JP3017914B2 - 総玉軸受及びアンギュラ型総玉軸受装置 - Google Patents

総玉軸受及びアンギュラ型総玉軸受装置

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JP3017914B2 JP6030139A JP3013994A JP3017914B2 JP 3017914 B2 JP3017914 B2 JP 3017914B2 JP 6030139 A JP6030139 A JP 6030139A JP 3013994 A JP3013994 A JP 3013994A JP 3017914 B2 JP3017914 B2 JP 3017914B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は総玉軸受に関し、より詳
細には、真空あるいは高温環境下で回転軸を回転可能に
担持するのに最適な総玉軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の総玉軸受は、磁気軸受
装置のタッチダウン軸受、ターボ分子ポンプ用軸受、お
よび回転陽極X線管用軸受等、高速回転用の転がり軸受
として好適に用いられるものである。図6は、そのよう
な総玉軸受を一般的な回転陽極X線管に採用した構成例
を示している。同図を参照して、上記回転陽極X線管
は、電子を放出する陰極部1と、陰極部1に対向するタ
ーゲット板2と、ターゲット板2を回転可能に担持する
回転軸5とを備えている。
【0003】回転軸5は、横向きに配設されており、当
該回転中心線方向に間隔を隔てて配設された一対の総玉
軸受4、4により構成される軸受装置によって、回転可
能に軸支されている。この軸受装置は、ハウジング3内
に両総玉軸受4、4を収容している。図7に示すよう
に、総玉軸受4、4は、上記回転軸5の外周に形成され
た内輪軌道溝43、43と、回転軸5の外周に同心に配
設された外輪41、41の軌道溝41a、41aと、両
軌道溝43、41a、43、41a間に介装される多数
の玉42によって具体化されているインテグラル型の斜
接玉軸受である。なお、一方の外輪41と他方の外輪4
1は、互いにカラー10、11を介して軸方向に並設さ
れている。
【0004】回転軸5および外輪41、41は、高速度
鋼(日本工業規格:SKH4)で形成されている。ま
た、カラー10、11は、それぞれステンレス鋼(日本
工業規格:SUS440C、またはSUS403、SU
S410)で形成されている。総玉軸受4、4は、上記
外輪軌道溝41a、41aの形状が背面合わせにされて
いる。玉42、42は、球状に形成されており、その表
面には、銀のイオンプレーティングや、他の軟質金属、
金、銅、鉛等の固体潤滑膜、或いは、層状構造をなす二
硫化モリブデン等の固体潤滑膜が施されている。
【0005】また、一般的な総玉軸受4、4において、
内輪軌道溝43、43の曲率半径は、外輪軌道溝41
a、41aと同一に設定されていた。即ち、玉42、4
2の径をBdとした場合、各軌道溝43、43、41
a、41aの曲率半径は、(51〜54)%×Bdに設
定されていた。上記構成によれば、陰極部1から放出さ
れる電子を高電圧によって加速し、ターゲット板2に衝
突させる。衝突した電子は、その制動輻射により、また
は、原子核内電子の空位をうめる遷移時のエネルギー放
出により、X線を発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高速電子がターゲット
板2に衝突した際に高熱が発生し、回転軸5に伝導す
る。このため、回転陽極X線管の使用時において、回転
軸5の温度は、およそ550℃に達する。これに対し、
軸受4、4を構成している外輪41は、およそ350℃
である。このため、回転軸5からの高温の熱伝導が玉4
2に施した固体潤滑膜を軟化或いは溶融したりして油潤
滑の早期剥離や摩耗を促進し、軸受の早期寿命を引き起
