JP3684009B2 - 映像通信システム及び情報処理装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置を遠隔操作可能な映像通信システム及び情報処理装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は一般的な映像通信システムの概要を示す図である。また、図9は一般的な映像通信システムの概略構成を示すブロック図である。例えば、カメラを制御し、その映像を送信する映像サーバとしての通信端末100は、図8に示すように、コンピュータ本体101、キーボード102、マウス103、ディスプレイ104、ビデオカメラ105を備える。また、通信端末100よりの映像データを受信してこれを表示する映像クライアントとしての通信端末200は、図8に示されるように、コンピュータ本体201、キーボード202、マウス203、ディスプレイ204を備える。そして、通信端末100と通信端末200はネットワーク300によって通信可能に接続される。
【0003】
図9に示されるように、通信端末100のビデオカメラ105で撮影された映像は、映像入力部110によってデジタル化される。そしてデジタル化された1画面分の映像データは、ネットワーク送受信部111によりパケット化され、ネットワーク300上に出力される。ネットワーク300上に出力されたパケットは、通信端末200のネットワーク送受信部211により受信される。通信端末200はパケットを受信すると、受信したパケットをデータ化し、それを映像バッファ210に蓄積する。そして通信端末200は、映像データを一定のタイミングで映像バッファ210から読み出し、映像をディスプレイ204に表示する。
【0004】
以上の動作を繰り返すことにより、ビデオカメラ105によって通信端末100で獲得している動画映像を通信端末200で表示することが可能となる。ここで、映像データを映像バッファ210に蓄積する理由は次の通りである。
ネットワーク上のパケットは様々な理由で時間に対する揺らぎ(ジッタ)を持って流れる。この様子を図10に示す。図10に示されるように、映像データ送信側から一定の間隔Tで1フレーム分の映像データが送信されたとしても、ジッタの影響で受信側では必ずしも一定の間隔Tで受信されるとは限らない。このため、図10のAの部分に示されるように受信間隔が広がったり、Bの部分に示されるように受信間隔が狭まったりする。
【0005】
従って、もし、映像バッファ210を介さずに受信したデータをすぐに表示すると、ディスプレイに表示される映像の動きが遅くなったり(Aの部分)、速くなったり(Bの部分)してしまう。これを防ぐために、ジッタを吸収できるだけの時間映像バッファ210にバッファしておき、映像の再生時に映像獲得時と同じタイミングで読み出すことで、ジッタの影響を少なくすことが一般に行なわれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、パン、チルトおよびズームを外部制御可能なビデオカメラ105を通信端末100に接続し、映像の表示を行っている通信端末200からビデオカメラ105の姿勢を制御する場合を考慮していなかった。具体的に説明する。上記従来例では、表示する映像データをバッファしているため、映像を獲得した時刻と表示される時刻に生じるズレが大きくなる。このため、映像表示を行っている通信端末200から、ユーザがその映像を見ながらビデオカメラ105のパンやチルトやズームなどの制御を行った際、ビデオカメラを動かした後の映像が表示されるまでにしばらく時間がかかることになる。よって、ユーザは更にビデオカメラを動かしてしまい、ユーザが意図した以上にビデオカメラを動かしてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、撮像装置の遠隔操作時において、映像送信側端末が獲得した時刻と映像表示側端末が映像を表示する時刻のズレを小さくすることを可能とし、映像表示側端末による表示画像を見ながら映像送信端末の撮像装置の操作を行った際の、表示画像の操作状態に対する追従性を向上した映像通信システム及び情報処理装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明の他の目的は、映像表示側端末から映像送信側端末にある撮像装置の操作を行った場合に、撮像装置の操作後に映像送信側端末が獲得した映像をより迅速に映像表示側端末に表示させることを可能とすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の映像通信システムは以下の構成を備える。すなわち、
少なくとも1つの映像送信端末よりの映像情報を少なくとも1つの映像表示端末で受信して表示する映像通信システムであって、
前記映像送信端末に設けられた撮像装置よりの映像情報を前記映像表示端末で受信する受信手段と、
前記映像情報をバッファリングする第1の記憶手段と、
前記映像情報を表示イメージとして記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に蓄積された映像情報に基づいて画像を表示する表示手段と、
