採用した構成例を示している。同図を参照して、上記回転陽極X線管は、電子を放出する陰極部1と、陰極部1に対向するターゲット板2と、ターゲット板2を回転可能に担持する回転軸5とを備えている。
【0003】
回転軸5は、横向きに配設されており、当該回転中心線方向に間隔を隔てて配設された一対の総玉軸受4、4により構成される軸受装置によって、回転可能に軸支されている。この軸受装置は、ハウジング3内に両総玉軸受4、4を収容している。
図7に示すように、総玉軸受4、4は、上記回転軸5の外周に形成された内輪軌道溝43、43と、回転軸5の外周に同心に配設された外輪41、41の軌道溝41a、41aと、両軌道溝43、41a、43、41a間に介装される多数の玉42によって具体化されているインテグラル型の斜接玉軸受である。なお、一方の外輪41と他方の外輪41は、互いにカラー10、11を介して軸方向に並設されている。
【0004】
回転軸5および外輪41、41は、高速度鋼(日本工業規格:SKH4)で形成されている。また、カラー10、11は、それぞれステンレス鋼(日本工業規格:SUS440C、またはSUS403、SUS410)で形成されている。総玉軸受4、4は、上記外輪軌道溝41a、41aの形状が背面合わせにされている。玉42、42は、球状に形成されており、その表面には、銀のイオンプレーティングや、他の軟質金属、金、銅、鉛等の固体潤滑膜、或いは、層状構造をなす二硫化モリブデン等の固体潤滑膜が施されている。
【0005】
また、一般的な総玉軸受4、4において、内輪軌道溝43、43の曲率半径は、外輪軌道溝41a、41aと同一に設定されていた。即ち、玉42、42の径をBdとした場合、各軌道溝43、43、41a、41aの曲率半径は、(51〜54)%×Bdに設定されていた。
上記構成によれば、陰極部1から放出される電子を高電圧によって加速し、ターゲット板2に衝突させる。衝突した電子は、その制動輻射により、または、原子核内電子の空位をうめる遷移時のエネルギー放出により、X線を発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、両総玉軸受4、4が、回転軸5を介してターゲット板2を片持ち状態にしている場合、回転軸5が傾き、ターゲット板2の方へ引っ張られる結果、ターゲット板2から遠い方の総玉軸受4には、予圧がかかり、個々の玉に作用する面圧は、低くなる。
ところが、ターゲット板2に近い方の総玉軸受4には、熱膨張を無視した場合、アキシャル荷重が殆ど作用しないため、ラジアル荷重を特定の玉だけで受けることになり、オーバーハング状態になって、面圧が高くなる。この結果、両総玉軸受4、4の諸元が全く同一の場合には、ターゲット板2に近い方の総玉軸受4の寿命が短くなり、製品の寿命を支配している。
【0007】
本発明の目的は全体として回転トルクを低減でき、寿命を延ばすことができるアンギュラ型の総玉軸受装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、真空或いは高温環境下で横向きに配置され一端に負荷荷重を受けて高速で回転する回転軸の中心線方向に間隔を隔てて背面合わせで配置されて玉に施された固体潤滑膜で潤滑を行う第1および第2のアンギュラ型の総玉軸受によって、回転軸がハウジングに回転可能に支持され、第1のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重に相対的に近く且つ第2のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重から相対的に遠いアンギュラ型の総玉軸受装置において、
上記第1のアンギュラ型の総玉軸受の玉の個数を第2のアンギュラ型の総玉軸受の玉の個数よりも多くしたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明では、負荷荷重から遠い側の第2のアンギュラ型の総玉軸受の負荷容量を第1のアンギュラ型の総玉軸受の負荷容量よりも小さくするべく第1のアンギュラ型の総玉軸受の玉の個数を第2のアンギュラ型の総玉軸受の玉の個数よりも多くすることにより、面圧を分散させ、且つ、第1のアンギュラ型の総玉軸受の回転トルクを小さくし、もって、全体として、回転トルクの低減を図り、寿命を延ばすことができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、真空或いは高温環境下で横向きに配置され一端に負荷荷重を受けて高速で回転する回転軸の中心線方向に間隔を隔てて背面合わせで配置されて玉に施された固体潤滑膜で潤滑を行う第1および第2のアンギュラ型の総玉軸受によって、回転軸がハウジングに回転可能に支持され、第1のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重に相対的に近く且つ第2のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重から相対的に遠いアンギュラ型の総玉軸受装置において、