こす。
【0007】また、回転軸5と当該回転軸5とは別体の
ハウジングとの間に温度差が生じ、回転軸5は軸方向に
伸びると共に、径方向にも伸びることになる。このと
き、軸受の内部すきまが負になるのを防止するため、カ
ラー10、11の材質を適宜設定して外輪41、41と
の間に所定の隙間を設け、外輪41、41を回転軸5に
対して相対的に移動させるようにしている。従って、回
転軸5の熱膨張によって内部すきまが負になることはな
いものの、外輪41、41の軸方向移動によって、玉4
2、42が外輪41、41の軌道溝41a、41aから
外れ、いわゆる肩乗り上げが生じる場合がある。この肩
乗り上げが生じると、軌道溝41a、41a端部で、玉
42、42の表面を被覆している潤滑膜が剥離する等の
不具合が生じ、結果的に軸受寿命が短くなるおそれがあ
る。
【0008】さらに、回転陽極X線管は、約10,00
0r.p.m.の高速回転運動を行ない、且つ急加速を
伴うため、内外輪の軌道溝43、41a、43、41a
間の玉42、42の転がりは、内外輪には完全に追従す
ることができず、玉42、42と内輪軌道溝43、43
および玉42、42と外輪軌道溝41a、41a間の双
方ですべりが発生する。玉42、42の表面に固体潤滑
膜を施した玉軸受においては、上記すべりは潤滑膜の早
期摩耗に繋がり、結果的に軸受寿命を短くする。
【0009】本発明は上記不具合に鑑みてなされたもの
であり、高温時や高速時において、玉のすべりを低減す
ると共に、玉への熱影響を低減し、もって、回転トルク
が小さく寿命の長い総玉軸受およびアンギュラ型総玉軸
受装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】一般に、玉と内輪および
玉と外輪との間のすべりを比較した場合、周速が速い
分、玉と外輪との間のすべりの方が大きい。従って、上
記課題を解決するために、本発明の請求項1記載の構成
は、内外輪の軌道溝間に複数の玉を配設した総玉軸受に
おいて、上記内輪軌道溝の曲率半径Pi、および上記外
輪軌道溝の曲率半径Poは、玉径をBdとしたときに、
下記式を満たすように設定されていることを特徴とする
総玉軸受である。0.59Bd≦Pi≦0.63Bd 0.54Bd≦Po≦0.58Bd
【0011】また、請求項2記載の構成は、玉の表面に
固体潤滑剤からなる皮膜が施されていることを特徴とす
る請求項第1項記載の総玉軸受である。また、請求項3
記載の構成は、 回転軸の周囲を取り囲むハウジングと、
回転軸の外周の軸方向に離隔した位置に配置される2つ
の軌道溝と、 両軌道溝に対応するハウジングの内周にす
きま嵌めにて嵌合され、内周に軌道溝が形成される2つ
の外輪と、 回転軸の両軌道溝及び両外輪の軌道溝間に各
々配置される複数の玉と、 両外輪間に配置される予圧付
与用のカラーとを備え、 上記回転軸の軌道溝の曲率半径
が上記外輪軌道溝の曲率半径よりも大きく設定されてい
ることを特徴とするアンギュラ型総玉軸受装置である。
また、請求項4記載の構成は、 玉の表面に固体潤滑剤か
らなる被膜が施されていることを特徴とする請求項第3
項記載のアンギュラ型総玉軸受装置である。 また、請求
項5記載の構成は、 上記回転軸の軌道溝の曲率半径をP
i、外輪の軌道溝の曲率半径をPo、玉径をBdとした
ときに、下記式を満たすように設定されていることを特
徴とする請求項3又は4記載のアンギュラ型総玉軸受装
置。 0.59Bd≦Pi≦0.63Bd 0.54Bd≦Po≦0.58Bd
【0012】
【作用】上記構成によれば、内輪軌道溝と玉との接触面
積が小さくなる。そして、熱膨張が生じ、回転軸、玉、
および外輪が軸方向および径方向に伸びると、外輪軌道
溝は内輪軌道溝に対し相対的に軸方向に変位する。この
際、内輪軌道溝は、外輪軌道溝よりも大きな曲率半径に
設定されているので、玉が肩乗り上げすることなく内輪
軌道溝の横断面形状に沿い、内輪軌道溝と転がり接触す
ることができる。内輪からの熱伝導の割合も低下する。