前記映像表示端末において、前記撮像装置の操作状態を検出する検出手段と、
前記検出手段で前記撮像装置が被操作状態でないことを検出した場合、前記受信手段で受信した映像情報を前記第1の記憶手段へ出力するとともに、前記第1の記憶手段の映像情報を前記第2の記憶手段に出力し、前記検出手段で前記撮像装置が被操作状態であることを検出した場合、前記受信手段で受信した映像情報を前記第2の記憶手段に出力する制御手段とを備える。
【0010】
また、上記の目的を達成する本発明の情報処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
ネットワーク上の外部装置より映像情報を受信して表示する情報処理装置であって、
前記映像情報を受信する受信手段と、
前記映像情報をバッファリングする第1の記憶手段と、
前記映像情報を表示イメージとして記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に蓄積された映像情報に基づいて画像を表示する表示手段と、
前記外部装置の送信する映像情報を獲得している撮像装置が被操作状態であることを検出する検出手段と、
前記検出手段で前記撮像装置が被操作状態でないことを検出した場合、前記受信手段で受信した映像情報を前記第1の記憶手段へ出力するとともに、前記第1の記憶手段の映像情報を前記第2の記憶手段に出力し、前記検出手段で前記撮像装置が被操作状態であることを検出した場合、前記受信手段で受信した映像情報を前記第2の記憶手段に出力する制御手段とを備える。
【0012】
更に上記の目的を達成するための本発明の映像通信システムの制御方法は、
少なくとも1つの映像送信端末よりの映像情報を少なくとも1つの映像表示端末で受信して表示する映像通信システムの制御方法であって、
前記映像表示端末は、前記映像情報をバッファリングする第1の記憶手段と、前記映像情報を表示イメージとして記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に蓄積された映像情報に基づいて画像を表示する表示手段とを備え、
前記映像送信端末に設けられた撮像装置よりの映像情報を前記映像表示端末で受信する受信工程と、
前記映像表示端末において、前記撮像装置の操作状態を検出する検出工程と、
前記検出工程で前記撮像装置が被操作状態でないことを検出した場合、前記受信工程で受信した映像情報を前記第1の記憶手段へ出力するとともに、前記第1の記憶手段の映像情報を前記第2の記憶手段に出力し、前記検出手段で前記撮像装置が被操作状態であることを検出した場合、前記受信工程で受信した映像情報を第2の記憶手段に出力する制御工程とを備える。
【0013】
また、上記の目的を達成する本発明の情報処理装置の制御方法は、
ネットワーク上の外部装置より映像情報を受信して表示する情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置は、前記映像情報をバッファリングする第1の記憶手段と、前記映像情報を表示イメージとして記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に蓄積された映像情報に基づいて画像を表示する表示手段とを備え、
前記映像情報を受信する受信工程と、
前記外部装置の送信する映像情報を獲得している撮像装置の操作状態を検出する検出工程と、
前記検出工程で前記撮像装置が被操作状態でないことを検出した場合、前記受信工程で受信した映像情報を前記第1の記憶手段へ出力するとともに、前記第1の記憶手段の映像情報を前記第2の記憶手段に出力し、前記検出手段で前記撮像装置が被操作状態であることを検出した場合、前記受信工程で受信した映像情報を第2の記憶手段に出力する制御工程とを備える。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0015】
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態による映像通信システムの構成を説明するブロック図である。10、20は通信端末であり、それぞれの端末本体11、21は、通常のコンピュータと同様にCPU41、51、ROM42、52、RAM43、53、外部記憶装置44、54などから構成されている。また、通信端末10、20は、ネットワーク30によって相互に通信可能に接続される。
【0016】
12はビデオカメラである。また、13は映像入力部であり、ビデオカメラ12より出力された映像アナログ信号を取り込み、これをデジタル化する。14はカメラ制御部であり、ビデオカメラ12のパン、チルト及びズームなどを制御する(以下、姿勢制御という)。15はネットワーク送受信部であり、ネットワーク30にパケットを送信したり、ネットワーク30に流れているパケットを受信したりする。以上の映像入力部13、カメラ制御部14、ネットワーク送受信部15の各構成は、それぞれの構成に適応したハードウエアと、CPU41がROM42或いはRAM43に格納された制御プログラムを実行してこれらハードウエアを適切に制御することで実現される。
【0017】
