JP3684346B2 - ポリエチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを出発物質とするポリエチレンテレフタレートの製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートから物性の低下や着色のない高品質のポリエチレンテレフタレート、特にテレフタル酸を出発物質として得られるポリエチレンテレフタレートと同程度の物性を有するポリエチレンテレフタレートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートを製造する方法としては、ジメチルテレフタレートまたはテレフタル酸をエチレングリコールと反応させる方法が広く知られている。ジメチルテレフタレートを原料とする方法は、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールに触媒を添加し、反応で副生するメタノールを留去させながらエステル交換反応を行い、その後得られたビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよび重合度が4以下程度のオリゴマーからなる反応生成物を重縮合させてポリエチレンテレフタレートを製造するものである。一方、テレフタル酸を原料とする方法は、テレフタル酸とエチレングリコールを副生する水を留去させながらエステル化反応させ、その後得られるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを含む平均重合度が9〜10のオリゴマーを重縮合させてポリエチレンテレフタレートを製造するものである。
【0003】
また、特開2000−169623号公報に記載されているように、使用済みのポリエチレンテレフタレートの回収処理により得られた粗製ポリエチレンテレフタレート(チップまたはフレーク)を原料として、高純度のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得、これを重合触媒の存在下で重縮合させてポリエチレンテレフタレートを製造する方法も知られている。この方法では使用済みポリエチレンテレフタレートをエチレングリコールで解重合し、精製して高純度のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートとし、これを再度重縮合させてポリエチレンテレフタレートとエチレングリコールにするので、副生成物が生じず、エチレングリコールの補給も原則として不要であるという利点がある。しかし、前記ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート中のオリゴマー成分は1.5モル%程度であって、他に若干のジエチレングリコール成分が結合したテレフタル酸エステルが存在しているだけであることから、ポリエチレンテレフタレートの製造について、上記ジメチルテレフタレートやテレフタル酸を原料としてポリエチレンテレフタレートを製造する方法とは異なる特有の重合条件を設定することが必要となる。
【0004】
即ち、ジメチルテレフタレートやテレフタル酸を出発原料とする方法がビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの他にすでにオリゴマーが相当量存在する状態から重縮合反応を始めてポリエチレンテレフタレートを製造するのに対し、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを原料とする方法は大部分がビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート単量体である状態から重縮合反応を始めてポリエチレンテレフタレートを製造するという相違がある。したがって、後者の方法において適正な条件で重合を行わない場合、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート単量体の縮合によってエチレングリコールが多量に発生し、これが長時間の熱履歴を受けて縮合反応を起こしジエチレングリコールを生成する結果、最終生成物であるポリエチレンテレフタレート中にジエチレングリコール成分が多く含まれるようになり、ポリエチレンテレフタレートの耐加水分解性、耐熱性および耐性などの物性の低下や着色を起こすなどの問題を生じることになる。これは、ジエチレングリコールが共重合されやすいことおよびジエチレングリコールの沸点が約245℃と高いために反応系外に排出することが容易でないことなどによると考えられる。
【0005】
例えば、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを常圧下において重縮合させると、この縮合反応によって発生した遊離のエチレングリコールの存在により系中にジエチレングリコールが多量に発生する。したがって、この場合、得られるポリエチレンテレフタレートの色相はテレフタル酸を原料とする方法で得られるものより著しく劣ったものとなり、また、融点も低下する。具体的には、ジエチレングリコールの共重合量が1重量%であるときポリエチレンテレフタレートの融点は約263℃であるのに対し、共重合量が4重量%になると融点は約250℃まで低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを出発原料として、諸物性に優れたポリエチレンテレフタレートを製造する方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、使用済みのポリエチレンテレフタレートをエチレングリコールで解重合し、精製することにより得られた、純度約98重量%以上で且つイオン含有量が10ppm以下であるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを出発原料として、テレフタル酸を出発原料として得られるポリエチレンテレフタレートと同程度の品質を有するポリエチレンテレフタレートを製造することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、