さらに、玉を外輪に転がりガイドさせるようにしたの
で、外輪と玉とのすべりが低減される。よって、玉に固
体潤滑膜を施した場合には、潤滑膜の寿命が延び、ひい
ては軸受の寿命が延びる。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を参照しつつ本発明の好まし
い実施例について詳述する。なお以下の説明において、
従来技術と同一の部材には同一の符号を付し説明を省略
している。図1は、本発明の一実施例における総玉軸受
の要部拡大図であり、図2は、上記総玉軸受を採用した
回転陽極X線管の要部を示す概略正面図である。
【0014】先ず、図2を参照して、本実施例に係る回
転陽極X線管においては、一対の総玉軸受401、40
2により回転軸5がハウジング3に回転可能に軸支され
ている。外輪41、41は、ハウジング3に対し、すき
まばめにて嵌合され、ハウジング3に対し軸方向の移動
が可能なように配置されている。両総玉軸受401、4
02は、従来例と同一の外輪軌道溝41a、41aと、
回転軸5に直接形成された内輪軌道溝51、51との間
に、多数の玉42、42を、保持器によって相互の間隔
を規制することなく、つまり相互の接近(或いは離反)
を許容した状態で介在させたインテグラル式深溝型のも
のである。 本実施例に採用可能な玉42としては、高
速度鋼製(例えば日本工業規格:SKH4)のものを採
用することができる他、窒化けい素を主体とするセラミ
ック材で構成されたものが好適である。また、玉42の
表面に施される固体潤滑剤としては、Ag−IP(イオ
ンプレーティング)或いはPb−IPが好ましい。回転
軸5および外輪41の表面硬さは、HRC62〜66に
設定される。また、玉42の表面硬さは、HRC63〜
68である。
【0015】回転軸5、外輪41、および玉42の線膨
張係数は、11.0×10-6である。本実施例の総玉軸
受401、402において、内輪軌道溝51、51の曲
率半径Piは、玉42、42の直径をBdとした場合、 Pi=(61%±2%)×Bd に設定されている。すなわち、 0.59Bd≦Pi≦0.63Bd に設定されている。
【0016】これに対し、外輪軌道溝41a、41aの
曲率半径Poは、一般的な軸受に比べ、固体潤滑膜の摩
耗を考慮して Po=(56%±2%)×Bd というように、若干大きく設定してある。すなわち、 0.54Bd≦Po≦0.58Bd に設定されている。 それにおいても、内輪軌道溝51、
51の曲率半径Piの方が、外輪軌道溝41a、41a
の曲率半径Poよりも大きく設定されている。これによ
り、内輪軌道溝51と玉42との接触面積が小さくな
る。
【0017】上記構成によれば、熱膨張が生じ、回転軸
5、玉42、42、および外輪41、41が軸方向およ
び径方向に伸びると、内輪軌道溝51に対して外輪41
は、その軌道溝41aとの間に配設される玉42との接
触角を減ずるように、軸方向に相対的に変位する。この
際、内輪軌道溝51は、外輪軌道溝41aよりも大きな
曲率半径に設定されている(Pi>Po)ので、玉42
が肩乗り上げすることなく外輪軌道溝41aに転がりガ
イドされながら内輪軌道溝51の横断面形状に沿い、外
輪軌道溝41aおよび内輪軌道溝51と転がり接触する
ことができる。従って、従来の構造に比べ、玉42の各
軌道溝41a、51とのすべりが減少し、玉表面の潤滑
膜の摩耗が減少し、軸受寿命が向上する。
【0018】また、回転軸5からの熱伝導の割合が低減
し、軸受の温度上昇が小さくなり、潤滑膜の損失も少な
くなる。さらに、接触面積が少ない分、面圧が下がって
回転トルクτが小さくなり、潤滑膜の摩耗も減少する。
このように、本実施例の総玉軸受によれば、玉42のす
べり運動が減少することに加えて内輪軌道溝51と玉4
2との接触面積が小さくなることにより、さらには、玉
42が肩乗り上げすることなく内輪軌道溝51の横断面
形状に沿い、内輪軌道溝51と転がり接触することによ