27は受信したデジタル映像データを蓄積するための映像バッファ部である。映像バッファ部27は、RAM53或いは外部記憶装置54を映像バッファとして使用し、最初に蓄積したデータを最初に読み出すことが可能なFirstInFirstOutメモリを構成している。22はディスプレイであり、CPU51の制御によって各種表示を行う。受信した映像も、このディスプレイ22に表示される。28はポインティングデバイスであるマウス、29はキーボードである。
【0018】
23はカメラ制御部であり、マウス28或いはキーボード29によって指示されたビデオカメラ12のパン角、チルト角、ズーム値などの指示をコマンド化するとともに、これを通信端末10へ送信するべくネットワーク送受信部24に渡す。26はバッファ抑制部であり、映像バッファ部27に対して、映像データをバッファリングするかそのままディスプレイに表示するかを指示する。25はカメラ制御検知部であり、カメラ制御要求が行われているか否かを判断し、その判断結果をバッファ抑制部26へ伝える。24はネットワーク送受信部であり、ネットワーク30にパケットを送信したり、ネットワーク30に流れているパケットを受信したりする。
【0019】
以上の参照番号23〜27で示した各部は、それぞれの構成に適応したハードウエアと、CPU51がROM52或いはRAM53に格納された制御プログラムを実行してこれらハードウエアを適切に制御することで実現される。
【0020】
図2は本実施形態による通信端末20の表示例を示す図である。同図において301はディスプレイ22に表示されたマウスカーソルである。周知の通り、マウス28によりマウスカーソル301はマウス28の操作によって自在に移動させることができる。302はディスプレイ22に表示された映像で、通信端末10のビデオカメラ12からの映像である。303はカメラ操作のためのユーザインタフェースである。
【0021】
以下、通信端末10から映像データを出力するまでの動作を図1を用いて説明する。
【0022】
通信端末10のビデオカメラ15から出力されたアナログ映像データは映像入力部13によりデジタル化される。デジタル化された映像データはネットワーク送受信部15によりパケット化され、通信端末10からネットワーク30に所定の周期で送り出される。
【0023】
次に、通信端末20が映像データを受信してから表示するまでの動作を図1、図3、図4を用いて説明する。図3は本実施形態の映像バッファ部27とその周辺部分の構成をを詳細に示すブロック図である。また、図4は本実施形態の通信端末20による受信映像データの表示手順を示すフローチャートである。
【0024】
図3に示すように、映像バッファ部27はバッファメモリ27a、バッファ制御部27b、出力制御部27cを備える。バッファメモリ27aは、例えばRAM53の一部を利用して構成され、本例では最大10画面分の映像データを格納できるものとする。また、バッファ制御部27bは、バッファ抑制部26の抑制信号がオフのときは入力した映像データをバッファメモり27aへバッファリングし、抑制信号がオンのときは入力した映像データを出力制御部27cへ送る。出力制御部27cは、抑制信号がオフの場合はバッファメモリ27aよりバッファリングされたデータを読み出して描画部55へ出力し、抑制信号がオンの場合はバッファ制御部27bよりの映像データを描画部55へ出力する。この結果、抑制信号がオンの場合には、入力された映像データはバッファメモリ27aに格納されず、そのまま描画部55へ出力されることになる。
【0025】
描画部55は入力された映像データに基づいてVRAM56へイメージの描画を行う。VRAM56に描画されたイメージは不図示のビデオコントローラによってディスプレイ22に表示される。
【0026】
以上のようなバッファ抑制部26、映像バッファ部27の動作を、図4のフローチャートを用いて更に説明する。
【0027】
まず、ステップS11において、映像データのパケットを受信したかどうかを判定する。パケットが受信されていれば、ステップS12へ進み、現在カメラ制御中かどうかが判定される。この判定は、上述のようにカメラ抑制部26からの抑制信号がオンか否かをチェックすることで行なわれる。現在カメラ制御中でなければ、ステップS13へ進み、バッファメモリ27aに当該映像データをバッファリングする。
【0028】
ステップS14では10画面分の映像データがバッファメモリ27aに蓄積されたか否か、或いは表示フラグがオンしているか否かを判断する。10画面分の映像データがバッファリングされると、所定の表示タイミングでの表示を開始すべく、表示フラグがオンされる(ステップS15)。そして、表示タイミングになると、バッファメモリから、1番古い1フレーム分の映像データが読み出され、ディスプレイ22に描画される(ステップS16、S17)。なお、読み出した映像データはバッファメモリ27aから消去される。以後、表示フラグがオンの間、受信した映像データのバッファメモリ27aへのバッファリングと、バッファメモリ27aから読み出した映像データの表示が並行して行なわれる。そして、バッファメモリ27aから映像データが無くなると、表示フラグがオフされる(ステップS18、S19)。