(1)(A)純度が98重量%以上であるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを、(B)重合触媒のエチレングリコール溶液またはエチレングリコール分散液および(C)リン化合物の存在下、7〜70kPaの圧力および220〜270℃の温度で30〜90分間エチレングリコールを除去しながら反応させて平均重合度4〜10のオリゴマーを生成せしめ、次いで
(2)圧力を低下させおよび温度を上昇させて最終的に25〜140Paの圧力および275〜300℃の温度で上記工程(1)の反応生成物を重縮合させて固有粘度0.50以上のポリエチレンテレフタレートを生成せしめる、
ことを特徴とするポリエチレンテレフタレートの製造方法によって達成される。
【0010】
本発明者は、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート単量体の重縮合反応の初期にエチレングリコールの激しい発生による沸騰が起こること、そして重縮合物中のジエチレングリコールの増加率は反応開始後35〜40分間が大きく、その後は小さいことを見出した。一方、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの重縮合反応は重合触媒の存在下で行われるが、触媒は通常、アンチモン化合物やゲルマニウム化合物などをエチレングリコールに溶解させるか、または分散させて反応系に添加される。ジエチレングリコールの生成には上記重縮合反応によって発生するエチレングリコールの他、この触媒の溶媒または分散媒として添加されるエチレングリコールも関与する。さらに、安定剤等の他の添加剤もエチレングリコールに溶解または分散させて添加される。したがって、本発明者は、重縮合反応により生じる遊離のエチレングリコールおよび触媒等の添加物と共に加えられるエチレングリコールを素早く系内より除去することにより生成ポリエチレンテレフタレート中のジエチレングリコール成分の含有量を減少させることができると考え、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至ったのである。
【0011】
本発明において使用されるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートは、どのようにして製造したものでもよいが、使用済みのポリエチレンテレフタレートをケミカルリサイクル法で回収することによって得られる高純度ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、例えば使用済みのポリエチレンテレフタレートから粗製ポリエチレンテレフタレートチップまたはフレークを得、これを原料としエチレングリコールを用いて解重合を行うことにより得られた粗製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを脱色、脱イオン処理の後、晶析して純度を高め、さらに分子蒸留によって純度98重量%以上に精製したものが工業的に有利に用いられる。
【0012】
本発明においては、上記ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート単量体から重縮合反応により重合度4〜10のオリゴマーを生成し、さらに真空度および温度を高め、所望の重合度のポリエチレンテレフタレートを形成する。この際、次のような反応が同時に起こると考えられる。即ち、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの末端ヒドロキシエチルエステル基が下記式のように熱分解して、末端カルボキシル基とエチレンオキシド(反応式中では開環した中間体として表している)を生成する。
【化1】
Figure 0003684346
生成したエチレンオキシドは、下記式のように、系中に存在するエチレングリコールと反応してジエチレングリコールを生成したり、あるいはビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートと結合してジエチレングリコール末端基を生成したりする。
【化2】
Figure 0003684346
【化3】
Figure 0003684346
【0013】
また、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートが直接エチレングリコールと反応してジエチレングリコール末端基を生成したり、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート同士が分子間で脱水縮合してジエチレングリコール構造を有するオリゴマーを生成したりする反応も起こる。
【化4】
Figure 0003684346
【化5】
Figure 0003684346
【0014】
上記反応はいずれもビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのヒドロキシエチルエステル末端基が関与する反応であり、ヒドロキシエチルエステル末端基は重合反応初期に反応系中に多く存在することから、前述した重縮合物中のジエチレングリコールの増加率が反応開始後35〜40分間において最も大きいという事実と符合する。ジエチレングリコールは反応性がエチレングリコールと同程度であって共重合されやすく、また、その沸点(約245℃)がエチレングリコールの沸点(約198℃)より高いために、蒸留により反応系内から除去するのは容易でない。本発明者はかかる点に着目し、ポリエチレンテレフタレート中に含まれるジエチレングリコールの含有量を減少させるためには生成したジエチレングリコールを除去するのではなく、エチレングリコールを早急に除去することによりジエチレングリコールを生成させないようにするのが有用であることを突き止め、本発明を完成するに至ったものである。