り、肩乗り上げの発生が防止され、また回転トルクτの
増加、並びに潤滑被覆の剥離等の不具合を防止すること
ができ、もって、総玉軸受の寿命が短くなるのを防止す
ることができるという顕著な効果を奏する。特に、回転
トルクτの低減を図ることができるので、固体潤滑膜を
施した玉42のスピンを抑制することができる結果、軌
道溝との摩擦による潤滑膜の損傷も抑制でき、固体潤滑
寿命も長くなるという利点がある。
【0019】しかも、本実施例によれば、回転軸5から
の熱伝導の割合が低減し、軸受の温度上昇が小さくなる
ので、熱影響を受けにくくなり、この点からも、寿命を
延ばすことに寄与することができる。この構成は、少な
くともターゲット板2に近い方の第1の総玉軸受401
に施されている。回転軸5の熱影響は、第1の総玉軸受
401の方がより大きいからである。しかし、本実施例
においては、第2の総玉軸受402においても、内輪軌
道溝51の曲率半径Piの方が、外輪軌道溝42aの曲
率半径Poよりも大きく設定されている。
【0020】次に、本実施例において、両総玉軸受40
1、402は、各玉42を軌道溝41a、51に沿って
一方向に寄せ集めた際、玉42のなす列の一端と他端と
の円周方向のすきまCCが、以下の関係式(1)、
(2)を満すように設定されている: CC=dm×sin{180°−Z×sin-1(Bd/dm)}…(1) 0.8×Bd≦CC≦2.0×Bd …(2) dm:玉42のピッチ円直径(図3参照) Bd:玉42の直径(図3参照) Z:玉42の個数 上記構成を採用しているので、本実施例の総玉軸受40
1、402においては、特に高速回転時において、玉4
2の進み遅れによる回転トルクへの影響を抑制すること
ができる。このため、玉42同士が干渉するのを抑制す
ることができ、ひいては、異音が発生したり、焼付が発
生したりするのを防止することができる。また、軸受自
体の回転トルクτも低減する。
【0021】次に、本実施例においては、第2の総玉軸
受402の負荷容量を第1の総玉軸受401よりも小さ
く設定している。上述したように、両総玉軸受401、
402が、回転軸5を介してターゲット板2を片持ち状
態にしている場合、回転軸5が傾き、ターゲット板2の
方へ引っ張られる結果、第2の総玉軸受402には、予
圧がかかり、個々の玉に作用する面圧は、低くなる。
【0022】ところが、ターゲット板2に近い第1の軸
受装置401には、熱膨張を無視した場合、アキシャル
荷重が殆ど作用しないため、ラジアル荷重を特定の玉だ
けで受けることになり、オーバーハング状態になって、
面圧が高くなる。この結果、両総玉軸受401、402
の諸元が全く同一の場合には、第1の総玉軸受401の
寿命が短くなり、製品の寿命を支配している。
【0023】そこで、本実施例では、第2の総玉軸受4
02の負荷容量を第1の総玉軸受401よりも小さく設
定することにより、面圧を配分させ、且つ、第2の総玉
軸受402の回転トルクτを小さくし、もって、全体と
して、回転トルクτの低減を図っているのである。その
第1の態様としては、第2の総玉軸受402の玉42の
個数を第1の総玉軸受401の個数よりも少なくするこ
とが好適である。
【0024】また、別の態様としては、第2の総玉軸受
402の玉42の直径を第1の総玉軸受401の直径よ
りも小さくすることが好適である。上述した何れの態様
においても、第1の総玉軸受401の負荷容量は変わら
ず、第2の総玉軸受402の回転トルクτは小さくなる
ので、全体として、回転トルクτを低減することができ
る。これは、第2の総玉軸受402においては、片持ち
支持に由来するアキシャル荷重により、いわゆる予圧が
作用している結果、上述のように設定して負荷容量を下
げても、製品全体としての寿命には影響せず、回転トル
クτを減少させることができる反面、第1の総玉軸受4
01においては、負荷容量は変わらないため、寿命は変
わらない。従って、全体として回転トルクτが低減で