上記第1のアンギュラ型の総玉軸受の玉間の円周方向すきまを第2のアンギュラ型の総玉軸受の玉間の円周方向すきまよりも小さくしたことを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、真空或いは高温環境下で横向きに配置され一端に負荷荷重を受けて高速で回転する回転軸の中心線方向に間隔を隔てて背面合わせで配置されて玉に施された固体潤滑膜で潤滑を行う第1および第2のアンギュラ型の総玉軸受によって、回転軸がハウジングに回転可能に支持され、第1のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重に相対的に近く且つ第2のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重から相対的に遠いアンギュラ型の総玉軸受装置において、
上記第1のアンギュラ型の総玉軸受の玉の直径を第2のアンギュラ型の総玉軸受の玉の直径よりも大きくしたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態について詳述する。なお以下の説明において、従来技術と同一の部材には同一の符号を付し説明を省略している。
図1は、本発明の一実施の形態における総玉軸受の要部拡大図であり、図2は、上記総玉軸受を採用した回転陽極X線管の要部を示す概略正面図である。
【0012】
先ず、図2を参照して、本実施の形態に係る回転陽極X線管においては、一対の総玉軸受401、402により回転軸5がハウジング3に回転可能に軸支されている。外輪41、41は、ハウジング3に対し、すきまばめにて嵌合され、ハウジング3に対し軸方向の移動が可能なように配置されている。
両総玉軸受401、402は、従来例と同一の外輪軌道溝41a、41aと、回転軸5に直接形成された内輪軌道溝51、51との間に、多数の玉42、42を、保持器によって相互の間隔を規制することなく、つまり相互の接近(或いは離反)を許容した状態で介在させたインテグラル式深溝型のものである。 本実施例に採用可能な玉42としては、高速度鋼製(例えば日本工業規格:SKH4)のものを採用することができる他、窒化けい素を主体とするセラミック材で構成されたものが好適である。また、玉42の表面に施される固体潤滑剤としては、Ag−IP(イオンプレーティング)或いはPb−IPが好ましい。回転軸5および外輪41の表面硬さは、HRC62〜66に設定される。また、玉42の表面硬さは、HRC63〜68である。
【0013】
回転軸5、外輪41、および玉42の線膨張係数は、11.0×10-6である。
本実施の形態の総玉軸受401、402において、内輪軌道溝51、51の曲率半径Piは、玉42、42の直径をBdとした場合、
Pi=(61%±2%)×Bd
に設定されている。
【0014】
これに対し、外輪軌道溝41a、41aの曲率半径Poは、一般的な軸受に比べ、固体潤滑膜の摩耗を考慮して
Po=(56%±2%)×Bd
というように、若干大きく設定してある。それにおいても、内輪軌道溝51、51の曲率半径Piの方が、外輪軌道溝41a、41aの曲率半径Poよりも大きく設定されている。これにより、内輪軌道溝51と玉42との接触面積が小さくなる。
【0015】
上記構成によれば、熱膨張が生じ、回転軸5、玉42、42、および外輪41、41が軸方向および径方向に伸びると、内輪軌道溝51に対して外輪41は、その軌道溝41aとの間に配設される玉42との接触角を減ずるように、軸方向に相対的に変位する。この際、内輪軌道溝51は、外輪軌道溝41aよりも大きな曲率半径に設定されている(Pi>Po)ので、玉42が肩乗り上げすることなく外輪軌道溝41aに転がりガイドされながら内輪軌道溝51の横断面形状に沿い、外輪軌道溝41aおよび内輪軌道溝51と転がり接触することができる。従って、従来の構造に比べ、玉42の各軌道溝41a、51とのすべりが減少し、玉表面の潤滑膜の摩耗が減少し、軸受寿命が向上する。
【0016】
また、回転軸5からの熱伝導の割合が低減し、軸受の温度上昇が小さくなり、潤滑膜の損失も少なくなる。さらに、接触面積が少ない分、面圧が下がって回転トルクτが小さくなり、潤滑膜の摩耗も減少する。
このように、本実施の形態の総玉軸受によれば、玉42のすべり運動が減少することに加えて内輪軌道溝51と玉42との接触面積が小さくなることにより、さらには、玉42が肩乗り上げすることなく内輪軌道溝51の横断面形状に沿い、内輪軌道溝51と転がり接触することにより、肩乗り上げの発生が防止され、また回転トルクτの増加、並びに潤滑被覆の剥離等の不具合を防止することができ、もって、総玉軸受の寿命が短くなるのを防止することができるという顕著な効果を奏する。特に、回転トルクτの低減を図ることができるので、固体潤滑膜を施した玉42のスピンを抑制することができる結果、軌道溝との摩擦による潤滑膜の損傷も抑制でき、固体潤滑寿命も長くなるという利点がある。