【0029】
以上のような処理の途中で、カメラ制御要求部23からカメラの制御要求が発行されると、カメラ制御検知部25これを検知し、バッファ抑制部26に伝える。バッファ抑制部26が抑制信号をオンすると、バッファ制御部27bは入力された映像データを、バッファメモリ27aを介さずにバッファ出力部27cに渡す。そして、バッファ出力部27cがこの映像データを描画部55に送ることにより、バッファリング無しで受信した映像データが表示されることになる(ステップS12、S20)。
【0030】
以上のように構成することにより、カメラ操作時に映像データがバッファされることがなくなり、カメラ操作によって変化した映像を少ない遅延時間で表示できるようになる。このため、カメラ操作が行い易くなるという利点がある。
【0031】
なお、上記説明では、1対1の通信システムを例にとって説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、多対多の通信システムに関して適応可能であることは明らかである。また本実施形態の通信端末は送信専用(通信端末10)と表示専用(通信端末29)に分かれていたが、本発明はこれに限るものではなく相互に通信する場合においても適用可能である。
【0032】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、映像表示側の装置からカメラを操作した場合、カメラを動かした後の映像がバッファされずに表示されるので、カメラの撮像時刻と表示時刻との差を短くすることができ、カメラの操作性が向上する。
【0033】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、カメラ操作時に、既に映像バッファ部27に映像データが蓄積されていると、カメラ操作を終了した後、バッファされている映像データを全て読み出すまでは最新の映像を表示できない。第2の実施形態はこの問題を解決するためのものである。
【0034】
図5は第2の実施形態による映像通信システムの構成を示すブロック図である。同図において、第1の実施形態(図1)と同じ構成には同一の参照番号を付し、ここではそれらの詳細な説明を省略する。61はバッファ消去部であり、カメラ制御検知部25がユーザによるカメラ操作を検知した場合に、映像バッファ部27にバッファリングされた映像データを消去する。
【0035】
図6は第2の実施形態による映像バッファ部27とその周辺部分の構成をを詳細に示すブロック図である。同図において第1の実施形態(図3)と同じ構成には同一の参照番号を付してある。第2の実施形態では、バッファ制御部61が、バッファメモリ27aに格納された映像データの一括消去を行う。
【0036】
以上のような構成において、通信端末20のマウスカーソル301をマウス28を用いてディスプレイ上で動かすことで、カメラ制御インタフェース303を用いてビデオカメラ12の操作を行うと、その情報がカメラ制御要求部23に伝わる。カメラ制御要求部23はその要求をコマンド化し、ネットワーク送受信部24に渡す。ネットワーク送受信部24はコマンドをパケット化してネットワーク30に送信する。通信端末10のネットワーク送受信部15はパケットを受信すると、パケットをコマンドに戻し、これをカメラ制御部14に渡す。カメラ制御部14はコマンドに従ってカメラの制御を行う。
【0037】
図7は第2の実施形態によるバッファ消去部の処理手順を説明するフローチャートである。通信端末20のカメラ制御要求部23にカメラ制御要求が伝わると、カメラ制御検知部25がそれを検知する。カメラ制御検知部25は、カメラ制御要求を検知するとバッファ消去部61にその旨を伝える。この通知を受けたバッファ消去部612は、映像バッファ部27内のバッファメモリ27aに映像データが蓄積されているかどうかを調べる(ステップS101、S102)。そして、バッファメモリ27aに映像データが蓄積されていれば、バッファメモリ27bに蓄積されている全ての映像データを消去する(ステップS103)。
【0038】
以上のように構成することにより、カメラ操作時にバッファされた映像データを表示することがなくなり、カメラ操作の結果変化した映像をすぐに表示することができ、カメラ操作が行い易くなるという利点がある。
【0039】
なお、上記第2の実施形態では1対1の通信システムを例にとって説明したが、本発明は多対多の通信システムに関しても適用可能であることは明らかである。また本実施形態の通信端末は送信専用(通信端末10)と表示専用(通信端末20)に分かれていたが、本発明はこれに限るものではなく相互に通信する場合においても適用可能である。
【0040】
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、カメラ操作終了後に、新たな姿勢による映像データを迅速に表示することが可能となる。
【0041】