き、寿命を延ばすことができるのである。
【0025】表1は、上述した実施例の具体的な数値を
計算した結果を示している。計算条件としては、図2に
示す重心Gの荷重を3.5KG、重心から第1の総玉軸
受401までの軸方向の距離D0を63cm、両総玉軸
受401、402間の軸方向の距離D1を50.8cm
に設定した場合である。
【0026】
【表1】
【0027】〔測定結果〕本実施例による回転トルクτ
および寿命を調べるために、以下の条件で回転トルク
τ、寿命比の測定を行なった。 (1)試料 回転トルクτの変化を測定するために、 A. アンギュラ型総玉軸受(型番608相当品。潤滑
剤:固体潤滑剤をコーティング(AgI.P.処理))
を用いて、玉径Bdおよび玉数Zを一定とし、すきまC
Cのみを変更したもの(試験品〜)、 B. 上記アンギュラ型総玉軸受を用いて、玉数Zを試
験品と同じに設定し、玉径Bdを試験品よりも小さ
く設定して、すきまCCのみを変更したもの(試験品
〜)、および C. 上記アンギュラ型総玉軸受を用いて、玉径Bdを
試験品〜と同じに設定し、玉数Zを試験品よりも
小さく設定して、すきまCCのみを変更したもの(試験
品、)を試料とした。上記試験品〜のうち、本
願発明の実施例相当品は、、、である。
【0028】また、寿命比を測定するために、A、Cの
試験品〜、、を試料とした。 (2)試験装置 試験装置としては、図4に示すものを採用した。同図に
おいて、試料となる総玉軸受400に軸支される回転軸
451を、第1の空気軸受420によって、中立状態に
支持し、総玉軸受400の外輪を、トルク検出用ハウジ
ング430に固定した。このトルク検出用ハウジング4
30は、第2の空気軸受440により、浮揚した状態で
支持されている。450は、回転軸451の上端に配設
された空気荷重装置であり、総玉軸受400に所定のア
キシャル荷重(予圧)を付与するためのものである。こ
のアキシャル荷重は、任意に調整される。また、回転軸
451は、エアータービン460によって、速度調整可
能に回転駆動されるようになっている。
【0029】上記トルク検出用ハウジング430に作用
する回転トルクは、トルク検出器470によって検出可
能に構成されている。その検出信号は、増幅器480を
介してX−Y記録計490に入力される。また、回転軸
410の回転速度は、非接触の回転速度検出器500お
よびタコメータ510によって検出可能であり、その検
出信号は、上記X−Y記録計490に入力される。X−
Y記録計490は、検出結果を出力する。
【0030】(3)試験方法 (3−1)回転トルクの測定 図4の試験装置を使用して、試験品〜に、2kgf
の予圧(アキシャル方向の荷重)をかけ、大気圧、常温
にて、4000rpmの回転速度で回転させた。
【0031】(3−2)寿命の測定 図4の試験装置を使用して、試験品〜、、に、
15kgfの予圧(アキシャル方向の荷重)をかけ、1
-5Pa、常温にて、3000rpmの回転速度で回転
させた。 (4)測定結果 図5は、上記試験品〜の測定結果を示すプロット図
であり、白抜きのものは、回転トルクτの数値を示し、
黒く塗り潰されたものは、試験品の寿命を1とする寿
命比をプロットしたものである。
【0032】図5に示すように、すきまCCが大きくな
ればなる程、回転トルクτが低減することがわかった。
但し、すきまCCが2.0を越える場合、試験品を1
とする寿命比が短くなることが予想され、上記関係式
(1)の範囲が両者の要請を満たす上で最も好ましいこ
とがわかった。次に、玉径Bdを試験品よりも小さく
設定したもの(B欄に該当するもの:試験品、、
)については、玉径Bdが基準寸法のものよりも回転
トルクτが低下することがわかった。
【0033】さらに、玉数Zを試験品よりも小さく設
定したもの(C欄に該当するもの:試験品、)につ
いては、上記B欄に該当するものよりもさらに回転トル
クτが低下し、しかも、寿命比もあまり低下しないこと
がわかった。なお、上記実施例では、いわゆるインテグ