【0017】
しかも、本実施の形態によれば、回転軸5からの熱伝導の割合が低減し、軸受の温度上昇が小さくなるので、熱影響を受けにくくなり、この点からも、寿命を延ばすことに寄与することができる。
この構成は、少なくともターゲット板2に近い方の第1の総玉軸受401に施されている。回転軸5の熱影響は、第1の総玉軸受401の方がより大きいからである。しかし、本実施の形態においては、第2の総玉軸受402においても、内輪軌道溝51の曲率半径Piの方が、外輪軌道溝42aの曲率半径Poよりも大きく設定されている。
【0018】
次に、本実施の形態において、両総玉軸受401、402は、各玉42を軌道溝41a、51に沿って一方向に寄せ集めた際、玉42のなす列の一端と他端との円周方向のすきまCCが、以下の関係式(1)、(2)を満すように設定されている:
上記構成を採用しているので、本実施の形態の総玉軸受401、402においては、特に高速回転時において、玉42の進み遅れによる回転トルクへの影響を抑制することができる。このため、玉42同士が干渉するのを抑制することができ、ひいては、異音が発生したり、焼付が発生したりするのを防止することができる。また、軸受自体の回転トルクτも低減する。
【0019】
次に、本実施の形態においては、第2の総玉軸受402の負荷容量を第1の総玉軸受401よりも小さく設定している。
上述したように、両総玉軸受401、402が、回転軸5を介してターゲット板2を片持ち状態にしている場合、回転軸5が傾き、ターゲット板2の方へ引っ張られる結果、第2の総玉軸受402には、予圧がかかり、個々の玉に作用する面圧は、低くなる。
【0020】
ところが、ターゲット板2に近い第1の総玉軸受401には、熱膨張を無視した場合、アキシャル荷重が殆ど作用しないため、ラジアル荷重を特定の玉だけで受けることになり、オーバーハング状態になって、面圧が高くなる。この結果、両総玉軸受401、402の諸元が全く同一の場合には、第1の総玉軸受401の寿命が短くなり、製品の寿命を支配している。
そこで、本実施の形態では、第2の総玉軸受402の負荷容量を第1の総玉軸受401よりも小さく設定することにより、面圧を配分させ、且つ、第2の総玉軸受402の回転トルクτを小さくし、もって、全体として、回転トルクτの低減を図っているのである。
【0021】
その第1の態様としては、第2の総玉軸受402の玉42の個数を第1の総玉軸受401の個数よりも少なくすることが好適である。
また、別の態様としては、第2の総玉軸受402の玉42の直径を第1の総玉軸受401の直径よりも小さくすることが好適である。
上述した何れの態様においても、第1の総玉軸受401の負荷容量は変わらず、第2の総玉軸受402の回転トルクτは小さくなるので、全体として、回転トルクτを低減することができる。これは、第2の総玉軸受402においては、片持ち支持に由来するアキシャル荷重により、いわゆる予圧が作用している結果、上述のように設定して負荷容量を下げても、製品全体としての寿命には影響せず、回転トルクτを減少させることができる反面、第1の総玉軸受401においては、負荷容量は変わらないため、寿命は変わらない。従って、全体として回転トルクτが低減でき、寿命を延ばすことができるのである。
【0022】
表1は、上述した実施の形態において具体的な数値を計算した結果を示している。計算条件としては、図2に示す重心Gの荷重を3.5KG、重心から第1の総玉軸受401までの軸方向の距離D0を63cm、両総玉軸受401、402間の軸方向の距離D1を50.8cmに設定した場合である。
【0023】
【表1】
【0024】
〔測定結果〕
総玉軸受の回転トルクτおよび寿命を調べるために、以下の条件で回転トルクτ、寿命比の測定を行なった。
(1)試料
回転トルクτの変化を測定するために、
A. アンギュラ型総玉軸受(型番608相当品。潤滑剤:固体潤滑剤をコーティング(AgI.P.処理))を用いて、玉径Bdおよび玉数Zを一定とし、すきまCCのみを変更したもの(試験品▲1▼〜▲3▼)、
B. 上記アンギュラ型総玉軸受を用いて、玉数Zを試験品▲1▼と同じに設定し、玉径Bdを試験品▲1▼よりも小さく設定して、すきまCCのみを変更したもの(試験品▲4▼〜▲6▼)、および
C. 上記アンギュラ型総玉軸受を用いて、玉径Bdを試験品▲1▼〜▲3▼と同じに設定し、玉数Zを試験品▲1▼よりも小さく設定して、すきまCCのみを変更したもの(試験品▲7▼、▲8▼)
を試料とした。上記試験品▲1▼〜▲8▼のうち、本願発明の実施の形態の総玉軸受の相当品は、▲6▼、▲7▼、▲8▼である。
【0025】
また、寿命比を測定するために、A、Cの試験品▲1▼〜▲3▼、▲7▼、▲8▼を試料とした。
(2)試験装置