即ち、本発明によれば、末端ヒドロキシエチルエステル基とエチレングリコールとの直接または間接的な反応によるジエチレングリコールの生成を抑制するために、重縮合反応の初期段階においてできる限り素早く系内から遊離のエチレングリコールを除去することにより、生成ポリエチレンテレフタレート中に含まれるジエチレングリコール成分の含有量を減少させ、高品質のポリエチレンテレフタレートを製造することができる。本発明においては、前記したようにエチレングリコールが高い沸点を有することから、エチレングリコールを迅速に除去するには常圧下ではなく、減圧下で加熱することが有効である。さらにその際、エチレングリコールが反応系内で還流したり、滞留したりしないようにすることが重要である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、具体例を挙げつつ詳細に説明する。本発明においては、まず、例えば使用済みのポリエチレンテレフタレートを公知の触媒の存在下で過剰のエチレングリコールと反応させて解重合することにより、粗製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートと粗製エチレングリコールの混合溶液を準備する。これを吸着・イオン交換処理して着色物と溶存イオンを除去した後、冷却してビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを晶析させ、エチレングリコールと固液分離する。得られた濃縮ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを分子蒸留することにより、純度98重量%以上で且つイオン含有量が10ppm以下である、精製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得ることができる。この精製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造は、例えば国際公開WO01/10812号、特開2000−169623号公報等に詳細に説明されており、これらの方法を用いることが好ましい。
【0016】
次に、このようにして得られた、精製されたビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートをオリゴマー化反応器に入れ、重合触媒の存在下、7〜70kPa、好ましくは10〜30kPaの減圧下で温度220〜270℃に加熱し、反応器内のエチレングリコールを真空蒸発させながら30〜90分間重合反応を行い、平均重合度4〜10のオリゴマーを形成する。この際、反応器の上部およびエチレングリコールの留出管を反応器内部の温度と同じように加熱することにより、エチレングリコールの還流を防止することができる。上記圧力が7kPaよりも小さいと反応器内の内容物の突沸が起こり、70kPaよりも大きいとオリゴマー化に長時間を要してジエチレングリコール増加の原因となる。また、上記温度が220℃よりも低いとオリゴマー化反応に長時間を要するため、やはりジエチレングリコール増加の原因となり好ましくない。さらに、上記重合触媒としては公知のものを用いることができ、例えば三酸化アンチモンや酢酸アンチモンなどのアンチモン化合物や、二酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物を好ましく用いることができる。触媒はエチレングリコールに溶かし溶液の状態で添加してもよいし、エチレングリコールに分散させ分散液の状態で添加してもよい。その際、触媒濃度は0.1〜20重量%、さらには0.5〜10重量%とするのが好ましい。また、安定剤として(亜)リン酸、(亜)リン酸ジメチル、(亜)リン酸トリメチル、(亜)リン酸トリフェニールなどのリン化合物を加える。重合触媒の使用量は公知の量で良く、例えばアンチモン化合物の場合アンチモン元素量で150〜300ppm、ゲルマウム化合物の場合ゲルマウム元素量で80〜160ppmが好ましく、またリン化合物の使用量はリン元素量で20〜30ppmが好ましい。
【0017】
次に、所望の重合度のポリエチレンテレフタレートを得るために、系内の圧力を低下させおよび温度を上昇させて、上記オリゴマーの重縮合反応を行う。反応は、オリゴマーの重合度をさらに高めるプレポリマー化反応器と得られたプレポリマーを所望の重合度のポリエチレンテレフタレートにする最終重合反応器の2つの反応器を設ける連続式で行ってもよいし、または、1つの反応器内でプレポリマー化に続いてポリマー化を行う回分式で行ってもよい。例えば、圧力を低下させおよび温度を上昇させて最終的に25〜140Paの圧力および275〜300℃、好ましくは275〜290℃の温度とすると、固有粘度(フェノール/テトラクロルエタン(1/1)の混合溶媒、25℃)が0.50以上、好ましくは0.55〜1.0、特に0.58〜0.75であるポリエチレンテレフタレートを形成することができる。また、ポリエチレンテレフタレートは平均重合度が90〜110のものが好ましい。
【0018】
なお、本明細書における特性は、下記の方法によって測定したものである。
(1) ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの純度
試料を5mg精秤し、クロロホルムを用いて約100ppmの溶液を調製し、これを液体クロマトグラフ法(島津製作所製 LC-6A型)にて分析して、モノマー量を求めた。
【0019】
(2) イオン含有量
金属成分の量は誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)でセイコー電子工業製のSPS4000型を用いて、陰イオンはイオンクロマトグラフ法で横河電機製のIC7000S型およびDIONEX社製のDX−300型を用いて測定した。
【0020】
(3) オリゴマーの平均重合度とその量
試料を5mg精秤し、クロロホルムを用いて約100ppmの溶液を調製し、これを液体クロマトグラフ法(島津製作所製 LC−6A型)にて分析して、各重合度のオリゴマー量を求めた。
【0021】
(4) ポリマーの固有粘度
フェノール/テトラクロロエタン(1/1)の混合溶媒を用い、25℃で粘度測定して求めた。
【0022】