なお、上記第1及び第2の実施形態では、映像表示側の通信端末においてカメラの制御指示を行った場合に、当該映像表示側の端末においてその制御指示を検出してバッファの抑制を行う。しかしながら、ビデオカメラ12が制御指示を受けた場合に、映像送信側の端末がその旨を示す情報を映像データに付加して送信するようにし、映像表示側の端末が映像データの付加情報に基づいてカメラが制御中であることを認識するようにしてもよい。この場合、例えば、カメラ制御検知部25が受信した映像データパケットから、付加情報を分離して、カメラ制御中か否かを検出する。このようにすれば、複数の映像表示側となる通信端末が存在した場合に、そう指示を行っていない表示端末に置いても、カメラの動作に追従した映像を表示させることが可能となる。
【0042】
なお、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0043】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0044】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0045】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0046】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0047】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードを格納することになるが、簡単に説明すると、図11のメモリマップ例に示す各モジュールを記憶媒体に格納することになる。すなわち、例えば「受信処理モジュール」「バッファ処理モジュール」、「第1表示処理モジュール」「検出処理モジュール」及び「第2表示処理モジュール」の各モジュールのプログラムコードを記憶媒体に格納する。また、好ましくは「消去処理モジュール」の各モジュールのプログラムコードを格納する。
【0048】
ここで、上記各処理モジュールは、ネットワーク上の外部装置より映像情報を受信して表示するための制御プログラムを構成するもので、受信処理モジュールは映像情報を受信する受信処理を実行する。また、バッファ処理モジュールは受信した映像情報をバッファリングするバッファ処理を実現する。また、第1表示処理モジュールは、バッファ処理によって蓄積された映像情報に基づいて画像を表示する第1表示処理を実現する。また、検出処理モジュールは、外部装置の送信する映像情報を獲得している撮像装置が被制御状態であることを検出する検出処理を実現する。また、第2表示処理モジュールは、検出処理で前記撮像装置が被制御状態であることを検出した場合、前記受信処理で受信した映像情報をバッファ処理を介さずに直接的に表示する第2表示処理を実現する。更に、消去処理モジュールは、検出処理によって前記撮像装置が被制御状態であることが検出された場合、バッファ処理によって蓄積された映像情報を消去する消去処理を実現するものである。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、撮像装置の遠隔操作時において、映像送信側端末が獲得した時刻と映像表示側端末が映像を表示する時刻のズレを小さくすることを可能とし、映像表示側端末による表示画像を見ながら映像送信端末のカメラ操作を行った際の、表示画像の操作状態に対する追従性が向上する。
【0050】
また、本発明によれば、映像表示側端末から映像送信側端末にある撮像装置の操作を行った場合にバッファ内の映像データを消去するので、撮像装置の操作後に映像送信側端末が獲得した映像をより迅速に映像表示側端末に表示させることが可能となる。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による映像通信システムの構成を説明するブロック図である。
【図2】本実施形態による通信端末20の表示例を示す図である。
【図3】本実施形態の映像バッファ部27とその周辺部分の構成をを詳細に示すブロック図である。
【図4】本実施形態の通信端末20による受信映像データの表示手順を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態による映像通信システムの構成を示すブロック図である。
【図6】第2の実施形態による映像バッファ部27とその周辺部分の構成をを詳細に示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態によるバッファ消去部の処理手順を説明するフローチャートである。
【図8】一般的な映像通信システムの概要を示す図である。
【図9】一般的な映像通信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図10】ネットワーク上の通信におけるジッタの発生を説明する図である。
【図11】本発明に係る制御プログラムを格納した記憶媒体のメモリマップ例を示す図である。
【符号の説明】
10、20 通信端末
11、21 端末本体
12 ビデオカメラ
13 映像入力部
14 カメラ制御部
15、24 ネットワーク送受信部
22 ディスプレイ
23 カメラ制御要求部
25 カメラ制御検知部
26 バッファ制御部
27 映像バッファ部
41、51 CPU
42、52 ROM
43、53 RAM
44、54 外部記憶装置