試験装置としては、図4に示すものを採用した。同図において、試料となる総玉軸受400に軸支される回転軸451を、第1の空気軸受420によって、中立状態に支持し、総玉軸受400の外輪を、トルク検出用ハウジング430に固定した。このトルク検出用ハウジング430は、第2の空気軸受440により、浮揚した状態で支持されている。450は、回転軸451の上端に配設された空気荷重装置であり、総玉軸受400に所定のアキシャル荷重(予圧)を付与するためのものである。このアキシャル荷重は、任意に調整される。また、回転軸451は、エアータービン460によって、速度調整可能に回転駆動されるようになっている。
【0026】
上記トルク検出用ハウジング430に作用する回転トルクは、トルク検出器470によって検出可能に構成されている。その検出信号は、増幅器480を介してX−Y記録計490に入力される。また、回転軸410の回転速度は、非接触の回転速度検出器500およびタコメータ510によって検出可能であり、その検出信号は、上記X−Y記録計490に入力される。X−Y記録計490は、検出結果を出力する。
【0027】
(3)試験方法
(3−1)回転トルクの測定
図4の試験装置を使用して、試験品▲1▼〜▲8▼に、2kgfの予圧(アキシャル方向の荷重)をかけ、大気圧、常温にて、4000rpmの回転速度で回転させた。
(3−2)寿命の測定
図4の試験装置を使用して、試験品▲1▼〜▲3▼、▲7▼、▲8▼に、15kgfの予圧(アキシャル方向の荷重)をかけ、10-5Pa、常温にて、3000rpmの回転速度で回転させた。
【0028】
(4)測定結果
図5は、上記試験品▲1▼〜▲8▼の測定結果を示すプロット図であり、白抜きのものは、回転トルクτの数値を示し、黒く塗り潰されたものは、試験品▲1▼の寿命を1とする寿命比をプロットしたものである。
図5に示すように、すきまCCが大きくなればなる程、回転トルクτが低減することがわかった。但し、すきまCCが2.0を越える場合、試験品▲1▼を1とする寿命比が短くなることが予想され、上記関係式(2)の範囲が両者の要請を満たす上で最も好ましいことがわかった。
【0029】
次に、玉径Bdを試験品▲1▼よりも小さく設定したもの(B欄に該当するもの:試験品▲4▼、▲5▼、▲6▼)については、玉径Bdが基準寸法のものよりも回転トルクτが低下することがわかった。
さらに、玉数Zを試験品▲1▼よりも小さく設定したもの(C欄に該当するもの:試験品▲7▼、▲8▼)については、上記B欄に該当するものよりもさらに回転トルクτが低下し、しかも、寿命比もあまり低下しないことがわかった。
【0030】
なお、上記実施の形態では、いわゆるインテグラル式深溝型の総玉軸受について述べたが、通常の内輪を有する深溝型の総玉軸受であってもよい。さらに、斜接玉軸受に限らず内外輪の何れかまたは両方に玉入れ溝を形成した深溝玉軸受であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における総玉軸受の要部拡大図である。
【図2】上記総玉軸受を採用した回転陽極X線管の要部を示す概略正面図である。
【図3】上記回転陽極X線管の一部を破断して示す要部側面略図である。
【図4】回転トルクおよび寿命の測定に使用した試験装置の概略図である。
【図5】上記測定の結果を示すプロット図である。
【図6】一般的な回転陽極X線管を示す概略正面図である。
【図7】図6の回転陽極X線管の要部を拡大して示す概略正面図である。
【符号の説明】
5 回転軸
41a 外輪軌道溝
42 玉
51 内輪軌道溝
【産業上の利用分野】
本発明は総玉軸受装置に関し、より詳細には、真空あるいは高温環境下で回転軸を回転可能に担持するのに最適なアンギュラ型の総玉軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の総玉軸受は、磁気軸受装置のタッチダウン軸受、ターボ分子ポンプ用軸受、および回転陽極X線管用軸受等、高速回転用の転がり軸受として好適に用いられるものである。
図6は、そのような総玉軸受を一般的な回転陽極X線管に採用した構成例を示している。同図を参照して、上記回転陽極X線管は、電子を放出する陰極部1と、陰極部1に対向するターゲット板2と、ターゲット板2を回転可能に担持する回転軸5とを備えている。
【0003】
回転軸5は、横向きに配設されており、当該回転中心線方向に間隔を隔てて配設された一対の総玉軸受4、4により構成される軸受装置によって、回転可能に軸支されている。この軸受装置は、ハウジング3内に両総玉軸受4、4を収容している。
図7に示すように、総玉軸受4、4は、上記回転軸5の外周に形成された内輪軌道溝43、43と、回転軸5の外周に同心に配設された外輪41、41の軌道溝41a、41aと、両軌道溝43、41a、43、41a間に介装される多数の玉42によって具体化されているインテグラル型の斜接玉軸受である。なお、一方の外輪41と他方の外輪41は、互いにカラー10、11を介して軸方向に並設されている。
【0004】