(5) ジエチレングリコール量
前記オリゴマーの分析と同様に、液体クロマトグラフ法により測定した。
【0023】
(6) ポリマーのカラー
ハンター法による、日本電子工業製の色差計NZ−Σ80型を用いて、ポリマーのL,a,bを測定した。
【0024】
(7)灰分
試料50gを採取し、ドラフトチャンバー内で燃焼、炭化した後、さらに800℃で灰化して、化学天秤法で重量を測定した。
【0025】
【実施例】
本発明のさらに具体的な態様について説明するために、以下に実施例を挙げる。本発明がこれのみに限定されるものでないことはいうまでもない。
【0026】
実施例1
使用済みポリエチレンテレフタレートを過剰のエチレングリコールで解重合して粗製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得、これを精製して純度98.7重量%のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得た(ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート98.7重量%,オリゴマー0.7重量%,ジエチレングリコール0.6モル%,イオン含有量5ppm、灰分2ppm)。この精製ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート254g(1モル)を500mlの三つ口フラスコに入れ、さらにSb23の1.5重量%エチレングリコール溶液3.58gおよびリン酸0.007gを加えた後、フラスコ内部を窒素置換した。次に、留出するエチレングリコールを凝縮除去するためのコンデンサーおよびアセトン−ドライアイスを冷媒とするコールドトラップを付し、真空制御付き真空ポンプに接続した。フラスコ上部からコンデンサーまでの温度が一定となるようにヒーターを用い、250℃に保持した。さらに、フラスコに無段減速型の磁気シール撹拌機を取り付け、内温制御用のシリコンバスに浸漬した。そして、フラスコ内部の温度を上昇させるとともに、徐々に減圧を行った。フラスコ内部の温度が120℃に達してビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートが融解した時点での撹拌を120rpmとした。
【0027】
フラスコ内部の温度が190℃に達したあたりからエチレングリコールの発生が活発となった。フラスコ内部を圧力15kPa、温度255±2℃に維持した状態で、60分間エチレングリコールを除去しながらオリゴマー化反応を行った。
【0028】
エチレングリコールの留出が殆んど見られなくなったところで、5分間かけて徐々に1,000Paまで減圧させると共に、温度を270℃に上昇させた。次に、10分間かけて130Pa、275℃とし、さらに10分間かけて80Pa,278℃とした。撹拌機の回転数を重合度の上昇に伴い電流値見合いで徐々に10rpmまで下げ、最終的には電流値から重合の終点を決定した。80Pa,278℃での反応時間は72分間であった。
【0029】
得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.63dl/g、ジエチレングリコールの含有量は1.5モル%であった。また、色度はハンター法でL(明るさ)=79.3,a(赤色度)=0.7,b(黄色度)=0.9であった。
【0030】
比較例1
実施例1のオリゴマー化を常圧で行った他は、実施例1と同様の操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.62dl/g、ジエチレングリコールの含有量は3.5モル%であった。また、色度はハンター法でL(明るさ)=79.3,a(赤色度)=1.5,b(黄色度)=5.2であった。
【0031】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明のポリエチレンテレフタレートの製造方法によれば、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを出発原料とし、該ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの縮合反応により生じるエチレングリコールおよび触媒等の添加物と共に加えられるエチレングリコールを素早く系内より除去することができるので、生成ポリエチレンテレフタレート中のジエチレングリコール成分の含有量を減少させることができる。したがって、例えば使用済みポリエチレンテレフタレートを原料とした、純度98重量%以上で且つイオン含有量が10ppm以下であるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートから、テレフタル酸より得られるポリエチレンテレフタレートと同程度の品質を有するポリエチレンテレフタレートを製造することができる。

Claims (2)

  1. (1)(A)純度が98重量%以上であるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを、(B)重合触媒のエチレングリコール溶液またはエチレングリコール分散液および(C)リン化合物の存在下、7〜70kPaの圧力および220〜270℃の温度で30〜90分間エチレングリコールを除去しながら反応させて平均重合度4〜10のオリゴマーを生成せしめ、次いで
    (2)圧力を低下させおよび温度を上昇させて最終的に25〜140Paの圧力および275〜300℃の温度で上記工程(1)の反応生成物を重縮合させて固有粘度0.50以上のポリエチレンテレフタレートを生成せしめる、
    ことを特徴とするポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  2. 前記ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートのイオン含有量が10ppm以下である請求項1に記載の方法。
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