Claims (8)
- 少なくとも1つの映像送信端末よりの映像情報を少なくとも1つの映像表示端末で受信して表示する映像通信システムであって、
前記映像送信端末に設けられた撮像装置よりの映像情報を前記映像表示端末で受信する受信手段と、
前記映像情報をバッファリングする第1の記憶手段と、
前記映像情報を表示イメージとして記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に蓄積された映像情報に基づいて画像を表示する表示手段と、
前記映像表示端末において、前記撮像装置の操作状態を検出する検出手段と、
前記検出手段で前記撮像装置が被操作状態でないことを検出した場合、前記受信手段で受信した映像情報を前記第1の記憶手段へ出力するとともに、前記第1の記憶手段の映像情報を前記第2の記憶手段に出力し、前記検出手段で前記撮像装置が被操作状態であることを検出した場合、前記受信手段で受信した映像情報を前記第2の記憶手段に出力する制御手段とを備えることを特徴とする映像通信システム。 - 前記第1の記憶手段は複数フレームの映像情報を記憶し、前記第2の記憶手段へ古いフレームの順に映像情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の映像通信システム。
- ネットワーク上の外部装置より映像情報を受信して表示する情報処理装置であって、
前記映像情報を受信する受信手段と、
前記映像情報をバッファリングする第1の記憶手段と、
前記映像情報を表示イメージとして記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に蓄積された映像情報に基づいて画像を表示する表示手段と、
前記外部装置の送信する映像情報を獲得している撮像装置が被操作状態であることを検出する検出手段と、
前記検出手段で前記撮像装置が被操作状態でないことを検出した場合、前記受信手段で受信した映像情報を前記第1の記憶手段へ出力するとともに、前記第1の記憶手段の映像情報を前記第2の記憶手段に出力し、前記検出手段で前記撮像装置が被操作状態であることを検出した場合、前記受信手段で受信した映像情報を前記第2の記憶手段に出力する制御手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。 - 前記第1の記憶手段は複数フレームの映像情報を記憶し、前記第2の記憶手段へ古いフレームの順に映像情報を出力することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
- 少なくとも1つの映像送信端末よりの映像情報を少なくとも1つの映像表示端末で受信して表示する映像通信システムの制御方法であって、
前記映像表示端末は、前記映像情報をバッファリングする第1の記憶手段と、前記映像情報を表示イメージとして記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に蓄積された映像情報に基づいて画像を表示する表示手段とを備え、
前記映像送信端末に設けられた撮像装置よりの映像情報を前記映像表示端末で受信する受信工程と、
前記映像表示端末において、前記撮像装置の操作状態を検出する検出工程と、
前記検出工程で前記撮像装置が被操作状態でないことを検出した場合、前記受信工程で受信した映像情報を前記第1の記憶手段へ出力するとともに、前記第1の記憶手段の映像情報を前記第2の記憶手段に出力し、前記検出手段で前記撮像装置が被操作状態であることを検出した場合、前記受信工程で受信した映像情報を第2の記憶手段に出力する制御工程とを備えることを特徴とする制御方法。 - 前記第1の記憶手段は複数フレームの映像情報を記憶し、前記第2の記憶手段へ古いフレームの順に映像情報を出力することを特徴とする請求項5に記載の制御方法。
- ネットワーク上の外部装置より映像情報を受信して表示する情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置は、前記映像情報をバッファリングする第1の記憶手段と、前記映像情報を表示イメージとして記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に蓄積された映像情報に基づいて画像を表示する表示手段とを備え、
前記映像情報を受信する受信工程と、
前記外部装置の送信する映像情報を獲得している撮像装置の操作状態を検出する検出工程と、
前記検出工程で前記撮像装置が被操作状態でないことを検出した場合、前記受信工程で受信した映像情報を前記第1の記憶手段へ出力するとともに、前記第1の記憶手段の映像情報を前記第2の記憶手段に出力し、前記検出手段で前記撮像装置が被操作状態であることを検出した場合、前記受信工程で受信した映像情報を第2の記憶手段に出力する制御工程とを備えることを特徴とする制御方法。 - 前記第1の記憶手段は複数フレームの映像情報を記憶し、前記第2の記憶手段へ古いフレームの順に映像情報を出力することを特徴とする請求項7に記載の制御方法。
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