回転軸5および外輪41、41は、高速度鋼(日本工業規格:SKH4)で形成されている。また、カラー10、11は、それぞれステンレス鋼(日本工業規格:SUS440C、またはSUS403、SUS410)で形成されている。総玉軸受4、4は、上記外輪軌道溝41a、41aの形状が背面合わせにされている。玉42、42は、球状に形成されており、その表面には、銀のイオンプレーティングや、他の軟質金属、金、銅、鉛等の固体潤滑膜、或いは、層状構造をなす二硫化モリブデン等の固体潤滑膜が施されている。
【0005】
また、一般的な総玉軸受4、4において、内輪軌道溝43、43の曲率半径は、外輪軌道溝41a、41aと同一に設定されていた。即ち、玉42、42の径をBdとした場合、各軌道溝43、43、41a、41aの曲率半径は、(51〜54)%×Bdに設定されていた。
上記構成によれば、陰極部1から放出される電子を高電圧によって加速し、ターゲット板2に衝突させる。衝突した電子は、その制動輻射により、または、原子核内電子の空位をうめる遷移時のエネルギー放出により、X線を発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、両総玉軸受4、4が、回転軸5を介してターゲット板2を片持ち状態にしている場合、回転軸5が傾き、ターゲット板2の方へ引っ張られる結果、ターゲット板2から遠い方の総玉軸受4には、予圧がかかり、個々の玉に作用する面圧は、低くなる。
ところが、ターゲット板2に近い方の総玉軸受4には、熱膨張を無視した場合、アキシャル荷重が殆ど作用しないため、ラジアル荷重を特定の玉だけで受けることになり、オーバーハング状態になって、面圧が高くなる。この結果、両総玉軸受4、4の諸元が全く同一の場合には、ターゲット板2に近い方の総玉軸受4の寿命が短くなり、製品の寿命を支配している。
【0007】
本発明の目的は全体として回転トルクを低減でき、寿命を延ばすことができるアンギュラ型の総玉軸受装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、真空或いは高温環境下で横向きに配置され一端に負荷荷重を受けて高速で回転する回転軸の中心線方向に間隔を隔てて背面合わせで配置されて玉に施された固体潤滑膜で潤滑を行う第1および第2のアンギュラ型の総玉軸受によって、回転軸がハウジングに回転可能に支持され、第1のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重に相対的に近く且つ第2のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重から相対的に遠いアンギュラ型の総玉軸受装置において、
上記第1のアンギュラ型の総玉軸受の玉の個数を第2のアンギュラ型の総玉軸受の玉の個数よりも多くしたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明では、負荷荷重から遠い側の第2のアンギュラ型の総玉軸受の負荷容量を第1のアンギュラ型の総玉軸受の負荷容量よりも小さくするべく第1のアンギュラ型の総玉軸受の玉の個数を第2のアンギュラ型の総玉軸受の玉の個数よりも多くすることにより、面圧を分散させ、且つ、第1のアンギュラ型の総玉軸受の回転トルクを小さくし、もって、全体として、回転トルクの低減を図り、寿命を延ばすことができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、真空或いは高温環境下で横向きに配置され一端に負荷荷重を受けて高速で回転する回転軸の中心線方向に間隔を隔てて背面合わせで配置されて玉に施された固体潤滑膜で潤滑を行う第1および第2のアンギュラ型の総玉軸受によって、回転軸がハウジングに回転可能に支持され、第1のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重に相対的に近く且つ第2のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重から相対的に遠いアンギュラ型の総玉軸受装置において、
上記第1のアンギュラ型の総玉軸受の玉間の円周方向すきまを第2のアンギュラ型の総玉軸受の玉間の円周方向すきまよりも小さくしたことを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、真空或いは高温環境下で横向きに配置され一端に負荷荷重を受けて高速で回転する回転軸の中心線方向に間隔を隔てて背面合わせで配置されて玉に施された固体潤滑膜で潤滑を行う第1および第2のアンギュラ型の総玉軸受によって、回転軸がハウジングに回転可能に支持され、第1のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重に相対的に近く且つ第2のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重から相対的に遠いアンギュラ型の総玉軸受装置において、