ラル式深溝型の総玉軸受について述べたが、通常の内輪
を有する深溝型の総玉軸受であってもよい。さらに、斜
接玉軸受に限らず内外輪の何れかまたは両方に玉入れ溝
を形成した深溝玉軸受であってもよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の総玉軸受
によれば、玉と内輪軌道溝との接触面積が減少すること
により、さらには、玉が肩乗り上げすることなく外輪軌
道溝に転がりガイドされながら内輪軌道溝の横断面形状
に沿い、内外輪軌道溝と転がり接触することにより、す
べりや肩乗り上げによる回転トルクの増加、並びに潤滑
被覆の剥離等の不具合を防止することができ、もって、
総玉軸受の寿命が短くなるのを防止することができると
いう顕著な効果を奏する。特に、回転トルクの低減を図
ることができるので、固体潤滑膜を施した玉のスピンを
抑制することができる結果、軌道溝との摩擦による潤滑
膜の損傷も抑制でき、固体潤滑寿命も長くなるという利
点がある。
【0035】しかも、本発明によれば、回転軸からの熱
伝導の割合が低減し、軸受の温度上昇が小さくなるの
で、熱影響を受けにくくなり、この点からも、寿命を延
ばすことに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における総玉軸受の要部拡大
図である。
【図2】上記総玉軸受を採用した回転陽極X線管の要部
を示す概略正面図である。
【図3】上記回転陽極X線管の一部を破断して示す要部
側面略図である。
【図4】回転トルクおよび寿命の測定に使用した試験装
置の概略図である。
【図5】上記測定の結果を示すプロット図である。
【図6】一般的な回転陽極X線管を示す概略正面図であ
る。
【図7】図6の回転陽極X線管の要部を拡大して示す概
略正面図である。
【符号の説明】
5 回転軸 41a 外輪軌道溝 42 玉 51 内輪軌道溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 33/58 F16C 19/02 F16C 19/54

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内外輪の軌道溝間に複数の玉を配設した総
    玉軸受において、 上記内輪軌道溝の曲率半径Pi、および上記外輪軌道溝
    の曲率半径Poは、玉径をBdとしたときに、下記式を
    満たすように設定されていることを特徴とする総玉軸
    受。0.59Bd≦Pi≦0.63Bd 0.54Bd≦Po≦0.58Bd
  2. 【請求項2】玉の表面に固体潤滑剤からなる被膜が施さ
    れていることを特徴とする請求項第1項記載の総玉軸
    受。
  3. 【請求項3】回転軸の周囲を取り囲むハウジングと、 回転軸の外周の軸方向に離隔した位置に配置される2つ
    の軌道溝と、 両軌道溝に対応するハウジングの内周にすきま嵌めにて
    嵌合され、内周に軌道溝が形成される2つの外輪と、 回転軸の両軌道溝及び両外輪の軌道溝間に各々配置され
    る複数の玉と、 両外輪間に配置される予圧付与用のカラーとを備え、 上記回転軸の軌道溝の曲率半径が上記外輪の軌道溝の曲
    率半径よりも大きく設定されていることを特徴とするア
    ンギュラ型総玉軸受装置。
  4. 【請求項4】玉の表面に固体潤滑剤からなる被膜が施さ
    れていることを特徴とする請求項第3項記載のアンギュ
    ラ型総玉軸受装置。
  5. 【請求項5】上記回転軸の軌道溝の曲率半径をPi、外
    輪の軌道溝の曲率半径をPo、玉径をBdとしたとき
    に、下記式を満たすように設定されていることを特徴と
    する請求項3又は4記載のアンギュラ型総玉軸受装置。 0.59Bd≦Pi≦0.63Bd 0.54Bd≦Po≦0.58Bd
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