上記第1のアンギュラ型の総玉軸受の玉の直径を第2のアンギュラ型の総玉軸受の玉の直径よりも大きくしたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態について詳述する。なお以下の説明において、従来技術と同一の部材には同一の符号を付し説明を省略している。
図1は、本発明の一実施の形態における総玉軸受の要部拡大図であり、図2は、上記総玉軸受を採用した回転陽極X線管の要部を示す概略正面図である。
【0012】
先ず、図2を参照して、本実施の形態に係る回転陽極X線管においては、一対の総玉軸受401、402により回転軸5がハウジング3に回転可能に軸支されている。外輪41、41は、ハウジング3に対し、すきまばめにて嵌合され、ハウジング3に対し軸方向の移動が可能なように配置されている。
両総玉軸受401、402は、従来例と同一の外輪軌道溝41a、41aと、回転軸5に直接形成された内輪軌道溝51、51との間に、多数の玉42、42を、保持器によって相互の間隔を規制することなく、つまり相互の接近(或いは離反)を許容した状態で介在させたインテグラル式深溝型のものである。 本実施例に採用可能な玉42としては、高速度鋼製(例えば日本工業規格:SKH4)のものを採用することができる他、窒化けい素を主体とするセラミック材で構成されたものが好適である。また、玉42の表面に施される固体潤滑剤としては、Ag−IP(イオンプレーティング)或いはPb−IPが好ましい。回転軸5および外輪41の表面硬さは、HRC62〜66に設定される。また、玉42の表面硬さは、HRC63〜68である。
【0013】
回転軸5、外輪41、および玉42の線膨張係数は、11.0×10-6である。
本実施の形態の総玉軸受401、402において、内輪軌道溝51、51の曲率半径Piは、玉42、42の直径をBdとした場合、
Pi=(61%±2%)×Bd
に設定されている。
【0014】
これに対し、外輪軌道溝41a、41aの曲率半径Poは、一般的な軸受に比べ、固体潤滑膜の摩耗を考慮して
Po=(56%±2%)×Bd
というように、若干大きく設定してある。それにおいても、内輪軌道溝51、51の曲率半径Piの方が、外輪軌道溝41a、41aの曲率半径Poよりも大きく設定されている。これにより、内輪軌道溝51と玉42との接触面積が小さくなる。
【0015】
上記構成によれば、熱膨張が生じ、回転軸5、玉42、42、および外輪41、41が軸方向および径方向に伸びると、内輪軌道溝51に対して外輪41は、その軌道溝41aとの間に配設される玉42との接触角を減ずるように、軸方向に相対的に変位する。この際、内輪軌道溝51は、外輪軌道溝41aよりも大きな曲率半径に設定されている(Pi>Po)ので、玉42が肩乗り上げすることなく外輪軌道溝41aに転がりガイドされながら内輪軌道溝51の横断面形状に沿い、外輪軌道溝41aおよび内輪軌道溝51と転がり接触することができる。従って、従来の構造に比べ、玉42の各軌道溝41a、51とのすべりが減少し、玉表面の潤滑膜の摩耗が減少し、軸受寿命が向上する。
【0016】
また、回転軸5からの熱伝導の割合が低減し、軸受の温度上昇が小さくなり、潤滑膜の損失も少なくなる。さらに、接触面積が少ない分、面圧が下がって回転トルクτが小さくなり、潤滑膜の摩耗も減少する。
このように、本実施の形態の総玉軸受によれば、玉42のすべり運動が減少することに加えて内輪軌道溝51と玉42との接触面積が小さくなることにより、さらには、玉42が肩乗り上げすることなく内輪軌道溝51の横断面形状に沿い、内輪軌道溝51と転がり接触することにより、肩乗り上げの発生が防止され、また回転トルクτの増加、並びに潤滑被覆の剥離等の不具合を防止することができ、もって、総玉軸受の寿命が短くなるのを防止することができるという顕著な効果を奏する。特に、回転トルクτの低減を図ることができるので、固体潤滑膜を施した玉42のスピンを抑制することができる結果、軌道溝との摩擦による潤滑膜の損傷も抑制でき、固体潤滑寿命も長くなるという利点がある。
【0017】
しかも、本実施の形態によれば、回転軸5からの熱伝導の割合が低減し、軸受の温度上昇が小さくなるので、熱影響を受けにくくなり、この点からも、寿命を延ばすことに寄与することができる。
この構成は、少なくともターゲット板2に近い方の第1の総玉軸受401に施されている。回転軸5の熱影響は、第1の総玉軸受401の方がより大きいからである。しかし、本実施の形態においては、第2の総玉軸受402においても、内輪軌道溝51の曲率半径Piの方が、外輪軌道溝42aの曲率半径Poよりも大きく設定されている。
【0018】
次に、本実施の形態において、両総玉軸受401、402は、各玉42を軌道溝41a、51に沿って一方向に寄せ集めた際、玉42のなす列の一端と他端との円周方向のすきまCCが、以下の関係式(1)、(2)を満すように設定されている:
上記構成を採用しているので、本実施の形態の総玉軸受401、402においては、特に高速回転時において、玉42の進み遅れによる回転トルクへの影響を抑制することができる。このため、玉42同士が干渉するのを抑制することができ、ひいては、異音が発生したり、焼付が発生したりするのを防止することができる。また、軸受自体の回転トルクτも低減する。
【0019】
次に、本実施の形態においては、第2の総玉軸受402の負荷容量を第1の総玉軸受401よりも小さく設定している。
上述したように、両総玉軸受401、402が、回転軸5を介してターゲット板2を片持ち状態にしている場合、回転軸5が傾き、ターゲット板2の方へ引っ張られる結果、第2の総玉軸受402には、予圧がかかり、個々の玉に作用する面圧は、低くなる。
【0020】
ところが、ターゲット板2に近い第1の総玉軸受401には、熱膨張を無視した場合、アキシャル荷重が殆ど作用しないため、ラジアル荷重を特定の玉だけで受けることになり、オーバーハング状態になって、面圧が高くなる。この結果、両総玉軸受401、402の諸元が全く同一の場合には、第1の総玉軸受401の寿命が短くなり、製品の寿命を支配している。
そこで、本実施の形態では、第2の総玉軸受402の負荷容量を第1の総玉軸受401よりも小さく設定することにより、面圧を配分させ、且つ、第2の総玉軸受402の回転トルクτを小さくし、もって、全体として、回転トルクτの低減を図っているのである。
【0021】
その第1の態様としては、第2の総玉軸受402の玉42の個数を第1の総玉軸受401の個数よりも少なくすることが好適である。
また、別の態様としては、第2の総玉軸受402の玉42の直径を第1の総玉軸受401の直径よりも小さくすることが好適である。
上述した何れの態様においても、第1の総玉軸受401の負荷容量は変わらず、第2の総玉軸受402の回転トルクτは小さくなるので、全体として、回転トルクτを低減することができる。これは、第2の総玉軸受402においては、片持ち支持に由来するアキシャル荷重により、いわゆる予圧が作用している結果、上述のように設定して負荷容量を下げても、製品全体としての寿命には影響せず、回転トルクτを減少させることができる反面、第1の総玉軸受401においては、負荷容量は変わらないため、寿命は変わらない。従って、全体として回転トルクτが低減でき、寿命を延ばすことができるのである。
【0022】
表1は、上述した実施の形態において具体的な数値を計算した結果を示している。計算条件としては、図2に示す重心Gの荷重を3.5KG、重心から第1の総玉軸受401までの軸方向の距離D0を63cm、両総玉軸受401、402間の軸方向の距離D1を50.8cmに設定した場合である。
【0023】
【表1】
【0024】
〔測定結果〕
総玉軸受の回転トルクτおよび寿命を調べるために、以下の条件で回転トルクτ、寿命比の測定を行なった。
(1)試料
回転トルクτの変化を測定するために、
A. アンギュラ型総玉軸受(型番608相当品。潤滑剤:固体潤滑剤をコーティング(AgI.P.処理))を用いて、玉径Bdおよび玉数Zを一定とし、すきまCCのみを変更したもの(試験品▲1▼〜▲3▼)、
B. 上記アンギュラ型総玉軸受を用いて、玉数Zを試験品▲1▼と同じに設定し、玉径Bdを試験品▲1▼よりも小さく設定して、すきまCCのみを変更したもの(試験品▲4▼〜▲6▼)、および
C. 上記アンギュラ型総玉軸受を用いて、玉径Bdを試験品▲1▼〜▲3▼と同じに設定し、玉数Zを試験品▲1▼よりも小さく設定して、すきまCCのみを変更したもの(試験品▲7▼、▲8▼)
を試料とした。上記試験品▲1▼〜▲8▼のうち、本願発明の実施の形態の総玉軸受の相当品は、▲6▼、▲7▼、▲8▼である。
【0025】
また、寿命比を測定するために、A、Cの試験品▲1▼〜▲3▼、▲7▼、▲8▼を試料とした。
(2)試験装置
試験装置としては、図4に示すものを採用した。同図において、試料となる総玉軸受400に軸支される回転軸451を、第1の空気軸受420によって、中立状態に支持し、総玉軸受400の外輪を、トルク検出用ハウジング430に固定した。このトルク検出用ハウジング430は、第2の空気軸受440により、浮揚した状態で支持されている。450は、回転軸451の上端に配設された空気荷重装置であり、総玉軸受400に所定のアキシャル荷重(予圧)を付与するためのものである。このアキシャル荷重は、任意に調整される。また、回転軸451は、エアータービン460によって、速度調整可能に回転駆動されるようになっている。
【0026】
上記トルク検出用ハウジング430に作用する回転トルクは、トルク検出器470によって検出可能に構成されている。その検出信号は、増幅器480を介してX−Y記録計490に入力される。また、回転軸410の回転速度は、非接触の回転速度検出器500およびタコメータ510によって検出可能であり、その検出信号は、上記X−Y記録計490に入力される。X−Y記録計490は、検出結果を出力する。
【0027】
(3)試験方法
(3−1)回転トルクの測定
図4の試験装置を使用して、試験品▲1▼〜▲8▼に、2kgfの予圧(アキシャル方向の荷重)をかけ、大気圧、常温にて、4000rpmの回転速度で回転させた。
(3−2)寿命の測定
図4の試験装置を使用して、試験品▲1▼〜▲3▼、▲7▼、▲8▼に、15kgfの予圧(アキシャル方向の荷重)をかけ、10-5Pa、常温にて、3000rpmの回転速度で回転させた。
【0028】
(4)測定結果
図5は、上記試験品▲1▼〜▲8▼の測定結果を示すプロット図であり、白抜きのものは、回転トルクτの数値を示し、黒く塗り潰されたものは、試験品▲1▼の寿命を1とする寿命比をプロットしたものである。
図5に示すように、すきまCCが大きくなればなる程、回転トルクτが低減することがわかった。但し、すきまCCが2.0を越える場合、試験品▲1▼を1とする寿命比が短くなることが予想され、上記関係式(2)の範囲が両者の要請を満たす上で最も好ましいことがわかった。
【0029】
次に、玉径Bdを試験品▲1▼よりも小さく設定したもの(B欄に該当するもの:試験品▲4▼、▲5▼、▲6▼)については、玉径Bdが基準寸法のものよりも回転トルクτが低下することがわかった。
さらに、玉数Zを試験品▲1▼よりも小さく設定したもの(C欄に該当するもの:試験品▲7▼、▲8▼)については、上記B欄に該当するものよりもさらに回転トルクτが低下し、しかも、寿命比もあまり低下しないことがわかった。
【0030】
なお、上記実施の形態では、いわゆるインテグラル式深溝型の総玉軸受について述べたが、通常の内輪を有する深溝型の総玉軸受であってもよい。さらに、斜接玉軸受に限らず内外輪の何れかまたは両方に玉入れ溝を形成した深溝玉軸受であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における総玉軸受の要部拡大図である。
【図2】上記総玉軸受を採用した回転陽極X線管の要部を示す概略正面図である。
【図3】上記回転陽極X線管の一部を破断して示す要部側面略図である。
【図4】回転トルクおよび寿命の測定に使用した試験装置の概略図である。
【図5】上記測定の結果を示すプロット図である。
【図6】一般的な回転陽極X線管を示す概略正面図である。
【図7】図6の回転陽極X線管の要部を拡大して示す概略正面図である。
【符号の説明】
5 回転軸
41a 外輪軌道溝
42 玉
51 内輪軌道溝
Claims (3)
- 真空或いは高温環境下で横向きに配置され一端に負荷荷重を受けて高速で回転する回転軸の中心線方向に間隔を隔てて背面合わせで配置されて玉に施された固体潤滑膜で潤滑を行う第1および第2のアンギュラ型の総玉軸受によって、回転軸がハウジングに回転可能に支持され、第1のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重に相対的に近く且つ第2のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重から相対的に遠いアンギュラ型の総玉軸受装置において、
上記第1のアンギュラ型の総玉軸受の玉の個数を第2のアンギュラ型の総玉軸受の玉の個数よりも多くしたことを特徴とするアンギュラ型の総玉軸受装置。 - 真空或いは高温環境下で横向きに配置され一端に負荷荷重を受けて高速で回転する回転軸の中心線方向に間隔を隔てて背面合わせで配置されて玉に施された固体潤滑膜で潤滑を行う第1および第2のアンギュラ型の総玉軸受によって、回転軸がハウジングに回転可能に支持され、第1のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重に相対的に近く且つ第2のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重から相対的に遠いアンギュラ型の総玉軸受装置において、
上記第1のアンギュラ型の総玉軸受の玉間の円周方向すきまを第2のアンギュラ型の総玉軸受の玉間の円周方向すきまよりも小さくしたことを特徴とするアンギュラ型の総玉軸受装置。 - 真空或いは高温環境下で横向きに配置され一端に負荷荷重を受けて高速で回転する回転軸の中心線方向に間隔を隔てて背面合わせで配置されて玉に施された固体潤滑膜で潤滑を行う第1および第2のアンギュラ型の総玉軸受によって、回転軸がハウジングに回転可能に支持され、第1のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重に相対的に近く且つ第2のアンギュラ型の総玉軸受が負荷荷重から相対的に遠いアンギュラ型の総玉軸受装置において、
上記第1のアンギュラ型の総玉軸受の玉の直径を第2のアンギュラ型の総玉軸受の玉の直径よりも大きくしたことを特徴とするアンギュラ型の総玉軸受装置。
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